JP2010070136A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォースリミッタ荷重を段階的に上げることが可能で、かつ装置の小型化を図ることができるウエビング巻取装置を得る。
【解決手段】スプール18側に設けられたしごき機構60は、引出方向へのロックベースの回転が規制された際に、スプール18とロックベースとの相対回転に伴ってスプール18に対して相対移動するワイヤ52をしごいてワイヤ52に抵抗を付与する。また、その際に、しごき機構60は、ワイヤ52がスプール18に対して所定量相対移動した後にワイヤ52に抗してワイヤ52をしごく箇所となる部分としてFLピン62B〜62Gを備えることによってワイヤ52のスプール18に対する相対移動量に応じてワイヤ52をしごく箇所を経時的に増加させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の乗員の身体を拘束するウエビングベルトを巻き取って格納するウエビング巻取装置に関する。
ウエビング巻取装置では、スプールのウエビング引出方向の回転が車両急減速時にロックされてウエビングベルトの引出しが阻止される。このようなウエビング巻取装置では、ウエビングベルトの引出しを阻止する際に、所謂フォースリミッタ機構によって、ウエビングベルトの引出しを所定量許容して、エネルギーの吸収を図ることが行われている。
ここで、所謂フォースリミッタ機構としては、ウエビングベルトの引出しを許容する際にウエビングベルトに付加される荷重(フォースリミッタ荷重)を複数段階に設定可能なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。下記特許文献1の緩衝装置(所謂フォースリミッタ機構)では、高剛性のシャフトがシートベルト巻き取り用筒状リール(スプール)に挿通されており、シャフトには円板基体が同軸に固定されると共に複数の円板体が同軸に遊嵌されて軸方向に並設されている。そして、円板基体及び複数の円板体(以下、円板基体及び複数の円板体を「円板体群等」という。)は、その外周面に切削刃が突出すると共にその両側面にはストッパとして機能する係合凸部が形成されてシャフトの軸方向に突出している。
これらにより、衝突時等にシャフトがロック固定されると、シートベルト(ウエビングベルト)に加わった引っ張り力によりリール(スプール)が円板基体の切削刃による切削を伴う抵抗に抗しながら、複数の円板体と共に回転する。リール(スプール)が所定量回転すると、円板基体の係合凸部が隣の円板体の係合凸部の一方の係合凸部に係合し、係合された円板体は静止する。つまり、円板基体の切削刃によるリール(スプール)の内面の切削が終了すると、その隣の円板体の切削刃によるリール(スプール)の内面の切削が開始される。以下同様に、切削を終了した円板体の隣の円板体が順に切削刃によってリール(スプール)の内面を切削し、リール(スプール)はこれに抗しながら回転するようになっている。
このため、前記緩衝装置では、例えば、乗員の体格に応じたフォースリミッタ荷重を設定するために、フォースリミッタ荷重を段階的に上げることも可能となっている。
特開平10−217909号公報
しかしながら、このような緩衝装置では、円板体群等は外周面に切削刃が突出形成されて側面に係合凸部が形成されるものであるため、円板体群等の各内部が有効利用されていない。このため、例えば、係合凸部によって装置は軸方向に大型化する。また、シャフトは円板基体のシャフトへの固定部に支持すべきトルクが伝達されるため高剛性である必要があるので、捩られることでエネルギー吸収するトーションバーを前記シャフトに代えて配設するのは難しい。このようにトーションバーによって荷重を得られない構造において、切削刃の切削のみで十分なフォースリミッタ荷重を得るためには、切削刃による切削量を増やす必要があるので、スプールは径方向に大型化することになる。以上のように、前記緩衝装置では装置の大型化という問題が生じる。
本発明は、上記事実を考慮して、フォースリミッタ荷重を段階的に上げることが可能で、かつ装置の小型化を図ることができるウエビング巻取装置を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明のウエビング巻取装置は、長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、外周部に前記ウエビングベルトを巻き取ると共に、前記ウエビングベルトの引き出しに伴い引出方向に回転するスプールと、前記スプールの軸方向一端側に設けられ、前記スプールと同軸的でかつ相対回転可能とされると共に前記スプールの回転力が伝わることで回転可能なロックベースと、車両急減速状態及び前記スプールが急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態で前記引出方向への前記ロックベースの回転を規制するロック手段と、一端が前記ロックベースに固定された状態で前記ロックベースと前記スプール側との間に掛け渡される長尺状部材と、前記スプール側に設けられ、前記ロック手段により前記引出方向への前記ロックベースの回転が規制された際に、前記スプールと前記ロックベースとの相対回転に伴って前記スプールに対して相対移動する前記長尺状部材をしごいて前記長尺状部材に抵抗を付与すると共に、前記長尺状部材が前記スプールに対して所定量相対移動した後に前記長尺状部材に抗して前記長尺状部材をしごく箇所となる部分を備えることによって前記長尺状部材の前記スプールに対する相対移動量に応じて前記長尺状部材をしごく箇所を増加させる抵抗付与手段と、を有する。
請求項1に記載する本発明のウエビング巻取装置によれば、スプールは、外周部にウエビングベルトを巻き取ると共に、ウエビングベルトの引き出しに伴い引出方向に回転する。これに対し、ロックベースは、スプールと同軸的でかつ相対回転可能とされると共にスプールの回転力が伝わることで回転可能となっている。ここで、車両急減速状態及びスプールが急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態になるとロック手段が引出方向へのロックベースの回転を規制する。このとき、ロックベースと、引出方向に回転するスプールとの間に相対回転が生じる。
一方、ロックベースとスプール側との間には長尺状部材が掛け渡されており、長尺状部材の一端はロックベースに固定されている。このため、ロック手段により引出方向へのロックベースの回転が規制された際には、スプールとロックベースとの相対回転に伴って長尺状部材がスプールに対して相対移動する。このとき、長尺状部材は、スプール側に設けられた抵抗付与手段によってしごかれて抵抗を付与される。このときに発生する長尺状部材のしごき荷重がフォースリミッタ荷重としてウエビングベルトに作用する。
ここで、抵抗付与手段は、長尺状部材がスプールに対して所定量相対移動した後に長尺状部材に抗して長尺状部材をしごく箇所となる部分を備えることによって、長尺状部材のスプールに対する相対移動量に応じて長尺状部材をしごく箇所を増加させる。このため、長尺状部材が抵抗付与手段によってしごかれる際のしごき荷重が段階的に上げられ、その結果、ウエビングベルトに作用するフォースリミッタ荷重が段階的に上げられる。
また、本願発明に係るウエビング巻取装置では、上記特許文献1の従来技術のような切削刃によってスプール内面を切削してフォースリミッタ荷重を得ているわけではないので、十分なフォースリミッタ荷重を得るために切削量を増やすような構造にする必要もなく、ひいてはスプールの径方向の大型化が抑えられる。
請求項2に記載する本発明のウエビング巻取装置は、請求項1記載の構成において、前記抵抗付与手段は、前記長尺状部材が係合されると共に、前記長尺状部材に対して相対移動した状態では前記長尺状部材をしごく複数の係合部と、前記複数の係合部の少なくともいずか1つと一体的に設けられ、前記スプールに対して前記長尺状部材が相対移動した際に前記長尺状部材と共に前記スプールに対して相対移動可能とされる単一の又は複数のベース部と、前記ベース部が前記スプールに対して所定量相対移動した後に前記ベース部が当ることで前記ベース部の相対移動を規制する規制部と、を含んで構成されている。
請求項2に記載する本発明のウエビング巻取装置によれば、長尺状部材が係合される複数の係合部は、長尺状部材に対して相対移動した状態では長尺状部材をしごく。また、複数の係合部の少なくともいずか1つと一体的に設けられた単一の又は複数のベース部は、スプールに対して長尺状部材が相対移動した際に長尺状部材と共にスプールに対して相対移動可能となっている。
すなわち、ロック手段により引出方向へのロックベースの回転が規制された際にスプールとロックベースとの相対回転に伴って長尺状部材がスプールに対して相対移動すると、ベース部及びこれと一体的に設けられた係合部は、長尺状部材と共にスプールに対して相対移動する。このとき、長尺状部材と共に移動する係合部は、長尺状部材に対して相対移動せず、長尺状部材をしごかない。
その後、ベース部がスプールに対して所定量相対移動するとベース部は規制部に当ることでスプールに対する相対移動が規制される。これにより、そのベース部と一体的に設けられた係合部は、長尺状部材に対して相対移動することになり、長尺状部材をしごく。このときに発生する長尺状部材のしごき荷重がフォースリミッタ荷重としてウエビングベルトに作用する。これにより、スプールに対するベース部の相対移動量に応じてフォースリミッタ荷重が高められる。
請求項3に記載する本発明のウエビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記長尺状部材の他端側及び前記抵抗付与手段は、前記スプールとは別体の箱体内に配設され、前記箱体が前記スプールに固定されている。
請求項3に記載する本発明のウエビング巻取装置によれば、長尺状部材の他端側及び抵抗付与手段は、スプールとは別体の箱体内に配設されてユニット化されており、箱体がスプールに固定されている。このため、スプールへの長尺状部材及び抵抗付与手段の組付け性やロックベースへの長尺状部材の組付け性が良い。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載のウエビング巻取装置によれば、フォースリミッタ荷重を段階的に上げることが可能で、かつ装置の小型化を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載のウエビング巻取装置によれば、構造の複雑化を抑えながらフォースリミッタ荷重を段階的に上げることが可能になるという優れた効果を有する。
請求項3に記載のウエビング巻取装置によれば、長尺状部材及び抵抗付与手段の組付け性を良好にすることができるという優れた効果を有する。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置について図1〜図4を用いて説明する。
図1には本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10の構成の概略が背面視の断面図により示されている。図1に示されるように、ウエビング巻取装置10は車体の所定部位に締結固定されるフレーム12を備えている。このフレーム12は一対の脚板14、16を備えている。脚板14、16の各々は平板状に形成されており、各々の厚さ方向に互いに対向している。脚板14と脚板16との間にはスプール18が配置されている。スプール18は軸方向が脚板14と脚板16との対向方向に沿った略円筒形状に形成されており、自らの中心軸線周りに回転可能とされている。
図2には、スプール18等を設置時の背面側斜め側方から見た状態の斜視図が示されている。図2に示されるように、このスプール18は、軸芯部を構成する円筒形状のスプール軸18Aを備えている。また、このスプール軸18Aの両端部には、略円板形状のフランジ部(以下、脚板14(図1参照)側に配置されるフランジ部を「第一フランジ部18B」と称し、脚板16(図1参照)側に配置されるフランジ部を「第二フランジ部18C」と称す)がそれぞれ形成されている。
図1に示されるスプール18には長尺帯状のウエビングベルト20の長手方向基端部が係止されている。スプール18は自らの中心軸線周り一方である巻取方向(矢印A方向(図2参照))に回転すると、ウエビングベルト20をその長手方向基端側からスプール軸18Aの外周部に層状に巻き取る。また、ウエビングベルト20を先端側へ引っ張るとスプール18に巻き取られているウエビングベルト20が引き出されると共にスプール18が巻取方向(矢印A方向(図2参照))とは反対の引出方向(矢印B方向(図2参照))に回転する。
スプール18の脚板14の側にはアダプタ22が設けられている。アダプタ22は、スプール18の脚板14の側の端部にて開口した被嵌挿部24に嵌め込まれている。被嵌挿部24の内周形状及びアダプタ22の外周形状は非円形とされており、被嵌挿部24に嵌挿されたアダプタ22はスプール18に対するスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能とされ、スプール18の中心軸線周りにスプール18及びアダプタ22の何れかの一方が回転すると何れかの他方が一体的に回転する。
アダプタ22は脚板14を貫通して、脚板14の側方(脚板14を介して脚板16とは反対側)でフレーム12に固定されたスプリングハウジング26内に入り込んでおり、アダプタ22がスプール18の中心軸線周りに回動自在にスプリングハウジング26に支持されている。スプリングハウジング26の内部には渦巻きばね等の付勢手段(図示省略)が収容されている。この付勢手段は一部がアダプタ22に直接又は間接的に連結されており、アダプタ22が引出方向に回転すると、アダプタ22を巻取方向に付勢する。なお、アダプタ22は、車両急減速時にスプール18を瞬時に巻取方向に回転させるプリテンショナーの構成部品の一つであってもよい。
一方、スプール18の軸方向一端側(脚板16側)には、ロックベース34(「ベースロック」ともいう)が設けられている。ロックベース34は、スプール18と同軸的に配置され、軸方向寸法が比較的長い円筒状の嵌挿部36を備えている。嵌挿部36に対応してスプール18には被嵌挿部38が形成されている。被嵌挿部38は内周形状がスプール18に対して同軸の円形とされてスプール18の脚板16側の端面にて開口している。被嵌挿部38の内径寸法は嵌挿部36の外径寸法よりも極僅かに大きく設定されている。被嵌挿部38に嵌挿部36が嵌挿された状態では、ロックベース34は、抜け止めされた状態でスプール18に対してスプール18の中心軸線周りに相対回転可能とされている。
また、脚板16の側方であって脚板16を介して脚板14とは反対側(すなわち、スプール18の軸方向一端部の側方)には、ロック手段としてのロック機構30のハウジング32がフレーム12に固定されている。ロック機構30には、公知のロック機構を適用することができるので、詳細な説明は省略するが、以下簡単に説明する。ロック機構30は、ロックプレート40を備えている。ロックプレート40は、ロックベース34に取り付けられ、スプール18の半径方向に沿って所定範囲で変位可能とされている。ロックプレート40の外周部には、ラチェット歯40Aが形成されておりロックプレート40がスプール18に対してスプール18の半径方向外側に変位すると、フレーム12の脚板16に形成されたラチェット孔17のラチェット歯17Aに噛み合い、引出方向へのロックベース34の回転を規制するようになっている。
また、これらのロックプレート40の近傍には、スプール18に対して同軸的で相対回転可能なVギヤ(図示省略)が設けられている。前記Vギヤは、図示しない圧縮コイルスプリング(付勢部材)によってスプール18側に機械的に連結されており、スプール18の回転に追従回転すると共に、この追従回転に抗する外力が前記Vギヤに付与された場合には前記圧縮コイルスプリングが弾性変形することでスプール18に対して相対回転する。前記Vギヤは、ロックプレート40に係合していると共に、前記Vギヤがスプール18に対して相対回転した際にはロックプレート40をスプール18の半径方向外側へ変位させるようになっている。
前記Vギヤの近傍には加速度センサ(図示省略)が設けられている。車両急減速状態で前記加速度センサが所定の大きさの車両の減速度を検知すると、前記Vギヤの回転はロック部材(図示省略)によってロックされる。また、スプールが急激に引出方向へ回転した状態でも同様に前記Vギヤの回転は前記ロック部材によってロックされる。これらによって、ロック機構30は、車両急減速状態及びスプール18が急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態で引出方向へのロックベース34の回転を規制するようになっている。
一方、スプール18には貫通孔42が貫通形成されている。貫通孔42は、スプール18に対して同軸的に形成され、その一端は被嵌挿部24の底部にて開口し、他端は被嵌挿部38の底部にて開口している。
貫通孔42の内側には、荷重吸収部材として連結部材を構成するトーションバー44(「トーションシャフト」ともいう)が設けられている。トーションバー44は脚板14側の端部にてアダプタ22に対するスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能な状態でアダプタ22に連結されている。また、トーションバー44は、脚板16側の端部にてロックベース34に対するスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能な状態でロックベース34に連結されている。
ここで、前述のように、ロックベース34はスプール18の中心軸線周りにスプール18に対して相対回転可能に嵌挿部36が被嵌挿部38に嵌挿されているものの、トーションバー44がスプール18及びロックベース34の双方に対してスプール18の中心軸線周りの相対回転が不能であることから、基本的にロックベース34は、スプール18に対して相対回転が不能で、スプール18と共にロックベース34が一体的に回転する(すなわち、スプール18の回転力が伝わることでロックベース34が回転する。)。また、このことより、ロックプレート40のラチェット歯40Aが脚板16におけるラチェット孔17のラチェット歯17Aに噛み合えば、引出方向へのスプール18の回転が規制される。
また、スプール18には、図1及び図2に示されるように、スプール軸18Aの外周部側に凹状の収容部18Dが形成されている。この収容部18D内には、スプール18とは別体の箱体としてのFLボックス50が収容されており、このFLボックス50は、スプール18に図示しない固定手段によって固定されている。
図2に示されるように、FLボックス50は、略矩形箱状とされ、底壁部50Aがスプール18の収容部18Dの底部上に配置されている。FLボックス50の側壁部50Cは、スプール18の第一フランジ部18B側に配置されており、この側壁部50Cに対向する側壁部50Bは、スプール18の第二フランジ部18C側に配置され、スプール18の第二フランジ部18C側に貫通形成された貫通孔18Eから露出している。また、側壁部50B、50C同士を連結する一対の第一壁部50D及び第二壁部50Eは、スプール18の中心軸線方向に平行な方向に沿って配置されている。なお、以下、第一、第二壁部50D、50Eが一対の側壁部50B、50Cを連結する方向をFLボックス50のボックス幅方向(矢印50W方向)という。一方、底壁部50Aの対向側を成す蓋部50Fは、スプール軸18Aの外周部と同じ曲率の円弧面を備えてウエビングベルト20(図1参照)の巻き取り面を構成している。
図3(A)には、FLボックス50内及びその周辺部が模式的に示されている。図3(A)に示されるように、FLボックス50内には、硬質な材料で構成された長尺状部材としてのワイヤ52の一部が配設されている。ワイヤ52は、その一端部54側がFLボックス50の外側に配置されている。図2に示されるように、ワイヤ52においてFLボックス50の外側に配置される部位は、FLボックス50の側壁部50Bに沿ってかつ円弧状に湾曲される円弧部55を備えると共に、その先端側がFLボックス50から離間する方向に略L字状に屈曲されている。円弧部55から屈曲されてワイヤ52の先端側を構成する一端部54の外周面には、凹溝54Aが形成されている。
なお、ワイヤ52の円弧部55に対応して、スプール18の第二フランジ部18C側には、設置状態の円弧部55を延長する位置に凹状のガイド溝部18Fが形成されている。このガイド溝部18Fは、FLボックス50から引き出されるワイヤ52をスプール18の中心軸線周りに案内するための案内用とされ、側面視でスプール18の中心軸線と同軸の円弧状に形成されている。なお、図3では、FLボックス50を基準に見てワイヤ52が引かれる方向(すなわちスプール18の引出方向とは反対の方向)を矢印Cで示す。
図1に示されるように、ロックベース34にはワイヤ52の一端部54側を挿通するためのワイヤ挿通孔34Aがスプール18の軸方向に対し平行に貫通形成されている。ワイヤ52の一端部54がロックベース34のワイヤ挿通孔34A内へ挿入された状態で、当該一端部54がロックベース34に固定されたプッシュナット48に圧入されることにより、ワイヤ52の一端部54に形成された凹溝54Aがプッシュナット48に係合している。これによりワイヤ52の一端部54側(一端側)がロックベース34に固定されている。この状態でロックベース34とスプール18側との間にワイヤ52が掛け渡されている。
なお、図1の二点鎖線で示されるワイヤ52の一端部54、ワイヤ挿通孔34A及びプッシュナット48は、図1の断面よりも手前側に配設される部位であり、かつ、図示の便宜上、ロックベース34をスプール18の中心軸線周りにある程度回転させた状態の位置でこれらの部位を示している。
一方、図3(A)に示されるように、ワイヤ52の他端側は、FLボックス50内に屈曲された状態で配設されている。以下、このワイヤ52の初期形状及び配置状態を詳細に説明する。
ワイヤ52には、円弧部55の一端部54側とは反対側の端部から第一曲部58Aにて略直角に屈曲されて直線状に形成された第一線部56Aが連続して設けられている。第一線部56Aは第二壁部50E寄りに配置されてボックス幅方向(矢印50W方向)に沿って延びている。第一線部56Aの円弧部55側とは反対側の端部からは第二曲部58Bにて第一壁部50D側(図中下側)へ直角よりもやや鋭角状に屈曲されて直線状に形成された第二線部56Bが連続して設けられている。
また、第二線部56Bの第一線部56A側とは反対側の端部からは第三曲部58Cにて側壁部50C側(図中左側)へ直角よりもやや鋭角状に屈曲されて直線状に形成された第三線部56Cが連続して設けられている。第三線部56Cは第一壁部50D寄りに配置されてボックス幅方向(矢印50W方向)に沿って延びている。第三線部56Cの第二線部56B側とは反対側の端部からは第四曲部58Dにて第二壁部50E側(図中上側)へ直角よりもやや鋭角状に屈曲されて直線状に形成された第四線部56Dが連続して設けられている。
また、第四線部56Dの第三線部56C側とは反対側の端部からは第五曲部58Eにて側壁部50C側(図中左側)へ直角よりもやや鋭角状に屈曲されて直線状に形成された第五線部56Eが連続して設けられている。第五線部56Eは第二壁部50E寄りに配置されてボックス幅方向(矢印50W方向)に沿って延びている。第五線部56Eの第四線部56D側とは反対側の端部からは第六曲部58Fにて第一壁部50D側(図中下側)へ直角よりもやや鋭角状に屈曲されて直線状に形成された第六線部56Fが連続して設けられている。
また、第六線部56Fの第五線部56E側とは反対側の端部からは第七曲部58Gにて側壁部50C側(図中左側)へ直角よりもやや鋭角状に屈曲されて直線状に形成された第七線部56Gが連続して設けられている。第七線部56Gはワイヤ52の他端の端末部とされ、第一壁部50D寄りに配置されてボックス幅方向(矢印50W方向)に沿って延びている。
このような形状のワイヤ52は、抵抗付与手段としてのしごき機構60の複数の係合部としてのFLピン62A、62B、62C、62D、62E、62F、62G(以下、適宜「FLピン62A〜62G」と略す)に係合されている。すなわち、ワイヤ52は、第一曲部58AがFLピン62Aに、第二曲部58BがFLピン62Bに、第三曲部58CがFLピン62Cに、第四曲部58DがFLピン62Dに、第五曲部58EがFLピン62Eに、第六曲部58FがFLピン62Fに、第七曲部58GがFLピン62Gに、それぞれ巻き掛けられる(掛け回される)ように係合されている。
FLピン62A〜62Gは、ワイヤ52に対して相対移動した状態ではワイヤ52をしごきながら曲げ変形させてワイヤ52に抵抗を付与するように、換言すれば、ワイヤ52の引張力に抗する荷重を付与するようになっている。なお、ワイヤ52の引張力に抗する荷重の設定は、FLピン62A〜62Gの径を変えることによって調整でき、その径が小さいほど前記荷重は大きくなる。
ここで、最も側壁部50B側(図中右側)に配置されるFLピン62Aは、しごき機構60の一部を構成する基板部64に固定されている。基板部64は、ボックス幅方向(矢印50W方向)に直交する方向を長手方向とする矩形板状とされ、FLボックス50に固定されている。
また、FLピン62B、62Cはベース部66Aに、FLピン62D、62Eはベース部66Bに、FLピン62F、62Gはベース部66Cに、それぞれ固定されて一体化されて(一体的に設けられて)いる。しごき機構60の一部を構成するベース部66A、66B、66C(以下、適宜「ベース部66A〜66C」と略す)は、ボックス幅方向(矢印50W方向)に直交する方向を長手方向とする矩形板状とされ、ボックス幅方向(矢印50W方向)に間隔をおいて配置されている。また、ベース部66A〜66Cは、FLボックス50内をボックス幅方向(矢印50W方向)にスライド移動可能とされており、スプール18に対してワイヤ52が相対移動した際にワイヤ52と共にスプール18に対して相対移動可能とされている。
換言すれば、FLボックス50内のワイヤ52がFLボックス50に対して側壁部50B側(矢印P方向)へ引かれるように相対移動する状態では、ベース部66A〜66Cは、FLピン62B、62C、62D、62E、62F、62G(以下、適宜「FLピン62B〜62G」と略す)を介してワイヤ52から荷重を受けることによって、FLボックス50に対して側壁部50B側(矢印P方向)へ相対的にスライド移動することが可能になっている。また、基板部64及びベース部66A、66Bは、規制部としても機能し、ベース部66A〜66CがFLボックス50及びスプール18に対して所定量相対移動した後に当該ベース部66A〜66Cが当ることで当該ベース部66A〜66Cの相対移動を規制するようになっている。なお、前記相対移動が規制されるまでのスプール18に対するベース部66A〜66Cの相対移動量は、ベース部66A〜66C毎に設定されている。
これらにより、FLボックス50内に配設されたしごき機構60は、図1に示されるスプール18側に設けられ、ロック機構30により引出方向へのロックベース34の回転が規制された際に、スプール18とロックベース34との相対回転に伴ってスプール18に対して相対移動するワイヤ52をしごいて(曲げ変形させて)ワイヤ52に抵抗を付与すると共に、ワイヤ52がスプール18に対して所定量相対移動した後にワイヤ52に抗してワイヤ52をしごく箇所(しごいて曲げ変形させる箇所)となる部分としてFLピン62B〜62G(図3参照)を備えることによってワイヤ52のスプール18に対する相対移動量に応じてワイヤ52をしごく箇所を経時的に(順次)増加させるようになっている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示される本ウエビング巻取装置10では、車両の乗員の身体にスプール18から引き出されたウエビングベルト20が装着されている状態で車両減速状態になり、この状態をロック機構30の加速度センサ(図示省略)が検知したり、また、車両減速状態での慣性により乗員の身体がスプール18を急激に引っ張ることでスプール18が急激に引出方向へ回転したりすると、ロック機構30が作動する。ロック機構30が作動すると、ロックプレート40のラチェット歯40Aがフレーム12におけるラチェット孔17のラチェット歯17Aに噛み合う。
これにより、ロックベース34の引出方向への回転が規制され、ひいては、スプール18の引出方向への回転が規制される。このように、スプール18の引出方向への回転が規制されることで、スプール18に巻き取られているウエビングベルト20の引き出しが規制されるので、車両急減速時に車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体がウエビングベルト20により強く拘束される。
このような状態で、車両前方側へ慣性移動しようとする乗員の身体がウエビングベルト20を引っ張ることでスプール18に付与される引出方向への回転力が、トーションバー44及びワイヤ52としごき機構60との係合構造の機械的強度を上回ると、トーションバー44の脚板16の側に対して脚板14の側が引出方向に捩じれるように塑性変形を開始して、引出方向への回転がロック機構30によって規制されたロックベース34に対し、スプール18が引出方向に相対回転を開始する。これにより、トーションバー44に捩じれ変形が生じる。
一方、ワイヤ52は、ロックベース34とスプール18側との間に掛け渡されており、ワイヤ52の一端はロックベース34に固定されている。このため、ロック機構30により引出方向へのロックベース34の回転が規制された際には、スプール18とロックベース34との相対回転に伴って、ワイヤ52がFLボックス50から引きずり出されてスプール18に対して相対移動する。
このとき、ワイヤ52は、スプール18側に設けられたしごき機構60によってしごかれて抵抗を付与される。すなわち、図3に示されるしごき機構60において、ワイヤ52が係合される複数のFLピン62A〜62Gは、ワイヤ52に対して相対移動した状態ではワイヤ52をしごく。このときに発生するワイヤ52のしごき荷重がフォースリミッタ荷重としてウエビングベルト20(図1参照)に作用する。
より具体的に説明すると、FLピン62B〜62Gと一体的に設けられたベース部66A〜66Cは、スプール18に対してワイヤ52が相対移動した際にワイヤ52と共にスプール18に対して相対移動可能となっている。すなわち、図1に示されるロック機構30により引出方向へのロックベース34の回転が規制された際にスプール18とロックベース34との相対回転に伴ってワイヤ52がスプール18に対して相対移動すると、まず、図3(A)に示されるベース部66A〜66C及びこれらと一体的に設けられたFLピン62B〜62Gは、ワイヤ52と共にFLボックス50ひいてはスプール18に対して側壁部50B側(矢印P方向)へ相対移動(スライド移動)する。
このとき、ワイヤ52における第二線部56Bから第七線部56Gまでの部位は、そのままの形状を保ちつつスプール18に対して相対移動する。そして、ワイヤ52と共に移動するFLピン62B〜62Gは、ワイヤ52に対して相対移動しないためワイヤ52をしごかない。つまり、初期段階では、基板部64を介してFLボックス50に固定されたFLピン62Aのみがワイヤ52をしごき、FLピン62Aによるしごき荷重がフォースリミッタ荷重としてウエビングベルト20(図1参照)に作用する。
その後、ベース部66A〜66Cがスプール18に対して所定量相対移動すると、図3(B)に示されるように、図中最も右側のベース部66Aが基板部64に当る。これによって、このベース部66Aは、スプール18に対する相対移動が規制され、スプール18に対して相対移動しない状態になる。
よって、図3(B)の状態以降においては、図中最も右側のベース部66Aと一体的に設けられたFLピン62B、62Cは、ワイヤ52に対して相対移動することになり、ワイヤ52をしごく。このときに発生するワイヤ52のしごき荷重は、FLピン62Aによるしごき荷重に、FLピン62B、62Cによるしごき荷重が加えられた荷重となり、一段階高いフォースリミッタ荷重としてウエビングベルト20(図1参照)に作用する。
その後さらに、ワイヤ52における第四線部56Dから第七線部56Gまでの部位がそのままの形状を保ちつつワイヤ52がスプール18に対して相対移動すると、図中左側二個のベース部66B、66Cがスプール18に対して所定量相対移動し、図3(C)に示されるように、図中右側から二番目のベース部66Bが図中最も右側のベース部66Aに当る。これによって、図中右側から二番目のベース部66Bは、スプール18に対する相対移動が規制され、スプール18に対して相対移動しない状態になる。
よって、図3(C)の状態以降においては、図中右側から二番目のベース部66Bと一体的に設けられたFLピン62D、62Eは、ワイヤ52に対して相対移動することになり、ワイヤ52をしごく。このときに発生するワイヤ52のしごき荷重は、FLピン62A、62B、62Cによるしごき荷重に、FLピン62D、62Eによるしごき荷重が加えられた荷重となり、さらに一段階高いフォースリミッタ荷重としてウエビングベルト20(図1参照)に作用する。
その後さらに、ワイヤ52における第六線部56Fから第七線部56Gまでの部位がそのままの形状を保ちつつワイヤ52がスプール18に対して相対移動すると、図中最も左側のベース部66Cがスプール18に対して所定量相対移動し、図3(D)に示されるように、図中最も左側のベース部66Cが図中右側から二番目のベース部66Bに当る。これによって、図中最も左側のベース部66Cは、スプール18に対する相対移動が規制され、スプール18に対して相対移動しない状態になる。
よって、図3(D)の状態以降は、図中最も左側のベース部66Cと一体的に設けられたFLピン62F、62Gは、ワイヤ52に対して相対移動することになり、ワイヤ52をしごく。このときに発生するワイヤ52のしごき荷重は、FLピン62A、62B、62C、62D、62Eによるしごき荷重に、FLピン62F、62Gによるしごき荷重が加えられた荷重となり、さらに一段階高いフォースリミッタ荷重としてウエビングベルト20(図1参照)に作用する。
このように、しごき機構60は、ワイヤ52がスプール18に対して所定量相対移動した後にワイヤ52に抗してワイヤ52をしごく箇所となる部分としてFLピン62B〜62Gを備えることによって、ワイヤ52のスプール18に対する相対移動量に応じてワイヤ52をしごく箇所を経時的に(順次)増加させる。このため、ワイヤ52がしごかれる際のしごき荷重が段階的に上げられ、その結果、図1に示されるスプール18とロックベース34との相対回転量(換言すれば、ウエビングベルト20の引出し量)に応じて、ウエビングベルト20に作用するフォースリミッタ荷重が段階的に上げられる。
なお、その後さらに、スプール18に対してワイヤ52が相対移動すると、図3(D)に示されるワイヤ52の他端側(第七線部56G側)は、FLピン62Gを抜けて(FLピン62Gとの係合状態が解除されて)FLピン62F側へ移動する。このとき、FLピン62Gによるしごき荷重分だけフォースリミッタ荷重が(一段階)下がる。以下、ワイヤ52の他端側は、FLピン62F、62E、62D、62C、62B、62Aの順でこれらとの係合状態が解除される。このため、フォースリミッタ荷重は一段階ずつ下がる。
図4には、本実施形態に係るウエビング巻取装置10のFL荷重特性(フォースリミッタ荷重特性)がグラフにて示されている。荷重F0は、トーションバー44の変形荷重である。FL荷重F1は、トーションバー44の変形荷重とFLピン62Aによるしごき荷重との和であり、FL荷重F2は、トーションバー44の変形荷重とFLピン62A、62B、62Cによるしごき荷重との和であり、FL荷重F3は、トーションバー44の変形荷重とFLピン62A、62B、62C、62D、62Eによるしごき荷重との和であり、FL荷重F3は、トーションバー44の変形荷重とFLピン62A、62B、62C、62D、62E、62F、62Gによるしごき荷重との和である。
また、ストロークS1は図3(B)の時点でのストロークであり、ストロークS2は図3(C)の時点でのストロークであり、ストロークS3は図3(D)の時点でのストロークであり、ストロークS4は図3(D)のワイヤ52の他端側とFLピン62Gとの係合状態が解除された時点でのストロークである。このように、ウエビング巻取装置10では、フォースリミッタ荷重が段階的に(多段階で)上げられ、エネルギーの吸収が図られる。
なお、図1に示される本実施形態に係るウエビング巻取装置10では、上記特許文献1の従来技術のような切削刃によってスプール内面を切削してフォースリミッタ荷重を得ているわけではないので、十分なフォースリミッタ荷重を得るために切削量を増やすような構造にする必要もなく、ひいてはスプール18の径方向の大型化が抑えられる。
また、本実施形態に係るウエビング巻取装置10では、ワイヤ52の他端側及びしごき機構60は、スプール18とは別体のFLボックス50内に配設されてユニット化されており、FLボックス50がスプール18に固定されている。このため、スプール18へのワイヤ52及びしごき機構60の組付け性やロックベース34へのワイヤ52の組付け性が良い。
以上説明したように、本実施形態に係るウエビング巻取装置10によれば、フォースリミッタ荷重を段階的に上げることが可能で、かつ装置の小型化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置について、図5を用いて説明する。図5には、本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置70のFLボックス50内及びその周辺部が模式的に示されている。
この図に示されるように、ウエビング巻取装置70は、抵抗付与手段としてのしごき構造部72の構成及び長尺状部材としてのワイヤ80の他端側の形状が第1の実施形態に係るウエビング巻取装置10のしごき機構60及びワイヤ52(図3参照)とは異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図5(A)に示されるワイヤ80は、第1の実施形態におけるワイヤ52(図1等参照)と同様に、一端がロックベース34(図1参照)に固定された状態でロックベース34とスプール18側との間に掛け渡されている。図5(A)に示されるように、ワイヤ80には、円弧部55の一端部54側とは反対側の端部から第一曲部84Aにて略直角に屈曲されて直線状に形成された第一線部82Aが連続して設けられている。第一線部82Aは第二壁部50Eに隣接して配置されてボックス幅方向(矢印50W方向)に沿って延びている。第一線部82Aの円弧部55側とは反対側の端部からは第二曲部84Bにて側壁部50B側(図中右側)へ折り返されて直線状に形成された第二線部82Bが連続して設けられている。なお、本実施形態では、ワイヤ80がFLボックス50から引き抜かれる際に第二壁部50Eがガイド面としても機能する。
このような形状のワイヤ80は、第一曲部84Aがしごき構造部72のFLピン74A(広義には「係合部分」として把握される要素である。)に予め巻き掛けられる(掛け回される)ように係合されている。このFLピン74Aは、FLボックス50に固定されている。
また、しごき構造部72は、FLピン74Bを備えている。FLピン74Bは、FLボックス50に固定されており、FLピン74Aとボックス幅方向50Wに直角な方向の位置を揃えて配置されている。また、FLピン74Bは、ワイヤ80の第一線部82Aの長手方向中間部(本実施形態では長手方向の中央部よりもやや側壁部50C寄り(図中左寄り)の部位)に隣接すると共に、ワイヤ80の第二線部82Bの先端部に隣接している。FLピン74Bの第一壁部50D側(図中下側)には、FLピン74Cが設けられている。FLピン74Cは、しごき構造部72を構成してFLボックス50に固定されており、FLピン74Bに対向する位置でワイヤ80の第二線部82Bに隣接している。換言すれば、FLピン74BとFLピン74Cとの間にワイヤ80の第二線部82Bの先端部が通されている。
しごき構造部72は、図1に示されるロック機構30により引出方向へのロックベース34の回転が規制された際に、スプール18とロックベース34との相対回転に伴ってスプール18に対して相対移動する図5に示されるワイヤ80をしごいて(曲げ変形させて)ワイヤ80に抵抗を付与すると共に、ワイヤ80がスプール18に対して所定量相対移動した後にワイヤ80に抗してワイヤ80をしごく箇所(しごいて曲げ変形させる箇所)となる部分として図5(B)に示されるFLピン74B、74Cを備えることによってワイヤ80のスプール18に対する相対移動量に応じてワイヤ80をしごく箇所を経時的に増加させるようになっている。
このような構成によれば、図1に示されるロック機構30により引出方向へのロックベース34の回転が規制された際に、ワイヤ80は、まず、図5(A)に示されるように、FLピン74Aのみによってしごかれる。そして、ワイヤ80がスプール18に対して所定量相対移動した後に、図5(B)に示されるように、FLピン74A、FLピン74B及びFLピン74Cによってしごかれることになる。このため、本実施形態によっても、フォースリミッタ荷重を段階的に上げることが可能で、かつ装置の小型化を図ることができる。
[実施形態の補足説明]
なお、上記第1、第2の実施形態では、図1に示されるように、ウエビング巻取装置10、70は、フォースリミッタ荷重の底上げを図るためにトーションバー44が配設された構造となっているが、ウエビング巻取装置は、例えば、スプールと共にロックベースを基本的には一体的に回転させる連結手段(スプールの回転力が伝わることでロックベースが回転可能な構造)を備えてトーションバーが配設されない構造としてもよい。
また、上記実施形態では、しごき機構60やしごき構造部72によってしごかれる対象の長尺状部材がワイヤ52、80で構成されているが、長尺状部材は、例えば、プレート等のような他の長尺状部材としてもよい。
また、上記実施形態では、ワイヤ52、80の他端側及びしごき機構60やしごき構造部72がスプール18とは別体のFLボックス50内に配設されると共に、FLボックス50がスプール18に固定された構成となっているが、ウエビング巻取装置は、例えば、箱体を設けずに(ユニット化せずに)ウエビングの他端側及び抵抗付与手段を直接スプール側に配設してもよい。
さらに、上記実施形態では、図3等に示されるワイヤ52、80に対して相対移動した状態でワイヤ52、80をしごく係合部(しごき部分)がFLピン62A〜62G、74A、74B、74Cとされているが、FLピン62A〜62G、74A、74B、74Cに代えて部材のコーナ部によってワイヤ52、80をしごいてワイヤ52、80に抵抗を付与してもよく、また、最も側壁部50B側に設けられたFLピン62A、74Aに代えて箱体の開口端の縁部等によってワイヤ52、80をしごいてワイヤ52、80に抵抗を付与してもよい。
さらにまた、上記第1の実施形態では、ベース部66A、66Bが規制部を兼ねているが、例えば、ベース部が規制部を兼ねずに、ベース部がスプールに対して所定量相対移動した後に当該ベース部が当ることで当該ベース部の相対移動を規制するストッパ(規制部)を別途設けてもよい。
なお、上記第1の実施形態では、ベース部66A〜66Cは計3個設けられているが、ベース部は1個でもよく3個以外の複数個でもよい。また、上記第1の実施形態では、ベース部66A〜66Cは、それぞれ2つのFLピン62B〜62Gと一体的に設けられているが、ベース部は1つの係合部と一体的に設けられてもよく3つ以上の係合部と一体的に設けられてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置の構成の概略を示す背面視の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置を構成するスプール及びFLボックスを分離した状態で示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置のFLボックス内及びその周辺部が模式的に示す模式図である。図3(A)は初期状態を示し、図3(B)は図中最も右側のベース部のスプールに対する相対移動が規制された状態を示し、図3(C)は図中右側から二番目のベース部のスプールに対する相対移動が規制された状態を示し、図3(D)は図中最も左側のベース部のスプールに対する相対移動が規制された状態を示す。 本発明の第1の実施形態に係るウエビング巻取装置のFL荷重特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るウエビング巻取装置のFLボックス内及びその周辺部が模式的に示す模式図である。図5(A)は初期状態を示し、図5(B)はワイヤがスプールに対して所定量相対移動した後の状態であって二本のFLピンでワイヤをしごく状態を示す。
符号の説明
10 ウエビング巻取装置
18 スプール
20 ウエビングベルト
30 ロック機構(ロック手段)
34 ロックベース
50 FLボックス(箱体)
52 ワイヤ(長尺状部材)
60 しごき機構(抵抗付与手段)
62A、62B、62C、62D、62E、62F、62G FLピン(係合部)
64 基板部(規制部)
66A ベース部(規制部)
66B ベース部(規制部)
66C ベース部
70 ウエビング巻取装置
72 しごき構造部(抵抗付与手段)
80 ワイヤ(長尺状部材)
B 引出方向

Claims (3)

  1. 長尺帯状のウエビングベルトの長手方向基端側が係止され、外周部に前記ウエビングベルトを巻き取ると共に、前記ウエビングベルトの引き出しに伴い引出方向に回転するスプールと、
    前記スプールの軸方向一端側に設けられ、前記スプールと同軸的でかつ相対回転可能とされると共に前記スプールの回転力が伝わることで回転可能なロックベースと、
    車両急減速状態及び前記スプールが急激に引出方向へ回転した状態の少なくともいずれかの一方の状態で前記引出方向への前記ロックベースの回転を規制するロック手段と、
    一端が前記ロックベースに固定された状態で前記ロックベースと前記スプール側との間に掛け渡される長尺状部材と、
    前記スプール側に設けられ、前記ロック手段により前記引出方向への前記ロックベースの回転が規制された際に、前記スプールと前記ロックベースとの相対回転に伴って前記スプールに対して相対移動する前記長尺状部材をしごいて前記長尺状部材に抵抗を付与すると共に、前記長尺状部材が前記スプールに対して所定量相対移動した後に前記長尺状部材に抗して前記長尺状部材をしごく箇所となる部分を備えることによって前記長尺状部材の前記スプールに対する相対移動量に応じて前記長尺状部材をしごく箇所を増加させる抵抗付与手段と、
    を有するウエビング巻取装置。
  2. 前記抵抗付与手段は、
    前記長尺状部材が係合されると共に、前記長尺状部材に対して相対移動した状態では前記長尺状部材をしごく複数の係合部と、
    前記複数の係合部の少なくともいずか1つと一体的に設けられ、前記スプールに対して前記長尺状部材が相対移動した際に前記長尺状部材と共に前記スプールに対して相対移動可能とされる単一の又は複数のベース部と、
    前記ベース部が前記スプールに対して所定量相対移動した後に前記ベース部が当ることで前記ベース部の相対移動を規制する規制部と、
    を含んで構成されている請求項1記載のウエビング巻取装置。
  3. 前記長尺状部材の他端側及び前記抵抗付与手段は、前記スプールとは別体の箱体内に配設され、前記箱体が前記スプールに固定されている請求項1又は請求項2に記載のウエビング巻取装置。
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