JP2010077197A - 黒色顔料及びその製造方法、並びにこれを用いた黒色セラミックペースト及びそれを用いた板ガラス製品 - Google Patents

黒色顔料及びその製造方法、並びにこれを用いた黒色セラミックペースト及びそれを用いた板ガラス製品 Download PDF

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Abstract

【課題】クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料であって、高い安全性、色調及び経済性を具備し、しかも、自動車のウインドウガラス等の板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途により適合した黒色顔料及びその製造方法、並びに黒色セラミックペースト、これを塗着した板ガラス製品を提供する。
【解決手段】原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料であって、主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、MnをMnO2として40〜75重量%、FeをFe23として15〜45重量%と、CuをCuOとして1〜10重量%、CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たす。当該黒色セラミックペーストに当該黒色顔料を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クロムの価数に関わりなくクロム自体を主成分に含有しない黒色顔料及びその製造方法、並びにこれを用いた黒色セラミックペースト及びそれを用いた板ガラス製品に関する。
無機系の黒色顔料は窯業、塗料、樹脂の着色、ガラスペーストの顔料成分等の各種分野で使用されている。例えば、黒色顔料を使用したガラスペーストは、自動車用ウインドウガラスの周縁部の塗膜を構成するセラミックペースト(特許文献1参照)、プラズマディスプレイの絶縁物障壁用の絶縁ペースト等に用いられている(特許文献2参照)。
従来の黒色顔料のほとんどは、その構成成分にクロム(Cr)を含有している。クロム化合物のCr23は、顔料の耐熱性の向上、色調の調整のために含有させるなど、黒色顔料の製造には欠かせない原料酸化物の1つとして多用されてきた。
現在、EU域内では電気・電子機器の生産から処分に至る全ての段階で、環境や人体に及ぼす危険性を最小化することを目的として、「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令」が施行されている。通常、これはローズ指令(RoHS:Restriction of Hazardous Substancesの略)と呼ばれる。このローズ指令では、危険物質の使用が原則的に禁止されており、指定されている6物質は、鉛(Pb)、水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、6価クロム(Cr6+)、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)である。
ローズ指令に準拠した製品開発を行う場合、使用が禁止された前記の6物質が製品に含有しないように、製品を構成する部品、材料等についてまで使用する原料成分の管理を徹底しなくてはならない。このような環境問題に配慮した有害化学物質の規制については、EU諸国だけではなく、世界各国で広がりを見せている。
一般に顔料の原料酸化物として含有されるCrは、加熱等が加わることにより、毒性の強い6価クロム(Cr6+)に変化する。顔料の製造工程においては、必要に応じて水洗処理等を行っているため、生成された6価クロムは除去される。しかし、180℃前後の乾燥工程を経ることにより部分的に再び6価クロムに変化するおそれがある。このため、製品である黒色顔料そのものが問題となる場合がある。その上、顔料の用途によっては、その使用条件により加熱や紫外線曝露があり得る。このような場合、経時的変化により黒色顔料に含まれるCrが3価(Cr3+)から6価(Cr6+)に変化するおそれを完全に否定できない。
現行のローズ指令は6価クロムのみを規制の対象としている。しかし、クロム含有の黒色顔料が使用された製品を廃棄するような場合、価数の変化に伴う安全性が問題視されはじめている。究極的には、クロム成分そのものを含有しない黒色顔料(特許文献3参照)への着目が高まっている。特許文献3の黒色顔料は、その主成分としてストロンチウム化合物と鉄酸化物を用いている。ストロンチウムの水に対する溶解性は高いため、実質的な製造方法は非水系液体、またはアルコールと限られる。従って、顔料製造コストが嵩むと共に、使用範囲及び用途もごく限定されるおそれがある。
さらに、黒色顔料の製造に用いる配合、手法に改良を重ね、クロム自体を含有しない新たな黒色顔料が提案されている(特許文献4参照)。特許文献4の黒色顔料は、Mn、Co、Ni及びFeの酸化物を主成分とした顔料である。当該黒色顔料は、良好な黒色を呈し、既存の設備、製法を利用でき比較的安価に製造することが可能である。ただし、同文献4の黒色顔料を例えば自動車のウインドウガラスに用いるセラミックペーストに使用した場合、ペーストの良好な融着を得るためにはセラミックペーストの融着温度を既存のペーストよりも上昇傾向にあったため、これを下げる必要があった。ところが、セラミックペーストの融着温度を下げるための成分調整に伴い熱膨張係数が変化し、ウインドウガラス上に形成されたセラミックペースト膜の亀裂要因となるおそれがある。
一連の経緯から、製品に含有される有害化学物質を管理する必要性の高まりに伴い、クロムそのものを含有しない顔料であって、高い安全性、色調及び経済性を具備することは言うに及ばず、ウインドウガラス等の板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途にもより適合した黒色顔料及びその製造方法が切望されていた。
特開平6−340447号公報 特開平6−144871号公報 特開2000−264639公報 特開2007−217544号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料であって、高い安全性、色調及び経済性を具備し、しかも、自動車等の板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途により適合した黒色顔料及びその製造方法、並びに黒色セラミックペースト及び当該黒色セラミックペーストを用いた板ガラス製品を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料であって、前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、前記黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、前記MnをMnO2として40〜75重量%と、前記FeをFe23として15〜45重量%と、前記CuをCuOとして1〜10重量%と、前記CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たしていることを特徴とする黒色顔料に係る。
請求項2の発明は、前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下である請求項1に記載の黒色顔料に係る。
請求項3の発明は、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料の製造方法であって、前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、当該黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、前記MnをMnO2として40〜75重量%と、前記FeをFe23として15〜45重量%と、前記CuをCuOとして1〜10重量%と、前記CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たしている前記各原料酸化物を混合粉砕し、酸化雰囲気下において600〜1200℃で焼成して平均粒径5μm以下に粉砕することを特徴とする黒色顔料の製造方法に係る。
請求項4の発明は、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料の製造方法であって、前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、当該黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、前記MnをMnO2として40〜75重量%と、前記FeをFe23として15〜45重量%と、前記CuをCuOとして1〜10重量%と、前記CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たしている前記各原料酸化物を混合粉砕し、酸化雰囲気下において600〜1200℃にて一次焼成して平均粒径5μm以下に粉砕し、600〜1050℃にて二次焼成して平均粒径5μm以下に粉砕することを特徴とする黒色顔料の製造方法に係る。
請求項5の発明は、前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下である請求項3に記載の黒色顔料の製造方法に係る。
請求項6の発明は、前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下である請求項4に記載の黒色顔料の製造方法に係る。
請求項7の発明は、請求項1に記載の黒色顔料を含有してなる黒色セラミックペーストに係る。
請求項8の発明は、請求項2に記載の黒色顔料を含有してなる黒色セラミックペーストに係る。
請求項9の発明は、請求項7に記載の黒色セラミックペーストを焼き付けてなる板ガラス製品に係る。
請求項10の発明は、請求項8に記載の黒色セラミックペーストを焼き付けてなる板ガラス製品に係る。
請求項1の発明に係る黒色顔料によると、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料であって、前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、前記黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、前記MnをMnO2として40〜75重量%と、前記FeをFe23として15〜45重量%と、前記CuをCuOとして1〜10重量%と、前記CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たしているため、クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料であって、高い安全性と良好な色調を具備し、しかも、板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途により適合させることができた。
請求項2の発明に係る黒色顔料によると、請求項1の発明において、前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下であるため、高純度の原料を用いたり、不純物の混入を避けるための特別な製造管理や方法を用いる必要がなく、原料や製造コストを比較的安価とすることができる。
請求項3の発明に係る黒色顔料の製造方法によると、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料の製造方法であって、前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、当該黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、前記MnをMnO2として40〜75重量%と、前記FeをFe23として15〜45重量%と、前記CuをCuOとして1〜10重量%と、前記CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たしている前記各原料酸化物を混合粉砕し、酸化雰囲気下において600〜1200℃で焼成して平均粒径5μm以下に粉砕するため、クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料であって、高い安全性と良好な色調を具備し、しかも、板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途により適合した量産性に優れた黒色顔料の製造方法を確立することができた。
請求項4の発明に係る黒色顔料の製造方法によると、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料の製造方法であって、前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、当該黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、前記MnをMnO2として40〜75重量%と、前記FeをFe23として15〜45重量%と、前記CuをCuOとして1〜10重量%と、前記CoをCo34として0.5〜10重量%とする割合を満たしている前記各原料酸化物を混合粉砕し、酸化雰囲気下において600〜1200℃にて一次焼成して平均粒径5μm以下に粉砕し、600〜1050℃にて二次焼成して平均粒径5μm以下に粉砕するため、クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料であって、高い安全性と良好な色調を具備し、しかも、板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途により適合した黒色顔料の製造方法を確立することができた。さらに、顔料の結晶成長の調整も容易に制御することができる。
請求項5の発明に係る黒色顔料の製造方法によると、請求項3の発明において、前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下であるため、高純度の原料を用いたり、不純物の混入を避けるための特別な製造管理や方法を用いる必要がなく、原料や製造コストを比較的安価とした製造方法が可能となった。
請求項6の発明に係る黒色顔料の製造方法によると、請求項4の発明において、前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下であるため、高純度の原料を用いたり、不純物の混入を避けるための特別な製造管理や方法を用いる必要がなく、原料や製造コストを比較的安価とした製造方法が可能となった。
請求項7の発明に係る黒色セラミックペーストによると、請求項1に記載の黒色顔料を含有してなるため、黒色顔料に起因したクロムそのものをクロムの価数に関わらず主成分として含有しないことから、高い安全性を具備し、同時に板ガラス製品に用いるセラミックペーストの融着温度を既存の温度域のペーストから大きくずらす必要性がなく、セラミックペーストの脆弱化のおそれを回避することができる。
請求項8の発明に係る黒色セラミックペーストによると、請求項2に記載の黒色顔料を含有してなるため、黒色顔料に起因したクロムそのものをクロムの価数に関わらず主成分として含有しないことから、高い安全性を具備し、同時に板ガラス製品に用いるセラミックペーストの融着温度を既存の温度域のペーストから大きくずらす必要性がなく、セラミックペーストの脆弱化のおそれを回避することができる。
請求項9の発明に係る板ガラス製品によると、請求項7に記載の黒色セラミックペーストを焼き付けてなるため、クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料に基づいた板ガラス製品を得ることができる。
請求項10の発明に係る板ガラス製品によると、請求項8に記載の黒色セラミックペーストを焼き付けてなるため、クロムの価数に関わらずクロムそのものを主成分に含有しない顔料に基づいた板ガラス製品を得ることができる。
以下添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係る概略工程図、図2は本発明の他の実施例に係る概略工程図である。
背景技術にて開示のとおり、本発明の黒色顔料とは、Crの価数に関わらず主成分としてCr自体を用いていない顔料である。請求項1の発明に規定するように、当該黒色顔料は、原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの4種類の金属元素の各酸化物を全て含有する。
主成分となるMn、Fe、Cu及びCoの原料形態は特に限定されず、各金属酸化物に加えて、炭酸塩、水酸化物等の金属化合物である。具体的には、MnO2、Mn34、MnCO3、Mn(OH)2、天然の二酸化マンガン粉砕品(MnO2+Fe23を含む)、FeO、Fe23、Fe34、FeOOH、CuO、Cu23、CuCO2、Cu(OH)2、Co34、CoO、CoCO3、Co(OH)2等から適宜選択され、あるいはこれらの組み合わせとなる場合もある。
主成分となるMn、Fe、Cu及びCoの間に成立する配合量の割合は、いずれの金属元素とも酸化物とした上で、当該黒色顔料(完成品)の全体重量に占める割合として相対化した。後記の実施例からも明らかなとおり、MnはMnO2として40〜75重量%、FeはFe23として15〜45重量%、CuはCuOとして1〜10重量%、CoはCo34として0.5〜10重量%となる割合が、所望の性質を具備した良好な黒色顔料となる。
各主成分金属元素は上記の酸化物として黒色顔料の全体重量に占める割合を計算している。このため、Mn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の重量パーセントの総和が100を超える場合や100を下回る場合もあり得る。これは、主成分元素のもととなる原料の純度、後述する副成分の混入、顔料中の酸化数(酸素元素数)の変化、あるいは複合酸化物となった際の結晶構造の変化等が考えられるためである。主成分金属元素をいったん酸化物の重量に換算することにより実際の原料使用量に近似する。そのため、使用量の把握が容易である。
前記特許文献4(特開2007−217544号公報)において主成分であるMn、Co、Ni及びFeは、Cr成分を含有しない黒色顔料を製造する際、極めて重要な成分であることが既に明らかとなった。これら4種の成分(Mn、Co、Ni及びFe)のうち、いずれか1種でも欠けた状態で黒色顔料を製造した場合、濃度の低い顔料となる傾向がある。こうして、一般的な用途のCrを含有しない黒色顔料が得られた。
その後さらに、発明者らは、特許文献4の黒色顔料を使用して自動車用のウインドウガラス表面に塗着する黒色セラミックペーストの調製を検証した。特許文献4の黒色顔料を用いたセラミックペーストの融着温度は既存の黒色顔料用のセラミックペーストよりも高温域となる傾向があった。そこで、ウインドウガラスへの焼き付けの容易さやウインドウガラス自体の熱変形を回避するべくセラミックペーストの組成調整により、融着温度を低温度域にする必要があった。この場合、Na等のアルカリ金属、Ca等のアルカリ土類元素によりセラミックペーストの融着温度を調整していた。しかし、これらの軽金属成分のセラミックペースト中に含まれる含有量が増加するにつれて、塗着後のセラミックペーストの耐水性、耐酸性の低下に伴う脆弱化が懸念されるに至った。とりわけ、自動車は湿度の高い国、地域、季節により水分の影響を受けることから、セラミックペーストの耐水性、耐酸性は重要である。また、Na等のアルカリ金属の過剰混入に起因してセラミックペーストの熱膨張係数は増大する。結果として、ウインドウガラスの熱膨張係数との差異が大きくなり、塗着後のセラミックペースト膜に亀裂が入るおそれも考えられている。
発明者らは、特許文献4の黒色顔料の主成分となる金属元素(酸化物)、配合量を再考した。その上で、主成分からNiを除外しCuを必須とすることにより、Mn、Fe、Cu及びCoが主成分として必須であり、前記の酸化物換算時の重量割合が好例であることを見出した(後出の実施例参照)。これより、主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの酸化物の混合割合に関し、成分毎に配合量の規定要因を順に説明する。
Mnの酸化物であるMnO2の配合量が多くなるほど顔料の濃度は濃くなる。つまり黒色顔料としての黒みが増す。Mnの酸化物であるMnO2の配合量が40重量%を下回る場合、これまでの知見からも明らかなとおり、良好な黒色を得ることができない。MnO2の配合量が75重量%を上回る場合、MnO2以外の原料配合量が少なくなり、他の成分による品質の安定性が保持できなくなる。よって、Mnの配合量は、MnO2に換算し40〜75重量%、より好ましくは45〜70重量%となる。
Feの酸化物であるFe23の配合量が15重量%を下回る場合、茶色が増して良好な黒色を得ることができない。Fe23の配合量が45重量%を上回る場合、顔料の濃度は濃くなる。しかし、当該顔料を含むセラミックペーストの耐酸性を低下させる。Feの配合量は、Fe23に換算し15〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%となる。
Cuの酸化物であるCuOの配合量が1重量%を下回る場合、Cuに由来する顔料の濃度、黒色味が得らず、他の成分とのバランスから添加される。CuOの配合量が10重量%を上回る場合、他の成分との関係から黒色顔料の赤みが増し、濃度が得られなくなる。当該顔料を含むセラミックペーストの融着温度は上昇する。また、耐酸性が低下する。Cuの配合量は、CuOに換算し1〜10重量%、より好ましくは3〜9重量%となる。
Coの酸化物であるCo34の配合量が0.5重量を下回る場合、特有の青色味が無く顔料の濃度、黒色味が得られず、他の成分とのバランスから添加される。Co34の配合量が10重量を上回る場合、当該顔料を含むセラミックペーストの融着温度は上昇する。また、耐酸性が低下する。Coの配合量は、Co34に換算し0.5〜10重量%、より好ましくは1〜7重量%となる。
主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの酸化物の全てを含んでなる黒色顔料は、さらに、請求項2の発明に規定するように、主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上が含有される。列記の副成分の含有量は、当該黒色顔料全体重量に対して、Li2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下に規定される。
これらの副成分の含有によっては、原料酸化物の反応により生成される複合酸化物の結晶成長を促進させる効果をもつ場合もある。さらに、焼結温度の調整、顔料の色合いの安定等にも寄与すると考えられる。従って、あえて極めて高純度の原料を用いたり、不純物の混入を避けるための特別な製造管理や方法を用いる必要がなく、原料や製造コストを比較的安価とすることができる。現実的に、量産規模の生産においては副原料の混入を排除することは極めて困難である。副成分が20重量%を超えるような場合、本発明が所望する黒色顔料の性質を低下させるため好ましくなく、できるだけ副成分の含有量は少ないほど良い。しかし、副成分が寄与する作用は不明ではあるものの、後記の実施例から明らかであるように、添加により性能向上が認められる。このことから、副成分元素の中で幾らかは準主成分としても位置付けられる。
これより、前述のMn、Fe、Cu及びCoの原料酸化物を用いた黒色顔料の第1実施形態の製造方法について図1の概略工程図を用い説明する。請求項3の発明に規定するように、MnO2として40〜75重量%、Fe23として15〜45重量%、CuOとして1〜10重量%、Co34として0.5〜10重量%の配合割合を満たした原料酸化物(M1)が用意され、調合される。当該原料は適宜粉砕、混合され(S11)、酸化雰囲気下において600〜1200℃で焼成される(S12)。焼成後、当該焼成物は平均粒径5μm以下に粉砕され(S13)、製品(P1)である黒色顔料が完成する。
次に、前述のMn、Fe、Cu及びCoの原料酸化物を用いた黒色顔料の第2実施形態の製造方法について図2の概略工程図を用い説明する。請求項4の発明に規定するように、MnO2として40〜75重量%、Fe23として15〜45重量%、CuOとして1〜10重量%、Co34として0.5〜10重量%の配合割合を満たした原料酸化物(M2)が用意され、調合される。当該原料は適宜粉砕され(S21)、600〜1200℃にて一次焼成される(S22)。一次焼成後、当該一次焼成物は平均粒径5μm以下に粉砕され(S23)、600〜1050℃にて二次焼成される(S24)。二次焼成後、当該二次焼成物は平均粒径5μm以下に粉砕され(S25)、製品(P2)である黒色顔料が完成する。
図1並びに図2の概略工程図に示した粉砕工程(S11,S13)では、ボールミル、振動ミル、アトライター、ビーズミル、ジェットミル等の粉砕装置が用いられる。粉砕に際し、湿式または乾式どちらによっても混合粉砕が可能であるため、生産性が高く、処理経費的にも有利である。例えば、ボールミルにおける湿式の混合粉砕方法について説明すると、前記原料酸化物、水、ボール及び粉砕助剤(分散剤、消泡剤等)等がボールミルに投入されて混合粉砕が行われる。粉砕助剤である消泡剤及び分散剤等は、原料酸化物が均一に混合粉砕されるように、公知のものを適宜選択して用いることができる。また、原料酸化物に応じて、その配合量が調節される。
ボールミルの内表面には、アルミナ、ジルコニア、ゴム、ウレタン、ナイロン、珪石等のライニング材が敷設される。アルミナ及びジルコニアは、他のライニング材と比較して硬度が高く、顔料中へのライニング材の混入を減少させることができ、また、粉砕時間の短縮が可能であるため好ましい。
粉砕ボールには、アルミナボール、ジルコニアボール、磁器ボール、鋼鉄ボール等が使用される。このうち、純度や硬度を考慮してアルミナボール、ジルコニアボールが好ましく使用される。また、ウレタンまたはナイロンのライニングに、ジルコニアボールを使用することもできる。焼成時にウレタン、ナイロンは炭化、消失するため、不純物の混入のおそれが少ないためである。なお、粉砕ボールの粒径は、原料酸化物の粒径の大きさに合わせて適宜変更される。
粉砕助剤の一つである分散剤は、ポリカルボン酸系化合物、並びにポリアクリル酸系化合物であるポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウムに加え、ポリカルボン酸ナトリウム、スルホン酸系重合体(ナトリウム塩)等から選択される。粉砕助剤を好適に添加することにより、原料酸化物の液中での分散性が良好になり、比較的短時間で小さく粉砕することができる。自明なとおり、主成分の原料酸化物毎に比重が異なる。このため、粉砕の偏りを防いでいずれの成分も均等に粉砕する必要がある。とりわけ、ポリアクリル酸アンモニウムは、焼成によりほぼ分解され、他の粉砕助剤と比してナトリウム分の残存もないため、好ましく用いられる。
ボールミル、ポットミル等による粉砕において、粉砕後の原料酸化物の平均粒径は、5μm以下、さらには2μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.7μm以下に粉砕される。平均粒径を可能な限り小さくすることにより、焼成時生成される複合酸化物の焼結による粒子成長を促すためである。また、平均粒径が小さい方が各原料酸化物同士の反応性が高まり、好ましい結晶構造を有する複合酸化物が得られやすいためである。なお、平均粒径を小さくするほど粉砕時間は伸びるため、顔料に求める性能、焼成時間等を勘案して平均粒径は規定される。
湿式による粉砕物はスラリータンクに投入され、スプレードライヤー、フィルタープレス(脱水乾燥機)、デカンター(遠心分離脱水乾燥機)等により乾燥される。水分含有量は1.0%以下、好ましくは0.5%以下とされる。乾燥に際してフィルタープレス、デカンター等を用いる場合には、あらためて乾燥を行い乾式粉砕を必要とするため、製法の便宜上、スプレードライヤーの使用が好ましい。なお、乾燥工程は混合粉砕後の水分量の状態いかん等により省略されることもある。
工程図1,2中の焼成後の粉砕(S21,S23,S25)では、平均粒径5μm以下、好ましくは平均粒径0.5〜2μm、さらに好ましくは平均粒径0.8〜1μmに粉砕される。焼成後の粉砕により黒色顔料の平均粒径は小さくなる。結果、比表面積は大きくなり、濃度が濃くなると共に、色調がより均一となるため再現性の良好な顔料を製造することができる。焼成後の粉砕には、前記の粉砕と同様の手法により粉砕装置が用いられる。湿式法によるボールミル粉砕等を行うときは、必要により、スプレードライヤー等により乾燥しても構わない。乾燥により、顔料が凝集した場合には、ジェットミル、振動ミル、ハンマーミル等の衝撃粉砕装置を用いて粉砕することができる。
工程図1,2中の焼成(か焼:calcinationとも称される。)に際し、原料酸化物(粉砕物)はムライト質、コージライト質、アルミナ質等からなる匣鉢に入れられる。焼成を経ることにより、各原料酸化物同士は反応して複合酸化物を生成し、その複合酸化物の結晶成長、緻密化の程度いかんによって、黒色顔料の色調や濃度は変化する。黒色顔料の用途、性能を加味したうえで、焼成温度及び焼成時間等は含有される各原料酸化物に応じて、適宜選択される。
第1実施形態の黒色顔料の製造方法における原料酸化物に対する焼成(S12)には、トンネルキルン、ローラーハースキルン、ロータリーキルン、シャットルキルン等の比較的大型の焼成装置が用いられる。一般に大型の焼成装置を用いる場合には原料酸化物の焼結にむらが生じやすい。そこで加熱空気、加熱酸素ガス等を前記の各キルン内に導入することによって、焼成段階を酸化雰囲気下とすることができる。このため、安価かつ大量に、品質の揃った黒色顔料を製造する際に都合がよい。なお、ロータリーキルンを用いる際には、混合粉砕物は直接にキルン内に投入される。当該焼成は、焼成装置の規模、原料酸化物の量によるものの、600〜1200℃の温度域において1〜8時間かけて行われる。焼成時間は最高温度の維持時間である。一度の焼成により処理を完結させるため、焼成装置内に温度勾配を設けてもよい。
第2実施形態の黒色顔料の製造方法における原料酸化物に対する一次焼成(S22),二次焼成(S24)には、前記のトンネルキルン等の他に主に電気炉が用いられる。電気炉の温度制御は前記の各キルンよりも容易であることから、焼成時に原料酸化物に加わる熱量を正確に制御することができる。例えば、原料の金属酸化物を焼結させて、複合酸化物の結晶を成長させる場合、原料の熱履歴(加熱温度、加熱時間)を調整するうえで都合がよい。電気炉を用いる場合、原料酸化物等は静置された状態で加熱される。このため、原料と酸素との接触量が不均一となるおそれもあるため、2回の焼成により酸化を十分とするためである。また、本発明の黒色顔料の品質は焼結時に発達する結晶構造に左右されることから、性質の安定化を優先する場合には、開示の第2実施形態とする方が望ましい。一次焼成は温度域600〜1200℃にて1〜6時間、二次焼成は温度域600〜1050℃にて1〜4時間かけて行われ、それぞれの温度域、時間は焼成に供される原料酸化物等の組成、組成に伴う焼結性能等を勘案して規定される。一次焼成、二次焼成の時間は、それぞれの最高温度の維持時間である。
主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの酸化物の全てを含んでなる黒色顔料の製造方法においても、請求項5もしくは6の発明に規定するように、主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上が含有される。列記の副成分の含有量は、当該黒色顔料全体重量に対して、Li2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下に規定される。
これらの副成分の含有によっては、原料酸化物の反応により生成される複合酸化物の結晶成長を促進させる効果をもつ場合もある。例えば、B23、Na2O、K2O、CaO、BaO、MgO、P25等は焼結促進剤として混合粉砕物に添加される。さらに、焼結温度の調整、顔料の色合いの安定等にも寄与すると考えられる。ただし、20重量%を超える過剰な副原料は本発明が所望する黒色顔料の性質を低下させるため好ましくない。できるだけ副成分の含有量は少ないほど良い。
本発明により得られた黒色顔料は、クロムの価数に関わりなくクロム自体を主成分に含有しておらず、非常に経済的であると共に、安全性に極めて優れている。従来の顔料の製造工程においては、生成される6価クロム(Cr6+)を除去するために、水洗工程を設けることが必要であったが、この水洗工程を省くことができた。さらに、付随する乾燥、粉砕工程も省くことができる。そのため、製造時間を非常に短縮できると共に、大幅な製造コストの削減が実現できる。加えて、原料酸化物についても極めて高純度で高価な原料を用いる必要がなく、比較的安価な原料を使用することができるため、原料コスト的に大変有利である。
また、主成分にクロム成分を含有しない黒色顔料であるため、用途や使用環境に起因して有害物質である6価クロムが生成されるおそれもない。その上、諸条件により黒色顔料を製造することで、色調を調整でき、濃度の高い黒色顔料を得ることができる。このような黒色顔料の用途としては、例えば樹脂顔料、塗料顔料、セラミック用着色顔料(自動車用窓ガラス紫外線吸収・反射顔料等を含む)、熱放射顔料、赤外線反射顔料などが挙げられる。
これまでに詳述した黒色顔料は、請求項7もしくは8の発明に規定するように、黒色顔料含有の黒色セラミックペーストとして利用される。この黒色セラミックペーストは、請求項9もしくは10の発明に規定するように、板ガラスの表面に焼き付けされ、板ガラス製品となる。例えば、板ガラス製品には、自動車のフロントガラス、リアガラス、サンルーフガラス等のウインドウガラスが含まれ、黒色セラミックペーストはこれらのガラスの表面に塗着される。黒色セラミックペーストは前記の板ガラス製品と車体との間に介在される接着剤や緩衝樹脂体を紫外線から保護し、接着剤や緩衝樹脂体の経時劣化は回避される。むろん、黒色セラミックペーストは、自動車以外にも重機、船舶、航空機等の各種輸送機械のウインドウガラス(板ガラス製品)に用いられ、さらに、ディスプレイパネル用の板ガラス製品にも用いられる。
黒色セラミックペーストの組成は、特開2002−20140号公報、特許第4035673号公報に開示されているように、SiO2、B23、ZnO、TiO2、Li2O、Na2O、K2O、ZrO2等からなるガラス質が主成分である。ガラス質は予め、0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μmの平均粒径に粉砕され、粉末状に仕上げられている。ここに、セルロース樹脂、アクリル樹脂等の熱分解性の樹脂と、パインオイル等の高沸点の溶剤油脂と、前述の黒色顔料と、その他の無機フィラーが添加され、十分に混練されてペースト状に仕上げられる。このようなセラミックペーストは、セラミックカラーとも称される。
出来上がった黒色顔料含有の黒色セラミックペーストは、適宜の形状に切り出された板ガラスの例えば縁部分等に塗布される。黒色セラミックペーストの板ガラス表面への塗布は、スクリーン印刷、スプレー塗装、ロールコート法等とすることができる。このうち、スクリーン印刷が比較的簡便である。黒色セラミックペースト塗着後の板ガラスは、乾燥後、焼き付けにより板ガラス表面に固着される。
前記の自動車用のウインドウガラスの成形には、炉内で板ガラスをモールドとモールドとの間に圧着して曲げ加工する方法や、炉内で板ガラスをモールドに真空吸引して曲げ加工する方法が採用されている。板ガラスの成形加工は常温より660℃程度までの予備加熱のトンネル炉と640〜720℃の曲げ加工成形のバッチ炉が連結され、ここの両炉を通過するうちに行われる。黒色セラミックペーストを予備加熱段階で板ガラス表面に焼き付けて結晶化させておく場合、続く曲げ加工成形の段階でモールドと接した時に、セラミックカラーは結晶化しているために流動性がなく(ガラス粘度の低下がなく)モールドに付着しない利点がある。こうして、板状のガラスから成形により、ウインドウガラス等の非球面の黒色セラミックペースト塗装の板ガラス製品を得ることができる。
[使用原料]
主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの4種類の原料酸化物「MnO2、Mn34、FeOOH、CuO、Co34」について、純度を分析し酸化物量として算出した。測定に当たり、蛍光X線分析装置(理学電気工業株式会社製:「RIX3000」)を用いた。後出の実施例、比較例の分析にも同装置を用いた。原料酸化物のうち、Mnの原料酸化物のうちMnO2は低純度品であり、Mn34は高純度品である。また、Fe23の代わりにFeOOHを用いた。各原料とも酸化物重量に換算した。純度の分析結果は表1のとおりである。表中の数値は全体重量に占める酸化物換算の相対重量比(重量パーセント)である。
Figure 2010077197
[実施例及び比較例の黒色顔料の調製]
表1の分析結果となったMn、Fe、Cu及びCoの4種類の原料酸化物(主成分)を用い、主成分の配合割合を変えながら、必要により副成分を添加し実施例1ないし19と、比較例1ないし13を調製した。後記表3ないし8に各成分の相対重量比(重量パーセント)の分析結果を示す。併せて、同表に2度焼成の黒色顔料については一次焼成及び二次焼成の温度(℃)、1度焼成の黒色顔料についてはその焼成温度(℃)を付した。焼成温度は最高温度を維持しているときの温度である。下記の評価項目に基づく評価結果も付した。
実施例、比較例とも、はじめにボールミルにより原料酸化物同士を混合・粉砕した。混合粉砕における配合は、各原料酸化物の総重量100重量部、アルミナボールもしくはジルコニアボール(直径3〜10mm)300重量部、水150重量部、また、減水剤(ポリアクリル酸アンモニウム、東亜合成株式会社製:「A−6114」)を各原料酸化物の総重量に対して0.5〜2重量部とした。ボールミルにて混合粉砕を20〜50時間行い、混合粉砕物を得た。
混合粉砕物をスプレードライヤーにより熱風温度280℃にて乾燥後、電気炉により一次焼成した。一次焼成後、ボールミルで前述と同様の条件により湿式粉砕を行った。湿式粉砕後は、前記同様にスプレードライヤーを用い熱風温度280℃にて乾燥した。続いて電気炉により二次焼成し、ボールミルで前述と同様の条件により湿式粉砕を行い、前記同様にスプレードライヤーを用い熱風温度280℃にて乾燥した。一部の実施例、比較例の黒色顔料については、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製:「LA−910」)を用いて平均粒径を測定した。
[黒色セラミックペーストの調製]
実施例1ないし19及び比較例1ないし13の発色を目視により確認したところ、いずれも黒色であった。そこで、実施例1ないし19及び比較例1ないし13の黒色顔料を用い、板ガラスに塗着する黒色セラミックペーストを調製し、性能を評価した。調製に際し、ガラス粉末75重量%、黒色顔料25重量%の配合からなるセラミックカラー組成物粉末とした。同セラミックカラー組成物粉末100重量%に対し、次の添加油分を30重量%添加し3本ロールのニーダーにより混練して各実施例並びに比較例毎にペースト状に仕上げた。前出のガラス粉末の組成(配合量表示)は表2のとおりであり、同ガラス粉末の平均粒径は3.3μmであった。また、添加油分は、パインオイル93重量%、エチルセルロース(ダウケミカル社製)4重量%、イソブチルメタアクリレート樹脂(デュポン社製:「エルバサイト#2045」)3重量%の配合割合からなる。
Figure 2010077197
前記の調製に基づく実施例並びに比較例の各黒色セラミックペーストを37mm×50mmのガラス板に180メッシュテトロンのスクリーンを用いて印刷した。乾燥後、680℃に設定した電気炉に入れて4分間焼成し、実施例並びに比較例のセラミックカラー焼き付けの試験片を得た。
[黒色度の評価]
本発明に係る主成分にクロムを含有しない黒色顔料を用いた黒色セラミックペーストの黒色発色は、既存のクロム含有の黒色顔料を用いた黒色セラミックペーストの黒色発色と比較して変化が無いか否かを検証した。既存の顔料には、Cr−Cu−Mn系の黒色顔料を用いた。既存のCr−Cu−Mn系の黒色顔料を前記の黒色セラミックペーストの調製と同様の添加割合として調製し、黒色度の基準品となるセラミックカラー焼き付けの試験片を得た。
実施例並びに比較例の黒色顔料を含有するセラミックカラーの印刷焼き付け面を形成した試験片と、基準品の黒色顔料を含有するセラミックカラーの印刷焼き付け面を形成した試験片を用意した。それぞれの試験片について色彩色差計(コニカミノルタホールディング株式会社製:「CR−3500d」)を使用して、L***表色系(JIS−Z−8729に準拠)における黒色度(L値)を測定した。なお、測定は非印刷面側から行った。ちなみに、基準品試験片のL値は27.5である。
基準品試験片のL値+0.5以下は実質的に差異なしとして「A」と評価した。
基準品試験片のL値+0.5〜+1.0はほぼ差異なしとして「B」と評価した。
基準品試験片のL値+1.0〜+1.5はやや劣るとして「C」と評価した。
基準品試験片のL値+1.5以上は使用不可として「D」と評価した。
[融着開始温度の評価]
本発明に係る主成分にクロムを含有しない黒色顔料を用いた黒色セラミックペーストの融着開始温度は、既存のクロム含有の黒色顔料を用いた黒色セラミックペーストの融着開始と比較して変化が無いか否か、より高温度であるか否かを確認した。
前記の調製に基づく実施例並びに比較例の各黒色セラミックペーストを25mm×150mmのガラス板に180メッシュテトロンのスクリーンを用いて印刷した。乾燥後、各ガラス板を150℃の温度勾配を備えた温度勾配炉に入れて4分間焼成し、実施例並びに比較例のセラミックカラー焼き付けの試験片を得た。試験片を常温に冷却後、黒色セラミックペーストの印刷面に対し油性ペンにより直線を引いた。印刷していない面から油性ペンの直線が認識できなくなった位置を計測した。焼成に用いた温度勾配炉は1mmにつき1℃の温度勾配を有しているため、当該計測位置により融着温度を概算した。
基準品試験片の融着開始温度+10℃以下は実質的に差異なしとして「A」と評価した。
基準品試験片の融着開始温度+10〜+15℃はほぼ差異なしとして「B」と評価した。
基準品試験片の融着開始温度+15〜+20℃はやや高温であるとして「C」と評価した。
基準品試験片の融着開始温度+20以上は高温すぎにつき使用不可として「D」と評価した。
Figure 2010077197
Figure 2010077197
Figure 2010077197
Figure 2010077197
Figure 2010077197
Figure 2010077197
[結果と考察]
実施例1ないし19及び比較例1ないし10の黒色顔料を用いた黒色セラミックペーストに調製した際の評価結果を勘案する限り、黒色の発色に関しては何らの差異はない。従って、汎用の黒色顔料としては申し分ない。ただし、比較例11のようにCoを欠如(痕跡量程度)する顔料にあっては、黒色度が既存品よりも劣ることが判明した。つまり、Co(Co34)は良好な黒色を呈する上で不可欠である。また、比較例12,13の黒色顔料を用いた黒色セラミックペーストの黒色度を計測した場合、赤みがより増したため、表中、不可と評価した。この点から、Cuに関し、CuOに換算しておよそ10重量%以下の留めた配合量にすべきといえる。
次に融着開始温度の評価に関し、Cuの原料酸化物を欠く比較例は悪化している。特に実施例の組成から把握できるように、従前のNiを含む組成からCuを含む組成に変更することより融着開始温度の評価を好転することができた。この点より、Cuが必須であるといえる。
実施例並びに比較例の評価結果を勘案すると、Mn、Fe、Cu及びCoの間に成立する配合量の割合は、いずれの金属元素とも酸化物とした上で、MnO2として40〜75重量%、Fe23として15〜45重量%、CuOとして1〜10重量%、Co34として0.5〜10重量%、より好ましくは、MnO2として45〜70重量%、Fe23として20〜40重量%、CuOとして3〜9重量%、Co34として1〜7重量%に収斂させることが望ましい。また、比較例3のようにMn、Fe、Cu及びCoの4種類の金属元素の各酸化物を含有しているものの、主成分の金属酸化物間に成立する配合割合の均衡を満たしていない比較例は、実施例との対比から融着開始温度の評価において一様に悪化している。
実施例1ないし13の黒色顔料は、実施例14ないし19及び比較例との比較より、主成分の他に副成分種を数多く含んでいる。副成分の元素種が、どのような理由、作用により黒色セラミックペーストとしての評価に寄与するのかは解明できていない。ただし、実施例においても融着開始温度の評価の差異が確認できたことにより、副成分の元素種を適度に含んでいる方がより好ましいといえる。
本発明の黒色セラミックペーストの融着温度は、既存の黒色顔料用のセラミックペーストよりも低温度域とする必要性はなく、ほぼそのままのガラス成分の組成で対応可能となった。すなわちセラミックペーストの融着温度の調整は不要であり、塗着後のセラミックペーストの耐水性、耐酸性の低下に伴う脆弱化やセラミックペーストの熱膨張係数の増大のおそれも解消可能である。実施例及び比較例の黒色顔料におけるCrの検出は、原料に起因する不可避な混入である。ただし、主成分としてCrを配合していないため、既存の黒色顔料に生じ得たCr含有による問題点は大きく改善できた。
一連の結果より、クロムそのものを主成分として含有しない顔料であって、高い安全性、色調及び経済性を具備することは言うに及ばず、ウインドウガラス等の板ガラス製品に用いるセラミックペーストの用途により適合した黒色顔料及びその製造方法、そして当該顔料を用いた黒色セラミックペーストを確立することができた。また、黒色セラミックペーストを用いた板ガラス製品の実現が可能となった。
本発明の一実施例に係る概略工程図である。 本発明の他の実施例に係る概略工程図である。

Claims (10)

  1. 原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料であって、
    前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、前記黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、
    前記MnをMnO2として40〜75重量%と、
    前記FeをFe23として15〜45重量%と、
    前記CuをCuOとして1〜10重量%と、
    前記CoをCo34として0.5〜10重量%と
    する割合を満たしていることを特徴とする黒色顔料。
  2. 前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、
    前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下である請求項1に記載の黒色顔料。
  3. 原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料の製造方法であって、
    前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、当該黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、
    前記MnをMnO2として40〜75重量%と、
    前記FeをFe23として15〜45重量%と、
    前記CuをCuOとして1〜10重量%と、
    前記CoをCo34として0.5〜10重量%と
    する割合を満たしている前記各原料酸化物を混合粉砕し、酸化雰囲気下において600〜1200℃で焼成して平均粒径5μm以下に粉砕することを特徴とする黒色顔料の製造方法。
  4. 原料酸化物の主成分としてMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物を全て含有する黒色顔料の製造方法であって、
    前記主成分であるMn、Fe、Cu及びCoの各酸化物の含有量は、当該黒色顔料全体重量における酸化物換算重量として、
    前記MnをMnO2として40〜75重量%と、
    前記FeをFe23として15〜45重量%と、
    前記CuをCuOとして1〜10重量%と、
    前記CoをCo34として0.5〜10重量%と
    する割合を満たしている前記各原料酸化物を混合粉砕し、600〜1200℃にて一次焼成して平均粒径5μm以下に粉砕し、600〜1050℃にて二次焼成して平均粒径5μm以下に粉砕することを特徴とする黒色顔料の製造方法。
  5. 前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、
    前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下である請求項3に記載の黒色顔料の製造方法。
  6. 前記黒色顔料が、前記主成分の他に副成分としてLi、B、Na、Mg、Al、Si、P、K、Ca、Ti、V、Ni、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、Bi又はLaの少なくとも1種以上を含有し、
    前記副成分の含有量が、当該黒色顔料全体重量に対するLi2O、B23、Na2O、MgO、Al23、SiO2、P25、K2O、CaO、TiO2、V25、NiO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2、Nb23、MoO3、SnO2、BaO、Ta25、WO3、Bi23、又はLa23とした際の酸化物換算重量において20重量%以下である請求項4に記載の黒色顔料の製造方法。
  7. 請求項1に記載の黒色顔料を含有してなる黒色セラミックペースト。
  8. 請求項2に記載の黒色顔料を含有してなる黒色セラミックペースト。
  9. 請求項7に記載の黒色セラミックペーストを焼き付けてなる板ガラス製品。
  10. 請求項8に記載の黒色セラミックペーストを焼き付けてなる板ガラス製品。
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