JP2010069609A - クリーニング材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被クリーニング物の表面にスクラッチを形成させず、不要な突起やパーティクルを被クリーニング物の表面から効率よく除去し、被クリーニング物の表面を清浄化できるシート状、テープ状及びパッド状のクリーニング材及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】基材2の表面にクリーニング層5を形成してなるクリーニング材(クリーニングテープ1)であって、クリーニング層5が、結合剤4と、結合剤4中に分散される多孔質球状粒子3と、を含んで形成されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フラットパネル、半導体ウェーハ、磁気ハードディスク、磁気ヘッド、各種レンズ等の素材基板、デバイス基板及びこれらを処理する処理装置をクリーニングするシート状、テープ状及びパッド状のクリーニング材に関し、特に、液晶パネルや半導体ウェーハの表面に付着した塵埃、又は被膜形成工程等において発生した異常突起やパーティクルを除去するためのバニッシング及びワイピングに好適なクリーニング材及びその製造方法に関するものである。
コンピュータ、テレビジョン、カメラ、電話機などの機器には、より高い性能(例えば、音声、画像などの情報の記録容量の増大、画面(液晶パネル)やカメラレンズの高平滑性及び清浄性など)が常に要求されている。
このような機器では、設計段階で予定される性能を発揮させるため、機器を構成する各部品を設計どおりに製造することが不可欠である。
しかしながら製造段階においては設計予定を超えてしまう場合があり、例えば、カラーフィルターや透明電極を設置した二枚のガラス基板の間に液晶を封入した液晶パネルでは、液晶を封入する際に使用した樹脂の残存物や、ガラスカレット等のガラス基板に付着した異物が不良品を発生させる主な原因となっている。
このため、ガラス基板に付着している異物を除去するクリーニングが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。このようなクリーニング技術を使用するものとして、例えば、半導体素子の製造工程におけるエッジ部レジスト膜の除去やクリーニング、あるいは磁気ハードディスク製造工程における薄膜形成後の微小突起やパーティクルの除去がある。
従来行われているクリーニング技術として、シート状の基材の表面に酸化アルミニウム粒子、酸化セリウム粒子などの硬質粒子をバインダー樹脂で固定したクリーニングシート(又はパッド)を、ガラス基板などのパネル表面に押付けながら移動させて、パネルの表面を固定砥粒方式にクリーニングする方法が開示されている(例えば、特許文献3、4参照)。
しかし、上記クリーニングシートによるクリーニングでは、パネル表面に付着している異物や汚れを除去することができるが、パネル(特に、ITO膜を形成したパネル)の場合、表面に傷を形成してしまう、という問題がある。
また、酸化アルミニウム粒子、酸化セリウム粒子等の粒子を分散したスラリーを使用して、パネルの表面を遊離砥粒研磨方式でクリーニングすると(例えば、特許文献5参照)、パネルの表面に形成されるスクラッチを減少できるが、スラリー中に含まれる粒子がパネルの表面に付着してしまうという問題が生じる。また、クリーニング中にスラリーが飛散するので、パネルのクリーニング環境の洗浄に手間がかかる、という問題も生じる。
一方、半導体素子の製造工程においては、シリコンウェーハにレジスト塗布(スピンコーティング)する工程では、エッジ部に形成されたレジスト膜の除去及びクリーニングに際して、スポンジ状のロール又は発泡ウレタンテープをエッジ部に押し当てたり、また剥離液をエッジ部にノズルから射出したりして除去していたが、このような方法では、レジストの除去が不十分であった。
特開平11−19859号公報 特開2002−45812号公報 特開平8−85070号公報 特開2003−117841号公報 特開2004−162062号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、液晶パネル表面の付着物除去や半導体ウェーハエッジ部のレジスト膜除去等の被クリーニング物のクリーニングにおいて、これら被クリーニング物の表面にスクラッチを形成させず、不要な突起やパーティクルを被クリーニング物の表面から効率よく除去し、被クリーニング物の表面を清浄化できるシート状、テープ状及びパッド状のクリーニング材及びその製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明が提案するのは、基材の表面にクリーニング層が形成されてなるクリーニング材であって、前記クリーニング層が、結合剤と、該結合剤中に分散される多孔質球状粒子と、を含んで形成されてなることを特徴とするクリーニング材である。
このように多孔質球状粒子はその形状が球状であるためその表面が曲面であり、そしてその上に形成される結合剤の膜も曲面になるので、エッジ部による傷の発生を防止でき、被クリーニング物の表面にスクラッチを形成させずに不要な突起やパーティクルを被クリーニング物の表面から効率よく除去することができることになる。
また多孔質であることから、多孔質球状粒子の微細孔に結合剤が含浸されるので密着強度を高くでき、球状粒子の脱落や結合剤の剥離を抑え、さらにパーティクルの発生も防止できる。
上記多孔質球状粒子は、真球形状のものに限らず、球状に近い略球状のものや、扁平球状のものも含むものである。
また前記多孔質球状粒子の集合した集合体が、前記クリーニング層の凸状部として分散形成されることにより、前記凸状部相互間には、被クリーニング対象物からのクリーニング除去物を収納する凹状部のポケット部が形成されてなるクリーニング材とすることができる。
結合剤の固化によるクリーニング層の形成に際に、多孔質球状粒子にも含浸している結合剤の表面張力と、流動性のよい球状のため、多孔質球状粒子は凸状部となる集合体をクリーニング層に分散形成する。そして凸状部相互間には凹状部のポケット部が形成され、このポケット部に被クリーニング対象物からのクリーニング除去物である、微小突起やパーティクル等を収納することができるのでクリーニング効果が向上する。
凹状部であるポケット部は、クリーニング層の表面が基材の表面に向けて陥没した谷形状となるもので、特にポケット部の底部が多孔質球状粒子を間に介さずに基材の表面に結合剤の作る膜のみを介して近接した深い谷形状のものであれば、さらにクリーニング除去物の収納効果が優れているものとなる。
また、前記多孔質球状粒子の比表面積が、50m/g以上600m/gの範囲にあることが好ましい。比表面積が50m/gより小さいと、多孔質球状粒子と結合剤との密着力が低下して、多孔質球状粒子の脱落が生じ、パーティクルが増加してしまうからである。一方、比表面積が600m/gを超えると、多孔質球状粒子自体の強度が弱くなり、崩れ片が生じて被クリーニング物の表面に傷が発生し易くなる。
さらにまた前記多孔質球状粒子の粒径が、0.1μm以上100μm以下の範囲にあることが好ましく、半導体ウェーハのエッジ部レジスト除去及びクリーニングでは0.5μm以上50μm以下がより好ましい。0.1μmより小さいと多孔質球状粒子としての上記クリーニング効果が薄れ、レジストの残存が生じ、さらに目詰まりを起こしてクリーニングが十分できなくなる。また100μmを超えると、被クリーニング物の表面への接触面が少なくなり、また接触角度も小さくなるのでクリーニング効果が低減することになる。
また前記クリーニング層の表面に位置する前記多孔質球状粒子は、外側に向けた部分における結合剤の厚さが、前記多孔質球状粒子の平均粒径の1.05倍以上1.3倍以下の範囲にあることが好ましい。外側に向けた部分における結合剤の厚さ、すなわち被クリーニング物に当接する部分の厚さが平均粒径の1.05倍以上1.3倍以下の範囲にあることが好ましい範囲となる。すなわち1.05倍より小さいと多孔質球状粒子と結合剤との密着力が不足して粒子の脱落が生じ、パーティクルが増加してしまい、また1.3倍を超えると球状粒子としてのクリーニング効果が低下してしまうからである。
前記多孔質球状粒子と前記結合剤との和に対し、前記多孔質球状粒子の割合が20重量%以上80重量%以下の範囲にあることが好ましい。20%より少ないと、多孔質球状粒子がクリーニング層の表面付近に現れる量が少なくなり、クリーニング効果が低下し、一方80%を超えると多硬質球状粒子の脱落が起こる場合があり、スクラッチ発生の原因となるからである。
更にまた、前記多孔質球状粒子は無機粒子及び/又は有機粒子とすることができる。無機粒子と有機粒子の一方の使用、又は双方の使用は、被クリーニング物表面のクリーニング精度、除去する異物の種類や状態等によって適宜選択されることになる。多孔質無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニヤ等のセラミックス、ガラス等があり、有機粒子としては、架橋アクリル粒子、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等がある。
本発明のクリーニング材は、液晶パネル、半導体ウェーハ、磁気ハードディスク、光ファイバー端面などの被クリーニング物の表面のクリーニングに適している。被クリーニング物の表面のクリーニングは、被クリーニング物の表面に本発明のクリーニング材を押付け、被クリーニング物とクリーニング材とを相対的に移動させることによって行われる。
例えば、被クリーニング物が液晶パネルである場合、この液晶パネルの表面のクリーニングは、液晶パネルを搬送しながら、この液晶パネルの表面及び裏面に、上記本発明のクリーニング材のクリーニング層の表面を押し付け、このクリーニング材を走行しながら且つ回転することによって行われる(例えば、特開平11−19859号公報及び特開2005−334684号公報に開示された研磨装置とその使用方法によって行うことができる)。
また本発明が更に提案するのは、該基材の表面にクリーニング層が形成されてなるクリーニング材の製造方法であって、多孔質球状粒子と、結合剤と、有機溶剤とを混合してなる塗布溶液を、前記基材の表面に前記多孔質球状粒子が分散されてなるように塗布する塗布工程と、塗布された前記塗布溶液の固化により前記クリーニング層が形成される固化工程と、を有するクリーニング材の製造方法である。
そして前記クリーニング層が形成される前記固化工程では、前記多孔質球状粒子の集合した集合部が、前記クリーニング層の凸状部として分散形成されることにより、前記凸状部相互間には、被クリーニング対象物からのクリーニング除去物を収納する凹状部のポケット部が形成される。
多孔質球状粒子が集合するのは、上記固化工程において塗布溶液中の有機溶剤の蒸発に伴い、結合剤の粘度が上昇するため、表面張力の増加によって多孔質球状粒子が塗布溶液中を移動して集合し、凸状部としての集合部が分散形成されるものと考えられる。この分散形成された集合部である凸状部相互間には凹状部のポケット部が形成され、このクリーニング層に点在するポケット部がクリーニング除去物を収納することでクリーニング効果が向上することになる。
また前記多孔質球状粒子と前記結合剤との和に対し、前記多孔質球状粒子の割合を20重量%以上80重量%以下の範囲にすると共に、前記塗布溶液における前記多孔質球状粒子と前記結合剤との和の濃度を5重量%以上30重量%以下とすることが好ましい。上記割合範囲の塗布溶液であれば、クリーニング効果の高い集合部とポケット部とが形成されることになる。
本発明に係るクリーニング材は、テープ状、シート状及びパッド状の各種形状のものを含むものである。
本発明によれば、被クリーニング物の表面にスクラッチを形成させず、不要な突起やパーティクルを被クリーニング物の表面から効率よく除去し、被クリーニング物の表面を清浄化できるクリーニング材及びその製造方法を提供することができる。
特に本発明のクリーニング材によれば、液晶パネル表面の付着物除去や半導体ウェーハエッジ部のレジスト膜除去等のクリーニングにおいては、スクラッチを発生させずにクリーニングすることができる。
以下添付図面を参照して本発明に係るクリーニング材及びその製造方法の最良の形態を説明する。なお本発明に係るクリーニング材は、クリーニング方法や被クリーニング物の種類等、クリーニングの用途に応じて、クリーニングシート、クリーニングテープ及びクリーニングパッドとして使用するので、名称も「クリーニング材」の外、適宜「クリーニングシート」、「クリーニングテープ」及び「クリーニングパッド」を使用する。
図1は本発明のクリーニング材であるクリーニングテープの断面模式図、図2(a)は本発明に係る多孔質球状粒子の断面模式図、図2(b)は比較例の真球状粒子の断面模式図、図3は本発明に係るクリーニングテープによる液晶パネルのクリーニング方法の模式図、図4は本発明に係るクリーニングテープによる半導体ウェーハのエッジ部不要レジスト除去のクリーニング方法の模式図、図5は本発明の実施例1で製造したクリーニングテープの表面のSEM(走査型電子顕微鏡:「Scanning Electron Microscope])撮影画像図、図6は本発明の実施例2で製造したクリーニングテープの表面のSEM撮影画像図、図7は比較例1で製造したクリーニングテープの表面のSEM撮影画像図、図8は本発明の実施例2で製造したクリーニングテープの断面模式図、図9は比較例1で製造したクリーニングテープの断面模式図、図10は比較例2で使用したクリーニングテープの表面のSEM撮影画像図である。なお本発明のクリーニング材であるクリーニングシート、クリーニングテープ及びクリーニングパッドとも表面、断面は同一である。
<クリーニングテープ>
図1に示すように、本発明のクリーニング材であるクリーニングテープ1は、合成樹脂製のシート状の基材2と、基材2の表面に形成したクリーニング層5とから構成されている。クリーニング層5は多数の多孔質球状粒子3と、多孔質球状粒子3を固定する結合剤(樹脂)4により構成されていて、このうち多孔質球状粒子3は複数個集合して凸状部である集合部6をクリーニング層5中に分散形成し、この凸状部相互間には凹状部のポケット部7が形成されている。
結合剤4は、多孔質球状粒子3の中に含浸して、多孔質球状粒子3との結合力を強め、クリーニング中における多孔質球状粒子3の剥離を防止すると共に、乾燥固化する工程においてその表面張力により多孔質球状粒子の集合体である集合部6をクリーニング層5中に分散形成させる働きを有するものである。
すなわち、結合剤の固化によるクリーニング層の形成に際に、多孔質球状粒子にも含浸している結合剤の表面張力と、流動性のよい球状粒子であることから、多孔質球状粒子は凸状部となる集合体をクリーニング層に分散形成する。そして凸状部相互間には凹状部のポケット部が形成され、このポケット部に被クリーニング対象物からのクリーニング除去物である、微小突起やパーティクル等を収納することができるのでクリーニング効果が向上する。凹状部であるポケット部は、クリーニング層の表面が基材の表面に向けて陥没した谷形状となるもので、特にポケット部の底部が多孔質球状粒子を間に介さずに基材の表面に結合剤の作る膜のみを介して近接した深い谷形状のものであれば、さらにクリーニング除去物の収納効果が優れているものとなる。
シート状の基材2としては、使用中に作用する機械的な力による破断、変形、及び製造中の熱による変形等に対する耐性(高強度、耐熱性)を有し、さらに柔軟性を有する必要性から合成樹脂製のプラスチックシートが使用される。
このようなプラスチックシートとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール又はメタアクリルアルコールを主成分とするアクリル系樹脂、ポリカーボネート等のシートがあり、いずれも基材2として使用できる。
実用的には、クリーニングシート(クリーニングテープ)を製造するシートの取り扱いが容易であるため、ポリエチレンテレフタレートからなるプラスチックシートを基材2として使用するのが好ましい。
プラスチックシートの機械的特性として、JISK6911に準拠した測定方法において、厚さ1mmのフィルム試験片で500kg/mm以上、2000kg/mm以下の曲げ弾性率を示す、柔軟性を有するプラスチックシートを基材2として使用するのが好ましい。
シート状の基材2の厚さは、特に限定しないが、5μm以上、100μm以下の範囲、好適に、10μm以上、75μm以下の範囲にあることが望ましい。
多孔質球状粒子3は、表面に細かい凹凸の微細孔8を有するため、付着物の除去に有効に働きクリーニング効率が向上する(図2(a)参照)。また、結合剤(樹脂)が微細孔8に含浸するため結合剤との密着性確保できるので多孔質球状粒子間の剥離の問題が防止できる。さらに、隣接する多孔質球状粒子3との結合強度も高いため、クリーニング層5からの脱落や、結合剤4の剥離が防止できるので、スクラッチやパーティクルの発生を減少できる、
多孔質球状粒子3としては、特に限定するものではなく、無機粒子及び/又は有機粒子が使用できる。したがって、クリーニング物表面のクリーニング精度、除去する異物の種類、及び異物の状態等によって適宜選択することができる。
また多孔質球状粒子3の比表面積は、50/g以上600m/g以下の範囲であることが好ましい。比表面積が100m/gより小さいと、多孔質球状粒子3と結合剤4との密着力が低下し、多孔質球状粒子3の脱落が生じ、パーティクルが増加してしまうことになる。一方、比表面積が600m/gを超えるとと、多孔質球状粒子3自体の強度が弱くなり、粒子の崩れ片によって被クリーニング物の表面に傷が発生し易くなるからである。
図2は球状粒子の断面模式図を示す。(a)は、本発明に使用される多孔質球状粒子3の一例を示し、多数の微細孔8を有する(比表面積50以上600m/g以下)。(b)は、比較例として使用した球状粒子9の模式図であるが、表面に非常に微細な皺や凹凸が見られるがほぼ真球状の粒子である(比表面積50m/g未満)。
多孔質球状粒子3として、無機粒子及び/又は有機粒子が使用できるが、シリカ、アルミナ、ジルコニヤ等のセラミック、ガラス、カーボン等の比較的硬質の無機粒子が適している。
特に、シリカ粒子は、1)結合剤樹脂との親和性が良く容易に分散できる、2)化学的に安定であり、また樹脂中への溶出がない、3)多孔質で内部に結合剤樹脂を包含できるので結合剤樹脂との界面接着性が良い、等の特徴を有するものである。
シリカの多孔質球状粒子は、例えば、テトラアルコキシシランを加水分解重縮合したもの、極性液中にコロイド状シリカを形成させ、ホルムアルデヒドと尿素を加え重合したもの、又はシリカゲルを処理したもの等が使用できる。
図1において、多孔質球状粒子3をクリーニング層5に固定する結合剤(樹脂)4としては、一般に固定砥粒研磨テープに用いられている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、赤外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂や、これらの樹脂を混合した樹脂が使用できる。これらの結合剤(樹脂)4は多孔質球状粒子3の微細孔8に含浸し、外部に面する多孔質球状粒子3の表面を結合剤(樹脂)4の皮膜4aで形成するようになっている。
結合剤4の樹脂材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等のプレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーを使用することができる。
クリーニングテープ1は、多孔質球状粒子3と結合剤(樹脂)4、及び有機溶剤からなる塗布溶液を用いて基材2の表面に多層又は一層に塗布されてなるものである。クリーニング層5を形成する多孔質球状粒子3は、平均粒径が10μm未満の場合は多層が好ましく、10μm以上では単層配置が好ましい。
多孔質球状粒子3の平均粒径は、0.1μm以上100μm以下の範囲が使用されるが、0.5μm以上50μm以下の範囲がより好ましい。0.1μm未満であると粒子の密着力が不足し、クリーニング効果が低くなる。一方、100μmを超えるとクリーニング層表面の凹凸及び粒子間隔が大きくなり、微細なパーティクルの除去効率が悪くなる。
多孔質球状粒子3を覆う結合剤の皮膜の厚みは、粒径の1.05倍以上1.3倍以下の範囲が好ましい。1.05倍未満になると粒子と塗布剤との密着力が不足して粒子の脱落が生じ、パーティクルが増加してしまう。その一方、1.3倍を超えると、クリーニング効率が低下することになる。
多孔質球状粒子3を分散させた塗布溶液をシート状の基材の表面に塗布する塗布方法としては、ブレードコータ、グラビアコータ、ナイフコータ、リバースロールコータ、キャストコータ、キスロールコータ、スプレーコータ、カーテンコータ、静電粉体コータ、粉体電着コーティング等の使用による塗布方法によることができる。
これらの塗布方法を使用する場合には、塗布溶液の粘度を適当に調整して塗布するようにする。特に、多孔質球状粒子3の表面の結合剤層を平均粒径の1.05倍以上1.3倍以下の範囲の厚さにする。特にポケット部7として、クリーニング層5の一部に多孔質球状粒子3の存在しない凹部を形成するには、塗布溶液粘度を5cps以上200cps以下(粘度で表すと)の範囲とするのが好ましい。
なお、多孔質球状粒子3と結合剤4を混合した塗布溶液(有機溶剤を入り)を用いない場合(例えば、静電粉体コータ、粉体電着コーティング、粉体スプレー等の散布方式)は、結合剤を先に基材フィルムに塗布することで、前記塗布溶液を用いた場合と同様な塗布層を得ることができる。
<クリーニングテープの製造方法>
図1に示す本発明に係るクリーニング材であるクリーニングテープ1は、以下のようにして製造できる。
まず、結合剤4と多孔質球状粒子3とを混合し、攪拌した後、この結合剤4と多孔質球状粒子3との混合物に有機溶剤を加えて攪拌し、多孔質球状粒子を分散させる。次に、ろ過した後、攪拌しながら、結合剤(硬化剤)を添加し、さらに所定の粘度になるまで有機溶剤を加えて所定の塗布溶液を製造する。
そして次に、この塗布溶液をシート状の基材2の表面に塗布し、その後塗布溶液に含まれる有機溶剤を蒸発させて乾燥させ、結合剤を硬化させる。これを所定の幅にスリットして、本発明に係るクリーニングテープ1が製造される。
ここで、硬化剤として下記の従来公知の結合剤が使用できる。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂及びこれらの混合物を使用することができる。
また、有機溶剤として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテル等のエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香族単価水素)などの有機溶剤、又はこれら有機溶剤を混合したものを使用できる。
塗布溶液が乾燥固化するときに、多孔質球状粒子3が多層構造の集合体である凸状部の集合部6を形成し、凸状部相互間における凹状部であるポケット部7のうち、凹状部の底部に多孔質球状粒子の存在しないポケット部7を形成させるような塗布溶液の配合は、多孔質球状粒子3が結合剤4と多孔質球状粒子3との和に対して20重量%以上80重量%以下の範囲にあり、さらに有機溶剤を加えた塗布溶液における結合剤4と多孔質球状粒子3との和の濃度を5重量%以上30重量%以下の範囲であり、この範囲に調整されたものが使用される。
このような配合によれば、塗布されたクリーニング層5において、多孔質球状粒子3が塗布溶液中を移動して集合体を形成し、底部に多孔質球状粒子の存在しないポケット部7が形成されるように固化される。
すなわち、固化工程において、塗布溶液における結合剤4と多孔質球状粒子3との和が前記濃度範囲であれば、有機溶剤の蒸発による乾燥の際に、結合剤4の表面張力によって結合剤4が多孔質球状粒子3の周囲に集まるようになり、結合剤4が微細孔8にまで含浸した多孔質球状粒子は集合体としての集合部6を形成し、基材2上に強固に固着されるようになる。このとき多孔質球状粒子3の集合部6間には、多孔質球状粒子3の存在しないポケット部7が点在するようになる。
塗布溶液における結合剤4と多孔質球状粒子3との和の濃度が30重量%を超えると、結合剤の固化工程において、多孔質球状粒子3の移動が十分に進行せず、ポケット部7の形成が不十分となる。また、5重量%未満になる粒径の小さい多孔質球状粒子3の集合体が不均一になり、ポケット部7の点在配置も不均一となってしまう。
なお、結合剤4と多孔質球状粒子3との和に対する多孔質球状粒子3の割合や、有機溶剤を含んだ塗布溶液に対する結合剤4と多孔質球状粒子3との和の濃度が上記の好適範囲を逸脱したときは、図7に示すように多孔質球状粒子3が集合し難くなり、クリーニング除去物を収納する有効なポケット部7が形成されず、クリーニング効果が低下することになる。
<クリーニング方法>
本発明に係るクリーニング材であるクリーニングテープを使用して、液晶用パネル、半導体ウェーハなどの被クリーニング物の表面をクリーニングするクリーニング方法を説明する。
(1)液晶用パネルのクリーニング
液晶用パネルのクリーニングを図3に示す装置によって行った。使用したパネルクリーニング装置10は、パネル12の表面をクリーニングするためのクリーニングユニット13を備えたクリーニングセクション11を有し、パネル12をクリーニングセクション11に入力し、パネル12を矢印Xの方向に搬送しながらパネル12の表面をクリーニングし、このパネル12をクリーニングセクション11からニップローラ37で受けて出力するものである。
クリーニングユニット13は、パネル12を図3中の矢印Xで示す方向に搬送する搬送手段、及びパネル12の表面をクリーニングするクリーニング手段から構成されている。搬送手段は、クリーニング中にパネル12を保持するパネル保持手段35、及びクリーニング中にパネル12を搬送するベルトコンベヤー30から構成されている。
クリーニングは、クリーニングテープ21をパネル12の表面に押し付けるコンタクトローラ22、及びコンタクトローラ22を介してクリーニングテープ21を走行させる手段から構成されるクリーニングヘッド20を有している。
このクリーニングヘッド20は、図示のように、未使用のクリーニングテープ21を巻きつけてあるテープローラ23をハウジング内にカートリッジ式に収容し、クリーニングテープ21は、このテープローラ23から送り出され、コンタクトローラ22を介し、巻き取りローラ24に巻き取られるようになっている。したがって、クリーニングヘッド20では、常に、未使用のクリーニングテープ21をパネル12の表面に押し付けてクリーニングできるようになっている。
さらに、クリーニングヘッド20は、コンタクトローラ22の中央を通過し且つパネル12の表面に垂直となる軸(回転軸)25に関してクリーニングヘッド20を矢印Rの方向に回転させながら、クリーニングヘッド20をパネル12の幅方向に沿って往復運動させるようになっている。これによりパネルの全面をクリーニングすることができる。
一方、ベルトコンベヤー30は、入力側のニップローラ36と出力側のニップローラ37との間に配列されている。このベルトコンベヤー30は、入力側のローラ32と平行に配列した出力側のローラ33およびテンションローラ34にベルト31がかけ回され、ローラ33に連結されたモータ(図示せず)を駆動することによって、ベルト31が矢印Tの方向に駆動されるようになっている。ベルト31は、パネル12の裏面からパネル12を支持しつつ、矢印Xで示す方向に搬送する。
このようにして、液晶パネルの製造工程における、パネル加工工程で付着したガラス粉や樹脂封じ工程の残渣樹脂を除去、クリーニングすることができる。
(2)半導体ウェーハ(適宜「ウェーハ」と略す)のレジスト膜形成後のエッジ部不要レジスト除去及びクリーニング。
本発明に係るクリーニング材であるクリーニングテープを使用して、半導体ウェーハ上にスピンコーティングされたレジスト膜の不要部のレジスト膜除去の方法を以下に説明する。
半導体ウェーハのエッジ部の不要レジストの除去は、図4に示すクリーニング装置を使用した。図4に示すクリーニング装置40は、被クリーニング物であるウェーハ41を取り付けて回転させるためのスピンドル(図示せず)、及びこのスピンドルに取り付けられたウェーハ41のエッジ部42にクリーニングテープ51を押付けるためのクリーニングヘッド50とから構成されている。クリーニングテープ51は、クリーニングヘッド50に備え付けの弾性体からなる接触パッド52を介して、ウェーハ41のエッジ部42に押し付けられる。また、クリーニングテープ51は、外部又はクリーニングヘッド50に備え付けのテープ供給ローラ(図示せず)から矢印Tの方向に送り出され、接触パッド52上を通じて、外部又はクリーニングヘッド50に備え付けのテープ巻取りローラ(図示せず)によって巻き取られる。クリーニングヘッド50は、接触パッド52を介してクリーニングテープ51をウェーハ41のエッジ部42に押し付けた状態で、クリーニングテープ51をウェーハ41のエッジ部42に沿って間欠的又は連続的に往復移動(矢印で示す方向)できる。
また、クリーニングヘッド50は、接触パッド52を介してクリーニングテープ51をウェーハ41のエッジ部42に押し付けた状態で、ウェーハ41の回転方向で往復移動(オッシレーション)させることができる。
ウェーハ41のエッジ部42のクリーニングは、ウェーハ上面にスピンコーティング法により、レジスト膜を形成したウェーハ41を図示のように、まず、ウェーハ41をスピンドル(図示せず)に取り付け、回転させる。次に接触パッド52上を、クリーニングテープ51を送り出しながら、この接触パッド52を介してクリーニングテープ51をウェーハ41のエッジ部42に押付ける。
一方、ウェーハ41のエッジ部42の表面部分43と裏面部分45に向けられたノズル46、46を通じて純水をウェーハ41のエッジ部42とクリーニングテープ51との間に供給する。
このようにクリーニングテープ51をウェーハ41のエッジ部42に押し付けた状態で、接触パッド52をウェーハ41のエッジに沿って間欠的(すなわち、エッジ42の表面部分43、端面部分44及び裏面部分45で一次的に停止)に往復移動させて、ウェーハ41のエッジ部42の表面部分43、端面部分44及び裏面部分45のレジストを除去する。これにより、ウェーハ41のエッジ部42の丸みの付いた曲面に傷をつけずに効果的にクリーニングすることできる。
<実施例と比較例>
本発明のクリーニング材であるクリーニングテープ及びその製造方法についての実施例を、比較例と対比しつつ以下に説明する。実施例のクリーニングテープを製造するために使用した材料は、下記の「表1」に示すものであり、多孔質球状粒子及び結合剤A,B,Cに有機溶剤に混ぜて塗布溶液とする。
「粒子」
(実施例1):平均粒径4.5μm、シリカ(多孔質粒子);比表面積520m/g
製品名:サイロスフェア(C−1504) 富士シリシア化学(株)
(実施例2):平均粒径8μm、アクリル(多孔質粒子);比表面積85m/g
製品名:MBP−8 積水化成品工業(株)
(比較例1):平均粒径5μm、アクリル(真球粒子);比表面積1.2m/g
製品名:MX−500 綜研化学(株)
「結合剤」
(結合剤A) (分子量:23,000)
製品名:バイロン300 東洋紡績(株)
(結合剤B) (分子量:17,000)
製品名:バイロン200 東洋紡績(株)
(結合剤C)
製品名:バーノックD750 大日本インキ化学工業(株)
「有機溶剤(有機溶媒)」 市販のメチルエチルケトンを使用した。
(実施例1のクリーニングテープの製造)
実施例1のクリーニングテープ「多孔質球状粒子:平均粒径4.5μm、比表面積520m/g」を以下のようにして製造した。
まず、結合剤Aと結合剤B及び有機溶剤を所定量計量し、これら結合剤A、B及び有機溶剤をタンクに入れ、これら結合剤A、Bを攪拌しながら、多孔質球状粒子(シリカ:平均粒径4.5μm)を加え、約30分間攪拌しながら、多孔質球状粒子を含有した混合溶液を製造した。多孔質球状粒子は、平均粒径D50が4.5μmのシリカ(SiO)粒子を使用した。この多孔質球状粒子の比表面積は、520m/gであった。
次に、分散機を使用して、この混合溶液中に多孔質球状粒子を十分に分散させた後に、20μmのフィルターを使用して、濾過し、混合溶液から異物を除去した。
さらに、この混合溶液を攪拌しながら、硬化剤(結合剤C)を添加し、さらに、所定濃度(20%)になるまで有機溶剤(メチルエチルケトン)を加えて塗布溶液を製造した。この塗布溶液中の結合材(樹脂)の含有量は、前記の「表1」と同じである。
なお、下記の「表2」は、塗布溶液の濃度、混合比率を示すものである。
次に、この塗布溶液を基材としての厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面に、リバースコーターを使用してコーティングした。この塗料の厚さ(塗布厚)は約20μmであった。
次に、乾燥炉を通じて、PETフィルムの表面にコーティングした塗布溶液を100℃で乾燥させ、この塗布溶液を固化させ、PETフィルムの表面にクリーニング層を形成した。乾燥後のクリーニング層の厚さは約7μmであった。また、クリーニング層の表面粗さ(Ra)は、0.8〜1.0μmであった。
最後に、表面にクリーニング層を形成したクリーニングシートを所定の幅にカットして、実施例1のクリーニングテープを製造した。図5は、実施例1で製造したクリーニングテープ表面を走査型電子顕微鏡で観察した画像を示す。また、図1は、実施例1に対応するクリーニングテープの断面模式図である。
(実施例2のクリーニングテープの製造)
実施例2のクリーニングテープ「多孔質球状粒子:平均粒径8μm、比表面積:85m/g」を以下のように製造した。
実施例2のクリーニングテープは、多孔質球状粒子として平均粒径D50が8μmのアクリル粒子を用いて、結合剤と球状粒子との和の濃度を塗布溶液(有機溶剤を含む)に対して30重量%とした以外は、上記実施例1のクリーニングテープと同様にして製造したものである。なお、乾燥後のクリーニング層の厚さは約15μmであった。この多孔質球状粒子の比表面積は、85m/gであった。
図6は、実施例2で製造したクリーニングテープ表面を走査型電子顕微鏡で観察した画像を示す。また、図8は、実施例2のクリーニングテープの断面模式図である。
(比較例1のクリーニングテープの製造)
比較例1のクリーニングテープ「球状アクリル粒子:平均粒径5μm、比表面積:1.2m/g」を以下のように製造した。
比較例1のクリーニングテープは、砥粒として平均粒径D50が5μmのアクリル粒子を用いた。下記表3は、塗布溶液の濃度、混合比率を示すものである。ここで、結合剤と球状粒子との和の濃度を塗布溶液(有機溶剤を含む)対して60重量%とした。これは従来の研磨テープを製造する時の塗布溶液の濃度に相当するものである。
塗料の塗布厚みを25μmとした以外は、上記実施例1のクリーニングテープと同様にして製造したものである。なお、乾燥後のクリーニング層の厚さは約10μmであった。この球状粒子(多孔質でない)の比表面積は、1.2m/gであった。図7は、比較例1で製造したクリーニングテープ表面のSEM像を示す。また、図9は、比較例1のクリーニングテープ100の断面模式図である。
(比較例2のクリーニングテープ)
「WA4000−SWE、従来テープ」
比較例2のクリーニングテープは、表面に砥粒を付着した発泡ポリウレタンテープを使用した。砥粒は通常(球状ではない)のもので、平均粒径3μmのアルミナ[Al]粒子を使用し、発泡ポリウレタンベースの孔に塗料と共の付着したものである。(製品名;WA4000−SWE;日本ミクロコーティング(株)製を使用した)。図10は、比較例2で使用したクリーニングテープ表面のSEM像を示す。
(比較例3のクリーニングテープ)
「WA8000−SWE,従来テープ」
比較例3のクリーニングテープは、付着砥粒の平均粒径を1μmとした以外は上記比較例2のクリーニングテープと同様に製造したものである。
各実施例、比較例のクリーニングテープのクリーニング層の構成を表4に示す。比較例3で使用したクリーニングテープ表面のSEM像は、付着砥粒の平均粒径が1μmとした以外は図10と同じである。
(試験1:パネルクリーニングによる評価)
テスト用の液晶パネルとして、12インチのガラスパネルを使用した。クリーニング装置は、前記<クリーニング方法>の(1)液晶パネルのクリーニング及び(図3)に示すクリーニング装置(製品名:LCD PANEL CLEANER 5LD、日本ミクロコーティング(株))を使用した。比較試験は、上記した各実施例及び各比較例のクリーニングテープを使用して、下記表5に示す条件でクリーニングした。
評価方法は、表面検査ランプ、型式FY−100(イエローフィルタ付)、フナテック株式会社製を使用して、10μm以上の付着物及びスクラッチの数をカウントした。
(試験結果)比較試験結果を下記表6に示す。
表6に示すように、本発明に係る実施例1及び2のクリーニングテープによるクリーニング結果は、比較例1及び2と比較すると、付着物の残数、スクラッチ個数において、顕著な効果を有している。
(試験2:半導体ウェーハのエッジ部レジスト除去)
半導体ウェーハとして、8インチウェーハを使用し、レジスト塗布(スピンコート)後の8インチデバイスウェーハを使用して、エッジ部の不要のレジストを除去した。クリーニング装置は、前記<クリーニング方法>(2)「半導体ウェーハのレジスト膜形成後のエッジ部不要レジスト除去及びクリーニング」及び(図4)に示すようなクリーニング装置(製品名:NME123−N、日本ミクロコーティング(株))を使用した。比較試験は、上記の各実施例及び各比較例のクリーニングテープを使用して、下記表7に示す条件でクリーニングした。
注)テープ接触角度は、ウェーハ面(上面)に対して垂直に接触させた場合を0度とし、表面及び裏面は、そこからのクリーニングテープの傾斜角度を示す(ウェーハエッジ部の丸みを持った形状に合せてテープを間欠的に接触させた)。
評価は、市販のマイクロスコープによる外観観察によって行い、エッジ部に存在するレジスト(異物)の量で判断した。

(試験結果) 比較試験結果を下記の表8に示す。
表8に示すように、本発明に係る実施例1及び2のクリーニングテープによるクリーニング結果は、比較例1及び3と比較すると、付着物(再付着)の残数、スクラッチの数において、顕著な効果を有している。また、比較例1及び3ではテープ構成材の付着が見られた。
本発明のクリーニング材(クリーニングシート、クリーニングテープ及びクリーニングパッド)は、上記液晶パネルや半導体ウェーハエッジ部のクリーニングのほか、磁気ハードディスクの製造工程中における、磁気ハードディスク基板の表面、及びこの基板表面に順次成膜した膜(磁性膜、保護膜、潤滑膜)の表面のクリーニングのも適用することできる。
また、磁気ヘッド、光記録ヘッドのクリーニング、光ファイバーの端面の仕上げクリーニングや、精密機器の光学系及び作動部のクリーニングの使用できる。
さらに、ガラス、金属装飾品、眼鏡レンズなどの汎用クリーニングにも使用できるものである。
本発明に係る多孔質球状粒子の断面模式図。 比較例の真球状粒子の断面模式図。 本発明に係るクリーニングテープによる液晶パネルのクリーニング方法の模式図。 本発明に係るクリーニングテープによる半導体ウェーハのエッジ部不要レジスト除去のクリーニング方法の模式図。 本発明の実施例1で製造したクリーニングテープの表面のSEM(操作型電子顕微鏡:「Scanning Electron Microscope])撮影画像図。 本発明の実施例2で製造したクリーニングテープの表面のSEM撮影画像図。 比較例1で製造したクリーニングテープの表面のSEM撮影画像図。 本発明の実施例2で製造したクリーニングテープの断面模式図。 比較例1で製造したクリーニングテープの断面模式図。 比較例2で使用したクリーニングテープ表面のSEM撮影画像図。
符号の説明
1 クリーニングテープ(クリーニング材)
2 基材
3 多孔質球状粒子
4 結合剤
4a 皮膜
6 集合部
7 ポケット部

Claims (10)

  1. 基材の表面にクリーニング層を形成してなるクリーニング材であって、
    前記クリーニング層が、結合剤と、該結合剤中に分散される多孔質球状粒子と、を含んで形成されてなることを特徴とするクリーニング材。
  2. 前記多孔質球状粒子の集合した集合部が、前記クリーニング層の凸状部として分散形成されることにより、前記凸状部相互間には、被クリーニング対象物からのクリーニング除去物を収納する凹状部のポケット部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング材。
  3. 前記多孔質球状粒子の比表面積が、50m/g以上600m/gの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニング材。
  4. 前記多孔質球状粒子の粒径が、0.1μm以上100μm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のクリーニング材。
  5. 前記クリーニング層の表面に位置する前記多孔質球状粒子は、外側に向けた部分における結合剤の厚さが、前記多孔質球状粒子の平均粒径の1.05倍以上1.3倍以下の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のクリーニング材。
  6. 前記多孔質球状粒子と前記結合剤との和に対し、前記多孔質球状粒子の割合が20重量%以上80重量%以下の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のクリーニング材。
  7. 前記多孔質球状粒子が無機粒子及び/又は有機粒子であることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載のクリーニング材。
  8. 基材の表面にクリーニング層が形成されてなるクリーニング材の製造方法であって、
    多孔質球状粒子と、結合剤と、有機溶剤とを混合してなる塗布溶液を、前記基材の表面に前記多孔質球状粒子が分散されてなるように塗布する塗布工程と、
    塗布された前記塗布溶液の固化により前記クリーニング層が形成される固化工程と、を有するクリーニング材の製造方法。
  9. 前記クリーニング層が形成される前記固化工程では、前記多孔質球状粒子の集合した集合部が、前記クリーニング層の凸状部として分散形成されることにより、前記凸状部相互間には、被クリーニング対象物からのクリーニング除去物を収納する凹状部のポケット部が形成されてなることを特徴とする請求項8に記載のクリーニング材の製造方法。
  10. 前記多孔質球状粒子と前記結合剤との和に対し、前記多孔質球状粒子の割合を20重量%以上80重量%以下の範囲にすると共に、前記塗布溶液における前記多孔質球状粒子と前記結合剤との和の濃度を5重量%以上30重量%以下とすることを特徴とする請求項8又は9に記載のクリーニング材の製造方法。



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