JP2010076440A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッドの小型化を図りつつメニスカスが破壊されるのを防止する。
【解決手段】インクジェットプリンタは、印刷制御部62、算出部65及び予測部66を含む制御装置16を有している。算出部65は、第1吐出信号供給時における、ノズルから所定時間毎に吐出される合計インク量の変化量を算出する。そして、予測部66は、算出部65で算出された変化量に基づいて、メニスカスを挟む圧力差が閾値を下回るか否かを予測する。閾値を下回ることを予測部66が予測すると、ヘッド制御部63は、周波数が第1吐出信号の1/2の第2吐出信号を生成させることを指示する制御信号をドライバIC51に出力する。さらに、搬送制御部64は、第1搬送速度の1/2倍である第2搬送速度で用紙Pが搬送されるように搬送モータ19を制御する。
【選択図】図7

Description

本発明は、液滴を吐出して記録媒体に画像を記録する記録装置に関する。
記録用紙等の記録媒体にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェットプリンタが知られている。このプリンタに含まれるインクジェットヘッドは、インクタンクからのインクが供給される共通インク流路と、共通インク流路の出口から記録媒体にインク滴を吐出する吐出口に至る複数の個別インク流路とを有している(特許文献1参照)。
特開2007−301844号公報(図4)
上述したインクジェットヘッドにおいては、複数の吐出口から同時にインク滴を吐出したときに、流路抵抗とインク質量に起因した慣性力とによって、個別インク流路へのインクの供給が不足することがある。これによって、共通インク流路内に大きな負圧が発生し、インク滴を吐出していない吐出口に形成されたインクと大気との境界であるメニスカスが特に壊れやすくなる。メニスカスが壊れると、当該吐出口からインク滴が正常に吐出されなくなる。そこで、流路断面積を大きくして共通インク室の流路抵抗を下げることによって、個別インク流路へのインクの供給不足を解消することが考えられる。しかしながら、共通インク流路の流路断面積を大きくすると、インクジェットヘッドが大型化してしまう。
本発明の目的は、記録ヘッドの小型化を図りつつ吐出口に形成されたメニスカスが破壊(break)するのを抑制することができる記録装置を提供することである。
本発明の記録装置は、液滴を吐出する複数の吐出口が形成された記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して記録媒体を相対移動させる移動機構と、各吐出口から各記録周期に吐出される液量を示す駆動データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記駆動データに基づいて、第1周波数を有する第1吐出信号を生成する第1吐出信号生成手段と、前記第1吐出信号が前記記録ヘッドに供給されたと仮定したときに前記複数の吐出口から吐出される合計液量の変化量を一定の長さを有する期間ごとに算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量に基づいて、前記第1吐出信号が供給された前記記録ヘッドによる記録媒体への記録中に前記吐出口に形成されたメニスカスを挟む気液圧力差が閾値を下回るか否かを予測する予測手段と、前記記憶手段に記憶された前記駆動データに基づいて、前記第1周波数よりも小さい第2周波数を有する第2吐出信号を生成する第2吐出信号生成手段と、前記圧力差が前記閾値を下回らないと前記予測手段が予測した場合には、前記第1吐出信号が前記記録ヘッドに供給され、前記圧力差が前記閾値を下回ると前記予測手段が予測した場合には、前記第2吐出信号が前記記録ヘッドに供給されるように前記記録ヘッドへの信号供給を制御するヘッド制御手段と、前記第1吐出信号及び前記第2吐出信号のうち前記記録ヘッドに供給される方の周波数に応じた速度で記録媒体が前記記録ヘッドに対して相対移動するように、前記移動機構を制御する移動制御手段とを備えている。
本発明の記録装置は、別の観点において、記録媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、液滴を吐出する複数の吐出口が形成されたシリアル型の記録ヘッドと、各吐出口から各記録周期に吐出される液量を示す駆動データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記駆動データに基づいて、所定周波数を有する吐出信号を生成する吐出信号生成手段と、前記記録ヘッドを前記搬送方向と直交する方向に往復動させるキャリッジと、記録媒体が前記搬送方向に所定距離ずつ搬送されるように、前記搬送機構を制御する搬送制御手段と、前記記録ヘッドが往動及び復動の少なくともいずれか一方を終了してから逆方向への移動を開始するまでの停止時間を可変に、前記キャリッジの往復動を制御するキャリッジ制御手段と、前記搬送機構による搬送途中において停止した記録媒体に向けて前記複数の吐出口から液滴が吐出されるように、前記記録ヘッドへの前記吐出信号の供給を制御する吐出制御手段と、前記吐出信号が前記記録ヘッドに供給され且つ前記停止時間が所定時間であると仮定したときに、前記複数の吐出口から吐出される合計液量の変化量を、前記キャリッジが前記記録ヘッドを往動又は復動させるのに要する時間よりも長い一定の長さを有する期間ごとに算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量に基づいて、前記吐出信号が供給された前記記録ヘッドによる記録媒体への記録中に前記吐出口に形成されたメニスカスを挟む気液圧力差が閾値を下回るか否かを予測する予測手段とを備えている。そして、前記キャリッジ制御手段は、前記圧力差が前記閾値を下回らないと前記予測手段が予測した場合には、前記停止時間が前記所定時間となり、前記圧力差が前記閾値を下回ると前記予測手段が予測した場合には、前記停止時間が前記所定時間よりも長くなるように前記キャリッジを制御する。
第1の発明によると、メニスカスを挟む気液圧力差が負の値である閾値を下回ることが予測されたときに、第1吐出信号よりも周波数が小さい第2吐出信号がヘッドに供給される。そのため、複数の吐出口から期間内に吐出される合計液量の変化量が減少するので、流路断面積を大きくしなくても、メニスカスを挟む気液圧力差が閾値を下回らない可能性が高まる。したがって、記録ヘッドの小型化を図りつつメニスカスが破壊されるのを抑制することができる。
第2の発明によると、メニスカスを挟む気液圧力差が負の値である閾値を下回ることが予測されたときに、閾値を下回らないときよりも往動・復動の切換時における記録ヘッドの停止時間が長くなる。そのため、キャリッジが記録ヘッドを往動又は復動させるのに要する時間よりも長い期間内に複数の吐出口から吐出される合計液量の変化量が減少するので、流路断面積を大きくしなくても、メニスカスを挟む気液圧力差が閾値を下回らない可能性が高まる。したがって、記録ヘッドの小型化を図りつつメニスカスが破壊されるのを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタの側面図である。 図1に描かれたヘッド本体の平面図である。 図3は、図2に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図3に示すIV−IV線に沿った断面図である。 インクジェットヘッドに含まれるアクチュエータユニットの部分断面図である。 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。 吐出口にメニスカスが形成されている様子を示す、ノズルプレートの模式的な断面図である。 第1吐出信号及び第2吐出信号の波形を描いたグラフである。 インクジェットヘッドに第1吐出信号が供給されたときに、全吐出口から吐出される合計インク量の変化を表したグラフである。 副マニホールド流路及び個別インク流路内でのインク圧力の変化例を示すグラフである。 インクジェットヘッドに第2吐出信号が供給されたときに、全吐出口から吐出される合計インク量の変化を表したグラフである。 本発明の第1の実施の形態の変形例3に関する、全吐出口から吐出される合計インク量の変化を表したグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタの斜視図である。 図13に示す制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態におけるキャリッジの移動速度を示したグラフである。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタ101は、図1に示すように、互いに異なる4色のインク(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のいずれかをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。インクジェットプリンタ101は、図中左方に給紙トレイ11を、図中右方に排紙トレイ12をそれぞれ有している。
インクジェットプリンタ101の内部には、給紙トレイ11から排紙トレイ12に向かって記録媒体としての用紙Pが搬送される搬送経路が形成されている。給紙トレイ11のすぐ下流には、用紙を狭持しつつ搬送する一対の送りローラ5a、5bが配置されている。一対の送りローラ5a、5bは、用紙Pを給紙トレイ11から図中右方に送り出す。
一対の送りローラ5a、5bによって送り出された用紙Pは、搬送機構13に供給される。搬送機構13は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7の間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8によって囲まれた領域内において4つのインクジェットヘッド1と対向する位置に配置されたプラテン15とを含む。
用紙搬送経路の中間部には、搬送機構13が設けられている。この搬送機構13は、2つのベルトローラ6,7と、搬送ベルト8と、プラテン15と、搬送モータ19(図7参照)とを含む。搬送モータ19がベルトローラ6を時計回りに回転させることによって、搬送ベルト8が時計回りに回転する。これにより、搬送ベルト8は、粘着性を有するその外周面に押さえ付けられた用紙Pを保持しつつ排紙トレイ12に向けて搬送する。
4つのインクジェットヘッド1は、用紙Pの搬送方向つまり副走査方向に沿って並べられており、搬送経路と対向する位置に固定されている。つまり、このインクジェットプリンタ101は、ライン式プリンタである。4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体2をそれぞれ有している。ヘッド本体2は、主走査方向つまり搬送方向に直交した方向に長尺な直方体形状となっている。ヘッド本体2の底面は、搬送ベルト8の外周面のうち上側に位置する搬送面に対向する吐出面2aとなっている。搬送ベルト8によって搬送される用紙Pが4つのヘッド本体2のすぐ下方を順に通過する際に、この用紙Pの上面すなわち印刷面に向けて吐出面2aから各色のインク滴が吐出される。これにより、用紙Pに所望のカラー画像が形成される。以上の給紙、画像形成、排紙という一連の動作は、制御装置16によって、互いに同期するように行われる。
次に、図2〜図5を参照しつつ、ヘッド本体2について説明する。なお、図3において、図面を分かりやすくするために、実線で描くべきアクチュエータユニット21を二点鎖線で描いていると共に、破線で描くべき吐出口108、圧力室4及びアパーチャ12を実線で描いている。
ヘッド本体2には、インクを供給するリザーバユニット(図示せず)などが組み付けられる。このようにして、インクジェットヘッド1が構成されている。インクジェットヘッド1には、制御装置16の一部であるドライバIC51(図7参照)が接続されている。ドライバIC51は、アクチュエータユニット21に供給される第1及び第2吐出信号のいずれかを選択的に生成する。ドライバIC51には、温度センサ51a(図7参照)が内蔵されている。ドライバIC51は、流路ユニット9にインクを供給するリザーバユニットに熱的に結合されている。
ヘッド本体2は、図2に示すように、流路ユニット9、及び、流路ユニット9の上面9aに固定された4つのアクチュエータユニット21を含んでいる。アクチュエータユニット21は、流路ユニット9に形成された複数の圧力室110に対向して設けられた複数の個別電極135を含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する機能を有する。
流路ユニット9の上面9aには、計10個のインク供給口105bが開口している。流路ユニット9の内部には、インク供給口105bを一端とする複数のマニホールド流路105、及び、マニホールド流路105から分岐した複数の副マニホールド流路105aが形成されている。副マニホールド流路105aは、主走査方向に細長く形成されている。1つのマニホールド流路105は、2つ又は4つの副マニホールド流路105aに分岐している。平面視において、各アクチュエータユニット21は、4つの副マニホールド流路105aと重なっている。流路ユニット9の下面は、図4に示すように、ノズルの開口である吐出口108がマトリクス状につまり2次元的且つ規則的に配列された吐出面2aとなっている。流路ユニット9の上面には、複数の圧力室110がマトリクス状に配列されている。1つの吐出口108は、用紙Pに形成される画像において搬送方向に沿った複数のドットに対応している。
本実施の形態では、流路ユニット9の上面において、複数の圧力室110が主走査方向に延びた互いに平行な16個の圧力室列を構成している。各圧力室列に含まれる圧力室110の数は、アクチュエータユニット21の外形形状に対応して、その長辺に近いものほど多く、短辺に近いものほど少ない。吐出面2aにおいては、複数の吐出口108が、複数の圧力室110と同様に配置されている。
図4に示すように、流路ユニット9は、ステンレス鋼などの金属製のプレート122〜130から構成されている。これらプレート122〜130は、主走査方向に長尺な矩形状の平面を有する。これらプレート122〜130を互いに位置合わせしつつ積層することによって、プレート122〜130に形成された貫通孔が連結され、流路ユニット9内に、マニホールド流路105、副マニホールド流路105a、そして副マニホールド流路105aの出口から圧力室110を経て吐出口108に至る複数の個別インク流路132が形成されている。
流路ユニット9におけるインクの流れについて説明する。リザーバユニットからインク供給口105bを介して流路ユニット9内に供給されたインクは、マニホールド流路105から副マニホールド流路105aに分岐される。副マニホールド流路105a内のインクは、各個別インク流路132に流れ込み、絞りとして機能するアパーチャ112及び圧力室110を介して吐出口108に至る。
次に、アクチュエータユニット21について説明する。図2に示すように、4つのアクチュエータユニット21は、それぞれ台形の平面形状を有している。これらは、インク供給口105bを避けるようジグザグに配置されている。さらに、各アクチュエータユニット21の平行対向辺は流路ユニット9の長手方向に沿っており、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は流路ユニット9の幅方向つまり副走査方向に沿って互いにオーバーラップしている。
アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対向した複数のアクチュエータを含んでいる。各アクチュエータは、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する。具体的には、アクチュエータユニット21は、図5に示すように、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる3枚の圧電層141〜143から構成されている。最上層の圧電層141の上面における圧力室110に対向する位置には、個別電極135が形成されている。最上層の圧電層141とその下側の圧電層142との間にはシート全面に形成された共通電極134が介在している。個別電極135は、圧力室110と相似な略菱形の平面形状を有する。平面視で、個別電極135の大部分は、圧力室110の領域内にある。略菱形の個別電極135における鋭角部の一方は圧力室110の外に延出され、その先端には個別電極135と電気的に接続された、円形で個別電極135よりも厚いランド136が設けられている。
共通電極は、ドライバIC51から与えられた信号によって、すべての圧力室110に対応する領域において等しくグランド電位に保持されている。一方、複数の個別電極135は、ランド136及び配線を介してドライバIC51の複数の端子のいずれかとそれぞれ個別に電気的に接続されている。そのため、ドライバIC51は、所望の一又は複数の個別電極135だけに第1又は第2吐出信号を供給することができる。このように、アクチュエータユニット21において、個別電極135と圧力室110とで挟まれた部分が、個別のアクチュエータとして働く。つまり、圧力室110の数と同数の複数のアクチュエータが4つのアクチュエータユニット21に構成されている。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。圧電層141はその厚み方向に分極されている。これに対して、圧電層142、143は自発的には変形しない非活性層である。圧電層141〜143は圧力室110を区画するキャビティプレート122の上面に固定されている。そのため、個別電極135を共通電極134と異なる電位にして圧電層141に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電層141における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。活性部は、電界と分極の方向とが同じときには、厚み方向に伸張し面方向に収縮する。ここで、圧電層141における電界印加部分とその下方の圧電層142、143との間で面方向への歪み量に差が生じると、圧電層141〜143全体が圧力室110に向かって凸になるようにユニモルフ変形する。これにより圧力室110内のインクに圧力つまり吐出エネルギーが付与され、圧力室110内に圧力波が発生する。そして、発生した圧力波が圧力室110から吐出口108まで伝播することによって吐出口108からインク滴が吐出される。
本実施の形態においては、予め個別電極135に所定の電位を付与しておき、吐出要求があるごとに一旦個別電極135にグランド電位を付与し、その後所定のタイミングにて再び所定の電位を個別電極135に付与するような吐出信号をドライバIC51から出力する。この場合、個別電極135がグランド電位になるタイミングで、圧力室110内のインクの圧力が降下して副マニホールド流路105aから個別インク流路132へとインクが吸い込まれる。その後、再び個別電極135を所定の電位にしたタイミングで、圧力室110内のインクの圧力が上昇し、吐出口108からインク滴が吐出される。つまり、個別電極135に矩形のパルスを付与する。このパルス幅は、圧力室110内において圧力波が副マニホールド流路105aの出口から吐出口108の先端まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)に等しい。そうすることによって、反射により位相反転して戻ってきた正圧の圧力波と新たにアクチュエータユニット21から加えられる正圧とが圧力室110内で重ね合わさるため、圧力室110内のインクに大きな圧力を加えることができる。
本実施の形態において、各印刷周期内に吐出口108から吐出されるインク量は、ゼロ、小量(4pl)、中量(8pl)、大量(12pl)の4種類のいずれかとされている。吐出されるインク量は、1印刷周期内に個別電極135に付与されるパルス数によって決定される。具体的には、1印刷周期内に個別電極135に付与されるパルス数は、小量の場合には”1”、中量の場合には”2”、大量の場合には”3”である。なお、印刷周期は、副走査方向の印刷解像度に対応する単位距離つまり最小ドット間隔だけ用紙が搬送されるのに要する時間として定義される。
吐出口108にはインクと大気との境界であるメニスカスが形成されている。メニスカスを挟む気液圧力差Pd(以下単に”圧力差Pd”と称する)について考察する。本実施の形態では、アクチュエータが非駆動状態又は停止状態にあるとき、メニスカスの大気側の圧力Poよりインク側の圧力Piの方が若干小さくなっている。そのため、図6に示すように、メニスカス109には水頭圧、つまり鉛直方向に関する吐出口108の位置とインクタンク内のインクの液面位置との差によって発生する圧力に相当する負圧が印加されるため、メニスカス109は吐出口108の内側に向かって凸となるように湾曲している。さらに、アクチュエータの駆動によってインク滴が吐出され、個別インク流路132へのインクの補給が間に合わなければ、メニスカス109は吐出口108の内側に向かってより一層凸となるように変形する。
メニスカス耐圧Pは、以下の式で表される。
P=4σ・cosθ/d
σ:インクの表面張力
θ:吐出口108におけるインクの接触角
d:吐出口108の直径
インクの表面張力σは、インクの粘度が高くなるに伴って大きくなる。インクの粘度はインク温度Tが高くなるに伴って低下する。したがって、メニスカス耐圧Pはインク温度Tが高くなるに伴って低くなる。
メニスカスのインク側の圧力Piは、以下の式で表される。
Pi=P0+ΔP
P0:水頭圧
ΔP:圧力損失
圧力損失ΔPは、以下の式で表される。
ΔP=Q・R
Q:吐出口108から吐出されるインク量
R:インクタンクから吐出口108に至るまでのインク流路における流路抵抗
さらに、流路抵抗Rは、インク流路の流路断面形状とインク粘度μとによって決定される。また、インク粘度μはインク温度Tによって変化する。したがって、圧力差Pd(=Pi−Po)は、定常状態では、吐出口108から吐出されるインク量Qとインク温度Tとによって変化する。
次に、制御装置16について図7を参照しつつ詳細に説明する。図7においては、図面を簡略化するために、4つのインクジェットヘッド1のうちの1つだけが制御装置16に接続されているように描かれている。
図7に示すように、制御装置16は、印刷データ記憶部61、印刷制御部62、算出部65、及び、予測部66を有している。
印刷データ記憶部61は、図示しないホストコンピュータから転送された印刷データを記憶する。印刷データには、用紙Pに印刷されるべき画像に関する画像データが含まれる。画像データは、後述のヘッド制御部63がアクチュエータユニット21を駆動するために用いられる駆動データの形式となっている。駆動データは、各吐出口108から各印刷周期に吐出されるインク量がゼロ、小量、中量、大量の4種類のいずれかであるかを示している。
印刷制御部62は、ヘッド制御部63及び搬送制御部64を有している。ヘッド制御部63は、駆動データと、第1吐出信号及び第2吐出信号のいずれを生成するかを指示する制御信号とをドライバIC51に出力する。ドライバIC51は、第1吐出信号の生成を制御信号が指示している場合には、駆動データに基づいて、周期S1(第1周波数f1)を有する第1吐出信号を生成する。ドライバIC51は、第2吐出信号の生成を制御信号が指示している場合には、駆動データに基づいて、周期S2(第2周波数f2)を有する第2吐出信号を生成する。ヘッド制御部63が出力する制御信号がいずれの吐出信号の生成を指示しているかは、予測部66が出力する信号によって変更される。第1吐出信号は、その周期S1が50μsec(周波数20kHz)の信号であって、1周期内に0、1、2又は3個のパルスを含んでいる。図8Aに、一例として、1周期内に3個のパルスを含む第1吐出信号を示す。第2吐出信号は、後述するように、その周波数f2が可変となっている。第2吐出信号は、例えばその周期S2が100μsec(周波数10kHz)の信号であってよく、1周期内に0、1、2又は3個のパルスを含んでいる。図8Bに、一例として、1周期内に3個のパルスを含む第2吐出信号を示す。周期S1,S2は、プリンタ101の印刷周期に等しい。
搬送制御部64は、ドライバIC51が生成する吐出信号の周期(S1又はS2)に応じた速度で用紙Pが搬送されることを指示する制御信号を搬送モータ19に出力する。具体的には、搬送制御部64は、ドライバIC51が第1吐出信号を生成するときには、第1搬送速度で用紙Pが搬送されるように搬送モータ19を制御し、ドライバIC51が第2吐出信号を生成するときには、第1搬送速度のf2/f1倍である第2搬送速度で用紙Pが搬送されるように搬送モータ19を制御する。
算出部65は、第1吐出信号がヘッド1に供給されたと仮定したときに、ヘッド1に設けられた複数の吐出口108から吐出される合計インク量の変化量を、一定の長さを有する期間ごとに順次算出する。算出対象となる吐出口108は、ヘッド1にあるすべての吐出口108である。本実施の形態では、算出部65は、変化量を、印刷周期の自然数倍である連続した2つの期間内にすべての吐出口108から吐出される合計インク量同士の差分(当該期間での合計インク量−直前の期間での合計インク量)として順次算出する。本実施の形態では、1期間は、用紙Pを搬送方向にn等分した長さを搬送速度で割って得られる時間に等しい。つまり、算出部65は、用紙1枚当たりn個の変化量ΔVを算出する。1期間は、一例として、印刷周期Sの2〜9倍の長さである。
予測部66は、圧力差Pd(Pd=Pi−Po)が負の値である閾値kを下回る超過状態になるか否かを予測する。ここで、閾値kは、その絶対値がメニスカス耐圧未満の値となるように決定されている。本発明者の知見によると、定常状態を除く非定常状態では、複数の吐出口108から吐出される合計インク量の変化率が大きいほど、圧力差Pdの極小値が閾値kを下回る可能性が高くなる。さらに詳しくは、前記期間ごとに算出された一又は複数の合計インク量の変化量のうちの所定個以上が所定値を超えるときに、圧力差Pdが閾値kを下回る可能性が高くなることが本発明者によって見出された。上述した所定個、所定値及び期間の三者間には相関があり、合計インク量の変化が単調増加であるとき、期間を長くするほど所定個は少なくなり、所定値は大きくなる。本実施の形態では、所定個が1で、所定値がX1となるように定められた期間をUと表すものとする。すなわち、予測部66は、算出部65により期間Uごとに算出されたn個の変化量ΔVのうちの少なくとも1つが所定値X1を超えているときに、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。
圧力差Pdが閾値kを下回らないことを予測部66が予測すると、ヘッド制御部63は、ドライバIC51に第1吐出信号を生成させることを指示する制御信号を出力する。圧力差Pdが閾値kを下回ることを予測部66が予測すると、ヘッド制御部63は、ドライバIC51に第2吐出信号を生成させることを指示する制御信号を出力する。
上述したようにメニスカス耐圧Pはインク温度Tが高くなるに伴って低くなる。予測部66は、インク温度Tと所定値X1とを対応付けたテーブルを有しており、予測部66は、このテーブルを参照して、インク温度Tが高くなるに連れて所定値X1を小さくする。予測部66は、ドライバIC51内の温度センサ51aの出力信号から流路ユニット9内のインクの温度Tを算出している。一変形例として、インク温度Tに拘わらず所定値X1を一定値としてもよい。
ここで、一例として、1つの吐出口108を除く他のすべての吐出口108から、上述した4種類のインク量のうちの大量(12pl)のインクが、一枚の用紙Pへの印刷中のすべての印刷周期に亘って連続して吐出される場合について考察する。
この場合、図9に示すように、用紙Pへの吐出開始時刻t0から始まる全期間Uにおいて吐出される合計インク量はV1で一定である。したがって、最初の期間U1での変化量ΔVは、V1となる。そして、次の期間U2から最後の期間Unまでの各期間での変化量ΔVは0である。なお、さらにその次の期間での変化量ΔVは、−V1となる。
図10は、合計インク量が図9に示されるように変化する場合における、圧力差Pdの変化の様子を示した実測に基づいて示したグラフである。図10には、n個の期間Uを、順番にU1、U2、…、Unで表している。図10に示すように、圧力差Pdは、副マニホールド流路105aや個別インク流路132へのインクの供給が不足気味となるために吐出開始と共に急激に低下し始め、時刻t1で−2.0kPaを下回る。そして、時刻t2で極小値−3.0kPaに達した後、時刻t2から時刻t3まで圧力差Pdは急増する。すなわち、時刻t0から時刻t3まではインクの流れが安定しない非定常状態となっている。時刻t3以降は、吐出口108から吐出されるインクの量とインクタンクから個別インク流路132に供給されるインクの量とに釣り合いが生じて定常状態となって圧力差Pdは−1.0kPa程度に維持され、印刷終了の時刻t4に0に戻る。
仮に吐出口108のメニスカス耐圧Pが−3.0kPaであれば、時刻t2付近において、インクを吐出していない吐出口108に形成されたメニスカスが破壊される可能性がある。そこで、本実施の形態では、余裕を見て、閾値kが−2.0kPaであるとして所定値X1が決定されている。
詳細には、所定値X1は、閾値kが以下のような値であるとして決定されることが好ましい。吐出口108からのインク滴の吐出開始からある程度の時間が経過すると、図10の時刻t3〜時刻t4間におけるように、吐出口108から吐出されるインク量と、副マニホールド流路105a及び個別インク流路132へのインクの補給量とが釣り合う定常状態となる。所定値X1は、閾値kが、この定常状態での圧力差Pd(−1.0kPa)よりも小さく、かつ、メニスカス耐圧P(−3.0kPa)よりも大きい値であるとして決定される。このようにすることで、メニスカスの破壊を抑制しつつ、不必要に第1吐出信号を第2吐出信号に変更する必要がなくなって、1枚の用紙Pに対する印刷期間が長くなるのを防止することができる。
算出部65は、図9及び図10の例に当て嵌めると、期間U1において変化量ΔVとしてV1を算出し、その後期間Unまでの各期間では変化量ΔVとして0を算出する。予測部66は、算出部65が算出したn個の変化量ΔVのそれぞれが所定値X1を超えているか否かを判断する。本実施の形態では、期間U1に算出された変化量V1だけが所定値X1を超えているとする(V1>X1)。上述したように本実施の形態では所定個が1であるので、予測部66は、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。
ヘッド制御部63は、圧力差Pdが閾値kを下回らないと予測部66が予測した場合には、第1吐出信号の生成を指示する制御信号をドライバIC51に供給し、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部66が予測した場合には、第2吐出信号の生成を指示する制御信号をドライバIC51に供給する。さらに、ヘッド制御部63は、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部66が予測した場合には、算出部65における算出結果を参照して、第2吐出信号がヘッド1に供給されたと仮定したときに、期間Uごとに複数の吐出口108から吐出される合計インク量の変化量が1つも所定値X1を超えないように、第2周波数f2を決定する。ヘッド制御部63は、算出部65が算出した変化量ΔVが大きくなるほど第2周波数が小さくなるように、第2周波数を決定する。変化量ΔVと第2周波数との関係は、予めヘッド制御部63に格納されている。ヘッド制御部63は、第2周波数を示す信号を制御信号と共にドライバIC51に供給する。
上述のように決定された第2周波数が第1周波数の1/2である場合、図11に示すように、用紙Pへの吐出開始時刻t0から始まる期間U1内に吐出される合計インク量はV1/2となる。したがって、期間U1での変化量ΔVは、V1/2となる。そして、次の期間U2から最後の期間Unまでの変化量ΔVは0である。なお、さらにその次の期間での変化量ΔVは、−V1/2となる。この場合、V1/2<X1であり、どの期間Uに算出された変化量ΔVも所定値X1を超えていない。このとき搬送制御部64は、第1搬送速度の1/2倍である第2搬送速度で用紙Pが搬送されるように搬送モータ19を制御するので、用紙Pへの印刷に要する時間が、図9に示す第1吐出信号がヘッド1に供給される場合の2倍になる。
以上説明したように、本実施の形態によると、メニスカスを挟む圧力差Pdが閾値kを下回ることを予測部66が予測したときに、第1吐出信号よりも周波数が小さい第2吐出信号がヘッド1に供給される。そのため、複数の吐出口108から吐出される合計インク量の変化量がどの期間U内においても所定値X1以下に減少するので、流路断面積を大きくしなくても、圧力差Pdが閾値kを下回らない。したがって、ヘッド1の小型化を図りつつメニスカスが破壊されるのを防止することができる。
また、予測部66は、1枚の用紙Pへの印刷中のn個の期間U毎に算出された変化量ΔVが1つでも所定値X1を超えると圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。そして、この予測を受けて、ヘッド制御部63は、ヘッド1に第2吐出信号が供給されるようにする。そのため、どの期間Uにおいても圧力差Pdが閾値kを下回ることがなくなり、メニスカスが破壊されるのを確実に防止することができる。
加えて、予測部66は、インク温度Tが高くなるに連れて所定値X1を小さくするので、インク温度Tの上昇に伴ってインク粘度μが低下した場合においても、メニスカスが破壊されるのを防止することができる。
<変形例1>
上述した第1の実施の形態では、第2周波数を可変としているが、第2周波数は第1周波数よりも小さい固定値であってもよい。この場合、たとえ第2周波数が合計インク量の変化量の少なくとも1つを所定値X1を超えたものとするとしても、圧力差Pdが閾値kを下回る可能性が高くなって、メニスカスが破壊されるのが抑制される。
<変形例2>
また、上述した第1の実施の形態では、n個の変化量ΔVのうちの少なくとも1つが所定値X1を超えているときに圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部66が予測するが、n個の変化量ΔVのうちの2以上の個数が所定値X1(第1所定値)を超えているときに圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部66が予測してもよい。この比較基準となる個数(第1所定個)は、上述したように、期間の長さに応じて変わるものだからである。
<変形例3>
上述した第1の実施の形態では、予測部66は、n個の変化量ΔVだけを用いて予測を行っている。しかし、図10からも理解できるように、圧力差Pdが閾値kを下回るか否かの判断は、変化量ΔVに加えて、一定量以上のインクが連続して吐出され続けた時間(持続時間)を考慮した方が、精度よく行うことができる。この観点から、本変形例では、予測部66は、算出部65によって算出されたn個の変化量ΔVのうちの第1所定個が第1所定値を超え、且つ、第1所定値を超えていた変化量ΔVが第1所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした連続した第2所定個の期間に亘って、複数の吐出口108から吐出される合計インク量が第2所定値を超えるときに、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。
本変形例を、第1所定個が1、第1所定値がX1、第2所定個が2、第2所定値がVaである場合について、図9及び図12を参照して説明する。図9に示すようなパターンで吐出が行われる場合には、期間U1での変化量ΔV(=V1)が第1所定値X1を超えており、期間U2以降では長時間に亘って合計インク量が第2所定値Vaよりも大きいV1で一定となり、変化量ΔVが第1所定値X1以下の0である。このように、期間U2を最初とした連続した2以上の期間に亘って合計インク量が第2所定値Vaを超えているので、予測部66は、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測することになる。
図12に示す吐出パターンにおいて、期間U1における合計インク量はV1であり、変化量ΔV(=V1)は第1所定値X1を超えている。期間U2以降では長時間に亘って合計インク量が第2所定値Vaよりも小さいV2で一定となり、期間U2での変化量ΔVが第1所定値X1以下のV1−V2で、期間U3以降の変化量ΔVが0である。このように、期間U2を最初とした連続した2以上の期間のいずれにおいても合計インク量が第2所定値Vaを超えていない。よって、このパターンで吐出が行われる場合、予測部66は、圧力差Pdが閾値kを下回らないと予測することになる。
第1所定個、第1所定値、第2所定個、及び、第2所定値は、これらの複数の組み合わせについて行われた実験に基づいて、圧力差Pdが閾値kを下回るか否かという観点から最適なものが予め決められているものとする。
<変形例4>
別の変形例として、算出部65は、第1吐出信号がヘッド1に供給されたと仮定したときに、各副マニホールド流路105aに関して、当該副マニホールド流路105aに接続された複数の吐出口108から吐出される合計インク量の変化量ΔVを期間Uごとに順次算出してもよい。この場合、予測部66は、算出部65によって各副マニホールド流路105に関して算出された一又は複数の変化量ΔVのうち少なくとも1つが第1所定値を超えるときに、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。本変形例において、各副マニホールド流路105に関して算出される変化量ΔVの平均値は上述した第1の実施の形態の場合の(1/副マニホールド流路105aの数)倍となることが予想されるので、すべての副マニホールド流路105aの容積が互いに同じであると仮定すると、本変形例での第1所定値は、上述した第1の実施の形態の場合の(1/副マニホールド流路105aの数)とすることが好ましい。ただし、実際には、副マニホールド流路105aの容積は、各副マニホールド流路105aに接続される個別インク流路132の数に比例し、図2から明らかなようにアクチュエータユニット21の長辺に近いものほど大きいため、各副マニホールド流路105に関する第1所定値は、上述した第1の実施の形態の場合の(当該副マニホールド流路105aの容積/ヘッド1内の副マニホールド流路105aの合計容積)倍とすることがより好ましい。つまり、ヘッド1内には互いに容積の異なる4種類の副マニホールド流路105aが存在するため、第1所定値にも互いに異なる4種類が存在することになる。
本変形例によると、いずれか1つの副マニホールド流路105aに関して圧力差Pdが閾値kを下回ることが予測された場合についても、第2吐出信号がヘッド1に供給されることになる。したがって、上述の第1の実施の形態と同様に、ヘッド1の小型化を図りつつメニスカスが破壊されるのを防止することができる。また、圧力差Pdが閾値kを下回るか否かの予測をより精度よく行うことが可能となる。
<変形例5>
さらに別の変形例として、上述した第1の実施の形態及び変形例1〜4のように変化量ΔVと所定値X1との比較に基づいて圧力差Pdが閾値kを下回るか否かを予測するのとは異なり、変化量ΔVを利用して圧力差Pdを一定の長さを有する期間ごとに順次算出し、算出された圧力差Pdと閾値kとを比較することに基づいて予測を行ってもよい。例えば、予測部66は、算出された一又は複数の圧力差Pdのうちの所定個(例えば1)以上が閾値kを下回る場合に、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。変化量ΔVから圧力差Pdを算出するに当たっては、変形例3で言及した持続時間を加味してもよい。
変化量ΔVから圧力差Pdを算出する手順を説明する。本変形例では、変化量ΔV及び持続時間と圧力差Pdとの関係を予め実測により求めておく。具体的には、ある変化量ΔVについて持続時間が長くなることに伴う圧力差Pdの変化を実測する。この実測を変化量ΔVを変えて多数回行う。このようにして、変化量ΔVと持続時間との様々な組み合わせについて圧力差Pdとの対応関係を知ることができる。そして、この対応関係をルックアップテーブル又は関係式として導出し、予測部66に格納しておく。関係式は、圧力差Pdを実測するのではなく、流路の寸法・材質などの流路定数やインクの粘度・組成などのインク物性に基づくシミュレーションから導出してもよい。
持続時間は画像データに基づいて予測部66によって算出される。そして、予測部66は、算出された変化量ΔVと、第3所定値を超えていた変化量がこの第3所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした吐出される合計インク量が連続して第4所定値以上となる期間の数(持続時間)とから、上述したルックアップテーブル又は関係式を用いて、圧力差Pdを算出する。本変形例では、変化量ΔVを利用して圧力差Pdを算出し、算出された圧力差Pdと閾値kとを比較することに基づいて予測を行っているので、精度のよい予測が可能である。
本変形例において、温度センサ51aによって検出されたインク温度Tが高くなるに連れて、負の値である閾値kを大きくしてもよい。また、本変形例を、変形例1、4に適用してもよい。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタ201について、図13〜図15を参照して説明する。図13に示すように、インクジェットプリンタ201は、シリアル型プリンタであって、インクジェットヘッド202、ヘッド移動機構203、搬送機構204、及び、これらの動作を制御する制御装置216を有している。
ヘッド移動機構203は、キャリッジ205と、ガイド206と、駆動モータ207とを有している。キャリッジ205の下面には、インクジェットヘッド202が固定されている。ガイド206は、主走査方向(図中左右方向)に延在し、且つ用紙Pを主走査方向に跨ぐようにキャリッジ205を往復移動可能に支持している。駆動モータ207は、制御装置216の制御により、図示しない動力伝達機構を介して、キャリッジ205を移動させる。
ヘッド202の下面である吐出面には、複数の吐出口(不図示)が形成されている。ヘッド202の内部には、インクタンクからインクが供給される共通インク流路と、共通インク流路の出口から吐出口に至る複数の個別インク流路(ともに不図示)とが形成されている。ヘッド202には、制御装置216の一部であるドライバIC51が接続されている。ドライバIC51は、ヘッド202内の複数のアクチュエータに供給される吐出信号を生成する。吐出信号によって駆動されたアクチュエータが個別インク流路の途中に形成された圧力室内のインクに圧力を付与することによって、吐出口からインクが吐出される。ドライバIC51には、温度センサ51aが内蔵されている。ドライバIC51は、ヘッド202に熱的に結合されている。
搬送機構204は、用紙Pを挟持しながら搬送方向(図中紙面奥から手前に向かう方向)に搬送する二対の搬送ローラ211、212;213、214と、これら二対の搬送ローラ211、212;213、214を駆動する搬送モータ215とを有している。一対の搬送ローラ211,212は、搬送方向に関して、ヘッド202よりも上流に配置されている。もう一方の一対の搬送ローラ213,214は、搬送方向に関して、インクジェットヘッド202よりも下流に配置されている。搬送モータ215は、制御装置216の制御に基づき、図示しない動力伝達機構を介して、搬送ローラ212,214を駆動する。なお、搬送ローラ211,213は、対となる搬送ローラ212,214の従動ローラであり、用紙搬送にともなって回転する。
図14に示すように、制御装置216は、印刷データ記憶部61、印刷制御部262、算出部265、及び、予測部266を有している。印刷データ記憶部61は第1の実施の形態で説明したのと同じ機能を有している。
印刷制御部262は、ヘッド制御部263、キャリッジ制御部268、及び、搬送制御部264を有している。キャリッジ制御部268は、復動を終了してから次の往動を開始するまでのヘッド202の停止時間を可変に、駆動モータ207を介してキャリッジ205の往復動を制御する。搬送制御部264は、インクジェットヘッド202が主走査方向に一往復移動する度に、用紙Pが搬送方向に所定距離だけ搬送されるように、搬送機構204を制御する。ヘッド制御部263は、キャリッジ205の往復動中であって搬送機構204による搬送途中において停止した用紙Pに向けて複数の吐出口からインクが吐出されるように、駆動データをドライバIC51に出力する。ドライバIC51は、ヘッド制御部263から出力された駆動データに基づいて、第1の実施の形態の第1吐出信号と同様の、所定周波数を有する吐出信号を生成する。これによって、搬送機構204によって搬送されている用紙Pに、駆動データに基づく画像が形成される。
算出部265は、吐出信号がヘッド202に供給され且つ停止時間が所定時間であると仮定したときに、複数の吐出口から吐出される合計インク量の変化量を一定の長さを有する期間ごとに順次算出する。算出対象となる吐出口は、ヘッド202にあるすべての吐出口である。本実施の形態では、算出部265は、変化量を、印刷周期の自然数倍である連続した2つの期間内にすべての吐出口から吐出される合計インク量同士の差分(当該期間での合計インク量−直前の期間での合計インク量)として順次算出する。本実施の形態では、1期間は、キャリッジ205がヘッド202を往動又は復動させるのに要する時間よりも長く、かつ、用紙Pを搬送方向にn等分した長さを搬送速度で割って得られる時間に等しい。つまり、算出部65は、用紙1枚当たりn個の変化量ΔVを算出する。1期間は、一例として、ヘッド202が2回往復移動するのに要する時間に等しい。
予測部266は、圧力差Pdが負の値である閾値kを下回る超過状態になるか否かを予測する。第1の実施の形態において説明したように、本発明者は、前記期間ごとに算出された一又は複数の合計インク量の変化量のうちの所定個(第1所定個)以上が所定値を超えるときに、圧力差Pdが閾値kを下回る可能性が高くなることを知見した。そして、この知見に基づいて、本実施の形態において、予測部266は、算出部265により期間Wごとに算出されたn個の変化量ΔVのうちの少なくとも1つが所定値X2を超えているときに、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。ここで、期間Wは、所定個が1で、所定値がX2となるように定められた長さを有しているとする。本実施の形態では、閾値kが−2.0kPaであるとして所定値X2が決定されている。
上述したようにメニスカス耐圧Pはインク温度Tが高くなるに伴って低くなる。予測部266は、インク温度Tと所定値X2とを対応付けたテーブルを有しており、予測部266は、このテーブルを参照して、インク温度Tが高くなるに連れて所定値X2を小さくする。一変形例として、インク温度Tに拘わらず所定値X2を一定値としてもよい。
キャリッジ制御部268は、圧力差Pdが閾値kを下回らないと予測部266が予測した場合には、ヘッド202の停止時間を前記所定時間とするように指示する制御信号を駆動モータ207に供給し、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部266が予測した場合には、ヘッド202の停止時間を前記所定時間よりも長くするように指示する制御信号を駆動モータ207に供給する。さらに、キャリッジ制御部268は、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部266が予測した場合には、算出部265における算出結果を参照して、前記期間ごとに複数の吐出口から吐出される合計インク量の変化量が1つも所定値X2を超えないように、復動を終了してから次の往動を開始するまでのヘッド202の停止時間を決定する。キャリッジ制御部268は、算出部265が算出した変化量ΔVが大きくなるほど停止時間が長くなるように、停止時間を決定する。変化量ΔVと停止時間との関係は、予めキャリッジ制御部268に格納されている。
図15Aは、復動を終了してから次の往動を開始するまでのヘッド202の停止時間を所定時間T1としたときのキャリッジ205の速度変化を表したグラフである。図15Bは、ヘッド202の停止時間を時間T2としたときのキャリッジ205の速度変化を表したグラフである。このように本実施の形態では、時間T2を所定時間T1よりも長くしているために、期間W内に複数の吐出口から吐出される合計インク量の変化量がどの期間W(W1、W2、…)内においても所定値X2以下に減少するので、流路断面積を大きくしなくても、圧力差Pdが閾値kを下回らない。したがって、ヘッド202の小型化を図りつつメニスカスが破壊されるのを防止することができる。
<変形例6>
上述した第2の実施の形態においては、復動を終了してから次の往動を開始するまでのヘッド202の停止時間を変更しているが、往動を終了してから次の復動を開始するまでのヘッド202の停止時間を変更してもよいし、これら両方の停止時間を変更してもよい。さらに、停止時間の変更が1期間内に行われるという条件が満たされる限り、ヘッド202が主走査方向に3以上の奇数回往動又は復動するごとに停止時間を変更してもよい。
<変形例7>
上述した第2の実施の形態では、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部266が予測した場合の停止時間を可変としているが、この場合の停止時間を所定時間よりも長い固定値としてもよい。この場合、たとえ停止時間が合計インク量の変化量の少なくとも1つを所定値X2を超えたものとするとしても、圧力差Pdが閾値kを下回らない可能性が高くなって、メニスカスが破壊されるのが抑制される。
<変形例8>
また、上述した第2の実施の形態では、n個の変化量ΔVのうちの少なくとも1つが所定値X2を超えているときに圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部266が予測するが、n個の変化量ΔVのうちの2以上の個数が所定値X2(第1所定値)を超えているときに圧力差Pdが閾値kを下回ると予測部266が予測してもよい。この比較基準となる個数(第1所定個)は、上述したように、期間の長さに応じて変わるものだからである。
<変形例9>
上述した第2の実施の形態では、予測部266は、n個の変化量ΔVだけを用いて予測を行っている。しかし、変形例3と同様に、予測部266は、算出部265によって算出されたn個の変化量ΔVのうちの第1所定個が第1所定値を超え、且つ、第1所定値を超えていた変化量ΔVが第1所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした連続した第2所定個の期間に亘って、複数の吐出口から吐出される合計インク量が第2所定値を超えるときに、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測してもよい。
<変形例10>
さらに別の変形例として、変形例5と同様に、変化量ΔVを利用して圧力差Pdを一定の長さを有する期間ごとに順次算出し、算出された圧力差Pdと閾値kとを比較することに基づいて予測を行ってもよい。例えば、予測部266は、算出された一又は複数の圧力差Pdのうちの所定個(例えば1)以上が閾値kを下回る場合に、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測する。変化量ΔVから圧力差Pdを算出するに当たっては、変形例3で言及した持続時間を加味してもよい。変化量ΔVから圧力差Pdを算出する手順は、変形例3で説明したのと同様である。本変形例において、温度センサ51aによって検出されたインク温度Tが高くなるに連れて、負の値である閾値kを大きくしてもよい。また、本変形例を、変形例6、7に適用してもよい。
<変形例11>
圧力差Pdが閾値kを下回ると予測された場合、第1の実施の形態では用紙P全体において吐出信号の周波数を小さくし、第2の実施の形態では1枚の用紙Pへの印刷動作全体において停止時間を長くしているが、圧力差Pdが閾値kを下回ると予測された期間においてのみ、吐出信号の周波数を小さくしたり、停止時間を長くしてもよい。これによって、印刷処理を短時間で完了することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更を上述の実施の形態に施すことが可能である。例えば、第2の実施の形態において、停止時間を変更する代わりに、第1の実施の形態のように吐出信号の周波数を変更してもよい。また、本発明は、インク以外の液体を吐出する記録装置にも適用可能である。
1,202 インクジェットヘッド(記録ヘッド)
13 搬送機構(移動機構)
16,216 制御装置
21 アクチュエータユニット
51 ドライバIC
51a 温度センサ(温度検出手段)
61 印刷データ記憶部(記憶手段)
65,265 算出部(算出手段)
66,266 予測部(予測手段)
105a 副マニホールド流路(共通液体流路)
132 個別インク流路(個別液体流路)
108 吐出口
109 メニスカス
110 圧力室

Claims (18)

  1. 液滴を吐出する複数の吐出口が形成された記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに対して記録媒体を相対移動させる移動機構と、
    各吐出口から各記録周期に吐出される液量を示す駆動データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記駆動データに基づいて、第1周波数を有する第1吐出信号を生成する第1吐出信号生成手段と、
    前記第1吐出信号が前記記録ヘッドに供給されたと仮定したときに前記複数の吐出口から吐出される合計液量の変化量を一定の長さを有する期間ごとに算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量に基づいて、前記第1吐出信号が供給された前記記録ヘッドによる記録媒体への記録中に前記吐出口に形成されたメニスカスを挟む気液圧力差が閾値を下回るか否かを予測する予測手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記駆動データに基づいて、前記第1周波数よりも小さい第2周波数を有する第2吐出信号を生成する第2吐出信号生成手段と、
    前記圧力差が前記閾値を下回らないと前記予測手段が予測した場合には、前記第1吐出信号が前記記録ヘッドに供給され、前記圧力差が前記閾値を下回ると前記予測手段が予測した場合には、前記第2吐出信号が前記記録ヘッドに供給されるように前記記録ヘッドへの信号供給を制御するヘッド制御手段と、
    前記第1吐出信号及び前記第2吐出信号のうち前記記録ヘッドに供給される方の周波数に応じた速度で記録媒体が前記記録ヘッドに対して相対移動するように、前記移動機構を制御する移動制御手段とを備えている記録装置。
  2. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量のうちの第1所定個以上が第1所定値を超えるときに、前記圧力差が前記閾値を下回ると予測する請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記ヘッド制御手段は、前記第2吐出信号が前記記録ヘッドに供給されたと仮定したときに前記期間ごとに前記複数の吐出口から吐出される合計液量の一又は複数の前記変化量のうち前記第1所定値を超えるのが前記第1所定個未満となるように、前記第2周波数を決定する請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量のうちの前記第1所定個以上が前記第1所定値を超え、且つ、前記第1所定値を超えていた前記変化量が前記第1所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした連続した第2所定個の前記期間に亘って、前記複数の吐出口から吐出される合計液量が第2所定値を超えるときに、前記圧力差が前記閾値を下回ると予測する請求項2又は3に記載の記録装置。
  5. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量のうち少なくとも1つが前記第1所定値を超えるときに、前記圧力差が前記閾値を下回ると予測する請求項2〜4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記記録ヘッドは、外部から供給される液体を一時的に貯留する複数の共通液体流路と、前記共通液体流路の出口から圧力室を介して前記吐出口に至る複数の個別液体流路とを有し、
    前記算出手段は、前記第1吐出信号が前記記録ヘッドに供給されたと仮定したときに、各共通液体流路に関して、当該共通液体流路に接続された複数の前記吐出口から吐出される合計液量の前記変化量を前記期間ごとに算出し、
    前記予測手段は、前記算出手段によって各共通液体流路に関して算出された一又は複数の前記変化量のうち少なくとも1つが前記第1所定値を超えるときに、前記圧力差が前記閾値を下回ると予測する請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記記憶手段に記憶された前記駆動データは、互いに異なる複数の液量のいずれかを各吐出口が各記録周期に吐出することを示すものであり、
    前記第1所定値は、前記閾値が、前記複数の液量のうちの最大量が複数の前記記録周期に亘って連続して前記複数の吐出口から吐出されることを前記駆動データが示している場合において、前記複数の吐出口から流出する合計液量と前記複数の吐出口に供給される合計液量とに釣り合いが生じているときの前記圧力差未満であり、且つ、前記メニスカスの耐圧を超えた値であるとして決定されたものである請求項2〜6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記記録ヘッド内の液体の温度を検出する温度検出手段をさらに備えており、
    前記予測手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が高くなるに連れて前記第1所定値を小さくする請求項2〜7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量を利用して前記圧力差を算出し、算出された一又は複数の前記圧力差のうちの所定個以上が前記閾値を下回るか否かに基づいて予測を行う請求項1に記載の記録装置。
  10. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量と、第3所定値を超えていた変化量がこの第3所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした前記複数の吐出口から吐出される合計液量が連続して第4所定値以上となる前記期間の数とを利用して、前記圧力差を算出する請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記移動機構が、記録媒体を前記相対移動の方向に搬送する搬送機構であり、
    前記記録ヘッドは、前記複数の吐出口が前記搬送機構による記録媒体の搬送方向と直交する方向に等間隔に配列されたライン型の記録ヘッドであって、前記直交する方向に関して固定されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. 記録媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
    液滴を吐出する複数の吐出口が形成されたシリアル型の記録ヘッドと、
    各吐出口から各記録周期に吐出される液量を示す駆動データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記駆動データに基づいて、所定周波数を有する吐出信号を生成する吐出信号生成手段と、
    前記記録ヘッドを前記搬送方向と直交する方向に往復動させるキャリッジと、
    記録媒体が前記搬送方向に所定距離ずつ搬送されるように、前記搬送機構を制御する搬送制御手段と、
    前記記録ヘッドが往動及び復動の少なくともいずれか一方を終了してから逆方向への移動を開始するまでの停止時間を可変に、前記キャリッジの往復動を制御するキャリッジ制御手段と、
    前記搬送機構による搬送途中において停止した記録媒体に向けて前記複数の吐出口から液滴が吐出されるように、前記記録ヘッドへの前記吐出信号の供給を制御する吐出制御手段と、
    前記吐出信号が前記記録ヘッドに供給され且つ前記停止時間が所定時間であると仮定したときに、前記複数の吐出口から吐出される合計液量の変化量を、前記キャリッジが前記記録ヘッドを往動又は復動させるのに要する時間よりも長い一定の長さを有する期間ごとに算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量に基づいて、前記吐出信号が供給された前記記録ヘッドによる記録媒体への記録中に前記吐出口に形成されたメニスカスを挟む気液圧力差が閾値を下回るか否かを予測する予測手段とを備えており、
    前記キャリッジ制御手段は、前記圧力差が前記閾値を下回らないと前記予測手段が予測した場合には、前記停止時間が前記所定時間となり、前記圧力差が前記閾値を下回ると前記予測手段が予測した場合には、前記停止時間が前記所定時間よりも長くなるように前記キャリッジを制御する記録装置。
  13. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量のうちの第1所定個以上が第1所定値を超えるときに、前記圧力差が閾値を下回ると予測する請求項12に記載の記録装置。
  14. 前記キャリッジ制御手段は、前記圧力差が前記閾値を下回ると前記予測手段が予測した場合には、前記期間ごとに前記複数の吐出口から吐出される合計液量の一又は複数の前記変化量のうち前記第1所定値を超えるのが前記第1所定個未満となるように、前記停止時間を決定する請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量のうちの前記第1所定個以上が前記第1所定値を超え、且つ、前記第1所定値を超えていた前記変化量が前記第1所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした連続した第2所定個の前記期間に亘って、前記複数の吐出口から吐出される合計液量が第2所定値を超えるときに、前記圧力差が前記閾値を下回ると予測する請求項14に記載の記録装置。
  16. 前記記録ヘッド内の液体の温度を検出する温度検出手段をさらに備えており、
    前記予測手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が高くなるに連れて前記第1所定値を小さくする請求項13〜15のいずれか1項に記載の記録装置。
  17. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量を利用して前記圧力差を算出し、算出された一又は複数の前記圧力差のうちの所定個以上が前記閾値を下回るか否かに基づいて予測を行う請求項12〜16のいずれか1項に記載の記録装置。
  18. 前記予測手段は、前記算出手段によって算出された一又は複数の前記変化量と、第3所定値を超えていた変化量がこの第3所定値以下となったときにおける当該期間を最初とした前記複数の吐出口から吐出される合計液量が連続して第4所定値以上となる前記期間の数とを利用して、前記圧力差を算出する請求項17に記載の記録装置。
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