JP2010069913A - エアバッグ - Google Patents

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勝明 岩城
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Abstract

【課題】2つの基布パネルを接合することによって袋状のエアバッグを形成する場合に、当該接合部構造を簡単にして確実に接合可能とし、しかも接合処理工数の軽減を達成する。
【解決手段】第1の基布パネル11における角部を中にしてその両側に存する各辺部11aと、第2の基布パネル12における角部を中にしてその両側に存する各辺部12aとを、接合用基布パネル13を介して連結しており、接合用基布パネル13に、第1の基布パネル11または第2の基布パネル12の辺部近傍に沿って重合して接合される辺部接合部13b、13cを形成し、互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士が重合しないように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に所定以上の衝撃が加えられた際に展開膨張して乗員の保護を図るためのエアバッグに関するものである。
従来、この種の車両に搭載される乗員保護用のエアバッグは、シート状をなす織布或いは樹脂フィルム等を適切な形状及び寸法に裁断して形成した基布パネルを、1枚使用して折り重ねて袋状に形成する場合や、複数枚使用して互いに重ね合わせることにより袋状に形成する場合が知られている。
そして、かかる袋状に形成するにあたっては、基布パネルにおける互いに重ね合わせた周縁部同士を、縫着、接着又は溶着等により接合することにより行っている。
かかる構成を有するエアバッグは、その膨張展開時には、インフレータから発生する高圧のガスが基布パネルの接合部間が互いに離間する方向に引っ張られることになって、結果として、前記接合部に剥離力が作用してしまうことになる。
そこで、従来における他の技術においては、このような接合部に作用する剥離力に代えて、より一層高い接合が可能となる剪断力を作用させるために開発されたエアバッグが知られている(特許文献1参照)。
これによれば、第1及び第2のパネルシート(基布パネル)により袋状に形成されたエアバッグであって、前記第1パネルシートが、前記エアバッグの一側面をなす第1の多角形領域を備え、前記第2のパネルシートが、前記エアバッグの他側面をなすと共に前記第1の多角領域と同形状の第2の多角形領域と、該第2の多角形領域の外周縁に沿って延びると共に前記第1の多角形領域の周縁部に接合される辺部接合部と、前記第2の多角形領域の頂部に位置する頂部接合部とよりなり、前記第1及び第2のパネルシートが、エアバッグの内側を構成する一側同士で前記第1の多角形領域と前記第2の多角形領域とが対向配置されると共に、前記辺部接合部において前記第1のパネルシートのエアバッグの内側を構成する一側面と前記第2のパネルシートのエアバッグの外側を構成する他側面とが対向するように接合され、前記頂部接合部が前記第2の多角形領域から延びる折曲線に沿って山折り及び谷折りに折り曲げられて互いに接合されることにより前記エアバッグの内部に突出する重合片を形成しているものである。
かかる構成によって、第1及び第2のパネルシートがその周縁部同士を互いに接合することにより袋状に形成されて、第1のパネルシートの周縁部と第2パネルシートの辺部接合部とが、エアバッグの膨張展開時に剪断力が作用する構造を有していることになり、この結果、エアバッグの膨張展開時に両パネルシート間を互いに引離す力が加わっても、当該力は両パネルシート間の接合面に対する影響をほとんど生じないようにすることができるものである。
特開2005−343291号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたようなエアバッグは、第2の多角形領域と各辺部接合部との境界に位置する第1谷折り線に沿って谷折りされると共に、頂部接合部を第2の多角形領域から延びる折曲線に沿って山折り及び谷折りに折り曲げられて互いに接合される重合片としてなして、当該頂部接合部を第1の多角形領域の辺部接合部に接合することによって構成されていることから、第1パネルシートと第2パネルシートとの接合部構造が非常に複雑でしかも重合片における互いの接合を確実に行うことが難しく、接合処理工数を多く必要とすることになってしまう。
本発明は、かかる点に鑑み、織布或いは樹脂フィルム等のシート状体からなる2つの基布パネルを接合することによって袋状のエアバッグを形成する場合に、当該接合部構造を簡単にして確実に接合可能とするものとし、しかも接合処理工数の軽減を達成するエアバッグを提供することを目的とする。
そこで、本発明に係る発明は、第1の基布パネルと第2の基布パネルとを用いて袋状に形成されるエアバッグであって、前記第1の基布パネルは、前記エアバッグの一側面を構成する多角形状を呈すると共に、前記第2の基布パネルは、前記エアバッグの他側面を構成すべく前記第1の基布パネルに対応して多角形状を呈して構成し、且つ、前記第1の基布パネルにおける角部を中にしてその両側に存する各辺部と、前記第2の基布パネルにおける角部を中にしてその両側に存する各辺部とを、接合用基布パネルを介して連結しており、前記接合用基布パネルに、前記第1または第2の基布パネルの辺部近傍に沿って重合して接合する辺部接合部を形成し、互いに相隣する前記辺部接合部同士が重合しないように構成したことを特徴とするものである。
かかる構成によって、第1の基布パネル及び第2の基布パネルにおける各辺部同士を接合用基布パネルを介在させて接合する辺部接合部は、接合用基布パネルの基部に対して谷折りを一度行えば接合可能となることになり、当該接合部構造を簡単にして且つ確実接合可能となって、接合処理工数の軽減を達成することができる。
しかも、接合用基布パネルにおける互いに相隣する辺部接合部同士が、第1基布パネル及び第2の基布パネルの各辺部に接合した際に、互いに重合しないように構成したことから、第1及び第2基布パネルへの接合が一重の接合構造となって、構成簡単にして強固な接合構造にすることができる。
又、本発明は、上記発明における辺部接合部のうち一の辺部接合部を介して前記第1の基布パネルおよび前記第2の基布パネルが一体に形成されるようにしてもよい。
第1の基布パネル及び第2の基布パネルが、接合用基布パネルと共に一体形成されていることになり、部品点数を少なくすると共にエアバッグの製作工数を軽減することができる。
そして、本発明は、前記接合用基布パネルの互いに相隣する前記辺部接合部間において、前記エアバッグの内室を外部に連通させる連通孔を形成するようにしてもよい。
かかる構成を例えば当該エアバッグがステアリングハンドルに設置する運転者保護用エアバッグとして利用した場合に、車両の衝突時等に当該エアバッグが膨張展開した際には、連通孔は膨張展開したエアバッグの外周側部に存することになって、エアバッグ内室に充填されたガスの排気孔としてステアリングハンドル周囲構造によって塞がれることなく常に所定の機能を奏することになり、しかも、エアバッグのステアリングハンドルへの配置位置を適宜選択すれば、当該連通孔から排気されるガスから、ステアリングハンドルを握っている運転者の手等を回避させることができる。
又、本発明における第1基布パネルと第2基布パネルとは、互いに合同または相似形を成す多角形状に形成するようにしてもよい。
かかる構成により、形成されたエアバッグにおける接合用基布パネルの基部側に形成される角部が、第1の基布パネルおよび第2の基布パネルを互いに合同あるいは相似形にすることによって直線形状にすることができ、エアバッグの膨張展開形状を球状に近づけることができて、第1の基布パネルおよび第2の基布パネルと接合用基布パネルとの各接合部位にかかる引張り力をほぼ均一にすることができる。
更に、本発明における互いに相隣する辺部接合部同士の対向端面形状が、相補関係を有するように形成されるように構成するようにしてもよい。
かかる構成により、各辺部接合部における第1の基布パネル又は第2の基布パネルへの各辺部への接合力をバランスよくすることができ、接合強度を大きくすることができる。
本発明は、互いに多角形状を呈する第1の基布パネル及び第2の基布パネルの各辺部同士を接合用基布パネルを介在させて接合する場合、接合用基布パネルに設けた辺部接合部を一度谷折りすることにより接合可能となって、当該接合部構造を簡単にして且つ確実接合可能となって、接合処理工数の軽減を達成することができ、しかも、辺部接合部における互いに相隣する同士が、互いに重合しないように構成されていて、第1及び第2基布パネルへの接合が一重の接合構造となって、構成簡単にして強固な接合構造にすることができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と称す)について、以下図面を用いて説明する。
まず、図1乃至図3を用いて、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るエアバッグの分解斜視図、図2は同じく接合用基布パネルの展開状態を描画した平面図、図3は同じくエアバッグの斜視図、図4は図3のA−A断面図である。
エアバッグ10は、その一側面を構成する第1の基布パネル11と、その他側面を構成する第2の基布パネル12とを接合用基布パネル13を介して接合することにより袋状に形成されており、そして、第1の基布パネル11、第2の基布パネル12及び接合用基布パネル13は、それぞれシート状を成す織布又は樹脂フィルムにより形成されている。
第1の基布パネル11及び第2の基布パネル12は、共に合同または相似形の関係を有する六角形状に形成されており、各角部11−1、12−1を中にしてその両側に存する各辺部11a、12aは、接合用基布パネル13との接合部を構成している。そして、各辺部11a、12aは、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12がそれぞれ六角形を呈していることから、互いに6辺で構成していることになる。
接合用基布パネル13は、図2に示すように、帯状の基部13aにおける互いに対向する両側端部に、第1の基布パネル11の各辺部11aおよび第2の基布パネル12の各辺部12aに対応する辺部接合部13b、13cがそれぞれ形成されている。
本実施形態では、接合用基布パネル13は第1の基布パネル11および第2の基布パネル12とは別体構成としているが、たとえば辺部接合部13b、13cの何れか一方を第1の基布パネル11の各辺部11a或いは第2の基布パネル12の各辺部11aに形成することによって、第1の基布パネル11又は第2の基布パネル12に一体形成してもよく、又、辺部接合部13b、13cの一部を第1基布パネル11の各辺部11a側に一体に形成し、残りの辺部接合部13b、13cを第2の基布パネル12の各辺部12a側に一体に形成するようにしてもよい。
そして、互いに相隣する各辺部接合部13b、13c同士の間には、V字状にカット形成した切欠き部13dが形成されている。なお、切欠き部13dの形状は、正三角形や2等辺三角を呈する場合や、直角三角形或いは、辺形状が互いに波状に形成されている場合等、要するに、切欠き部13dによって形成された互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士の対向端面形状が、相補関係を有するように形成されるのが好ましい。
各辺部接合部13b、13cと基部13aとの境界線13Aは、谷折れ線13eになって、図1に示すように、各辺部接合部13b、13cを基部13aの内側に谷折りするようになっている。この際、互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士は、切欠き部13dの存在により互いに重合しないように構成されている。したがって、互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士は、図1に示すように、切欠き部13dの存在により互いに離間した状態となっている場合の他、互いに重合しない範囲で当接し合うように構成しても良い。
なお、第1の基布パネル11の略中央部には、エアバッグ10の膨張展開時における内圧を調整する排気孔としての連通孔15が形成されている。
かかる構成において、接合用基布パネル13を用いて、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12を接合することによって、エアバッグ10を形成するには、接合用基布パネル13の各辺部接合部13b、13cの外側表出面に、例えば加熱硬化型のシリコーンゴム系接着剤等の接着剤14を塗布しておき、次に、接着剤14が塗布された各辺部接合部13b、13cを、第1の基布パネル11の辺部11aおよび第2の基布パネル12の辺部12aの近傍に沿って図4に示すように接着することにより、図3に示す袋状のエアバッグ10を製作することになる。
この結果、接合用基布パネル13の基部13aは、エアバッグ10の耳部を構成することになる。
以上のように構成するエアバッグ10においては、第1の基布パネル11及び第2の基布パネル12における各辺部11a、12a同士を接合用基布パネル13を介在させて接合するとともに、当該辺部11a、12aを接合する接合用パネル13の辺部接合部13b、13cは、接合用基布パネル13の基部13aに対して谷折りを一度行えば接合可能となることになり、当該接合部構造を簡単にして且つ確実接合可能となって、接合処理工数の軽減を達成することができる。
また、接合用基布パネル13に設けた辺部接合部13b、13cは、互いに相隣する同士の間に切欠き部13dが存していることから、第1基布パネル11及び第2の基布パネル12の各辺部11a、12aに接合する際に、互いに重合されないことになって、第1基布パネル11及び第2基布パネル12への接合が一重の接合構造となって、構成簡単にして強固な接合構造にすることができる。
また、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12は、互いに合同又は相似形の関係を有する多角形を呈していることから、エアバッグ10における接合用基布パネル13の基部13aに、第1基布パネルおよび第2基布パネル12の各角部に対応して形成される角部が、直線形状に形成されることになり、エアバッグ10の膨張展開形状を球状に近づけることができて、第1の基布パネル11および第2の基布パネルと接合用基布パネル13との各接合部位にかかる引張り力をほぼ均一にすることができる。
更に、切欠き部13dによって形成された互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士の対向端面形状が、相補関係を有するように形成されるように構成されていることから、各辺部接合部13b、13cにおける第1の基布パネル11又は第2の基布パネル12の各辺部12a、13aへの接合力をバランスよくすることができ、接合強度を大きくすることができる。
次に、図5乃至図9に示す本発明に係る他の実施形態について説明する。
図5乃至図7は、本発明を採用した第2の実施形態を示しており、図5は本発明を採用した第2の実施形態に係るエアバッグの分解斜視図、図6は同じく第2の実施形態に係るエアバッグの斜視図、図7は図6のB円内を描画した部分拡大斜視図である。
かかる第2の実施の形態においては、先ず図5に示すように、第1の実施形態と同様に、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12は、互いに合同または相似形の関係を有する六角形状に形成されており、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12を接合用基布パネル13を介して接合することにより袋状のエアバッグ10を構成し、又、第1の基布パネル11、第2の基布パネル12及び接合用基布パネル13は、それぞれシート状を成す織布又は樹脂フィルムにより形成されている点、第1の実施の形態と同じである。
ただ、接合用基布パネル13が、6つの接合用基布パネル単片13−1乃至13−6で構成されている点が異なる。
そして、各接合用基布パネル単片13−1乃至13−6は、各帯状の基部13aにおける互いに対向する両端部に、第1の基布パネル11の各辺部11aおよび第2の基布パネル12の各辺部12aに対応する辺部接合部13b、13cがそれぞれ形成されている。
さらに、各辺部接合部13b、13cの両端部は、図5に示すように、外側から内側に例えば45度の角度で傾斜するように形成して、切欠き部13dを構成している。
又、各辺部接合部13b、13cと各基部13aとの境界線は、谷折れ線13eになって、図5に示すように、各辺部接合部13b、13cを基部13aの内側に谷折りするようになっている。
かかる構成において、各接合用基布パネル単片13−1乃至13−6を用いて、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12を接合することによって、エアバッグ10を形成するには、接合用基布パネル単片13−1乃至13−6の各辺部接合部13b、13cの外側表出面に、例えば加熱硬化型のシリコーンゴム系接着剤等の接着材を塗布しておき、次に、当該接着剤が塗布された各辺部接合部13b、13cを、第1の基布パネル11の辺部11aおよび第2の基布パネル12の辺部12aの内壁に接着することにより、図6に示すエアバッグ10が製作されることになる。
この結果、接合用基布パネル単片13−1乃至13−6の各基部13aは、エアバッグ10の耳部を構成しており、しかも、互いに相隣する辺部接合部13b、13c間は、切欠き部13dの存在により互いに離間した状態となって、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12にそれぞれ接合されていることから、図7に示すように、エアバッグ10の内室を外部に連通させるための連通孔15を形成していることになる。但し、第1の実施形態と同様に、たとえば第1の基布パネル11側に連通孔15を形成するようにすれば、互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士を互いに当接接合するようにできることになる。
なお、互いに相隣する辺部接合部13b、13c間において、切欠き部13dの存在により連通孔15を形成するようにしているが、これに限定されるものではなく、互いに相隣する辺部接合部13b、13cは、第1の基布パネル11の各辺部11a或いは第2の基布パネル12の各辺部12aに接合した際、重合しないように構成できれば、互いを単に切離した状態にしてもよい。
以上のように構成する本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施の形態と同様に、エアバッグ10においては、第1の基布パネル11及び第2の基布パネル12における各辺部11a、12a同士を別体の接合用基布パネル単片13−1乃至13−6を介在させて接合するとともに、当該辺部11a、12aを接合する接合用基布パネル単片13−1乃至13−6の各辺部接合部13b、13cは、接合用基布パネル単片13−1乃至13−6の各基部13aに対して谷折りを一度行えば接合可能となることになり、当該接合部構造を簡単にして且つ確実接合可能となって、接合処理工数の軽減を達成することができる。
また、接合用基布パネル単片13−1乃至13−6に設けた各辺部接合部13b、13cは、互いに相隣するする同士の間に切欠き部13dが存していることから、第1基布パネル11及び第2の基布パネル12の各辺部11a、12aに接合する際に、互いに重合しないことになって、第1基布パネル11及び第2基布パネル12への接合が一重の接合構造となって、構成簡単にして強固な接合構造にすることができる。
また、第1の基布パネル11および第2の基布パネル12は、互いに合同又は相似形の関係を有する多角形を呈していることから、エアバッグ10における接合用基布パネル13の基部13aに、第1基布パネルおよび第2基布パネル12の各角部に対応して形成される角部が、直線形状に形成されることになり、エアバッグ10の膨張展開形状を球状に近づけることができて、第1の基布パネル11および第2の基布パネルと接合用基布パネル13との各接合部位にかかる引張り力をほぼ均一にすることができる。
更に、切欠き部13dによって形成された互いに相隣する辺部接合部13b、13c同士の対向端面形状が、相補関係を有するように形成されるように構成されていることから、各辺部接合部13b、13cにおける第1の基布パネル11又は第2の基布パネル12の各辺部11a、12aへの接合力をバランスよくすることができ、接合強度を大きくすることができる。
そして、第2の実施の形態においては、図8に示すように、エアバッグ10を運転者保護用エアバッグとして構成すべくステアリングハンドル16のパッド部に設置した場合、車両の衝突時等においては、エアバッグ10は、ステアリングハンドル16上に膨張展開することになるが、この場合、車両の衝突時等にエアバッグ10が膨張展開した際には、連通孔15は膨張展開したエアバッグ10の外周側部に存することになって、エアバッグ10の内室に充填されたガスの排気孔としてステアリングハンドル16の周囲構造によって塞がれることなく常に所定の機能を奏することになり、しかも、エアバッグ10のステアリングハンドル16への配置位置を適宜選択すれば、該連通孔15から排気されるガスから、ステアリングハンドル16を握っている運転者の手17等を回避させることができる。
なお、互いに隣り合う切欠き部13dの形状は、第1の実施形態と同様に相補関係を有するように形成されるのが好ましく、例えば、上記実施の形態のように、直線状に形成するばかりでなく、図10に示すように、波形に形成するようにしてもよい。
次に、図9を用いて、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
図9図によれば、上記実施の形態と同様に、第1の基布パネル11が、エアバッグ10の一側面を構成する多角形状を呈すると共に、第2の基布パネル12が、エアバッグ10の他側面を構成すべく第1の基布パネル11に対応して多角形状を呈して構成し、且つ、第1の基布パネル11における角部を中にしてその両側に存する各辺部11aと、第2の基布パネル12における角部を中にしてその両側に存する各辺部12aとを、接合用基布パネル13を介して接合している。
但し、接合用基布パネル13は、第1の基布パネル11の一の辺部11a―1及び第2の基布パネル12の一の辺部12a−1に一体に連結形成する一の辺部接合部13b−2と、第1の基布パネル11における残りの辺部11a−2にそれぞれ一体に形成した他の辺部接合部13b−3とで構成することによって、第1の基布パネル11及び記第2基布パネル12とを接合用基布パネル13を含めて一枚構成の基布パネルとして構成し、且つ、互いに相隣する辺部接合部13b−2、13b−3同士の間に切欠き部13dを形成して、他の辺部接合部13b−3を第2の基布パネル12の各残りの辺部12a−1にそれぞれ接合した際に互いに相隣する辺部接合部13b−2および13b−3同士が重合しないように構成したものである。
かかる構成によって、第1の基布パネル11及び第2の基布パネル12における各他の辺部11a―2同士を接合する接合用基布パネルの辺部接合部のうち、一の辺部接合部13b−2は、第1の基布パネル11の一の辺部11a−1及び第2の基布パネル12の一の辺部11b−1に一体に形成していることから、両辺部11a−1、12a−1との境界部(波線視参照)を谷折りし、又、13接合用基布パネルの他の辺部接合部13b−3は、第1基布パネル11における残りの辺部11a−2にそれぞれ一体に形成したことから、第1の基布パネル11における残りの辺部11a−2との境界部を一回谷折りすれば、第1の基布パネル11及び第2の基布パネル12における各辺部同士が接合可能となり、当該接合部構造を簡単にして且つ確実接合可能となって、接合処理工数の軽減を達成することができる。
しかも、接合用基布パネル13に設けた辺部接合部13b−2、13b−3は、互いに相隣するする同士の間に切欠き部13dが存していることから、第1基布パネル11及び第2の基布パネル12の各辺部に接合する際に、互いに重合されないことになって、第111及び第2基布パネル12への接合が一重の接合構造となって、構成簡単にして強固な接合構造にすることができる。
なお上記第3の実施形態においては、他の辺部接合部13b−3を第1の基布パネル11側に一体に形成したが、これに限定されるものではなく、第2の基布パネル12側に一体に形成するようにしても良い。
本発明は、互いに多角形状を呈する第1の基布パネル及び第2の基布パネルの各辺部同士を接合用基布パネルを介在させて接合する場合、接合用基布パネルに設けた辺部接合部を一度谷折りすることにより接合可能となって、当該接合部構造を簡単にして且つ確実接合可能となって、接合処理工数の軽減を達成することができ、しかも、辺部接合部における互いに相隣する同士が、互いに重合しないように構成されていて、第1及び第2基布パネルへの接合が一重の接合構造となって、構成簡単にして強固な接合構造にすることができる。
このために、自動車等の車両に所定以上の衝撃が加えられる際に展開膨張して乗員の保護を図るためのエアバッグ等に好適である。
本発明を採用した第1の実施形態に係るエアバッグの分解斜視図である。 同じく、第1の実施形態に係る接合用基布パネルの展開状態を描画した平面図である。 同じく第1の実施形態に係るエアバッグの斜視図である。 図3のA−A断面図である。 本発明を採用した第2の実施形態に係るエアバッグの分解斜視図である。 同じく、本発明を採用した第2の実施形態に係るエアバッグの斜視図である。 図6のB円内を描画した部分拡大斜視図である。 同じく、本発明を採用した第2の実施形態に係るエアバッグを運転者用保護バッグとして適用した場合の展開状態を描画した図である。 本発明を採用した第3の実施形態に係るエアバッグとして形成する前の展開平面図である。 本発明に係る接合用基布パネルの他の実施形態による部分的斜視図である。
符号の説明
10 エアバッグ
11 第1の基布パネル
11a 辺部
11a−1 一の辺部
11a−2 他の辺部
12 第2の基布パネル
12a−1 一の辺部
12a−2 他の辺部
13 接合用基布パネル
13−1乃至13−6 接合用基布パネル単片
13a 基部
13b、13c 辺部接合部
13b−2 一の辺部接合部
13b−3 他の辺部接合部
13e 谷折れ線
15 連通孔

Claims (5)

  1. 第1の基布パネルと第2の基布パネルとを用いて袋状に形成されるエアバッグであって、
    前記第1の基布パネルは、前記エアバッグの一側面を構成する多角形状を呈すると共に、
    前記第2の基布パネルは、前記エアバッグの他側面を構成すべく前記第1の基布パネルに対応して多角形状を呈して構成し、
    且つ、前記第1の基布パネルにおける角部を中にしてその両側に存する各辺部と、前記第2の基布パネルにおける角部を中にしてその両側に存する各辺部とを、接合用基布パネルを介して連結しており、
    前記接合用基布パネルに、前記第1または第2の基布パネルの辺部近傍に沿って重合して接合する辺部接合部を形成し、互いに相隣する前記辺部接合部同士が重合しないように構成したことを特徴とするエアバッグ。
  2. 前記辺部接合部のうち一の辺部接合部を介して前記第1の基布パネルおよび前記第2の基布パネルが一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 前記接合用基布パネルの互いに相隣する前記辺部接合部間において、前記エアバッグの内室を外部に連通させる連通孔を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアバッグ。
  4. 前記第1基布パネルと前記第2基布パネルとは、互いに合同または相似形を成す多角形状に形成していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一に記載のエアバッグ。
  5. 前記互いに相隣する辺部接合部同士の対向端面形状が、相補関係を有するように形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のエアバッグ。
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