JP6379946B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出装置に関する。
従来、インクジェットプリンタなどの液体吐出装置において、装置への電源投入時には、電源装置で生成される電源電圧を、装置を使用するために必要な目標電圧まで昇圧する処理が行われる。その際に、その昇圧の途中で電源電圧が不安定にならないように、電圧変動のチェック、及び、フィードバック制御を繰り返し行いながら、徐々に電源電圧を昇圧させるのが一般的である。また、電源電圧が目標電圧で安定した後には、液体を吐出させるための駆動素子に電圧を印加して、ノズルのフラッシング等の準備動作を行う。これらの準備動作が完了して初めて、装置が使用可能な状態となる。
これに関して、特許文献1には、電源電圧が基準電圧で安定した状態になってから、インクジェットヘッドの圧電素子へパルス信号を印加することが開示されている。尚、特許文献1におけるパルス信号の印加は、プリンタの電源立ち上げ時に、圧電素子が急激に充電されてしまうことを防止するためであり、上述した電源安定後のフラッシング等の準備動作とは、少し目的が異なる。
特開2013−6363号公報
ところで、近年、特に、インクジェットプリンタの分野においては、電源投入後、装置が使用可能な状態になるまでの時間を短縮することが求められている。しかし、現状では、先に述べたように、電源電圧を昇圧して電圧が安定化した後に、フラッシングを行っている。そのため、電源電圧が安定するまでフラッシングを行うことができず、装置が使用可能となるまでの時間を短縮するにも限度があった。
本発明の目的は、電源が投入されてから、装置が使用可能となるまでの時間を短縮することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置は、複数のノズルと、前記複数のノズルからそれぞれ液体を吐出させる複数の駆動素子を有する液体吐出ヘッドと、前記複数の駆動素子に電圧を印加することにより、前記複数の駆動素子を駆動する駆動装置と、前記駆動装置を制御する駆動制御部と、前記駆動装置に、前記複数の駆動素子を駆動するための電圧を生成する電源装置と、前記電源装置から前記駆動装置への電圧供給を行うためのスイッチ部と、前記電源装置と前記スイッチ部を制御する電源制御部と、を備え、
前記電源制御部は、前記電源装置の立ち上げ時に、前記電源電圧を所定の第1電圧まで昇圧させ、さらに、前記電源電圧の前記第1電圧への昇圧中に、前記スイッチ部に、前記電源装置から前記電源電圧の前記駆動装置への供給を開始させ、
前記駆動制御部は、前記電源電圧の前記第1電圧への昇圧中に、前記電源装置から前記駆動装置への電圧供給が開始されたときに、前記電源装置から供給された電圧をパルス信号にして前記駆動素子に印加するように、前記駆動装置を制御することを特徴とするものである。
本発明では、電源装置の電源電圧を目標の第1電圧まで昇圧させる途中で、駆動装置への電圧の供給を開始する。さらに、駆動装置への電圧供給が開始されたときに、駆動装置は、電源装置から供給された電圧を、パルス信号にして駆動素子に印加する。電源電圧の昇圧中に、駆動素子に対してパルス信号を印加することで、ノズル40内のインクにエネルギーを与えることができる。尚、電源電圧の昇圧中においては、駆動素子に印加されるパルス信号の電圧レベルは低いものの、駆動素子によってノズル内の液体にある程度のエネルギーを与えることはできる。これにより、ノズルのメニスカスを振動させ、さらには、多少は液体を排出させることも可能となる。つまり、従来は、電源電圧を昇圧させて、電圧が安定した後に行っていた、フラッシングの一部を、電源電圧の昇圧中に前倒しで行うことができる。従って、電源電圧が安定した後のフラッシング時間を短縮でき、ひいては、電源が投入されてから、装置が使用可能となるまでの時間を短くすることが可能となる。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記駆動制御部は、前記パルス信号に関して、その電圧レベルを前記電源電圧の昇圧に従って上昇させ、前記パルス信号の電圧レベルが低いときほど、前記パルス信号の単位時間あたりのパルス数を多くさせることを特徴とするものである。
電源電圧の昇圧中は、駆動装置から駆動素子へ印加するパルス信号の電圧レベルも低い状態である。そこで、低い電圧レベルのパルス信号でも、ノズル内の液体に大きなエネルギーを与えることができるようすることが望ましい。この点、本発明では、特に、パルス信号の電圧レベルが低いときに、その単位時間あたりのパルス数が大きくなっている。これにより、パルス信号の電圧レベルの低さを、パルスを数多く印加することで補って、大きなエネルギーを液体に与えることが可能となる。
第3の発明の液体吐出装置は、前記第1又は第2の発明において、前記駆動制御部は、前記電源電圧が前記第1電圧に達した状態で前記ノズルから液体を吐出させる際に、前記駆動装置に、前記ノズルに対応する前記駆動素子に対して吐出パルス信号を印加させ、前記駆動制御部は、前記電源電圧の昇圧中に前記駆動装置が前記駆動素子に印加する前記パルス信号の、単位時間当たりのパルス数を、前記吐出パルス信号よりも多くさせることを特徴とするものである。
電源電圧が第1電圧に達した状態でノズルから液体を吐出させる際には、駆動装置は、駆動素子に対して吐出パルス信号を印加する。このときは、電源電圧が第1電圧で安定しているため、吐出パルス信号の電圧レベルも高い状態である。これに対して、電源電圧の昇圧中に印加するパルス信号は電圧レベルが高くない。そこで、本発明では、電源電圧の昇圧中に印加するパルス信号については、その電圧レベルの低さを補うために、吐出パルス信号と比べて、単位時間あたりのパルス数を多くする。
第4の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記電源制御部は、前記電源電圧の昇圧中に、前記電源電圧が、前記第1電圧よりも低い所定の第2電圧以上になったときに、前記スイッチ部に、前記電源装置から前記駆動装置への電圧供給を開始させることを特徴とするものである。
電源電圧がかなり低い状態だと、駆動装置へ供給しても駆動装置が正常に作動しない虞がある。そこで、本発明では、電源電圧の昇圧中に、電源電圧が、目標の第1電圧よりも低い所定の第2電圧以上になったときに、前記スイッチ部に、電源装置から駆動装置への電圧供給を開始させる。
第5の発明の液体吐出装置は、前記第4の発明において、前記駆動素子が圧電素子であり、前記駆動装置は、前記電源装置に連なる電源線とグランドとの間に設置され、前記圧電素子に電圧を印加して充電するための第1スイッチと、同じく前記電源線とグランドとの間に設置され、前記圧電素子の電圧をグランドに落として放電するための第2スイッチと、を有し、
前記駆動装置は、前記第1スイッチと前記第2スイッチのON/OFFを切り替えることにより、前記圧電素子に前記パルス信号を印加し、前記駆動制御部は、前記電源電圧が、前記第2電圧よりも高く、且つ、前記第1電圧よりも低い、所定の第3電圧以上になったときに、前記駆動装置に、前記駆動素子への前記パルス信号の印加を開始させることを特徴とするものである。
電源電圧が第2電圧に達して、駆動装置の動作が可能な状態になった状態でも、駆動装置への供給電圧がまだ低いために、圧電素子の充電用の第1スイッチと放電用の第2スイッチの応答性が十分ではなく、スイッチのON/OFFの反応に遅れが生じることも考えられる。それぞれのスイッチの応答が遅れると、電源線から供給されてきた電圧が、圧電素子へ印加されずに、瞬間的にグランドと繋がってしまう可能性もある。そこで、本発明では、電源電圧が、第2電圧よりも高い、第3電圧以上になったときに、駆動装置から駆動素子へパルス信号を印加する。これにより、電源装置から供給される電圧が上がってスイッチの応答性が良好な状態で、第1スイッチと第2スイッチとを動作させるため、電源線とグランドとが瞬間的に繋がってしまうことを防止できる。
本実施形態に係るプリンタの概略的な平面図である。 プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 インクジェットヘッドの上面図である。 図3のA部拡大図である。 図4のV-V線断面図である。 電源電圧昇圧時のタイミングチャートであり、(a)は電源電圧昇圧タイミング、(b)はドライバICへの電圧供給開始タイミング、(c)は、活性部への印加電圧の変化をそれぞれ示す。 圧電アクチュエータの1つの活性部と、この活性部を駆動するドライバICの等価回路を示す図である。 変更形態の電源電圧昇圧時のタイミングチャートである。 別の変更形態における活性部への印加電圧の変化を示す図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの概略的な平面図である。図2は、プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。尚、図1に示す紙面手前側を上側、紙面向こう側を下側と定義して、以下説明する。
(プリンタの構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、電源装置6、制御装置7等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って図1の左右方向(以下、走査方向ともいう)に往復移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4(本発明の液体吐出ヘッド)は、キャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4は、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクカートリッジ17が装着されるカートリッジホルダ8と、チューブ16によってそれぞれ接続されている。インクジェットヘッド4は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に形成された複数のノズル40を有する。各ノズル40は、インクカートリッジ17から供給されたインクを、プラテン2の上に載置された記録用紙100に向けて吐出する。インクジェットヘッド4の詳細構成については、後で説明する。
図1に示すように、搬送機構5は、前後方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。2つの搬送ローラ18,19は、図示しない搬送モータによって同期して駆動される。この搬送機構5は、搬送モータにより2つの搬送ローラ18,19を駆動することにより、プラテン2に載置された記録用紙100を、走査方向と直交する搬送方向に搬送する。
図2に示すように、電源装置6は、電源スイッチ20、整流器21、電圧生成回路22、設定回路23等を有する。電源スイッチ20は、100Vの交流電源との接続/遮断を行う。整流器21は、交流電源から供給された交流を直流に変換する。また、その際に、電圧を100Vから、それよりも低い電圧(例えば、30V程度)まで降圧させる。整流器21からの直流電圧は電圧生成回路22に供給される。電圧生成回路22では、所定電圧V1(本発明の第1電圧)の電源電圧(VDD)を生成する。また、電圧生成回路22は、生成した電源電圧を、プリンタ1を構成する様々な装置への電源電圧の供給/非供給を切り換える機能を兼ね備えている。即ち、本実施形態では、電圧生成回路22が、本発明のスイッチ部の機能を備えている。設定回路23は、電源電圧を所定電圧に維持するためのフィードバック制御の制御目標値を、電圧生成回路22に対して設定するためのPMW回路である。
図2に示すように、制御装置7は、図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)30、ROM(Read Only Memory)31、RAM(Random Access Memory)32、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)33等を備える。また、制御装置7は、図示しないPC等の外部装置とデータ通信可能に接続されている。
ROM31に格納されたプログラムに従い、CPU30及びASIC33により、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御装置7は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド4やキャリッジ駆動モータ15等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。具体的には、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させるインク吐出動作と、搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。また、後で詳述するが、制御装置7は、プリンタ1への電源投入時に、電源装置6の電源電圧の立ち上げに関する制御も行う。
尚、上の説明では、制御装置7が、CPU30及びASIC33によって各種の処理を行う例を挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、制御装置7を他の構成で実現してもよい。例えば、CPUのみ又はASIC33のみで処理を行ってもよい。また、2以上のCPUや、2以上のASIC33に機能を分担して実現してもよい。
(インクジェットヘッドの詳細構成)
次に、インクジェットヘッド4について詳細に説明する。図3は、インクジェットヘッド4の上面図である。図4は、図3のA部拡大図である。図5は、図4のV-V線断面図である。尚、図3では、図面をわかりやすくするために、圧電アクチュエータ42を覆うように配置されているCOF70を二点鎖線で示している。また、図4では、COF70の図示を省略している。
図3〜図5に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット41と、圧電アクチュエータ42とを備えている。尚、図5では、流路ユニット41に形成されたインク流路内に、インク(符号Iで示す)が充填されている状態が示されている。
(流路ユニット)
図5に示すように、流路ユニット41は、複数枚のプレート51〜59が積層された構造を有する。複数枚のプレート51〜59は、互いに積層された状態でそれぞれ接着剤によって接合されている。複数枚のプレート51〜59のうちの、最下層のプレート59は、ポリイミド等の合成樹脂からなるノズルプレートである。このノズルプレート59には、複数のノズル40が形成されている。複数のノズル40は、搬送方向に配列されており、また、走査方向に並ぶ4列のノズル列を構成している。4列のノズル列は、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクをそれぞれ吐出するものである。
流路ユニット41を構成する、ノズルプレート59以外の他のプレート51〜58は、ステンレス鋼などの金属材料からなるプレートである。これらのプレート51〜58には、複数のノズル40に連通する、次述のマニホールド46や圧力室47等を含む、インク流路が形成されている。
図3に示すように、流路ユニット41の上面を構成する最上層のプレート51には、4つのインク供給孔45が走査方向に並んで形成されている。4つのインク供給孔45には、ホルダ8の4つのインクカートリッジ17(図1参照)から4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクがそれぞれ供給される。また、図5において、上から4番目から7番目のプレート54〜57には、搬送方向に延在する4本のマニホールド46が形成されている。4つのインク供給孔45と4本のマニホールド46は、プレート52,53に形成された連通孔(図示省略)によって、それぞれ接続されている。
流路ユニット41の最上層のプレート51には、複数のノズル40にそれぞれ対応する複数の圧力室47が形成されている。各圧力室47は、走査方向に長い、略楕円の平面形状を有する。複数の圧力室47は、4本のマニホールド46に対応して4列に配列されている。複数の圧力室47は、圧電アクチュエータ42の振動板60によって覆われている。図3、図4に示すように、上から2番目に位置するプレート52には、マニホールド46と複数の圧力室47を接続する、複数の絞り流路49が形成されている。また、最上層のプレート51とノズルプレート59との間に位置する合計7枚のプレート52〜58には、圧力室47とノズル40とを接続する連通流路43が形成されている。
以上説明したプレート51〜59が積層された状態で接合されることで、流路ユニット41が構成されている。そして、流路ユニット41内には、1つのマニホールド46から分岐して、絞り流路49、圧力室47、及び、連通流路43を経てノズル40に至る個別流路44が、複数形成されている。
(圧電アクチュエータ)
圧電アクチュエータ42は、上述した流路ユニット41の上面に配置されている。図3〜図5に示すように、圧電アクチュエータ42は、振動板60と、圧電層64,65と、複数の個別電極62と、共通電極66を備えている。
振動板60は、複数の圧力室47を覆うように、流路ユニット41の上面に接合されている。振動板60は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。
2枚の圧電層64,65は、それぞれ圧電材料からなる。圧電層64,65を構成する圧電材料としては、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を採用することができる。その他、非鉛の圧電材料である、チタン酸バリウムや、ニオブ系の圧電材料を採用することもできる。圧電層64,65は互いに積層された状態で、振動板60の上面に接合されている。
複数の個別電極62は、圧電層64の、圧電層65と反対側の面である上面において、複数の圧力室47にそれぞれ対応して搬送方向(ノズル配列方向)に配列されている。個別電極62は、圧力室47よりも一回り小さい、走査方向に長い略楕円の平面形状を有し、対応する圧力室47の中央部と対向して配置されている。個別電極62の長手方向一端部には、接続端子62aが設けられている。接続端子62aは、圧電層64の上面において、個別電極62から、圧力室47と対向しない領域まで走査方向に延びている。
共通電極66は、2枚の圧電層64,65の間において、ほぼ全面的に配置されている。共通電極66は、上側の圧電層64を挟んで複数の個別電極62のそれぞれと対向している。この共通電極66は、圧電層64の上面に配置された、図示しない接続端子と導通している。
また、図5に示される、圧電層64の、個別電極62と共通電極66に挟まれた部分を、特に、活性部61と呼ぶ。活性部61は、厚み方向において下向き、即ち、個別電極62から共通電極66に向かう方向に分極されている。尚、上記の、1つの個別電極62と共通電極66とに挟まれた活性部61が、本発明における「駆動素子」及び「圧電素子」に相当する。
図3、図5に示すように、圧電アクチュエータ42の上面には、配線部材であるCOF(Chip On Film)70が配置されている。このCOF70は、制御装置7及び電源装置6と、インクジェットヘッド4の圧電アクチュエータ42とを電気的に接続するものである。また、COF70には、圧電アクチュエータ42を駆動するドライバIC71(本発明の駆動装置)が実装され、また、COF70には複数の配線72が形成されている。図2、図3に示すように、COF70の複数の配線72には、電源装置6で生成された電源電圧をドライバIC71へ供給する電源線72a、ドライバIC71をグランドと接続するためのグランド線72b、制御装置7のASIC33からドライバIC71へ制御信号を入力する入力配線72c、ドライバIC71から圧電アクチュエータ42へパルス状の駆動信号を出力する出力配線72d等が含まれる。
図5に示すように、COF70の複数の出力配線72dの端部は、複数の個別電極62の接続端子62aと、それぞれバンプ73によって接合されている。これにより、COF70のドライバIC71と、圧電アクチュエータ42の複数の個別電極62とが電気的に接続される。ドライバIC71は、制御装置7のASIC33からの制御信号に基づいて個別電極62に対してパルス状の駆動信号を出力し、各個別電極62に印加させる電圧を、Highレベル(電源線72aを通じて供給される電源電圧レベル)とLowレベル(グランドレベル)との間で切り換える。尚、本実施形態では、制御装置7のASIC33が、ドライバIC71を制御する、本発明の「駆動制御部」に相当する。また、COF70のグランド線72bは、共通電極66から圧電層64の上面に引き出された、図示しない接続端子と接続されている。つまり、共通電極66は、接続端子を介してグランド線72bと接続されており、共通電極66は、常にグランド電位に維持されている。
上記の圧電アクチュエータ42の、ノズル40からインクを吐出させる際の動作は、以下の通りである。ドライバIC71により、ある個別電極62の電圧がLow(グランドレベル)からHigh(電源電圧レベル)に切り換えられたとする。このとき、個別電極62と共通電極66の間に電位差が生じ、圧電層64の活性部61に厚み方向の電界が生じる。また、活性部61の分極方向と電界の方向とが一致するために、活性部61はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この活性部61の収縮変形に伴って、2つの圧電層64,65が圧力室47側に凸となるように撓む。これにより、圧力室47の容積が減少してその内部のインクに圧力が付与され、圧力室47に連通するノズル40からインクの液滴が吐出される。
(電源投入後の電源電圧の昇圧制御)
ところで、上記のプリンタ1において、ユーザによって電源スイッチ20(図2参照)がONにされたときには、制御装置7は、電源装置6で生成される電源電圧を、所定の目標電圧V1まで昇圧する処理を行う。ここで、電源電圧を急激に昇圧すると、昇圧途中に電源電圧が不安定になる虞があるため、電源電圧を段階的に昇圧して徐々に電圧を上げていく。
図6は、電源電圧昇圧時のタイミングチャートであり、(a)は電源電圧昇圧タイミング、(b)はドライバIC71への電圧供給開始タイミング、(c)は、活性部61への印加電圧の変化をそれぞれ示す。
電源スイッチ20がONにされると、制御装置7は、電源装置6に対して電源電圧の昇圧に関する制御指令を送り、電源装置6の電圧生成回路22を制御して、電源電圧を徐々に昇圧させる。尚、制御装置7が、本発明の電源制御部に相当する。制御装置7による電源電圧の昇圧制御は、ソフトウェアでもハードウェアでも実現可能である。即ち、ROM31に格納された昇圧制御用のプログラムをCPU30が実行して演算することによって制御を行ってもよいし、あるいは、制御装置7内に設けられた電源制御用の回路によって制御を実現してもよい。また、ドライバIC71等の制御を行うASIC33が、電源装置6の制御も併せて行う構成であってもよい。
(1)電源電圧昇圧の詳細
本実施形態では、図6(a)に示すように、制御装置7は、電源電圧を、個々に制御目標値Vt(Vt1,Vt2,Vt3,Vt4(=V1))が設定された4段階の昇圧ステップを経て、電源電圧を目標電圧V1まで段階的に昇圧させる。
各昇圧ステップでは、制御装置7は、設定回路23に対して、その昇圧ステップに対して設定された制御目標値Vtを、電圧生成回路22に設定させる。すると、電圧生成回路22は、電源電圧を制御目標値Vtまで上昇させるが、そのときの上昇の反動で、電圧生成回路22から出力される電源電圧に電圧変動が生じる。そこで、制御装置7は、電圧生成回路22から出力される電源電圧のチェックを行い、そのチェック結果に応じて電圧生成回路22にフィードバック制御を行わせる。また、この電源電圧チェックは、各昇圧ステップにおいて、その昇圧ステップに対して、予め個別に設定された所定の回数n(n1,n2,n3,n4)だけ繰り返す。尚、昇圧ステップでの制御目標値Vt(Vt1,Vt2,Vt3,Vt4)や、電圧チェックの回数n(n1,n2,n3,n4)は、制御装置7のROM31に予め記憶されている。
制御装置7は、各昇圧ステップで、所定回数nの電源電圧チェックを行ったら、設定回路23に対して、昇圧ステップの制御目標値を変更させて、次の昇圧ステップへ移行させる。即ち、図6(a)に示すように、以下のような順で4段の昇圧ステップを移行して電源電圧を昇圧する。
(1段目)Vt1へ昇圧、n1回の電圧チェック
→(2段目)Vt2へ昇圧→n2回の電圧チェック
→(3段目)Vt3へ昇圧→n3回の電圧チェック
→(4段目)Vt4へ昇圧→n4回の電圧チェック
4段目の制御目標値のVt4は、電源電圧の最終的な目標電圧であるV1である。4段目の昇圧ステップにおいて、n4回の電圧チェックが完了したときに(時間T4)、制御装置7は、電源電圧が目標電圧V1で安定したと判断する。尚、本実施形態において、「電源電圧の昇圧中」とは、電源電圧が目標電圧V1で安定したと判断する前の状態のことを言う。
(昇圧途中での活性部61へのパルス印加)
電源投入時には、上記の電源電圧の昇圧処理の他、プリンタ1の各部について様々な準備動作を行う必要がある。そのような準備動作の1つとして、インクジェットヘッド4の各ノズル40からインクを吐出させるフラッシングがある。プリンタ1の停止状態が続くと、各ノズル40内のインクが乾燥によって増粘する。そこで、プリンタ1の電源投入時には、複数のノズル40のそれぞれについてフラッシングを行って、ノズル40内の増粘したインクを排出させる。
従来では、電源電圧が所定の目標電圧V1に昇圧されて安定してから、上記のフラッシング等の準備動作を行っている。この場合、電源電圧の昇圧が完了するまでフラッシングを行うことができないため、その分、プリンタ1が使用可能な状態となるまでに時間を要していた。そこで、本実施形態では、制御装置7は、プリンタ1が使用可能となるまでの時間を短縮するために、さらに以下のような制御を行う。
即ち、電源電圧の昇圧中に、ドライバIC71から活性部61にパルス信号を印加することにより、活性部61を駆動する。この活性部61の駆動により、電源電圧の昇圧が完了する前にノズル40内のインクにエネルギーを与えることで、後のフラッシングに要する時間を短縮する。以下、この制御について詳細に説明する。
図6に示すように、まず、電源電圧の昇圧中に、電源装置6からドライバIC71への電圧供給を開始する。具体的には、図6に示すように、電源電圧を電圧Vt2に昇圧する、第2ステップに移行したときに(時間T1)に、制御装置7は、電源装置6の電圧生成回路22を制御して、ドライバIC71へ、圧電アクチュエータ42を駆動するための電源電圧の供給を開始させる。
電源装置6からドライバIC71への電圧供給が開始されたら、ドライバIC71は、供給された電圧をパルス信号にして、圧電アクチュエータの複数の活性部61のそれぞれに印加する。具体的には、図6に示すように、電源電圧を電圧Vt3に昇圧する、第3ステップに移行したときに(時間T2)に、制御装置7のASIC33は、ドライバIC71を制御して、複数の活性部61に対してそれぞれパルス信号を印加させる。尚、電源装置6からドライバIC71への電圧供給が開始されるときに、同時に、ドライバIC71から活性部61へのパルス信号の印加を開始してもよいのだが、本実施形態では、敢えて、活性部61への電圧印加タイミングを遅らせている。この理由については、後で説明する。
パルス信号が印加されるときの活性部61の動作について説明する。図7は、圧電アクチュエータ42の1つの活性部61と、この活性部61を駆動するドライバIC71の等価回路を示す図である。まず、強誘電体である圧電材料で形成された、圧電アクチュエータ42の活性部61は、この活性部61を挟む個別電極62と共通電極66間に電位差が生じたときには電荷を蓄え(充電)、電位差が解消したときに蓄えた電荷を放出する(放電)。つまり、図7に示すように、活性部61は、ある静電容量を有するコンデンサCとみなすことができる。
図7に示すように、ドライバIC71は、トランジスタで構成された一種のスイッチング回路である。ドライバIC71は、電源装置6に連なる電源線72aとグランド線72bとの間に設置された第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とを有する。第1スイッチSW1は、活性部61に電圧を印加して充電するためのスイッチであり、第2スイッチSW2は、活性部61の電圧をグランドに落として放電するためのスイッチである。
ドライバIC71は、制御装置7からCOF70の入力配線72cによって伝送された制御信号に基づいて、図7に示される2つのスイッチSW1,SW2のON/OFFを切り換える。これら2つのスイッチSW1,SW2のON/OFFをある時間間隔で切り換えたときの電圧変化が、活性部61に印加される、図6(c)のパルス信号Pa(Pa3,Pa4)である。このパルス信号Paが活性部61に印加されると、ある時間間隔で、活性部61に対して印加する電圧(図7におけるA点の電圧)が、電源電圧(VDD)とグランド(GND)との間で切り換えられる。先の圧電アクチュエータ42の動作説明のところでも説明したが、活性部61に印加される電圧が変化すると、活性部61が圧電層64の面方向に伸縮することで、圧力室47内のインクに圧力が付与される。
ドライバIC71は、電源装置6から供給された電圧を用いて、活性部61に印加するパルス信号を生成することから、電源電圧の昇圧中にドライバIC71から活性部61に印加されるパルス信号Paは、電源電圧の昇圧に従って上昇する。詳細には、図6(c)に示すように、3段目の昇圧ステップでは、ドライバIC71に供給される電源電圧は目標電圧V1にまで達していないためにドライバIC71から活性部61に印加される電圧は低くなり、パルス信号Pa3の電圧レベルはV1よりも低い。一方、4段目の昇圧ステップでは、ドライバIC71に供給される電源電圧は、多少の変動があるものの、目標電圧V1近辺まで達しているため、4段目の昇圧ステップでのパルス信号Pa4の電圧レベルは、3段目の昇圧ステップでのパルス信号Pa3よりも高い。
電源電圧の昇圧中に、活性部61に対してパルス信号を印加することで、活性部61に変形を生じさせて、ノズル40内のインクにエネルギーを与えることができる。尚、昇圧途中で印加されるパルス信号Pa(特に、3段目の昇圧ステップでのパルス信号Pa3)の電圧レベルはまだ低い状態であるが、それでも、パルス信号Paが印加されたときに活性部61には多少の伸縮が生じるため、ノズル40内のインクに、ある程度のエネルギーを与えることができる。即ち、パルス信号Paによるエネルギーによってノズル40のメニスカスを振動させることにより、ノズル40の吐出口付近の増粘したインクを揺らして、その後のフラッシングで増粘したインクを排出させやすくすることができる。あるいは、ノズル40内のインクの振動40によってメニスカスを破壊することができれば、増粘したインクの一部をノズル40から排出することができる。
このように、電源電圧の昇圧中に活性部61にパルス信号を印加して、ノズル40のメニスカスを振動させる、あるいは、ノズル40からインクを少しでも排出させることで、電源電圧の昇圧完了後(時間T4)のフラッシングで、増粘したインクを排出しやすくなる。従って、昇圧完了後のフラッシングにおいて、各ノズル40のフラッシングでのインク吐出回数(フラッシング発数)を少なくすることができ、フラッシングに要する時間を短くすることができる。つまり、従来においては、電源電圧の昇圧完了後(電圧安定後)に行っていたフラッシングの一部を、本実施形態では、電源電圧の昇圧中に前倒しで行っているとも言える。従って、電源電圧が安定した後のフラッシングの時間を短縮することができ、ひいては、プリンタ1が使用可能な状態となるまでの時間を短くすることができる。
尚、上でも述べたが、電源電圧の昇圧中は、ドライバIC71から活性部61へ印加するパルス信号Pa(特に、パルス信号Pa3)の電圧レベルも低い状態である。そこで、低い電圧レベルのパルス信号でも、ノズル40内のインクに大きなエネルギーを与えることができるようになっていることが好ましい。具体的には、電圧レベルが低いパルス信号Paの、単位時間当たりのパルス数を多くすることにより、電圧レベルの低さを、パルスを数多く印加することで補うことが好ましい。これにより、低い電圧レベルでも大きなエネルギーをインクに与えることが可能となる。その例を以下に挙げる。
(1)電源電圧の昇圧中には、制御装置7のASIC33は、ドライバIC71に、パルス信号Paの電圧レベルが低いときほど、パルス信号の単位時間あたりのパルス数を多くさせる。具体的には、図6(c)に示すように、3段目の昇圧ステップに移行したときに、ドライバIC71は、活性部61へパルス信号Paの印加を開始しているが、3段目の昇圧ステップで印加するパルス信号Pa3の周波数f3を、4段目の昇圧ステップで印加するパルス信号Pa4の周波数f4よりも大きくする。
(2)電源電圧が電圧V1に達した後の状態で、ノズル40からインクを吐出させる際にも、ドライバIC71は、活性部61に対してパルス信号(以下、吐出パルス信号Pbという)を印加する。この吐出パルス信号Pbは、例えば、記録用紙100へ画像を記録する際に活性部61に印加するパルス信号である。また、図6(c)における、電源電圧の昇圧完了後のフラッシングのために活性部61に印加するパルス信号も、上記の吐出パルス信号Pbに含まれる。吐出パルス信号Pbの印加時は、電源電圧は電圧V1で安定しているため、吐出パルス信号Pbの電圧レベルも高い状態である。この吐出パルス信号Pbと比べると、電源電圧の昇圧中に印加するパルス信号Pa(特に、3段目の昇圧ステップで印加されるパルス信号Pa3)は電圧レベルが高くない。そこで、電源電圧の昇圧中に印加するパルス信号Pa3は、吐出パルス信号Pbよりも、単位時間当たりのパルス数を多くする。
尚、一般的なICには、そのICが正常に動作するために最低限必要とされる電圧(保証電圧)というものが存在する。そして、本実施形態において、電源電圧の昇圧中に、ドライバIC71への電源電圧の供給を開始したときに、電源電圧が、ドライバIC71の保証電圧未満の場合では、ドライバIC71が正常に動作しない虞がある。例えば、トランジスタで構成されたスイッチSW1,SW2のON/OFF切り換えが正常に行われない場合などが考えられる。
この観点からは、電源スイッチ20がONになって、電源電圧の昇圧が開始された直後に、ドライバIC71への電圧供給を行うことはあまり好ましくない。そこで、本実施形態では、電源電圧の昇圧中に、電源電圧が目標電圧V1よりも低い、ドライバIC71の保証電圧V2(本発明の第2電圧)以上になったときに、ドライバIC71への電圧供給を開始させる。具体的には、図6に示すように、2段目の昇圧ステップの制御目標値Vt2が、ドライバIC71の保証電圧V2よりも高い場合であれば、2段目の昇圧ステップに移行したときに(時間T1)、制御装置7は、電源装置6からドライバIC71への電圧供給を開始させる。
また、電源電圧がドライバIC71の保証電圧V2に達して、ドライバIC71の動作が可能な状態になったとしても、ドライバIC71への供給電圧がまだ低いために、活性部61の充電用の第1スイッチSW1と放電用の第2スイッチSW2の応答性が十分ではなく、スイッチのON/OFFの反応に遅れが生じる場合がある。それぞれのスイッチSW1,SW2の応答が遅れると、電源線72aから供給されてきた電圧が、活性部61へ印加されずに、電源線72aとグランド線72bと瞬間的に繋がってしまう可能性もある。そこで、本実施形態では、電源電圧が、電圧V2よりも高い、所定の電圧V3(本発明の第3電圧)以上になったときに、ドライバIC71から活性部61へパルス信号を印加する。
具体的には、図6に示すように、スイッチSW1,SW2の応答性に問題が生じない電圧のレベルV3が、2段目の昇圧ステップの制御目標値Vt2よりも高く、3段目の昇圧ステップの制御目標値Vt3よりも低いとする。この場合、電源電圧の昇圧が、3段目の昇圧ステップに移行したときに、電源電圧が電圧V3よりも高くなる。そこで、3段目の昇圧ステップへ移行したときに(時間T2)、制御装置7は、ドライバIC71に、活性部61へのパルス信号の印加を開始させる。これにより、電源装置6から供給される電圧が上がってスイッチSW1,SW2の応答性が良好な状態で、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2とを動作させるため、電源線72aとグランド線72bとが瞬間的に繋がってしまうことを防止できる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態の図6(b)、(c)では、電源装置6からドライバIC71への電圧供給が開始されてから(時間T1)、さらに、電源電圧が電圧V3以上となってから(時間T2)、ドライバIC71から活性部61へのパルス信号の印加を行っている。これに対して、ドライバIC71の保証電圧V2以上であれば、スイッチSW1,SW2の応答性についても問題が生じない場合は、図8に示すように、2段目の昇圧ステップに移行して電源電圧がV2以上となったとき(時間T1)に、ドライバIC71への電圧供給開始と同時に、活性部61へのパルス信号の印加を行ってもよい。
尚、図8のように、2段目の昇圧ステップから、活性部61にパルス信号を印加する場合は、2段目の昇圧ステップで印加するパルス信号の周波数f2(単位時間当たりのパルス数)は、3段目の昇圧ステップで印加するパルス信号の周波数f3よりも、さらに大きいことが好ましい。
2]前記実施形態では、電源電圧の昇圧中に活性部61に印加するパルス信号Paの、単位時間当たりのパルス数は、電圧レベルが低いときほど多くなっていたが、図9に示すように、パルス信号Paの、単位時間当たりのパルス数が電源電圧の昇圧中に一定であってもよい。また、パルス信号Paの単位時間当たりのパルス数が、吐出パルス信号Pbと同じであってもよい。
3]前記実施形態では、電源装置6の電圧生成回路22で生成された電圧V1の電源電圧が、そのまま、ドライバIC71に供給されているが、電圧V1の電源電圧を、降圧回路によってV1よりも低い電圧まで落としてから、ドライバIC71に供給してもよい。
4]前記実施形態では、ノズル40からインクを吐出させる駆動素子の例として、活性部61(圧電素子)を挙げているが、本発明における駆動素子は、圧電素子には限られない。例えば、発熱体によってインクを加熱して膜沸騰を生じさせ、そのときのエネルギーによってノズル40からインクの液滴を吐出させる方式の、上記発熱体にも本発明を適用できる。即ち、電源電圧の昇圧時に、電源装置6から供給された電圧を、パルス信号の形で発熱体へ供給することによって、低い電圧ではあるが、発熱体に電流を流してある程度の熱を発生させることができる。
5]前記実施形態では、電源装置6の電圧生成回路22が、電源電圧をドライバIC71に供給する、スイッチ部の機能を兼ね備えている。これに対して、電源装置6とは別に、電源装置6とドライバIC71との間、あるいは、ドライバIC71内に、スイッチ部が設けられていてもよい。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を吐出して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
1 インクジェットプリンタ
4 インクジェットヘッド
6 電源装置
7 制御装置
40 ノズル
42 圧電アクチュエータ
61 活性部
72a 電源線
72b グランド線
61 ドライバIC
SW1 第1スイッチ
SW2 第2スイッチ

Claims (5)

  1. 複数のノズルと、前記複数のノズルからそれぞれ液体を吐出させる複数の駆動素子を有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数の駆動素子に電圧を印加することにより、前記複数の駆動素子を駆動する駆動装置と、
    前記駆動装置を制御する駆動制御部と、
    前記駆動装置に、前記複数の駆動素子を駆動するための電圧を生成する電源装置と、
    前記電源装置から前記駆動装置への電圧供給を行うためのスイッチ部と、
    前記電源装置と前記スイッチ部を制御する電源制御部と、を備え、
    前記電源制御部は、
    前記電源装置の立ち上げ時に、
    前記電源電圧を所定の第1電圧まで昇圧させ、
    さらに、前記電源電圧の前記第1電圧への昇圧中に、前記スイッチ部に、前記電源装置から前記電源電圧の前記駆動装置への供給を開始させ、
    前記駆動制御部は、
    前記電源電圧の前記第1電圧への昇圧中に、前記電源装置から前記駆動装置への電圧供給が開始されたときに、前記電源装置から供給された電圧をパルス信号にして前記駆動素子に印加するように、前記駆動装置を制御することを特徴とする、液体吐出装置。
  2. 前記駆動制御部は、
    前記駆動装置に、前記パルス信号の電圧レベルを、前記電源電圧の昇圧に従って上昇させ、
    前記パルス信号の電圧レベルが低いときほど、前記パルス信号の単位時間あたりのパルス数を多くさせることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記駆動制御部は、前記電源電圧が前記第1電圧に達した状態で前記ノズルから液体を吐出させる際に、前記駆動装置に、前記ノズルに対応する前記駆動素子に対して吐出パルス信号を印加させ、
    前記駆動制御部は、前記電源電圧の昇圧中に前記駆動装置が前記駆動素子に印加する前記パルス信号の、単位時間当たりのパルス数を、前記吐出パルス信号よりも多くさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記電源制御部は、前記電源電圧の昇圧中に、前記電源電圧が、前記第1電圧よりも低い所定の第2電圧以上になったときに、前記スイッチ部に、前記電源装置から前記駆動装置への電圧供給を開始させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記駆動素子が圧電素子であり、
    前記駆動装置は、
    前記電源装置に連なる電源線とグランドとの間に設置され、前記圧電素子に電圧を印加して充電するための第1スイッチと、
    同じく前記電源線とグランドとの間に設置され、前記圧電素子の電圧をグランドに落として放電するための第2スイッチと、を有し、
    前記駆動装置は、前記第1スイッチと前記第2スイッチのON/OFFを切り替えることにより、前記圧電素子に前記パルス信号を印加し、
    前記駆動制御部は、前記電源電圧が、前記第2電圧よりも高く、且つ、前記第1電圧よりも低い、所定の第3電圧以上になったときに、前記駆動装置に、前記駆動素子への前記パルス信号の印加を開始させることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
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