JPH1071572A - 研磨テープ及びその製造方法 - Google Patents

研磨テープ及びその製造方法

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JPH1071572A
JPH1071572A JP24397896A JP24397896A JPH1071572A JP H1071572 A JPH1071572 A JP H1071572A JP 24397896 A JP24397896 A JP 24397896A JP 24397896 A JP24397896 A JP 24397896A JP H1071572 A JPH1071572 A JP H1071572A
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polishing
polishing tape
layer
coating
film
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JP24397896A
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Kojiro Okawa
晃次郎 大川
Kazuhito Fujii
和仁 藤井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密部品用研磨テープにおいて、研削のとき
に研削傷がなく、耐久性がある最終仕上げに適した研磨
テープを提供する。 【解決手段】基材フィルム5の一方の側にプライマー層
6、及び表面中心線平均粗さRaが0.005〜2.0
μm、全光線透過率が50〜90%であり、かつヘイズ
値が5〜70%である研磨層7である研磨テープ4の研
磨層6を、研磨材粒子の平均粒形が10〜700nmの
複合酸化物とバインダーとから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタフェル
ール、半導体ウエハ、セラミックス、液晶表示用カラー
フィルター、プラズマディスプレイ、光学ガラス、光学
レンズ、磁気ディスクあるいは光ディスク基板、磁気ヘ
ッド、光学読み取りヘッドなどの精密部品の表面や端面
などに対する最終仕上げを行うために使用する研磨テー
プ、その製造方法及び研磨テープ用塗工液の調整に属す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーや半導体ウエハは、最終の
鏡面仕上げを行う研磨工程の精度により、その品質が左
右され、メカニカルポリッシングとよばれる研磨液と研
磨布とを併用して最終仕上げ研磨が行われている。そし
て、上記の研磨液を用いる方法は、研磨工程が煩雑とな
り、これにかわる方法として研磨テープを使用する方法
が考えられている。この研磨テープは、主にプラスチッ
クから形成される研磨テープ用の基材フィルムに対して
研磨材粒子をバインダー(研磨材粒子を基材フィルムに
固着させるもので、合成・天然樹脂、可塑剤、滑剤、帯
電防止剤などから構成される。)を塗工工程に適した溶
剤に溶解したワニスに分散させた塗工液を塗工・乾燥し
て研磨層を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】研磨テープの研磨材粒
子としては、シリカやアルミナが用いられている。しか
しながら、シリカは固さがアルミナより劣り、研削効率
の点からは満足できるものではない。一方、アルミナ
は、微細な羽毛状粒子の集合体として得られるため、研
削のとき微細な研削傷を発生するなどの問題点がある。
【0004】本発明は、上記の欠点や問題点を考慮し、
研削傷を発生すことがなく、研削効率がよい光コネクタ
フェルールの端面や、半導体ウエハ表面などの精密部品
の鏡面仕上げを精度よく行うことができる研磨テープと
その製造方法の提供を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の精密部品研磨用のテープは、基材フィルム
の一方の側にプライマー層、及び表面中心線平均粗さR
aが0.005〜2.0μm、全光線透過率が50〜9
0%であり、かつヘイズ値が5〜70%である研磨層を
もつ研磨テープであって、該研磨層が、平均粒形が10
〜700nmの複合酸化物粒子とバインダーとから構成
される研磨テープである。そして、前記複合酸化物粒子
が、アルミナ・シリカの複合酸化物粒子の研磨テープで
ある。また、前記アルミナ・シリカの複合酸化物粒子
が、ムライト相を主成分とする球状粒子の研磨テープで
ある。そして、前記バインダーが、有機及び/又は無機
の複合樹脂、又はオルガノポリシロキサンなどのシロキ
サン結合をもつシリコーン系樹脂の研磨テープである。
また、前記基材フィルムが厚さ50〜100μmのポリ
エステルフィルムであることを特徴とする請求項1乃至
4に記載の研磨テープ。そして、前記基材フィルムに設
けるプライマー層は、未延伸又は一軸延伸のいずれかの
フィルムにプライマー層塗工液を塗工・乾燥後、更に延
伸、熱処理加工を施し、基材フィルムと該プライマー層
との接着を強固に形成した二軸延伸フィルムである研磨
テープである。また、研磨層をの塗工液が、溶剤に湿潤
・分散した平均粒子径が10〜700nmの研磨材粒子
と、塗工用溶剤に溶解したバインダーとからなり、かつ
該研磨材粒子とバインダーとの重量比が、20:80〜
90:10で構成される塗工液を基材フィルムに塗工す
る研磨テープである。
【0006】前記の研磨層が、上記塗工液を、2〜10
μmのフィルターで濾過した後、30〜40℃、同温度
に於ける相対湿度が30〜80%の雰囲気下の塗工部
で、塗工・乾燥・固化・硬化する研磨テープの製造方法
である。また、上記の研磨層は、グラビアリバースコー
トで塗工して設ける研磨テープの製造方法である。前記
研磨層が、塗工液を塗工・乾燥・固化後、更に100℃
10分を上回る熱処理で硬化反応を完結する研磨テープ
の製造方法である。
【0007】本発明でいうアルミナ・シリカの複合酸化
物粒子が、ムライト相を主成分とする球状粒子とは、一
種の結晶化ガラス構造のムライト相をもち、そして、そ
の化学組成は、3Al2 3 ・2SiO2 を示されるア
ルミニウムとケイ素との複合酸化物である。緻密組織
で、耐熱性(最高使用温度は約1500℃)、電気絶縁
性、機械的強度に優れたセラミック材料である。そし
て、鉄、チタンの酸化物を含むと屈折率が増加する傾向
がある。金属粉などを酸化気流中で燃焼合成することに
より、複合酸化物として作成したもののうち、粒子径1
0〜700nmの球状に近い形状のものを研磨テープに
使用するものである。
【0008】また、ムライト相を主成分とする球状粒子
は、略ぼ球状の構造をもつ『アルミナ・シリカの複合酸
化物』からなる粒子を使用することができる。球状粒子
は、球形状あるいは偏平な楕円形状に近い形状のように
表面が滑らかで曲面で囲まれていればよい。特に粒子の
表面に突起や角がないいわゆるカッティングエッジがな
い球状が好ましい。また、ムライト相のアルミナ・シリ
カの複合酸化物粒子は、研磨材粒子として用いて、非晶
質のシリカ、羽毛状粒子のアルミナとは異なり球形状の
緻密な組成をもち、そのモース硬度は、シリカの6より
硬くアルミナの11に近傍の値であり、かつ、その耐熱
温度は、シリカの1000℃、アルミナの1100℃よ
り高い1500℃を示すものである。
【0009】
【発明の実施形態】本発明の研磨テープ4は、図1に示
すように、基材フィルム5の一方の側にプライマー層、
及び表面中心線平均粗さRaが0.005〜2.0μ
m、全光線透過率が50〜90%であり、かつヘイズ値
が5〜70%である鏡面に近い研磨層7をもつ研磨テー
プ4である。そして、該研磨層7が、平均粒形が10〜
700nmの複合酸化物粒子とバインダーとから構成さ
れるものである。
【0010】本発明の研磨テープの基材フィルムは、研
磨作業に供して充分に耐える強度と、研磨材の塗工・乾
燥に耐える強度・耐熱性、保護フィルムと積層したあと
で寸法変化が少ないフィルムから適宜に選択できる。例
えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・
ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポ
リアミド、アクリル酸エステル又はメタクリ酸エステル
を主成分とするアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートなどのポリエステル、ポリアセタール、ジ又は
トリ・セルロースアセテートの繊維素誘導体や、ポリカ
ーボネートなどよりなる延伸あるいは未延伸のフィルム
である。
【0011】基材フィルムに、粉塵の付着を防止するた
めに帯電防止剤を加えることが好ましい。帯電防止剤
は、通常の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性
剤、陽イオン性界面活性剤などやポリアミド誘導体やア
クリル酸誘導体などを適宜選択して加えることができ
る。
【0012】特に研磨層の塗工適性適性、後加工適性及
び研磨機における取扱いに優れたポリエチレンテレフタ
レート、ナイロン6の二軸延伸フィルムやポリイミドフ
ィルムの厚さが12〜100μmのものが選ばれる。そ
して、プライマー層又は研磨層を塗工する側には、コロ
ナ放電処理、オゾンガス処理などの易接着処理を施すこ
とが好ましい。好ましい基材フィルムは、種類が多く、
変成し易いポリエステルであり、特に耐熱性、剛性があ
るポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムと他
のポリエステルをプライマー層として設けたの50〜1
00μmのフィルムである。
【0013】本発明のプライマー層は、基材フィルムの
種類によっても異なるが、塩化ビニル・酢酸ビニル系共
重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリアクリル酸アル
キルやポリメタアクリル酸アルキルなどのアクリル系樹
脂、エチレン系共重合体、ゴム系誘導体、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂、エポキ
シ系樹脂、アミノプラスト、ポリウレタン系樹脂、シリ
コーン系樹脂、セルロース誘導体などを主成分とするワ
ニスを、未延伸フィルム又は一軸延伸フィルムに塗工し
たのち、更に二軸延伸加工処理を施したりして基材フィ
ルムとプライマー層との間の接着強度を強固にしたり、
あるいは、単に延伸フィルムに塗工したりして形成す
る。
【0014】研磨層と基材フィルムとの接着を強固に安
定するために、設けるプライマー層は、上記バインダー
と同種の材料から作成されるワニスの他に、プライマー
層としては、若干粘着性があっても、研磨層でブロッキ
ングを防止できる。したがって、基材フィルムと親和性
があり、接着力の強いガラス転移点の低い材料から選択
することもできる。そして、これらのワニスの種類によ
ってはイソシアネートなどの硬化剤を添加することによ
り接着を強固にできる。
【0015】プライマー層は、未延伸フィルム又は一軸
延伸フィルムに塗工したのち延伸加工をすることによ
り、プライマー層がフィルムと熱溶着され、基材フィル
ムとプライマー層との接着を強固にすることができる。
また、プライマー層は、塗工ばかりでなく、共押出しフ
ィルムの延伸加工によっても形成できる。例えば、ポリ
エチレンテレフタレートと線状ポリエステル(例えば二
次転移点Tgが、40〜130℃のポリエステル)又は
ポリプロピレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体にみら
れるように基材フィルムとなる樹脂よりは異なる(低
い)結晶化温度をもつ、プライマー層となる樹脂とを共
押出し製膜したのち延伸することにより厚み精度がよ
く、研磨層との接着が安定した基材フィルムを形成する
こともできる。
【0016】研磨材粒子は、非晶質のシリカ、羽毛状粒
子のアルミナとは異なり、略ぼ球状の構造をもつ『アル
ミナ・シリカの複合酸化物』粒子からなるムライト相を
主成分とするものである。精密部品用の研磨材に適する
研磨テープに使用することから、10〜700nmの球
状の一次粒子であるものが好ましい。一般に、研磨材の
粒子径が小さい程、塗工液に配合できる含有量が高く、
粒子径が大きい程含有量を低くする必要がある。そし
て、10nmより小さいときは、研削効果をあげること
ができず、700nmより大きいときは被研磨材料に擦
り傷を与えることがある。したがって、10〜700n
mの略ぼ球状の複合酸化物粒子が好ましく使用できる。
【0017】そして、平均粒形が10〜700nmの超
微粒子を、粘性があるワニスと均一に分散するために
は、例えば、アルミナ・シリカ複合酸化物粒子をイソプ
ロピルアルコールなどとの溶剤に湿潤したり、非イオン
性界面活性剤や陰イオン性界面活性剤を添加したりした
物とを混合して塗工液を調整して、10〜700nmの
粒子を塗工液中に凝集することなく作成することができ
る。好ましくは、溶剤に湿潤・充分に分散した研磨材粒
子を更に溶剤を少量づつ加えながら充分に分散して均一
に攪拌し、溶剤に溶解したバインダーを少量づつ加えな
がら充分に攪拌し、分散状態のよい塗工液を調整する。
調整した、塗工液は、2〜10μmのフィルターで濾過
を行い、沈殿などのため二次凝集した研磨材粒子を除去
したのち塗工に供することが好ましい。
【0018】研磨層の有機無機複合ポリマーを硬化する
ために、亜鉛、マンガン、ジルコニウム、ランタン、す
ずなどの有機金属化合物を添加して塗工液を作成するこ
ともできる。
【0019】本発明のバインダーは、有機及び無機の複
合樹脂、又はその構造中にシロキサン結合〔シロキサン
結合:(−Si−O−)n 〕をもつプレポリマー、オリ
ゴマー、又はポリマーなどを使用することができる。そ
して、ポリシロキサンやそれらの誘導体や変成物、ある
いはそれらのブレンド物などとして使用する。
【0020】具体的には、ポリシロキサンを構成するモ
ノマー、プレポリマー若しくはオリゴマー又はポリマー
と、例えば、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニ
ルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ゴ
ム状ポリマー、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、フェノール系樹脂、アミノプラスト、エポキシ系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース誘導体などのモノ
マー、プレポリマー若しくはオリゴマー又はポリマーと
を、混合あるいは反応し、そのブレンド物、あるいは反
応生成物を使用できる。そして、硬化剤の添加量は、有
機無機複合ポリマーに対して、0.0001〜35重量
%(固形分比)である。
【0021】特に、本発明においては、ポリエチレン系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂などのプレポリマー若しくはオリゴマーあるいはポ
リマーを主鎖とし、その側鎖にポリシロキサンのプレポ
リマー若しくはオリゴマーあるいはポリマーを例えばグ
ラフト重合によって反応させ、主鎖部分を有機性化合物
で構成し、側鎖部分をシロキサン結合からなる無機性化
合物で構成した有機無機複合ポリマーあるいは、そのプ
レポリマー若しくはオリゴマーなどを使用することが好
ましい。上記の有機無機複合ポリマーを研磨層のバイン
ダーに使用することによって、研磨材粒子が塗工液ある
いは研磨層中で部分的に凝集することがなく、均一に塗
工でき精密部品用の微細な研磨に適した研磨テープを構
成できるものである。
【0022】塗工液のアルミナ・シリカ複合酸化物粒子
とバインダー(有機無機複合ポリマー)との重量比率
は、20:80〜90:10であることが望ましい。粒
子の比率が90重量%を超えると、粒子が脱落し易く、
20重量%に満たないときは、研削効果が発揮できな
い。
【0023】上記のように溶剤に湿潤した10〜700
nmのアルミナ・シリカ複合酸化物粒子とバインダー
(有機無機複合ポリマー)との重量比率は、20:80
〜90:10で構成された塗工液を用いて研磨テープを
作成する。すなわち、図1に示すように、基材フィルム
5として例えば厚さが10〜200μm好ましくは50
〜100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの
一方の側に所望に応じて、エポキシ樹脂、アクリル樹脂
又はポリエステルなどを主成分とする、基材フィルムの
プライマー層6を設ける。
【0024】次いで、凹版のドクター作用で塗工量を均
一に安定して規制できる、グラビア版を用いるグラビア
リバース法で0.5〜10g/m2 (本明細書において
は、塗工量は、固形分g/m2 で記載する。)、好まし
くは3〜5g/m2 研磨層を設けて塗工・乾燥・固化す
る。また、シロキサン結合を含む本発明のバインダー
は、温度と湿度とで硬化反応がすすむものである。した
がって、塗工をするときの雰囲気は可能な限り高温度
で、高湿度であることが好ましい。しかしながら、高温
度、高湿度が極端になったときは、塗工液が、グラビア
版面で硬化したり、塗工された研磨層の硬化反応が不均
一になったり、塗工前の塗工液が縮合反応をしてゲル状
ものを発生したりする問題がある。したがって、30〜
40℃、同温度の相対湿度が30〜80%が好ましい条
件である。更に、反応を完結する目的で、100℃10
分に相当する熱処理を80〜120℃で施すことにより
硬化反応を均一に完結させ、耐久性をもつ研磨層を構成
できる。
【0025】このようにして作成された研磨テープの研
磨層の表面中心線平均粗さRaは、0.005〜2.0
μmの範囲にある精密部品用研磨層として適したものを
構成できる。そして、プライマー層を設けたことによる
クッション効果で被研磨材に研削傷を生じることがな
く、研削効率を向上させた耐久性をもつ精密部品用研磨
テープを構成できる。
【0026】上記の研磨テープは、図2に示すように回
転する金属板よりなる支持体9に弾性エラストマー8を
介して、本発明の研磨テープを4を載置する。研磨作業
は、研磨テープ4の上で、光ファイバー2の被覆部3を
除いた光コネクタフェルールの端面を約30〜60秒の
間研磨する。アルミナ・シリカ複合酸化物粒子を使用し
た本発明の研磨テープは、被研磨面に研削傷を生ずるこ
とがなく効率よく研磨することができる。
【0027】以下、実施例について本発明を更に詳細に
説明する。
【実施例】
(実施例1〜3)表1に示す組成でセラミックコート材
である(有機無機複合ポリマーシリコーンワニス)と、
イソプロピルアルコールに湿潤した平均粒子径500〜
700nmのムライト相アルミナ・シリカ複合酸化物粒
子とを主成分とした実施例1、2及び3の研磨層用塗工
液を作成した。次いで、製膜工程で図1に示す厚さ75
μmのプライマー層6を製膜時の延伸加工時に設けた易
接着性ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィ
ルム5として、そのプライマー層6に、上記の各塗工液
を濾過精度5μmの濾過を施して、35℃、相対湿度4
0%の雰囲気下で斜線凹版のグラビアリバースコートで
9g/m2 塗工して、乾燥・固化し、更に100℃で1
0分間の熱処理を行い実施例1〜3の研磨テープ4を形
成した。
【0028】(実施例4〜6)基材フィルム5として厚
さ75μmのポリエステル(易接着性ポリエチレンテレ
フタレートフィルム)のコロナ放電処理を施した易接着
処理面の側にエポキシ系プライマー層をグラビアリバー
スコートで1g/m2 塗工してプライマー層6を形成し
た。次いで、上記実施例1〜3の研磨層用塗工液をプラ
イマー層6に、実施例1と同様にして濾過した塗工液
を、35℃、相対湿度40%の雰囲気下で斜線凹版のグ
ラビアリバースコートで9g/m2 塗工して、乾燥・固
化し、更に100℃10分間の熱処理を行い実施例4〜
6の研磨テープ4を形成した。
【0029】(実施例7〜9)表1に示す組成でセラミ
ックコート材有機無機複合ポリマーシリコーンワニス
と、イソプロピルアルコールに湿潤した平均粒子径70
〜120nmのムライト相アルミナ・シリカ複合酸化物
粒子とを主成分とした実施例7、8及び9の研磨層用塗
工液を作成した。次いで、実施例1と同様の基材フィル
ム5のプライマー層6に、上記の各塗工液を、実施例1
と同様にして濾過して、35℃、相対湿度40%の雰囲
気下で斜線凹版のグラビアリバースコートで6g/m2
塗工して、乾燥・固化し、更に100℃10分間の熱処
理を行い、実施例7〜9の研磨テープ4を形成した。
【0030】(実施例10)表1に示す組成で有機無機
複合ポリマーシリコーンワニスと、イソプロピルアルコ
ールに湿潤した平均粒子径70〜120nmのムライト
相アルミナ・シリカ複合酸化物粒子とを主成分として実
施例10の研磨層用塗工液を作成した。次いで、実施例
1と同様に、図1に示すプライマー層を設けた基材フィ
ルム5のプライマー層6に、上記の塗工液を、実施例1
と同様にして濾過して、35℃、相対湿度40%の雰囲
気下で斜線凹版のグラビアリバースコートで6g/m2
塗工して、乾燥・固化し、更に100℃10分間の熱処
理を行い、実施例10の研磨テープ4を形成した。
【0031】(実施例11)表1に示す組成で水分散系
ポリエステルワニスと、イソプロピルアルコールに湿潤
した平均粒子径70〜120nmのムライト相アルミナ
・シリカ複合酸化物粒子とを主成分とし、アンモニア水
を添加してpH7に調整して実施例11の研磨層用塗工
液を作成した。次いで、図1に示す基材フィルム5とし
て、厚さ75μmのポリエステルフィルムの面に実施例
4で使用したプライマーを塗工してプライマー層6を設
け、上記塗工液を3本リバースロールコートで30g/
2 塗工・乾燥・固化し、更に100℃10分間の熱処
理を行い、実施例11の研磨テープ4を形成した。
【0032】
【比較例】
(比較例1)表1に示す組成でセラミックコート材(有
機無機複合ポリマーシリコーンワニス)と平均粒子径7
0〜120nmのオルガノシリカゾルとを主成分とし、
比較例1及び2の研磨層用塗工液を作成した。次いで、
実施例1に使用したフィルム基材フィルム5のプライマ
ー層6に、上記の各塗工液を、斜線凹版のグラビアリバ
ースコートで6g/m2 塗工して、乾燥・固化しして比
較例1の研磨テープ4を形成した。
【0033】(比較例2)表1に示す組成で、水分散系
ポリエステル系ワニスと、平均粒子径70〜120nm
のオルガノシリカゾルとを主成分とし、比較例2の研磨
層用塗工液を作成した。次いで、実施例1に使用したフ
ィルム基材フィルム5のプライマー層6に、上記の各塗
工液を、斜線凹版のグラビアリバースコートで6g/m
2 塗工して、乾燥・固化して比較例2の研磨テープ4を
形成した。 (以下余白)
【0034】
【表1】実施例及び比較例の研磨テープの構成 但し、略語・符号は、下記のものを意味する。 添加剤は微量のため配合比には含めていない。
【0035】・F1:未延伸ポリエステルフィルム ・F2:二軸延伸ポリエステルフィルム ・F3:低熱収縮二軸延伸ポリエステルフィルム ・A1:ムライト相アルミナ・シリカ複合酸化物粒子、
平均粒子径50〜700nm ・A2:ムライト相アルミナ・シリカ複合酸化物粒子、
平均粒子径70〜120nm ・S3:オルガノシリカゾル平均粒子径70〜120n
m ・S1:セラミックコート材 ・K2:シリコーンワニス、 ・B4:水分散系ポリエステルワニス ・硬: 硬化剤 ・分:分散剤 ・EP:エポキシ系プライマー (以下余白)
【0036】
【表2】実施例及び比較例の評価結果 但し、研磨結果: ◎:非常に良好 ○:良好 △:実用性にやや問題があるが使用中
【0037】実施例及び比較例の各試料について、図2
に示す光ファイバー2の光コネクタフェルール端面11
の最終仕上げを行った結果、実施例1〜11の試料は、
研磨傷、研磨斑が全くない仕上がり精度、耐久性とも良
好で効率よく作業することができ、信号の減衰特性が良
好な光コネクタフェルールを仕上げられた。これに対し
て比較例のものは、実施例のものと同様に光コネクタフ
ェルール端面11の最終仕上げを行った結果、研磨傷や
研磨斑は発生しなかったが、研削効率及び研磨テープの
耐久性は実施例のものと比較して、約80%のものであ
った。
【0038】また、実施例及び比較例の各試料につい
て、半導体ウエハ、金属、セラミックス、液晶表示用カ
ラーフィルター、プラズディスプレイ、光学ガラス、光
学レンズ、磁気ディスクあるいは光ディスク基板、磁気
ヘッド、光学読取ヘッドなどの精密部品に対して、光コ
ネクタフェルールと同様の仕上げ研磨を行った。この結
果、光コネクタフェルールと同様に、研磨傷や研磨斑が
なく、信号の減衰特性が良好な仕上げを効率よく行うこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】研磨テープ積層体の断面構成を示す概略図であ
る。
【図2】研磨フィルムをパッドに装着した状態を示す断
面概略図である。
【符号の説明】
1 光コネクタフェルール 2 光ファイバー 3 被覆部 4 研磨テープ 5 研磨テープ用基材フィルム 6 プライマー層 7 研磨層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の側にプライマー
    層、及び表面中心線平均粗さRaが0.005乃至2.
    0μm、全光線透過率が50乃至90%であり、かつヘ
    イズ値が5乃至70%である研磨層をもつ研磨テープで
    あって、該研磨層が、平均粒形が10乃至700nmの
    複合酸化物粒子とバインダーとから構成されることを特
    徴とする研磨テープ。
  2. 【請求項2】 前記複合酸化物粒子が、アルミナ・シリ
    カの複合酸化物粒子であることを特徴とする請求項1記
    載の研磨テープ。
  3. 【請求項3】 前記アルミナ・シリカの複合酸化物粒子
    が、ムライト相を主成分とする球状粒子であることを特
    徴とする請求項1乃至2に記載の研磨テープ。
  4. 【請求項4】 前記バインダーが、有機及び/又は無機
    の複合樹脂、又はオルガノポリシロキサンなどのシロキ
    サン結合をもつシリコーン系樹脂であることを特徴とす
    る請求項1乃至3に記載の研磨テープ。
  5. 【請求項5】 前記基材フィルムが厚さ50乃至100
    μmのポリエステルフィルムであることを特徴とする請
    求項1乃至4に記載の研磨テープ。
  6. 【請求項6】 前記基材フィルムに設けるプライマー層
    は、未延伸又は一軸延伸のいずれかのフィルムにプライ
    マー層塗工液を塗工・乾燥後、更に延伸、熱処理加工を
    施し、基材フィルムと該プライマー層との接着を強固に
    形成した二軸延伸フィルムであることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の研磨テープ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6に記載の研磨層を形成す
    る塗工液が、溶剤に湿潤・分散した平均粒子径が10乃
    至700nmの研磨材粒子と、塗工用溶剤に溶解したバ
    インダーとからなり、かつ該研磨材粒子とバインダーと
    の重量比が、20:80乃至90:10で構成される上
    記塗工液を基材フィルムに塗工することを特徴とする研
    磨テープ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6に記載の研磨層が、請求
    項7記載の塗工液を、2乃至10μmのフィルターで濾
    過した後、30乃至40℃、同温度に於ける相対湿度が
    30乃至80%の雰囲気下の塗工部で、塗工・乾燥・固
    化・硬化することを特徴とする研磨テープの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7に記載の研磨層は、グラ
    ビアリバースコートで塗工することを特徴とする請求項
    8に記載の研磨テープの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至7に記載の研磨層が、塗
    工液を塗工・乾燥・固化後、更に100℃10分を上回
    る熱処理で硬化反応を完結することを特徴とする請求項
    8又は9に記載の研磨テープの製造方法。
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