JP2010070636A - アスベスト処理用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスベストへの含浸性に優れると共に、利便性、簡便性にも優れるアスベスト処理用組成物を提供する。
【解決手段】アスベストに含浸させてアスベストを固化させるためのアスベスト処理用組成物であって、前記アスベスト処理用組成物は、アルコキシシランと、無機酸性触媒とを含み、前記アルコキシシランが、前記無機酸性触媒により重合したものであることを特徴とする。また、前記無機酸性触媒として、リン酸系触媒を用いたことを特徴とする。さらに、前記アスベスト処理用組成物が、シリカを含むことを特徴とする。そして、前記アルコキシシランおよび/または前記無機酸性触媒の粘度が、1(Pa・s)以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アスベストに含浸させてアスベストを固化することで、アスベストを無害化するアスベスト処理用組成物に関するものである。
従来、アスベストは、安価で、耐火性に優れ、セメント成型物の補強材として役立つことから、セメントにアスベストを混ぜることで、平板あるいは波板状に成形したスレートや、屋根葦材や、壁材等に使用されている。また、セメントと混合して、耐火被覆として使用されたり、建築建物中の保温材や成型品の中に入れて使用されたり、多岐にわたり使用されている。
このようなアスベスト含有建材において、アスベスト含有成型物が、永年に渡り経時的変化と共に劣化し、その表面からアスベスト繊維が剥落したり、建物の解体時にアスベスト繊維が飛散したりすることで、肺ガン等を誘発することから、アスベストは、発ガン原因物質として挙げられている。そのため、アスベスト含有成型物を除去したり、古い建物を解体したりする場合、アスベスト含有成型物や、破砕されたアスベスト含有建材から、アスベスト繊維が飛散するのを防ぐ飛散防止対策を講じなければならない。
現在、アスベストの処理としては、アスベストの無害化処理(例えば、固化材によるアスベスト繊維の固結)を行わず、アスベスト処理廃棄用の袋に入れ、アスベスト管理処理場に埋設して処理したり、アスベストをセメントで固化し、プラスチック袋に詰めて、埋め立て処理したりしている。しかし、これらの方法は、あくまでも緊急避難的な処理であり、飛散防止対策としては不十分である。また、アスベストを無害化して処分する方法として、高温の溶融炉で無害化させる技術の開発が行われているが、処理コストが高いため、市場性が低く、事業化にまで至っていないのが現状である。
そこで、アスベストに含浸させてアスベストを固化することで、アスベストを無害化するアスベスト処理用の組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、(a)オルガノシラン、金属アルコキシド、またはコロイダルシリカ懸濁液の少なくとも1種、(b)オルガノ珪酸化合物、(c)重合性モノマー、および(d)フリーラジカル開始剤の混合物からなる処理剤が開示されている。また、特許文献2には、ポリアミン骨格を有するポリマー(A)と、水ガラス(B)と、水(C)とを含有するアスベスト処理剤が開示されている。
その他、アルコキシシランと重合触媒で予備重合したアルコキシオリゴマーも、固化により高硬度化すると共に、難燃性、撥水性、親水性等を付与することも可能なため、外装建材用途に最適な素材として、様々な用途に使用されている。例えば、アルコキシシランをシリコンの製造工場でシリコンアルコキシオリゴマーにした樹脂は、湿気型コーティング剤であり、アスベスト処理剤として使用することもできる。
特開平11−124507号公報(段落0008〜0013) 特開2007−216072号公報(段落0012〜0045)
しかしながら、従来のアスベスト処理用の組成物では、以下に示す問題がある。
特許文献1に記載の処理剤は、不活性溶媒中に、反応触媒の存在下で、オルガノシラン、金属アルコキシド、またはコロイダルシリカ懸濁液の少なくとも1種を含む第1の溶液を調製する第1の反応工程と、不活性溶媒中に、組成物のその他の成分を含有する第2の溶液を調製する第2の反応工程と、を含み、これら二つの溶液を混合して組成物を得るものである。そのため、組成物の調製に複雑な処理が必要で、組成物の調製に手間がかかり、組成物の調製を開始してから短時間で使用する場合には、利便性、簡便性に劣るという問題がある。
さらに、特許文献1に記載の処理剤は、重合性モノマーの重合反応等から形成される疎水性の有機高分子相が連続相を形成し、アスベストを包含した硬化被膜を形成するものであるため、親水性である無機のアスベストと親和性がよくない。そのため、アスベストを処理する際に相分離を生じ、完全にアスベストを封じ込めるのが困難である。
また、重合性モノマーを使用するものは、アスベストを処理する際に重合反応が必要であることから、高い反応温度等の反応条件の調整が必要となる場合が多く、処理時の工程が煩雑となるため作業性の改善が望まれている。さらに、硬化後の硬化被膜に重合性モノマーや有機溶剤が残存するため、処理後の硬化被膜をそのまま使用するには問題がある。
特許文献2に記載の処理剤は、ポリアミン骨格を有するポリマーを合成する第1の反応工程と、この第1の反応工程で得られたポリマーに、水ガラスと水を添加し、撹拌することで処理剤を得るものであり、複雑な処理が必要である。特に、ポリアミン骨格を有するポリマーの合成には、複雑な処理が必要で、時間と手間が非常にかかる。そのため、組成物の調製に手間がかかり、組成物の調製を開始してから短時間で使用する場合には、利便性、簡便性に劣るという問題がある。
また、この処理剤は、処理後の硬化物中にアスベストを封じ込め、アスベストを無害化させるものであるが、アスベストへの含浸性の向上の他、利便性、簡便性等の観点から、さらなる改善が望まれている。
アルコキシオリゴマーにした樹脂は、オリゴマー製造経費がかかり、経済的ではないという問題がある。また、VOCクリヤーであるが、粘度が高いことから、非常に含浸性が悪く、アスベスト処理剤として使用するためには、イソプロピルアルコール等の溶剤で10〜20%希釈し、粘度を下げる必要がある。しかし、このようにして粘度を下げても、含浸性はあまりよくならないという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、アスベストへの含浸性に優れると共に、利便性、簡便性にも優れるアスベスト処理用組成物を提供することを目的とする。
請求項1に係るアスベスト処理用組成物は、アスベストに含浸させてアスベストを固化させるためのアスベスト処理用組成物であって、前記アスベスト処理用組成物は、アルコキシシランと、無機酸性触媒とを含み、前記アルコキシシランが、前記無機酸性触媒により重合したものであることを特徴とする。
このように構成すれば、無機酸性触媒によるアルコキシシランの重合反応によりアルコキシシランが重合し、反応熱が発生することで、水と溶媒とが均一に混ざり合った粘度の低いアスベスト処理用組成物となる。これにより、アスベスト処理用組成物が、アスベストへ含浸しやすくなる。
また、請求項2に係るアスベスト処理用組成物は、前記無機酸性触媒として、リン酸系触媒を用いたことを特徴とする。
このように構成すれば、無臭で、取り扱いが容易であり、安価であるリン酸を使用することから、組成物の調製がしやすく、また、経済性を向上させることができる。さらに、機械類を腐食させることがほとんどない。
請求項3に係るアスベスト処理用組成物は、前記アスベスト処理用組成物が、さらに、シリカを含むことを特徴とする。
このように構成すれば、アスベスト繊維へのシリカの吸着力により、アスベスト処理用組成物の繊維への付着力が強くなる。そのため、アスベストがより強固に固化する。
請求項4に係るアスベスト処理用組成物は、前記アルコキシシランおよび/または前記無機酸性触媒の粘度が、1(Pa・s)以下であることを特徴とする。
このように構成すれば、アスベスト処理用組成物の粘度が低くなり、よりアスベストへ含浸しやすくなる。
本発明に係るアスベスト処理用組成物は、アスベストへの含浸性に優れているため、アスベストの飛散を防止する効果に優れ、アスベストを無害化することができる。また、利便性、簡便性に優れ、アスベストを処理しやすい。さらに、安価に製造することができるため、経済性にも優れる。
次に、本発明に係るアスベスト処理用組成物ついて詳細に説明する。
本発明に係るアスベスト処理用組成物(以下、適宜、組成物という)は、アスベストに含浸させてアスベストを固化させるものであり、アルコキシシランと、無機酸性触媒と、を含み、アルコキシシランが、無機酸性触媒により重合(縮合)したものである。また、この組成物は、シリカを含んでもよい。なお、ここでいう重合とは、一つの簡単な化合物が2分子以上結合して、より大きな分子の化合物を生じる反応をいう。また、ここでいう縮合とは、2つの官能基からそれぞれ一部分が分離し、それが結合して小さな分子を形成して脱離すると共に、2つの官能基の残った部分同士でも結合が生成して新しい官能基が生成する形式の反応をいう。
以下、各構成について説明する。
<アルコキシシラン>
アルコキシシランは、シラン類の一種であり、シラン類は、有機珪素化合物単量体(モノマー)で、その代表的な化合物は、以下の構造をもつ。
RaSiX4−a
(a=0〜3 R=−H、−CH、−C、−CnH2n+1等の有機基
X=−Cl、−OCH、−OC等の加水分解性基)
シラン類としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザンの3種類があり、これらは、水、アルコール、アミン等の活性水素を有する化合物等と反応する。ここで、シラン類の反応について、まず、クロロシランを例に説明する。クロロシランの反応例では、以下の式になる。
SiCl+HO → ≡SiOH、≡Si−O−Si≡
SiCl+ROH → ≡SiOR
SiCl+NH → ≡SiNH、≡SiNHSi≡
SiCl+HS → ≡SiSH
SiCl+MH → ≡SiH
SiCl+M → ≡SiM、≡Si−Si≡
SiCl+RCOOM → ≡SiOCOR
SiCl+AgCN → ≡SiCN
SiCl+AgNCO → ≡SiNCO
(M:アルカリ金属、アルカリ土類金属)
ここで、アルコキシシラン、シラザンも水やアルコール等の活性水素を有する化合物と反応するが、これらは、クロロシランのように塩化水素を発生することがなく、取り扱いが容易であり、また、アルコキシシランは、シラザンに比べ、反応性が高く、多岐にわたる用途に使用できること等から、本発明においては、アルコキシシランを用いる。
なお、前記反応例には、酸性水および酸性水性ゾルのものがない。そのため、これらは、非常に反応が速く、一般的には、変性しなければ使用することが難しい。しかし、本発明では、アルコキシシランと無機酸性触媒である水溶液を混合し、無機酸性触媒に含まれる水が揮散するものであるため、組成物にアスベストを含浸させると、内部に含浸した水の揮散に時間がかかることから、溶媒の臭いが除々に飛散すると共に、数時間で組成物の硬化が始まる。そして、水が揮散すると短時間で硬い塗膜を形成し、数時間で鉛筆硬度Hが高くなり、アスベストの無害化が進む。
そして、アルコキシシランはモノマーであり、無機酸性触媒と混合して撹拌することで化学反応を起こし、40℃前後の反応熱が発生すると同時にアルコキシシラン(モノマー)が励起現象を起こして、モノマー同士の重合(縮合)が開始される。
このようなアルコキシシランの反応例として、メチルトリメトキシシランを例にすると、以下の式になると考えられる。
CH・Si(OCH→ (CH・Si((OCH))n
すなわち、「CH・Si(OCH」(分子量:136.2)は、重合反応により重合(縮合)して、「(CH・Si((OCH))n」となる。ここで、条件にもよるが、反応時間が約10分では、分子量は約10000〜30000になり、約24〜120時間では、約1000000になる。このような分子量が約1000000の状態では、組成物は硬化し、鉛筆硬度4〜6Hとなる。そこで、重合が完了する前に、組成物をアスベストに含浸させることで、アスベストを固化することができる。
アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(2−エタノール)オルソシリケート、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(イソプロポキシ)シラン等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類、テトライソプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタン等のアルコキシチタン類、トリエトキシアルミニウム等のアルコキシアルミニウム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランは、比重が小さいため、使用しやすいことから、これらを使用するのが好ましい。
アルコキシシランの粘度は、1(Pa・s)以下が好ましい。粘度が1(Pa・s)以下であることにより、組成物の粘度が低くなり、組成物がアスベストへ含浸しやすくなる。粘度の測定には、BL粘度計(東京計器(株)製)を用いることができる。なお、粘度が水より低い場合は、BL粘度計で測定することはできないが、原則的に水の粘度は1(Pa・s)のため、粘度が低く、測定できない場合は、粘度は1(Pa・s)未満である。
<無機酸性触媒>
本発明では、アルコキシシランが重合反応を起こすための触媒(重合触媒)として、無機酸性触媒を用いる。触媒に無機酸を使用するのは、無機酸は、室温で無臭であり、使用しやすいためである。なお、有機酸は、強烈な臭気があるため、使用には限界がある。例えば、代表的な有機酸である酢酸は、組成物の硬化に関しては特に問題はないが、強い刺激臭があるため、換気が必要であり、使用しにくく、また、換気が不十分であると、酢酸の粒子が床や天井に付着し、下地の塗料を腐食する恐れがある。これらのことから、使用できる場所が限定されるという問題がある。
また、触媒に酸性のものを使用するのは、アルカリ性のものを用いた場合、アルコキシシランと混合すると、すぐにゲル化するため、通常では、長時間の保存ができず、また、組成物を使用するための時間、すなわち、アスベストに含浸させるための時間を確保できない。また、ゲル体の固化物は、非常に脆いため、アスベストへ含浸させた場合でも、組成物を含浸させたアスベストが砕けやすく、その後の処理をしにくいという問題がある。
無機酸性触媒としては、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸等を含有するものが挙げられるが、リン酸は無臭であり、一般的に取り扱いが容易であることから、リン酸を含有したリン酸系触媒を使用するのが好ましい。また、リン酸は、機械類に付着しても、機械類を腐食させることがほとんどなく、価格もそれほど高くないという利点もある。
ここで、無機酸性触媒は、溶媒として水を使用するものであるが、必要に応じて、水以外の水溶性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール)等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ピリジン、ジメチルホルムアミド等の溶媒を加えてもよい。これら水以外の水溶性溶媒を加える場合には、使用する水の量に対して2倍未満であることが好ましい。無機酸性触媒がこれらの水溶性溶媒を含有することで、無機酸性触媒の粘度が下がり、組成物の粘度も下がるため、組成物がアスベストへ含浸しやすくなる。
また、無機酸性触媒の粘度は、1(Pa・s)以下が好ましい。粘度が1(Pa・s)以下であることにより、組成物の粘度が低くなり、組成物がアスベストへ含浸しやすくなる。なお、粘度の測定は、前記したアルコキシシランの場合と同様の方法で行えばよい。
なお、無機酸性触媒の好ましい組成としては、無機酸としてリン酸を用いた場合、リン酸20〜30質量%、イソプロピルアルコール45〜55質量%、水25〜35質量%の範囲で調製した場合である。このような割合で無機酸性触媒を調製することで、アルコキシシランの重合反応が円滑に進み、また、無機酸性触媒の粘度も下がる。ただし、これらの割合は、所望のポットライフ、乾燥時間、硬化時間等を考慮して適宜変更すればよい。
また、組成物は、通常、アスベスト全体に組成物を行き渡らせる観点から、アスベストに、例えば塗布してから乾燥するまで3〜5分程度の時間がかかることが好ましい。そのため、特に、長時間の保存や、作業状況の観点から、乾燥までの時間を長時間確保する等の場合を除いては、無機酸性触媒は、アルコキシシラン100質量部に対して、10〜20質量部の割合で使用するのが好ましい。無機酸性触媒の割合が10質量部未満では、重合反応が遅くなり、ポットライフ、乾燥時間、硬化時間等が長くなり、硬度も低くなる。また、モノマーが完全に揮散しにくく、アスベスト中に残存しやすくなる。一方、20質量部を超えると、重合反応が速くなり、ポットライフが短くなる。また、組成物を含浸させたアスベストにクラックが生じやすくなる。ただし、これらの割合は、所望のポットライフ、乾燥時間、硬化時間等を考慮して適宜変更すればよい。
<シリカ>
シリカは、水溶液中に安定して分散したコロイダルシリカ(シリカゾル(SiO・XHO))の形態として使用することができ、組成物に混合することで、シリカが組成物中に均一に分散し、容易にアスベスト繊維の細い間隙へ浸透する。シリカは、繊維への吸着力も強いため、組成物の繊維への付着力も強力になる。そして、組成物が乾燥することによって、コロイド粒子の凝集結合力が作用して、アスベストをより強固に固化させ、アスベストを無害化する効果をより向上させることができる。
また、コロダイルシリカとして、pHが2〜4程度のものを用いると、反応熱がコロダイルシリカの水溶液中に吸収されてしまうため、反応が遅くなる。よって、あえて重合反応を遅らせ、ポットライフ、乾燥時間、硬化時間等を長くしたい場合は、コロイダルシリカを、重合反応の遅延剤として使用することも可能である。
シリカとしては、日本化学工業株式会社製のコロイダルシリカ、例えば、シリカドール(登録商標)(シリカドール−20、シリカドール−30、シリカドール−30H、シリカドール−30S、シリカドール−40、シリカドール−20A、シリカドール−20B、シリカドール−20G、シリカドール−30G−100、アンモニウムシリケート等)や、日産化学工業株式会社製のコロダイルシリカ、例えば、スノーテックス(登録商標)(スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−40、スノーテックス−C、スノーテックス−N、スノーテックス−O、スノーテックス−S、スノーテックス−20L、スノーテックス−OL等)が挙げられる。これらのコロイダルシリカは、酸に対しても安定である。またSiO固形分は、その種類により、20〜21質量%、30〜31質量%、40〜41質量%であり、水とアルコールに混合することができる。
また、これらの中でも、コロダイルシリカを遅延剤として用いる場合には、特に、シリカドール−20A、スノーテックス−O、スノーテックス−OLを用いるのが好ましい。これらは、pHが2〜4、SiO固形分が、20〜21質量%であり、酸に対して特に安定で、水とアルコールに混合しやすい。
ここで、シリカの平均粒径は、10〜20nmが好ましい。なお、平均粒径は、メーカーにより公表されているものを指標とすればよい。
シリカの平均粒径が10nm未満では、シリカの入手が困難であり、入手できる場合でも、高価であるため、経済性の観点から好ましくない。一方、20nmを超えると、シリカがアスベスト繊維の間隙へ浸透しにくくなる。また、シリカの平均粒径は、より好ましくは、12〜18nm、が好ましい。シリカの平均粒径が12〜18nmであると、アスベスト繊維の間隙への浸透がしやすく、さらに経済性を損なうこともない。
また、コロイダルシリカは、水を含んでいることから、例えば、リン酸を20〜30質量%、イソピルアルコール70〜80質量%の割合で混合した無機酸性溶液を、コロイダルシリカ100質量部に対し、1〜1.5質量部の割合で混合して無機酸性触媒を調製することができる。このような割合で無機酸性触媒を調製することで、アルコキシシランの重合反応が円滑に進み、また、無機酸性触媒の粘度も下がる。なお、コロダイルシリカを遅延剤として用いる場合でも、このような割合で調製することで、重合反応を遅延剤として適度な速度にすることができる。ただし、これらの割合は、所望のポットライフ、乾燥時間、硬化時間等を考慮して適宜変更すればよい。
また、無機酸性触媒は、アルコキシシラン100質量部に対し、100〜200質量部の割合で混合するのが好ましい。コロイダルシリカの割合が100質量部未満では、コロイダルシリカを添加する効果が少なく、一方、200質量部を超えても、その効果が飽和するため、経済的ではない。また、この範囲とすることで、重合反応がより適度となり、これにより、ポットライフ、乾燥時間、硬化時間等がより適度となり、硬度も高くなる。なお、コロダイルシリカを遅延剤として用いる場合でも、このような割合で調製することで、重合反応を遅延剤として、より適度な速度にすることができる。さらに、モノマーが揮散しやすく、アスベスト中に残存しにくくなり、また、組成物を含浸させたアスベストにクラックが生じにくい。ただし、これらの割合は、所望のポットライフ、乾燥時間、硬化時間等を考慮して適宜変更すればよい。
[アスベスト処理用組成物の調製方法(製造方法)]
次に、本発明に係るアスベスト処理用組成物の製造方法の一例について説明する。
まず、リン酸20〜30質量%、イソプロピルアルコール45〜55質量%、水25〜35質量%の範囲から適宜選択した割合で混合し、無機酸性触媒を調製する。この無機酸性触媒を、常温(20〜30℃)で、アルコキシシラン100質量部に対して、10〜20質量部の割合で混合し、撹拌する。混合、撹拌する方法としては、特に限定されるものではなく、公知慣用の方法を用いることができる。これにより、無機酸性触媒によりアルコキシシランの重合反応がおき、反応開始と同時に反応熱が発生して、溶液中の水と溶媒が、水と油のような分離した状態から、均一に混ざり合った溶液になり、組成物が形成される。この均一な溶液となることにより、アスベストへの含浸性が高まる。なお、組成物にシリカを添加する場合には、リン酸を20〜30質量%、イソピルアルコール70〜80質量%の割合で混合した無機酸性溶液を、コロイダルシリカ100質量部に対し、1〜1.5質量部の割合で混合して無機酸性触媒を調製する。この無機酸性触媒を、常温(20〜30℃)で、アルコキシシラン100質量部に対して、100〜200質量部の割合で混合し、撹拌することで重合反応がおき、組成物が形成される。
これらの組成物は、前記のようにして調製(製造)した後、組成物が硬化しないうちに、直ちに使用するのが好ましいが、調製後、使用可能な期間を考慮して、適度な期間保存してもよい。なお、無機酸性触媒の組成や割合を調整したり、コロダイルシリカの種類や割合を変えたりすることで、重合反応の速度を調整し、組成物の硬化を遅らせ、保存可能な期間を長くすることも可能である。
これらの組成物は粘度が低く、アスベスト繊維に容易に含浸し、また、コンクリートの表面に塗布しても、水がコンクリートの表面から1mm位しか含浸しないのに対し、2〜3mmの含浸が認められるほどに、含浸性に優れる。また、組成物の粘度は、1(Pa・s)以下が好ましい。粘度が1(Pa・s)以下であることにより、組成物がアスベストへ含浸しやすくなる。なお、粘度の測定は、前記したアルコキシシランの場合と同様の方法で行えばよい。
[アスベストの処理方法]
次に、本発明の組成物を用いたアスベストの処理方法の一例について説明する。
アスベストの処理方法としては、例えば、容器に組成物を入れ、その中にアスベストを10〜20分程度浸漬した後、容器からアスベストを取り出す方法や、組成物をアスベストの表面に塗布および/または噴霧する方法を使用することができる。塗布や噴霧する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛塗り、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、エアナイフコート法といった各種公知慣用の方法を用いることができ、さらにこれらを組み合わせて用いることもできる。そして、アスベストを浸漬、あるいは、アスベストに塗布および/または噴霧することにより、組成物を常温(室温)で含浸させ、室温下で水を揮散させることで、自然硬化により固い塗膜が形成され、容易にアスベストを固化させることができる。
具体的に、図1を参照して、アスベストを処理する際のアスベストの状態について説明する。図1は、アスベストを処理する際のアスベストの状態を模式的に示す模式図であり、(a)は、組成物を含浸させる前のアスベストの状態を示す模式図、(b)は、組成物を含浸させたアスベストの状態を示す模式図、(c)は、アスベスト繊維に組成物が付着した状態を示す模式図である。
図1(a)に示すように、アスベスト10は、組成物2に含浸させる前は、アスベスト繊維1の間に間隙Gが形成されている。図1(b)に示すように、このアスベスト10を組成物2に含浸させると、この間隙Gに組成物2が含浸(浸透)し、アスベスト10の間隙Gが組成物2の溶液で埋められる。そして、図1(c)に示すように、組成物2中の水が揮散して、組成物2の塗膜が硬化して、組成物2がアスベスト繊維1の外部に付着すると共に、アスベスト繊維1の内部まで含浸し(図示省略)、アスベスト繊維1の外部および内部に組成物2が付着したハイブリッド(複合体)を形成する。なお、アスベスト10の微細な繊維(図示省略)も組成物2の付着により補強され、これが、他の大きなアスベスト繊維1の複合体に付着する。このようにして、アスベスト10が固化し、アスベスト繊維1の補強固化体となり、アスベスト繊維1の飛散が完全に防止され、アスベスト10の物理的、機械的特性を維持しつつ、アスベストが無害化される。
なお、組成物の使用の際は、アルコキシシランの重合は完了していないため、塗膜厚0.3〜0.5mm(ウエット)で塗布した場合、7〜10日位でひび割れが発生する。そのため、組成物を塗布して使用する場合には、塗膜厚0.1mm以下で、2〜3回塗布して内部歪みを分散させて、ひび割れを防止するのが好ましい。
また、含浸させてから重合促進するための加熱等の必要はないが、加熱処理により硬化させてもよい。また、アルカリ処理により硬化させてもよく、加熱とアルカリの両方の方法を併用することもできる。加熱により硬化させる場合には、加熱温度は50〜100℃程度の低温でよい。好ましくは、60℃程度で30分処理することで、硬化させる。アルカリ処理の方法としては、例えば、アルカリ性の化合物を直接噴霧する方法や、アルカリ性の化合物を含む気体中でエージングさせる方法等が挙げられる。ここで使用できるアルカリ性化合物とは、例えば、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルエタノールアミン、アミノプロパノール、アンモニア等がある。
また、組成物のpHを6〜14、好ましくは8〜13の範囲で使用するのが好ましい。pHをこの範囲とすることで、組成物の硬化速度と保存安定性を確保できる。この際、使用する直前にpH調整剤を添加してpHを適宜調整してもよい。
以上説明したように、本発明の組成物は、アルコキシシランと、無機酸性触媒を常温で簡単に混合することができる。そして、重合開始剤を用いることなく、無機酸性触媒により、アルコキシシランが直接重合を開始できるため、複雑な処理や装置が必要なく、組成物の使用に際して、利便、簡便に、組成物を調製できる。そのため、利便性、簡便性に優れたものである。さらに、アスベストへの含浸性にも優れる。
本発明に係るアスベスト処理用組成物について、実施例を挙げて具体的に説明する。
<組成物の調製>
アルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン(信越化学(株)製))、重合触媒を、表1に示す割合で混合、撹拌して、組成物を作製した。
なお、重合触媒は、実施例1〜4では、無機酸性触媒として、75%リン酸(関東化学(株)製):25質量%、イソプロピルアルコール((株)トクヤマ製):50質量%、水:25質量%の割合で混合して調製した。実施例5では、75%リン酸:25質量%、イソピルアルコール:75質量%の割合で混合した無機酸性溶液を、コロイダルシリカ(シリカドール−20A(登録商標)(日本化学工業(株)製))100質量部に対し、1〜1.5質量部の割合で混合して無機酸性触媒を調製した。なお、比較例1では、重合触媒を混合せず、アルコキシシランを組成物として用いた。また、参考として、有機酸性触媒として、食酢(8〜10%酢酸):0.05質量%、界面活性剤(ノニルフェノール系)(松本油脂製薬(株)製):0.05〜0.1質量%の割合で混合して調製した重合触媒を、アルコキシシラン100質量部に対し、約10質量部混合した際の状況を調べた。なお、アルコキシシランおよび重合触媒の粘度をBL粘度計(東京計器(株)製)で測定したところ、粘度が低く、測定できなかったため、粘度は1(Pa・s)未満である。
この組成物について、硬化性および含浸性を調べた。
<硬化性>
硬化性の試験としては、組成物のポットライフを調べると共に、指触による乾燥度時間(指触乾燥時間)、硬化時間、および、鉛筆硬度を測定した。
(ポットライフ)
組成物を作製後、直ちに、カップに100gとり、20〜25℃の温度に保ちつつ、作製後(アルコキシシランと重合触媒を混合した直後)から10分後に、縦10cm×横10cm×厚さ2mmのガラス板に塗布し、その後、10分毎に、別のガラス板に塗布した。1枚目に塗布したものを0分とし、塗布後直ちに塗膜が白化して透明性がなくなると共に、艶がなくなったガラス板の20分手前の時間をポットライフとした(例えば、6枚目塗布後直ちに透明性、艶がなくなったものは、ポットライフ40分とした)。
次に、ポットライフの時間に塗布したガラス板の塗膜について、指触乾燥時間、硬化時間、鉛筆硬度を測定した。
(指触乾燥時間)
指で塗膜に触れ、ガラス板に塗布してから、指に液がつかなくなるまでのおよその時間を測定し、指触乾燥時間とした。
(硬化時間)
塗膜を爪でこすり、ガラス板に塗布してから、塗膜に疵がつかなくなるまでのおよその時間を測定し、硬化時間とした。
(鉛筆硬度)
鉛筆硬度としては、三菱鉛筆(登録商標)を使用し、鉛筆硬度を測定した。
具体的には、まず、試験を行う鉛筆の芯先を、固い平らな面に置いた研磨紙400番に対し直角にあて、芯先が平らで角が鋭くなるように研いだ。次に、研いだ芯を試験面に対して45°にあて、縦に引っ掻き、塗膜が破れるかを調べた。そして、破れたらもう一段階芯の柔らかい物に取り換え、同様の試験を行い、塗膜が破れなくなった芯の硬度を鉛筆硬度とした。そして、鉛筆硬度が1H以上のものを鉛筆硬度が良好とした。
<含浸性>
含浸性は、代替アスベストに組成物を含浸させて、固化させた後の質量から、その良否を判断することとした。
具体的には、代替アスベスト(中国産、嵩比重0.2g/cm)10gに、組成物10gを含浸させ、これをそのまま放置し、24時間後の組成物を含浸させた代替アスベスト(組成物含浸代替アスベスト)の質量を測定した。代替アスベストが10gのため、組成物含浸代替アスベストの質量が10gを超えていれば、組成物が含浸しているといえる。そして、13.0g以上のものを含浸性が良好とした。
これらの結果を表1に示す。なお、表1において、硬化性および含浸性を調べることができなかったものについては、「−」で示す。
Figure 2010070636
表1に示すように、実施例1〜4では、ポットライフから、組成物を使用する時間を確保でき、指触乾燥時間、硬化時間から、組成物を塗布した後、迅速に乾燥固化することがわかり、鉛筆硬度が良好であることから、組成物が硬化して、アスベストを固化することができ、繊維の飛散を防止できるといえる。また、24時間後の組成物含浸代替アスベストの質量から、含浸性が良好であり、組成物がアスベストに十分に含浸し、繊維の内外部で組成物が固化することで、アスベスト繊維の飛散を防止できるといえる。なお、実施例1の組成物含浸代替アスベストでは、48時間後の完全固化した組成物含浸代替アスベストの質量が13.8gであったことから、24時間経過後に、ほぼ完全に固化した状態になったといえる。
なお、実施例3は、重合触媒の割合が少ないため、実施例1、2に比べて、ポットライフ、指触乾燥時間、硬化時間が長く、鉛筆硬度も低かった。また、モノマーが完全に揮散しなかったため、24時間後の質量がやや大きかった。実施例4は、重合触媒の割合が多いため、実施例1、2に比べて、ポットライフが短かった。
実施例5は、コロダイルシリカとして、酸性タイプのものを使用しているため、実施例1〜4に比べて、ポットライフ、指触乾燥時間、硬化時間が長かった。また、鉛筆硬度は良好であった。さらに、シリカを混合しているため、実施例1〜4に比べて、24時間後の組成物含浸代替アスベストの質量が多かった。これにより、含浸性が良好であり、また、シリカのアスベスト繊維への吸着により、組成物の繊維への付着力も強力になったものといえる。
一方、比較例1は、アルコキシシランのみを組成物として用いたものであり、組成物が硬化しないため、硬化性を調べることはできなかった。また、アルコキシシランは、全て揮散してしまうため、組成物含浸代替アスベスト中の組成物がすべて揮散し、組成物含浸代替アスベストの質量は、代替アスベスト分の10gであった。なお、重合触媒に、酢酸を用いた有機酸性系重合触媒を使用したものは、刺激臭が強く、使用が困難であった。そのため、硬化性および含浸性を調べることができなかった。ただし、室外において、組成物を代替アスベストに含浸させ、24時間後の組成物含浸代替アスベストの固化状態を調べたところ、組成物が硬化し、組成物含浸代替アスベストが固化していることが確認できた。
[第2実施例]
実施例1〜4の組成物含浸代替アスベストの質量から、組成物含浸代替アスベスト中にモノマーや飛散ガスがどれくらい含有しているかを調べた。
実施例1〜4の組成物含浸代替アスベストの24時間後の質量は、それぞれ、14.3、14.6、16.2、14.6であり、また、これらの組成物自体の硬化したときの質量は、3.7〜3.8である。よって、実施例1では、「14.3g/(10g+3.8g)×100≒104」である。同様に、実施例2では、106、実施例3では、117、実施例4では、106である。これらの結果から、常温では、24時間後には、組成物含浸代替アスベスト中に、若干、モノマーや飛散ガスが残存しているが、ほとんど固化しているといえる。なお、実施例3は、モノマーが完全に揮散しなかったものであるが、組成物は、代替アスベストに含浸しているため、アスベストの固化には、ほとんど影響ない。また、実施例5は、コロダイルシリカ中に、SiO固形分が、20〜21質量%含まれているため、これが組成物の乾燥によりシリカの繊維へ付着したことにより、質量が多かったものである。
なお、参考として実施例1の組成物含浸代替アスベストの密度を調べた。実施例1の組成物含浸代替アスベストを縦2.5cm×横2.5cm×高さ1.0cmの正方形に打設して圧縮したものを用意し、質量を調べた。その結果、質量は6.2gであり、密度は、「6.2/6.25(2.5×2.5×1)=0.992(g/cm)」であった。
このことから、組成物含浸代替アスベストの密度は、約1であることがわかる。
以上の結果から、本発明の組成物は、アスベストに含浸させるための時間を確保でき、アスベストへ容易に含浸し、24時間後には、固い塗膜が形成されて、ほぼ完全にアスベストを固化させることができるといえる。これにより、アスベスト繊維の飛散を防止することができるといえる。また、コロダイルシリカを遅延剤として使用することができるといえる。
以上、本発明の好適な実施形態、実施例について説明してきたが、本発明は前記実施形態、実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲において広く変更、改変して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
アスベストを処理する際のアスベストの状態を模式的に示す模式図であり、(a)は、組成物を含浸させる前のアスベストの状態を示す模式図、(b)は、組成物を含浸させたアスベストの状態を示す模式図、(c)は、アスベスト繊維に組成物が付着した状態を示す模式図である。
符号の説明
1 アスベスト繊維
2 組成物
10 アスベスト
G 隙間

Claims (4)

  1. アスベストに含浸させてアスベストを固化させるためのアスベスト処理用組成物であって、
    前記アスベスト処理用組成物は、アルコキシシランと、無機酸性触媒とを含み、
    前記アルコキシシランが、前記無機酸性触媒により重合したものであることを特徴とするアスベスト処理用組成物。
  2. 前記無機酸性触媒として、リン酸系触媒を用いたことを特徴とする請求項1に記載のアスベスト処理用組成物。
  3. 前記アスベスト処理用組成物が、さらに、シリカを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアスベスト処理用組成物。
  4. 前記アルコキシシランおよび/または前記無機酸性触媒の粘度が、1(Pa・s)以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアスベスト処理用組成物。
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