JP2010069789A - 基材の被覆方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔性ポリイミド成形体を用いた基材の被覆方法を提供する。
【解決手段】ポリイミド相と無機酸化物相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して、その無機酸化物相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミド成形体を用いて、基材の表面を覆い、かかる多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加熱する。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材の被覆方法に関するものである。
ポリイミドは、電気特性(低誘電性)、耐熱性、機械的強度、耐薬品性や成形性等に非常に優れているところから、近年、様々な分野において使用されている。ここで、ポリイミドの使用形態は、各用途に応じたものが適宜に採用されているのであり、例えば、従来は金属製であった部品等に代えてポリイミド成形品を使用したり、また、上述の如きポリイミドの優れた特性を効果的に利用すべく、金属或いは他の樹脂等からなる従来の部品等の表面をポリイミドで被覆し、或いはその一部をポリイミド製とすることにより、従来のものと比較して、より優れた特性を発揮する部品等が使用されている。
そのようなポリイミドを用いた部品等の製造方法等としては、従来より様々な方法が提案されている。具体的には、ポリイミドの特性を十分に生かしたフレキシブルプリント基板の製造方法として、特許文献1(特開2007−62072号公報)において、ガラス転移点が150℃以上である熱可塑性樹脂とガラス転移点が350℃以上であるポリイミドをそれぞれフィルム状に成形し、熱可塑性樹脂フィルムの両側にポリイミドフィルムを熱可塑性樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱圧着して張り合わせることを特徴とするポリイミド基板の製造方法が提案されいる。また、金属等からなる部品におけるポリイミドの特性が要求される部位に、容易にポリイミド成形体の被覆を行なうことが出来る被覆方法として、特許文献2(特開平10−278111号公報)においては、焼成時の収縮量が0.05mm以上のポリイミド前駆体の無端状の成形体を被覆しようとする部位に嵌め、次いでこれを焼成することを特徴とするポリイミド成形体を基材表面に被覆する方法が、提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示のポリイミド基板の製造方法や、特許文献2に開示のポリイミド成形体を基材表面に被覆する方法、或いは、その他の従来の方法に従うことにより、ポリイミドを用いた部品等を製造することが可能ではあるものの、ポリイミドの用途がより一層拡大している現状に鑑みれば、新規な方法の開発が望まれているのである。
ところで、本発明者等の一部は、先に、新規な構造を呈するポリイミドとして、ポリイミド相とシリカ相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して、該シリカ相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミドを提案している(PCT/JP2008/055007)。
なお、多孔性ポリイミドについては、非特許文献1においても開示されているが、かかる非特許文献1に開示されている多孔性ポリイミドと、本発明者等の一部が先に提案した多孔性ポリイミドとは、構造上、全く別のものである。即ち、非特許文献1の多孔性ポリイミドは、シリカ微粒子の分散相を有する直鎖状ポリイミド(以下、本段落においてシリカ微粒子含有ポリイミドという)からシリカ微粒子を除去して得られるものであり、かかるシリカ微粒子含有ポリイミドは、ポリイミド分子とシリカ微粒子とが単に混合しているに過ぎないものであって、それらポリイミド分子とシリカ微粒子との間に特段の化学結合が存在しないことは、非特許文献1の記載より明らかなところである。
特開2007−62072号公報 特開平10−278111号公報 L. Jiang et al.、「A methodology for the preparation of nanoporus polyimide films with low dielectric constants」、Thin Solid films、米国、Elsevier B.V.、2006年6月3日発行、第510巻、p.241-246
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、ポリイミド成形体を用いた基材の被覆方法であって、従来にはない新規な方法を提供することにある。
そして、本発明者等は、先に提案したものを初めとする各種の多孔性ポリイミドについて研究を重ねたところ、所定の多孔性ポリイミドを加熱すると効果的に熱収縮し、また、その成形体にて覆われた基材を加熱すると、基材との間において良好な密着性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、ポリイミド相と無機酸化物相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して、該無機酸化物相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミド成形体を用いて、基材の表面を覆い、かかる多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加熱することを特徴とする基材の被覆方法を、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に係る被覆方法の好ましい態様の一つにおいては、前記無機酸化物相がシリカ相である。
また、本発明に従う被覆方法の好ましい態様の他の一つにおいては、前記ポリイミド相が、少なくともその一部に三次元構造を有するものである。
さらに、本発明の被覆方法における望ましい態様の一つにおいては、前記基材が板状体であり、且つ前記多孔性ポリイミド成形体がフィルム状物である。
さらにまた、本発明に係る被覆方法の別の望ましい態様の一つにおいては、前記多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加圧下で加熱する。
加えて、本発明の被覆方法においては、好ましくは、前記ポリイミド成形体の空孔率が1〜70%である。
このように、本発明に従う基材の被覆方法にあっては、基材に被覆せしめるポリイミドとして、所定の多孔性ポリイミドからなる成形体を用いるものである。即ち、本発明において用いられる多孔性ポリイミド成形体は、ポリイミド相と無機酸化物相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して、かかるシリカ相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミドからなるものである。この有機−無機ポリマーハイブリッドに含まれる無機酸化物相は、非常に微細な(ナノスケールの)ものであり、そのような特徴的な構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して無機酸化物相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミドにおいては、従来の多孔性ポリイミドと比較して、より微細な(ナノスケールの)空孔が形成せしめられている。従って、かかる多孔性ポリイミドよりなる成形体にて覆われた基材を加熱すると、多孔性ポリイミド成形体は、加熱によって効果的に熱収縮すると共に、基材との間において優れた密着性を発揮することとなるのであり、以て、基材の表面が効果的に被覆せしめられるのである。
また、有機−無機ポリマーハイブリッド中のポリイミド相が、少なくともその一部に三次元構造を有するものである場合には、かかる有機−無機ポリマーハイブリッド分子が有利に三次元構造を呈し、より多量のシリカ相を含有することが可能ならしめられることから、そのような多量のシリカ相を除去して得られる多孔性ポリイミドの空孔率は、有利に向上し、加熱した際の収縮率も優れたものとなる。従って、収縮率のより優れた多孔性ポリイミドからなる成形体を用いることにより、基材表面の被覆をより有利に実施することが可能となるのである。
ところで、本発明に従う基材の被覆方法を実施するに際しては、先ず、多孔性ポリイミド成形体及び基材が準備されることとなる。
ここで、本発明において用いられる基材の材質としては、後述する多孔性ポリイミド成形体を熱収縮させるための加熱によって変性等しないものであれば、如何なるものであっても採用可能であり、また、その形状も、板状のみならず箔状や線状等を呈するものに対しても、本発明を適用することが可能である。具体的には、シリコンウェハ、アルミ板やカプトンフィルム(「カプトン」は東レ・デュポン株式会社の商品名)等に加えて、Cu、Fe、SUS等の金属或いはそれらの酸化物や、ガラス等の無機物質、或いは、アクリル、エポキシ、オレフィン系樹脂等の有機材料からなる種々の形状を呈するものを、基材として使用することが出来る。
一方、本発明において、基材の表面を被覆するための用いられる多孔性ポリイミド成形体は、上述したように、ポリイミド相と無機酸化物相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドから、無機酸化物相を除去することにより得られる多孔性ポリイミドからなるものである。以下においては、先ず、ポリイミド相とシリカ相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドの合成について詳述する。
そのような有機−無機ポリマーハイブリッドの合成方法は、シリカ相の導入方法によって、A)シリカ微粒子を用いた有機−無機ポリマーハイブリッドの合成方法と、B)ゾル−ゲル法を用いた有機−無機ポリマーハイブリッドの合成方法とに大別される。
A)シリカ微粒子を用いた有機−無機ポリマーハイブリッドの合成方法
以下に、1)先ず、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン及び/又はトリアミンとを反応せしめてポリアミド酸を合成し、2)次いで、得られたポリアミド酸と、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤とを反応せしめて、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸を得、3)そして、かかる末端が変性されたポリアミド酸とシリカ微粒子とを用いて、有機−無機ポリマーハイブリッドを合成する手法を詳述する。
ポリアミド酸を合成するに際して用いられ得るテトラカルボン酸二無水物としては、従来より公知の各種のものであれば、何れも用いることが可能であり、それら公知のものの中から、目的とする多孔性ポリイミドに応じた一種若しくは二種以上のものが、適宜に選択されて、用いられることとなる。
具体的には、無水ピロメリット酸(PMDA)、オキシジフタル酸二無水物(OPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物を、例示することが出来る。また、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ペンタン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサ−1−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−3−エチルシクロヘキサ−1−エン−3−(1,2),5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−エチルシクロヘキサン−1−(1,2),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−プロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピルシクロヘキサン−1−(2,3),3−(2,3)−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物についても、使用可能である。
なお、そのようなテトラカルボン酸二無水物(A2 )に対して、トリアミン(B3 )を反応させると、所謂A2 +B3 系重縮合によって、デンドリティック構造(樹木状構造)を有する多分岐ポリアミド酸が得られる。本明細書において、多分岐ポリアミド酸(多分岐ポリイミド)とは、全体がデンドリティック構造を呈するポリアミド酸(ポリイミド)は勿論のこと、分子内の少なくとも一部に三次元構造を有するポリアミド酸(ポリイミド)をも含むものであり、また、単にポリアミド酸(ポリイミド)と記載した場合でも、特段の場合を除いて、多分岐ポリアミド酸(多分岐ポリイミド)も含まれ得ることは、言うまでもないところである。実施例においては、部分的に直鎖部位を有する三次元構造を呈するポリアミド酸(ポリイミド)を、[多分岐−直鎖]ポリアミド酸(ポリイミド)としている。
本発明において用いられるトリアミンとしては、分子内に3個のアミノ基を有する化合物であれば、如何なるものであっても使用可能である。具体的には、1,3,5−トリアミノベンゼン、トリス(3−アミノフェニル)アミン、トリス(4−アミノフェニル)アミン、トリス(3−アミノフェニル)ベンゼン、トリス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)トリアジン、3,3’,5−トリアミノビフェニル、3,3’,5−トリアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタン、2−アミノ−9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2−アミノ−9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレン等の芳香族トリアミンを、例示することが出来る。それらの中でも、本発明においては、好ましくは分子構造が対称形を呈するものが用いられる。即ち、ベンゼン環やトリアジン環の1,3,5位にアミノ基を有するトリアミン化合物が有利に用いられるのであり、そのような芳香族トリアミンとしては、1,3,5−トリアミノベンゼン、トリス(3−アミノフェニル)アミン、トリス(4−アミノフェニル)アミン、トリス(3−アミノフェニル)ベンゼン、トリス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)トリアジン等が挙げられる。
本発明においては、ポリアミド酸を合成するに際して、上述のようなトリアミンと共に、或いは2種以上のトリアミンのうちの1種のものに代えて、ジアミンを使用することも可能である。トリアミンとジアミンを併用した場合には、得られるポリアミド酸分子が、デンドリティック構造を基本としつつ分子内に直鎖構造(直鎖部位)を有するものとなり、その結果、ポリアミド酸の粘性が、トリアミンのみを用いて得られる多分岐ポリアミド酸との比較において向上する。従って、本発明において用いられる多孔性ポリイミド成形体のフィルム状物を作製する際に、例えば、トリアミンと共にジアミンを併用すると、その厚膜化が容易となるという利点がある。なお、トリアミンに対してジアミンの使用量が多過ぎる場合や、ジアミンのみを使用する場合は、最終的に得られる多孔性ポリイミドの透明性を確保するために、有機−無機ポリマーハイブリッド中にシリカ相の含有量を制限することが必要となる場合がある。
本発明において用いられ得るジアミンとしては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニール、ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−アミノフェノキシフェニル]スルホン、2,2−ビス[(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンや9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ジアミベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、5,7−ジアミノ−1,1,4,6−テトラメチルインダイン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(4−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−エチルベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)−5−sec−ブチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)−4−tert−ブチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,3−ジメチルベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−3−n−ブチルベンゼン、1,2−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(アミノフェノキシ)3−フェニルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−エチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−n−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−i−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−t−ブチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−メチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−エチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−エチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−エチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−n−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−n−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−n−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−n−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−i−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−i−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−i−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−i−プロピルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−t−ブチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−t−ブチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−t−ブチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−t−ブチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−トリフロオロメチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−トリフロオロメチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−トリフロオロメチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−トリフロオロメチルフェノキシ)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフ
ェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−3−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−4−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−5−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(2−アミノ−6−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−2−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−4−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−5−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−2−エチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−4−エチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−5−エチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−6−エチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−2−n−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−4−n−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−5−n−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−6−n−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−2−i−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−4−i−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−5−i−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−6−i−プロピルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−2−t−ブチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−4−t−ブチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−5−t−ブチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−6−t−ブチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−2−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−4−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−5−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(3−アミノ−6−トリフロオロメチルフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−エチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3−トリフルオロメチルフェニル〕フルオレン、9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジエチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジ−n−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジ−i−プロピルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〕フルオレン、9,9−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕フルオレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミノン、2,2′−ジアミノビフェニル、2,3′−ジアミノビフェニル、2,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、3,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−ジアミノビフェニル、2−(3−アミノフェニル)−3′−アミノビフェニル、2,2′−ビス(3−アミノフェニル)ビフェニル、2,2′−ジアミノジフェニルエーテル、2,3′−ジアミノジフェニルエーテル、2,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(2−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス〔3−(2−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(2−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等の芳香族ジアミンを例示することが出来る。また、本発明においては、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、シス−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、1,3−ジアミノアダマンタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−プロパンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂肪族ジアミンも、使用可能である。
なお、本発明においては、上述したトリアミン等と共に、シロキサンジアミンや、分子内にアミノ基を4個以上有するアミン化合物を、トリアミン等と共重合せしめた状態にて、或いは、多分岐ポリアミド酸合成時にトリアミン等と同時に添加することにより、使用することも可能である。そのようなシロキサンジアミンとしては、(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、ビス(アミノフェノキシ)ジメチルシランやビス(3−アミノプロピル)ポリメチルジシロキサン等が挙げられ、また、分子内にアミノ基を4個以上有するアミン化合物としては、トリス(3,5−ジアミノフェニル)ベンゼン、トリス(3,5−ジアミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
また、上述してきた、テトラカルボン酸二無水物、トリアミン、ジアミン、及び分子内にアミノ基を4個以上有するアミン化合物の各化合物におけるベンゼン環に、炭化水素基(アルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン基、アルコキシ基、アセチル基、スルホン酸基等の置換基を有する誘導体であっても、本発明においては、用いることが可能である。
そのようなテトラカルボン酸二無水物と、トリアミン(及び、ジアミン、シロキサンジアミン、或いは分子内にアミノ基を4個以上有するアミン化合物。以下、適宜アミン成分という。)との反応は、比較的低温、具体的には100℃以下、好ましくは50℃以下の温度下において実施することが好ましい。また、テトラカルボン酸二無水物とアミン成分は、テトラカルボン酸二無水物に由来する酸無水物基の総数:αと、アミン成分に由来するアミノ基の総数:βとが、α:β=1.0:0.3〜1.0:1.5を満たすような、好ましくは、α:β=1.0:0.3〜1.0:0.5、或いはα:β=1.0:1.0〜1.0:1.5を満たすような量的割合において、反応せしめることが好ましい。
さらに、ポリアミド酸の合成は、所定の溶媒内にて行なうことが好ましい。本発明において用いられ得る溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチルスルホン、ヘキサメチルスルホン、ヘキサメチルフォスホアミド等の非プロトン性極性溶媒や、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、p−クロロフェノール、m−クロロフェノール、o−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のエーテル系溶媒の他、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピリジン、ピコリン、ジメチルスルホン、テトラメチル尿素等を挙げることが出来、これらは単独で、若しくは二種以上の混合溶媒として、使用することが可能である。
次いで、上述のようにして得られたポリアミド酸と、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤とが反応せしめられる。これにより得られる、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸を用いることにより、後述するシリカ微粒子をより多く配合せしめることが可能となり、以て、最終的に得られる多孔性ポリイミド成形体が、機械的強度を損なうことなく、より優れた熱収縮性及び基材との密着性を発揮することとなる。
ここで、本発明において用いられるアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノフェニルジメチルメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシリルカルボン酸、プロピルメチルジエトキシシリルカルボン酸、ジメチルメトキシシリル安息香酸、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、カルボン酸無水物基含有シラン類(3−トリエトキシシリルプロピル琥珀酸無水物、3,4−ジカルボキシフェニルトリメトキシシランの酸無水物、3,4−ジカルボキシベンジルトリメトキシシランの酸無水物等)、メルカプトメチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、(2−アミノエチルアミノ)メチルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−〔2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ〕プロピルトリメトキシシラン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア、2−(2−アミノエチルチオ)エチルトリメトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオ)エチルトリエトキシシラン、2−(2−アミノエチルチオ)エチルジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオ)エチルジエトキシメチルシラン、2−アミノフェニルトリメトキシシラン、2−アミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノフェニルトリエトキシシラン、4−アミノフェニルトリメトキシシラン、4−アミノフェニルトリエトキシシラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、3−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−シクロヘキシルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ベンジルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−(p−ビニルベンジルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(p−ビニルベンジルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−アリルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−ピペラジノプロピルトリメトキシシラン、3−ピペラジノプロピルジメトキシメチルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシメチルシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメトキシメチルシラン、3−イソシアネートプロピルジエトキシメチルシラン、3−グリシドキシプロピルプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等を、挙げることが出来る。
なお、本発明においては、上述の如きアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤に代えて、アミノ基、酸無水物基又はカルボキシル基と反応可能な官能基を有し、且つシラノール基とも反応可能な官能基を分子内に有する多官能化合物も、使用することが出来る。かかる多官能化合物としては、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プタノール、1−アミノ−1−ブタノール、3−アミノプロピオン酸、2−アミノプロピオン酸、ジイソシアナート化合物類、ジグリシジル化合物類等を、挙げることが出来る。
上述の如きシランカップリング剤と、或いは、アミノ基、酸無水物基又はカルボキシル基と反応可能な官能基を有し、且つシラノール基とも反応可能な官能基を分子内に有する多官能化合物と、多分岐ポリアミド酸との反応は、先に説明したテトラカルボン酸二無水物とアミン成分とを反応せしめた際と同様の温度条件にて、また、同様の溶媒中にて実施されることが望ましい。
さらに、上述の如くして得られた、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸とシリカ微粒子とが反応せしめられて、かかるポリアミド酸と、シリカ相に相当するシリカ微粒子とが、共有結合によって一体となったポリアミド酸−シリカハイブリッドとされる。
そこにおいて用いられるシリカ微粒子としては、従来より公知のものが何れも用いられ得るが、一般に、10μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、特に5〜30nm程度の大きさ(平均粒子径)のものが好ましく、更に、シリカ微粒子のオルガノゾルが、有利に用いられる。なお、シリカ微粒子の使用量は、所望とする多孔性ポリイミド成形体の空孔率に応じて、適宜に決定されることとなる。なお、上述してきた手法に基づく有機−無機ポリマーハイブリッドにあっては、ジアミンを用いずにトリアミンのみを用いた場合、ハイブリッド中のシリカ含有量が70重量%程度の割合となるような量のシリカ微粒子を使用しても、優れた透明性を発揮する。
なお、上述した所定のポリアミド酸とシリカ微粒子との反応は、所定の溶媒中にて容易に進行する。なお、溶媒としては、多分岐ポリアミド酸を合成する際の溶媒として例示したものを用いることが望ましく、そのような溶媒のポリアミド酸溶液中に、シリカ微粒子のオルガノゾルを添加し、溶液を撹拌することによって、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸と、シリカ相に相当するシリカ微粒子とが共有結合によって一体となったポリアミド酸−シリカハイブリッドが、得られる。
そして、得られたポリアミド酸−シリカハイブリッドをイミド化せしめることにより、有機−無機ポリマーハイブリッドを合成する。
すなわち、かかるポリアミド酸−シリカハイブリッドは、シリカ微粒子が、ポリアミド酸の複数の末端基のうちの水酸基及び/又はアルコキシシリル基と共有結合していることから、ポリアミド酸分子の周辺に、シリカ微粒子が比較的均一に存在した構造を呈している。そして、そのようなポリアミド酸−シリカハイブリッドをイミド化せしめると、シリカ微粒子が均一に存在した状態を維持した有機−無機ポリマーハイブリッドとなるのである。
特に、ポリアミド酸が多分岐なものである場合、その分岐が多くなればなるほど末端基の数は増加する。その多くの末端基を、予め、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤によって、効果的に水酸基又はアルコキシシリル基へと変性させておくことにより、より多くのシリカ微粒子をポリアミド酸と共有結合せしめることが可能となる。そのような多くのシリカ微粒子がポリアミド酸と共有結合してなるポリアミド酸−シリカハイブリッドをイミド化することにより、シリカ相の含有量が多い有機(ポリイミド相)−無機(シリカ相)ポリマーハイブリッドが得らる。そして、かかるハイブリッドに対してシリカ相の除去処理を施すことによって得られる多孔性ポリイミドは、微細な空孔が多数存在し、以て、充分な機械的強度を有しつつ、優れた熱収縮性及び基材との密着性を発揮するのである。
なお、ポリアミド酸−シリカハイブリッドのイミド化は、目的とする多孔性ポリイミド成形体の形態に応じた手法が、従来より公知のものの中から適宜に選択されて、採用される。例えば、本発明における多孔性ポリイミド成形体として、多孔性ポリイミドのフィルム状物(多孔性ポリイミドフィルム)を用いる場合には、一般の高分子材料の場合と同様に、下記の如き手法にて製造することが可能である。すなわち、1)多分岐ポリアミド酸及びシリカ微粒子を所定の溶媒に添加してなる混合溶液を、ガラス、高分子フィルム等の基盤上に流延せしめた後、熱イミド化(加熱乾燥)する方法、2)混合溶液をガラス、高分子フィルム等の基盤上にキャストした後、水、アルコール、ヘキサン等の受溶媒に浸漬せしめ、製膜化した後、熱イミド化(加熱乾燥)する方法等が挙げられ、本発明においては、これらの何れをも採用することが可能である。なお、チューブ状の多孔性ポリイミド成形体を用いる場合には、上述の如くして得られた多孔性ポリイミドフィルムを丸め、両端部を種々の方法に従って接合することにより、チューブ状の多孔性ポリイミド成形体を得ることが出来る。フィルム状或いはチューブ状以外の形状を呈する多孔性ポリイミド成形体を作製するに際しては、従来と同様の方法が採用され得る。
以上、シリカ微粒子を用いた有機−無機ポリマーハイブリッドの合成手法の一例を詳述したが、本発明は、上述の合成手法に限定されないことは言うまでもないところである。例えば、所定の溶媒内において、シリカ微粒子の存在下、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン及び/又はトリアミンとを反応せしめて、更に、その反応溶液に所定のシランカップリング剤を添加し、反応させる。そして、得られたポリアミド酸−シリカハイブリッドをイミド化し、成形することによっても、本発明において用いられ得る多孔性ポリイミド成形体を作製可能である。
B)ゾル−ゲル法を用いた有機−無機ポリマーハイブリッドの合成方法
かかる手法においても、先ず、ポリアミド酸が合成されることとなる。なお、かかるポリアミド酸の合成に際して用いられ得るテトラカルボン酸二無水物及びトリアミンは、上述したA)の有機−無機ポリマーハイブリッドの合成手法において用いられ得るものと同様である。また、使用可能なジアミン及びトリアミン、シロキサンジアミンや分子内にアミノ基を4個以上有するアミン化合物を併用し得ること、及び合成の際の条件等も、上述の如きA)の合成手法と同様である。
次いで、そのようにして得られたポリアミド酸に対して、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤を反応させる。
なお、かかるアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤としては、A)の有機−無機ポリマーハイブリッドの合成の際に用いられるものとして先に例示したもの、具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノフェニルジメチルメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン等を、使用することが出来る。
また、そのようなシランカップリング剤とポリアミド酸との反応も、先に説明したテトラカルボン酸二無水物とアミン成分との反応と同様の温度条件にて、また、同様の溶媒中にて実施されることが望ましい。
次いで、上述の如くして得られた、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基である多分岐ポリアミド酸を用いて、ポリイミド相とシリカ相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドが合成されることとなる。その合成は、有利には、以下のような手法によって行なわれる。
第一の手法は、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸を、単独で、重縮合及びイミド化せしめるものである。
すなわち、かかるポリアミド酸分子中の間のゾル−ゲル反応による重縮合(アルコキシシリル基の加水分解により生じたシラノール基の脱水縮合反応)により、シリカ相(SiO2 を単位とする無機重合物相)が生成し、この重縮合と、ポリアミド酸のイミド化を同時に進行せしめることによって、ポリイミド相とシリカ相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドが合成されるのである。なお、ポリアミド酸分子間のゾル−ゲル反応による重縮合に際しては、水の存在が必要とされるが、ポリアミド酸の分子内のイミド化の際に生ずる水によって、ゾル−ゲル反応は効果的に進行する。
第二の手法は、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸と、アルコキシシラン化合物とを、水の存在下、ゾル−ゲル反応せしめ、得られた反応生成物をイミド化せしめるものである。
すなわち、かかるポリアミド酸及びアルコキシシラン化合物を、水の存在下において同一系内に存在せしめると、ポリアミド酸とアルコキシシラン化合物とがゾル−ゲル反応によって重縮合し、シリカ相(SiO2 を単位とする無機酸化物相)を有するポリアミド酸を生成する。そのようなシリカ相を有するポリアミド酸に対して、熱処理や化学処理を施すと、ポリアミド酸分子内に存在する反応性残基(アミノ基、酸無水物基)がイミド化せしめられ、以て、ポリイミド相とシリカ相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドとなるのである。
第三の手法は、複数の末端基のうちの少なくとも一部が水酸基及び/又はアルコキシシリル基であるポリアミド酸を、イミド化せしめてポリイミドとし、かかるポリイミドとアルコキシシラン化合物とを、水の存在下、ゾル−ゲル反応せしめるものである。
すなわち、そのようなポリアミド酸に対して、先ず、熱処理や化学処理を施すことにより、ポリアミド酸分子内に存在する反応性残基(アミノ基、酸無水物基)がイミド化して、アルコキシシリル基を有するポリイミドとなる。かかるポリイミドとアルコキシシラン化合物とを、水の存在下において同一系内に存在せしめると、ポリイミドとアルコキシシラン化合物とがゾル−ゲル反応によって重縮合し、ポリイミド相とシリカ相(SiO2 を単位とする無機酸化物相)とからなる有機−無機ポリマーハイブリッドとなるのである。
なお、上述した第二の手法においては、ポリアミド酸とアルコキシシラン化合物との重縮合(ゾル−ゲル反応)と、ポリアミド酸のイミド化とを、連続的に実施すること、具体的には、ポリアミド酸の溶液中にアルコキシシラン化合物を添加し、所定時間、比較的低い温度を保った状態において、撹拌せしめて、ポリアミド酸とアルコキシシラン化合物とを重縮合せしめた後、かかる溶液を加熱することにより、溶液内のポリアミド酸(アルコキシシラン化合物と重縮合したもの)をイミド化せしめることも、可能である。
また、用いられるアルコキシシラン化合物としては、下記式にて表わされるものが用いられる。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n―プロピルトリメトキシシラン、n―プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエチルシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等、及びこれら化合物のアルキル置換体等の化合物が挙げられる。このような化合物の一種又は二種以上が適宜に選択されて、用いられることとなる。
1 mSi(OR2n・・・式(1)
1 、R2 :炭化水素基
m:0又は正の整数
n:正の整数
但し、m+n=4
なお、上述してきたB)の合成手法においても、A)の合成手法の説明において述べたイミド化の手法を採用可能であり、イミド化と同時に製膜化することも可能である。また、イミド化と同時に、或いはイミド化の後に成形することにより、目的とする多孔性ポリイミド成形体を作製することが出来る。
以上、詳述したA)又はB)の手法に従うことにより、シリカ相を含有するポリイミド成形体が有利に得られるが、かかるシリカ相の含有量が、最終的に目的とする多孔性ポリイミド成形体の空孔率の大小に影響を与えることから、A)の手法においてはシリカ微粒子の使用量を、また、B)の手法においてはアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤(及びアルコキシシラン化合物)の使用量を、目的とする多孔性ポリイミド成形体の空孔率に応じて、適宜、調整することが必要である。
また、多孔性ポリイミド成形体としてフィルム状物を用いる場合には、上述したシリカ相を含有するポリイミドフィルムの厚さは、一般に、5μm以上、好ましくは20μm以上とされる。
そして、以上のようにして得られた、シリカ相を含有するポリイミド成形体、換言すれば、ポリイミド相とシリカ相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッド成形体に対して、そのシリカ相を除去するための処理を施すことによって、目的とする多孔性ポリイミド成形体が得られるのである。
ここで、有機−無機ポリマーハイブリッド成形体よりシリカ相を除去するための処理としては、従来より公知の各種手法が採用され得るが、一般には、有機−無機ポリマーハイブリッドを、フッ化水素酸や、フッ化水素アンモニウム等のフッ素含有化合物の水溶液に所定時間、浸漬せしめ、シリカ相を除去する方法が、採用される。なお、フッ化水素酸等のフッ素含有化合物の水溶液を用いる場合にあっては、その濃度は、一般に、0.005〜40重量%程度のものが使用される。
また、かかるシリカ相の除去処理は、目的とする多孔性ポリイミド成形体の空孔率が、好ましくは1〜70%となるように、更に好ましくは5〜40%となるように、実施される。多孔性ポリイミド成形体の空孔率が小さすぎると、充分な熱収縮性を発揮しない恐れがあり、その一方、空孔率が大きすぎる多孔性ポリイミド成形体の作製は困難だからである。
なお、本発明においては、上述の如きシリカ相の除去処理が完全には実施されていない有機−無機ポリマーハイブリッド成形体、換言すれば、シリカ相が部分的に残存している状態の多孔性ポリイミド成形体であっても、用いることが可能である。そのようなシリカ相が部分的に残存している多孔性ポリイミド成形体を用いると、かかる多孔性ポリイミド成形体にて被覆された基材に対して、より優れた低誘電性や機械的強度等を与えることが出来る。
ところで、本発明の被覆方法においては、シリカ相ではない他の無機酸化物相とポリイミド相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して、かかる無機酸化物相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミド成形体を用いることも可能である。
ここで、シリカ相ではない他の無機酸化物相とポリイミド相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドの合成手法としては、具体的には、本発明者等の一部が特開2007−246772号公報において開示した手法を例示することが出来る。
かかる特開2007−246772号公報において開示の手法に従って、上記有機−無機ポリマーハイブリッドを合成するに際して、無機酸化物微粒子としては、TiO2 、Ti23、Al23、BaTiO3 、SnO、Sb23、CuO、ZrO、MgO等の微粒子を挙げることが出来る。
また、それら無機酸化物微粒子を用いて得られた有機−無機ポリマーハイブリッドに対する無機酸化物相の除去処理は、かかる無機酸化物微粒子の種類に応じた手法が採用される。例えば、ZrO微粒子、BaTiO3 微粒子、Al23微粒子等を用いて得られた有機−無機ポリマーハイブリッドに対しては、上述したフッ酸処理が有利に適用され、SnO微粒子、Sb23微粒子等を用いて得られた有機−無機ポリマーハイブリッドに対しては、塩酸処理が有利に適用される。
そして、本発明に係る基材の被覆方法においては、上述した手法に従って作製された多孔性ポリイミド成形体を用いて、基材の表面を覆い、かかる多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加熱することにより、基材の被覆が実施されるのである。即ち、加熱によって、ポリイミド分子鎖が適宜移動して、多孔性ポリイミド成形体内に存在する多数の微細な空孔が消滅し、多孔性ポリイミド成形体が熱収縮すると共に基材との間で密着し、以て、かかる成形体による基材の被覆が効果的に進行せしめられるのである。
ここで、加熱する際の加熱条件(温度及び時間)は、ポリイミドの組成等に応じて適宜に決定される。一般には、150℃以上、200℃以上の温度にて加熱することが好ましいが、基材が耐熱性に優れているものである場合には、より高温で短時間の加熱条件を、一方、耐熱性に乏しい基材については、低温で長時間の加熱条件を、適宜、採用することが可能である。
また、多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材に対して加圧可能である場合には、多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加圧下で加熱することが望ましい。加圧下で加熱することにより、多孔性ポリイミド成形体と基材との密着性がより強固なものとなるからである。具体的には、基材として板状体を呈するものを用いる場合には、フィルム状の多孔性ポリイミド成形体(多孔性ポリイミドフィルム)にて覆われた基材を、従来より公知の各種加熱プレス機を用いて、加圧した状態で加熱する。
そして、上述の如き本発明の被覆方法に従って、多孔性ポリイミド成形体が被覆せしめられた基材にあっては、基材が本来的に有する特性に加えて、低誘電性等のポリイミドが有する優れた特性をも効果的に発揮することとなるのである。
以下に、本発明の実施例を幾つか示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の外にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。
なお、以下の各実施例において得られた多孔性ポリイミドフィルムの空孔率、光透過率及び収縮率は、それぞれ以下に示す手法に従って測定乃至は算出した。
−空孔率−
先ず、得られた多孔性ポリイミドフィルムの重量及び体積を測定し、その後、かかる多孔性ポリイミドフィルムを、HF水溶液に以下の各実施例に示す時間、浸漬せしめ、その浸漬後の多孔性ポリイミドフィルムの重量及び体積を測定する。そして、HF水溶液に浸漬する前後における多孔性ポリイミドフィルムの重量及び体積の変化より、空孔率を算出した。
−光透過率−
紫外−可視光透過率測定において、波長:600nmにおける光透過率(%)を測定した。
−収縮率−
得られた多孔性ポリイミドフィルムを用いて、縦:5cm×横:5cmの試験片を作製し、先ず、試験片の縦方向、横方向及び厚さ方向の各5点の長さを測定した(縦方向及び横方向の測定精度:±0.1mm、厚さ方向の測定精度:±0.5μm)。次いで、試験片を300℃で1時間、加熱し、加熱後の試験片についても、縦方向、横方向及び厚さ方向の各5点の長さを測定した。そして、加熱前後における試験片の各方向の長さの変化(寸法変化)より、収縮率を算出した。
−本発明例1−
攪拌機、窒素導入管、塩化カルシウム管及び温度計を備えた100mLの三つロフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP ):20mL及びオキシジアニリン(ODA ):1.5g(7.5mmol)を加え、ODA をNMP に溶解させた。この溶液を窒素気流下に攪拌しながら、7mLのNMP に溶解させた無水ピロメリット酸(PMDA):1.59g(7.3mmol)を徐々に加えた後、更に25℃で3時間攪拌し、アミン末端直鎖ポリアミド酸溶液を調製した。
次に、攪拌機、窒素導入管、塩化カルシウム管及び温度計を備えた100mLの三つロフラスコに、NMP :7mL及び無水ピロメリット酸(PMDA):0.65g(3mmol)を加え、PMDAをNMP に溶解させた。この溶液を窒素気流下に攪拌しながら、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TAPOB ):0.45g(1.1mmol)を4mLのNMP に溶解させてなる溶液と、上述の如くして調製したアミン末端直鎖ポリアミド酸溶液:21.6gとからなる混合溶液を、徐々に加えた後、更に25℃で2時間、攪拌した。その後、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTrMOS ):0.36g(2.3mmol)を加え、1時間撹拌し、シラン末端[多分岐−直鎖]ポリアミド酸のNMP 溶液を調製した。
得られたシラン末端[多分岐−直鎖]ポリアミド酸のNMP溶液に、テトラメトキシシラン(TMOS)及び水(H2O )の混合物(TMOS:H2O =1:6[モル比])を加え、24時間撹拌した後、溶液をポリエステルフィルム上にキャストした。得られた[多分岐−直鎖]ポリアミド酸−シリカハイブリッドフィルムを、窒素雰囲気下にて、100℃で1時間、200℃で1時間、300℃で1時間、加熱処理することにより、[多分岐−直鎖]ポリイミド(PMDA−TAPOB /PMDA−ODA )−シリカハイブリッドフィルム(シリカ含有量:約20重量%)を作製した。
かかる[多分岐−直鎖]ポリイミド−シリカハイブリッドフィルムを、濃度:約15重量%のHF水溶液に約3時間、浸漬せしめることにより、シリカを除去した。その後、フィルムを1時間、水で洗浄し、100℃で12時間、真空乾燥して、多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルムを得た。
得られたフィルムの空孔率は約14%であり、多孔性であることが認められた。また、得られたフィルムについてFT−IR測定を行なったところ、かかるフィルムは、部分的に直鎖部位を有する多分岐ポリイミドからなるものであることが確認された。更に、得られた多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルムは、薄黄色を呈するものの、良好な透明性(光透過率:約83%)を有していた。
また、得られた多孔性[多分岐‐直鎖]ポリイミドフィルムについて、TMA測定を行なったところ、かかるポリイミドフィルムが熱収縮したと考えられる挙動が認められた。更に、上記した手法に従って収縮率を算出したところ、空孔率と略同一の値であった。
そして、得られた多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルムを用いて、シリコンウェハの表面を覆い、多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルムにて覆われたシリコンウェハを、300℃×2MPaの条件にて加熱プレスせしめたところ、かかるポリイミドフィルムにてシリコンウェハ表面が良好に被覆せしめられたことが確認された。
−本発明例2〜5−
攪拌機、窒素導入管、塩化カルシウム管及び温度計を備えた100mLの三つロフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP ):20mL及び4,4’−(ヘキサフロロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA):6.7g(15.2mmol)を加え、6FDAをNMP に溶解させた。この溶液を窒素気流下に攪拌しながら、10mLのNMP に溶解させたオキシジアニリン(ODA ):2.9g(14.7mmol)を徐々に加えた後、更に25℃で3時間攪拌し、酸無水物末端直鎖ポリアミド酸溶液を調製した。
次に、攪拌機、窒素導入管、塩化カルシウム管及び温度計を備えた200mLの三つロフラスコに、NMP :40mL、コロイダルシリカのN−Nジメチルアセトアミドスラリー(DMAc分散コロイダルシリカ)の所定量、及び、1,3,5−トリス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TAPOB ):1.5g(3.6mmol)を加えて、TAPOB を溶解させた。この溶液を窒素気流下に攪拌しながら、6FDA:1.3g(2.9mmol)を40mLのNMP に溶解させてなる溶液を徐々に加えた後、更に25℃で2時間、攪拌し、DMAc分散コロイダルシリカの添加量が異なる4種類のアミン末端多分岐ポリアミド酸−シリカ混合溶液を得た。
それら4種類の混合溶液の各々に、3−エトキシシリルプロピル琥珀酸無水物:1.2g(4.0mmol)を加え、1時間撹拌し、4種類の多分岐ポリアミド酸−シリカハイブリッドのNMP 溶液を得た。
得られた各多分岐ポリアミド酸−シリカハイブリッドのNMP 溶液に、先に調製した酸無水物末端直鎖ポリアミド酸溶液:40.3gを徐々に加えた後、更に25℃で3時間、攪拌し、[多分岐−直鎖]ポリアミド酸−シリカハイブリッドのNMP 溶液を4種類、調製した。
それら4種類の[多分岐−直鎖]ポリアミド酸−シリカハイブリッドのNMP 溶液を、各々、ポリエステルフイルム上にキャストした。得られた各[多分岐−直鎖]ポリアミド酸−シリカハイブリッドフィルムを、窒素雰囲気下にて、100℃で1時間、200℃で1時間、300℃で1時間、加熱処理することにより、4種類の[多分岐−直鎖]ポリイミド(6FDA−TAPOB /6FDA−ODA )−シリカハイブリッドフィルムを調製した。なお、得られたフィルムのシリカ含有量は、それぞれ、約20重量%、約30重量%、約40重量%及び約60重量%であった。
それら4種類の[多分岐−直鎖]ポリイミド−シリカハイブリッドフィルムを、濃度:約15重量%のHF水溶液に約3時間、浸漬せしめることにより、シリカを除去した。その後、各フィルムを1時間、水で洗浄し、100℃で12時間、真空乾燥して、4種類の多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルム(フィルムa〜d)を得た。
得られたフィルムの空孔率は、各々、約14%(フィルムa)、約21%(フィルムb)、約30%(フィルムc)及び約49%(フィルムd)であり、多孔性であることが認められた。また、得られたフィルムのそれぞれについてFT−IR測定を行なったところ、各フィルムは、部分的に直鎖部位を有する多分岐ポリイミドからなるものであることが確認された。更に、得られた4種類の多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルムは、全て薄黄色を呈するものの、良好な透明性を有していた。具体的には、フィルムaの光透過率は約85%、フィルムbの光透過率は約85%、フィルムcの光透過率は約84%、フィルムdの光透過率は約85%であった。
また、得られた多孔性[多分岐‐直鎖]ポリイミドフィルムのそれぞれについて、TMA測定を行なったところ、全てのポリイミドフィルムにおいて、熱収縮したと考えられる挙動が認められた。更に、上記した手法に従って収縮率を算出したところ、フィルムa〜cにおいては空孔率と略同一の値であり、フィルムdの収縮率は43.8%であった。
そして、得られた4種類の多孔性[多分岐−直鎖]ポリイミドフィルムのそれぞれを用いて、シリコンウェハの表面を覆い、各フィルムにて覆われたシリコンウェハを、300℃×2MPaの条件にて加熱プレスせしめたところ、ポリイミドフィルムにてシリコンウェハ表面が良好に被覆せしめられたことが確認されたたのである(本発明例2〜5)。

Claims (6)

  1. ポリイミド相と無機酸化物相とが共有結合によって一体となった分子構造を呈する有機−無機ポリマーハイブリッドに対して、該無機酸化物相の除去処理を施して得られる多孔性ポリイミド成形体を用いて、基材の表面を覆い、かかる多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加熱することを特徴とする基材の被覆方法。
  2. 前記無機酸化物相がシリカ相である請求項1に記載の基材の被覆方法。
  3. 前記ポリイミド相が、少なくともその一部に三次元構造を有するものである請求項1又は請求項2に記載の基材の被覆方法。
  4. 前記基材が板状体であり、且つ前記多孔性ポリイミド成形体がフィルム状物である請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の基材の被覆方法。
  5. 前記多孔性ポリイミド成形体にて覆われた基材を加圧下で加熱する請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の基材の被覆方法。
  6. 前記多孔性ポリイミド成形体の空孔率が1〜70%である請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の基材の被覆方法。
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