JP2010070699A - ラベル形成用粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】基材として生分解性シートを用いてなる、熱履歴後であっても収縮率が低く、熱寸法安定性に優れるラベルを与えるラベル形成用粘着シートを提供する。
【解決手段】生分解性シートと、その片面に架橋された粘着剤層とを有する粘着シートであって、前記架橋された粘着剤層のゲル分率が50質量%以上であり、かつ前記粘着シートのJIS Z 0237に準拠して測定した保持力が、7万秒経過時点での該粘着シートのずれ量として0.5mm以下であることを特徴とするラベル形成用粘着シートである。
【選択図】なし

Description

本発明はラベル形成用粘着シートに関し、さらに詳しくは、基材として生分解性シートを用いてなる、熱履歴後であっても収縮率が低く、熱寸法安定性に優れるラベルを与えるラベル形成用粘着シートに関するものである。
各種物品に表示、宣伝などのために粘着ラベルが幅広く使用されている。粘着ラベルは粘着シートから形成されるものであり、粘着シートは通常印刷等が設けられるシート状基材、粘着剤層及び粘着剤層を保護する剥離シートにより構成されている。
シート状基材には、紙、プラスチックフィルム、金属箔等の種々のものが用いられているが、粘着シートを燃焼させて廃棄する場合、シート状基材がプラスチックフィルムであると有毒ガスが発生したり、金属箔では高温が必要であるなど総合的に環境汚染を引き起こす場合がある。また、シート状基材がプラスチックフィルムの場合、土中投棄などで廃棄すると、フィルムが分解しないことから生態系を破壊するなど環境破壊を起こすおそれがある。
そこで近年では、シート状基材として用いるプラスチックフィルムに生分解性物質から成るフィルム(生分解性フィルム)を用い、廃棄後は微生物によって自然に分解される粘着シートが盛んに開発されている。生分解性フィルムの中で、粘着性や強度の点でポリ乳酸フィルムをシート状基材として用いたものが多い(例えば、特許文献1参照)。
シート状基材として生分解性フィルムを用い、その一方の面に粘着剤層が形成された粘着シートが生分解性が良好なものとして用いられているが、生分解性フィルムは、汎用のプラスチックフィルムに比べて、熱寸法安定性が不十分であるため、食品などのラベルに使用した場合に、電子レンジなどによる熱によってラベルが収縮してしまうという問題が生じる。
この問題を解決するために、生分解性を有するフィルム基材と、前記フィルム基材上に形成された粘着層とを有する粘着テープであって、前記フィルム基材は主たる繰り返し単位が一般式O−CHR−CO−(RはHまたは、炭素数1〜3のアルキル基)である脂肪族ポリエステルを主成分としたポリマーから成り、120℃でのフィルム長手方向の熱収縮率が5%以下である脂肪族ポリエステル二軸延伸フィルムを基材とし、その少なくとも片面に粘着層を設けてなることを特徴とする粘着テープが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記の技術において、粘着剤層に必要とされる物性は詳細には開示されていない。
一方、粘着剤層を構成する粘着剤としては、例えばアクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系などがあるが、これらの中で、粘着力、保持力、耐候性、耐熱性などの性能の点から、アクリル系粘着剤が多用されている。このアクリル系粘着剤としては、従来溶剤型のものが主として用いられてきたが、近年、塗工時における有機溶剤の揮発が環境衛生や安全面で問題となっており、また、粘着シートにした場合でも、粘着剤層に僅かながら有機溶剤が含まれ、環境衛生面で問題となっていた。
これに対し、エマルション型のものは、環境衛生、安全面については特に問題はなく、又高濃度化による高速塗工及び脱溶剤による低コスト化が可能であることから、最近では、溶剤型に代えて、エマルション型のものが使用されるようになってきた。特に、食品関係に使用されるラベルには、無溶剤型の粘着剤を用いたラベルが好んで使用されている。
特許第3938609号公報 特開2000−281984号公報
本発明は、このような事情のもとで、基材として生分解性シートを用いてなる、熱履歴後であっても収縮率が低く、熱寸法安定性に優れるラベルを与えるラベル形成用粘着シートを提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、生分解性シートの片面に、特にアクリル系エマルション型粘着剤を用いて、特定の性状を有する架橋された粘着剤層を設けることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]生分解性シートと、その片面に架橋された粘着剤層とを有する粘着シートであって、前記架橋された粘着剤層のゲル分率が50質量%以上であり、かつ前記粘着シートのJIS Z 0237に準拠して測定した保持力が、7万秒経過時点での該粘着シートのずれ量として0.5mm以下であることを特徴とするラベル形成用粘着シート、
[2]生分解性シートの厚さをA(μm)、架橋された粘着剤層の厚さをB(μm)とした場合、前記Aが10〜150μmであり、かつB/A比が0.1〜2.0である上記[1]項に記載のラベル形成用粘着シート、
[3]架橋された粘着剤層を構成する粘着剤が、アクリル系エマルション型粘着剤である上記[1]又は[2]項に記載のラベル形成用粘着シート、
[4]生分解性シートが、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含むフィルムである上記[1]〜[3]項のいずれかに記載のラベル形成用粘着シート、及び
[5]架橋された粘着剤層に剥離シートが貼付されてなる上記[1]〜[4]項のいずれかに記載のラベル形成用粘着シート、
を提供するものである。
本発明によれば、基材として生分解性シートを用い、その片面に特定の性状を有する粘着剤層を設けることにより、熱履歴後であっても収縮率が低く、熱寸法安定性に優れるラベルを与えるラベル形成用粘着シートを提供することができる。
本発明のラベル形成用粘着シート(以下、単に粘着シートと称することがある。)は、生分解性シートと、その片面に架橋された粘着剤層とを有する粘着シートであって、前記架橋された粘着剤層が、下記の性状を有することを特徴とする。
[生分解性シート]
本発明のラベル形成用粘着シートにおいては、基材として生分解性シートが使用される。この生分解性シートに用いられる材料としては、生分解性を有すると共に、製膜性が良好で、ラベルを形成した場合に、ラベルとしての機械特性や耐久性などを満たすものであればよく、特に制限されず、生物由来の材料であってもよく、石油由来の材料であってもよい。このような生分解性材料として、例えば脂肪族ポリエステル、微生物産生ポリエステル、芳香族−脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステルカーボネート、脂肪族ポリエステルアミド、脂肪族ポリエステルエーテル、ポリアミノ酸、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロース及び酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、キチン、キトサン、マンナン等の多糖類などが挙げられる。
中でも、機械特性、耐久性、製膜性などの観点から脂肪族ポリエステル及びその誘導体、セルロース及びその誘導体、ポリビニルアルコール、キトサン等が好ましく、これらの中では脂肪族ポリエステル及びその誘導体がより好ましい。脂肪族ポリエステル及びその誘導体としては、ポリ乳酸系、ポリカプロラクトン系、ポリブチレンサクシネート系などが実用化されている。
これらの中でポリ乳酸系脂肪族ポリエステル及びその誘導体が特に好適である。
ポリ乳酸は、トウモロコシなどの植物を発酵して得られる乳酸を原料として製造され、そして微生物によって水と二酸化炭素に分解され、再び植物の育成を助けるという連鎖性を有することから、バイオリサイクル型として、本発明においては、好適に用いられる。
前記ポリ乳酸は、原料の乳酸として、L形、D形、ラセミ形のいずれを用いてもよく、また、化学合成法及び発酵法のいずれの方法で得られたものも用いることができるが、バイオリサイクルの観点から、トウモロコシなどの澱粉を乳酸発酵させて得られたものを用いることが好ましい。
本発明で用いることのできるポリ乳酸は、前記乳酸を原料とし、(1)環化反応によって得られたラクチドを開環重合させてポリマーを得る二段階プロセス、及び(2)乳酸を直接重合させてポリマーを得る一段階プロセス、のいずれの方法によって得られたものであってもよい。
このポリ乳酸の重量平均分子量は、通常5万〜80万である。また、融点は、通常90〜200℃程度であり、ガラス転移温度は、通常40〜80℃程度である。
本発明においては、前記の生分解性材料を1種用いて生分解性シート状基材を作製してもよく、2種以上を組み合わせて生分解性シート状基材を作製してもよいが、当該生分解性シートは、生分解性の観点から、前記の生分解性材料、特にポリ乳酸系脂肪族ポリエステル及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含むフィルムであることが好ましい。
また、当該生分解性材料のみでは、例えば強度や製膜性等が低い場合には、当該生分解性材料と、一般的な基材に用いられる生分解性を有しない樹脂等を混合して用いてもよい。当該生分解性材料と混合して用いることが可能な材料としては、例えばポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン等が挙げられる。またこの場合、上記生分解性を有しない樹脂は、生分解性シートに用いられる樹脂全体の中で50質量%以下、中でも30質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。上記生分解性を有しない材料の含有量を上記範囲内とすることにより、本発明の目的を損なうことのないものとすることができるからである。
当該生分解性シートは、印刷性を付与するために、粘着剤層とは反対側の面に、各種印刷方式に対応するインク受理層を設けたものであってもよい。
また、当該生分解性シートは、その上に設けられる粘着剤層との密着性を向上させるために、所望により酸化法や凹凸化法などの表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばプラズマ処理、コロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は生分解性シートの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー処理を施すこともできる。
本発明においては、当該生分解性シートの厚さは、適宜選定されるが、通常10〜150μmの範囲で選定され、より好ましくは15〜100μmの範囲である。
[粘着剤層]
本発明のラベル形成用粘着シートにおいては、前記生分解性シートの片面に、架橋された粘着剤層が形成される。
本発明においては、当該架橋された粘着剤層は、ゲル分率が50質量%以上であることを要する。このゲル分率が50質量%未満では粘着剤層の凝集力が不足してしまい、生分解性シートの、熱履歴による寸法変化を抑えることができず、ラベル形状の維持が困難であり、本発明の目的が達せられない。好ましいゲル分率は60質量%以上である。一方、ゲル分率が高くなりすぎると、粘着剤層のタックが低下し、粘着性能や外観に悪影響を及ぼす場合があることから、ゲル分率は95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
なお、本発明においては、上記ゲル分率は、下記の方法により測定される値である。
<架橋された粘着剤層のゲル分率>
サイズ50mm×50mm、厚さ50μmのポリ乳酸系フィルム[三菱樹脂社製、商品名「エコロージュSA」]の片面に、本発明に係る粘着剤を塗布し、90℃で1分間乾燥してなるテストピースを、ステンレス製金網の質量(Ag)に貼り付け質量(Bg)を測定する。次いで、これを約200cm3の酢酸エチルに浸漬し、23℃にて24時間放置する。続いて金網付きテストピースを取り出し、大気圧下で110℃、2時間加熱乾燥し、乾燥後の質量(Cg)を測定する。
次いで、テストピースをステンレス製金網から剥がし、残った粘着剤が除去されてなるポリ乳酸系フィルムのみの質量(Dg)を測定し、下記の式
ゲル分率(質量%)=[(C−A−D)/(B−A−D)]×100
により、ゲル分率を算出する。
また、本発明のラベル形成用粘着シートにおいては、JIS Z 0237に準拠して測定した保持力が、7万秒経過時点での該粘着シートのずれ量として0.5mm以下であることを要する。このずれ量が0.5mmを超えると、生分解性シートの熱履歴による寸法変化を抑えることができず、本発明の目的が達せられない。好ましい保持力は、前記ずれ量で0.4mm以下である。
なお、本発明においては、上記保持力は、下記の方法により測定される値である。
<粘着シートの保持力>
本発明に係る粘着剤を、剥離シート上に塗布し、乾燥させたのち、生分解性フィルムに貼り合わせ粘着シートを作製する。次いで、この粘着シートを、ステンレス製鋼板(SUS380)に、貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼付し、80℃、Dry条件下で9.8Nの荷重をかけ、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じて、7万秒後のフィルムのずれ量を測定する。
また、本発明のラベル形成用粘着シートにおいては、生分解性シートの厚さをA(μm)、架橋された粘着剤層の厚さをB(μm)とした場合、生分解性シートの熱履歴による寸法変化を効果的に抑え、かつ粘着シート全体の厚さを好適な範囲にするために、B/A比が0.1〜2.0であることが好ましく、0.2〜1.0であることがより好ましい。
(アクリル系エマルション型粘着剤)
本発明のラベル形成用粘着シートにおいて、架橋された粘着剤層を構成する粘着剤としては、それから形成される粘着剤層が、前記性状を有するものであれば、その種類については特に制限はなく、様々な種類の粘着剤、例えばゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤及びアクリル系粘着剤などを用いることができるが、これらの中で、粘着剤としての性能、耐候性、ゲル分率の調節性などの観点からアクリル系粘着剤が好ましく、環境性の観点から、特にアクリル系エマルション型粘着剤が好適である。
このアクリル系エマルション型粘着剤は、粘着付与剤の存在下、エチレン性不飽和単量体を反応性界面活性剤を用いて乳化重合することにより、かつ内部架橋剤又は外部架橋剤あるいはその両方を用いることにより、製造することができる。
なお、ここで内部架橋剤とは、重合時に、ポリマー分子内に架橋構造を導入し得る架橋型反応性単量体を指し、一方、外部架橋剤とは、重合体粒子間にも架橋構造を導入し得る化合物を指す。外部架橋剤を用いる場合には、架橋すべき重合体粒子は、分子内に架橋性官能基が導入されていることが必須となる。
エチレン性不飽和単量体としては、従来アクリル系エマルション型粘着剤の原料として慣用されている単量体、具体的には(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び所望により官能性単量体や他の単量体を用いることができる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、官能性単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸アセトアセトキシメチル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノ又はジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノ又はジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノ又はジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノ又はジエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノ又はジアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの官能性単量体における官能基は、外部架橋剤を用いる場合の架橋点となる。
さらに、その他の単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、内部架橋剤である架橋型反応性単量体としては、多官能性エチレン性不飽和単量体、ケト基含有エチレン性不飽和単量体、アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体などが挙げられる。
ここで、多官能性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンメタクリレートアクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシフォスフェート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等が挙げられる。
ケト基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えばダイアセトンアクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシメチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテートなどが挙げられる。
アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン等が挙げられる。
これらの内部架橋剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、特にケト基含有エチレン性不飽和単量体が好適である。内部架橋剤の配合量は、全モノマー100質量部に対し、0.5〜10質量部とするのが好ましい。
前記エチレン性不飽和単量体の乳化重合において存在させる粘着付与剤については特に制限はなく、従来粘着剤における粘着付与剤として慣用されているものの中から、適宜選択して用いることができる。この粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、キシレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂、エチレン/酢酸ビニル樹脂、さらにはスチレン−ブタジエンブロックポリマー、スチレン−イソプレンブロックポリマー、エチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、塩化ビニル/酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ゴムなどのエラストマー等が挙げられる。
この粘着付与剤を前記エチレン性不飽和単量体に均一に分散・溶解させるためには、前記エチレン性不飽和単量体に相溶する粘着付与剤を適宜選択して使用することが好ましい。これらの粘着付与剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該アクリル系エマルション型粘着剤を構成するアクリル樹脂エマルションは、エチレン性不飽和単量体と粘着付与剤とを含む混合物を乳化重合させることにより、製造されるが、この乳化重合においては、乳化剤として反応性界面活性剤が好ましく用いられる。
この反応性界面活性剤については特に制限はなく、従来公知のイオン性、非イオン性の界面活性剤の中から、適宜選択して用いることができる。
このような反応性界面活性剤を用いることにより、耐水粘着力の良好なアクリル系エマルション型粘着剤が得られる。
これらの反応性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるアクリル系樹脂エマルションの製造においては、前記粘着付与剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対し、通常0.5〜15質量部の割合で用いられる。粘着付与剤の使用量が0.5質量部以上であると低温粘着力の付与効果が発揮されるが、15質量部を超えるとエマルションの乳化安定性が低下することがある。粘着付与剤の好ましい使用量は3〜10質量部の範囲である。
一方、前記反応性界面活性剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対し、通常0.5〜4.5質量部の割合で用いられる。反応性界面活性剤の使用量が0.5質量部以上であると良好な乳化効果及び耐水粘着力の付与効果が発揮されるが、4.5質量部を超えると耐水粘着力が低下することがある。反応性界面活性剤の好ましい使用量は0.7〜3.5質量部の範囲である。
次に、このアクリル系樹脂エマルションの製造方法の好適な実施態様について説明する。
まず、水性媒体中に、所定の割合の前記アクリル系樹脂の原料として用いられるエチレン性不飽和単量体、粘着付与剤及び反応性界面活性剤を加え、高圧ホモジナイザー又は超音波などを用いて乳化処理を行い、乳化液を調製する。
次に、このようにして調製された乳化液を、重合開始剤の存在下に40〜90℃程度に加熱して重合を行う。この際、重合開始剤としては、従来使用されている公知のもの、例えば有機過酸化物、アゾ系化合物、過硫酸塩、各種レドックス系触媒などが用いられる。
なお、重合開始剤は、反応開始時に全量存在させておいてもよく、あるいは反応開始時に一部存在させ、反応過程で残りを一括添加又は分割添加してもよい。このようにして、目的とするアクリル系樹脂エマルションを得ることができる。
本発明においては、必要に応じ、外部架橋剤を、このアクリル系樹脂エマルションに添加することができる。
この外部架橋剤としては、例えばイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、メラミン系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジド系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、尿素系化合物、ジアルデヒド系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、性能の点から、特にヒドラジド系化合物が好適である。ヒドラジド系化合物としては、アジピン酸ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジドなどが挙げられる。
外部架橋剤の配合量は、アクリル系樹脂エマルション100質量部に対し0.2〜7.0質量部とするのが好ましい。
これらの外部架橋剤は、内部架橋剤を用いる場合には、用いてもよいし、用いなくてもよいが、内部架橋剤を用いない場合には必須となる。
上記架橋剤を併用する場合の配合量は、アクリル系樹脂エマルション100質量部に対し、内部架橋剤は0.5〜5.0質量部、外部架橋剤は0.2〜0.4質量部とするのが好ましい。
前記の内部架橋剤は、重合時に加えられるが、この外部架橋剤は、乳化重合で得られたアクリル系樹脂エマルションに加えられる。
このアクリル系樹脂エマルションには、さらに必要に応じ、各種添加剤、例えば防腐・防かび剤、凍結融解安定剤、防錆剤、可塑剤、高沸点溶剤、顔料、充填剤などを添加することができる。
このようにして、所望のアクリル系エマルション型粘着剤が得られる。
[ラベル形成用粘着シートの作製]
本発明においては、粘着剤、特に好ましくは前述したアクリル系エマルション型粘着剤を、生分解性シートの片面に直接塗布、乾燥して架橋された粘着剤層を形成するか、あるいは剥離シートの剥離剤層面に塗布、乾燥して架橋された粘着剤層を形成したのち、生分解性シートの片面に貼り合せることにより、目的のラベル形成用粘着シートを作製することができる。粘着剤層の形成方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどが挙げられる。
粘着剤層の厚さとしては、本発明においては、前述したように、生分解性シートの熱履歴による寸法変化を抑制する観点から、架橋された粘着剤層の厚さをB(μm)、該生分解性シートの厚さをA(μm)とした場合、B/A比が、好ましくは0.1〜2.0、より好ましくは0.2〜1.0になるように制御することが望ましい。
粘着剤層の表面は、剥離シートで覆うことが好ましい。この剥離シートは、粘着剤層の表面を保護することができると共にラベル形成時の工程シートの役割も果たす。
剥離シートとしては、いずれのものを使用してもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレートなどの各種樹脂よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙等の各種紙材を基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、必要により剥離処理が施されたものを用いることができる。
剥離処理としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤よりなる剥離剤層の形成が挙げられる。剥離シートの厚さは、特に制限されず、適宜選定すればよい。
このようにして得られた本発明のラベル形成用粘着シートは、基材として生分解性シートを用い、その片面に特定の性状を有する粘着剤層を設けることにより、得られるラベルは、熱履歴後であっても収縮率が低く、熱寸法安定性に優れる特徴を有している。このラベルを作製するには、例えばまず、ラベル印刷機などで粘着シートに印刷後、所定形状ラベルに打ち抜きを施し、ラベル部以外のカス部分を除去するカス上げを行うことにより、剥離シート上に複数のラベルが貼付してなるラベリングマシン用ラベル連続体を得る。次いで、このラベル連続体から、ラベリングマシンにより個別のラベルを分離する方法などを用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)粘着剤層のゲル分率
明細書本文記載の方法に従って測定した。
(2)粘着シートの保持力
本発明に係る粘着剤を、剥離シート上に乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させたのち、厚さ50μmの生分解性フィルム[三菱樹脂社製、商品名「エコロージュSA」]に貼り合わせ粘着シートを作製する。次いで、この粘着シートを、ステンレス製鋼板(SUS380)に、貼り付け面積が25mm×25mmになるように貼付し、80℃、Dry条件下で9.8Nの荷重をかけ、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じて、7万秒後のフィルムのずれ量を測定する。
(3)ラベルの収縮率
実施例及び比較例の粘着シートを、ステンレス鋼板(SUS600)の試験板にサンプルサイズMD=60mm、CD=60mm(MD=フィルム製造時の流れ方向、CD=フィルム製造時の幅方向)になるように貼付する。
次に、貼付した粘着シートのMD方向、CD方向に沿って直線を十字に描き、それぞれ50mmの位置に印を付け、MD方向、CD方向の寸法を測定する。次いで、この試験板を105℃、Dry条件下で10日間放置後、取り出し、4時間後に該粘着シート上に記載した50mm×50mm線のMD方向、CD方向の寸法を測定し、下記の式よりラベルの収縮率を算出する。
ラベルの収縮率(%)=[(乾燥後の寸法−乾燥前の寸法)/乾燥前寸法]×100
実施例1
(1)粘着剤の製造
アクリル酸n−ブチル70質量部、メタクリル酸メチル15質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル12質量部、アクリル酸2質量部及び内部架橋剤としてのダイアセトンアクリルアミド1質量部からなるエチレン性不飽和単量体混合物を、アニオン系反応性乳化剤[ADEKA社製、商品名「アデカリアソープSE10N」]3質量部(固形分)、イオン交換水125質量部、過硫酸アンモニウム0.5質量部及び第二リン酸ナトリウム0.3質量部と混合し、撹拌して乳化液を調製した。この乳化液に重合開始剤(過硫酸カリウム)0.2質量部を加えた後、80℃で3時間加熱し、平均粒子径200nmの重合体を有するアクリル系樹脂エマルション(固形分濃度=48質量%)を得た。
(2)粘着シートの作製
上記(1)で得られたアクリル系樹脂エマルション100質量部に、架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジド1質量部を混合し、シリコーン系剥離シート[リンテック社製、商品名「SP−8LK2」]上に乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させたのち、厚さ50μmのポリ乳酸系フィルム[三菱樹脂社製、商品名「エコロージュSA 50μm厚」脂肪族ポリエステル含有量95質量%以上]に貼り合わせて、粘着シートを作製した。室温放置7日後、この粘着シートについて、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。これらの結果を第1表に示す。
実施例2
アニオン系反応性乳化剤[ADEKA社製、商品名「アデカリアソープSE10N」]の量を1.5質量部とすると共に、ノニオン性の非反応性乳化剤[花王社製、商品名「エマルゲン920」]0.5質量部(固形分)を併用した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
実施例3
エチレン性不飽和単量体混合物を、アクリル酸n−ブチル50質量部、メタクリル酸メチル15質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル32質量部、アクリル酸2質量部及び内部架橋剤としてのアリルアセトアセテート1質量部の混合物とした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
実施例4
n−ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(組成質量比99/1)を、固形分濃度で30質量%含む酢酸エチル溶液100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤[綜研化学社製、商品名「TD−75」、固形分濃度75質量%]1.0質量部を加えて、均一になるまで撹拌し、塗工液(感圧接着剤)を調製した。次いで、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
実施例5
乾燥後の粘着剤層の厚さを10μmとした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
実施例6
乾燥後の粘着剤層の厚さを50μmとした以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
実施例7
アクリル酸2−エチルヘキシル77.5質量部、アクリル酸メチル15質量部、メタアクリル酸メチル7.5質量部、アクリル酸1.5質量部及び内部架橋剤として2−アセトアセトキシエチルメタクリレート0.3質量部からなる混合物と、アニオン性の反応性乳化剤[ADEKA社製、商品名「アデカリアソープSR−10」]8質量部(固形分)と、イオン交換水125質量部と、第二リン酸ナトリウム0.3質量部及び過硫酸アンモニウム0.5質量部とを混合し、撹拌して乳化液を調製した。この乳化液に重合開始剤(過硫酸カリウム)0.2質量部を加えた後、80℃で3時間加熱し、平均粒子径が200nmの重合体を有するアクリル系樹脂エマルションを得た(固形分濃度:44質量%)。
このアクリル樹脂系エマルションからなる塗工液を、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
比較例1
(1)粘着剤の製造
アクリル酸2−エチルヘキシル65質量部、アクリル酸ブチル25質量部、及びアクリル酸エチル10質量部からなる共重合体に、ロジン系粘着付与剤30質量部を添加した固形分濃度で30質量%の酢酸エチル溶液100質量部に対して、イソシアネート系架橋剤[綜研化学社製、商品名「TD−75」、固形分濃度75質量%]1.0質量部を加えて、均一になるまで撹拌し、塗工液を調製した。次いで、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
比較例2
天然ゴム[伊藤商事社製、ムーニー粘度ML1+4(100℃):60]100質量部に、液状イソブレン[クラレ社製、商品名「LIR−403」]を150質量部、粘着付与樹脂としてテルペン系樹脂[ヤスハラケミカル社製、商品名「YSレジン PX−1150」]125質量部、酸化防止剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、フェノール系酸化防止剤「IRGANOX1076」]2.5質量部、架橋剤として[東洋インキ製造社製、商品名「BXX5134」]1.5質量部、トルエン875質量部を混練して粘着剤溶液を作製した。
次いで、実施例1と同様にして粘着シートを作製し、室温放置7日後、粘着剤層のゲル分率、粘着シートの保持力及びラベルの収縮率を求めた。結果を第1表に示す。
参考例
実施例1〜4及び比較例1、2において、基材の生分解性シートとして用いられるポリ乳酸系フィルム[三菱樹脂社製、商品名「エコロージュSA 50μm厚」]単体について、MD=60mm、CD=60mmに切り出したサンプルに、MD方向、CD方向に沿って直線を十字に描き、それぞれ50mmの位置に印を付け、MD方向、CD方向の寸法を測定した。次いで、105℃、Dry条件下で10日間後、取り出し、4時間後に、フィルム単体上に記載した50mm×50mm線のMD方向、CD方向の収縮率を求めた。その結果も合わせて第1表に示す。
Figure 2010070699
第1表から、本発明のラベル形成用粘着シート(実施例1〜7)は、比較例及び基材フィルム単体のものに比べて、ラベルのMD方向の収縮率(寸法変化率)及びCD方向の収縮率(寸法変化率)共に、はるかに小さいことが分かる。
本発明のラベル形成用粘着シートは、基材として生分解性シートを用い、その片面に特定の性状を有する粘着剤層を設けることにより、熱履歴後であっても収縮率が低く、熱寸法安定性に優れるラベルを提供することができる。

Claims (5)

  1. 生分解性シートと、その片面に架橋された粘着剤層とを有する粘着シートであって、前記架橋された粘着剤層のゲル分率が50質量%以上であり、かつ前記粘着シートのJIS Z 0237に準拠して測定した保持力が、7万秒経過時点での該粘着シートのずれ量として0.5mm以下であることを特徴とするラベル形成用粘着シート。
  2. 生分解性シートの厚さをA(μm)、架橋された粘着剤層の厚さをB(μm)とした場合、前記Aが10〜150μmであり、かつB/A比が0.1〜2.0である請求項1に記載のラベル形成用粘着シート。
  3. 架橋された粘着剤層を構成する粘着剤が、アクリル系エマルション型粘着剤である請求項1又は2に記載のラベル形成用粘着シート。
  4. 生分解性シートが、ポリ乳酸系脂肪族ポリエステル及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含むフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載のラベル形成用粘着シート。
  5. 架橋された粘着剤層に剥離シートが貼付されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のラベル形成用粘着シート。
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