JP2016190428A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流路内の液体圧力低下とドライバICの発熱という2つの要因で、ヘッドの液体吐出を一時的に休止させる場合に、休止時間が無駄に長く設定されてしまうことを防止すること。【解決手段】まず、予定されたインク吐出動作を行う前に、そのインク吐出動作における吐出量情報を取得する(S11)。次に、前記吐出量情報に基づいてインク圧力変化を予測し(S12)、また、前記吐出量情報に基づいてドライバICの温度変化を予測する(S14)。予測されたインク圧力変化と温度変化とから、インクジェットヘッドの休止期間を設定する(S15〜S23)。そして、前記インク吐出動作において、設定された休止期間の間、インクジェットヘッドのインク吐出を休止させる。【選択図】図8

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、液体吐出装置として、記録用紙に対して移動しつつ、複数のノズルから記録用紙へ向けてインクを吐出させるインクジェットヘッドが開示されている。特許文献1のインクジェットヘッドは、ノズルを含むインク流路が形成された流路ユニットと、インク流路内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータとを有する。流路ユニットは、チューブによってインクカートリッジと接続されている。圧電アクチュエータは、流路ユニット内のインクに圧力を付与することにより、ノズルからインクを吐出させる。
ところで、このようなインクジェットヘッドにおいて、ノズルからインクが吐出されると、流路ユニット内のインク圧力が低下する。通常は、流路内のインク圧力低下に応じて、インクカートリッジから流路ユニットへインクが流れ込むため、時間の経過とともに、流路内のインク圧力は回復する。しかし、多くのノズルから同時にインクが吐出される状態が続くと、一定時間内に吐出されるインクの量が多くなり、インクカートリッジからのインクの供給が追いつかない状態(アンダーリフィル)となる。これにより、インク流路内の圧力低下が進むと、ノズルのメニスカスが破壊される虞がある。
この点、特許文献1では、インクジェットヘッドの1回の片道移動(パス)毎に、そのパスで吐出するインク吐出量を計算し、前記インク吐出量が閾値を超えた場合には、インクジェットヘッドの印刷動作を一時的に休止させている。この一時休止によって、インク流路内のインクの圧力を回復させてメニスカスブレイクを防止する。
一方で、上述したインク圧力低下とは別の理由で、インクジェットヘッドの印刷動作を一時的に停止させる場合もある。特許文献2のインクジェットヘッドは、ノズルからインクを吐出させる圧電アクチュエータと、圧電アクチュエータを駆動するICチップを有する。圧電アクチュエータを駆動してノズルからインクを吐出させる際に、ICチップにおいて熱が発生し、この熱によって、インクジェットヘッドのノズル面に温度分布が生じる。これにより、異なるノズルの間でインクの温度に差が生じることになり、ノズル間で吐出特性が異なることになる。そこで、特許文献2では、ICチップの発熱によってノズル面での温度差が一定以上に大きくなったときには、遅延時間を設定し、その遅延時間だけ、次回のインクジェットヘッドの印刷動作を遅らせる。これにより、ノズル面の温度差を小さく抑えている。
特開2010−214727号 特開2005−335132号
しかし、インク流路内の圧力低下と、ICチップによる発熱という、異なる2つの要因で、インクジェットヘッドを一時的に休止させる必要がある場合に、これら2つの要因のそれぞれについて休止時間を設定していたのでは、過剰に長い休止時間が設定されてしまう。これにより、全体の印刷時間が長くなってしまう。
本発明の目的は、流路内の液体圧力低下とICの発熱という2つの要因で、ヘッドの液体吐出を一時的に休止させる場合に、休止時間が無駄に長く設定されてしまうことを防止することである。
本発明の液体吐出装置は、液体供給部と接続され、複数のノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記液体流路内の液体に、前記ノズルから吐出させるための吐出エネルギーを付与するエネルギー付与部を有する液体吐出ヘッドと、前記エネルギー付与部を駆動するドライバICと、前記ドライバICを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記液体吐出ヘッドが予定された液体吐出動作を行う前に、前記予定された液体吐出動作における、前記液体吐出ヘッドの液体吐出量に関連する吐出量情報を取得する吐出量情報取得処理と、前記吐出量情報取得処理で取得された前記吐出量情報に基づいて、前記液体流路内の液体の圧力変化を予測する圧力予測処理と、前記吐出量情報取得処理で取得された前記吐出量情報に基づいて、前記ドライバICの温度変化を予測する温度予測処理と、前記圧力予測処理で予測された前記圧力変化と、前記温度予測処理で予測された前記ドライバICの温度変化から、前記液体吐出ヘッドの休止期間を設定する、休止期間設定処理と、前記液体吐出動作において、前記休止期間設定処理で設定された前記休止期間の間、前記液体吐出ヘッドの液体吐出を休止させる休止処理とを実行することを特徴とするものである。
本実施形態に係るプリンタ1の概略的な平面図である。 プリンタ1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 インクジェットヘッド4の上面図である。 図3のA部拡大図である。 図4のV-V線断面図である。 (a)は、休止期間が設けられていない場合のインク圧力変化を示す図であり、(b)は、休止期間が設けられていない場合のドライバICの動作温度変化を示す図である。 印刷処理のフローチャートである。 休止期間決定処理のフローチャートである。 (a)は休止期間が設けられた場合のインク圧力変化を示す図であり、(b)は休止期間が設けられた場合のドライバICの動作温度変化を示す図である。 変更形態のインクジェットヘッド4Aの上面図である。 別の変更形態のインクジェットヘッド4Bの上面図である。 別の変更形態の画像印刷に関する処理のフローチャートである。 別の変更形態に関して、(a)は休止期間が設けられた場合のインク圧力変化を示す図であり、(b)は休止期間が設けられた場合のドライバICの動作温度変化を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1に示す走査方向をプリンタ1の左右方向と定義する。図1のカートリッジホルダ8に向かう方向が右方であり、カートリッジホルダ8と反対側に向かう方向が左方である。また、図1の搬送方向の上流側をプリンタ1の後方、下流側をプリンタ1の前方と定義する。さらに、走査方向及び搬送方向と直交する方向(図1の紙面に直交する方向)を、プリンタ1の上下方向と定義する。尚、紙面手前側のキャリッジ3側が上方、紙面向こう側のプラテン2側が下方である。以下では、前後左右上下の各方向語を適宜使用して説明する。
(プリンタの構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送部5と、制御部6等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端ベルト13が連結され、キャリッジ駆動モータ14によって無端ベルト13が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に往復移動する。
インクジェットヘッド4はキャリッジ3に搭載されており、キャリッジ3とともに走査方向に往復移動する。インクジェットヘッド4は、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクカートリッジ16が装着されるカートリッジホルダ8と、チューブ15によってそれぞれ接続されている。インクジェットヘッド4は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に形成された複数のノズル30を有する。各ノズル30は、インクカートリッジ16から供給されたインクを、プラテン2の上に載置された記録用紙100に向けて吐出する。インクジェットヘッド4の詳細構成については、後で説明する。
図1に示すように、搬送部5は、前後方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。2つの搬送ローラ18,19は、搬送モータ17(図2参照)によって同期して駆動される。搬送部5は、搬送モータ17により2つの搬送ローラ18,19を駆動することで、プラテン2に載置された記録用紙100を、走査方向と直交する搬送方向に搬送する。
図2に示すように、制御部6は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)23等を備える。制御部6には、ユーザがプリンタ1に様々な動作を行わせるための操作パネル24が接続されている。また、制御部6は、通信部25を介して、PC等の外部装置26とデータ通信可能に接続されている。
制御部6は、ROM21に格納されたプログラムに従い、CPU20及びASIC23により、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御部6は、PC等の外部装置26から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド4のドライバIC61(後述)、キャリッジ駆動モータ14、及び、搬送モータ17等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。具体的には、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させるインク吐出動作と、搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。
(インクジェットヘッドの詳細構成)
次に、インクジェットヘッド4について図3〜図5を参照して詳細に説明する。尚、図3では、図面をわかりやすくするために、圧電アクチュエータ32を覆うように配置されているCOF(Chip On Film)60を二点鎖線で示している。また、図4では、COF60の図示を省略している。
図3〜図5に示すように、インクジェットヘッド4は、流路構造体31と、圧電アクチュエータ32とを備えている。尚、図5では、流路構造体31に形成されたインク流路内に、インク(符号Iで示す)が充填されている状態が示されている。
(流路構造体)
図5に示すように、流路構造体31は、複数枚のプレート41〜49が積層された構造を有する。複数枚のプレート41〜49は、互いに積層された状態でそれぞれ接着剤によって接合されている。複数枚のプレート41〜49のうちの、最下層のプレートは、ポリイミド等の合成樹脂からなるノズルプレート49である。このノズルプレート49には、複数のノズル30が形成されている。図3に示すように、複数のノズル30は搬送方向に配列され、また、走査方向に並ぶ4つのノズル群38に分かれている。4つのノズル群38は、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクをそれぞれ吐出するものである。
流路構造体31を構成する、ノズルプレート49以外の他のプレート41〜48は、ステンレス鋼などの金属材料からなるプレートである。これらのプレート41〜48には、複数のノズル30に連通する、次述のマニホールド36や圧力室37等を含む、インク流路が形成されている。
図3に示すように、流路構造体31の上面を構成する最上層のプレート41には、4つのインク供給孔35が走査方向に並んで形成されている。4つのインク供給孔35には、ホルダ8の4つのインクカートリッジ16(図1参照)から4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクがそれぞれ供給される。また、図5において、上から4番目から7番目のプレート44〜47には、搬送方向に延在する4本のマニホールド36が形成されている。4つのインク供給孔35と4本のマニホールド36は、プレート42,43に形成された連通孔(図示省略)によって、それぞれ接続されている。
流路構造体31の最上層のプレート41には、複数のノズル30にそれぞれ対応する複数の圧力室37が形成されている。各圧力室37は、走査方向に長い、略楕円の平面形状を有する。複数の圧力室37は、4本のマニホールド36に対応して4列に配列されている。複数の圧力室37は、圧電アクチュエータ32の振動板50によって覆われている。図3、図4に示すように、上から2番目に位置するプレート42には、マニホールド36と複数の圧力室37を接続する、複数の絞り流路39が形成されている。また、最上層のプレート41とノズルプレート49との間に位置する合計7枚のプレート42〜48には、圧力室37とノズル30とを接続する連通流路33が形成されている。
即ち、本実施形態では、4色のマニホールド36の各々は、絞り流路39、圧力室37、及び、連通流路33からなる個別流路を介して、対応するノズル群38に属するノズル30と連通している。
(圧電アクチュエータ)
圧電アクチュエータ32は、上述した流路構造体31の上面に配置されている。この圧電アクチュエータ32は、圧力室37内のインクに、ノズル30から吐出させるための吐出エネルギーを付与するものである。図3〜図5に示すように、圧電アクチュエータ32は、振動板50と、圧電層54,55と、複数の個別電極52と、共通電極56を備えている。
振動板50は、複数の圧力室37を覆うように、流路構造体31の上面に接合されている。振動板50は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。
2枚の圧電層54,55は、それぞれ圧電材料からなる。圧電層54,55を構成する圧電材料としては、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を採用することができる。その他、非鉛の圧電材料である、チタン酸バリウムや、ニオブ系の圧電材料を採用することもできる。圧電層54,55は互いに積層された状態で、振動板50の上面に接合されている。
複数の個別電極52は、上側の圧電層54の上面において、複数の圧力室37にそれぞれ対応して搬送方向に配列されている。個別電極52は、圧力室37よりも一回り小さい、走査方向に長い略楕円の平面形状を有し、対応する圧力室37の中央部と対向して配置されている。個別電極52の長手方向一端部には、接続端子52aが設けられている。接続端子52aは、圧電層54の上面において、個別電極52から、圧力室37と対向しない領域まで走査方向に延びている。
共通電極56は、2枚の圧電層54,55の間において、ほぼ全面的に配置されている。共通電極56は、上側の圧電層54を挟んで複数の個別電極52のそれぞれと対向している。
以上の構成において、1つの個別電極52と、共通電極56の1つの圧力室37に対向する部分、及び、圧電層54、55の1つの圧力室37と対向する部分によって、1つの圧電素子59が構成されている。また、各圧電素子59において、上側の圧電層54の個別電極52と共通電極56とに挟まれた部分を、以下、特に活性部51と称する。各圧電素子59の活性部51は、厚み方向において下向き、即ち、個別電極52から共通電極56に向かう方向に分極されている。
図3、図5に示すように、圧電アクチュエータ32の上面には、配線部材であるCOF60が配置されている。COF60は、圧電アクチュエータ32と制御部6とを電気的に接続する。また、COF60には、圧電アクチュエータ32を駆動するドライバIC61が実装されている。
COF60には、複数の入力配線62aと複数の出力配線62bが形成されている。ドライバIC61は、入力配線62aを介して制御部6と電気的に接続されている。一方、図5に示すように、複数の出力配線62bの端部は、複数の個別電極52の接続端子52aと、それぞれバンプ63によって接合されている。これにより、COF60のドライバIC61と、圧電アクチュエータ32の複数の圧電素子59の個別電極52とが電気的に接続されている。
ドライバIC61は、制御部6から送られてきた制御信号に基づいて、圧電アクチュエータ32の、複数のノズル30にそれぞれ対応する複数の圧電素子59の各々に対して、駆動信号を出力する。駆動信号が供給された圧電素子59の個別電極52の電位は、所定の駆動電位とグランド電位との間で変化する。尚、ドライバIC61には、動作温度を検出する温度検出回路64(図2参照)が組み込まれている。
また、図示は省略するが、COF61には、プリンタ1のグランドと導通するグランド線が設けられている。このグランド線の端部が、共通電極56と電気的に接続されることで、共通電極56は、常にグランド電位に維持されている。
ノズル30からインクを吐出させる際の、圧電素子59の作用について説明する。ドライバIC61から駆動信号が供給されていない状態では、個別電極52の電位はグランド電位となっており、共通電極56と同電位である。この状態から、ある圧電素子59の個別電極52に駆動信号が供給されて、個別電極52に駆動電位が印加されると、この個別電極52と共通電極56との電位差により、活性部51に、厚み方向に平行な電界が作用する。ここで、活性部51の分極方向と電界の方向とが一致するために、活性部51はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この活性部51の収縮変形に伴って、振動板50が圧力室37側に凸となるように撓み、圧力室37の容積が減少してインクに圧力波が発生する。これにより、圧力室37に連通するノズル30からインクが吐出される。
(インクジェットヘッドの休止制御の概要)
ところで、本実施形態のプリンタ1は、以下の(1)、(2)の理由により、記録用紙100への印刷中に、インクジェットヘッド4のインク吐出動作を一時的に休止させる制御を行う。尚、上述したように、インクジェットヘッド4は、キャリッジ3とともに記録用紙100に対して走査方向に往復移動しながらインクを吐出させるが、キャリッジ3の1回の走査方向への片道移動(左方又は右方への一方向移動)を、以下では「パス」と称する。インクジェットヘッド4は各パスの間にインクを吐出させ、また、複数のパスを続けて実行することにより、記録用紙100に画像を印刷する。また、インクジェットヘッド4は、キャリッジ3が左方へ移動するときのパスと右方へ移動するときのパスの両方において、ノズル30からインクを吐出させる。即ち、本実施形態のインクジェットヘッド4は、いわゆる、双方向印字により画像を印刷する。
(1)インク圧力回復のための一時休止
図6(a)に示すように、各パスにおいて、ノズル30からインクが吐出されたときに、そのノズル30に連通するマニホールド36内のインクの圧力が低下する。マニホールド36内のインクの圧力Pは、各パスでのインク吐出量が多いほど急激に低下する。
1回のパスでマニホールド36内のインク圧力が低下しても、次のパスが開始されるまでの、キャリッジ3が移動方向を反転させる反転期間の間に、インクカートリッジ16からインクが補給されるため、インク圧力は回復する。しかし、先のパスにおけるインクの吐出量が多いと、反転期間の間に完全に圧力が回復しないため、次のパスでのインクの吐出によってインク圧力がさらに低下する。そして、インク圧力が所定の制限圧力PLよりも低下すると、ノズル30のメニスカスが破壊されてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、予定されている記録用紙100へ印刷を行う前に、各パスでのインク吐出量を把握し、それにより各パスにおけるインク圧力の変化を予測する。そして、全てのパスにおいて予測したインク圧力が制限圧力PL以上に維持されるように、何れかのパス間の反転期間にインクジェットヘッド4の休止期間を設定する。
(2)ドライバIC61の温度上昇抑制のための一時休止
図6(b)に示すように、各パスでノズル30からインクを吐出させるために、ドライバIC61から各圧電素子59の個別電極52に駆動信号を供給すると、ドライバIC61が発熱して動作温度が上昇する。尚、キャリッジ3の反転期間では駆動が行われず、その間にドライバIC61の熱が放散されることで、動作温度は多少低下する。しかし、各パスのインク吐出量が多く、圧電素子59の駆動頻度が高い場合には、各パスにおいてドライバIC61の動作温度が急激に上昇する。動作温度が所定の制限温度TLを超えると、ドライバIC61の動作が不安定になり、さらには、ドライバIC61の故障にもつながる。そこで、本実施形態では、予定されている記録用紙100へ印刷を行う前に、各パスでのインク吐出量を把握し、それによって、各パスにおけるドライバIC61の温度変化を予測する。そして、予測した動作温度が制限温度TL以下となるように、何れかのパス間の反転期間にインクジェットヘッド4の休止期間を設定する。
インクジェットヘッド4の休止期間の設定処理も含む、記録用紙100に対する印刷処理について、図7、図8のフローチャートを参照して説明する。尚、図7、図8において、Si(i=1,2,3・・・)は、ステップ番号を示す。
外部装置26からプリンタ1の制御部6に、画像の印刷指令が入力されると(S1:Yes)、画像の印刷を開始する前に、制御部6は、画像印刷時の各パスでのインクの圧力変化及びドライバIC61の温度変化を予測する。そして、それらの予測に基づいて、画像印刷中におけるインクジェットヘッド4の休止期間を決定する(S2)。尚、本実施形態の「休止期間」は、どのパスの間で休止させるかという「休止タイミング」と、どれくらいの時間休止させるかという「休止時間」の、2つのパラメータを含む概念である。休止期間の決定の詳細については、後で、図8を参照して説明する。
休止期間が決定されたら、制御部6は、上記休止期間におけるインクジェットヘッド4の休止を踏まえた上での、記録用紙100の画像印刷に要する時間を算出する(S3)。また、算出した印刷時間の情報を、通信部25によって外部装置26に報知し、外部装置26のディスプレイ等に表示させる(S4)。あるいは、操作パネル24のディスプレイに印刷時間を表示させてもよい。
そして、制御部6は、キャリッジ3を走査方向に往復させつつ、各パスにおいてインクジェットヘッド4のノズル30からインクを吐出させて、記録用紙100に画像を印刷する(S5)。その際に、前記の休止期間が設定されたパスとなったら、キャリッジ3の反転の際に、記録用紙100よりも左側又は右側の位置でインクジェットヘッド4を停止させ、前記休止期間で定められた時間だけ、インクジェットヘッド4のインク吐出を休止させる(休止処理)。休止期間が終了すると、次のパスを開始させ、インクジェットヘッド4のインク吐出を再開させる。
(休止期間の決定)
次に、S2の休止期間の決定について、図8を参照して具体的に説明する。まず、外部装置26から入力された画像データに基づいて、画像を印刷するときの各パスについて、インクジェットヘッド4のインク吐出量に関する情報を取得する。本実施形態では、上記のインク吐出量に関する情報として、デューティを算出する(S11)。本願における「デューティ」とは、各パスにおいて、対象となるノズル30の全てからインクを吐出したときの最大吐出量(デューティ100%)に対する、実際の吐出量の比のことである。デューティは、後で説明するインク圧力変化の予測(S12)及びドライバIC61の温度予測(S14)に使用するものである。但し、以下の理由から、インク圧力変化の予測に使用するデューティと、温度予測に使用するデューティは、分けて算出する必要がある。
先に説明したように、インクジェットヘッド4は、4つのノズル群38と、4つのノズル群38にそれぞれ対応する4つのマニホールド36を有する。各マニホールド36内のインクの圧力は、他のマニホールド36内のインクの圧力とは無関係に独立している。従って、例えば、シアンインクを吐出するノズル群38のデューティが低く、シアンのマニホールド36内の圧力低下が小さくても、ブラックインクを吐出するノズル群38のデューティが高ければ、ブラックのマニホールド36の圧力低下を抑えるために、インクジェットヘッド4の休止が必要になることがある。そこで、S11のデューティ取得処理では、4つのマニホールド36のそれぞれについてインクの圧力変化を個別に予測するため、4つのノズル群38のそれぞれについてのデューティ(第1デューティD1)を取得する。即ち、第1デューティD1は、対象のノズル群38が1回のパスで吐出する最大吐出量に対する、実際の吐出量の比である。
これに対して、ドライバIC61は、4色のノズル30に対応する圧電素子59の全てを駆動する。そこで、S11のデューティ取得処理では、上記の第1デューティD1に加えて、ドライバIC61の温度変化の予測のために、ドライバIC61が駆動する全てのノズル30についてのデューティ(第2デューティD2)を取得する。即ち、第2デューティD2は、全てのノズル30が1回のパスで吐出する最大吐出量に対する、実際の吐出量の比である。
各マニホールド36内のインクの圧力Pは、前記の第1デューティD1に依存し、第1デューティD1と時間tの関数となる。即ち、図6(a)に示されるインク圧力は、P=f(D1,t)+P0で表される。尚、P0は、インクジェットヘッド4が待機状態にあるときの、マニホールド36内の初期圧力である。また、実際のインク圧力Pの算出には、変数である第1デューティD1及び時間tの他、流路抵抗等に関する固定値も用いられ、この固定値は上記関係式の中に組み込まれている。インク圧力Pを算出するための上記の関係式は、ROM21に記憶されている。そして、制御部6は、ROM21に記憶された関係式を参照し、S11で取得した各ノズル群38の第1デューティD1に基づいて、ノズル群38に対応するマニホールド36内のインクの圧力変化を予測する(S12)。
また、制御部6は、ドライバIC61の温度検出回路64からの検出信号を受信し、ドライバIC61の現在の動作温度T0を検出する(S13)。ドライバIC61の動作温度Tは、前記の第2デューティD2に依存し、第2デューティD2と時間tの関数となる。即ち、図6(b)に示される動作温度は、T=g(D2,t)+T0で表される。また、実際の動作温度Tの算出には、変数である第2デューティD2及び時間tの他、圧電素子59の静電容量等に関する固定値も用いられ、この固定値は上記関係式の中に組み込まれている。動作温度Tを算出するための上記の関係式は、ROM21に記憶されている。そして、制御部6は、ROM21に記憶された関係式を参照し、S11で取得した第2デューティD2に基づいて、ドライバIC61の動作温度の変化を予測する(S14)。
次に、S12で予測した圧力変化とS14で予測した温度変化とから、画像印刷中のキャリッジ3の反転期間に、インクジェットヘッド4の休止期間を設定する(S15〜S23)。パスの間に休止期間を設定することで、1枚の記録用紙への印刷中にこまめにインクジェットヘッド4を休止させることができる。これにより、インク圧力が制限圧力PLを下回る、あるいは、ドライバIC61の動作温度が制限温度TLを超えることを確実に防止できる。
まず、S12で予測した圧力変化に基づき、各マニホールド36内の圧力が所定の制限圧力PL以下に維持されるように、インクジェットヘッド4の吐出を一時的に休止させる期間(第1期間p1)を算出する(S15)。制限圧力PLの値は、例えば、−8kPaである。図6(a)の例では、3回目のパスの途中で、インク圧力Pが制限圧力PLを下回っている。そこで、2回目のパスと3回目のパスの間の反転期間に、所定の時間長さを有する第1期間p1を設定する。
次に、S14で予測した温度変化に基づき、ドライバIC61の動作温度が所定の制限温度TL以下に維持されるように、インクジェットヘッド4の吐出を一時的に休止させる期間(第2期間p2)を算出する(S16)。制限温度TLの値は、例えば、80℃である。図6(b)の例では、4回目のパスの途中で、温度Tが制限温度TLを超えている。そこで、3回目のパスと4回目のパスの間の反転期間に、所定の時間長さを有する第2期間p2を設定する。
尚、第1期間p1、第2期間p2の時間長さ(休止時間)は、それらの期間の直前の圧力P、温度Tの値、及び、それらの期間が経過した後のパスのデューティの値等に応じて算出する。例えば、図6(a)において、2回目のパスの終了時における圧力Pが、制限圧力PLにかなり近くなっている場合に、第1期間p1の休止時間が短いと、3回目のパスでは制限圧力を下回らなくても、4回目以降のパスで再び制限圧力PLを下回り、再度休止期間を設けなくてはならなくなる。そこで、このような場合には、第1期間p1の休止時間を大きめするとよい。
次に、インク圧力の低下を抑えるための第1期間p1と、ドライバIC61の温度上昇を抑えるための第2期間p2から、適切な休止期間を設定する。まず、第1期間p1と第2期間p2の休止タイミングが同じ(S17:Yes)、即ち、同一の反転期間に第1期間p1と第2期間p2が設定される場合がある。この場合は、第1期間p1と第2期間p2の間で休止時間を比較し、休止時間が長い方の期間を休止期間に設定する(S18)。
第1期間p1と第2期間p2のタイミングが異なる場合には(S17;No)、休止タイミングが早い方の期間を休止期間に設定する。一方で、休止タイミングが遅い方の期間の取り扱いは、以下のようにする。
第1期間p1と第2期間p2のうちの一方を実際の休止期間として選択したときに、選択された一方の期間に対応する要因(インク圧力低下又はドライバIC61の温度上昇)は問題なく抑制される。これに対して、他方の選択されなかった期間に対応する要因については、どの程度抑制されるかどうかは状況にもよるが、少なくとも、前記一方の期間の休止によって、ある程度緩和されることは確かである。
例えば、図6(a)の圧力変化から、インク圧力低下を抑えるための第1期間p1は、2回目のパスと3回目のパスとの間の反転期間に設定される。一方、図6(b)の温度変化からは、ドライバIC61の温度上昇を抑えるための第2期間p2は、3回目のパスと4回目のパスとの間の反転期間に設定される。つまり、第1期間p1の方が、第2期間p2よりも休止タイミングが早いため、第1期間p1が休止期間に設定される。
図9(a)に示すように、2回目のパスと3回目のパスの間に休止期間が設けられると、その間にインクの圧力が大きく回復し、3回目のパス以降にインク圧力が制限圧力PLを下回らないようにすることができる。このとき、図9(b)に示すように、上記休止期間の間にドライバIC61の温度も低下する。そのため、その後のドライバIC61の温度上昇を抑制するための第2期間p2は、第1期間p1の間、インクジェットヘッド4の吐出を休止させたことを条件に、再計算されることが望ましい。
具体的には、第1期間p1が第2期間p2よりも早いタイミングに設定されている場合には(S19:Yes)、第1期間p1の間、吐出を休止させたことを条件に、第2期間p2を再計算する(S20)。そして、第1期間p1と再計算後の第2期間p2を、休止期間に設定する(S21)。尚、第2期間p2の再計算において、第1期間p1の休止だけで、それ以降、ドライバIC61の温度が制限温度TLを超えることがないという結果が出た場合は、第2期間p2は不要となるため、第2期間p2の休止時間を0にすればよい。
逆に、第2期間p2が第1期間p1よりも早いタイミングに設定されている場合には(S19:No)、第2期間p2の間、吐出を休止させたことを条件に、第1期間p1を再計算する(S22)。そして、第2期間p2と再計算後の第1期間p1を、休止期間に設定する(S23)。尚、第1期間p1の再計算においても、第2期間p2の休止のみで、第1期間p1は不要という結果が出た場合は、第1期間p1の休止時間を0にすればよい。
以上説明したように、本実施形態では、予定されている記録用紙100への印刷における、各パスのデューティ(第1デューティD1,第2デューティD2)を算出し、このデューティに基づいて、各パスにおけるマニホールド36内のインクの圧力変化と、ドライバIC61の動作温度の変化をそれぞれ予測する。そして、予測したインクの圧力変化とドライバIC61の温度変化に基づいて、インクジェットヘッド4の休止期間を設定する。つまり、インクの圧力変化とドライバIC61の温度変化の両方を考慮して最適な休止期間を設定することができるため、休止の時間が無駄に長くなってしまうことを防止できる。
休止期間の設定では、まず、インク圧力が所定の制限圧力PL以上に維持されるように、吐出を休止させる期間として第1期間p1を設定する。また、ドライバIC61の温度が所定の制限温度TL以下に維持されるように、吐出を休止させる期間として、第2期間p2を設定する。
第1期間p1と第2期間p2とで休止タイミングが同じである場合には、休止時間の長い方を休止期間に選ぶ。これにより、インク圧力低下とドライバIC61の温度上昇の、両方を確実に抑制できる、最短の休止時間を設定することができる。
第1期間p1と第2期間p2の休止タイミングが異なっている場合には、休止タイミングが早い方を休止期間に採用する。これにより、設定した休止期間によって、インク圧力低下とドライバIC61の温度上昇の、両方を効率的に抑制できる。
さらに、第1期間p1と第2期間p2のうちの、休止タイミングが後の期間を、休止タイミングが先の期間の休止を条件に再計算し、再計算によって得られた新たな期間を、休止期間に組み込む。つまり、先の期間の休止による影響を考慮して、後の期間を最適に設定し直すことができる。
以上説明した実施形態において、インクジェットプリンタ1が、本発明の「液体吐出装置」に相当する。インクジェットヘッド4が、本発明の「液体吐出ヘッド」に相当する。インクカートリッジ16が、本発明の「液体供給部」に相当する。記録用紙100が、本発明の「被吐出体」に相当する。圧電アクチュエータ32が、本発明の「エネルギー付与部」に相当する。マニホールド36が、本発明の「共通液室」に相当する。ドライバIC61が、本発明の「ドライバ」に相当する。第1デューティD1が、本発明の「第1吐出量情報」に相当する。第2デューティD2が、本発明の「第2吐出量情報」に相当する。印刷時間が、本発明の「動作時間」に相当する。印刷時間を外部装置26に送信する通信部25、あるいは、印刷時間を表示する操作パネル24が、本発明の「報知部」に相当する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]画像の印刷時のパスの回数が多い場合などでは、休止期間の設定によって、インク圧力の低下(あるいは、ドライバIC61の温度上昇)が一時的に抑制されても、その後、何回もパスが繰り返されることによって、再度、制限値に近づくということもあり得る。そのような場合には、画像の印刷中に、複数回の休止期間が設定されてもよい。尚、図6、図9からも理解されるように、インク圧力が低いほど、また、ドライバIC61の温度が高いほど、短い休止時間で圧力が大きく回復し、また、温度が大きく低下する。そこで、制限圧力PLを下回らない程度にインク圧力が低下し、また、制限温度TLを超えない程度にドライバIC61の温度が上昇したときに、インクジェットヘッド4を短時間休止させることが好ましい。これにより、1回の休止で圧力回復、及び、温度降下を効果的に行うことができる。そして、上記の短時間の休止をこまめに行うことで、トータルの休止時間を短くすることができる。
2]前記実施形態では、1色のインクに対して1つのマニホールド36が設けられた構成であるが、1色のインクに対して複数のマニホールド36が設けられてもよい。例えば、図10のインクジェットヘッド4Aは、ブラックインクについて2つのマニホールド36k1,36k2を有する。また、ブラックインクを吐出するノズル30は、2つのマニホールド36k1,36k2にそれぞれ連通する2つのノズル群38k1,38k2を構成している。2つのマニホールド36k1,36k2は、共通のインク供給孔35kに連通しているものの、2つのマニホールド36k1,36k2の間でインク圧力の相互干渉はほとんどなく、インク圧力はそれぞれ独立していると言える。この場合に、図8のS11のデューティ取得処理では、ブラックの2つのマニホールド36k1,36k2のそれぞれについて、第1デューティD1を算出する。
3]前記実施形態では、1つのドライバIC61が、圧電アクチュエータ32の全ての圧電素子59を駆動する構成である。これに対して、2以上のドライバIC61によって、圧電アクチュエータ32を駆動する構成を採用してもよい。例えば、図11のインクジェットヘッド4Bに接続されたCOF60には、インクジェットヘッド4に対して前後両側に2つのドライバIC61a,61bが実装されている。前側のドライバIC61aは、複数のノズル30のうちの、前半分に位置するノズル30に対応する圧電素子59を駆動する。後側のドライバIC61bは、複数のノズル30のうちの、後半分に位置するノズル30に対応する圧電素子59を駆動する。この場合、図8のS11のデューティ取得処理では、前側のドライバIC61aに対応する前半分のノズル30についての第2デューティD2と、後側のドライバIC61bに対応する後半分のノズル30についての第2デューティD2とを算出する。
4]前記実施形態では、1枚の記録用紙100への印刷を行う前に全てのパスについて、インク圧力変化の予測とドライバIC61の温度変化の予測とを行い、それらの予測に基づいて休止期間の設定を行っている。この場合、初めの方のパスでは、圧力予測、温度予測とも実際に近い予測結果が得られるのであるが、後の方のパスでは予測と実際とで乖離が大きくなることも考えられる。そこで、前の方のパスに休止期間を設定する場合は、圧力予測及び温度予測からそれぞれ算出された休止時間をそのまま用い、後の方のパスに休止期間を設定する場合には、算出された休止時間に対して時間を少し長くする処理を行ってもよい。例えば、3パス目の終了以降に休止期間が設けられる場合には、算出された休止時間に対して、重み係数(例えば、1.1倍)を乗じて、休止時間を大きくする。
5]前記実施形態では、1枚の記録用紙100への印刷を行う前に、全てのパスについて、インク圧力変化の予測とドライバIC61の温度変化の予測とを行い、それらの予測に基づいて、どのパスの間にどのくらいの長さの休止期間を設けるかを決定している。これに対して、印刷中に、各パスを行う前、例えば、前のパスでインクを吐出させている間に、次のパスにおけるインク圧力変化及び温度変化を予測し、予測に基づいて休止期間を設けてもよい。
図12に示すように、制御部6は、画像の印刷中に、次に行われるパスについてのデューティ取得(S31)、圧力予測(S32)、温度検出(S33)に基づく温度予測(S34)、及び、休止期間設定(S35〜S37)を行う。休止期間設定処理では、まず、S32で予測された圧力変化に基づき、インク圧力が所定の制限圧力PL以上に維持されるように、次のパスを遅らせる期間として、第3期間p3を算出する(S35)。また、S34で予測された温度変化に基づき、ドライバIC61の温度が所定の制限温度TL以下に維持されるように、次のパスを遅らせる期間として、第4期間p4を算出する(S36)。そして、第3期間p3と第4期間p4のうちの休止時間が長い方の期間を、休止期間に設定する(S37)。尚、パスによっては休止が不要な場合もあり、その場合は、休止時間を0に設定する。
休止期間の設定後、次のパスの開始前の反転時に、設定した休止期間の間、インクジェットヘッド4の次のパスの開始を遅らせ、インク吐出を休止させる(S38)。休止期間が終了したら、次のパスを開始させる(S39)。以上の処理をパス毎に行い、全てのパスが終了したら(S40:Yes)、画像の印刷を終了する。前記実施形態では、1枚の記録用紙100への印刷前に、各パスでのインク圧力、及び、ドライバIC61の動作温度を予測し、それらの予測に基づいて、どのパスの間に休止期間を設定すればよいかを決定している。しかし、ドライバIC61の温度については、温度検出回路64で検出した温度情報を頻繁に取得して予測する方が、精度よい予測ができると言える。この点、図12の変更形態では、パス毎に、そのパスでのインク圧力変化及び温度変化を予測している。つまり、各パスの直前に、温度検出回路64で検出した温度情報(S33)を用いてドライバIC61の温度変化を予測することから、温度変化の予測に関しては、前記実施形態よりも精度の高い予測が可能である。
6]前記実施形態では、1枚の記録用紙100に画像を印刷する際の、パスの間のキャリッジ3の反転期間に休止期間を設定しているが、複数枚の記録用紙100に続けて印刷する場合には、次の記録用紙100が搬送される間に休止期間を適用してもよい。即ち、図13に示すように、1枚の記録用紙100に対する印刷(インク吐出)が終了して、次の記録用紙100が搬送部によってインクジェットヘッド4に搬送されるときに、休止期間を設定する。具体的には、次の記録用紙100の搬送開始を遅らせてもよいし、あるいは、次の記録用紙100がインクジェットヘッド4に搬送された後に、インクジェットヘッド4によるインク吐出の開始を遅らせてもよい。
一般に、次の記録用紙100の搬送に要する時間は、キャリッジ3の反転に要する時間と比べて長い。そのため、用紙搬送の間に休止期間を設定する上記変更形態の構成と、パスの間に休止期間を設定する前記実施形態の構成とを比較したときに、圧力回復や温度降下に必要な時間が同じであると仮定すると、この変更形態の構成の方がインクジェットヘッド4を余計に休止させる時間が短くて済む。また、用紙搬送にかかる時間だけで、圧力回復や温度降下を達成できる場合(用紙搬送とは別に休止期間を設けなくてよい場合)もあり得る。
また、前記実施形態のインクジェットヘッド4は、搬送方向に配列された複数のノズル30を有し、走査方向に移動しながら記録用紙100へインクを吐出する、いわゆるシリアルタイプのヘッドである。これに対して、記録用紙の幅方向(搬送方向と直交する方向)に複数のノズルが配列された、いわゆる、ラインヘッドに対しても本発明の適用が可能である。特に、このラインヘッドに対して本発明を適用する場合に、上述した、記録用紙を搬送するときに休止期間を設定する形態を好適に採用できる。
7]前記実施形態では、予測したインク圧力変化から第1期間p1を決定し、予測したドライバIC61の温度変化から第2期間p2を決定し、第1期間p1と第2期間p2の休止タイミングや休止時間を比較して、休止期間を決定している。これに対して、インク圧力及びドライバIC61の温度と、休止期間との関係式を事前に取得してROM21に記憶させておき、この関係式によって、予測した圧力、及び、温度の値から一度に休止期間を設定してもよい。
8]前記実施形態では、プリンタ1の制御部6が、画像データからデューティを算出していたが、PC等の外部装置26で予めデューティが算出された上で、算出されたデューティが外部装置26からプリンタの制御部6へ送信されてもよい。
9]圧力予測や温度予測に使用する、吐出量情報は、前記実施形態のデューティには限られない。例えば、1回の吐出タイミング(吐出周期)で吐出するノズル30の数、駆動周波数(吐出周期の逆数)等の、吐出量に関連する情報を取得してもよい。
10]インクに吐出エネルギーを付与するエネルギー付与部は、圧電アクチュエータに限られるものではない。例えば、駆動素子として、インクを加熱して膜沸騰を生じさせる発熱体が複数設けられた、ヒータ基板を採用することもできる。
11]前記実施形態では、キャリッジ3が左方に移動するときと右方に移動するときの両方においてインクジェットヘッド4がインクを吐出する、双方向印字で画像を印刷している。これに対して、キャリッジ3が一方向に移動するときにのみインクを吐出し、他方向に移動するときにはインクを吐出しない、いわゆる、片方向印字による画像印刷に、本発明を適用することも可能である。片方向印字では、インクを吐出しないリターンパスの間に、インクの圧力回復やドライバICの放熱等が行われることから、双方向印字と比べると、インクの圧力低下やドライバICの温度上昇が問題になることは少ないが、それでも、各パスのデューティや、リターンに要する時間によっては、休止期間を設定した方がよい場合もある。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットプリンタに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を吐出して、基板表面に導電パターンを形成する、産業用の液体吐出装置などにも、本発明を適用することは可能である。上記の例であれば、導電性の液体が吐出される基板が、本発明の「被吐出体」に相当する。
1 インクジェットプリンタ
4 インクジェットヘッド
5 搬送部
6 制御部
16 インクカートリッジ
24 操作パネル
25 通信部
30 ノズル
31 流路構造体
32 圧電アクチュエータ
36 マニホールド
37 圧力室
38 ノズル群
59 圧電素子
61 ドライバIC
100 記録用紙

Claims (9)

  1. 液体供給部と接続され、複数のノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記液体流路内の液体に、前記ノズルから吐出させるための吐出エネルギーを付与するエネルギー付与部を有する液体吐出ヘッドと、
    前記エネルギー付与部を駆動するドライバと、
    前記ドライバを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記液体吐出ヘッドが予定された液体吐出動作を行う前に、前記予定された液体吐出動作における、前記液体吐出ヘッドの液体吐出量に関連する吐出量情報を取得する吐出量情報取得処理と、
    前記吐出量情報取得処理で取得された前記吐出量情報に基づいて、前記液体流路内の液体の圧力変化を予測する圧力予測処理と、
    前記吐出量情報取得処理で取得された前記吐出量情報に基づいて、前記ドライバの温度変化を予測する温度予測処理と、
    前記圧力予測処理で予測された前記圧力変化と、前記温度予測処理で予測された前記ドライバの温度変化から、前記液体吐出ヘッドの休止期間を設定する、休止期間設定処理と、
    前記液体吐出動作において、前記休止期間設定処理で設定された前記休止期間の間、前記液体吐出ヘッドの液体吐出を休止させる休止処理と、
    を実行することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記制御部は、前記休止期間設定処理において、
    前記圧力予測処理で予測された前記液体の圧力変化に基づき、前記液体の圧力が所定圧力以上に維持されるように吐出を一時的に休止させる期間として、第1期間を決定し、
    前記温度予測処理で予測された前記ドライバの温度変化に基づき、前記ドライバの温度が所定温度以下に維持されるように吐出を一時的に休止させる期間として、第2期間を決定し、
    前記第1期間の休止タイミングが、前記第2期間の休止タイミングよりも早い場合には、前記第1期間を前記休止期間に設定し、
    前記第2期間の休止タイミングが、前記第1期間の休止タイミングよりも早い場合には、前記第2期間を前記休止期間に設定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第1期間の休止タイミングが、前記第2期間の休止タイミングよりも早い場合には、前記第1期間の間、吐出を休止させた条件で前記第2期間を再計算して、前記第1期間と再計算後の前記第2期間を、前記休止期間に設定し、
    前記第2期間の休止タイミングが、前記第1期間の休止タイミングよりも早い場合には、前記第2期間の間、吐出を休止させた条件で前記第1期間を再計算して、前記第2期間と再計算後の前記第1期間を、前記休止期間に設定することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御部は、前記休止期間設定処理において、
    前記第1期間の休止タイミングと前記第2期間の休止タイミングが同じである場合には、前記第1期間と前記第2期間のうちの休止時間が長い方の期間を、前記休止期間に設定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  5. 前記液体吐出ヘッドは、前記予定された液体吐出動作を複数回続けて行うものであり、
    前記制御部は、
    各液体吐出動作を行う前に、次に行う液体吐出動作について前記吐出量情報取得処理、前記圧力予測処理、前記温度予測処理、及び、前記休止期間設定処理を行い、
    前記休止処理では、前記休止期間設定処理で設定された前記休止期間の間、前記液体吐出ヘッドの次の液体吐出動作の開始を遅らせ、
    前記休止期間設定処理においては、
    前記圧力予測処理で予測された前記液体の圧力変化に基づき、前記液体の圧力が所定圧力以上に維持されるように次の液体吐出動作を遅らせる期間として、第3期間を決定し、
    前記温度予測処理で予測された前記ドライバの温度変化に基づき、前記ドライバの温度が所定温度以下に維持されるように次の液体吐出動作を遅らせる期間として、第4期間を決定し、
    前記第3期間と前記第4期間のうちの休止時間が長い方の期間を、前記休止期間に設定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  6. 前記流路構造体は、前記液体供給部と接続された複数の共通液室を有し、
    前記複数のノズルは、前記複数の共通液室にそれぞれ対応して複数のノズル群に分かれ、各共通液室には、対応する前記ノズル群に属する前記ノズルが連通しており、
    前記エネルギー付与部は、前記複数のノズルにそれぞれ対応した複数の駆動素子を有し、
    前記複数の駆動素子を駆動する、1つ又は複数の前記ドライバを備え、
    前記制御部は、
    前記吐出量情報取得処理において、各ノズル群についての吐出量情報である第1吐出量情報と、各ドライバが駆動する前記駆動素子に対応した前記ノズルについての吐出量情報である、第2吐出量情報とを取得し、
    前記圧力予測処理では、前記第1吐出量情報に基づいて、各共通液室内の液体の圧力変化を予測し、
    前記温度予測処理では、前記第2吐出量情報に基づいて、各ドライバの温度変化を予測することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドは、所定の走査方向において往復移動しながら、前記ノズルから液体を吐出するものであり、
    前記制御部は、前記液体吐出ヘッドが、前記走査方向における1回の移動を終えて移動方向を反転する反転期間に、前記休止期間を設定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体吐出ヘッドに対して所定の搬送方向に、被吐出体を搬送する搬送部を備え、
    前記液体吐出ヘッドは、前記搬送部によって搬送方向に搬送される前記被吐出体に対して、前記ノズルから液体を吐出するものであり、
    前記制御部は、1つの前記被吐出体に対する液体吐出が終了して、次の前記被吐出体が前記液体吐出ヘッドに搬送されるときに、前記休止期間を設定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記休止期間設定処理で設定された前記休止期間に基づいて、前記液体吐出ヘッドの前記予定された液体吐出動作に要する動作時間を算出する、動作時間算出処理をさらに実行し、
    前記動作時間算出処理で算出された前記動作時間を報知する報知部を備えていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液体吐出装置。
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