JP2010063237A - 車両の制御装置および車両の制御方法 - Google Patents

車両の制御装置および車両の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータのスイッチング素子の過熱を防止しつつ、ヒルホールド時の停止維持を実現する車両の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、スイッチング素子Q3〜Q8の温度を検出する温度センサ31〜36と、温度センサ31〜36の出力に応じてスイッチング素子を保護するためにモータM1の出力トルクを制限するように制御を行なう制御部30とを備える。制御部30は、車両が傾斜路上に停止中であると判断し、かつスイッチング素子の温度の上昇に伴いモータの出力トルクを制限している場合には、モータの駆動軸にブレーキをかけるように、運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ44を作動させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両の制御装置および車両の制御方法に関し、特に、走行にモータを使用する車両の制御装置および車両の制御方法に関する。
近年、走行にモータを使用する電気自動車やハイブリッド自動車などが、環境保護の観点などから注目を浴びている。
特開2005−51834号公報(特許文献1)は、登り勾配でのスリップ発生時に車両のずり下がりの車速を調整する技術を開示する。
この技術では、登り勾配で駆動輪の空転によるスリップが発生して、駆動輪に接続された駆動軸に要求されるモータトルクTm*が制限されている最中に、車両のずり下がりが検出されたときにはブレーキトルクを作用させる。すなわち、車両の加速度と駆動軸に出力したトルクとの関係から導かれる路面勾配に相当するつり合いトルクに対して制限時モータトルクでは不足するトルクに逆方向の車速に応じた比率(反映率)を乗じることにより車両のずり下がりの車速が所定車速となるようにブレーキトルクTb*を設定し、駆動輪とは異なる非駆動輪に取り付けられた油圧ブレーキによりブレーキトルクを作用させる。この結果、モータトルクの制限によって勾配をずり下がる車両の車速を調整できる。
特開2005−51834号公報 特開2006−211886号公報 特開2006−17229号公報 特開2006−101646号公報
登り勾配を有する傾斜路では、渋滞が発生するとモータによって駆動輪を回転させる車両に対して厳しい条件が発生する。登り坂での渋滞のように前進と停止を繰返すような状況では、運転者によっては、ブレーキを踏まずにアクセルを調整して、モータが発生する前進トルクを車両重量により後退方向に発生するトルクと釣り合わせて、停止状態を保とうとする場合(以下、ヒルホールドと呼ぶ)がある。このような場合、モータを駆動するインバータは、たとえば3相コイルのうちの1相に電流を流しつづけるような制御を行なう。すると、インバータの複数相のスイッチング素子のうち、特定のスイッチング素子のみ過熱してしまうという状態が生じる。
インバータは、モータが回転している通常走行時は電流を流す相を頻繁に切り替えているので特定の相に集中して電流が流れることは無い。これに対し、モータが回転せずにトルクを出している状態は、特定の相に電流が集中するので、インバータの動作条件としては過酷なものである。しかし、このような過酷な条件に合せてインバータを設計するとコストが高くなるので、トルク出力を制限することが行なわれている。
しかしながら、特開2005−51834号公報で開示された技術は、登り勾配での低摩擦路面などでのスリップ発生時に適用されるものである。スリップ発生時は、モータが回転している状態である。したがって、ヒルホールドのようなモータが停止に近い状況での制御については、改善の余地がある。
この発明の目的は、インバータのスイッチング素子の過熱を防止しつつ、ヒルホールド時の停止維持を実現する車両の制御装置および車両の制御方法を提供することである。
この発明は、要約すると、走行にモータを使用する車両の制御装置であって、車両は、モータの駆動軸にブレーキをかけるブレーキ装置と、モータに流す電流を制御するスイッチング素子を含むインバータとを含む。制御装置は、スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、温度センサの出力に応じてスイッチング素子を保護するためにモータの出力トルクを制限するように制御を行なう制御部とを備える。制御部は、ブレーキ装置が非作動中に車両が傾斜路上に停止中であると判断し、かつスイッチング素子の温度の上昇に伴いモータの出力トルクを制限している場合には、モータの駆動軸にブレーキをかけるように、運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置を作動させる。
好ましくは、制御装置は、モータの回転速度を検出するための回転センサをさらに備える。制御部は、モータが第1のしきい値より大きいトルクを出力中であるにも拘わらず、モータの回転速度の大きさが第2のしきい値より小さい場合に、車両が傾斜路上に停止中であると判断する。
好ましくは、制御部は、モータの出力トルクを制限している場合に運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置を作動させるときには、出力トルクの制限度合いに応じてブレーキ装置が駆動軸に与えるブレーキトルクを調整する。
より好ましくは、制御部は、運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置を作動させた後に、モータの回転速度が第3のしきい値よりもモータが発生するトルク方向に増加したことを検出した場合には、ブレーキ装置の作動を解除する。
この発明は、他の局面では、走行にモータを使用する車両の制御方法である。車両は、モータの駆動軸にブレーキをかけるブレーキ装置と、モータに流す電流を制御するスイッチング素子を含むインバータと、スイッチング素子の温度を検出する温度センサとを含む。制御方法は、ブレーキ装置が非作動中に車両が傾斜路上に停止中であるという第1の車両状態を検出するステップと、スイッチング素子の温度の上昇に伴いモータの出力トルクを制限しているという第2の車両状態を検出するステップと、第1、第2の車両状態が共に検出された場合には、モータの駆動軸にブレーキをかけるように、運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置を作動させるステップとを備える。
この発明によれば、インバータのスイッチング素子の過熱を防止しつつ、ヒルホールド時の停止維持が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[車両の全体構成]
図1は、本発明の車両の制御装置を搭載する車両100の構成を示した回路図である。
図1を参照して、車両100は、バッテリBと、電圧センサ10と、システムメインリレーSR1,SR2と、コンデンサC1と、電圧変換部20と、インバータ14と、電流センサ24と、モータM1と、車輪WHと、ブレーキ装置と、制御装置とを備える。ブレーキ装置は、ブレーキ油圧制御部42と、ブレーキ44とを含む。制御装置は、制御ユニット30と、温度センサ31〜36と、レゾルバ46とを含む。
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池である。電圧センサ10は、バッテリBから出力される直流電圧値VBを検出し、検出した直流電圧値VBを制御ユニット30へ出力する。システムメインリレーSR1,SR2は、制御ユニット30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムメインリレーSR1,SR2は、H(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、L(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。コンデンサC1は、システムメインリレーSR1,SR2オン時において、バッテリBの端子間電圧を平滑化する。
電圧変換部20は、電圧センサ21と、電流センサ11と、昇圧コンバータ12と、コンデンサC2と、電圧センサ13とを含む。
電流センサ11は、バッテリBと昇圧コンバータ12との間に流れる直流電流を検出し、その検出した電流を直流電流値IBとして制御ユニット30へ出力する。
昇圧コンバータ12は、一方端がシステムメインリレーSR1を介してバッテリBの正極と接続されるリアクトルL1と、電圧VHを出力する昇圧コンバータ12の出力端子間に直列に接続されるIGBT素子Q1,Q2と、IGBT素子Q1,Q2にそれぞれ並列に接続されるダイオードD1,D2とを含む。
リアクトルL1の他方端はIGBT素子Q1のエミッタおよびIGBT素子Q2のコレクタに接続される。ダイオードD1のカソードはIGBT素子Q1のコレクタと接続され、ダイオードD1のアノードはIGBT素子Q1のエミッタと接続される。ダイオードD2のカソードはIGBT素子Q2のコレクタと接続され、ダイオードD2のアノードはIGBT素子Q2のエミッタと接続される。
電圧センサ21は昇圧コンバータ12の入力側の電圧を電圧値VLとして検知する。電流センサ11はリアクトルL1に流れる電流を電流値IBとして検知する。コンデンサC2は昇圧コンバータ12の出力側に接続され昇圧コンバータ12から送られたエネルギを蓄積するとともに、電圧の平滑化を行なう。電圧センサ13は、昇圧コンバータ12の出力側の電圧すなわちコンデンサC2の電極間の電圧を電圧値VHとして検知する。
インバータ14は、昇圧コンバータ12から昇圧電位を受けて交流モータM1を駆動する。また、インバータ14は、回生制動に伴い交流モータM1において発電された電力を昇圧コンバータ12に戻す。このとき昇圧コンバータ12は、降圧回路として動作するように制御ユニット30によって制御される。
交流モータM1は、車両100の車輪WHを駆動するためのトルクを発生するためのモータである。このモータは、たとえば、エンジンによって駆動される発電機の機能を持ち、かつ、エンジンに対して電動機として動作しエンジンの始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組込まれるものであってもよい。
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とを含む。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、昇圧コンバータ12の出力ライン間に並列に接続される。
U相アーム15は、直列接続されたIGBT素子Q3,Q4と、IGBT素子Q3,Q4とそれぞれ並列に接続されるダイオードD3,D4とを含む。ダイオードD3のカソードはIGBT素子Q3のコレクタと接続され、ダイオードD3のアノードはIGBT素子Q3のエミッタと接続される。ダイオードD4のカソードはIGBT素子Q4のコレクタと接続され、ダイオードD4のアノードはIGBT素子Q4のエミッタと接続される。
V相アーム16は、直列接続されたIGBT素子Q5,Q6と、IGBT素子Q5,Q6とそれぞれ並列に接続されるダイオードD5,D6とを含む。ダイオードD5のカソードはIGBT素子Q5のコレクタと接続され、ダイオードD5のアノードはIGBT素子Q5のエミッタと接続される。ダイオードD6のカソードはIGBT素子Q6のコレクタと接続され、ダイオードD6のアノードはIGBT素子Q6のエミッタと接続される。
W相アーム17は、直列接続されたIGBT素子Q7,Q8と、IGBT素子Q7,Q8とそれぞれ並列に接続されるダイオードD7,D8とを含む。ダイオードD7のカソードはIGBT素子Q7のコレクタと接続され、ダイオードD7のアノードはIGBT素子Q7のエミッタと接続される。ダイオードD8のカソードはIGBT素子Q8のコレクタと接続され、ダイオードD8のアノードはIGBT素子Q8のエミッタと接続される。
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、三相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルは各々一方端が中点に共に接続されている。そして、U相コイルの他方端がIGBT素子Q3,Q4の接続ノードに接続される。またV相コイルの他方端がIGBT素子Q5,Q6の接続ノードに接続される。またW相コイルの他方端がIGBT素子Q7,Q8の接続ノードに接続される。
電流センサ24は、交流モータM1に流れる電流をモータ電流値MCRT1として検出し、モータ電流値MCRT1を制御ユニット30へ出力する。
制御ユニット30は、トルク指令値TR1、モータ回転数MRN1、電圧値VB,VL,VH、電流値IB、モータ電流値MCRT1および温度測定値Tを受ける。そして制御ユニット30は、電圧変換部20に対して昇圧指示PWUおよび降圧指示PWDを出力する。さらに、制御ユニット30は、インバータ14に対して、昇圧コンバータ12の出力である直流電圧をモータM1を駆動するための交流電圧に変換する駆動指示PWMI1とモータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12側に戻す回生指示PWMC1とを出力する。
次に、電圧変換部20の動作について簡単に説明する。電圧変換部20中の昇圧コンバータ12は、力行運転時にはバッテリBからの電力をインバータ14に供給する順方向変換回路としての昇圧回路として動作する。逆に、回生運転時には、昇圧コンバータ12は、バッテリBにモータM1で発電された電力を回生する逆方向変換回路としての降圧回路としても動作する。
昇圧コンバータ12は、IGBT素子Q1をオフにした状態で、IGBT素子Q2のオンとオフとを行なうことにより、昇圧回路として動作する。すなわち、IGBT素子Q2がオンの状態においては、バッテリBの正極からリアクトルL1、IGBT素子Q2を経由してバッテリBの負極に電流が流れる経路が形成される。この電流が流れている間に、リアクトルL1にエネルギが蓄積される。
そして、IGBT素子Q2をオフ状態にすると、リアクトルL1に蓄積されたエネルギはダイオードD1を介してインバータ14側に流れる。これによりコンデンサC2の電極間の電圧が増大する。したがって、インバータ14に与えられる昇圧コンバータ12の出力電圧は昇圧される。
一方、昇圧コンバータ12は、IGBT素子Q2をオフにした状態で、IGBT素子Q1のオンとオフとを行なうことにより降圧回路として動作する。すなわち、IGBT素子Q1がオンの状態においては、インバータ14から回生される電流は、IGBT素子Q1、リアクトル、バッテリBへと流れる。
また、IGBT素子Q1がオフの状態においては、リアクトルL1、バッテリBおよびダイオードD2からなるループが形成され、リアクトルL1に蓄積されたエネルギがバッテリBに回生される。この逆方向変換においては、インバータ14が電力を供給する時間よりも、バッテリBが電力を受ける時間の方が長くなり、インバータ14における電圧は降圧されてバッテリBに回生される。電圧変換部20の動作は、以上の力行動作と回生動作とを適切に制御することで行なわれる。
なお、回生制御には、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動が含まれる。また、フットブレーキを操作しない場合であっても、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速させたりまたは加速を中止させたりするときが含まれる。
制御ユニット30は、モータ回転数とモータM1に要求されるトルクとに応じてスイッチング周波数すなわちキャリア周波数fcを選択してインバータ14を制御する。
インバータ14は、車両の推進力を得るためのトルクを発生させるモータM1を駆動する。制御ユニット30は、インバータ14に含まれるスイッチング素子であるIGBT素子Q3〜Q8のスイッチング周波数であるキャリア周波数fcに応じた制限値を用いてスイッチング素子の温度Tに応じた制限運転をインバータ14に行なわせる。
制御ユニット30は、温度測定値Tが高くなると、それ以上インバータ14の温度が上昇しないようにインバータに対しトルク制限を行なう。このトルク制限の制限値は、後に図3に示すように、温度およびインバータのキャリア周波数fcに応じて定められる。
登り坂での渋滞のように前進と停止を繰返すような状況では、運転者によっては、ブレーキを踏まずにアクセルを調整してモータが発生する前進トルクを車両重量により後退方向に発生するトルクと釣り合わせて停止状態を保とうとする場合(以下、ヒルホールドと呼ぶ)がある。ヒルホールド時に、制御ユニット30は、ブレーキを適宜使用することによりインバータのスイッチング素子の過熱を防止しつつ車両が後退しないようにする。
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1におけるヒルホールド時のブレーキ制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図1、図2を参照して、まずステップS10において制御ユニット30は、車両がヒルホールド状態であるか否かを判断する。たとえば、ドライバがアクセルペダルを踏んでおり、モータがトルクを出力しているにもかかわらず、車両の速度がゼロに近い所定のしきい値を超えなければ、車両がヒルホールド状態であると判断する。このとき、ブレーキペダルが踏まれていないことも条件に含めても良い。またモータのトルクは、モータに流れる電流で検出するようにしても良い。
ステップS10において、車両がヒルホールド状態であると判断した場合には、ステップS11に処理が進む。ステップS11では、制御ユニット30は、予めメモリ等に記憶されていたマップからトルク制限値TMAXの読込を行なう。
図3は、トルク制限値TMAXのマップの一例を示した図である。
図3を参照して、横軸が図1の温度センサ31〜36が測定するインバータのスイッチング素子の温度T1〜T6であり、縦軸はモータM1の駆動の条件となるトルク制限値である。
インバータのキャリア周波数fcは、モータ回転速度および出力トルクに基づいて変更される。キャリア周波数fcが異なると、インバータの発熱も変わる。図3に示されるように、トルク制限値は、キャリア周波数fcに対応するスイッチング素子の温度ごとに予め定められている。
まずキャリア周波数fc=1.25kHzの場合には、実際の運転中にはトルク制限は行なわれず、すべての温度範囲において100%の所定のトルクがリミット値として選択されている。
キャリア周波数fc=2.5kHzの場合には、インバータ温度がTB以上となると温度が高くなるにつれより多くのトルク制限が課され、制限値としては小さな値になっていく。
またキャリア周波数fcが5kHzの場合にはインバータ温度は温度TBよりさらに低いTAより上昇すると温度が上昇するにつれトルク制限値が小さな値に制限されてしまう。
たとえば、初期の温度が65℃であった場合にキャリア周波数fc=1.25kHzの場合とfc=2.5kHzの場合はこのまま運転を続けても温度はスイッチング素子の破壊を招く温度である110℃までは上昇しないのでこのまま運転することができる。
一方、キャリア周波数fc=5kHzの場合には、スイッチング周波数が高い分スイッチング損失が大きくこれが熱に変わるので初期に同じ65℃であっても所定時間経過後には110℃を超えてしまう恐れがある。このため図3においてインバータ温度が65℃の場合にはキャリア周波数fc=5kHzの場合のみトルク制限値が小さく設定される。逆に言えば65℃の場合にはキャリア周波数が低い状態で運転を行なっているときには要求トルクがトルク制限値に制限されないで走行することができる。
したがって可能な限り要求トルクを発生しつつかつインバータ素子の保護を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、キャリア周波数の設定はモータ回転数に基づくものとしたが、車速に基づいてキャリア周波数を設定しても良い。
再び、図1、図2を参照して、ステップS11でトルク制限値TMAXのマップからの読込が完了したら、続いてステップS12に処理が進む。ステップS12では、トルク制限値TMAXが100(%)よりも小さいか、すなわちトルク制限がかかっているか否かが判断される。トルク制限がかかっている場合には、ステップS12からステップS13に処理が進む。
ステップS13では、モータが出力するトルクよりも車両が重さで坂を下る方向のトルクが大きくなり車両が坂をずり落ちる恐れがあるので、制御ユニット30は、ブレーキ油圧制御部42に対してブレーキ油圧PBを増加させる。ブレーキ油圧PBの増加により、ブレーキ44が作動し、車輪の駆動軸にブレーキトルクTrBが働き車両が後退して坂を下ってしまうことを防止できる。
一方、ステップS10で車両がヒルホールド状態でないと判断された場合や、ステップS12でTMAX=100%であった場合すなわちトルク制限が課されていなかった場合には、ブレーキを作動させる必要が無い。したがって、ステップS14に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
図4は、実施の形態1の制御が実行された場合の一例を示した波形図である。
図4を参照して、横軸に時間が示され、縦軸には上段にインバータのスイッチング素子の素子温度T1〜T6が示され、下段にはモータトルクTrMおよびブレーキトルクTrBが示されている。
運転者がアクセルペダルを調節して車両をヒルホールド状態に維持することにより、素子温度T1〜T6のいずれかが図4に示すように時刻t1前に上昇し、時刻t1においてトルク制限をかける温度T0(図3のマップによって定められている)に到達する。
すると、制御ユニット30は、モータトルクの制限を開始し、モータのトルクを低減させる。モータのトルクが制限中である場合には、図2のフローチャートにおいてステップS13が実行されるので、時刻t1以降ブレーキトルクTrBは所定値に設定される。
具体的には、制御ユニット30は、素子温度T1〜T6を温度センサ31〜36から受けてマップから対応するトルク制限値を読み出す。トルク制限が実行される場合には、制御ユニット30は、ブレーキトルクTrBを所定値(路面勾配に相当する釣り合いトルクTr0よりも十分に大きいトルク)に設定する。時刻t1〜t2では、素子温度が上昇しているので、図3のマップから読み出されるトルク制限値がモータトルクをより制限するように変化する。
時刻t2〜t3では、トルク制限の結果電流が減少し、少し遅れてスイッチング素子の温度が下降する。すると、マップから読み出されるトルク制限値TMAXも変化するので、モータトルクTrMは増加する。
時刻t4以降は、時刻t1〜t2で示されるような素子温度の上昇とモータトルクの減少する期間と、時刻t2〜t3で示されるような素子温度の下降とモータトルクの増加する期間とが繰返される。
以上説明したように、実施の形態1では、ヒルホールド状態において、トルク制限が行なわれると、ブレーキが作動するように制御が行なわれる。その結果、インバータの保護を図りつつ、車両がずり下がることを防ぐことができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、ブレーキを作動させることによって、車両が坂をずり下がることを防いだ。この場合、確かに車両のずり下がりを防ぐことはできるが、以下のような問題がある。
図5は、車両100が牽引されている状態を示す図である。
図6は、車両100が後ろから押されている状態を示す図である。
図5に示すように車両100が車両200によって坂道を牽引されている場合や、図6に示すように車両100が人210によって後ろから押される場合、ブレーキを強く作動させると、坂道を登るのが困難になる。
そこで、実施の形態2では、ブレーキの作動の強さを必要最低限に近い強さまで減少させ、車両200や人210から補助する力を受けた場合に車両100が坂道を登りやすくする。
図7は、実施の形態2におけるヒルホールド時のブレーキ制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図1、図7を参照して、まずステップS21において制御ユニット30は、車両がヒルホールド状態であるか否かを判断する。たとえば、ドライバがアクセルペダルを踏んでおり、モータがトルクを出力しているにもかかわらず、車両の速度がゼロに近い所定のしきい値を超えなければ、車両がヒルホールド状態であると判断する。このとき、ブレーキペダルが踏まれていないことも条件に含めても良い。またモータのトルクは、モータに流れる電流で検出するようにしても良い。
ステップS21において、車両がヒルホールド状態であると判断した場合には、ステップS22に処理が進む。ステップS22では、制御ユニット30は、予めメモリ等に記憶されていたマップからトルク制限値TMAXの読込を行なう。
トルク制限値TMAXの読込については、図3で説明した場合と同様であるのでここでは説明は繰返さない。
ステップS22でトルク制限値TMAXのマップからの読込が完了したら、続いてステップS23に処理が進む。ステップS23では、トルク制限値TMAXが100(%)よりも小さいか、すなわちトルク制限がかかっているか否かが判断される。トルク制限がかかっている場合には、ステップS23からステップS24に処理が進む。
ステップS24では、モータが出力するトルクよりも車両が重さで坂を下る方向のトルクが大きくなり車両が坂をずり落ちる恐れがあるので、制御ユニット30は、ブレーキ油圧制御部42に対してブレーキ油圧PBを増加させる。ブレーキ油圧PBの増加により、ブレーキ44が作動し、車輪の駆動軸にブレーキトルクTrBが働き車両が後退して坂を下ってしまうことを防止できる。この際に、ブレーキトルクTrBの大きさは次式(1)で決定される。なお、TMAX(%)はマップから得られるトルク制限値を示し、TR1はアクセルペダル位置などに基づいて決定されるトルク指令値を示す。
TrB=(100−TMAX)/100*TR1 … (1)
図8は、マスタシリンダ油圧とブレーキトルクTrBとの関係を示した図である。
図8に示すように、ブレーキトルクTrBは、ブレーキ油圧制御部42からブレーキ44に与えられるマスタシリンダ油圧PBが増加すると増加する。この関係を予めマップに記憶しておき、式(1)で決定されたブレーキトルクTrBが発生するように、制御ユニット30は、対応するマスタシリンダ油圧PBをブレーキ44に供給するようにブレーキ油圧制御部に指令を与える。
すると、過剰なブレーキトルクが発生しなくなり、車両を外力の補助で前進させる場合に前進させやすくなる。
ステップS24の処理が終了すると、ステップS25に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
一方、ステップS21で車両がヒルホールド状態でないと判断された場合や、ステップS23でTMAX=100%であった場合すなわちトルク制限が課されていなかった場合には、ブレーキを作動させる必要が無い。したがって、ステップS25に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
図9は、実施の形態2の制御が実行された場合の一例を示した波形図である。
図9を参照して、横軸に時間が示され、縦軸には上段にインバータのスイッチング素子の素子温度T1〜T6が示され、下段にはモータトルクTrMおよびブレーキトルクTrBが示されている。
運転者がアクセルペダルを調節して車両をヒルホールド状態に維持することにより、素子温度T1〜T6のいずれかが図9に示すように時刻t1前に上昇し、時刻t1においてトルク制限をかける温度T0(図3のマップによって定められている)に到達する。
すると、制御ユニット30は、モータトルクの制限を開始し、モータのトルクを低減させる。モータのトルクが制限中である場合には、図2のフローチャートにおいてステップS24が実行されるので、時刻t1以降ブレーキトルクTrBは上述の式(1)に基づいて決定された値に設定される。モータトルクTrMとブレーキトルクTrBの和は、路面勾配に相当する釣り合いトルクTr0となる。
従って、図4に示した場合よりもブレーキトルクTrBが小さくて済むので、図5、図6に示した場合のように外力の補助を受けて車両を前進させやすくなる。
[実施の形態3]
実施の形態2では、ブレーキトルクTrBを実施の形態1よりも小さくすることができた。しかし、ブレーキトルクTrBがゼロではないので、牽引時にはこのブレーキトルクが前進を妨げる。
そこで、実施の形態3では、前進するとブレーキトルクを発生しないように制御を行なう。
図10は、実施の形態3におけるヒルホールド時のブレーキ制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図1、図10を参照して、まずステップS31において制御ユニット30は、車両がヒルホールド状態であるか否かを判断する。たとえば、ドライバがアクセルペダルを踏んでおり、モータがトルクを出力しているにもかかわらず、車両の速度がゼロに近い所定のしきい値を超えなければ、車両がヒルホールド状態であると判断する。このとき、ブレーキペダルが踏まれていないことも条件に含めても良い。またモータのトルクは、モータに流れる電流で検出するようにしても良い。
ステップS31において、車両がヒルホールド状態であると判断した場合には、ステップS32に処理が進む。ステップS32では、制御ユニット30は、予めメモリ等に記憶されていたマップからトルク制限値TMAXの読込を行なう。
トルク制限値TMAXの読込については、図3で説明した場合と同様であるのでここでは説明は繰返さない。
ステップS32でトルク制限値TMAXのマップからの読込が完了したら、続いてステップS33に処理が進む。ステップS33では、トルク制限値TMAXが100(%)よりも小さいか、すなわちトルク制限がかかっているか否かが判断される。トルク制限がかかっている場合には、ステップS33からステップS34に処理が進む。
ステップS34では、制御ユニット30は、レゾルバで検出されたモータ回転速度NMがしきい値N1以下であるか否かを判断する。ステップS34において、モータ回転速度NMがしきい値N1よりも小さければヒルホールド状態が続いていると判断し、ステップS35に処理が進む。一方、ステップS34において、モータ回転速度NMがしきい値N1よりも小さくなければ車両が牽引などの外力によって動き出した状態であると判断し、ステップS36に処理が進む。
なお、車速がモータ回転速度に従って増加する場合には、モータ回転速度に代えて車速に基づいて判断を行なっても良い。
ステップS35では、実施の形態2と同様に式(1)に基づいてブレーキトルクTrBが決定され、式(1)で決定されたブレーキトルクTrBが発生するように、制御ユニット30は、対応するマスタシリンダ油圧PBをブレーキ44に供給するようにブレーキ油圧制御部に指令を与える。
すると、過剰なブレーキトルクが発生しなくなり、車両を外力の補助で前進させる場合に前進させやすくなる。
一方、ステップS34からステップS36に処理が進んだ場合には、ブレーキトルクTrBがゼロに設定される。すなわちブレーキの作動が解除される。これにより、牽引などの外力で前進を開始した場合にはその後ブレーキによって前進が妨げられることは無い。
ステップS35またはステップS36の処理が終了すると、ステップS37において制御はメインルーチンに移される。
一方、ステップS31で車両がヒルホールド状態でないと判断された場合や、ステップS33でTMAX=100%であった場合すなわちトルク制限が課されていなかった場合には、ブレーキを作動させる必要が無い。したがって、ステップS37に処理が進み制御はメインルーチンに移される。
図11は、実施の形態3の制御が実行された場合の一例を示した波形図である。
図11を参照して、横軸に時間が示され、縦軸の上段にはインバータのスイッチング素子の素子温度T1〜T6が示されている。縦軸の中段にはモータトルクTrMおよびブレーキトルクTrBが示されている。縦軸の下段には、モータ回転速度が示されている。
運転者がアクセルペダルを調節して車両をヒルホールド状態に維持することにより、素子温度T1〜T6のいずれかが図11に示すように時刻t1前に上昇し、時刻t1においてトルク制限をかける温度T0(図3のマップによって定められている)に到達する。
すると、制御ユニット30は、モータトルクの制限を開始し、モータのトルクを低減させる。モータのトルクが制限中である場合には、図2のフローチャートにおいてステップS24が実行されるので、時刻t1以降ブレーキトルクTrBは上述の式(1)に基づいて決定された値に設定される。モータトルクTrMとブレーキトルクTrBの和は、路面勾配に相当する釣り合いトルクTr0となる。
従って、図4に示した場合よりもブレーキトルクTrBが小さくて済むので、図5、図6に示した場合のように外力の補助を受けて車両を前進させやすくなる。
時刻t3〜t4の間において、図5で示したように車両100が他の車両200によって牽引開始される。するとモータ回転速度NMはゼロから増加し、時刻t4にはしきい値N1を超える。これに応じて、制御ユニット30は、ブレーキ油圧制御部42に対してブレーキ44の作動を解除するように指令を出力する。すると時刻t4以降は、牽引により前進する場合にブレーキトルクTrBが前進を妨げることは無くなる。
最後に、図1等を参照して本願実施の形態について総括する。本実施の形態の車両の制御装置は、走行にモータM1を使用する車両の制御装置である。車両100は、モータM1の駆動軸にブレーキをかけるブレーキ装置(42,44)と、モータに流す電流を制御するスイッチング素子(Q3〜Q8)を含むインバータ14とを含む。制御装置は、スイッチング素子(Q3〜Q8)の温度を検出する温度センサ31〜36と、温度センサ31〜36の出力に応じてスイッチング素子を保護するためにモータM1の出力トルクを制限するように制御を行なう制御ユニット30とを備える。制御ユニット30は、車両が傾斜路上に停止中であると判断し、かつスイッチング素子の温度の上昇に伴いモータの出力トルクを制限している場合には、モータの駆動軸にブレーキをかけるように、運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置(42,44)を作動させる。
好ましくは、制御装置は、モータの回転速度を検出するための回転センサ(レゾルバ46)をさらに備える。制御ユニット30は、モータM1が第1のしきい値より大きいトルクを出力中であるにも拘わらず、モータの回転速度NMの大きさが第2のしきい値より小さい場合に、車両100が傾斜路上に停止中であると判断する。
好ましくは、制御ユニット30は、モータの出力トルクを制限している場合に運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置(42,44)を作動させるときには、出力トルクの制限度合いに応じてブレーキ装置(42,44)が駆動軸に与えるブレーキトルクを調整する。
より好ましくは、制御ユニット30は、運転者がブレーキペダルを操作していなくてもブレーキ装置(42,44)を作動させた後に、モータM1の回転速度が第3のしきい値よりもモータが発生するトルク方向に増加したことを検出した場合には、ブレーキ装置(42,44)の作動を解除する。
なお、本実施の形態ではモータで車輪を回転させる電気自動車を例に挙げた。しかし本発明は、エンジンとモータとを併用するハイブリッド自動車や燃料電池を使用する燃料電池車にも適用できる。
また、本実施の形態では登り坂でのヒルホールドについて説明したが、車庫入れなどでの下り坂での後進時のヒルホールドについても、本実施の形態の制御は適用することができる。
また、以上の実施の形態で開示された制御方法は、コンピュータを用いてソフトウエアで実行可能である。この制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体(ROM、CD−ROM、メモリカードなど)から車両の制御装置中のコンピュータに読み込ませたり、また通信回線を通じて提供したりしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の車両の制御装置を搭載する車両100の構成を示した回路図である。 実施の形態1におけるヒルホールド時のブレーキ制御を説明するためのフローチャートである。 トルク制限値TMAXのマップの一例を示した図である。 実施の形態1の制御が実行された場合の一例を示した波形図である。 車両100が牽引されている状態を示す図である。 車両100が後ろから押されている状態を示す図である。 実施の形態2におけるヒルホールド時のブレーキ制御を説明するためのフローチャートである。 マスタシリンダ油圧とブレーキトルクTrBとの関係を示した図である。 実施の形態2の制御が実行された場合の一例を示した波形図である。 実施の形態3におけるヒルホールド時のブレーキ制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3の制御が実行された場合の一例を示した波形図である。
符号の説明
10,13,21 電圧センサ、11,24 電流センサ、12 昇圧コンバータ、14 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、20 電圧変換部、30 制御ユニット、31〜36 温度センサ、42 ブレーキ油圧制御部、44 ブレーキ、46 レゾルバ、100 車両、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、M1 モータ、Q1〜Q8 IGBT素子、SR1,SR2 システムメインリレー、WH 車輪。

Claims (5)

  1. 走行にモータを使用する車両の制御装置であって、
    前記車両は、
    前記モータの駆動軸にブレーキをかけるブレーキ装置と、
    前記モータに流す電流を制御するスイッチング素子を含むインバータとを含み、
    前記制御装置は、
    前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサの出力に応じて前記スイッチング素子を保護するために前記モータの出力トルクを制限するように制御を行なう制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ブレーキ装置が非作動中に前記車両が傾斜路上に停止中であると判断し、かつ前記スイッチング素子の温度の上昇に伴い前記モータの出力トルクを制限している場合には、前記モータの駆動軸にブレーキをかけるように、運転者がブレーキペダルを操作していなくても前記ブレーキ装置を作動させる、車両の制御装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記モータの回転速度を検出するための回転センサをさらに備え、
    前記制御部は、前記モータが第1のしきい値より大きいトルクを出力中であるにも拘わらず、前記モータの回転速度の大きさが第2のしきい値より小さい場合に、前記車両が傾斜路上に停止中であると判断する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記モータの出力トルクを制限している場合に前記運転者が前記ブレーキペダルを操作していなくても前記ブレーキ装置を作動させるときには、前記出力トルクの制限度合いに応じて前記ブレーキ装置が前記駆動軸に与えるブレーキトルクを調整する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記運転者が前記ブレーキペダルを操作していなくても前記ブレーキ装置を作動させた後に、前記モータの回転速度が第3のしきい値よりも前記モータが発生するトルク方向に増加したことを検出した場合には、前記ブレーキ装置の作動を解除する、請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 走行にモータを使用する車両の制御方法であって、
    前記車両は、前記モータの駆動軸にブレーキをかけるブレーキ装置と、前記モータに流す電流を制御するスイッチング素子を含むインバータと、前記スイッチング素子の温度を検出する温度センサとを含み、
    前記制御方法は、
    前記ブレーキ装置が非作動中に前記車両が傾斜路上に停止中であるという第1の車両状態を検出するステップと、
    前記スイッチング素子の温度の上昇に伴い前記モータの出力トルクを制限しているという第2の車両状態を検出するステップと、
    前記第1、第2の車両状態が共に検出された場合には、前記モータの駆動軸にブレーキをかけるように、運転者がブレーキペダルを操作していなくても前記ブレーキ装置を作動させるステップとを備える、車両の制御方法。
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