JP2010073970A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の高圧枯渇法によって製造される微結晶シリコン薄膜と同等の良好な結晶性を維持しつつ、堆積レートを高速化させることが可能な薄膜形成装置および薄膜形成方法を得ること。
【解決手段】成膜室10内に基板ステージ11とプラズマ電極12とが対向して配設され、プラズマ電極12にシランガスと水素ガスとを供給して、高周波電圧を印加してプラズマを生成し、基板ステージ11に保持された基板100上に微結晶シリコン膜を形成する薄膜形成装置において、プラズマ電極12に成膜室10の外部から供給されるシランガスを基板100上に吹出させるシランガス貯気供給室120と、プラズマ電極12に成膜室10の外部から供給される水素ガスを水素プラズマにして基板100上に吹出させるとともに、シランガス貯気供給室120から吹出されるシランガスをプラズマ化させる水素ガス供給部130と、を備える。
【選択図】 図2−3

Description

この発明は、微結晶シリコン薄膜を形成する薄膜形成装置および薄膜形成方法に関するものである。
従来から、シリコン薄膜太陽電池の光電変換層として、真性(i型)の微結晶シリコン薄膜が広く用いられている。この微結晶シリコン薄膜の製造方法としては、シラン(SiH4)と水素(H2)の混合ガスを用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により基板上に堆積させるのが一般的である。
このプラズマCVD法による微結晶シリコン薄膜の製造方法の従来例について説明する。真空容器内に基板を加熱、保持するとともに接地された基板ステージと、高周波電源と電気的に接続されるプラズマ電極とを、電極面を互いに平行にして配置する。基板ステージに基板を保持させた後、基板を150〜250℃に加熱しながら、プラズマ電極にシランガスと水素ガスの混合ガスを供給する。供給された混合ガスは、プラズマ電極に設けられたガスシャワーヘッドのガス供給穴から真空容器内に導入される。このとき、高周波電源からプラズマ電極に高周波電力を給電すると、放電によって、SiH4/H2の混合プラズマが生成する。生成されたプラズマによって、化学的に活性なSiH3,SiH2,SiH,Si,Hなどの原子分子が生成され、これらの粒子が基板上に入射、付着することによって、非晶質または結晶質のシリコン薄膜が堆積される(たとえば、特許文献1参照)。
このようなプラズマCVD法で微結晶シリコン薄膜を堆積するには、「高圧枯渇法」と呼ばれる成膜手法が広く用いられている(たとえば、特許文献2参照)。具体的には、高圧力下で、シランガス流量[SiH4]を充分小さくし(言い換えれば、水素ガス流量[H2]を充分大きくし)、シランガス流量比を[SiH4]/([SiH4]+[H2])=1〜5%程度にまで下げ、プラズマ中のシランガスを枯渇させることによって、微結晶シリコン薄膜の堆積が可能になる(逆に、シランガス流量比が大きいと、堆積した膜は非晶質になる)。この方法によって得られた微結晶シリコン薄膜を太陽電池の光電変換層に適用し、太陽電池セルを試作評価した結果、光電変換効率〜9%程度の実用的な特性が得られている。
特開2002−237459号公報 特開2001−237187号公報 特開平11−330520号公報
ところで、i型微結晶シリコン薄膜の光吸収係数は非晶質シリコン薄膜に比較して小さいために、i型微結晶シリコン薄膜を光電変換層とする太陽電池を作製する場合には、その膜厚を少なくとも2μm以上に厚くする必要がある。そのため生産性の観点からは、微結晶シリコン薄膜を高速に堆積する技術が求められている。具体的には、膜厚が2.5μmの微結晶シリコン薄膜を5分程度の時間で堆積できることが理想であり、これを実現するためには、8.3nm/s以上の堆積レートが必要となる。
しかし、上記特許文献2に記載のプラズマCVD法による微結晶シリコン薄膜の堆積方法では、シランガス/水素ガスの混合ガスにおけるシランガス流量比、すなわち[SiH4]/([SiH4]+[H2])を調整することによって、結晶性を制御しようとするため、膜の結晶性と堆積レートとはトレードオフの関係にある。つまり、非晶質の膜を形成する場合には大きい堆積レートが容易に得られるが、結晶化させるためにシランガス流量比を下げると、堆積レートが大きく低下し、通常〜1nm/s程度になってしまうという問題があった。そのため、たとえば2.5μmの微結晶シリコン薄膜を堆積しようとすると、40分以上の処理時間を要してしまう。
そこで、従来では、堆積レートを上げる目的で高周波電力を増加させてプラズマCVD法によって微結晶シリコン薄膜を製造している(たとえば、特許文献3参照)。しかし、シランガスはプラズマ中で電子衝突によって容易に解離するために、高周波電力を増加させてプラズマの電子密度が高くなると、SiH2,SiH,Siが多量に生成されてしまい、気相中でパーティクルの発生が起こり、欠陥の多いシリコン薄膜が成膜されてしまうという問題点があった。
以上のように、従来のプラズマCVD法では、結晶性のよい微結晶シリコン薄膜を8.3nm/s程度の堆積レートで成膜することができず、太陽電池などの光電変換装置の製造工程のスループットの向上が困難となって、低コスト化の妨げとなっていた。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、従来の高圧枯渇法によって製造される微結晶シリコン薄膜と同等の良好な結晶性を維持しつつ、堆積レートを高速化させることが可能な薄膜形成装置および薄膜形成方法を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる薄膜形成装置は、成膜室内に基板ステージとプラズマ電極とが対向して配設され、前記プラズマ電極にシランガスと水素ガスとを供給するとともに高周波電圧を印加してプラズマを生成し、前記基板ステージに保持された基板上に微結晶シリコン薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記成膜室の外部から前記プラズマ電極に供給される前記シランガスを前記基板上に吹出させるシランガス供給手段と、前記成膜室の外部から前記プラズマ電極に供給される前記水素ガスを水素プラズマにして、前記シランガス供給手段から吹出される前記シランガスに接触させるように前記基板上に吹出させて、前記シランガスをプラズマ化させる水素ガス供給手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、成膜室にシランガスと水素ガスを供給して微結晶シリコン薄膜を基板に堆積させる際に、シランガスと水素ガスとを空間的に分離して供給するようにしたので、高品質なシリコン薄膜の堆積に必要となるSiH3ラジカルの生成と、微結晶シリコン薄膜形成に必要となるH原子の生成を独立して行え、所望のシリコン薄膜の堆積と結晶化が実現できる。これによって、従来の手法では非晶質のシリコン薄膜しか得られなかった高いシランガスの流量比の条件においても、微結晶シリコン薄膜を堆積することができるので、微結晶シリコン薄膜を高速で成膜することが可能になり、シリコン薄膜太陽電池の製造工程のスループットが向上できるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる薄膜形成装置および薄膜形成方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、この実施の形態による薄膜形成装置の概略構成の一例を示す図である。この薄膜形成装置は、成膜室10内に、薄膜形成対象である基板100を保持する基板ステージ11と、基板ステージ11の基板保持面と平行に電極面が配置されるプラズマ電極12と、を備える。ここでは、基板ステージ11は成膜室10の下方に接地されて配置されており、プラズマ電極12は基板ステージ11の上方に高周波電源14に接続されて配置される。成膜時には、プラズマ電極12に高周波電圧が印加され、基板ステージ11とプラズマ電極12間にプラズマ200が生成される。
また、成膜室10には、成膜室10内のガスを図示しない真空ポンプによって外部に排気するガス排気口13と、シランガスを成膜室10内のプラズマ電極12に供給するシランガス供給口21と、水素ガスを成膜室10内のプラズマ電極12に供給する水素ガス供給口31と、が設けられている。
シランガス供給口21には、シランを貯留する図示しないシラン貯留部がシランガス供給ライン22によって接続されており、シランガス供給ライン22の途中には、シランガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ23が設けられている。また、水素ガス供給口31には、水素ガスを貯留する図示しない水素ガス貯留部が水素ガス供給ライン32によって接続されており、水素ガス供給ライン32の途中には、水素ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ33が設けられている。このように、この実施の形態では、成膜室10内のプラズマ電極12にシランガスと水素ガスとを別々に供給するようにしている。
図2−1〜図2−3は、プラズマ電極付近の詳細な構造の一例を模式的に示す図であり、図2−1は、プラズマ電極の上面図であり、図2−2は、プラズマ電極の下面図であり、図2−3は、図2−1と図2−2のA−A断面図である。プラズマ電極12は、基板ステージ11に保持された基板100上の全面に均一にシランガスを吹き付けることができるように形成されるシランガス供給手段であるシランガス貯気供給室120と、シランガス貯気供給室120の下部に、シランガス貯気供給室120の外部を伝い、その下部でシランガス吹出し口122付近に水素ガスをプラズマ状態で供給させる水素ガス供給手段である水素ガス供給部130と、が成膜室10の上部に設けられたアース板110に支持、固定されている。
シランガス貯気供給室120は、導電性材料によって構成され、内部にシランガスを貯蔵することができる空間であるシランガス貯気部121を有するように構成されている。この図の例では、シランガス貯気供給室120の上部は、アース板110と共用されており、これによって、シランガス貯気供給室120がアース板110に固定された構造となっている。
シランガス貯気供給室120の上部には、シランガス供給ライン22に接続されるシランガス供給口21が設けられており、シランガス貯気供給室120の下部には、基板ステージ11側にシランガスを均一に吹出すシランガス吹出し口122が複数設けられている。シランガス吹出し口122は、シランガス貯気供給室120の下面よりも外部に突出した筒状構造を有する。
また、シランガス貯気供給室120の側面123および下面124の外側には、水素ガス供給部130が設けられている。この水素ガス供給部130は、シランガス貯気供給室120と接触しないように配置され、高周波電源14と接続される電極板131と、電極板131をアース板110に支持する絶縁材料からなる支持部材151と、を備える。この図の例では、円盤形状を有する平板状の電極板131が、シランガス貯気供給室120の下部に所定の間隔をおいて配置されており、シランガス貯気供給室120のシランガス吹出し口122に対応する位置には、シランガス吹出し口122の外径よりも大きな開口132が形成され、この開口132内にシランガス吹出し口122が接触しないように挿入される。具体的には、この開口132が、筒状構造のシランガス吹出し口122と同軸的に配設されるように、電極板131が取り付けられる。なお、電極板131に設けられる開口132の穴径は、電極板131の大きさや、基板100上に堆積されるシリコン薄膜の膜厚分布によって最適化されるが、直径1〜100mm、より望ましくは数mm〜数10mmの穴であることが望ましい。
支持部材151は、電極板131の周縁部に沿ってリング状に設けられており、電極板131の上面をアース板110に固定している。この支持部材151が取り付けられるアース板110の位置の一部には開口111が設けられており、この開口111の内面には、その内面を被覆するように支持部材151が形成されており、この開口111位置に合わせて支持部材151にも電極板131に到達する開口部152が形成されている。支持部材151の開口部152の内部には、高周波電源14から延びるケーブル141が、電極板131に接続されるように配置される。また、支持部材151は、シランガス貯気供給室120の側面123と距離をおいて配置されている。
このように、シランガス貯気供給室120の側面123と支持部材151との間と、シランガス貯気供給室120の下面124と電極板131との間に形成された隙間は、上部のアース板110で水素ガス供給ライン32に接続される水素ガス供給口31と接続され、水素ガス流通経路133となる。また、シランガス吹出し口122の外壁と電極板131の開口132を形成する側壁との間に形成されるギャップ(空隙)は、水素ガス流通経路133と接続され、電極板131に印加される高周波電圧によって水素プラズマが生成される水素プラズマ生成部134となる。そして、この水素プラズマ生成部134の下端部が、基板ステージ11に向かって水素プラズマを吹出す水素プラズマ吹出し口135となる。
なお、水素ガス供給部130における水素ガス流通経路133における隙間は、電極板131に給電された高周波電力によって、水素ガスが放電しない間隔が選択される。具体的には、放電における放電開始電圧と圧力との関係を表したパッシェン曲線の最小値から低圧力側および、高圧力側の領域で水素ガスが放電しない値に水素ガス流通経路133における隙間を設定する。
一方、水素プラズマ生成部134におけるギャップ(シランガス吹出し口122の外壁と電極板131の開口132を形成する側壁との間に形成されるギャップ)は、電極板131に給電された高周波電力によって、水素ガスが放電する間隔が選択される。具体的には、パッシェン曲線の最小値の領域で水素ガスが放電しない値に設定する。
また、上記した説明では、図2−1と図2−2に示されるように、プラズマ電極12が円盤形状を有する場合を例に挙げているが、これに限定されるものではなく、矩形状や他の形状であってもよい。
つぎに、このような構成の薄膜形成装置における薄膜作製時の動作について、図1〜図3を用いて説明する。図3は、プラズマ電極付近の薄膜形成時の様子を模式的に示す断面図である。まず、成膜室10内に基板100を搬送し、基板ステージ11上に基板100を保持させた後、成膜室10をガス排気口13に接続される真空ポンプによって所定の真空度にする。ついで、シラン貯留部からシランガス供給ライン22を介して、マスフローコントローラ23で流量を制御されたシランガスをシランガス供給口21からプラズマ電極12に導入する。また、水素ガス貯留部から水素ガス供給ライン32を介して、マスフローコントローラ33で流量を制御された水素ガスを、シランガス供給口21とは別に設けられた水素ガス供給口31からプラズマ電極12に導入する。
シランガスは、図2−3や図3に示されるように、シランガス供給口21からシランガス貯気供給室120のシランガス貯気部121へと供給され、ここで、貯留される。その後、シランガス貯気供給室120の底部に設けられた複数のシランガス吹出し口122から成膜室10内の空間へと導入される。このとき、シランガスは、シランガス貯気供給室120を介して複数のシランガス吹出し口122から成膜室10内の空間に導入されるので、供給量が均一化される。
一方の水素ガスは、図2−3や図3に示されるように、水素ガス供給口31からシランガス貯気供給室120の外周に形成された水素ガス流通経路133を経て、シランガス貯気供給室120の下側に複数形成された水素プラズマ生成部134へと供給され、水素プラズマ生成部134の下端部に位置する水素プラズマ吹出し口135から成膜室10内の空間へと導入される。この構成によって、シランガス吹出し口122の全周囲から水素ガスが供給されることになるので、電極板131に施された複数の水素プラズマ生成部134に均一な流量の水素ガスを導入することができる。
一般にシランガスはプラズマ中で電子衝突により容易に解離するため、プラズマの電子密度が高すぎると、SiH2,SiH,Siが多量に生成されてしまい、気相中でパーティクルの発生が起こり、欠陥の多いシリコン薄膜が成膜されてしまう。したがって、高品質のシリコン薄膜を形成するには、好ましいSiH3分子をより選択的に生成することが重要である。そこで、高周波電力を低く設定してプラズマ密度を低く抑えることが有効となる。
一方、水素ガスは比較的解離しにくいガス種であることが知られている。これは、プラズマ中で電子衝突解離により発生したH原子は、気相中または成膜室10(真空容器)の壁や電極表面で容易に再結合して、H2分子に戻ってしまうからである。このため、プラズマ中のH原子の密度を高めるには、プラズマ中の電子密度を大きくすることが有効である。
ここで、水素プラズマはプラズマ密度を1×1010(cm-3)以上に高くし、シランプラズマはプラズマ密度を1×1010(cm-3)以下に低くする。理由としては、水素プラズマについては、密度が高いほど水素原子が多く生成されるので結晶化が促進される。平行平板型プラズマ装置では一般に生成されるプラズマ密度は1×109(cm-3)から1×1011(cm-3)なので上記の値とした。シランプラズマについては、プラズマ密度が高いとシランの解離が進み成膜に必要とされるSiH3結合以外の原子・分子が生成される。したがって、平行平板型プラズマ装置では一般に生成されるプラズマの低密度領域として上記の1×1010(cm-3)以下とした。
また、よく知られているように、微結晶シリコン薄膜は、非晶質のシリコン薄膜を水素プラズマに曝すことによって、膜を結晶化させて形成される。したがって、高品質の微結晶シリコン薄膜を高速に堆積させるためには、低い電子密度でシランガスをSiH3分子が選択的に生成されるように分解して高品質なシリコン薄膜を堆積しつつ、高い電子密度で水素ガスを分解してシリコン薄膜の微結晶化に必要なH原子を生成する必要がある。
このような相反する要求を満たすために、この実施の形態では、以下に示すように水素プラズマとシランガスのプラズマの生成を分離して行うようにしている。つまり、図3に示されるように、水素プラズマ生成部134に導入された水素ガスは、電極板131に給電された高周波電力によって放電し、水素プラズマ201が生成される。ここで生成される水素プラズマ201は、特許文献1に記載されているホローカソード効果に加えて、電極板131の開口132を形成する側壁と同軸に配置され、アース電位に設定されたシランガス吹出し口122の外壁に流れる高周波電流によって、一層高密度の水素プラズマ201となる。これによって、多量のH原子が生成されるので、基板100上に形成された非晶質のシリコン薄膜の微結晶化が高速に行われる。なお、水素プラズマ生成部134で生成された高密度の水素プラズマ201は、基板ステージ11へ向かう方向に拡散し、プラズマ密度が徐々に低下するダウンフロープラズマ202となる。
一方、シランガス貯気供給室120のシランガス吹出し口122から成膜室10へと導入されるシランガスは、シランガス貯気供給室120がアース電位にあるため、シランガス貯気供給室120内では放電することはなく、シランガス吹出し口122付近の領域で、上述した水素プラズマ吹出し口135から吹出される水素プラズマのダウンフロープラズマ202によって(ダウンフロープラズマ202に接触させることによって)シランプラズマ203となる。この領域は、水素のダウンフロープラズマ202であり拡散しているのでプラズマ密度が低いために、シランプラズマ203では高品質のシリコン薄膜を形成するのに好ましいSiH3分子がより選択的に生成される。
このように、欠陥の少ない高品質のシリコン薄膜の堆積に適した低密度のシランプラズマ203(SiH3プラズマ)と、堆積したシリコンの結晶化に必要となる高密度のH原子を多量に含む水素プラズマ201とを生成できるので、基板ステージ11に保持された基板100上には、高品質な微結晶シリコン薄膜を高速に堆積することが可能になる。
最後に、以上に示した薄膜形成方法で形成した微結晶シリコン膜について成膜評価を行った結果について説明する。なお、ここでは、シランガス流量を100sccmとし、水素ガス流量を900sccm(シランガス流量比=10%)とし、成膜室10内の圧力を500Paとし、高周波電力を500Wとし、プラズマ電極12と基板100との距離を10mmとし、基板ステージ11の温度を200℃とし、成膜時間を10分として、シリコン薄膜を形成する。
以上の条件にてシリコン薄膜の成膜を行った結果、8.1nm/sの堆積レートが得られ、実用的な高速成膜が可能になった。また、ラマン分光法を用いて、シリコン薄膜中の結晶化率を測定した。ここで、シリコン薄膜の結晶化率は、ラマン散乱によって得られる作製したシリコン薄膜による散乱スペクトル中の480cm-1のアモルファスシリコンピークの強度Iaに対する520cm-1の結晶シリコンピークの強度Icの比として求めることができる。その結果、上記の条件で作製したシリコン薄膜の結晶化率Ic/Iaは、7.2であり、良好な微結晶シリコン薄膜とされる値の範囲に収まった。なお、この例では、ガス流量、圧力、電力などのパラメータを固定しているが、これらの値に限定されるものではない。
この実施の形態によれば、成膜室10にシランガスと水素ガスとを空間的に分離して供給し、水素プラズマ吹出し口135付近で、高密度の水素プラズマ201を生成して基板ステージ11側へと吹出させ、基板ステージ11に向かうにつれて、拡散によってプラズマ密度が低下するダウンフロープラズマ202を生成させ、シランガス吹出し口122からはシランガスを水素プラズマのダウンフロープラズマ202中に吹出させることによって低密度のシランプラズマ203(SiH3プラズマ)を生成させるようにした。これによって、低い電子密度のシランプラズマ203中では、SiH3分子が選択的に生成されるので、高品質なシリコン薄膜を堆積しつつ、高い電子密度で水素ガスを分解してシリコン薄膜の微結晶化に必要なH原子を生成して、基板100上に形成された非晶質のシリコン薄膜に曝すことによって、微結晶シリコン膜を従来に比して高い堆積レートで形成することができる。
その結果、光電変換装置に微結晶シリコン薄膜を堆積させる際の成膜時間を従来に比して短縮化することができ、シリコン薄膜太陽電池の製造工程のスループットが向上できるといった従来にない顕著な効果を奏する。また、微結晶シリコン薄膜の成膜時間を短縮することができるので、エネルギ消費量を削減することができる。さらに、高品質なシリコン薄膜を形成することができるので、製品として規定を満たさないシリコン薄膜が製造される確率が低下し、原材料を有効に利用することもできる。
さらにまた、非晶質シリコン薄膜を用いた光電変換装置においては、長期間使用していると、光電変換特性が低下することが知られており、非晶質シリコン薄膜を用いた光電変換装置を用いた信頼性や高性能化には限界があった。そこで、非晶質シリコン薄膜に比して長期間の使用によっても光電変換特性が劣化し難い微結晶シリコン薄膜を有する光電変換装置を開発することが望まれていたが、この実施の形態では、非晶質シリコン薄膜を形成するのと同程度の堆積レートで微結晶シリコン薄膜を形成することができるので、この実施の形態で製造される微結晶シリコン薄膜を有する光電変換装置は、非晶質シリコン薄膜を有する光電変換装置に比して長期間の使用が可能で、耐久性が向上するという効果を有する。
以上のように、この発明にかかる薄膜形成方法は、微結晶シリコン薄膜を光電変換層に有する太陽電池の製造に有用である。
この実施の形態による薄膜形成装置の概略構成の一例を示す図である。 プラズマ電極の上面図である。 プラズマ電極の下面図である。 図2−1のA−A断面図である。 プラズマ電極付近の薄膜形成時の様子を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 成膜室
11 基板ステージ
12 プラズマ電極
13 ガス排気口
14 高周波電源
21 シランガス供給口
22 シランガス供給ライン
23 マスフローコントローラ
31 水素ガス供給口
32 水素ガス供給ライン
33 マスフローコントローラ
100 基板
110 アース板
120 シランガス貯気供給室
121 シランガス貯気部
122 シランガス吹出し口
130 水素ガス供給部
131 電極板
133 水素ガス流通経路
134 水素プラズマ生成部
135 水素プラズマ吹出し口
141 ケーブル
151 支持部材
201 水素プラズマ
202 ダウンフロープラズマ
203 シランプラズマ

Claims (6)

  1. 成膜室内に基板ステージとプラズマ電極とが対向して配設され、前記プラズマ電極にシランガスと水素ガスとを供給するとともに高周波電圧を印加してプラズマを生成し、前記基板ステージに保持された基板上に微結晶シリコン薄膜を形成する薄膜形成装置において、
    前記成膜室の外部から前記プラズマ電極に供給される前記シランガスを前記基板上に吹出させるシランガス供給手段と、
    前記成膜室の外部から前記プラズマ電極に供給される前記水素ガスを水素プラズマにして、前記シランガス供給手段から吹出される前記シランガスに接触させるように前記基板上に吹出させて、前記シランガスをプラズマ化させる水素ガス供給手段と、
    を備えることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記水素ガス供給手段は、水素原子を含む水素プラズマを生成し、前記基板に向かって徐々にプラズマ密度が低下するダウンフロープラズマとして吹出させ、前記ダウンフロープラズマに前記シランガス供給手段からの前記シランガスを接触させてSiH3分子を含むシランプラズマを生成することを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 前記シランガス供給手段は、接地電位にされ、外部から供給される前記シランガスを貯留するシランガス貯留室と、前記シランガス貯留室の前記基板ステージ側に設けられ、前記シランガスを前記基板ステージ側に吹出させる複数の筒状のシランガス吹出し口と、を有し、
    前記水素ガス供給手段は、前記シランガス吹出し口の形成位置に対応して開口が設けられた導電性の平板状部材からなり、前記シランガス供給手段と接触しないように前記シランガス吹出し口に外挿され、高周波電圧が印加される電極板と、外部から供給される前記水素ガスを前記シランガス貯留室の側面を通って、前記電極板と前記シランガス貯留室との間の空間まで運ぶ水素ガス流通経路と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記電極板と前記シランガス貯留室の前記基板ステージ側の面との間隔は、前記電極板に高周波電圧を印加しても放電が発生しない間隔であり、前記電極板の前記開口内の前記シランガス吹き出し口との間隔は、前記電極板に高周波電圧を印加したときに放電が発生する間隔であることを特徴とする請求項3に記載の薄膜形成装置。
  5. 基板ステージとプラズマ電極とが対向して配設された成膜室内の前記プラズマ電極にシランガスを供給し、前記基板ステージに保持された前記基板上に向けて前記シランガスを吹出させる第1の工程と、
    前記成膜室内の前記プラズマ電極に、前記シランガスとは別に水素ガスを供給する第2の工程と、
    前記プラズマ電極に高周波電圧を印加して前記水素ガスから水素プラズマを生成し、前記基板上に向けて前記水素プラズマを、前記シランガスの周囲から吹出させる第3の工程と、
    前記水素プラズマによって前記シランガスをプラズマ化させる第4の工程と、
    を含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  6. 前記第3の工程では、水素原子を含む水素プラズマを生成して、前記プラズマ電極から前記基板に向かうにしたがってプラズマ密度が徐々に低下するダウンフロープラズマを形成し、
    前記第4の工程では、前記ダウンフロープラズマによって前記シランガスからSiH3分子を含むシランプラズマを生成することを特徴とする請求項5に記載の薄膜形成方法。
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