JP2010074082A - 半導体基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】化合物半導体素子を同一Si基板上に既に形成されているSi−LSI素子と電気的に接続された構造を有する半導体基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】Si単結晶基板上に、Si−LSIを最上層保護膜なしの状態で形成し、Si−LSI全体をSiO2層で覆う。所望のエリアのSiO2層間膜を除去し、所望のエリアのSi基板表面のみを露出させる。Si−LSIを保護膜する役目を担うSiN膜をSi−LSIの上部及び側面に形成する。SiN膜を除去して露出しているSi基板表面を水素原子で終端せしめた後に、露出していたSi基板上に化合物半導体膜を直接形成する。更に化合物半導体膜を所望の形状に加工して素子を作り、この素子の保護膜を形成し、Si−LSIと前記化合物半導体素子とを電気的に接続するためのコンタクトと金属配線を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体基板及びその製造方法に関し、より詳細には、Si−LSIと化合物半導体素子とを同一基板上に形成することを可能にした半導体基板及びその製造方法に関する。
化合物半導体積層体は、その材料固有の優れた電気特性、例えば高電子移動度や、広いバンドギャップなどが注目を浴び、活発な研究開発がなされた結果、実用化に至っている電子部品製品が数多く存在する。一例を挙げると、高電子移動度を有するInSbは、それを活性層として用いることにより、ホール素子や磁気抵抗効果素子などの磁気センサーとして利用され、既に実用化・市販化されている。また広いバンドギャップを有するGaN系の窒化物半導体は、それを活性層として用いることにより、レーザーや発光ダイオード等の発光デバイスとして製品化されている。
これらInSbやGaNなどを始めとする化合物半導体は、バルク単結晶の生産が困難であるとされ、そのため、通常はGaAs基板や、サファイア基板、SiC基板上に薄膜成長したものが広く利用されていが、現市場に供給されているそれらの基板口径は、Si基板の口径に比べて小さく、更に基板単価も高価であり、販売量拡大の足かせとなっている事は否めず、故に、化合物半導体を用いた製品の、より一層の普及の妨げとなっている。
そのため、大口径かつ安価なSi基板上への化合物半導体薄膜成長技術が俄かに注目を浴び、多数の研究報告がなされている。
例えば、Si基板上に直接的にGaAsを成長させる方法として、化合物半導体膜をSi基板上に成長する直前に、800℃以上の高温環境下でSi基板を加熱する前処理を行う方法がある(特許文献1参照)。これらの手法は広く用いられている基板の前処理であり、Si基板表面の自然酸化膜除去、及び基板表面での格子再配列を目的として施している。しかしながら、Si基板上に、既にSi−LSIが形成されているSi基板に対しては、このような高温環境下で前処理を施すことは、Si−LSIの特性変動を招き、延いてはSi−LSIの信頼性低下に繋がるため、実施することは極めて困難である。
そこで、高温環境下での基板前処理を施すことなく、Si基板上へ化合物半導体膜を結晶成長させる手法が考案されている(特許文献2参照)。この方法では、先ず、Si基板上にGaAs層を形成し、このGaAs層上にInSb膜を形成することによって、1μmの膜厚でホール係数が370cm3/C、膜厚で割ると3,700,000cm2/Cへと特性を改善できる。
特開平7−94409号公報 国際公開WO2004/077585号パンフレット 表面科学、1999年、Vol.20、No.10、pp.680−684
しかしながら、GaAs層をSi基板上に形成するには、InSb膜を形成する際の膜形成温度よりも更に高い温度での膜形成が必要とされ、Si−LSIなどが既に積載されたSi基板上へInSb膜を直接成長させる場合と比較すると、GaAs膜を形成する工程での加熱温度、及び、加熱時間が、余計に追加される事となり、この結果、TATの増加のみならず、Si−LSI特性劣化リスクの観点からも問題であり、適用は困難である。
さらに、Si−LSIが既に形成されているSi基板上へ、化合物半導体膜、及び、それらを用いた化合物半導体デバイスを形成するための具体的構造、及びその製法は、未だ開示されておらず、Si−LSIが形成されているSi基板上へ、Si−LSIの特性を変動及び劣化させることなく、化合物半導体膜を形成せしめること自体が技術的にも大変困難であった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、Si−LSIが既に形成されているSi基板上に、良質な結晶性を具備したInSbなどの化合物半導体膜を形成可能にするとともに、これら化合物半導体積層体を用いたホール素子、磁気抵抗素子などの磁気センサー、赤外線受光素子などの光デバイス、トランジスタなどの電子デバイスを、同一Si基板上に既に形成されているSi−LSI素子と電気的に接続された構造を有する半導体基板及びその製造方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、半導体基板であって、シリコン単結晶基板と、前記シリコン単結晶基板上に形成されたシリコンLSIと、前記シリコン単結晶基板上に形成された化合物半導体素子と、前記シリコンLSIの上部及び側面に形成された窒化シリコン膜と、前記窒化シリコン膜に形成された穴を通して前記シリコンLSIと前記化合物半導体素子とを電気的に接続する金属配線とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記化合物半導体素子は、請求項1に記載の半導体基板において、InxGayAlzSb(x+y+z=1、且つx、y、zはそれぞれ0以上1以下)であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の半導体基板において、前記シリコン単結晶基板は、導電型がP型であり、抵抗値が1Ω以上であり、面方位が(111)又は(100)で、かつ、[110]軸方向に0度から7度の間の傾斜角度を有しており、表面積が10cm2以上であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の半導体基板において、前記窒化シリコン膜は、前記Si単結晶基板の表面に接触していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の半導体基板において、前記化合物半導体素子が、抵抗体、電磁変換素子、発光素子、受光素子、太陽電池、2次元電子ガスを用いた超高速トランジスタ素子の何れかの用途を目的として使用されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、半導体基板の製造方法であって、シリコン単結晶基板上にLSI素子を形成するステップと、前記シリコン単結晶基板全面に前記LSI素子全体を覆うようにシリコン酸化膜を形成するステップと、前記シリコン酸化膜をエッチング処理することにより前記シリコン単結晶基板の所望の領域のみを露出させるステップと、前記シリコン単結晶基板及び前記シリコン酸化膜を覆うように窒化シリコン膜を形成するステップと、前記窒化シリコン膜をエッチング処理することにより前記シリコン単結晶基板の所望の領域のみを露出させるステップと、前記シリコン単結晶基板表面の結晶構造が乱れた領域を除去し、前記シリコン単結晶基板の露出部を水素原子で終端するステップと、前記シリコン単結晶基板が露出した領域に化合物半導体層を形成するステップと、前記化合物半導体層にエッチング処理を施して化合物半導体素子を形成するステップと、基板全体を覆うように素子保護膜を形成するステップと、前記素子保護膜、前記窒化シリコン膜及び前記シリコン酸化膜に前記LSI素子及び前記化合物半導体素子に達する穴を形成するステップと、前記LSI素子と前記化合物半導体素子が電気的に接続されるように前記穴を通る金属配線を形成するステップとを有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の半導体基板の製造方法において、前記シリコン単結晶基板表面のSi原子は、フッ化水素(HF)溶液、又は、フッ化アンモニウム(BHF)溶液への浸漬、若しくは、水素分子雰囲気下でのアニール、若しくは、原子状水素ビーム照射の何れかによって、水素原子により終端されることを特徴とする。
本発明によれば、Si−LSIが既に形成されているSi基板上に、良質な結晶性を具備したInSbなどの化合物半導体膜を形成することが可能になり、これら化合物半導体積層体を用いたホール素子、磁気抵抗素子などの磁気センサー、赤外線受光素子などの光デバイス、トランジスタなどの電子デバイスを、同一Si基板上に既に形成されているSi−LSI素子と電気的に接続する構造を有する半導体基板が可能になる。
本発明に係る半導体基板の製造方法について簡単に説明する。Si単結晶基板上に、先ずSi−LSIを最上層保護膜なしの状態で形成し、Si−LSI全体をSiO2層で覆う。次いで、所望のエリアのSiO2層間膜を除去し、所望のエリアのSi基板表面のみを露出させる。次いで、化合物半導体膜を形成する工程でSi−LSIを保護膜する役目を担う窒化シリコン(SiN)膜をSi−LSIの上部及び側面に形成する。次いで、SiN膜に覆われずに露出しているSi基板表面を水素原子で終端せしめた後に、MBE装置へと導入し、化合物半導体構成物質をこのSi基板上に照射することにより、露出していたSi基板上に極めて良質の化合物半導体膜を直接形成する。更に化合物半導体膜を所望の形状に加工して素子を作り、次いでこの素子の保護膜を形成し、最後にSi−LSIと前記化合物半導体素子とを電気的に接続するためのコンタクトと金属配線を設けることにより、同一Si基板上にSi−LSIと化合物半導体素子とを同時に形成することができる。
本発明において、InSbを初めとする化合物半導体層を、Si−LSIが既に形成されているSi基板上へ形成する際には、化合物半導体層を形成せしめる所望のSi基板の上部にある層間膜及び保護膜を、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて除去し、所望のエリアだけSi基板を露出させる必要があるが、この場合、層間膜の削り残し無きようにSi基板をもオーバーエッチングによってエッチングすることが一般的である。しかしながらこの際に、エッチング手段としてリアクティブイオンエッチング(RIE)を用いる場合は、Si基板をエッチングする工程でのエッチングガス種の選択、及びそれらの流量の最適化に加え、RFパワーを小さくすることにより、Si基板表面に発生するダメージを極力低減することが望ましい。もし仮に、層間膜および保護膜エッチング後のSi基板表面オーバーエッチング実施時に、前記エッチングダメージ低減条件へスムーズな切り替えが困難であるならば、オーバーエッチングにより基板表面に生じたダメージ層の除去を目的として、低RFパワー条件、且つ、ガス種およびガス圧を最適化したRIEを追加実施することが好ましい。加えて、エッチングによりオーバーエッチされたエリアでのSi基板表面のラフネスが大きければ、基板表面で局所的に面方位が異なる領域が混在している状況となり、延いては、そのSi基板表面上に成長する化合物半導体膜の結晶度にバラつきを生じる。よって、オーバーエッチされたエリアでのSi基板表面は平滑であるようにすることが好ましい。
また、化合物半導体膜形成工程においてSi−LSIを保護する役目を果たすシリコン窒化膜(SiN)の膜厚は、化合物半導体膜形成直前の前処理として実施するフッ化水素(HF)溶液への浸漬中、若しくはフッ化アンモニウム(BHF)溶液への浸漬中にそのSiN膜表面が削られ、膜厚が薄くなってしまうが、仮に削り取られても、Si−LSIのSiO2層間膜や金属配線、多結晶シリコン、Si活性領域などのSi−LSI構成部材が露出しないような十分な厚みを持たせることが必要であり、これに限定されるものではないが、好ましくは、0.1μm以上3.0μm以下である。
加えて、このシリコン窒化膜(SiN)を製膜する際の手法としては、膜形成時の温度が低いPECVD法を用いるのが好ましく、製膜時の温度も400℃以下であることが好ましい。
Si−LSI基板上に化合物半導体素子を形成した後に、Si−LSIと化合物半導体素子とを電気的に接続する金属配線層を形成する際には、Si−LSI保護用に形成したSiN膜の所望のエリアに1μm2以上2000μm2以下の面積の小窓を設けて、Si−LSIのAl配線、または、Cu配線、又は多結晶ポリシリコン、又は金属合金、又はN型の導電型を有するSi活性領域の何れかを露出させた後、スパッタリング法により配線材料を形成することが望ましい。この際、金属配線材料としては、Al、Cu、Au、Pt,の何れか、又はこれらの組合せが好ましく、バリアメタル材料としてはTiN、Tiが好ましい。
本発明において、Si−LSIが形成されたSi単結晶基板上に、Si−LSI素子の特性変動や信頼性低下を生じさせること無く、良質な化合物半導体層を直接形成できた理由は、Si−LSIエリアを保護するためにSi−LSIの上部及び側面に設けたシリコン窒化膜(SiN)の存在にある。具体的には、Si−LSIエリアの上部及び側面をSiN膜にて完全に覆って保護することにより、化合物半導体形成直前に行うフッ化水素(HF)溶液への浸漬工程によるSi−LSIエリアのSiO2層間膜の削り取られや、金属配線の腐食が防止され、更には、MBE装置内での化合物半導体膜形成時の基板加熱によって、Si−LSI内の、特にSi半導体素子内に存在する界面準位を終端している水素原子数が著しく変化してしまう事をも抑制しており、その結果、Si−LSIの特性変動や信頼性の低下を防止できていると考えられる。
本発明の、Si−LSIが形成されているSi基板上に形成する化合物半導体は、InSb、GaSb,AlSb、InxGayAlzSb(x+y+z=1、且つx、y、zはそれぞれ0以上1以下)が好ましい例である。
本発明のSi−LSIが形成されているSi基板上に形成する化合物半導体の膜厚は、特に制限は無いが、通常0.1μm以上5μm以下であり、好ましくは0.2μm以上4μm以下であり、最も好ましくは0.35μm以上2μm以下である。
基板材料は、Si単結晶基板であり、面方位は(111)、若しくは(100)、若しくはこれらの面方位が[110]軸方向へ0度〜7度傾いたものが好ましい。
Si−LSIが形成された後に化合物半導体を形成する際には、Si単結晶基板の表面Si原子は、水素原子で終端されていることが必要である。水素原子で終端する方法は特に制限はなく、通常はフッ化アンモニウム(BHF)水溶液や、フッ化水素(HF)溶液中へのSi基板の浸漬、又は水素ガス雰囲気下でのアニール、若しくは原子状水素を基板表面に照射することにより成されるが、一般的には、フッ化アンモニウム(BHF)水溶液や、フッ化水素(HF)溶液にSi基板を浸漬することにより成されることが好ましい。
以上のように、本発明によれば、Si−LSIが形成されているSi基板上に、高品質な化合物半導体薄膜、及び、その膜を用いた化合物半導体素子が形成可能となり、更に、これら、同一Si基板上に形成したSi−LSIと、InSb素子を初めとする化合物半導体デバイスを金属配線で電気的に接続することにより、化合物半導体素子が、同一ウエハ上に形成されているSi−LSIから制御可能となり、延いては、製造コストの低減、チップサイズの縮小、Si−LSIと化合物半導体素子との高速通信および高速制御、更に、Si−LSIと化合物半導体素子の相互配置精度が向上する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体基板の断面模式図であり、化合物半導体素子を、Si−LSIが予め形成されたSi基板上に直接形成した場合の最適構造の断面模式図を示している。101は基板表面の面方位が(100)のSi単結晶基板であり、その基板表面が[110]軸方向に0度〜7度の間の傾斜角度を有しており、102は化合物半導体デバイスであり、104はSi−MOSFETsのゲート電極、若しくは他結晶ポリシリコン、若しくは、N型の導電型を有するSi活性領域などのSi半導体素子を示し、105はSi−LSI内の金属配線、106はSi−LSIの層間膜であるシリコン酸化膜(SiO2)、107はSi−LSIの上部と側面を保護する役目を果たすシリコン窒化膜(SiN)、108は化合物半導体デバイス用の保護膜、109はSi−LSIと化合物半導体デバイス102を電気的に接続するための金属配線をそれぞれ示している。
(実施形態1)
図2は、本発明の一実施形態に係る半導体基板の製造方法を説明するための工程フロー図と、各工程での断面模式図であり、その結果、最終的に図1に示す断面構造が得られる。
まず、6インチのSi(100)基板201を用意し、この基板上にSi−LSI204を形成する。本実施形態では、Si−LSIの形成には0.5μmプロセス、金属配線層数は2層を採用したが、これらに制限するものではなく、他のプロセスを用いても良いし、配線数を増減させても良い。Si−LSIは、最上層の金属配線パターン205を形成後、SiO2層間膜206までを形成する(S201)。
次いで、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用い、後に化合物半導体デバイスを形成する所望のSi基板表面の上部に存在する前記SiO2層間膜206を除去し、Si−LSIが形成されている場所以外のエリアでSi基板表面を露出させる(S202)。
次いで、Si−LSIの保護膜となるシリコン窒化膜(SiN)207をプラズマCVD装置を用いて基板全面に形成する(S203)。ここで、断面SEMを用いてSiN膜の形成具合を観察した結果、Si−LSIの上部では0.7μmの膜厚のSiNが、側面では0.35μmの膜厚のSiNが綺麗な膜質で形成されていることが確認できた。
次いで、このSi基板201とSiN保護膜207とが接するエリアの内、所望のエリア上に存在するSiN膜207を、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて除去する(S204)。本実施例では、このSiN膜207除去の際には、リアクティブイオンエッチング(RIE)技術を用いたが、SiNが除去された後も、Si基板表面を数nm程度オーバーエッチングして削り込み、SiN膜の削り残しを防いだ。この際、Si基板表面がエッチングによりダメージを受けてしまう。よって、このSi基板表面のダメージ層の除去を目的として、追加のRIEエッチングを実施した。この際のRIE条件は、RFパワーを極力小さく設定し、且つガス種とその流量を最適化し、Si基板表面近傍のダメージ層が最も効果的に除去できる条件を適用した。
次いで、このSi基板をフッ化水素(HF)溶液に浸漬し、基板表面の自然酸化膜を除去すると共に、露出している基板表面のSi原子を水素原子にて終端させる(S205)。図2(e)に示す211は、露出したSi基板表面が水素原子で終端されている様を示している。
次いで、MBE装置の成長室内をAs雰囲気状態にした後に、基板をMBE成長室内へと導入し、露出したSi基板表面のSi原子を終端している水素原子が基板表面から脱離しない温度まで基板を昇温させた後、化合物半導体膜の成長を開始し、InSb膜203を形成する(S206)。本実施例では、InSb膜203のトータル膜厚を約0.7μmとした。その後、基板温度を低下させ、基板をMBE装置から取り出した。
このInSb膜203は基板全面に形成されているため、リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて所望の形状に加工して、化合物半導体デバイスとしての機能を出現させる(S207)。本実施例では、一例としてホール素子機能の発現を行うべく、基板上方から見て十字型の形状に加工を行い、化合物半導体デバイス202を形成した。
その後、保護膜208を形成する(S208)。図2(h)においては、この保護膜は、基板全面に形成されているが、所望の場所だけ必要であれば、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて加工形成しても良いが、本実施例では、化合物半導体素子及びSi−LSIエリア、及びその中間の基板表面が露出しているエリアを完全に覆うように保護膜を残している。
次いで、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用い、Si−LSIが形成されているエリアの上部に形成されているSiO2層間膜206と、SiN膜207、及び保護膜208を、また、化合物半導体デバイス202の上部を覆うように存在する保護膜208を、リソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、所望のエリアだけ除去し、Si−LSiと化合物半導体素子との電気的導通をとるためのコンタクト窓221と222をそれぞれ設ける(S209)。このコンタクト窓221と222は同時に設けても良いし、それぞれ個別のリソグラフィー及びエッチング各技術を用いて設けても、どちらでも良い。また、本実施例では、模式図に示す通り、Si−LSiのコンタクトを最上層の金属配線に対して設けたが、これに制限するものではなく、N型の導電型を示すSi活性領域や、N型の導電型を示す多結晶シリコンや、最上層以外の金属配線に対して設けても良い。
次いで、スパッタリング技術を用いて金属配線223を形成し、Si−LSIと化合物半導体とを電気的に接続する(S210)。この金属配線の形状加工は、本実施例では、露光・現像後のレジストを基板上に形成した後、金属配線材料をスパッタリング技術により基板全面に形成し、その後、剥離液中にてリフトオフ法により、所望の金属配線パターンを形成した。しかし一般的に行われる配線形成手法、つまり、先ずスパッタリング法により基板全面に金属配線を形成した後、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて金属配線パターンを形成しても良い。
その後、基板全面を再び保護膜で覆い、ワイヤーボンディング用のPAD窓を所望の場所に設けることにより、同一Si基板上にSi−LSI素子と化合物半導体素子とを同時に形成せしめたワンチップデバイスが完成する(S211)。
得られた化合物半導体素子とSi基板との界面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した結果、欠陥密度の少ない良質なInSb膜がSi基板上に直接形成していることが確認された。また、この界面近傍を超高圧電子顕微鏡と電子エネルギー損失スペクトルを用いて観察したところ、この界面近傍にAsの存在が確認された。
加えて、この化合物半導体膜を加工して作成したホール素子も正常に機能を発現する。
また、InSb製膜時、Si−LSIは製膜条件下に曝されることになるが、InSbの製膜温度である400度前後の環境温度下に1時間ほど曝しても、Si−LSIの特性変動は認められず、正常に動作する事を確認した。
つまりは、本発明の半導体基板及びその製造方法を用いることにより、Si−LSIと、化合物半導体デバイス、特にホール素子を同一Si基板上に形成でき、両デバイスをワンチップ化されたホールICとして機能させることができる。
(比較例)
一方、本発明で開示している構造を用いない場合、すなわち特にSi−LSIがSiN膜で覆わない場合は、化合物半導体形成前のフッ化水素(HF)溶液での処理時に、Si−LSI層間膜として多数積み重ねられたSiO2多層膜の界面がフッ化水素(HF)溶液により深く削られ、その結果、Si−LSI内の金属配線として形成しているAl配線がフッ化水素(HF)溶液により腐食され、Si−LSIの信頼性試験結果は大きく低下した。また、化合物半導体形成時における製膜温度での加熱により、Si−LSIの界面準位を終端している水素原子の変化に起因すると考えられるSi半導体素子の特性変動が確認された。
以上の結果からも、本発明の半導体基板及びその製造方法が、Si−LSIが既に形成されているSi基板上に、Si−LSIの特性変動を生じさせること無く化合物半導体膜、及びそれらを用いた化合物半導体素子を形成するのに有効であることが分かる。
本発明は、Si−LSIが形成されたSi基板上へ直接的に化合物半導体デバイスを形成するための構造、及びその製造方法に関するものであり、これにより、従来別々のウエハ上に形成した後の組み立て工程において一体化させていた両素子を、基板製造時から一体化させて製造することが可能となり、この結果、製造コストの低減、配線容量の低下によるSi−LSIによる化合物半導体素子の高速駆動制御、Si−LSIと化合物半導体素子との高速通信、更に、両素子間の相互配置位置精度の向上等が期待でき、延いてはホール素子や、磁気抵抗素子などの磁気センサー、赤外線センサーなどの受光素子、高電子移動度トランジスタなどの電子デバイスの高機能化及び、工業展開が可能となる。
本発明の一実施形態に係る半導体基板の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る半導体基板の製造方法を説明するフローチャートと断面模式図である。
符号の説明
101 Si単結晶基板
102 Asを含まない化合物半導体層及びデバイス
104 Si−LSI内におけるSi半導体デバイスの一例
105 Si−LSI内における金属配線
106 SiO2層間膜
107 SiN保護膜
108 保護膜
109 金属配線
201 Si単結晶基板
202 パターニング加工後の化合物半導体デバイス
203 ウエハ全面に形成されたInSb膜
204 Si−LSIが形成されているエリア
205 Si−LSi内の金属配線
206 SiO2層間膜
207 SiN保護膜
208 保護膜
211 露出したSi基板表面のSi原子を終端している水素原子
212 InSb初期成長膜
221 Si−LSI上のコンタクトホール
222 化合物半導体デバイス上のコンタクトホール
223 Si−LSIと化合物半導体デバイスとを接続する金属配線

Claims (7)

  1. シリコン単結晶基板と、
    前記シリコン単結晶基板上に形成されたシリコンLSIと、
    前記シリコン単結晶基板上に形成された化合物半導体素子と、
    前記シリコンLSIの上部及び側面に形成された窒化シリコン膜と、
    前記窒化シリコン膜に形成された穴を通して前記シリコンLSIと前記化合物半導体素子とを電気的に接続する金属配線と
    を備えたことを特徴とする半導体基板。
  2. 前記化合物半導体素子は、InxGayAlzSb(x+y+z=1、且つx、y、zはそれぞれ0以上1以下)であることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板。
  3. 前記シリコン単結晶基板は、導電型がP型であり、抵抗値が1Ω以上であり、面方位が(111)又は(100)で、かつ、[110]軸方向に0度から7度の間の傾斜角度を有しており、表面積が10cm2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体基板。
  4. 前記窒化シリコン膜は、前記Si単結晶基板の表面に接触していることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の半導体基板。
  5. 前記化合物半導体素子が、抵抗体、電磁変換素子、発光素子、受光素子、太陽電池、2次元電子ガスを用いた超高速トランジスタ素子の何れかの用途を目的として使用されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の半導体基板。
  6. シリコン単結晶基板上にLSI素子を形成するステップと、
    前記シリコン単結晶基板全面に前記LSI素子全体を覆うようにシリコン酸化膜を形成するステップと、
    前記シリコン酸化膜をエッチング処理することにより前記シリコン単結晶基板の所望の領域のみを露出させるステップと、
    前記シリコン単結晶基板及び前記シリコン酸化膜を覆うように窒化シリコン膜を形成するステップと、
    前記窒化シリコン膜をエッチング処理することにより前記シリコン単結晶基板の所望の領域のみを露出させるステップと、
    前記シリコン単結晶基板表面の結晶構造が乱れた領域を除去し、前記シリコン単結晶基板の露出部を水素原子で終端するステップと
    前記シリコン単結晶基板が露出した領域に化合物半導体層を形成するステップと、
    前記化合物半導体層にエッチング処理を施して化合物半導体素子を形成するステップと、
    基板全体を覆うように素子保護膜を形成するステップと、
    前記素子保護膜、前記窒化シリコン膜及び前記シリコン酸化膜に前記LSI素子及び前記化合物半導体素子に達する穴を形成するステップと、
    前記LSI素子と前記化合物半導体素子が電気的に接続されるように前記穴を通る金属配線を形成するステップと
    を有することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  7. 前記シリコン単結晶基板表面のSi原子は、フッ化水素(HF)溶液、又は、フッ化アンモニウム(BHF)溶液への浸漬、若しくは、水素分子雰囲気下でのアニール、若しくは、原子状水素ビーム照射の何れかによって、水素原子により終端されることを特徴とする請求項6に記載の半導体基板の製造方法。
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