JP2010067335A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法および磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な記録再生特性を確保でき、高記録密度に対応可能であって、特に書き込み特性に優れた磁気記録媒体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターン2が備えられている磁気記録媒体1であって、各磁気記録パターン2が、低保磁力領域2aと、低保磁力領域2aよりも保磁力の高い高保磁力領域2bとを備えたものであり、平面視で低保磁力領域2aの中央部に高保磁力領域2bが配置されている磁気記録媒体1とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置に関するものである。
近年、ハードディスク装置、フレキシブルディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。特にMR(magnet resistive)ヘッド、およびPRML技術の導入以来、単位面積あたりの記録密度の上昇はさらに激しさを増している。近年では、さらにGMR(giant magnet resistive)ヘッド、TMR(tunneling magnet resistive)ヘッドなども導入され、1年に約100%ものペースで記録密度の増加が続いている。これらの磁気記録媒体については、今後更に高記録密度を達成することが要求されており、そのために磁性層の高信号対雑音比(SNR)、高分解能を達成することが要求されている。また、近年では線記録密度の向上と同時に、トラック密度の増加によって記録密度を上昇させようとする努力がなされている。
最新の磁気記録装置では、トラック密度は300kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合い、その境界領域の磁化遷移領域がノイズ源となり、SNRを損なうという問題が生じやすくなる。このことは、そのままビットエラーレート(Bit Error rate)の悪化につながるため、記録密度の向上に対して障害となっている。
磁気記録媒体の記録密度を上昇させるためには、磁気記録媒体上の各記録ビットのサイズをより微細なものとし、各記録ビットに可能な限り大きな飽和磁化と磁性膜厚を確保する必要がある。しかし、記録ビットを微細化していくと、1ビット当たりの磁化最小体積が小さくなり、熱揺らぎによる磁化反転で記録データが消失するという問題が生じる。
また、トラック密度が高くなるとトラック間距離が近づくため、磁気記録装置は極めて高精度のトラックサーボ技術を要求されるという問題も生じる。これに対しては、記録を広いトラック幅で行い、再生を記録時よりも狭いトラック幅で行うようにすることにより、隣接トラックからの影響をできるだけ排除する方法が一般的に用いられている。しかし、この方法ではトラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることが困難であり、そのために十分なSNRを確保することがむずかしいという問題がある。
以上のような熱揺らぎの問題を解消し、さらに、SNRの確保及び十分な出力の確保を達成する方法の一つとして、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成する等により、記録トラック同士を物理的または磁気的に分離して、隣接トラック間の干渉を抑えて、トラック密度を上げようとする試みがなされている。なお、以下では、このような技術をディスクリートトラック法、それによって製造された磁気記録媒体をディスクリートトラック媒体と呼ぶ。
さらに、ディスクリートトラック媒体のトラック部分を、さらにビット単位で分離したビットパターン媒体を製造する試みもなされている。
ディスクリートトラック媒体の一例として、表面に凹凸パターンを形成した非磁性基板上に磁性層を形成することによって、物理的に分離した磁気記録トラック及びサーボ信号パターンを形成した磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このディスクリートトラック媒体では、磁性層に凹凸加工を施したり、その後、この凹凸を非磁性層で埋めて表面平坦化したりするために、ナノレベルの微細加工技術が必要であり、製造コストがかかるという問題がある。
そこで、ディスクリートトラック媒体の製造方法として、あらかじめ形成した磁性層の磁気トラック同士の間の領域(磁気トラック間領域)に、窒素、酸素等のイオンを注入し、または、レーザ光を照射することにより、この領域の磁気的な特性を変化させ、磁気トラック同士を、磁気トラック間領域を介して分離する方法が開示されている(特許文献2〜4参照。)。しかし、このようなディスクリートトラック媒体においては、磁気記録トラック内で記録ビット間の磁壁の移動に起因する情報の消失が起こる可能性がある。
この問題を解決するために、ディスクリートトラック媒体の磁気記録トラック内にピンニングサイトを作り、磁壁の移動を抑えることで、磁壁の移動に起因する情報の消失を防ぐ技術が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開2004−164692号公報 特開平5−205257号公報 特開2006−209952号公報 特開2006−309841号公報 特開平11−31318号公報
しかしながら、従来のディスクリート媒体では、トラック等を物理的に形成する必要があるため、その形状、すなわち、トラック幅、トラック深さ等に制限があり、高記録密度を達成するために、磁性層の保磁力を高める傾向がある。このため、小型化した磁気記録再生ヘッドでは、書き込みに際する記録磁界が不足してしまい、高保磁力の磁気記録媒体に対して、十分な書き込み特性(writability)が得られない場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、十分な記録再生特性を確保でき、高記録密度に対応可能であって、特に書き込み特性に優れた磁気記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明の磁気記録媒体を備え、高記録密度特性に優れた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1) 磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターンが備えられている磁気記録媒体であって、各磁気記録パターンが、低保磁力領域と、前記低保磁力領域よりも保磁力の高い高保磁力領域とを備えたものであり、平面視で前記低保磁力領域の中央部に前記高保磁力領域が配置されていることを特徴とする磁気記録媒体。
(2) 前記高保磁力領域の保磁力が2000(Oe)〜6000(Oe)(1Oeは約79A/m)の範囲内であり、前記低保磁力領域の保磁力が100(Oe)〜1000(Oe)の範囲内であることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(3) 前記高保磁力領域の垂直断面の形状が、表面から深さ方向に徐々に幅が狭くなる逆台形とされていることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4) 前記磁気記録パターンは、記録トラック、記録ビット、サーボ信号の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の磁気記録媒体。
(5) 非磁性基板上に磁性層を形成する工程と、前記磁性層上の所定の領域に対して保磁力低減処理を行うことによって、保磁力の低下された低保磁力領域と、平面視で前記低保磁力領域の中央部に配置され、前記低保磁力領域よりも保磁力の高い高保磁力領域とを形成する保磁力低減工程と、前記低保磁力領域上の所定の領域の保磁力を低下させる分離処理を行うことにより、前記低保磁力領域と前記高保磁力領域とを備え、磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターンを形成する分離工程とを備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
(6) 前記保磁力低減処理が、反応性プラズマ処理であり、前記分離処理が、イオン注入処理であることを特徴とする(5)に記載の磁気記録媒体の製造方法。
(7) (1)〜(4)の何れかに記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を記録トラック方向に駆動する媒体駆動手段と、記録部と再生部とを備える磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させるヘッド運動手段と、前記磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号の再生を行う記録再生信号処理手段とを具備してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
本発明の磁気記録媒体は、各磁気記録パターンが、低保磁力領域と、前記低保磁力領域よりも保磁力の高い高保磁力領域とを備えたものであり、平面視で前記低保磁力領域の中央部に前記高保磁力領域が配置されているものであるので、磁気記録パターンに書き込みを行った場合に、低保磁力領域の磁化反転が容易に起こるとともに、低保磁力領域の磁化反転が高保磁力領域の磁化反転を促進させて高保磁力領域の磁化反転が容易に起こるものとなる。したがって、本発明によれば、高記録密度に対応した書き込み磁界の小さい小型化された磁気ヘッドを用いた場合であっても、磁気記録パターンに確実に書き込みを行うことができる優れた書き込み特性を有する磁気記録媒体を実現できる。
また、本発明の磁気記録媒体は、各磁気記録パターンが、低保磁力領域と、前記低保磁力領域よりも保磁力の高い高保磁力領域とを備えたものであり、平面視で前記低保磁力領域の中央部に前記高保磁力領域が配置されているものであるので、隣接する磁気記録パターン間で保磁力の高い高保磁力領域同士が隣り合うことがなく、高保磁力領域の磁化状態が安定して保持されるとともに、低保磁力領域の磁化状態が高保磁力領域の磁化結合により安定しているものとなるため、磁気記録パターンに書き込まれた情報信号に応じた磁界を読み出す際に、隣接する他の磁気記録パターンの高保磁力領域が影響を与えにくいものとなる。このため、本発明の磁気記録媒体では、磁気記録パターンが一定の保磁力を有するものである場合と比較して、読み出し時における隣接する磁気記録パターンからの影響が小さく、情報信号を安定して読み出すことができるものとなる。よって、本発明の磁気記録媒体では、隣接する磁気記録パターンからの影響を考慮して、磁気ヘッドの読み出しヘッドの幅を書き込みヘッドの幅よりも狭くする必要はなく、書き込みヘッドと同じ幅の読み出しヘッドを備えた磁気ヘッドを用いて、十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、優れた書き込み特性を有する本発明の磁気記録媒体を備えたものであるので、磁気ヘッドとして高記録密度に対応した書き込み磁界の小さい小型化されたものを用いた場合であっても、磁気記録パターンに確実に書き込みを行うことができ、高記録密度特性に優れた磁気記録再生装置を実現できる。また、本発明の磁気記録再生装置によれば、書き込みヘッドと同じ幅の読み出しヘッドを備えた磁気ヘッドを用いて、十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
以下、本発明を、図面を参照して具体的に説明する。
「磁気記録媒体」
図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を示した平面図であって、図1(a)は全体図であり、図1(b)は図1(a)に示す磁気記録媒体の一部を示した拡大平面図である。また、図2は、図1(a)に示す磁気記録媒体の一部を示した拡大図であって、図2(a)は磁気記録媒体の垂直断面図であり、図2(b)は磁気ヘッドとともに磁気記録媒体を示した斜視図である。なお、図2(b)において大きな矢印で示される方向は、磁気記録媒体に対する磁気ヘッドの相対的な走行方向であって、磁気記録媒体の円周方向に沿う方向である。また、図1(b)および図2(b)においては、図面を見やすくするために、保護層の記載を省略している。
本実施形態の磁気記録媒体1は、図1(a)に示すように平面視略ドーナツ型の板状のものであり、記録領域とサーボ領域とからなるセクタ(図示略)が、円周方向に分割して複数形成されてなるものである。記録領域は、情報信号(データ)を記録するための複数の記録トラックを有するものであり、サーボ領域は、該各記録トラックの幅方向の位置を検出するためのサーボ信号パターンを有するものである。
本実施形態の磁気記録媒体1は、図2(b)に示すように、非磁性基板4の垂直方向に磁化が付与される磁性層6を備えたディスクリートトラック媒体であり、読み出しヘッド11と書き込みヘッド12とを備えた磁気ヘッド27によって、情報信号の書き込みおよび読み出しが行われるものである。また、本実施形態の磁気記録媒体1は、図2(a)に示すように、非磁性基板4上に、軟磁性層5と、磁性層6と、保護層7とが下から順に設けられたものである。
非磁性基板4としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、結晶化ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。これらの中でも、Al合金基板や結晶化ガラス等からなるガラス製基板またはシリコン基板を用いることが好ましい。
また、これらの非磁性基板4の平均表面粗さ(Ra)は、1nm以下であることが好ましく、0.5nm以下であることがより好ましく、0.1nm以下であることがさらに好ましい。
軟磁性層5は、軟磁性材料によって構成される。軟磁性層5に用いられる軟磁性材料としては、例えばFeCo系合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、FeCoZrB、FeCoZrBCuなど)、FeTa系合金(FeTaN、FeTaCなど)、Co系合金(CoTaZr、CoZrNB、CoBなど)等が挙げられる。
図1(b)および図2(a)に示すように、本実施形態の磁気記録媒体1では、磁性層6に、複数の磁気記録パターン間領域3と、複数の磁気記録パターン2とが設けられている。磁気記録パターン間領域3は、磁性層6のうち、磁気記録パターン2の設けられている領域以外の領域全ての領域に設けられており、磁気記録パターン2同士を磁気的に分離している。
磁気記録パターン2は、磁気的情報が記録される部分であり、磁気記録パターン間領域3よりも保磁力等が高い領域となっている。本実施形態においては、磁気記録パターン2は、ユーザによって情報信号が書き込まれる記録トラック、記録ビット、サーボ信号の全てを構成している。サーボ信号は、サーボ信号パターンによって構成されている。サーボ信号パターンとしては、特に限定されないが、バーストパターン、グレイコードパターン、プリアンブルパターン等がある。
図2(a)および図2(b)に示す磁気記録パターン2の幅W(記録トラック幅に対応する)は200nm以下、記録トラックを構成する磁気記録パターン間領域3の幅L(図2(a)参照)は100nm以下、磁気記録パターン2のピッチ(トラックピッチに対応する寸法(すなわち、W+L)は300nm以下の範囲とすることが好ましい。磁気記録パターン2の幅Wおよび磁気記録パターン間領域3の幅Lを上記の範囲とすることにより、磁気記録媒体1の記録密度を高めることができる。
磁気記録パターン2は、図1(b)、図2(a)、図2(b)に示すように、低保磁力領域2aと、低保磁力領域2aよりも保磁力の高い高保磁力領域2bとを備えている。図1(b)、図2(a)、図2(b)に示すように、高保磁力領域2bは、平面視で低保磁力領域2a、2a間に挟まれて帯状に延在しており、低保磁力領域2aの中央部に高保磁力領域2bが配置されている。言い換えると、高保磁力領域2bの両側に低保磁力領域2aが配置された状態となっている。また、本実施形態において記録トラックを構成する高保磁力領域2bおよび低保磁力領域2aは、磁気記録媒体1に対する磁気ヘッド27の相対的な走行方向である磁気記録媒体1の円周方向に沿って延びている。また、本実施形態においては、図2(a)および図2(b)に示すように、高保磁力領域2bの垂直断面の形状が、表面から深さ方向に徐々に幅が狭くなる逆台形とされている。
磁気記録パターン2の高保磁力領域2bの保磁力は2000(Oe)〜6000(Oe)(1(Oe)は約79A/m)の範囲内、磁気記録パターン2の低保磁力領域2aの保磁力は100(Oe)〜1000(Oe)の範囲内であることが好ましい。高保磁力領域2bおよび低保磁力領域2aの保磁力を上記の範囲内とすることにより、書き込みヘッド12による磁気記録媒体1への書き込み特性をより高めることが可能となる。なお、高保磁力領域2bの保磁力が6000(Oe)を超えると記録特性が悪化し、低保磁力領域2aの保磁力が100(Oe)未満になると外部磁界の影響を受け易くなる。
また、磁気記録パターン間領域3は、非磁性か、または150(Oe)未満の保磁力であるものとすることが好ましい。ここで非磁性であるとは、磁気ヘッドの検知する磁化量の値が磁気記録パターンの値の1/4以下であることを意味する。磁気記録パターン2の高保磁力領域2bの保磁力、低保磁力領域2aの保磁力、磁気記録パターン間領域3の磁気特性を、上記のものとすることにより、磁気記録媒体1の書き込み特性をより向上させることが可能となる。なお、低保磁力領域2aと磁気記録パターン間領域3との保磁力の差が小さくなりすぎると、SN比が悪化する場合がある。また、低保磁力領域2aと磁気記録パターン間領域3との保磁力の差が大きくなりすぎると、書き込みが困難となって記録特性が悪化する。
また、図2(b)に示すように、本実施形態の磁気記録媒体1において、磁性層6は、垂直磁性層とされている。図2(b)において、磁性層6に示される非磁性基板4の垂直方向の上下の矢印は、磁性層6の磁気記録パターン2に付与された磁化方向を示している。本実施形態においては、記録トラックを構成する磁気記録パターン2の磁化方向は、図2(b)に示すように、磁気ヘッド27の書き込みヘッド12によって記録ビット2c毎に情報信号に応じて磁化反転される。
垂直磁性層としては、例えば、軟磁性層5と磁性層6との間に配向制御膜が積層されたものなどが挙げられる。さらに、配向制御膜と磁性層6との間には、中間膜が設けられていてもよい。したがって、磁性層6が垂直磁性層である場合、軟磁性層5と磁性層6との間には、配向制御膜、または、配向制御膜と中間膜とからなる下地層(図示せず)が設けられていてもよい。
配向制御膜の材料としては、Pt、Pd、NiCr、NiFeCr等が挙げられる。また、中間膜の材料としては、Ru等が挙げられる。
磁性層6は、単層であってもよいし2層以上積層されたものであってもよい。磁性層6の材料としては、CoCrPt系合金、FePt系合金、CoPt系合金、FePd系合金、CoPd系合金等が挙げられる。また、磁性層6は、これらの合金のうち、FePt系合金を主成分として構成されていることが好ましい。磁性層6に用いられるFePt系合金としては、例えば、12Cr−36Fe−52Pt、25Fe−30Co−45Pt、38Fe−10Co−5Ni−47Pt等が挙げられる。
また、磁性層6には、グラニュラ構造を形成する粒界構成物質として酸化物が添加されていてもよい。グラニュラ構造を形成する酸化物としては、Si酸化物、Ti酸化物、W酸化物、Cr酸化物、Co酸化物、Ta酸化物およびRu酸化物のいずれか1種以上を含むものであることが好ましい。
磁性層6の膜厚は、再生の際に一定以上の出力を得るために、ある程度以上の厚さであることが必要である。一方で、記録再生特性の指標となる諸パラメータは、出力の上昇とともに劣化するのが通例である。このような点から、磁性層6は、十分なヘッド出入力特性が得られるように、使用する磁性合金の種類と積層構造を考慮して最適な膜厚で形成する必要がある。具体的には、磁性層6の厚さは、3nm以上20nm以下であることが好ましく、5nm以上15nm以下とすることがより好ましい。
なお、本願発明において磁性層6は、より高い記録密度を実現するために垂直磁性層であることが好ましいが、垂直磁性層に限定されるものではなく、面内磁性層であってもかまわない。磁性層6が面内磁性層である場合、磁性層6と軟磁性層5との間には必要に応じて下地層(図示せず)が設けられる。具体的には、面内磁性層として、例えば、非磁性のCrMo系合金を主材料とする下地層と、強磁性のCoCrPtTa系合金を主材料とする磁性層とからなる積層構造のもの等が挙げられる。
保護層7の材料としては、ダイヤモンド状炭素(Diamond Like Carbon)などの炭素(C)、水素化炭素(HxC)、窒素化炭素(CN)、アルモファスカーボン、炭化珪素(SiC)等の炭素質層やSiO、Zr、TiNなど、通常、保護層として用いられる材料を用いることができる。
また、保護層7は、単層であってもよいし、2層以上の層から構成されていてもよい。
保護層7の膜厚は、10nm未満とすることが好ましい。保護層7の膜厚が10nmを越えると磁気ヘッド27と磁性層6との距離が大きくなり、出入力信号の強さが十分に得られなくなる恐れがある。
保護層7の上には、潤滑層(図示せず)を形成することが好ましい。潤滑層に用いる潤滑剤としては、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等が挙げられる。また、潤滑層は、通常1〜4nmの厚さで形成される。
「磁気記録媒体の製造方法」
次に、本願発明の磁気記録媒体の製造方法として、図1および図2に示す磁気記録媒体1の製造方法を例に挙げて説明する。図3および図4は、図1および図2に示す磁気記録媒体1の製造方法を説明するための工程図である。
[1]図1および図2に示す磁気記録媒体1を製造するには、まず、図3(a)に示すように、非磁性基板4を用意する。そして、図3(b)に示すように、非磁性基板4上の全面に、例えばスパッタ法等の薄膜形成技術を用いて、軟磁性層5と、磁気記録パターン2および磁気記録パターン間領域3となる磁性層6aとを順に形成する。この際、磁性層6aの保磁力(Hc)は2000(Oe)〜6000(Oe)の範囲内とされることが好ましい。
[2]次に、磁性層6a上の磁気記録パターン2に対応する位置に、例えば、以下に示すようにしてレジストパターン10を形成する。
まず、図3(c)に示すように、磁性層6aの表面全面にレジストを塗布してレジスト膜10aを形成する。その後、レジスト膜10aの表面に、磁気記録パターン2に対応するパターンの凹部を有するスタンパー20を密着させ、図3(d)に示すように、高圧Sでプレスすることによって、磁気記録パターン2に対応する形状のパターンを有するレジスト層を形成する。その後、レジスト層の材料に応じた適切な方法を用いてレジスト層を硬化させ、レジスト層の凹部の箇所をドライエッチングなどの方法を用いて除去して磁性層6aの表面を露出させることによって、磁気記録パターン2に対応する形状の図4(a)に示すレジストパターン10が形成される。
図4(a)に示すレジストパターン10の形状は、記録トラック、記録ビット、サーボ信号の全ての形成領域に対応する形状とされている。したがって、レジストパターン10に覆われていない領域が、磁気記録パターン間領域3となる領域に対応する領域とされている。
レジストパターン10となるレジストとしては、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、SOG(Spin On Glass)等を用いることができる。
また、スタンパー20としては、例えば、金属プレートに、電子線描画などの方法を用いて磁気記録パターン2と反対パターンで凹部を刻設したものなどが使用できる。また、スタンパー20の材料としては、プロセスに耐えうる硬度、耐久性が有するものであれば特に限定されず、例えばNi合金等を使用することができる。
なお、レジストパターン10は、スタンパー20を用いて形成してもよいが、フォトリソグラフィー技術を用いて形成してもよい。
次に、図4(a)に示すように、レジストパターン10から露出された磁性層6a上の領域に対して保磁力低減処理を行う。このことによって、磁性層6aの保磁力が低下されてなる低保磁力領域2aと、平面視で低保磁力領域2aの中央部に配置され、低保磁力領域2aよりも保磁力の高い高保磁力領域2bとが形成される(保磁力低減工程)。
保磁力低減工程を行うことによって、低保磁力領域2aとされた磁性層6aの保磁力は、100(Oe)〜1000(Oe)の範囲内とされることが好ましい。
本実施形態における保磁力低減処理は、反応性プラズマ処理であることが好ましい。保磁力低減処理において、反応性プラズマのような指向性(直進性)の低い活性種を用いる処理を行うと、保磁力低減処理による磁性層6aの反応領域は、平面視でレジストパターン10に覆われていない磁性層6aだけでなく、レジストパターン10の縁部近傍のレジストパターン10の下に位置する磁性層6aにまで広がる。このことにより、図4(a)に示すように、高保磁力領域2bの垂直断面の形状が、表面から深さ方向に徐々に幅が狭くなる逆台形とされる。
反応性プラズマとしては、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)や反応性イオンプラズマ(RIE;Reactive Ion Plasma)等を用いることができる。
誘導結合プラズマは、気体に高電圧をかけることによってプラズマ化し、さらに高周波数の変動磁場によって、そのプラズマ内部に渦電流によるジュール熱を発生させることによって得られる高温のプラズマである。誘導結合プラズマは、電子密度が高いため、例えば、保磁力低減処理としてイオン注入を用いる場合に比べて、磁性層6aの面積が比較的広い場合であっても、磁性層6aの低保磁力領域2aとされる部分の磁気特性を、高い効率で、短時間に変化させることができる。
反応性イオンプラズマは、プラズマ中にO、SF、CHF、CF、CCl等の反応性ガスを加えた反応性の高いプラズマである。このようなプラズマを用いることにより、磁性層6aの保磁力(Hc)を、より高い効率で下げることが可能となる。
保磁力低減処理において反応性プラズマ処理を用いる場合、磁性層6aの磁気特性(保磁力)の低減は、磁性層6aを構成する磁性金属と反応性プラズマ中の原子またはイオンとの反応により実現されることが好ましい。ここでの反応とは、具体的には、磁性層6aを構成する磁性金属に反応性プラズマ中の原子等が侵入して、磁性金属の結晶構造が変化すること、磁性金属の組成が変化すること、磁性金属が酸化すること、磁性金属が窒化すること、磁性金属が珪化すること等が挙げられる。
また、反応性プラズマ処理は、酸素原子を含有する反応性プラズマを用いる処理であることが好ましい。酸素原子を含有する反応性プラズマを用いると、磁性層6aを構成する磁性金属と反応性プラズマ中の酸素原子とが反応して、磁性層6aが部分的に酸化するので、磁性層6aの保磁力(Hc)が効率よく低減する。その結果、磁性層6aの保磁力が低下されてなる低保磁力領域2aと、低保磁力領域2aよりも保磁力の高い高保磁力領域2bとを、短時間に形成することが可能となる。
また、反応性プラズマ処理は、ハロゲン原子を含有する反応性プラズマを用いる処理であることが好ましく、ハロゲン原子の中でもF原子を含有していることが特に好ましい。反応性プラズマがハロゲン原子を含んでいると、反応性プラズマ中のハロゲン原子が磁性層6aを構成する磁性合金と反応して、磁性層6aの磁気特性を効率よく改質する(保磁力を低下させる)ことができる。この理由の詳細は明らかではないが、反応性プラズマ中のハロゲン原子が、磁性層6aの表面に付着している異物をエッチングし、これにより磁性層6aの表面が清浄化され、磁性層6aの反応性が高まることによると考えられる。さらに、清浄化された磁性層6aの表面とハロゲン原子とが高い効率で反応することも寄与しているものとが考えられる。特に、ハロゲン原子としてF原子を用いると、このような効果を顕著に得ることができる。
また、ハロゲン原子は、酸素元素とともに、反応性プラズマ中に含有されていても良い。ハロゲン原子と酸素元素とを含有する反応性プラズマを用いた場合、ハロゲン原子によって磁性層6aを構成する磁性金属と酸素原子等との反応性が高められるので、磁性層6aの磁気特性をより効率よく変化させる(保磁力を低下させる)ことが可能となる。
その後、低保磁力領域2aの磁気記録パターン間領域3となる領域に対応するレジストパターン10に覆われていない領域の保磁力を低下させる分離処理を行う。このことにより、図4(b)に示すように、低保磁力領域2aと平面視で低保磁力領域2aの中央部に配置された高保磁力領域2bとを備え、磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターン2が形成された磁性層6とされる(分離工程)。
分離工程を行うことによって、磁気記録パターン間領域3とされた低保磁力領域2aの保磁力は、100(Oe)未満の範囲内とされることが好ましい。
本実施形態において低保磁力領域2aの保磁力を低下させる分離処理は、イオン注入処理であることが好ましい。分離処理において、バイアス電圧で加速するイオン注入のような直進性の高い活性種を用いる処理を行うと、分離処理による低保磁力領域2aの反応領域は、平面視でレジストパターン10に覆われていない低保磁力領域2aのみとなる。したがって、図4(b)に示すように、平面視でレジストパターン10に覆われていない低保磁力領域2aは、保磁力が低下されて磁気記録パターン間領域3とされるが、レジストパターン10の縁部近傍のレジストパターン10の下に位置する低保磁力領域2aは、保磁力低減工程後の保磁力がそのまま維持され、磁気記録パターン2を構成する低保磁力領域2aとされる。
イオン注入処理において注入される注入イオンとしては、Ar、Ne、He、Nなどが用いられる。
以上は、反応性プラズマ処理とイオン注入処理とを組み合わせて高保磁力領域、低保磁力領域、磁気記録パターン間領域を形成する例であるが、これ以外の方法によってもこれらの領域を形成することができる。例えば、図4(a)においてレジストパターン10の断面形状を台形とした場合、台形の側辺に対応した側面においては注入イオンの注入量が弱められ、その下の磁性層は低保磁力領域となり、台形の上辺に対応した上面の下の磁性層は、イオンが注入されないため高保磁力領域となり、台形に覆われていない領域は磁気記録パターン間領域となる。また図4(a)において注入イオンを斜めに入射させることにより、レジストパターン10の下の部分の一部を低保磁力領域とし、その後、注入イオンを基板面に垂直として、レジストパターン10に覆われていない箇所のみを磁気記録パターン間領域とすることができる。
以上のようにして保磁力低減工程および分離工程を行った後、図4(b)に示す磁性層6上からレジストパターン10を除去する。レジストパターン10を除去する方法としては、特に限定されないが、ドライエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリング、湿式エッチング等の手法を用いることができる。
[3]次に、磁性層6の上に、保護層7を形成する。保護層7の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、保護層7がダイヤモンド状炭素(Diamond Like Carbon)を主成分とするものである場合、プラズマCVDなどを用いて成膜することができる。
その後、保護層7表面に、潤滑剤を塗布することによって潤滑層(図示略)を形成する。
以上のようにして図1および図2に示す本実施形態の磁気記録媒体1が得られる。
本実施形態の磁気記録媒体1は、各磁気記録パターン2が、低保磁力領域2aと、低保磁力領域2aよりも保磁力の高い高保磁力領域2bとを備えたものであり、平面視で低保磁力領域2aの中央部に高保磁力領域2bが配置されているものであるので、磁気ヘッド27として、高記録密度に対応した書き込み磁界の小さいものを用いた場合であっても、磁気記録パターン2に確実に書き込みを行うことができる優れた書き込み特性を有するものとなる。
ここで、図2(b)を用いて、本実施形態の磁気記録媒体1に情報信号の書き込みを行う場合における磁気記録パターン2の磁化反転について、詳細に説明する。
本実施形態の磁気記録媒体1を構成する磁気記録パターン2に、磁気ヘッド27を用いて情報信号の書き込みを行う場合、図2(b)に示すように、磁気ヘッド27の書き込みヘッド12を磁気記録パターン2の近傍に近づけて磁気記録媒体1の周方向に沿って、矢印で示される走行方向に移動させ、書き込みヘッド12から書き込もうとする情報信号に応じた垂直方向の磁界9を磁気記録パターン2に付与する。
ここで用いられる磁気ヘッド27は、図2(b)に示すように、読み出しヘッド11(再生部)と書き込みヘッド12(記録部)とを備えている。磁気ヘッド27の読み出しヘッド21の幅と書き込みヘッド12の幅は、同じとされており、磁気記録パターン2の幅Wよりも狭くなっている。また、書き込みヘッド12の作り出す磁界9の強度は、書き込みヘッド12の幅方向の中心部分12bが最も大きく、外側12aに近いほど小さくなっている。そして、磁気記録パターン2に情報信号の書き込む際には、図2(b)に示すように、書き込みヘッド12の中心部分12bが高保磁力領域2bに対向して配置され、書き込みヘッド12の外側12aに近い部分が低保磁力領域2aに対向して配置される。
書き込みヘッド12の外側12aに近い部分から磁気記録パターン2に付与される磁界9は、書き込みヘッド12の中心部分12bから磁気記録パターン2に付与される磁界9と比較して強度が小さいが、図2(b)に示すように、書き込みヘッド12の外側12aに近い部分には保磁力の低い低保磁力領域2aが対向配置されるため、書き込みヘッド12の外側12aに近い部分からの磁界9によって低保磁力領域2aの磁化反転が容易に起こる。
また、低保磁力領域2aの磁化反転が、高保磁力領域2bの磁化反転を促進させるので、低保磁力領域2aの磁化反転に伴って高保磁力領域2bの磁化反転が起こされる。しかも、高保磁力領域2bには、書き込みヘッド12の中心部分12bから比較的強い磁界が付与される。したがって、高保磁力領域2bは、低保磁力領域2aよりも高い保磁力を有しているが、容易に磁化反転が起こるものとされている。
このように、本実施形態の磁気記録媒体1では、磁気記録パターン2の磁化反転の起こりやすさが、書き込みを行う際に書き込みヘッド12から供給される磁界9の強度分布に対応するものとなっている。したがって、本実施形態の磁気記録媒体1によれば、高記録密度に対応した書き込み時に供給される磁界9の小さい磁気ヘッド27を用いた場合であっても、書き込みヘッド12から供給される磁界9を十分に生かして磁気記録パターン2に確実に書き込みを行うことができ、磁気記録パターン2に安定して記録を行うことができ、優れた書き込み特性が得られる。
これに対し、例えば、磁気記録パターンが一定の保磁力を有するものである場合、書き込み時に供給される磁界9の小さい磁気ヘッド27を用いて書き込みを行うと、書き込みヘッド12の外側12aに近い部分から磁気記録パターンに付与される磁界の強度が小さいため、書き込みヘッド12の外側12aに近い部分と対向する磁気記録パターン2の周辺部分の磁化反転が起こりにくく、磁気記録パターンに書き込みを行うことができない場合があった。書き込み時に供給される磁界が小さくても、容易に磁化反転が起こるようにするためには、磁気記録パターン全体の保磁力(Hc)を下げることが考えられる。しかし、磁気記録パターン全体の保磁力(Hc)を下げると、磁気記録媒体の記録密度が不十分となる恐れがある。
また、本実施形態の磁気記録媒体1は、高保磁力領域2bの垂直断面の形状が、表面から深さ方向に徐々に幅が狭くなる逆台形とされているので、以下に示すように、より一層優れた書き込み特性を有するものとなる。
書き込み時に磁気ヘッド27の書き込みヘッド12から供給された磁界9は、図2(b)に示すように、軟磁性層5によって反転されて磁気ヘッド27に戻される。このとき、磁気記録パターン2に記録された情報信号が、磁気ヘッド27に戻される磁界によって消されることのないように、磁気ヘッド27から出る磁界密度に対して磁気ヘッド27に戻る磁界密度が低くなるようにされている。したがって、図2(b)に示す書き込みヘッド12から供給される磁界密度は、磁気記録パターン2の内部においては、軟磁性層5に近い側(表面から深い側)の方が低くなる。
このため、磁気記録パターン2の高保磁力領域2bの形状を逆台形とし、高保磁力領域2bと接する低保磁力領域2aの側面を傾斜面とし、磁化反転の起こりやすい低保磁力領域2aの面積が表面から深さ方向に向かうに従って広くなる形状とした場合、磁気記録パターン2の表面から深い側(軟磁性層5に近い側)における低保磁力領域2aの割合が大きくなり、磁気記録パターン2の表面から深い側での磁化反転が起こりやすいものとなる。また、磁気記録パターン2の表面から深い側での低保磁力領域2aの磁化反転が、表面に向かって徐々に広くなっている高保磁力領域2bの磁化反転を促進させるので、高保磁力領域2bの磁化反転が容易に生じるものとなる。したがって、高保磁力領域2bの垂直断面の形状を逆台形とした場合、磁気記録パターン2への書き込みがより一層容易なものとなる。
また、本実施形態の磁気記録媒体1は、各磁気記録パターン2が、低保磁力領域2aと、低保磁力領域2aよりも保磁力の高い高保磁力領域2bとを備えたものであり、平面視で低保磁力領域2aの中央部に高保磁力領域2bが配置されているものであるので、磁気記録パターン2が一定の保磁力を有するものである場合と比較して、読み出し時における隣接する磁気記録パターン2からの影響が小さいものとなる。
図2(b)に示す磁気ヘッド27を用いて、本実施形態の磁気記録媒体1から情報信号の読み出しを行う場合、磁気ヘッド27の読み出しヘッド21を磁気記録パターン2の近傍に近づけて、磁気記録媒体1の周方向に沿って矢印で示される走行方向に移動させ、読み出しヘッド21によって磁気記録パターン2の磁化を読み出す。このとき、本実施形態の磁気記録媒体1は、隣接する磁気記録パターン2間で保磁力の高い高保磁力領域2b同士が隣り合うことがなく、高保磁力領域2bの磁化状態が安定して保持されるとともに、低保磁力領域2aの磁化状態が高保磁力領域2bの磁化結合により安定しているものとなる。このことにより、磁気記録パターン2に書き込まれた情報信号に応じた磁界を読み出す際に、隣接する他の磁気記録パターン2の高保磁力領域2bが影響を与えにくいものとなる。その結果、本実施形態の磁気記録媒体1は、磁気記録パターンが一定の保磁力を有するものである場合と比較して、読み出し時における隣接する磁気記録パターン2からの影響が小さく、情報信号を安定して読み出すことができるものとなり、隣接する磁気記録パターン2からの影響を考慮して、磁気ヘッド27の読み出しヘッド11の幅を書き込みヘッド12の幅よりも狭くする必要はなく、書き込みヘッド12と同じ幅の読み出しヘッド11を備えた磁気ヘッド27を用いて、十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
また、本実施形態の磁気記録媒体1の製造方法は、非磁性基板4上に磁性層6aを形成する工程と、磁性層6a上の所定の領域に対して保磁力低減処理を行うことによって、低保磁力領域2aと、平面視で低保磁力領域2aの中央部に配置された高保磁力領域2bとを形成する保磁力低減工程と、低保磁力領域2a上の磁気記録パターン間領域3となる領域の保磁力を低下させる分離処理を行うことにより、低保磁力領域2aと高保磁力領域2bとを備え、磁気記録パターン間領域3によって磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターン2を形成する分離工程とを備えているので、優れた書き込み特性を有する本実施形態の磁気記録媒体1が得られる。
また、本実施形態の磁気記録媒体1の製造方法において、保磁力低減処理が反応性プラズマ処理であり、分離処理がイオン注入処理である場合には、1つのレジストパターン10を用いて、容易に垂直断面の形状が逆台形である高保磁力領域2bを形成することができる。
「他の例」
図5は、本発明の磁気記録媒体の他の例を示した図であって、磁気記録媒体の一部を示した拡大垂直断面図である。図5に示す磁気記録媒体1aが、図1に示す磁気記録媒体1と異なるところは、磁気記録パターン22を構成する低保磁力領域22aおよび高保磁力領域22bの垂直断面の形状のみであり、それ以外は図1に示す磁気記録媒体と同様とされている。したがって、図1に示す磁気記録媒体と同じ部材には同じ符号付し、説明を省略する。
図5に示す磁気記録媒体1aでは、低保磁力領域22aおよび高保磁力領域22bの垂直断面の形状は、表面から深さ方向に略一定の幅で形成されている。
次に、図5に示す磁気記録媒体1aの製造方法の一例を、図6を用いて説明する。図6は、図5に示す磁気記録媒体1aの製造方法を説明するための工程図である。
図5に示す磁気記録媒体1aを製造するには、まず、図1に示す磁気記録媒体1と同様にして、非磁性基板4上の全面に、軟磁性層5と、磁気記録パターン22となる磁性層6aとを順に形成する。
次に、図1に示す磁気記録媒体1と同様にして、磁性層6a上の磁気記録パターン22に対応する位置に、図6(a)に示すレジストパターン10を形成する。
次に、図6(b)に示すように、レジストパターン10から露出された磁性層6aを、Arを用いるドライエッチングなどにより除去する。
次に、図6(b)に示すように側面の露出された磁性層6aに対して保磁力低減処理を行う。このことによって、図6(c)に示すように、磁性層6aの保磁力が低下されてなる低保磁力領域22aと、平面視で低保磁力領域22aの中央部に配置され、低保磁力領域22aよりも保磁力の高い高保磁力領域22bとが形成される。
保磁力低減工程を行うことによって、低下された磁性層6aの保磁力は、100(Oe)〜1000(Oe)の範囲内とされることが好ましい。
ここでの保磁力低減処理は、反応性プラズマ処理であることが好ましい。保磁力低減処理において、反応性プラズマのような指向性(直進性)の低い活性種を用いる処理を行うと、保磁力低減処理による磁性層6aの反応領域は、磁性層6aの側面からレジストパターン10の縁部近傍のレジストパターン10の下に位置する磁性層6aにまで広がる。このことにより、図6(c)に示すように、低保磁力領域22aおよび高保磁力領域22bの垂直断面の形状が、表面から深さ方向に略一定の幅を有するものとなる。
なお、本処理において反応性プラズマの発生条件を変えることにより、高保磁力領域22bの断面形状を逆台形とすることも可能である。例えば、レジストパターン10の材質として反応性プラズマ中のラジカルを失活させ易い物質を選択した場合、レジストパターン10付近でのラジカル密度が低下し、これにより反応性プラズマによる磁性層の改質が抑えられ、レジストパターン10付近の高保磁力領域を広くすることができる。
反応性プラズマとしては、誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)や反応性イオンプラズマ(RIE;Reactive Ion Plasma)等を用いることができる。
続いて、レジストパターン10に覆われていない領域に、C,B,Ti,Zr,Cr,Mo,Ta,W,Ni,Rう、Pd,Ptなどからなる非磁性か、または150(Oe)未満の保磁力である材料を、スパッタ法などを用いて埋め込むことにより、図6(d)に示すように、磁気記録パターン間領域3を形成し、図1に示す磁気記録媒体1と同様にして、レジストパターン10を除去する。
その後、ドライエッチング法などを用いて磁気記録パターン22および磁気記録パターン間領域3の表面を平坦化する。
次に、図1に示す磁気記録媒体1と同様にして、保護層7と潤滑層(図示略)とを順に形成する。
以上のようにして図5に示す磁気記録媒体1aが得られる。
図5に示す磁気記録媒体1aにおいても、各磁気記録パターン22が、低保磁力領域22aと、低保磁力領域22aよりも保磁力の高い高保磁力領域22bとを備えたものであり、平面視で低保磁力領域22aの中央部に高保磁力領域22bが配置されているものであるので、磁気ヘッド27として、高記録密度に対応した書き込み磁界の小さいものを用いた場合であっても、磁気記録パターン22に確実に書き込みを行うことができる優れた書き込み特性を有するものとなる。
また、図5に示す磁気記録媒体1aも、図1に示す磁気記録媒体1と同様に、磁気記録パターンが一定の保磁力を有するものである場合と比較して、読み出し時における隣接する磁気記録パターン22からの影響が小さいものとなる。
なお、上述した実施形態においては、ディスクリートトラック媒体を例に挙げて説明したが、ディスクリートトラック媒体に限定されるものではなく、例えば、ビットの中央部分が高保磁力領域、ビット周囲が低保磁力領域とされたビットパターンメディアであってもよい。
「磁気記録再生装置」
次に、本発明の磁気記録再生装置として、図1および図2に示す磁気記録媒体1を備えた磁気記録再生装置を例に挙げて説明する。図7は、本発明の磁気記録再生装置の一例を示した概略構成図である。図7に示す磁気記録再生装置21は、図1および図2に示す磁気記録媒体1と、磁気記録媒体1を円周方向に回転(記録トラック方向に駆動)させる媒体駆動部26と、読み出しヘッドと書き込みヘッドとからなる図2(b)に示す磁気ヘッド27と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体1に対して相対移動させるヘッド運動手段28と、磁気ヘッド27への信号入力と磁気ヘッド27からの出力信号の再生を行う記録再生信号処理手段29とを具備している。
記録再生信号処理手段29は、外部から入力されたデ−タを処理して記録信号を生成し、この記録信号を磁気ヘッド27に入力するとともに、磁気ヘッド27からの再生信号を処理してデ−タを生成し、このデータを外部に出力するものである。
また、磁気ヘッド27には、読み込みヘッド用の再生素子として異方性磁気抵抗効果(AMR)を利用したAMR素子の他、巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用したGMR素子、トンネル効果を利用したTuMR素子などを有する高記録密度に適した磁気ヘッドを用いることができる。
図7に示す磁気記録再生装置21は、優れた書き込み特性を有する磁気記録媒体1を備えたものであるので、磁気ヘッド27として高記録密度に対応した書き込み磁界の小さいものを用いた場合であっても、磁気記録パターン2に確実に書き込みを行うことができ、高記録密度特性に優れたものとなる。
また、図7に示す磁気記録再生装置21では、磁気記録媒体1が、読み出し時における隣接する磁気記録パターン2からの影響が小さいものであるので、書き込みヘッド12と同じ幅の読み出しヘッド11を備えた磁気ヘッド27を用いて、十分な再生出力と高いSNRを得ることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
(実施例)
本発明の実施例である磁気記録媒体を以下に示す製造方法により得た。
まず、非磁性基板として、LiSi、Al−KO、Al−KO、MgO−P、Sb−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスよりなり、外径65mm、内径20mm、平均表面粗さ(Ra)2Å(0.2nm)のハードディスク用ガラス基板を用意した。
次いで、このような非磁性基板を成膜装置の真空チャンバ内に設置し、真空チャンバ内を1.0×10−5Pa以下に真空排気し、DCスパッタリング法を用いて、非磁性基板上に軟磁性層としてFeCoB膜、中間層としてRu膜、磁性層として25Fe−30Co−45Pt膜を順次成膜した。成膜されたそれぞれの層の膜厚は、軟磁性層が600Å、中間層が100Å、磁性層が150Åであった。
次に、磁性層の表面全面に紫外線硬化性樹脂からなるレジストを60nmの厚さで塗布してレジスト膜を形成した。その後、レジスト膜の表面に、あらかじめ用意したNi製のスタンパーを密着させてプレスした。これにより、レジスト膜の表面にスタンパーの凹凸パターンをインプリントした。スタンパーは、深さ30nm、幅70nmの溝が100nmのトラックピッチおよびビットピッチで刻設されたものである。その後、レジスト膜に紫外線を照射することによって、レジスト膜を硬化させてレジスト層とし、レジスト層の凹部の箇所をドライエッチングで除去して磁性層の表面を露出させレジストパターンとした。レジスト層のドライエッチング条件は、Oガスを40sccm、圧力0.3Pa,高周波プラズマ電力300W、DCバイアス30W、エッチング時間15秒とした。
次に、レジストパターンから露出された磁性層上の領域に対して保磁力低減処理を行った。保磁力低減処理としては、高保磁力領域の垂直断面の形状を表面から深さ方向に徐々に幅が狭くなる逆台形とするために、反応性プラズマ処理を行った。反応性プラズマ処理には、アルバック社の誘導結合プラズマ装置を用いた。また、プラズマの発生に用いるガスおよび条件としては、CFを90cc/分を用い、プラズマ発生のための投入電力は200W、装置内の圧力は0.5Paとし、処理時間を45秒間とした。
その後、レジストパターンに覆われていない領域の保磁力を低下させ、磁気記録パターンを磁気的に互いに分離する分離処理としてイオン注入処理を行った。イオン注入処理は、加速電圧1000V、電流密度0.4mA/cm、処理時間30秒の条件で行い、注入イオンにはHeとNeの混合ガス(50:50の比率)を使用した。
その後、磁性層の表面からレジストパターンをドライエッチングにより除去した。次に、磁性層上に、プラズマCVD法を用いて、平均膜厚40Åのカーボンからなる保護層を成膜し、さらに、保護層上に、フッ素系潤滑剤を塗布することによって潤滑膜を形成した。以上の工程により、実施例の磁気記録媒体を製造した。
このようにして得られた実施例の磁気記録媒体について、電磁変換特性(SNRおよび3T−squash)を測定した。電磁変換特性の評価は、スピンスタンドを用いて実施した。なお、評価用のヘッドには、記録用として垂直記録ヘッド、読み込み用としてTuMRヘッド(Tunneling Magneto Resistive head, TDK株式会社製)を用い、750kFCIの信号を記録したときのSNR値および3T−squashを測定した。
その結果、実施例の磁気記録媒体は、磁気記録パターンが、保磁力500(Oe)の低保磁力領域と保磁力4500(Oe)の高保磁力領域とを備え、低保磁力領域の中央部に高保磁力領域が配置されているものであることが確認できた。また、磁性層のうち、磁気記録パターンの設けられている領域以外の領域は、非磁性であることが確認できた。また、SNRが13.9dB、3T−squash(フリンジ)が97%であり、記録再生特性が優れていることがわかった。ここで、3T−squash(3トラックスカッシュ)とは、センタートラックに信号を記録した後、センターの両隣に信号を記録し、両隣に信号を記録する前と後におけるセンタートラックの信号強度の割合(%)である。
(比較例)
本発明の比較例である磁気記録媒体を図8に示す製造方法により得た。
実施例の磁気記録媒体と同様の非磁性基板4上に、実施例の磁気記録媒体と同様にして軟磁性層5、中間層、磁性層6aを順次成膜した。
次に、図8(a)に示すように、実施例の磁気記録媒体と同様にして、レジストパターン10を形成し、図8(b)に示すように、レジストパターン10から露出された磁性層6aを、Arを用いるドライエッチングなどにより除去し、磁気記録パターン32を形成した。
続いて、レジストパターン10をドライエッチングにより除去し、Cからなる非磁性材料をCVD法により形成し、その後、表面をドライエッチングによりエッチバックし、図8(c)に示す磁気記録パターン間領域3を形成した。その後、実施例の磁気記録媒体と同様にして、保護層7と潤滑層とを順に形成した。以上の工程により、以上の工程により、図8(d)に示す比較例の磁気記録媒体を製造した。
このようにして得られた比較例の磁気記録媒体について、実施例の磁気記録媒体と同様にして、電磁変換特性(SNRおよび3T−squash)を測定した。
その結果、比較例の磁気記録媒体は、磁気記録パターンが、4500(Oe)の一定の保磁力を有するものであることが確認できた。また、磁性層のうち、磁気記録パターンの設けられている領域以外の領域は、非磁性であることが確認できた。また、SNRが13.1dB、3T−squashが92%であった。このことから、実施例の磁気記録媒体は、比較例の磁気記録媒体と比較して、記録再生特性が優れていることがわかった。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を示した平面図であって、図1(a)は全体図であり、図1(b)は図1(a)に示す磁気記録媒体の一部を示した拡大平面図である。 図2は、図1に示す(a)磁気記録媒体の一部を示した拡大図であって、図2(a)は磁気記録媒体の垂直断面図であり、図2(b)は磁気ヘッドとともに磁気記録媒体を示した斜視図である。 図3は、図1および図2に示す磁気記録媒体1の製造方法を説明するための工程図である。 図4は、図1および図2に示す磁気記録媒体1の製造方法を説明するための工程図である。 図5は、本発明の磁気記録媒体の他の例を示した図であって、磁気記録媒体の一部を示した拡大垂直断面図である。 図6は、図5に示す磁気記録媒体の製造方法を説明するための工程図である。 図7は、本発明の磁気記録再生装置の一例を示した概略構成図である。 図8は、比較例の磁気記録媒体を示した拡大断面図である。
符号の説明
1・・・磁気記録媒体、2・・・磁気記録パターン、2a・・・低保磁力領域、2b・・・高保磁力領域、2c・・・記録ビット、3・・・磁気記録パターン間領域、4・・・非磁性基板、5・・・軟磁性層、6、6a・・・磁性層、7・・・保護層、9・・・磁界、10・・・レジストパターン、10a・・・レジスト膜、11・・・読み出しヘッド、12・・・書き込みヘッド、20・・・スタンパー、21・・・磁気記録再生装置、26・・・媒体駆動部、27・・・磁気ヘッド、28・・・ヘッド運動手段、29・・・記録再生信号処理手段。

Claims (7)

  1. 磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターンが備えられている磁気記録媒体であって、
    各磁気記録パターンが、低保磁力領域と、前記低保磁力領域よりも保磁力の高い高保磁力領域とを備えたものであり、
    平面視で前記低保磁力領域の中央部に前記高保磁力領域が配置されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記高保磁力領域の保磁力が2000(Oe)〜6000(Oe)の範囲内であり、
    前記低保磁力領域の保磁力が100(Oe)〜1000(Oe)の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記高保磁力領域の垂直断面の形状が、表面から深さ方向に徐々に幅が狭くなる逆台形とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記磁気記録パターンは、記録トラック、記録ビット、サーボ信号の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 非磁性基板上に磁性層を形成する工程と、
    前記磁性層上の所定の領域に対して保磁力低減処理を行うことによって、保磁力の低下された低保磁力領域と、平面視で前記低保磁力領域の中央部に配置され、前記低保磁力領域よりも保磁力の高い複数の高保磁力領域とを形成する保磁力低減工程と、
    前記低保磁力領域上の所定の領域の保磁力を低下させる分離処理を行うことにより、前記低保磁力領域と前記高保磁力領域とを備え、磁気的に互いに分離された複数の磁気記録パターンを形成する分離工程とを備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記保磁力低減処理が、反応性プラズマ処理であり、
    前記分離処理が、イオン注入処理であることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気記録媒体と、
    該磁気記録媒体を記録トラック方向に駆動する媒体駆動手段と、
    記録部と再生部とを備える磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させるヘッド運動手段と、
    前記磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号の再生を行う記録再生信号処理手段とを具備してなることを特徴とする磁気記録再生装置。
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