JP4985864B2 - 印刷装置 - Google Patents

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本発明は、ノズルから液体を吐出することにより、記録媒体に印刷を行う印刷装置に関する。
液体吐出ヘッドから液体を吐出することによって印刷を行う印刷装置として、特許文献1に記載のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドが、複数のノズル、及び、複数のノズルに連通する複数の圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、流路ユニットの上面に配置されており、圧力室内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えている。圧電アクチュエータは、流路ユニットの上面に積層された3枚の圧電層と、最も上方に配置された圧電層の下面及び上面に、それぞれ、当該圧電層における複数の圧力室と対向する部分を挟むように形成された、共通電極及び個別電極とを有している。また、インクジェットヘッドは、記録用紙の幅方向の全長にわたって延びているとともに、インクジェットプリンタに対して固定された、いわゆるラインヘッドである。
そして、個別電極に駆動パルスを付与することにより、個別電極とグランド電位に保持された共通電極との間に電位差を発生させると、圧電層のこれらの電極に挟まれた部分にその分極方向と同じ下向きの電界が発生し、この電界により最も上方に配置された圧電層が水平方向に収縮して、3枚の圧電層の圧力室と対向する部分(圧電素子)が全体として圧力室側に凸となるように変形し、圧力室内のインクに圧力が付与される。
特開2009−6550号公報
ここで、特許文献1に記載のインクジェットヘッドでは、圧電素子は、その駆動回数の合計が多くなるほど、圧電層の分極が弱まってしまうなどしてその駆動特性が低下してしまうため、ある高さ(駆動電位)の駆動パルスを付与することよって圧電素子を駆動する場合、圧電素子における最大の駆動可能回数は予め決まっている。したがって、特定の圧電素子の使用頻度が高く、早い段階で当該使用頻度の高い圧電素子においてその駆動回数の合計が上記最大の駆動可能回数に達して、その寿命がきてしまうと、他の圧電素子がまだ駆動可能である場合にも、インクジェットヘッドの寿命となってしまう。
このとき、インクジェットヘッドが、特許文献1に記載されているのとは異なり、走査方向に移動しながらインクを吐出するいわゆるシリアルヘッドである場合には、記録用紙の寿命がきた圧電素子に対応するノズルからインクを吐出するべき位置に別のノズルからインクを吐出するなどしてインクジェットヘッドの寿命を延ばすといったことも可能であるが、インクジェットヘッドが、引用文献1に記載されているようなラインヘッドである場合には、このような処理を行うことも困難である。
本発明の目的は、長寿命の液体吐出ヘッドを有する印刷装置を提供することである。
第1の発明に係る印刷装置は、記録媒体に液体を吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルに対応して個別に設けられており、液体に吐出エネルギーを付与する複数の吐出エネルギー付与手段とを有する液体吐出ヘッドと、前記複数の吐出エネルギー付与手段を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、所定の解像度で印刷を行う通常印刷モード、及び、前記通常印刷モードよりも高解像度で印刷を行う高解像度印刷モードのいずれかのモードで選択的に動作可能に構成されており、前記制御手段は、各吐出エネルギー付与手段の使用頻度に関わるパラメータを監視しており、前記複数の吐出エネルギー付与手段における前記パラメータが所定のしきい値以下である通常時には、各ノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、前記駆動手段から各吐出エネルギー付与手段に駆動パルスを複数回付与させるように前記駆動手段を制御するものは除き、前記制御手段は、前記複数の吐出エネルギー付与手段のいずれかにおける前記パラメータが所定のしきい値を超えたときに、当該吐出エネルギー付与手段に対応するノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、前記駆動パルスを前記吐出エネルギー付与手段に付与する回数を小さくさせるように制御するのではなく、当該吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせるように、前記駆動手段を制御し、さらに、前記制御手段は、前記高解像度印刷モードで動作する場合には、前記パラメータの値に関わらず、前記駆動パルスを前記吐出エネルギー付与手段に付与する回数を小さくさせないように制御するのではなく、前記複数の吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを小さくさせないように、前記駆動手段を制御することを特徴とするものである。
これによると、吐出エネルギー付与手段は、その使用頻度が増加して液体に付与する吐出エネルギーの合計が大きくなるほど劣化してしまうが、いずれかの吐出エネルギー付与手段における使用頻度に関わるパラメータが、所定のしきい値を超えたときに、当該ノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせることにより、記録媒体に印刷される画像などの質は多少低下してしまうものの、吐出エネルギー付与手段の寿命を長くすることができる。
また、高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合には、吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを小さくさせると、印刷された画像などの質の低下が特に目立ってしまうため、高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合には、吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを小さくさせないことにより、印刷される画像などの質が低下してしまうのを防止することができる。また、高解像度で印刷を行うときには、体積の小さい液滴を記録媒体に着弾させることが多く、吐出エネルギー吐出手段により液体に大きなエネルギーを付与する頻度が低いため、吐出エネルギーを小さくしなくても、吐出エネルギー付与手段の寿命が大幅に短くなってしまうことはない。
一方、通常印刷モードで動作して印刷を行う場合には、吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを小さくさせても、印刷された画像の画質の低下はそれほど目立たないため、通常印刷モードで動作して印刷を行う場合には、吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを小さくさせることにより、吐出エネルギー付与手段の寿命を長くすることができる。
第2の発明に係る印刷装置は、第1の発明に係る印刷装置であって、前記制御手段が、前記複数の吐出エネルギー付与手段のうち、所定の割合以上のものに対応する前記パラメータが前記しきい値を超えたときに、前記パラメータが前記しきい値を超えていない吐出エネルギー付与手段に対応するノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際にも、前記複数の吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせるように前記駆動手段を制御することを特徴とするものである。
吐出エネルギーを小さくさせた吐出エネルギー付与手段に対応するノズルから吐出される液体と、吐出エネルギーを小さくさせていない吐出エネルギーに対応するノズルから吐出される液体との体積の差が大きいため、パラメータが所定のしきい値を超えた吐出エネルギー付与手段が多数ある場合には、記録媒体上に印刷された画像などにおいて、質が低下した領域と質の低下していない領域との差が目立ってしまう虞がある。
しかしながら、本発明では、所定の割合以上のノズルに対応するパラメータが所定のしきい値を超えたときに、パラメータが所定のしきい値を超えていない圧電素子に対応するノズルから液体を吐出して記録媒体上に1つのドットを形成する際にも、吐出エネルギー付与手段から液体に付与される吐出エネルギーを小さくさせることにより、印刷された画像などの各領域間に大きな質の差が発生してしまうのを防止することができる。
第3の発明に係る印刷装置は、第2の発明に係る印刷装置であって、前記液体吐出ヘッドが、液体として互いに異なる色のインクを吐出する複数種類のノズルを有しており、前記制御手段が、いずれかの色のインクを吐出するノズルに対応する前記複数の吐出エネルギー付与手段のうち、所定の割合以上のものに対応する前記パラメータが前記しきい値を超えたときに、吐出するインクの色に関わらず、前記パラメータが前記しきい値を超えていない吐出エネルギー付与手段に対応するノズルからインクを吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際にも、前記複数の吐出エネルギー付与手段からインクに付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせるように前記駆動手段を制御することを特徴とするものである。
液滴吐出ヘッドが、液体として複数の互いに異なる色のインクを吐出するものである場合、特定の色のインクを吐出するノズルからインクを吐出して記録媒体上に1つのドットを形成する際に付与する吐出エネルギーだけを小さくさせると、記録媒体に着弾する上記特定の色のインクの体積が、他の色のインクの体積よりも小さくなり画質が大きく低下してしまう虞がある。
しかしながら、本発明では、いずれかの色のインクを吐出するノズルのうち所定の割合以上のノズルに対応するパラメータがしきい値を超えたときに、パラメータが所定のしきい値を超えていないノズルからインクを吐出して記録媒体上に1つのドットを形成する際に、ノズルから吐出されるインクの色に関わらず、吐出エネルギー付与手段からインクに付与されるエネルギーを、それまでよりも小さくさせることにより、上記のような大きな画質の低下を抑えることができる。
第4の発明に係る印刷装置は、第1〜第3の何れかの発明に係る印刷装置であって、前記液体吐出ヘッドが、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室をさらに備えており、前記複数の吐出エネルギー付与手段が、前記複数の圧力室内の液体にそれぞれ圧力を付与することによって液体に吐出エネルギーを付与する複数の圧電素子であり、前記駆動手段が、前記複数の圧電素子に、それぞれ、駆動パルスを付与することによって、前記複数の圧電素子を駆動するものであって、前記パラメータが、対応する圧電素子における、前記駆動パルスが付与された回数の積算値であることを特徴とするものである。
これによると、圧電素子に駆動パルスを付与することで、圧電素子により圧力室内の液体に圧力が付与される液体吐出ヘッドの場合には、圧電素子は駆動パルスの付与回数が多くなるほど圧電層の分極が弱まるなどして劣化するため、駆動パルスが付与された回数の積算値をパラメータとし、この積算値が所定のしきい値を超えたときに、吐出エネルギー付与手段から圧力室内の液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせることにより、記録媒体に印刷される画像などの質は多少低下してしまうものの、吐出エネルギー付与手段の寿命を長くすることができる。
の発明に係る印刷装置は、第4の発明に係る印刷装置であって、前記制御手段が、前記複数の圧電素子のいずれかに対応する前記積算値が前記しきい値を超えたときに、対応するノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、前記駆動手段から当該圧電素子に付与する前記駆動パルスの高さを、それまでよりも低くさせるように前記駆動手段を制御することを特徴とするものである。
これによると、駆動パルスの高さを低くすることにより、容易に、吐出エネルギー付与手段から圧力室内の液体に付与する吐出エネルギーを小さくすることができる。
本発明によれば、吐出エネルギー付与手段は、その使用頻度が増加して液体に付与する吐出エネルギーの合計が大きくなるほど劣化してしまうが、いずれかの吐出エネルギー付与手段における使用頻度に関わるパラメータが、所定のしきい値を超えたときに、当該ノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせることにより、記録媒体に印刷される画像などの質は多少低下してしまうものの、吐出エネルギー付与手段の寿命を長くすることができる。
本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの一部を示す平面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図1の制御装置のブロック図である。 プリンタ1において印刷を行う際の制御装置における制御の流れを示すフローチャートである。 ドライバICから個別電極に付与される駆動パルスを示す図であり、(a)は通常時、(b)は駆動パルスが付与された回数の積算値が所定値を超えたときを示している。 変形例1の図6相当のフローチャートである。 変形例2の図6相当のフローチャートである。 変形例3の図7相当の図である。 変形例4の図7相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、4つのインクジェットヘッド2、搬送ローラ3などを備えている。また、プリンタ1の動作は制御装置50により制御されている。
4つのインクジェットヘッド2(液体吐出ヘッド)は、図1の左右方向(走査方向)に、記録用紙Pの全長にわたって延びた、いわゆるラインヘッドであり、プリンタ1に対して固定されている。これら4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ、図1における上に配置されているものから順に、その下面に形成された複数のノズル15から、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクを吐出する。
搬送ローラ3は、4つのインクジェットヘッド2を挟むように、これら4つのインクジェットヘッド2の図1における上方、下方に置されており、記録用紙Pを図1の下方(紙送り方向)に搬送する。
そして、プリンタ1においては、搬送ローラ3により紙送り方向に搬送される記録用紙Pに、4つのインクジェットヘッド2のノズル15からインクを吐出することにより、記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド2について説明する。図2は図1のインクジェットヘッド2の一部を拡大した平面図である。図3は図2のIII−III線断面図である。図4は図2のIV−IV線断面図である。図2〜図4に示すように、インクジェットヘッド2は、流路ユニット31と圧電アクチュエータ32とを有している。
流路ユニット31は、キャビティプレート21、ベースプレート22、マニホールドプレート23及びノズルプレート24が互いに積層されることにより形成されている。これら4枚のプレート21〜24のうち、ノズルプレート24を除いたプレート21〜23がステンレスなどの金属材料からなり、ノズルプレート24がポリイミド等の合成樹脂材料からなる。あるいは、ノズルプレート24も他のプレート21〜23と同様、金属材料により構成されていてもよい。
キャビティプレート21には、複数の圧力室10が形成されている。複数の圧力室10は、それぞれ、紙送り方向(図2の上下方向)を長手方向とする略楕円の平面形状を有しており、走査方向(図2の左右方向)に2列に配列されている。ベースプレート22には、平面視で複数の圧力室10の長手方向両端部と対向する部分に、それぞれ、平面視で略円形の複数の貫通孔12、13が形成されている。
マニホールドプレート23には、マニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、図2の上側に配列された複数の圧力室10の略上半分、及び、図2の下側に配列された複数の圧力室10の略下半分と対向するように走査方向に延びている。また、マニホールドプレート23には、平面視で複数の貫通孔13と対向する位置に、略円形の平面形状を有する複数の貫通孔14が形成されている。
ノズルプレート24には、平面視で複数の貫通孔14と対向する位置に複数のノズル15が形成されている。そして、流路ユニット31においては、マニホールド流路11が貫通孔12を介して圧力室10と連通しているとともに、圧力室10が貫通孔13、14を介してノズル15に連通している。このように、流路ユニット31には、マニホールド流路11の出口から圧力室10を経てノズル15に至る複数の個別インク流路が形成されている。
圧電アクチュエータ32は、振動板41、圧電層42及び複数の個別電極43を備えている。振動板41は、ステンレスなどの金属材料からなり、複数の圧力室10の上面の開口を塞ぐように流路ユニット31の上面に接合されている。また、導電性を有する振動板41は個別電極43との間に電位差を生じさせるための共通電極を兼ねており、常にグランド電位に保持されている。
圧電層42は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、振動板41の上面に、複数の圧力室10にまたがって連続的に配置されている。
複数の個別電極43は、個別電極43は、圧力室10よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、圧電層42の上面における圧力室10の略中央部と対向する部分に配置されている。また、圧電層42の個別電極43と共通電極としての振動板41とに挟まれた部分は、その厚み方向に下向きに分極されている。
さらに、個別電極43の紙送り方向に関するノズル15と反対側の端部は、圧力室10と対向しない位置まで延びており、その先端部が接続端子43aとなっている。接続端子43aは図示しないフレキシブル配線部材(FPC)などに接続されており、さらにFPCを介してドライバIC45(図5参照)に接続されている。ドライバIC45は、後述するように、記録用紙P上にインクを着弾させて1つのドットを形成させるために、形成させるドットの大きさに応じて、1〜3個の駆動パルス(図7参照)を個別電極43に付与する。
そして、以上のような構成を有する圧電アクチュエータ32は、複数の圧力室10と対向する部分(図3、4の一点鎖線で囲んだ部分)がそれぞれ、圧力室10内のインクに圧力(吐出エネルギー)を付与するための圧電素子46(吐出エネルギー付与手段)となっている。すなわち、複数の圧電素子46が、複数の圧力室10(ノズル15)に対して個別に設けられている。
ここで、圧電アクチュエータ32(圧電素子46)の駆動方法について説明する。圧電アクチュエータ32においては予め個別電極43がグランド電位に保持されている。そして、個別電極43に駆動パルスが付与されることにより個別電極43の電位が所定の駆動電位V1になると、個別電極43と共通電極としての振動板41との間に電位差が生じ、圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分に分極方向と同じ下向きの電界が発生する。この電界により、圧電層42のこの部分は、厚み方向と直交する水平方向に収縮し、これに伴って、振動板41及び圧電層42の圧力室10と対向する部分が全体として、圧力室10側に凸となるように変形し、圧力室10の容積が小さくなる。これにより、圧力室10内のインクの圧力が上昇し(圧力が付与され、吐出エネルギーが付与され)、圧力室10に連通するノズル15からインク滴が吐出される。その後、個別電極43の電位がグランド電位に戻ると、圧電アクチュエータ32も変形前の状態に戻る。
このとき、ドライバIC45から個別電極43に1つの駆動パルスが付与された場合には、上述した動作が1度だけ行われ、ノズル15から1つのインク滴が吐出される。そして、記録用紙Pにこの1つのインク滴が着弾することで1つのドットが形成される。
また、ドライバIC45から個別電極43に2つの駆動パルスが連続して付与された場合には、上述した動作が2回繰り返されることでノズル15から2つのインク滴が連続して吐出される。そして、記録用紙Pにこれら2つのインク滴が着弾することで1つのドットが形成される。
さらに、ドライバIC45から個別電極43に3つの駆動パルスが連続して付与された場合には、上述した動作が3回繰り返されることでノズル15から3つのインク滴が連続して吐出される。そして、記録用紙Pにこれら3つのインク滴が着弾することで1つのドットが形成される。
なお、以下では、1つのインク滴により形成されたドット、2つのインク滴により形成されたドット、及び3つのインク滴により形成されたドットを、それぞれ、小ドット、中ドット、大ドットとする。また、本実施の形態では、記録用紙に中ドット及び大ドットを形成するために、それぞれ、個別電極43に2回及び3回駆動パルスを付与することが、本発明に係る、記録媒体上に1つのドットを形成する際に、駆動手段から各圧電素子に駆動パルスを複数回付与することに相当する。
次に、プリンタ1の動作を制御する制御装置50について説明する。図5は制御装置50のブロック図である。制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM
(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなり、これらが、図5に示すように、モード決定部51、駆動パルスカウンタ52、駆動パルス数制御部53などとして動作する。
モード決定部51は、プリンタ1における動作モードを決定する。より詳細には、プリンタ1においては、ユーザの選択により、大きなドットの割合が多く、画質は多少落ちるものの比較的高速で印刷が可能な、テキストやグラフなどの印刷に適した通常印刷モード、及び、小さなドットの割合が多く、印刷時間は多少かかるものの高画質で印刷が可能な、写真などの印刷に適した高解像度印刷モードのいずれかのモードで選択的に動作させることができるようになっている。そして、モード決定部51は、ユーザによるモードの選択などにより入力されたモード指示信号に応じて、プリンタ1を通常印刷モード、及び、高解像度印刷モードのいずれのモードで動作させるかを決定する。
駆動パルスカウンタ52は、ドライバIC45から各圧電素子46の個別電極43に駆動パルスが付与される毎にその回数を個別にカウントし、現在までに、各個別電極43に駆動パルスが付与された回数の積算値Cs(使用頻度に関わるパラメータ)を記憶する(積算値Csを監視する)。駆動パルス数制御部53は、外部から入力される、記録用紙Pに着弾させるインク滴の大きさを示す印刷信号、モード決定部51において決定された印刷モード、及び、駆動パルスカウンタ52に記憶された積算値Csに応じて、後述するように、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を制御する。
次に、プリンタ1において印刷を行う際の流れについて説明する。図6は、当該流れを示すフローチャートである。図7は、印刷を行う際にドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスを示す図であり、(a)は通常時、(b)は積算値Csが後述の所定値Cpを超えたときを示している。なお、以下の動作は、制御装置50がインクジェットヘッド2(圧電素子46)、搬送ローラ3などを動作させることによって行われる。
プリンタ1においては、外部から印刷信号が入力されるまで待機しており(S101:NO)、印刷信号が入力されると、高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合には(S102:YES)、ドライバIC45から個別電極43に、印刷信号に応じた数の駆動パルスを付与する。すなわち、印刷信号が記録用紙Pに大ドット、中ドット及び小ドットを着弾させることを示すものである場合に、それぞれ、図7(a)に示すように、3つ、2つ、1つの駆動パルスを、ドライバIC45から個別電極43に付与する(S103)。
一方、通常印刷モードで動作して印刷を行う場合には(S102:NO)、駆動パルスカウンタ52に記憶された、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp(所定のしきい値)よりも多いか否かを判定する(S104)。
そして、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが、所定値Cpを超えている場合(S104:YES)には、それ以降、通常時よりも(それまでよりも)ドライバIC45から当該圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らす(少なくさせる)。
具体的には、図7(a)、(b)に示すように、印刷信号が記録用紙Pに大ドットを着弾させることを示すものである場合には、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を3つから1つに減らし、印刷信号が記録用紙Pに中ドットを着弾させることを示すものである場合には、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を2つから1つに減らす。これにより、圧電素子46から圧力室10内のインクに付与される吐出エネルギーが、それまでよりも小さくなる。なお、印刷信号が記録用紙Pに小ドットを着弾させるものである場合には、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数は1つのままである。
ここで、圧電アクチュエータ32の各圧電素子46においては、その駆動回数の合計が多くなる(使用頻度が高くなる)につれて、つまり、圧電素子46から圧力室10内のインクに付与される吐出エネルギーの合計が大きくなるにつれて、圧電層42の分極が弱まるなどして劣化し、圧電素子46の駆動特性が低下する。このため、駆動パルスの高さ(駆動電位)が一定であれば、圧電素子46における最大の駆動可能回数Cmは予め決まっており、圧電素子46の駆動回数の合計、つまり、積算値Csが当該最大の駆動回数Cmに達すると、それ以上圧電素子46を駆動することができなくなってしまう。したがって、特定の圧電素子46の使用頻度が高く、早い段階で当該使用頻度の高い圧電素子46が駆動できなくなってしまうと、他の圧電素子46がまだ駆動可能であっても、プリンタ1において印刷を行うことができなくなってしまう。
このとき、本実施の形態とは異なり、インクジェットヘッドが走査方向に移動しつつノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアルヘッドである場合には、駆動できなくなった圧電素子に対応するノズルに代わって別のノズルからインクを吐出すれば、プリンタ1において継続して印刷を行うことが可能であるが、本実施ではインクジェットヘッド2がラインヘッドであるので、このような制御を行うことも困難なものとなる。
そこで、本実施の形態では、圧電素子46の駆動回数、つまり、ドライバIC45から個別電極43に駆動パルスが付与された回数の積算値Csが、所定値Cpを超えたときには、それ以降、通常時よりも、当該圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしている。なお、所定値Cpは、圧電素子46における最大の駆動可能回数Cmよりも少ない値(例えば、最大の駆動可能回数Cmの80〜90%程度の値)である。
これにより、記録用紙Pの中ドット、大ドットを着弾させるべき領域に小ドットが着弾することとなるため、印刷される画像の画質は多少低下してしまうものの、印刷の際に当該圧電素子46(個別電極43)に駆動パルスが付与される回数が少なくなることにより圧電素子46の駆動回数が減少するため(圧電素子46から圧力室10内のインクに付与する吐出エネルギーが小さくなるため)、当該圧電素子46の寿命を延ばすことができる。
このとき、圧電アクチュエータ32が、個別電極43に駆動パルスが付与されることによって圧力室10内のインクに圧力を付与するものであるので、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らすことにより、容易に、圧電素子46に付与する吐出エネルギーを小さくすることができる。
一方、当該圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下の場合には(S104:NO)、さらに、4つのインクジェットヘッド2(駆動させるべき圧電素子46が含まれる1つのインクジェットヘッド2と、それ以外の3つのインクジェットヘッド2)のいずれかにおいて、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが、所定割合Rp以上であるか否かを判定する(S105)。
そして、4つのインクジェットヘッド2のいずれにおいても、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが、所定割合Rp未満である場合には(S105:NO)、上述したのと同様、ドライバIC45から個別電極43に、印刷信号に応じた数の駆動パルスを付与する(S103)。
一方、4つのインクジェットヘッド2のいずれかにおいて、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが所定割合Rp以上である場合(S105:YES)には、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であっても、それ以降、それまでよりも、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らす(S106)。つまり、圧力室10内のインクに付与する吐出エネルギーを小さくする。
ここで、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であっても、当該圧電素子46が含まれるインクジェットヘッド2において、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが多い場合には、当該圧電素子46の個別電極43に通常通り駆動パルスを付与すると、印刷された画像において、付与する駆動パルスの数を減らした圧電素子46に対応するノズル15から吐出されて着弾したインク滴により形成される部分と、通常通りの数の駆動パルスを付与した圧電素子46に対応するノズル15から吐出されて着弾したインク滴により形成される部分との間で、画質に大きな差が生じてしまう虞がある。
さらに、4つのインクジェットヘッド2のいずれかにおいて、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが多い場合には、他のインクジェットヘッド2に含まれる圧電素子46の個別電極43に通常通りに駆動パルスが付与されると、色間でドットの大きさに大きなばらつきが発生してしまい、印刷される画像の画質が大きく低下してしまう虞がある。
しかしながら、本実施の形態では、4つのインクジェットヘッド2のいずれかにおいて、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが所定割合Rp以上である場合に、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であっても、当該圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしているので、駆動させるべき圧電素子46が含まれるインクジェットヘッド2において、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが多くなった場合には、印刷される画像の全部分の画質が低下するため、印刷された画像の部分間に大きな画質の差が発生してしまうのを防止することができる。
さらに、4つのインクジェットヘッド2のいずれかにおいて、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが多くなった場合に、駆動させるべき圧電素子46に対応するノズル15から吐出されるインクの色に関わらず、圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしているので、色間のドットの大きさのばらつきが抑制され、大きな画質の低下を防止することができる。
また、前述の高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合に(S102:YES)、本実施の形態とは異なり、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らすと、印刷された画像の画質の低下が特に目立ってしまう。
しかしながら、本実施の形態では、高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合には、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csに関わらず、個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らさず、通常通り駆動パルスを付与することにより、印刷される画像における画質の低下を防止することができる。
また、高解像度で印刷を行うときには、記録用紙Pに小ドットを着弾させることが多く、中ドットや大ドットを着弾させることは少ないため、1つのドットを形成するために個別電極43に2つ又は3つの駆動パルスを付与する頻度が小さく、個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らさなくても、圧電素子46の寿命が大幅に短くなってしまうことはない。
一方、通常モードで動作させて印刷を行う場合には、上述したように、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしたとしても、高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合ほどは、印刷された画像における画質の低下は目立たない。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
一変形例(変形例1)では、図8に示すように、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であるときに(S104:NO)、駆動させるべき圧電素子46が含まれるインクジェットヘッド2において、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが、所定割合Rp以上であるか否かのみを判定し(S205)、他の3つのインクジェットヘッド2については、当該判定を行わない。
そして、駆動させるべき圧電素子46が含まれるインクジェットヘッド2における、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが、所定割合Rp以上である場合には(S205:YES)、上述の実施の形態と同様、当該圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であっても、それ以降、通常時よりも、個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らす(S106)。一方、積算値Csが所定値Cpを超えた圧電素子46の割合Rが所定割合Rp未満である場合には(S205:NO)、個別電極43に通常通りに駆動パルスを付与する(S103)。
この場合でも、駆動させるべき圧電素子46が含まれるインクジェットヘッド2において、積算値Csが所定値Cpを超えている圧電素子46の割合Rが、所定割合Rp以上である場合に、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であっても、当該圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしているので、上述の実施の形態と同様、印刷された画像の部分間に大きな画質の差が発生してしまうのを防止することができる。
また、別の一変形例(変形例2)では、図9に示すように、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cp以下であるときに(S104:NO)、上記S105、S205(図6、図8)に示すような判定を行わず、通常通り駆動パルスを付与している(S103)。
この場合でも、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが所定値Cpを超えたときには、それ以降、当該圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を通常時よりも減らしているため、記録用紙Pの中ドット、大ドットを着弾させるべき領域に小ドットが着弾することとなり、印刷される画像の画質は多少低下してしまうものの、印刷の際に当該圧電素子46(個別電極43)に付与される駆動パルスの数が少なくなるため、当該圧電素子46の寿命を延ばすことができる。
また、上述の実施の形態では、圧電素子46の個別電極43に駆動パルスが付与された回数が所定値Cpを超えたときに、それ以降、印刷信号が、大ドット及び中ドットのいずれを着弾させることを示すものである場合にも、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を1つに減らしたが、駆動パルスの数の減らし方はこれには限られない。
別の一変形例(変形例3)では、圧電素子46の個別電極43に駆動パルスが付与された回数が所定値Cpを超えたときに、それ以降、図10に示すように、印刷信号が大ドットを着弾させることを示すものである場合には、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を3つから2つに減らし、印刷信号が中ドットを着弾させることを示すものである場合には、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を2つから1つに減らしている。なお、この場合も、上述の実施の形態と同様、印刷信号が記録用紙Pに小ドットを着弾させるものである場合には、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数は1つのままである。
この場合でも、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csが、所定値Cpを超えたときには、それ以降、通常時よりも、当該圧電素子46の個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしているため、記録用紙Pの中ドット、大ドットを着弾させるべき領域にそれぞれ、小ドット、中ドットが着弾することとなり、印刷される画像の画質は多少低下してしまうものの、印刷の際に当該圧電素子46(個別電極43)に駆動パルスが付与される回数が少なくなるため、圧電素子46の駆動回数が減少し、当該圧電素子46の寿命が延びる。
また、上述の実施の形態においては、圧電素子46の個別電極43に駆動パルスが付与された回数が所定値Cpを超えたときに、それ以降、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らしていたが、これには限られない。
別の一変形例(変形例4)では、上記積算値Csが所定値Cpを超えたときなどに、図9に示すように、ドライバIC45から個別電極43に駆動パルスを付与する回数は変えず、その高さを通常時の高さを低くしている(駆動電位が通常時の駆動電位V1よりも低い駆動電位V2となるような高さにしている)。
ここで、圧電素子46においては、駆動パルスの高さが一定である場合には、最大の駆動回数Cmは予め決まっているが、駆動パルスの高さが低くなり駆動電位が小さくなれば、圧電素子46を駆動したときに、圧電素子46から圧力室10内のインクに付与される吐出エネルギーは小さくなるため、最大の駆動可能回数Cmは増加する。したがって、圧電素子46の個別電極43に駆動パルスが付与された回数が所定値Cpを超えたときに、それ以降、ドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの高さを低くすることにより、ノズル15から吐出されるインク滴の体積が小さくなって印刷される画像の画質は多少低下してしまうものの、圧電素子46の寿命を延ばすことができる。
また、この場合には、圧電アクチュエータ32が、個別電極43に駆動パルスが付与されることによって圧力室10内のインクに圧力を付与するものであるので、駆動パルスの高さを低くすることにより、容易に、圧電素子46に付与する吐出エネルギーを小さくすることができる。
また、上述の実施の形態では、高解像度印刷モードで動作して印刷を行う場合には、駆動させるべき圧電素子46に対応する積算値Csに関わらず、個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らさなかったが、高解像度印刷モードで動作させて印刷を行う場合においても、通常印刷モードで動作させて印刷を行う場合と同様に、駆動パルスの数を減らしてもよい。
また、上述の実施の形態では、プリンタ1が互いに異なる色のインクを吐出する4つのインクジェットヘッド2を有していたが、インクジェットヘッド2の数、及び、インクジェットヘッド2から吐出されるインクの色の種類及びその数はこれには限られない。
また、上述の実施の形態では、インクジェットヘッド2がいわゆるラインヘッドであったが、これには限られず、インクジェットヘッドは、走査方向に往復移動しつつ、ノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアル式のインクジェットヘッドであってもよい。
また、以上では、圧電素子46により圧力室10内のインクに圧力を付与することによって、ノズル15からインク滴を吐出するインクジェットヘッドを有するプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、上述したのとは異なる方法により、ノズルからインクを吐出するための吐出エネルギーを付与するインクジェットヘッドを有するプリンタに本発明を適用することも可能である。
一例として、インクジェットヘッドが、ヒータにより圧力室を加熱することにより圧力室内の気泡を膨張させることにより圧力室内のインクの圧力を上昇させて(吐出エネルギーを付与して)、ノズルからインク滴を吐出するインクジェットヘッドである場合には、ヒータの加熱時間の合計が大きくなるにつれて、ヒータの表面に発生するこげ成分などの影響により劣化し、ヒータの加熱能力が下がっていく。
そこで、このような場合には、例えば、制御装置に上述の駆動パルスカウンタ52の代わりに、ヒータによる加熱時間を測定するとともに、その時間の積算値を記憶するタイマーなどを設け、当該積算値が、所定値を超えたときに、それ以降、それまでよりも、1つのドットを形成するためにヒータにより圧力室を加熱する時間を短くするなどすれば、ヒータから圧力室内のインクに付与する吐出エネルギーを小さくなるため、ヒータの加熱能力の低下が抑制され、インクジェットヘッドの寿命を延ばすことができる。
ただし、この場合にも、ヒータにより圧力室が加熱される時間が短くなり、気泡の膨張量が小さくなることでノズルから吐出されるインク滴の体積は小さくなってしまうため、印刷される画像の画質は多少低下してしまう。
なお、上述の実施の形態における圧電素子46においても、その駆動時間が長くなるほど、ドライバIC45から個別電極43に駆動パルスが付与される回数の積算値Csが増加すると考えられるので、上述の実施の形態においても、駆動パルスカウンタ52の代わりに上述したようなタイマーを設け、当該タイマーに記憶された圧電素子46の駆動時間の積算値が所定値を超えたときに、それ以降、通常時よりもドライバIC45から個別電極43に付与する駆動パルスの数を減らすなどしてもよい。
また、以上の説明では、ノズルからインクを吐出することにより画像の印刷を行うインクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られず、ノズルから配線を形成する導電性材料の液滴を吐出することによって配線パターンを印刷するための印刷装置など、インク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッドを有する印刷装置に本発明を適用することも可能である。
1 プリンタ
2 インクジェットヘッド
10 圧力室
15 ノズル
45 ドライバIC
46 圧電素子
50 制御装置

Claims (5)

  1. 記録媒体に液体を吐出する複数のノズルと、前記複数のノズルに対応して個別に設けられており、液体に吐出エネルギーを付与する複数の吐出エネルギー付与手段とを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数の吐出エネルギー付与手段を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、
    所定の解像度で印刷を行う通常印刷モード、及び、前記通常印刷モードよりも高解像度で印刷を行う高解像度印刷モードのいずれかのモードで選択的に動作可能に構成されており、
    前記制御手段は、
    各吐出エネルギー付与手段の使用頻度に関わるパラメータを監視しており、
    前記複数の吐出エネルギー付与手段における前記パラメータが所定のしきい値以下である通常時には、各ノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、前記駆動手段から各吐出エネルギー付与手段に駆動パルスを複数回付与させるように前記駆動手段を制御するものは除き、
    前記制御手段は、
    前記複数の吐出エネルギー付与手段のいずれかにおける前記パラメータが所定のしきい値を超えたときに、当該吐出エネルギー付与手段に対応するノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、前記駆動パルスを前記吐出エネルギー付与手段に付与する回数を小さくさせるように制御するのではなく、当該吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせるように、前記駆動手段を制御し、
    さらに、前記制御手段は、前記高解像度印刷モードで動作する場合には、前記パラメータの値に関わらず、前記駆動パルスを前記吐出エネルギー付与手段に付与する回数を小さくさせないように制御するのではなく、前記複数の吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを小さくさせないように、前記駆動手段を制御することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記制御手段が、前記複数の吐出エネルギー付与手段のうち、所定の割合以上のものに対応する前記パラメータが前記しきい値を超えたときに、前記パラメータが前記しきい値を超えていない吐出エネルギー付与手段に対応するノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際にも、前記複数の吐出エネルギー付与手段から液体に付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記液体吐出ヘッドが、液体として互いに異なる色のインクを吐出する複数種類のノズルを有しており、
    前記制御手段が、いずれかの色のインクを吐出するノズルに対応する前記複数の吐出エネルギー付与手段のうち、所定の割合以上のものに対応する前記パラメータが前記しきい値を超えたときに、吐出するインクの色に関わらず、前記パラメータが前記しきい値を超えていない吐出エネルギー付与手段に対応するノズルからインクを吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際にも、前記複数の吐出エネルギー付与手段からインクに付与する吐出エネルギーを、それまでよりも小さくさせるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記液体吐出ヘッドが、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室をさらに備えており、
    前記複数の吐出エネルギー付与手段が、前記複数の圧力室内の液体にそれぞれ圧力を付与することによって液体に吐出エネルギーを付与する複数の圧電素子であり、
    前記駆動手段が、前記複数の圧電素子に、それぞれ、駆動パルスを付与することによって、前記複数の圧電素子を駆動するものであって、
    前記パラメータが、対応する圧電素子における、前記駆動パルスが付与された回数の積算値であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の印刷装置。
  5. 前記制御手段が、
    前記複数の圧電素子のいずれかに対応する前記積算値が前記しきい値を超えたときに、対応するノズルから液体を吐出して前記記録媒体上に1つのドットを形成する際に、前記駆動手段から当該圧電素子に付与する前記駆動パルスの高さを、それまでよりも低くさせるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
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