JP2004048983A - モータ駆動装置、モータ駆動装置の制御方法、モータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents

モータ駆動装置、モータ駆動装置の制御方法、モータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄積された電力のチャージバックまたは放電を的確に行なうモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータ駆動装置100の制御装置30は、電圧センサー13からの電圧Vcpと電圧センサー10Aからの電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であるとき、信号PWB1を生成して昇圧コンバータ12へ出力してコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御する。また、制御装置30は、電圧差Vcp−Vbが所定値α以上でないとき、信号PWMD11,12を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力し、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1,M2に放電するようにインバータ14,31を制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータを駆動するモータ駆動装置、モータ駆動装置の制御方法、およびモータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧がモータを駆動するインバータに供給されることも検討されている。
【0005】
すなわち、ハイブリッド自動車または電気自動車は、図36に示すモータ駆動装置を搭載している。図36を参照して、モータ駆動装置300は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、双方向コンバータ310と、電圧センサー320と、インバータ330とを備える。
【0006】
直流電源Bは、直流電圧を出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置(図示せず)によってオンされると、直流電源Bからの直流電圧をコンデンサC1に供給する。コンデンサC1は、直流電源BからシステムリレーSR1,SR2を介して供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を双方向コンバータ310へ供給する。
【0007】
双方向コンバータ310は、リアクトル311と、NPNトランジスタ312,313と、ダイオード314,315とを含む。リアクトル311の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312とNPNトランジスタ313との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312のエミッタとNPNトランジスタ313のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315がそれぞれ配置されている。
【0008】
双方向コンバータ310は、制御装置(図示せず)によってNPNトランジスタ312,313がオン/オフされ、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC2に供給する。また、双方向コンバータ310は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1によって発電され、インバータ330によって変換された直流電圧を降圧して直流電源Bへ供給する。
【0009】
コンデンサC2は、双方向コンバータ310から供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ330へ供給する。電圧センサー320は、コンデンサC2の両端の電圧、すなわち、双方向コンバータ310の出力電圧Vcpを検出する。
【0010】
インバータ330は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置(図示せず)からの制御に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ330は、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置からの制御に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して双方向コンバータ310へ供給する。
【0011】
また、モータ駆動装置300が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の走行が停止されると、モータ駆動装置300の制御装置(図示せず)は、イグニッションキーがオフされたことを示す信号IGOFFを外部ECU(Electrical Control Unit)から受ける。そして、制御装置は、コンデンサC2の両端の電圧Vcpが直流電源Bの出力電圧Vbよりも高いとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bに供給するように双方向コンバータ310を制御する。
【0012】
このように、ハイブリッド自動車または電気自動車の停止時に、モータ駆動装置のインバータの入力側に設けられたコンデンサに所定電圧以上の電力が蓄積されている場合、その蓄積された電力を直流電源へ供給する、いわゆる、チャージバックを行なう(特許第3097482号公報参照)。
【0013】
【特許文献1】
特許第3097482号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のチャージバックの方法は、インバータの入力側に設けられたコンデンサの両端の電圧が直流電源の出力電圧よりも高ければ、コンデンサに蓄積された電力を直流電源に供給するため、コンデンサの両端の電圧が直流電源の出力電圧よりもわずかに高い場合にもコンデンサに蓄積された電力を直流電源にチャージバックしてしまう。つまり、有効利用可能な電力を直流電源にチャージバックできない場合にもコンデンサに蓄積された電力を直流電源にチャージバックする動作が行なわれるという問題がある。
【0015】
そして、コンデンサに蓄積された電力が直流電源において有効に利用できない場合には、安全面からコンデンサに蓄積された電力を放電することが好ましい。
【0016】
また、コンデンサに蓄積された電力を直流電源にチャージバックするには、双方向コンバータのNPNトランジスタを駆動する必要があるが、この場合、NPNトランジスタを保護する観点から、NPNトランジスタにおける発熱を抑制し、かつ、NPNトランジスタに流れる電流が過電流にならないように制御する必要がある。
【0017】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、蓄積された電力のチャージバックまたは放電を的確に行なうモータ駆動装置を提供することである。
【0018】
また、この発明の別の目的は、コンバータを保護しながら蓄積された電力のチャージバックまたは放電を行なうモータ駆動装置を提供することである。
【0019】
さらに、この発明の別の目的は、蓄積された電力のチャージバックまたは放電を的確に行なうモータ駆動装置の制御方法を提供することである。
【0020】
さらに、この発明の別の目的は、コンバータを保護しながら蓄積された電力のチャージバックまたは放電を行なうモータ駆動装置の制御方法を提供することである。
【0021】
さらに、この発明の別の目的は、蓄積された電力のチャージバックまたは放電を的確に行なうモータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0022】
さらに、この発明の別の目的は、コンバータを保護しながら蓄積された電力のチャージバックまたは放電を行なうモータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、モータ駆動装置は、コンデンサと、直流電源と、電圧変換器と、制御装置とを備える。コンデンサは、モータを駆動するインバータの入力側に接続される。直流電源は、直流電圧を出力する。電圧変換器は、直流電源とコンデンサとの間で電圧を変換し、その変換した電圧をコンデンサまたは直流電源に供給する。制御装置は、システムオフ信号に応じて、第1の条件が成立するときコンデンサに蓄積された電力が直流電源に供給されるように電圧変換器を制御し、第2の条件が成立するときコンデンサに蓄積された電力が放電されるように電圧変換器を制御する。
【0024】
好ましくは、第1の条件は、直流電源の残容量が所定量以下であり、かつ、コンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧との関係が第3の条件を満たすことである。また、第2の条件は、直流電源の残容量が所定量よりも大きいこと、またはコンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧との関係が第4の条件を満たすことである。
【0025】
好ましくは、第3の条件は、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が所定値以上であることである。また、第4の条件は、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が所定値よりも小さいことである。
【0026】
好ましくは、電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含む。そして、制御装置は、コンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧との関係が第3の条件を満たすとき、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差に応じてスイッチング素子のオンデューティーを決定し、その決定したオンデューティーを用いて上アームをスイッチング制御する。
【0027】
好ましくは、制御装置は、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が基準値以下であるときオンデューティーを一定に保持して上アームをスイッチング制御し、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が基準値を超えるとオンデューティーを減少して上アームをスイッチング制御する。
【0028】
好ましくは、制御装置は、スイッチング素子の温度が所定温度以下であるとき、所定の周波数で上アームをスイッチング制御し、スイッチング素子の温度が所定温度を超えると周波数を下げて上アームをスイッチング制御する。
【0029】
好ましくは、制御装置は、スイッチング素子の温度が所定温度よりも高いもう1つの所定温度を超えると、スイッチング素子の温度に応じてスイッチングのオンデューティーを減少して上アームをスイッチング制御する。
【0030】
好ましくは、電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含む。そして、制御装置は、コンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧との関係が第3の条件を満たすとき、スイッチング素子のオンデューティーを100%に保持して上アームを制御する。
【0031】
好ましくは、所定値は、直流電源に充電可能な第1の電力量またはコンデンサから直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される。
【0032】
好ましくは、所定値は、第2の電力量が第1の電力量よりも小さいとき第2の電力量に応じて決定され、第2の電力量が第1の電力量以上であるとき第1の電力量に応じて決定される。
【0033】
好ましくは、所定量は、第2の電力量に応じて第1の値に設定され、第1の電力量に応じて第1の値よりも大きい第2の値に設定される。
【0034】
好ましくは、第1の条件は、直流電源の残容量が所定量以下であり、かつ、電圧変換器のオンデューティーが所定のデューティーよりも小さいことである。また、第2の条件は、直流電源の残容量が所定量よりも大きいこと、またはオンデューティーが所定のデューティー以上であることである。
【0035】
好ましくは、第2の条件は、直流電源の残容量が所定量よりも大きいこと、またはオンデューティーが100%であることである。
【0036】
好ましくは、制御装置は、第1の条件が成立するとき、オンデューティーを増加させながらコンデンサに蓄積された電力が直流電源に供給されるように電圧変換器を制御する。
【0037】
好ましくは、制御装置は、電圧変換器の出力電圧の電圧指令値を低下させることによりオンデューティーを増加させる。
【0038】
好ましくは、制御装置は、オンデューティーを所定の割合で増加させる。
好ましくは、所定のオンデューティーは、直流電源に充電可能な第1の電力量またはコンデンサから直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される。
【0039】
好ましくは、所定のオンデューティーは、第2の電力量が第1の電力量よりも小さいとき第2の電力量に応じて決定され、第2の電力量が第1の電力量以上であるとき第1の電力量に応じて決定される。
【0040】
好ましくは、所定のオンデューティーは、第2の電力量に応じて第1の値に設定され、第1の電力量に応じて第1の値よりも小さい第2の値に設定される。
【0041】
また、この発明によれば、モータ駆動装置の制御方法は、モータを駆動するモータ駆動装置の制御方法であって、モータ駆動装置は、直流電圧を出力する直流電源と、モータを駆動するインバータの入力側に接続されるコンデンサと、直流電源とコンデンサとの間で電圧を変換する電圧変換器とを備え、制御方法は、モータ駆動装置のシステムをオフするためのシステムオフ信号を受ける第1のステップと、第1および第2の条件のうち、いずれの条件が成立するかを判定する第2のステップと、第1の条件が成立するとき、コンデンサに蓄積された電力が直流電源に供給されるように電圧変換器を制御する第3のステップと、第2の条件が成立するとき、コンデンサに蓄積された電力が放電されるように電圧変換器を制御する第4のステップとを含む。
【0042】
好ましくは、第2のステップは、直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、コンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧とを検出する第2のサブステップと、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差を検出する第3のサブステップと、検出された残容量が所定量以下であり、かつ、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が所定値以上であるとき第1の条件が成立すると判定する第4のサブステップと、直流電源の残容量が所定量よりも大きいとき、またはコンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が所定値よりも小さいとき、第2の条件が成立すると判定する第5のサブステップとを含む。
【0043】
好ましくは、電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含む。
【0044】
制御方法の第3のステップは、電圧差に応じてスイッチング素子のオンデューティーを決定する第6のサブステップと、決定したオンデューティーを用いて上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む。
【0045】
好ましくは、第6のサブステップは、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が基準値以下であるときオンデューティーを一定に保持するように決定するステップと、電圧差が基準値を超えるときオンデューティーをコンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差の増加に伴い減少するように決定するステップとを含む。
【0046】
好ましくは、第7のサブステップは、スイッチング素子の温度が所定温度以下であるとき、所定の周波数で上アームをスイッチング制御するステップと、スイッチング素子の温度が所定温度を超えるとき、周波数を下げて上アームをスイッチング制御するステップとを含む。
【0047】
好ましくは、第7のサブステップは、スイッチング素子の温度が所定温度よりも高いもう1つの所定温度を超えるとき、スイッチング素子の温度に応じてスイッチングのオンデューティーを減少して上アームをスイッチング制御するステップをさらに含む。
【0048】
好ましくは、電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含む。
【0049】
制御方法の第3のステップは、スイッチング素子のオンデューティーを100%に決定する第6のサブステップと、決定したオンデューティーを用いて上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む。
【0050】
好ましくは、所定値は、直流電源に充電可能な第1の電力量またはコンデンサから直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される。
【0051】
好ましくは、所定値は、第2の電力量が第1の電力量よりも小さいとき第2の電力量に応じて決定され、第2の電力量が第1の電力量以上であるとき第1の電力量に応じて決定される。
【0052】
好ましくは、所定量は、第2の電力量に応じて第1の値に設定され、第1の電力量に応じて第1の値よりも大きい第2の値に設定される。
【0053】
好ましくは、第2のステップは、直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、電圧変換器のオンデューティーを検出する第2のサブステップと、検出された残容量が所定量以下であり、かつ、オンデューティーが所定のデューティーよりも小さいとき第1の条件が成立すると判定する第3のサブステップと、直流電源の残容量が所定量よりも大きいとき、またはオンデューティーが所定のデューティー以上であるとき第2の条件が成立すると判定する第4のサブステップとを含む。
【0054】
好ましくは、第3のステップは、オンデューティーを増加させながらコンデンサに蓄積された電力が直流電源に供給されるように電圧変換器を制御する。
【0055】
好ましくは、第3のステップは、コンデンサの両端の電圧を検出する第5のサブステップと、電圧変換器の電圧指令値を第5のサブステップで検出した両端の電圧よりも低下させ、その低下させた電圧指令値に基づいて電圧変換器を制御する第6のサブステップと、オンデューティーが所定のデューティーになるまで第5および第6のサブステップを繰返す第7のサブステップとを含む。
【0056】
好ましくは、第3のステップは、システムオフ信号を受けたときの電圧変換器の電圧指令値の初期値を検出する第5のサブステップと、電圧指令値を初期値から最終値まで所定の割合で低下させながら電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含む。そして、最終値は、オンデューティーが所定のオンデューティーになるときの電圧指令値である。
【0057】
好ましくは、第3のステップは、システムオフ信号を受けたときの電圧変換器のオンデューティーの初期値を検出する第5のサブステップと、オンデューティーを初期値から所定のオンデューティーまで所定の割合で増加させ、電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含む。
【0058】
好ましくは、第4のサブステップは、直流電源の残容量が所定量よりも大きいとき、またはオンデューティーが100%であるとき第2の条件が成立すると判定する。
【0059】
好ましくは、所定のオンデューティーは、直流電源に充電可能な第1の電力量またはコンデンサから直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される。
【0060】
好ましくは、所定のオンデューティーは、第2の電力量が第1の電力量よりも小さいとき第2の電力量に応じて決定され、第2の電力量が第1の電力量以上であるとき第1の電力量に応じて決定される。
【0061】
好ましくは、所定のオンデューティーは、第2の電力量に応じて第1の値に設定され、第1の電力量に応じて第1の値よりも小さい第2の値に設定される。
【0062】
さらに、この発明によれば、モータを駆動するモータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、直流電圧を出力する直流電源と、モータを駆動するインバータの入力側に接続されるコンデンサと、直流電源とコンデンサとの間で電圧を変換する電圧変換器とを備えるモータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、モータ駆動装置のシステムをオフするためのシステムオフ信号を受ける第1のステップと、第1および第2の条件のうち、いずれの条件が成立するかを判定する第2のステップと、第1の条件が成立するとき、コンデンサに蓄積された電力が直流電源に供給されるように電圧変換器を制御する第3のステップと、第2の条件が成立するとき、コンデンサに蓄積された電力が放電されるように電圧変換器を制御する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0063】
好ましくは、第2のステップは、直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、コンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧とを検出する第2のサブステップと、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差を検出する第3のサブステップと、第3のサブステップで検出された残容量が所定量以下であり、かつ、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が所定値以上であるとき、第1の条件が成立すると判定する第4のサブステップと、直流電源の残容量が所定量よりも大きいとき、またはコンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が所定値よりも小さいとき、第2の条件が成立すると判定する第5のサブステップとを含む。
【0064】
好ましくは、電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含む。プログラムの第3のステップは、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差に応じてスイッチング素子のオンデューティーを決定する第6のサブステップと、第6のサブステップで決定したオンデューティーを用いて上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む。
【0065】
好ましくは、第6のサブステップは、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が基準値以下であるときオンデューティーを一定に保持するように決定するステップと、コンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差が基準値を超えるときオンデューティーをコンデンサの両端の電圧から直流電源の出力電圧を減算した電圧差の増加に伴い減少するように決定するステップとを含む。
【0066】
好ましくは、第7のサブステップは、スイッチング素子の温度が所定温度以下であるとき、所定の周波数で上アームをスイッチング制御するステップと、スイッチング素子の温度が所定温度を超えるとき、周波数を下げて上アームをスイッチング制御するステップとを含む。
【0067】
好ましくは、第7のサブステップは、スイッチング素子の温度が所定温度よりも高いもう1つの所定温度を超えるとき、スイッチング素子の温度に応じてスイッチングのオンデューティーを減少して上アームをスイッチング制御するステップをさらに含む。
【0068】
好ましくは、電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含む。
【0069】
プログラムの第3のステップは、スイッチング素子のオンデューティーを100%に決定する第6のサブステップと、決定したオンデューティーを用いて上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む。
【0070】
好ましくは、所定値は、直流電源に充電可能な第1の電力量またはコンデンサから直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される。
【0071】
好ましくは、所定値は、第2の電力量が第1の電力量よりも小さいとき第2の電力量に応じて決定され、第2の電力量が第1の電力量以上であるとき第1の電力量に応じて決定される。
【0072】
好ましくは、所定量は、第2の電力量に応じて第1の値に設定され、第1の電力量に応じて第1の値よりも大きい第2の値に設定される。
【0073】
好ましくは、第2のステップは、直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、電圧変換器のオンデューティーを検出する第2のサブステップと、第2のサブステップで検出された残容量が所定量以下であり、かつ、オンデューティーが所定のデューティーよりも小さいとき第1の条件が成立すると判定する第3のサブステップと、直流電源の残容量が所定量よりも大きいとき、またはオンデューティーが所定のデューティー以上であるとき第2の条件が成立すると判定する第4のサブステップとを含む。
【0074】
好ましくは、第3のステップは、オンデューティーを増加させながらコンデンサに蓄積された電力が直流電源に供給されるように電圧変換器を制御する。
【0075】
好ましくは、第3のステップは、コンデンサの両端の電圧を検出する第5のサブステップと、電圧変換器の電圧指令値を第5のサブステップで検出した両端の電圧よりも低下させ、その低下させた電圧指令値に基づいて電圧変換器を制御する第6のサブステップと、オンデューティーが所定のデューティーになるまで第5および第6のサブステップを繰返す第7のサブステップとを含む。
【0076】
好ましくは、第3のステップは、システムオフ信号を受けたときの電圧変換器の電圧指令値の初期値を検出する第5のサブステップと、電圧指令値を初期値から最終値まで所定の割合で低下させながら電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含む。そして、最終値は、オンデューティーが所定のオンデューティーになるときの電圧指令値である。
【0077】
好ましくは、第3のステップは、システムオフ信号を受けたときの電圧変換器のオンデューティーの初期値を検出する第5のサブステップと、オンデューティーを初期値から所定のオンデューティーまで所定の割合で増加させ、電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含む。
【0078】
好ましくは、第4のサブステップは、直流電源の残容量が所定量よりも大きいとき、またはオンデューティーが100%であるとき第2の条件が成立すると判定する。
【0079】
好ましくは、所定のオンデューティーは、直流電源に充電可能な第1の電力量またはコンデンサから直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される。
【0080】
好ましくは、所定のオンデューティーは、第2の電力量が第1の電力量よりも小さいとき第2の電力量に応じて決定され、第2の電力量が第1の電力量以上であるとき第1の電力量に応じて決定される。
【0081】
好ましくは、所定のオンデューティーは、第2の電力量に応じて第1の値に設定され、第1の電力量に応じて第1の値よりも小さい第2の値に設定される。
【0082】
この発明によれば、モータを駆動するインバータの入力側に接続されたコンデンサに蓄積された電力を直流電源にチャージバックすべきか、放電すべきかが第1および第2の条件によって判定され、その判定結果に応じて、コンデンサに蓄積された電力は、チャージバックまたは放電される。
【0083】
したがって、この発明によれば、コンデンサに蓄積された電力のチャージバックまたは放電を的確に行なうことができる。
【0084】
また、コンデンサに蓄積された電力のチャージバックまたは放電は、コンデンサの両端の電圧と直流電源の出力電圧との関係に応じて決定される。
【0085】
したがって、この発明によれば、チャージバックまたは放電を正確に行なうことができる。
【0086】
さらに、コンデンサに蓄積された電力のチャージバックまたは放電は、電圧変換器のオンデューティーに応じて決定される。
【0087】
したがって、この発明によれば、コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出器がなくてもコンデンサに蓄積された電力をチャージバックまたは放電できる。
【0088】
さらに、コンデンサに蓄積された電力がチャージバックまたは放電されるとき、電圧変換器における温度上昇が抑制され、電圧変換器に過電流が流れないように制御される。
【0089】
したがって、この発明によれば、電圧変換器を保護しながらコンデンサに蓄積された電力をチャージバックまたは放電できる。
【0090】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0091】
[実施の形態1]
図1を参照して、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置100は、直流電源Bと、電圧センサー10A,13と、温度センサー10B,11と、システムリレーSR1,SR2と、コンデンサC1,C2と、昇圧コンバータ12と、インバータ14,31と、電流センサー18,24,28と、制御装置30とを備える。
【0092】
交流モータM1,M2は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。あるいは、これらのモータはエンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
【0093】
昇圧コンバータ12は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1の一方端は直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタQ1,Q2は、電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタQ1のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタQ2のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ配置されている。
【0094】
インバータ14は、U相アーム15と、V相アーム16と、W相アーム17とから成る。U相アーム15、V相アーム16、およびW相アーム17は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0095】
U相アーム15は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム17は、直列接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0096】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。なお、モータとしては、3相の永久磁石モータの他には種々の公知なモータシステム、たとえば、直流モータ、交流インダクションモータなどを置換えてもよいことは言うまでもない。
【0097】
インバータ31は、インバータ14と同じ構成からなる。そして、インバータ31の各相アームの中間点は、交流モータM2の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM2も、交流モータM1と同じように、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がインバータ31のNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がインバータ31のNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がインバータ31のNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0098】
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池から成る。電圧センサー10Aは、直流電源Bから出力される電圧Vbを検出し、その検出した電圧Vbを制御装置30へ出力する。温度センサー10Bは、直流電源Bの温度Tbを検出し、その検出した温度Tbを制御装置30へ出力する。システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。
【0099】
コンデンサC1は、直流電源Bから供給された直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧を昇圧コンバータ12へ供給する。
【0100】
温度センサー11は、昇圧コンバータ12の温度Tcを検出し、その検出した温度Tcを制御装置30へ出力する。
【0101】
昇圧コンバータ12は、コンデンサC1から供給された直流電圧を昇圧してコンデンサC2へ供給する。より具体的には、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWUを受けると、信号PWUによってNPNトランジスタQ2がオンされた期間に応じて直流電圧を昇圧してコンデンサC2に供給する。この場合、NPNトランジスタQ1は、信号PWUによってオフされている。
【0102】
また、昇圧コンバータ12は、制御装置30から信号PWDを受けると、コンデンサC2を介してインバータ14(または31)から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
【0103】
コンデンサC2は、昇圧コンバータ12からの直流電圧をノードN1,N2を介して受ける。そして、コンデンサC2は、受けた直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ14(または31)へ供給する。電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vcp(すなわち、昇圧コンバータ12の出力電圧=インバータ14,31への入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した電圧Vcpを制御装置30へ出力する。
【0104】
インバータ14は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI1に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ14は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMC1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0105】
インバータ31は、コンデンサC2から直流電圧が供給されると制御装置30からの信号PWMI2に基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM2を駆動する。これにより、交流モータM2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ31は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM2が発電した交流電圧を制御装置30からの信号PWMC2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0106】
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴う制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車両を減速(または加速の中止)させることを含む。
【0107】
電流センサー18は、直流電源Bを充放電するときの電流BCRTを検出し、その検出した電流BCRTを制御装置30へ出力する。電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRT1を検出し、その検出したモータ電流MCRT1を制御装置30へ出力する。また、電流センサー28は、交流モータM2に流れるモータ電流MCRT2を検出し、その検出したモータ電流MCRT2を制御装置30へ出力する。
【0108】
制御装置30は、外部に設けられたECUからトルク指令値TR1,TR2およびモータ回転数MRN1,MRN2を受け、電圧センサー10Aから電圧Vbを受け、電圧センサー13から出力電圧Vcpを受け、電流センサー24からモータ電流MCRT1を受け、電流センサー28からモータ電流MCRT2を受ける。そして、制御装置30は、出力電圧Vcp、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、後述する方法によりインバータ14が交流モータM1を駆動するときにインバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。
【0109】
また、制御装置30は、出力電圧Vcp、モータ電流MCRT2およびトルク指令値TR2に基づいて、後述する方法によりインバータ31が交流モータM2を駆動するときにインバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をスイッチング制御するための信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
【0110】
さらに、制御装置30は、インバータ14(または31)が交流モータM1(またはM2)を駆動するとき、電圧Vb、出力電圧Vcp、トルク指令値TR1(またはTR2)、およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWUを生成し、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0111】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部ECUから受けると、交流モータM1またはM2で発電された交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1,2を生成し、その生成した信号PWMC1をインバータ14へ出力し、信号PWMC2をインバータ31へ出力する。この場合、インバータ14,31のNPNトランジスタQ4,Q6,Q8は信号PWMC1,2によってスイッチング制御される。すなわち、交流モータM1,M2のU相で発電されるときNPNトランジスタQ6,Q8がオンされ、V相で発電されるときNPNトランジスタQ4,Q8がオンされ、W相で発電されるときNPNトランジスタQ4,Q6がオンされる。これにより、インバータ14は、交流モータM1で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給し、インバータ31は、交流モータM2で発電された交流電圧を直流電圧に変換して昇圧コンバータ12へ供給する。
【0112】
さらに、制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号を外部ECUから受けると、インバータ14または31から供給された直流電圧を降圧するための信号PWDを生成し、その生成した信号PWDを昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、交流モータM1またはM2が発電した交流電圧は、直流電圧に変換され、降圧されて直流電源Bに供給される。
【0113】
さらに、制御装置30は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されると、イグニッションキーがオフされたことを示す信号IGOFFを外部ECUから受ける。そして、制御装置30は、信号IGOFFを受けると、電圧センサー13からの電圧Vcpと電圧センサー10Aからの電圧Vbとに基づいて、電圧Vcpが電圧Vbとの間で満たす関係を検出し、その検出した関係に応じて、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御し、またはコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するように昇圧コンバータ12およびインバータ14または31を制御する。
【0114】
なお、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする場合、制御装置30は、昇圧コンバータ12がコンデンサC2の両端の電圧Vcpを降圧して直流電源Bに供給するための信号PWB1を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する場合、制御装置30は、インバータ14または31がコンデンサC2からノードN1,N2を介して受けた直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1またはM2に供給するための信号PWMD11,12を生成し、その生成した信号PWMD11,12を、それぞれ、インバータ14,31へ出力する。
【0115】
コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する場合の実施の形態1における条件および詳細な動作については後述する。
【0116】
図2は、図1に示す制御装置30の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、モータトルク制御手段301と、電圧変換制御手段302とを含む。モータトルク制御手段301は、トルク指令値TR1,2、直流電源Bの出力電圧Vb、モータ電流MCRT1,2、モータ回転数MRN1,2および昇圧コンバータ12の出力電圧Vcpに基づいて、交流モータM1またはM2の駆動時、後述する方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWUと、インバータ14のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI1と、インバータ31のNPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフするための信号PWMI2とを生成し、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力し、信号PWMI1をインバータ14へ出力し、信号PWMI2をインバータ31へ出力する。
【0117】
電圧変換制御手段302は、回生制動時、ハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードに入ったことを示す信号RGEを外部ECUから受けると、交流モータM1,M2が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMC1,2を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力する。
【0118】
また、電圧変換制御手段302は、回生制動時、信号RGEを外部ECUから受けると、インバータ14,31から供給された直流電圧を降圧するための信号PWDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。このように、昇圧コンバータ12は、直流電圧を降圧するための信号PWDにより電圧を降下させることもできるので、双方向コンバータの機能を有するものである。
【0119】
さらに、電圧変換制御手段302は、イグニッションキーがオフされたことを示す信号IGOFFを外部ECUから受けると、電流センサー18からの電流BCRTの積算値と温度センサー10Bからの温度Tbとに基づいて直流電源Bの残容量を求め、電圧センサー13からの電圧Vcpと電圧センサー10Aからの電圧Vbとに基づいて、電圧Vcpが電圧Vbとの間で満たす関係を検出する。そして、電圧変換制御手段302は、検出した電圧Vcpと電圧Vbとの関係と、直流電源Bの残容量とに基づいてコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするか、交流モータM1またはM2に放電するかを判定する。そして、電圧変換制御手段302は、チャージバックさせると判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるための信号PWB1を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、電圧変換制御手段302は、放電させると判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるための信号PWMD11,12を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力する。
【0120】
電圧変換制御手段302は、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックする場合、さらに、温度センサー11からの温度Tcに基づいて、NPNトランジスタQ1における発熱を抑制し、かつ、NPNトランジスタQ1に流れる電流が過電流にならないように昇圧コンバータ12を駆動する。
【0121】
図3は、図2に示すモータトルク制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、モータトルク制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変換部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と、フィードバック電圧指令演算部52と、デューティー比変換部54とを含む。
【0122】
モータ制御用相電圧演算部40は、昇圧コンバータ12の出力電圧Vcp、すなわち、インバータ14,31への入力電圧を電圧センサー13から受け、交流モータM1,M2の各相に流れるモータ電流MCRT1,2を電流センサー24,28から受け、トルク指令値TR1,2を外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部40は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1,M2の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部42へ供給する。インバータ用PWM信号変換部42は、モータ制御用相電圧演算部40から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ14,31の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMI1,2を生成し、その生成した信号PWMI1,2をそれぞれインバータ14,31の各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0123】
これにより、インバータ14,31の各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1,M2が指令されたトルクを出力するように交流モータM1,M2の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TR1,2に応じたモータトルクが出力される。
【0124】
一方、インバータ入力電圧指令演算部50は、トルク指令値TR1,2およびモータ回転数MRN1,2に基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、電圧指令を演算し、その演算した電圧指令をフィードバック電圧指令演算部52へ出力する。
【0125】
フィードバック電圧指令演算部52は、電圧センサー13からの電圧Vcpと、インバータ入力電圧指令演算部50からの電圧指令とに基づいて、フィードバック電圧指令を演算し、その演算したフィードバック電圧指令をデューティー比変換部54へ出力する。
【0126】
デューティー比変換部54は、電圧センサー10Aからの電圧Vb(「バッテリ電圧」とも言う。)と、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令とに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vcpを、フィードバック電圧指令演算部52からのフィードバック電圧指令に設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWUを生成する。そして、デューティー比変換部54は、生成した信号PWUを昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0127】
なお、昇圧コンバータ12の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0128】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるときの実施の形態1における条件、およびコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるときの実施の形態1における条件について説明する。
【0129】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるときの実施の形態1における条件は、
(1)イグニッションキーがオフされていること
(2)直流電源Bの残容量が所定量以下であること
(3)コンデンサC2の両端の電圧Vcpと直流電源Bの出力電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であること
の全ての条件が満たされることである。
【0130】
また、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるときの実施の形態1における条件は、
(4)イグニッションキーがオフされていること
(5)コンデンサC2の両端の電圧Vcpと直流電源Bの出力電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値αよりも小さいこと
(6)システムリレーSR1,SR2がオフされていること
の全ての条件が満たされることである。
【0131】
チャージバック、または放電の場合の1つの条件である「イグニッションキーがオフされていること」は、制御装置30が外部ECUから信号IGOFFを受けることによって満たされる。
【0132】
放電の場合の1つの条件である「システムリレーSR1,SR2がオフされていること」は、制御装置30がオフするための信号をシステムリレーSR1,SR2へ出力することにより満たされる。
【0133】
チャージバックの場合の1つの条件である「直流電源Bの残容量が所定量以下であること」は、電流センサー18からの電流BCRTを積算した積算値と、温度センサー10Bからの直流電源Bの温度Tbとに基づいて直流電源Bの現在の容量SOC(State Of Charge)を求めることにより判定される。
【0134】
より具体的には、電圧変換制御手段302は、電流センサー18からの電流BCRTを積算し、その積算値に基づいて直流電源Bの現在の容量SOCを推定する。そして、電圧変換制御手段302は、積算した積算値を温度センサー10Bからの温度Tbによって補正することにより直流電源Bの残容量を検出し、残容量が所定量以下であるか否かを判定する。
【0135】
電流センサー18からの電流BCRTを積算した積算値を温度により補正するのは次の理由による。直流電源Bの出力電圧Vbおよび容量SOCは、図4に示す関係を満たす。すなわち、出力電圧Vbと容量SOCとの関係は、直流電源Bの温度Tbによって曲線k1〜k3のように変化する。特に、容量SOCが満充電量の20〜80%になるときの電圧Vbと容量SOCとの関係は直流電源Bの温度Tbによって大きく変化する。したがって、電流BCRTを積算した積算値は、電流BCRTが直流電源Bから流れ出るときは直流電源Bから放電された容量を意味し、電流BCRTが直流電源Bに供給されるときは直流電源Bが充電された容量を意味するので、積算値から推定した現在の容量SOCが満充電量の20〜80%の範囲に入るとき、その推定した現在の容量SOCが曲線k1〜k3のいずれの曲線にのるかを温度Tbによって補正する必要があるからである。この場合、積算値から推定した現在の容量SOCを温度Tbにより補正することは、積算値が直流電源Bに充放電された容量を意味するので、積算値を補正することに相当する。
【0136】
電圧変換制御手段302は、図4に示す電圧Vbと容量SOCとの関係を示す曲線k1〜k3を保持しており、電流センサー18からの電流BCRTを積算し、その積算した積算値を温度Tbによって補正して直流電源Bの残容量を求める。そして、電圧変換制御手段302は、その求めた残容量が所定量以下であるか否かを判定する。
【0137】
図5は、外部ECUからのイグニッション信号IG、電圧センサー13からの電圧Vcpおよび電圧センサー10Aからの電圧Vbのタイミングチャートである。図5を参照して、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックする場合の条件(3)、またはコンデンサC2に蓄積された電力を放電する場合の条件(5)の判定方法について説明する。イグニッション信号IGがタイミングt1でONからOFFに切換わると(すなわち、信号IGOFFを外部ECUから受けると)、電圧変換制御手段302は、電圧センサー13からの電圧Vcpが電圧センサー10Aからの電圧Vbとの間で次式の関係を満たすか否かを判定する。
【0138】
【数1】
Figure 2004048983
【0139】
すなわち、電圧変換制御手段302は、電圧Vcpと電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であるか否かを判定する。そして、電圧変換制御手段302は、電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であるとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするための信号PWB1を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。すなわち、電圧変換制御手段302は、電圧Vcpがタイミングt1からタイミングt2までの間、信号PWB1を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。なお、この場合、電圧変換制御手段302は、インバータ14,31を停止させる。
【0140】
また、電圧変換制御手段302は、電圧差Vcp−Vbが所定値αよりも小さいとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するための信号PWMD11,12を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力する。すなわち、電圧変換制御手段302は、タイミングt2からタイミングt3までの間、信号PWMD11,12を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力する。なお、この場合、電圧変換制御手段302は、昇圧コンバータ12を停止させる。
【0141】
ここで、所定値αは、コンデンサC2に蓄積された電力を有効利用できない程度に決定される。また、所定値αは、電圧センサー10Aと電圧センサー13との誤差に相当するように決定されてもよい。
【0142】
なお、電圧変換制御手段302は、コンデンサC2の両端の電圧Vcpが直流電源Bの出力電圧Vbよりも所定値α以上であると判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックすることにしたのは、有効利用可能な電力だけを直流電源Bにチャージバックするためである。
【0143】
このように、電圧変換制御手段302は、コンデンサC2の両端の電圧Vcpが直流電源Bの出力電圧Vbよりも所定値α以上であるとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックし、電圧Vcpと出力電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値αよりも小さいとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する。
【0144】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする場合、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1をオン/オフさせるが、NPNトランジスタQ1をオン/オフさせる周波数、すなわち、キャリア周波数が高いときはNPNトランジスタQ1におけるスイッチング損失が大きく、かつ、発熱量も多いので、これを防止するため、電圧変換制御手段302は、NPNトランジスタQ1におけるスイッチング制御のキャリア周波数を昇圧コンバータ12の温度Tcに応じて変化させる。
【0145】
また、NPNトランジスタQ1に流れる電流が過電流にならないように制御する必要もある。NPNトランジスタQ1に流れる電流は、NPNトランジスタQ1のオンデューティーが一定の場合、コンデンサC2の両端の電圧Vcpと直流電源Bの出力電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbに依存する。したがって、電圧変換制御手段302は、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするとき、図6に示すように電圧差Vcp−Vbに応じてNPNトランジスタQ1のオンデューティーを制御する。
【0146】
図6において、横軸は、電圧Vcpと電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbを示し、縦軸はNPNトランジスタQ1のオンデューティーを示す。電圧変換制御手段302は、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする場合、電圧差Vcp−Vbが基準値V1以下のときNPNトランジスタQ1のオンデューティーを一定に保持し、電圧差Vcp−Vbが基準値V1を超えるとNPNトランジスタQ1のオンデューティーを電圧差Vcp−Vbに応じて直線的に減少させる。これにより、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする場合、NPNトランジスタQ1に過電流が流れるのを防止できる。
【0147】
すなわち、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする場合、電圧変換制御手段302は、
(a)昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T1以下であり、かつ、電圧差Vcp−Vbが所定値V1以下であるとき、キャリア周波数およびオンデューティーを一定に保持してコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックし(以下、「チャージバック1」と言う。)、
(b)昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T1以下であり、かつ、電圧差Vcp−Vbが所定値V1を超えると、キャリア周波数を一定に保持し、NPNトランジスタQ1のオンデューティーを電圧差Vcp−Vbに応じて減少させてコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックし(以下、「チャージバック2」と言う。)、
(c)昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T1よりも高くなると、オンデューティーを一定に保持し、キャリア周波数を減少させてコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする(以下、「チャージバック3」と言う。)。
【0148】
このように、電圧変換制御手段302は、昇圧コンバータ12を保護するために、NPNトランジスタQ1をスイッチング制御するキャリア周波数およびオンデューティーを制御しながら、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする。
【0149】
図7〜図11を参照して、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電するときの詳細な動作について説明する。
【0150】
図7を参照して、一連の動作が開始されると、電圧変換制御手段302は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されているか否か、すなわち、外部ECUから信号IGOFFを受信したか否かを判定し(ステップS1)、信号IGOFFを受信していないと判定したとき一連の動作が終了する(ステップS13)。
【0151】
ステップS1において、電圧変換制御手段302は、信号IGOFFを受信したと判定したとき、コンデンサC2の両端の電圧Vcpを電圧センサー13から受け、直流電源Bからの出力電圧Vbを電圧センサー10Aから受けて、電圧Vcpおよび出力電圧Vbを検出する(ステップS2)。
【0152】
そして、電圧変換制御手段302は、電流センサー18からの電流BCRTおよび温度センサー10Bからの温度Tbに基づいて、上述した方法によって直流電源Bの残容量を検出し(ステップS3)、その検出した残容量が所定量以下か否かを判定する(ステップS4)。そして、電圧変換制御手段302は、残容量が所定量以下でないと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する(ステップS12)。
【0153】
一方、ステップS4において、電圧変換制御手段302は、直流電源Bの残容量が所定量以下であると判定したとき、電圧センサー13からの電圧Vcpと電圧センサー10Aからの電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であるか否かを判定し(ステップS5)、電圧差Vcp−Vbが所定値α以上でないとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する(ステップS12)。
【0154】
ステップS5において、電圧変換制御手段302は、電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であると判定したとき、温度センサー11から温度Tcを受け、昇圧コンバータ12の温度Tcを検出する(ステップS6)。そして、電圧変換制御手段302は、温度Tcが所定値T1以下であるか否かを判定し(ステップS7)、温度Tcが所定値T1以下でないとき、チャージバック3を実行する(ステップS11)。
【0155】
一方、ステップS7において、電圧変換制御手段302は、温度Tcが所定値T1以下であると判定したとき、電圧差Vcp−Vbが基準値V1以下であるか否かを判定し(ステップS8)、電圧差Vcp−Vbが基準値V1以下でないときチャージバック2を実行する(ステップS10)。
【0156】
一方、ステップS8において、電圧変換制御手段302は、電圧差Vcp−Vbが基準値V1以下であると判定したとき、チャージバック1を実行する(ステップS9)。
【0157】
図8を参照して、図7に示すフローチャートのチャージバック1(ステップS9)の詳細な動作について説明する。図7に示すフローチャートのステップS8において、電圧変換制御手段302は、電圧差Vcp−Vbが基準値V1以下であると判定したとき、図12に示すような、キャリア周波数およびオンデューティーを一定に保持して昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1を駆動するための信号PWB11を生成し、その生成した信号PWB11(信号PWB1の一種)を昇圧コンバータ12へ出力する(ステップS91)。この場合、インバータ14,31は停止されている。そして、昇圧コンバータ12は、信号PWB11に応じて、コンデンサC2からの直流電圧を降圧し、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bに供給する(ステップS92)。その後、図7に示すフローチャートのステップS5へ戻り、ステップS5〜S12が繰り返し実行される。
【0158】
図9を参照して、図7に示すフローチャートのチャージバック2(ステップS10)の詳細な動作について説明する。図7に示すフローチャートのステップS8において、電圧変換制御手段302は、電圧差Vcp−Vbが基準値V1以下でないと判定したとき、図12に示すような、キャリア周波数を一定に保持し、かつ、電圧差Vcp−Vbに応じてオンデューティーを減少させるための信号PWB12(信号PWB1の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する(ステップS101,S102)。そして、昇圧コンバータ12は、信号PWB12に応じて、NPNトランジスタQ1に流れる電流が過電流にならないようにNPNトランジスタQ1を駆動してコンデンサC2からの直流電圧を降圧し、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bに供給する(ステップS103)。その後、図7に示すフローチャートのステップS5へ戻り、ステップS5〜S12が繰り返し実行される。
【0159】
図10を参照して、図7に示すフローチャートのチャージバック3(ステップS11)の詳細な動作について説明する。図7に示すフローチャートのステップS7において、電圧変換制御手段302は、昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T1以下でないと判定したとき、図12に示すような、NPNトランジスタQ1のオンデューティーを一定し、かつ、キャリア周波数を減少させるための信号PWB13(信号PWB1の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する(ステップS111,S112)。そして、昇圧コンバータ12は、信号PWB13に応じて、キャリア周波数を減少してNPNトランジスタQ1をスイッチング制御し、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bに供給する(ステップS113)。
【0160】
その後、電圧変換制御手段302は、昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T2(>T1)よりも高いか否かを判定し(ステップS114)、温度Tcが所定値T2よりも高くないとき図7に示すフローチャートのステップS5へ戻り、ステップS5〜S12が繰返し実行される。
【0161】
一方、ステップS114において、電圧変換制御手段302は、温度Tcが所定値T2よりも高いと判定したとき、図12に示すような、温度Tcに応じてオンデューティーを減少させるための信号PWB14(信号PWB1の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する(ステップS115)。そして、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1は、信号PWB14に応じて、スイッチング制御におけるオンデューティーを減少して駆動される。その後、ステップS113,S114が繰返し実行される。
【0162】
昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T2よりも高い場合に、NPNトランジスタQ1のオンデューティーを温度に応じて減少させるのは、昇圧コンバータ12の温度Tcが所定値T1よりも高い場合に、まず、NPNトランジスタQ1のキャリア周波数を減少させており(ステップS112)、キャリア周波数の減少だけでは、昇圧コンバータ12における温度上昇を防止できないのでNPNトランジスタQ1の負荷を低減させ、昇圧コンバータ12の温度Tcがさらに上昇するのを防止するためである。
【0163】
図11を参照して、図7に示すフローチャートのディスチャージ(ステップS12)の詳細な動作について説明する。図7に示すフローチャートのステップS4において直流電源Bの残容量が所定量以下でないと判定されたとき、またはステップS5において電圧差Vcp−Vbが所定値α以上でないと判定されたとき、電圧変換制御手段302は、昇圧コンバータ12を停止させ(ステップS121)、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1および/またはM2に放電させるためにインバータ14および/または31を駆動するための信号PWMD11および/またはPWMD12を生成し、その生成した信号PWMD11および/またはPWMD12を出力してインバータ14および/または31を駆動する(ステップS122)。インバータ14は、信号PWMD11に応じて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動し、インバータ31は、信号PWMD12に応じて、コンデンサC2からの直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM2を駆動する。これにより、コンデンサC2に蓄積された電力は、交流モータM1および/または交流モータM2に放電される(ステップS123)。その後、図7に示すフローチャートのステップS13へ移行し、一連の動作が終了する。
【0164】
上述したように、図7に示すフローチャートのステップS1において、信号IGOFFを受信したと判定することは、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするときの条件(1)またはコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1(またはM2)に放電するときの条件(4)を確認することに相当する。また、ステップS4において、直流電源Bの残容量が所定量以下であると判定することは、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするときの条件(2)を確認することに相当する。さらに、ステップS7において、電圧差Vcp−Vbが所定値α以上であると判定することは、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするときの条件(3)を確認することに相当する。さらに、ステップS7において、電圧差Vcp−Vbが所定値α以上でないと判定することは、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1(またはM2)に放電するときの条件(5)を確認することに相当する。
【0165】
再び、図1を参照して、モータ駆動装置100における全体動作について説明する。全体の動作が開始されると、制御装置30は、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,2へ出力し、システムリレーSR1,2がオンされる。直流電源Bは直流電圧をシステムリレーSR1,SR2を介して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0166】
電圧センサー10Aは、直流電源Bから出力される電圧Vbを検出し、その検出した電圧Vbを制御装置30へ出力する。また、電圧センサー13は、コンデンサC2の両端の電圧Vcpを検出し、その検出した電圧Vcpを制御装置30へ出力する。さらに、電流センサー18は、直流電源Bから流出または流入する電流BCRTを検出して制御装置30へ出力し、温度センサー10Bは直流電源Bの温度Tbを検出して制御装置30へ出力し、温度センサー11は昇圧コンバータ12の温度Tcを検出して制御装置30へ出力する。さらに、電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRT1を検出して制御装置30へ出力し、電流センサー28は、交流モータM2に流れるモータ電流MCRT2を検出して制御装置30へ出力する。そして、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TR1,2、およびモータ回転数MRN1,2を受ける。
【0167】
そうすると、制御装置30は、電圧Vcp、モータ電流MCRT1およびトルク指令値TR1に基づいて、上述した方法により信号PWMI1を生成し、その生成した信号PWMI1をインバータ14へ出力する。また、制御装置30は、電圧Vcp、モータ電流MCRT2およびトルク指令値TR2に基づいて、上述した方法により信号PWMI2を生成し、その生成した信号PWMI2をインバータ31へ出力する。さらに、制御装置30は、インバータ14(または31)が交流モータM1(またはM2)を駆動するとき、電圧Vcp,Vb、トルク指令値TR1(またはTR2)、およびモータ回転数MRN1(またはMRN2)に基づいて、上述した方法により昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をスイッチング制御するための信号PWUを生成し、その生成した信号PWUを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0168】
そうすると、昇圧コンバータ12は、信号PWUに応じて、直流電源Bからの直流電圧を昇圧し、その昇圧した直流電圧をノードN1,N2を介してコンデンサC2に供給する。そして、インバータ14は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を制御装置30からの信号PWMI1によって交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。また、インバータ31は、コンデンサC2によって平滑化された直流電圧を制御装置30からの信号PWMI2によって交流電圧に変換して交流モータM2を駆動する。これによって、交流モータM1は、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生し、交流モータM2は、トルク指令値TR2によって指定されたトルクを発生する。
【0169】
また、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、制御装置30は、外部ECUから信号RGEを受け、その受けた信号RGEに応じて、信号PWMC1,2を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力し、信号PWDを生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0170】
そうすると、インバータ14は、交流モータM1が発電した交流電圧を信号PWMC1に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。また、インバータ31は、交流モータM2が発電した交流電圧を信号PWMC2に応じて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサC2を介して昇圧コンバータ12へ供給する。そして、昇圧コンバータ12は、コンデンサC2からの直流電圧をノードN1,N2を介して受け、その受けた直流電圧を信号PWDによって降圧し、その降圧した直流電圧を直流電源Bに供給する。これにより、交流モータM1またはM2によって発電された電力が直流電源Bに充電される。
【0171】
さらに、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されたとき、制御装置30は、外部ECUから信号IGOFFを受け、その受けた信号IGOFFに応じて、上述した方法によって、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックすべきか、交流モータM1またはM2に放電すべきかを判定する。
【0172】
そして、制御装置30は、直流電源Bにチャージバックすべきと判定した場合、インバータ14,31を停止するとともに、信号PWB1(信号PWB11〜PWB14から成る)を生成して昇圧コンバータ12へ出力し、上述したチャージバック1〜3によってコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする。
【0173】
また、制御装置30は、交流モータM1またはM2に放電すべきと判定した場合、昇圧コンバータ12を停止するとともに、信号PWMD11,12を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力し、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する。
【0174】
この発明においては、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバック、または交流モータM1,M2に放電する制御は、実際にはCPU(Central Processing Unit)によって実行され、CPUは、図7〜図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図7〜図11に示すフローチャートに従ってコンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックまたは交流モータM1,M2への放電を制御する。したがって、ROMは、図7〜図11に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0175】
上記においては、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする場合、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1をオン/オフしてチャージバックすると説明したが、この発明においては、これに限らず、NPNトランジスタQ1をオンしたまま、すなわち、オンデューティーを100%に保持してコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックしてもよい。この場合、図7に示すステップS5において”Yes”と判定された後、ステップS6〜S11に代えて、NPNトランジスタQ1のオンデューティーを100%に保持してコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするステップが実行される。
【0176】
[実施の形態2]
図13を参照して、実施の形態2によるモータ駆動装置100Aは、モータ駆動装置100の温度センサー11を削除し、制御装置30を制御装置30Aに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0177】
制御装置30Aは、モータ駆動装置100Aが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されると、信号IGOFFを外部ECUから受ける。そして、制御装置30Aは、信号IGOFFを受けると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーが100%よりも小さいとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御する。また、制御装置30Aは、NPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%に達していると判定すると、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するようにインバータ14または31を制御する。
【0178】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックする場合、制御装置30Aは、昇圧コンバータ12がコンデンサC2の両端の電圧Vcpを降圧して直流電源Bに供給するための信号PWB2を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する場合、制御装置30Aは、インバータ14または31がノードN1,N2を介して受けた直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1またはM2に供給するための信号PWMD21,22を生成し、その生成した信号PWMD21,22を、それぞれ、インバータ14,31へ出力する。
【0179】
コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する場合の実施の形態2における条件および詳細な動作については後述する。
【0180】
制御装置30Aは、その他、制御装置30と同じ機能を有する。
図14は、図13に示す制御装置30Aの機能ブロック図である。図14を参照して、制御装置30Aは、制御装置30の電圧変換制御手段302を電圧変換制御手段302Aに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0181】
電圧変換制御手段302Aは、イグニッションキーがオフされたことを示す信号IGOFFを外部ECUから受けると、電流センサー18からの電流BCRTの積算値と温度センサー10Bからの温度Tbとに基づいて直流電源Bの残容量を求める。そして、電圧変換制御手段302Aは、信号IGOFFを外部ECUから受けたときに電圧センサー13から受けた電圧Vcpを電圧指令値としたNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1を検出する。
【0182】
そうすると、電圧変換制御手段302Aは、直流電源Bの残容量とオンデューティーDRON1とに基づいて、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックすべきか、交流モータM1またはM2に放電すべきかを判定する。そして、電圧変換制御手段302Aは、チャージバックすべきと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるための信号PWB2を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、電圧変換制御手段302Aは、放電すべきと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるための信号PWMD21,22を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力する。
【0183】
電圧変換制御手段302Aは、その他、温度Tcに基づいてNPNトランジスタQ1における発熱を抑制する機能を除いて電圧変換制御手段302と同じ機能を果たす。
【0184】
図15は、電圧変換制御手段302Aの機能のうち、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるための信号PWB2を生成する機能を示す機能ブロック図である。図15を参照して、電圧変換制御手段302Aは、電圧指令値設定部60と、デューティー比変換部62と、判定部64と、残容量検出部66とを含む。
【0185】
電圧指令値設定部60は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、信号IGOFFを受けたときの電圧センサー13からの電圧Vcpを電圧指令値Vdc_com_intとしてデューティー比変換部62へ出力する。また、電圧指令値設定部60は、コンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックを指示する信号CHGBを判定部64から受ける毎に、電圧センサー13からの電圧Vcpよりも低い電圧指令値Vdc_com_lwを設定し、その設定した電圧指令値Vdc_com_lwをデューティー比変換部62へ出力する。さらに、電圧指令値設定部60は、コンデンサC2に蓄積された電力の交流モータM1またはM2への放電を指示する信号CHGDを判定部64から受けると、0Vからなる電圧指令値Vdc_com_0を設定し、その設定した電圧指令値Vdc_com_0をデューティー比変換部62へ出力する。
【0186】
デューティー比変換部62は、電圧指令値設定部60から電圧指令値Vdc_com(Vdc_com_int、Vdc_com_lwおよびVdc_com_0からなる。)を受けると、バッテリ電圧Vbと電圧指令値Vdc_comとに基づいて、電圧センサー13からの電圧Vcpを電圧指令値Vdc_comに設定するためのデューティー比DR1を演算し、その演算したデューティー比DR1に基づいて昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWB2を生成する。また、デューティー比変換部62は、演算したデューティー比DR1からNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1を検出する。そして、デューティー比変換部60は、生成した信号PWB2を昇圧コンバータ12へ出力し、検出したオンデューティーDRON1を判定部64へ出力する。
【0187】
判定部64は、信号IGOFFを外部ECUから受けると、残容量検出部66からの残容量VLMが所定量以下か否かを判定する。そして、判定部64は、残容量VLMが所定量よりも大きいと判定したときコンデンサC2に蓄積された電力の交流モータM1またはM2への放電を指示するための信号CHGDを生成して電圧指令値設定部60へ出力する。また、判定部64は、残容量VLMが所定量以下であると判定したとき、オンデューティーDRON1が100%よりも小さいか否かをさらに判定する。
【0188】
判定部64は、オンデューティーDRON1が100%よりも小さいと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックを指示するための信号CHGBを生成して電圧指令値設定部60へ出力し、オンデューティーDRON1が100%よりも小さくないと判定したとき、すなわち、オンデューティーDRON1が100%に達したとき、信号CHGDを生成して電圧指令値設定部60へ出力する。
【0189】
残容量検出部66は、電流センサー18から電流BCRTを受け、その受けた電流BCRTの積算値を演算する。そして、残容量検出部66は、演算した積算値を温度センサー10Bからの温度Tbを用いて実施の形態1において説明した方法によって補正して直流電源Bの残容量VLMを検出し、その検出した残容量VLMを判定部64へ出力する。
【0190】
図16を参照して、信号PWB2を生成するときの電圧指令値設定部60、デューティー比変換部62、判定部64および残容量検出部66の動作について説明する。電圧指令値設定部60は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、信号IGOFFを受けたときに電圧センサー13から受けた電圧Vcp1(電圧Vcpの一種)を電圧指令値Vdc_com_intとしてデューティー比変換部62へ出力する。
【0191】
デューティー比変換部62は、電圧Vcp1、バッテリ電圧Vbおよび電圧指令値Vdc_com_int(=Vcp1)に基づいて上述した方法によりデューティー比DR11(デューティー比DR1の一種)を演算し、その演算したデューティー比DR11に基づいて信号PWB21(信号PWB2の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、デューティー比変換部62は、演算したデューティー比DR11からNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON11(オンデューティーDRON1の一種)を検出して判定部64へ出力する。
【0192】
なお、信号PWB21は、信号IGOFFが電圧変換制御手段302Aに入力される前のデューティー比と同じデューティー比DR11に基づいて生成されるので、昇圧コンバータ12は、信号IGOFFが電圧変換制御手段302Aに入力される前の動作を継続している。
【0193】
残容量検出部66は、電流BCRTおよび温度Tbに基づいて、上述した方法によって直流電源Bの残容量VLMを検出し、その検出した残容量VLMを判定部64へ出力する。
【0194】
そうすると、判定部64は、残容量検出部66から受けた残容量VLMが所定量以下であるか否かを判定し、残容量VLMが所定量以下であると判定したとき、デューティー比変換部62から受けたオンデューティーDRON11が100%よりも小さいか否かを判定する。そして、判定部64は、オンデューティーDRON11が100%よりも小さいと判定したとき信号CHGBを生成して電圧指令値設定部60へ出力する。
【0195】
電圧指令値設定部60は、判定部64から信号CHGBを受けると、電圧センサー13からの電圧Vcp2(電圧Vcpの一種)よりも低い電圧指令値Vdc_com_lw1(電圧指令値Vdc_com_lwの一種)を設定してデューティー比変換部62へ出力する。
【0196】
デューティー比変換部62は、電圧Vcp2、バッテリ電圧Vbおよび電圧指令値Vdc_com_lw1に基づいて上述した方法によりデューティー比DR12(デューティー比DR1の一種)を演算し、その演算したデューティー比DR12に基づいて信号PWB22(信号PWB2の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、デューティー比変換部62は、演算したデューティー比DR12からNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON12(オンデューティーDRON1の一種)を検出して判定部64へ出力する。
【0197】
判定部64は、デューティー比変換部62から受けたオンデューティーDRON12が100%よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON12が100%よりも小さいと判定したとき(通常、オンデューティーDRON12は100%よりも小さいと判定される)、信号CHGBを生成して電圧指令値設定部60へ出力する。
【0198】
電圧指令値設定部60は、判定部64から信号CHGBを受けると、電圧センサー13からの電圧Vcp3(電圧Vcpの一種)よりも低い電圧指令値Vdc_com_lw2(電圧指令値Vdc_com_lwの一種)を設定してデューティー比変換部62へ出力する。
【0199】
デューティー比変換部62は、電圧Vcp3、バッテリ電圧Vbおよび電圧指令値Vdc_com_lw2に基づいて上述した方法によりデューティー比DR13(デューティー比DR1の一種)を演算し、その演算したデューティー比DR13に基づいて信号PWB23(信号PWB2の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、デューティー比変換部62は、演算したデューティー比DR13からNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON13(オンデューティーDRON1の一種)を検出して判定部64へ出力する。
【0200】
判定部64は、デューティー比変換部62から受けたオンデューティーDRON13が100%よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON13が100%よりも小さいと判定したとき(通常、オンデューティーDRON13は100%よりも小さいと判定される)、信号CHGBを生成して電圧指令値設定部60へ出力する。
【0201】
その後、電圧指令値設定部60、デューティー比変換部62および判定部64は、上述した動作を繰返し、信号PWB2n−1(オンデューティーDRON1n−1を有する)が生成され、最終的に信号PWB2n(オンデューティーDRON1n=100%を有する)が生成される。
【0202】
そして、判定部64は、デューティー変換部62から受けたオンデューティーDRON1nが100%よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON1nが100%に達したと判定する。そうすると、判定部64は、信号CHGDを生成して電圧指令値設定部60へ出力する。
【0203】
電圧指令値設定部60は、判定部64から信号CHGDを受けると、0Vからなる電圧指令値Vdc_com_0を設定してデューティー比変換部62へ出力する。デューティー比変換部62は、電圧指令値設定部60から受けた電圧指令値Vdc_com_0に基づいて、NPNトランジスタQ1,Q2を停止させるための信号PWB_stp(信号PWB2の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。これにより、信号PWB2を生成する動作が終了する。
【0204】
このように、電圧変換制御手段302Aは、電圧センサー13から受けた電圧Vcpよりも低い電圧指令値Vdc_comを順次設定することによりNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1を増加して信号PWB2を生成する。つまり、電圧変換制御手段302Aは、図17に示すように、電圧指令値Vdc_comを順次低下させることによりNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1を増加して信号PWB2を生成する。
【0205】
したがって、実施の形態2においては、NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1と電圧指令値Vdc_comとの関係が図17に示す曲線k4になるように、電圧指令値Vdc_comによってNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1を増加してコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックすることを特徴とする。
【0206】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるときの実施の形態2における条件、およびコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるときの実施の形態2における条件について説明する。
【0207】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるときの実施の形態2における条件は、
(1)イグニッションキーがオフされていること、
(2)直流電源Bの残容量が所定量以下であること
(7)昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%よりも小さいこと
の全ての条件が満たされることである。
【0208】
また、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるための実施の形態2における条件は、
(4)イグニッションキーがオフされていること
(6)システムリレーSR1,SR2がオフされていること
(8)昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%に達していること
の全ての条件が満たされることである。
【0209】
条件(1)、(2)、(4)および(6)については実施の形態1において説明したとおりである。
【0210】
チャージバックの場合の1つの条件である「昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%よりも小さいこと」は、デューティー比変換部62により検出されたオンデューティーDRON1が100%よりも小さいと判定部64が判定することにより満たされる。
【0211】
また、放電の場合の1つの条件である「昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%に達していること」は、デューティー比変換部62により検出されたオンデューティーDRON1が100%に達したと判定部64が判定することにより満たされる。
【0212】
図18を参照して、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電するときの実施の形態2における動作について説明する。
【0213】
図18を参照して、一連の動作が開始されると、電圧変換制御手段302Aは、モータ駆動装置100Aが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されているか否か、すなわち、外部ECUから信号IGOFFを受信したか否かを判定し(ステップS21)、信号IGOFFを受信していないと判定したとき一連の動作は終了する(ステップS29)。
【0214】
ステップS21において、電圧変換制御手段302Aは、信号IGOFFを受信したと判定したとき、電流センサー18から電流BCRTを受け、その受けた電流BCRTの積算値を演算する。そして、電圧変換制御手段302Aは、演算した積算値を温度センサー10Bからの温度Tbによって補正し、直流電源Bの残容量VLMを検出する(ステップS22)。
【0215】
そうすると、電圧変換制御手段302Aは、残容量VLMが所定量以下であるか否かを判定し(ステップS23)、残容量VLMが所定量よりも大きいと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる(ステップS28)。
【0216】
一方、電圧変換制御手段302Aは、ステップS23において残容量VLMが所定量以下であると判定したとき、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1が100%よりも小さいか否かをさらに判定する(ステップS24)。そして、電圧変換制御手段302Aは、オンデューティーDRON1が100%よりも小さくないと判定したとき、すなわち、オンデューティーDRON1が100%に達したと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる(ステップS28)。
【0217】
一方、電圧変換制御手段302Aは、ステップS24においてオンデューティーDRON1が100%よりも小さいと判定したとき、上述したチャージバックの条件(1)、(2)および(7)の全てが満たされたものと判定する。
【0218】
そして、電圧変換制御手段302Aは、電圧センサー13から電圧Vcp1を受け、電圧Vcp1を検出する(ステップS25)。そして、電圧変換制御手段302Aは、検出した電圧Vcp1よりも低い電圧指令値Vdc_com_lw1を設定し(ステップS26)、その設定した電圧指令値Vdc_com_lw1に基づいて信号PWB21を生成して昇圧コンバータ12を制御し(ステップS27)、NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON11を検出する。これにより、昇圧コンバータ12は、信号PWB21に基づいてコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする。
【0219】
その後、一連の動作はステップS24へ戻り、電圧変換制御手段302Aは、ステップS27において検出したオンデューティーDRON11が100%よりも小さいか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、オンデューティーDRON11は100%よりも小さいので、電圧変換制御手段302Aは、電圧センサー13から電圧Vcp2を受け、電圧Vcp2を検出する(ステップS25)。そして、電圧変換制御手段302Aは、検出した電圧Vcp2よりも低い電圧指令値Vdc_com_lw2を設定し(ステップS26)、その設定した電圧指令値Vdc_com_lw2に基づいて信号PWB22を生成して昇圧コンバータ12を制御し(ステップS27)、NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON12を検出する。これにより、昇圧コンバータ12は、信号PWB22に基づいてコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする。
【0220】
その後、ステップS27において検出されたオンデューティーDRON1が100%に達するまでステップS24〜S27が繰返し実行され、コンデンサC2に蓄積された電力が直流電源Bにチャージバックされる。
【0221】
そして、電圧変換制御手段302Aは、ステップS24において、オンデューティーが100%に達したと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる(ステップS28)。これにより一連の動作が終了する(ステップS29)。
【0222】
なお、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるステップS28の詳細な動作は、図7に示すステップS12の動作、すなわち、図11に示すステップS121〜S123の動作と同じである。そして、電圧変換制御手段302Aは、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるとき信号PWMD21またはPWMD22を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0223】
このように、信号IGOFFが外部ECUから電圧変換制御手段302Aに入力されると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1が100%に達するまでコンデンサC2に蓄積された電力が直流電源Bにチャージバックされ、オンデューティーDRON1が100%に達するとコンデンサC2に蓄積された電力が交流モータM1またはM2に放電される。
【0224】
そして、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせる場合、ステップS24において”Yes”と判定される毎に、電圧センサー13からの電圧Vcpを基準にして電圧Vcpよりも低い電圧指令値Vdc_com_lwが設定され、その設定された電圧指令値Vdc_com_lwによってオンデューティーDRON1を増加して信号PWB21,PWB22,・・・,PWB2nが生成される。
【0225】
NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1が100%に達するまでコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせることにより、コンデンサC2に蓄積された電力を、最も多く直流電源Bにチャージバックできるとともに、コンデンサC2の両端の電圧Vcpがバッテリ電圧Vbに等しくなってからコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電できる。その結果、放電する電力を最小限に抑制できる。
【0226】
モータ駆動装置100Aの全体動作は、モータ駆動装置100の全体動作のうち、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する動作を図18に示すフローチャートに従って行なわれる動作に代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100の動作と同じである。
【0227】
なお、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバック、または交流モータM1,M2に放電する制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図18に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図18に示すフローチャートに従ってコンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックまたは交流モータM1,M2への放電を制御する。したがって、ROMは、図18に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0228】
また、上記においては、NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1が100%に達するまでコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックし、オンデューティーDRON1が100%に達するとコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電すると説明したが、この発明は、これに限らず、NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1が所定のオンデューティーに達するまでコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックし、オンデューティーDRON1が所定のオンデューティーに達するとコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するようにしてもよい。
【0229】
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図19を参照して、実施の形態3によるモータ駆動装置100Bは、モータ駆動装置100Aの制御装置30Aを制御装置30Bに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100Aと同じである。
【0230】
制御装置30Bは、モータ駆動装置100Bが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されると、信号IGOFFを外部ECUから受ける。そして、制御装置30Bは、信号IGOFFを受けると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーが100%よりも小さいとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御する。また、制御装置30Bは、NPNトランジスタQ1のオンデューティーが100%に達していると判定すると、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するようにインバータ14または31を制御する。
【0231】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックする場合、制御装置30Bは、昇圧コンバータ12がコンデンサC2の両端の電圧Vcpを降圧して直流電源Bに供給するための信号PWB3を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する場合、制御装置30Bは、インバータ14または31がノードN1,N2を介して受けた直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1またはM2に供給するための信号PWMD31,32を生成し、その生成した信号PWMD31,32を、それぞれ、インバータ14,31へ出力する。
【0232】
制御装置30Aは、昇圧コンバータ12の電圧指令値Vdc_comによってNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON1を変化させて信号PWB2を生成したが、制御装置30Bは、NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON2を所定量づつ増加させて信号PWB3を生成する。より具体的には、制御装置30Bは、外部ECUから信号IGOFFを受ける前のNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON20(オンデューティーDRON2の一種)を記憶しておき、信号IGOFFを受けるとオンデューティーDRON20を初期値としてオンデューティーDRON2を所定量づつ増加させて信号PWB3を生成する。
【0233】
制御装置30Bは、その他、制御装置30,30Aと同じ機能を有する。
コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックする場合の実施の形態3における条件は、上述した条件(1)、(2)および(7)であり、コンデンサC2に蓄積された電力を放電する場合の実施の形態3における条件は、上述した条件(4)、(6)および(8)である。
【0234】
なお、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する場合の詳細な動作については後述する。
【0235】
図20は、図19に示す制御装置30Bの機能ブロック図である。図20を参照して、制御装置30Bは、制御装置30Aの電圧変換制御手段302Aを電圧変換制御手段302Bに代えたものであり、その他は、制御装置30Aと同じである。
【0236】
なお、実施の形態3においては、モータトルク制御手段301のデューティー比変換部54は、フィードバック電圧指令に基づいて演算したデューティー比DR2を電圧変換制御手段302Bへ出力する。
【0237】
電圧変換制御手段302Bは、信号RGEおよび信号IGOFFを外部ECUから受け、バッテリ電圧Vbを電圧センサー10Aから受け、温度Tbを温度センサー10Bから受け、電流BCRTを電流センサー18から受け、デューティー比DR2をモータトルク制御手段301から受ける。
【0238】
電圧変換制御手段302Bは、モータトルク制御手段301から受けたデューティー比DR2に基づいてNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON2を検出し、その検出したオンデューティーDRON2を記憶する。また、電圧変換制御手段302Bは、イグニッションキーがオフされたことを示す信号IGOFFを外部ECUから受けると、電流センサー18からの電流BCRTの積算値と温度センサー10Bからの温度Tbとに基づいて直流電源Bの残容量を求める。
【0239】
そうすると、電圧変換制御手段302Bは、信号IGOFFを外部ECUから受ける前のオンデューティーDRON20と残容量とに基づいて、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックすべきか、交流モータM1またはM2に放電すべきかを判定する。そして、電圧変換制御手段302Bは、チャージバックすべきと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるための信号PWB3を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、電圧変換制御手段302Bは、放電すべきと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるための信号PWMD31,32を生成してそれぞれインバータ14,31へ出力する。
【0240】
電圧変換制御手段302Bは、その他、電圧変換制御手段302と同じように信号PWDおよび信号PWMC1,2を生成する。
【0241】
図21は、電圧変換制御手段302Bの機能のうち、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるための信号PWB3を生成する機能を示す機能ブロック図である。
【0242】
図21を参照して、電圧変換制御手段302Bは、残容量検出部66と、オンデューティー設定部70と、記憶部72と、判定部74と、デューティー比変換部76とを含む。残容量検出部66については上述したとおりである。
【0243】
オンデューティー設定部70は、モータトルク制御手段301から受けたデューティー比DR2に基づいてNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON2を検出し、その検出したオンデューティーDRON2を記憶部72に記憶する。
【0244】
また、オンデューティー設定部70は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、信号IGOFFを受ける前のオンデューティーDRON20を記憶部72から読出し、その読出したオンデューティーDRON20を判定部74に与える。
【0245】
さらに、オンデューティー設定部70は、外部ECUから信号IGOFFを受けた後、コンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックを指示するための信号CHGBを判定部74から受ける毎に、所定量だけ増加させたオンデューティーDRON2を設定し、その設定したオンデューティーDRON2をデューティー比変換部76へ出力する。
【0246】
より具体的には、オンデューティー設定部70は、信号IGOFFを外部ECUから受けた後、判定部74から信号CHGBを最初に受けたときオンデューティーDRON20を所定量だけ増加させたオンデューティーDRON21(オンデューティーDRON2の一種)を設定し、その設定したオンデューティーDRON21をデューティー比変換部76へ出力する。そして、オンデューティー設定部70は、判定部74から信号CHGBを再度受けると、オンデューティーDRON21を所定量だけ増加させたオンデューティーDRON22(オンデューティーDRON2の一種)を設定し、その設定したオンデューティーDRON22をデューティー比変換部76へ出力する。その後、オンデューティー設定部70は、判定部74から信号CHGBを受ける毎に、直前に設定したオンデューティーDRON2n−1(オンデューティーDRON2の一種)を所定量だけ増加させたオンデューティーDRONnを設定し、その設定したオンデューティーDRONn(オンデューティーDRON2の一種)をデューティー比変換部76へ出力する。
【0247】
さらに、オンデューティー設定部70は、コンデンサC2に蓄積された電力の交流モータM1またはM2への放電を指示するための信号CHGDを判定部74から受けると、零(「0」)からなるオンデューティーDRON2_0を設定し、その設定したオンデューティーDRON2_0をデューティー比変換部76へ出力する。
【0248】
オンデューティー設定部70は、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bへチャージバックする場合、上述したように所定量づつ増加させたオンデューティーDRON2を設定する。この場合、オンデューティー設定部70は、図22に示す直線k5および曲線k6,k7のいずれかに従ってオンデューティーDRON2を初期値DRON20から100%まで増加させる。図22は、オンデューティーDRON2のタイミングチャートを示す。図22を参照して、直線k5は、点AにおけるオンデューティーDRON20(初期値)から点Dにおける100%へ一定の割合で増加するオンデューティーDRON2を示す。また、曲線k6は、点AにおけるオンデューティーDRON20から点BにおけるオンデューティーDRON2k(DRON20<DRON2k<100%)へ増加し、その後、点BにおけるオンデューティーDRON2kから点Dにおける100%へ増加するオンデューティーDRON2を示す。さらに、曲線k7は、点AにおけるオンデューティーDRON20から点BにおけるオンデューティーDRON2kへ増加し、その後、点BにおけるオンデューティーDRON2kから点Cにおける100%へ増加し、点C−D間において100%を保持するオンデューティーDRON2を示す。
【0249】
オンデューティーDRON2が直線k5に従って変化する場合、信号IGOFFがタイミングt1でオンデューティー設定部70へ入力されると、オンデューティーDRON2は、信号IGOFFがオンデューティー設定部70へ入力される前のオンデューティーDRON20(初期値)に設定され、その後、判定部74が信号CHGBをオンデューティー設定部70へ出力する毎に曲線k5に沿って一定の割合で増加される。そして、オンデューティーDRON2は、タイミングt4で点Dにおける100%に到達する。
【0250】
また、オンデューティーDRON2が曲線k6に従って変化する場合、信号IGOFFがタイミングt1でオンデューティー設定部70へ入力されると、オンデューティーDRON2は、初期値DRON20に設定され、その後、判定部74が信号CHGBをオンデューティー設定部70へ出力する毎に曲線k6に沿って一定の割合で増加され、タイミングt2で点BにおけるオンデューティーDRONkに到達する。その後、オンデューティーDRON2は、判定部74が信号CHGBをオンデューティー設定部70へ出力する毎に、タイミングt1〜t2の間における増加割合よりも大きい増加割合で増加され、タイミングt4で点Dにおける100%に到達する。
【0251】
さらに、オンデューティーDRON2が曲線k7に従って変化する場合、信号IGOFFがタイミングt1でオンデューティー設定部70へ入力されると、オンデューティーDRON2は、初期値DRON20に設定され、その後、判定部74が信号CHGBをオンデューティー設定部70へ出力する毎に曲線k7に沿って一定の割合で増加され、タイミングt2で点BにおけるオンデューティーDRONkに到達する。その後、オンデューティーDRON2は、判定部74が信号CHGBをオンデューティー設定部70へ出力する毎に、タイミングt1〜t2の間における増加割合よりも大きい増加割合で増加され、タイミングt3で点Cにおける100%に到達する。そして、オンデューティーDRON2は、タイミングt3〜t4の間、100%に保持される。
【0252】
直線k5および曲線k6,k7におけるオンデューティーDRON2の増加割合は、NPNトランジスタQ1に過電流が流れない割合に設定される。そして、曲線k6,k7において、チャージバック開始直後のタイミングt1〜t2の間、オンデューティーDRON2の増加割合が抑制されるのは、チャージバックの開始直後においてはコンデンサC2の両端の電圧Vcpが高く、オンデューティーDRON2を急激に大きくするとNPNトランジスタQ1に過電流が流れ易いので、チャージバック開始直後においてNPNトランジスタQ1に過電流が流れることをより抑制するためである。したがって、タイミングt2およびオンデューティーDRON2kの具体的な値は、NPNトランジスタQ1の許容電流値、およびコンデンサC2の容量等によって決定される。
【0253】
また、曲線k7に従った場合、オンデューティーDRON2は、タイミングt3〜t4の間で100%に保持されるが、これは、コンデンサC2の両端の電圧Vcpをバッテリ電圧Vbに確実に一致させるためである。
【0254】
オンデューティー設定部70は、直線k5および曲線k6,k7のいずれかをマップとして保持し、判定部74から信号CHGBを受ける毎にマップ(直線k5および曲線k6,k7のいずれか)を参照して新たなオンデューティーDRON2を設定する。
【0255】
再び、図21を参照して、記憶部72は、オンデューティー設定部70により検出されたオンデューティーDRON2を記憶する。判定部74は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、残容量検出部66から受けた残容量VLMが所定量以下であるか否かを判定する。そして、判定部74は、残容量VLMが所定量以下でないと判定したとき信号CHGDを生成してオンデューティー設定部70へ出力する。
【0256】
また、判定部74は、残容量VLMが所定量以下であると判定したとき、オンデューティー設定部70からのオンデューティーDRON20が100%よりも小さいか否かを判定する。そして、判定部74は、オンデューティーDRON20が100%よりも小さいと判定したとき信号CHGBを生成してオンデューティー設定部70へ出力し、オンデューティーDRON20が100%よりも小さくないと判定したとき、すなわち、オンデューティーDRON20が100%に達したと判定したとき信号CHGDを生成してオンデューティー設定部70へ出力する。
【0257】
さらに、判定部74は、オンデューティー設定部70からオンデューティーDRON2(DRON21,DRON22等)を受ける毎に、その受けたオンデューティーDRON2が100%よりも小さいか否かを判定する。そして、判定部74は、オンデューティーDRON2が100%よりも小さいと判定したとき信号CHGBを生成してオンデューティー設定部70へ出力し、オンデューティーDRON2が100%よりも小さくないと判定したとき、すなわち、オンデューティーDRON2が100%に達したと判定したとき信号CHGDを生成してオンデューティー設定部70へ出力する。
【0258】
デューティー比変換部76は、オンデューティー設定部70からオンデューティーDRON2を受けると、その受けたオンデューティーDRON2とバッテリ電圧Vbとに基づいて信号PWB3を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0259】
デューティー比変換部76は、オンデューティーDRON2nをオンデューティー設定部70から任意のタイミングで受けるとすると、その受けたオンデューティーDRON2nに基づいてデューティー比DR2nを演算し、その演算したデューティー比DR2nにバッテリ電圧Vbを乗算して昇圧コンバータ12の出力電圧の目標電圧Vcp_comを演算する。また、デューティー比変換部76は、前回のオンデューティーDRON2n−1に基づいて演算されたデューティー比DR2n−1にバッテリ電圧Vbを乗算して昇圧コンバータ12の現在の出力電圧Vcpcを演算する。そして、デューティー比変換部76は、デューティー比DR2n、現在の出力電圧Vcpcおよび目標電圧Vcp_comに基づいて、現在の出力電圧Vcpcを目標電圧Vcp_comに設定するための信号PWB3を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0260】
図23を参照して、信号PWB3を生成するときの残容量検出部66、オンデューティー設定部70、記憶部72、判定部74およびデューティー比変換部76の動作について説明する。なお、オンデューティー設定部70は、図22に示す直線k5に従ってオンデューティーDRON2を所定量づつ変化させるものとして説明する。
【0261】
オンデューティー設定部70は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、信号IGOFFを受ける前のオンデューティーDRON20を記憶部72から読出し、その読出したオンデューティーDRON20を判定部74へ出力する。
【0262】
判定部74は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、残容量検出部66から受けた残容量VLMを所定量と比較し、残容量VLMが所定量以下であると判定する。そして、判定部74は、さらに、オンデューティー設定部70から受けたオンデューティーDRON20を100%と比較し、オンデューティーDRON20が100%よりも小さいと判定する。そうすると、判定部74は、上述したチャージバック条件(条件(1)、(2)および(7))が満たされたものとして信号CHGBを生成してオンデューティー設定部70へ出力する。
【0263】
オンデューティー設定部70は、判定部74から信号CHGBを受けると、直線k5に従ってオンデューティーDRON20を所定量だけ増加させたオンデューティーDRON21を設定し、その設定したオンデューティーDRON21を判定部74およびデューティー比変換部76へ出力する。デューティー比変換部76は、オンデューティー設定部70からのオンデューティーDRON21に基づいて、上述した方法により信号PWB31(信号PWB3の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0264】
判定部74は、オンデューティー設定部70からオンデューティーDRON21を受けてから所定時間経過すると、オンデューティーDRON21を100%と比較し、オンデューティーDRON21が100%よりも小さいと判定する。そして、判定部74は、信号CHGBを生成してオンデューティー設定部70へ出力する。
【0265】
そうすると、オンデューティー設定部70は、判定部74からの信号CHGBに応じて、直線k5に従ってオンデューティーDRON21を所定量だけ増加させたオンデューティーDRON22を設定し、その設定したオンデューティーDRON22を判定部74およびデューティー比変換部76へ出力する。
【0266】
デューティー比変換部76は、オンデューティー設定部70からのオンデューティーDRON22に基づいて、上述した方法により信号PWB32(信号PWB3の一種)を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。
【0267】
その後、オンデューティー設定部70、判定部74およびデューティー比変換部76は、上述した動作を繰返して、順次、信号PWB33,・・・,PWB3n−1,PWB3nを生成し、その生成した信号PWB33,・・・,PWB3n−1,PWB3nを昇圧コンバータ12へ出力する。
【0268】
図24を参照して、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電するときの実施の形態3における動作について説明する。
【0269】
図24を参照して、一連の動作が開始されると、電圧変換制御手段302Bは、モータ駆動装置100Bが搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が停止されているか否か、すなわち、外部ECUから信号IGOFFを受信したか否かを判定し(ステップS31)、信号IGOFFを受信していないと判定したとき一連の動作は終了する(ステップS39)。
【0270】
ステップS31において、電圧変換制御手段302Bは、信号IGOFFを受信したと判定したとき、電流センサー18から電流BCRTを受け、その受けた電流BCRTの積算値を演算する。そして、電圧変換制御手段302Bは、演算した積算値を温度センサー10Bからの温度Tbによって補正し、直流電源Bの残容量VLMを検出する(ステップS32)。
【0271】
そうすると、電圧変換制御手段302Bは、残容量VLMが所定量以下であるか否かを判定し(ステップS33)、残容量VLMが所定量よりも大きいと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる(ステップS38)。
【0272】
一方、電圧変換制御手段302Bは、ステップS33において残容量VLMが所定量以下であると判定したとき、信号IGOFFを受ける前のオンデューティーDRON20(初期値)を検出する(ステップS34)。そして、電圧変換制御手段302Bは、検出した初期値DRON20をオンデューティーDRON2とし(ステップS35)、オンデューティーDRON2が100%よりも小さいか否かを判定する(ステップS36)。
【0273】
電圧変換制御手段302Bは、オンデューティーDRON2が100%よりも小さいなくと判定したとき、すなわち、オンデューティーDRON2が100%に到達したと判定したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる(ステップS38)。
【0274】
一方、電圧変換制御手段302Bは、オンデューティーDRON2が100%よりも小さいと判定したとき、上述したチャージバックの条件(1)、(2)および(7)の全てが満たされたものと判定する。そして、電圧変換制御手段302Bは、直線k5に従ってオンデューティーDRON2(=DRON20)を所定量だけ増加させたオンデューティーDRON21を設定し、その設定したオンデューティーDRON21に基づいて信号PWB31を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。昇圧コンバータ12は、信号PWB31に基づいて、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする(ステップS37)。
【0275】
電圧変換制御手段302Bは、オンデューティーDRON21を設定した後、一定時間経過後、オンデューティーDRON21が100%よりも小さいか否かを判定し(ステップS36)、オンデューティーDRON21が100%よりも小さいと判定する。そして、電圧変換制御手段302Bは、直線k5に従ってオンデューティーDRON21を所定量だけ増加させたオンデューティーDRON22を設定し、その設定したオンデューティーDRON22に基づいて信号PWB32を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。昇圧コンバータ12は、信号PWB32に基づいてコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックする(ステップS37)。
【0276】
その後、ステップS36において、オンデューティーDRON2が100%よりも小さくないと判定されるまで、すなわち、オンデューティーDRON2が100%に到達するまでステップS36,S37が繰返し実行される。そして、ステップS36において、オンデューティーDRON2が100%に到達したと判定されると、コンデンサC2に蓄積された電力が交流モータM1またはM2に放電され(ステップS38)、一連の動作が終了する(ステップS39)。
【0277】
なお、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるステップS38の詳細な動作は、図7に示すステップS12の動作、すなわち、図11に示すステップS121〜S123の動作と同じである。そして、電圧変換制御手段302Bは、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるとき信号PWMD31またはPWMD32を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0278】
このように、信号IGOFFが外部ECUから電圧変換制御手段302Aに入力されると、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON2が100%に達するまでコンデンサC2に蓄積された電力が直流電源Bにチャージバックされ、オンデューティーDRON2が100%に達するとコンデンサC2に蓄積された電力が交流モータM1またはM2に放電される。
【0279】
そして、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせる場合、ステップS36において”Yes”と判定される毎に、オンデューティーDRON2を直線k5に従って所定量づつ増加させて信号PWB31,PWB32,・・・,PWB3nが生成される。
【0280】
NPNトランジスタQ1のオンデューティーDRON2が100%に達するまでコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせることにより、コンデンサC2に蓄積された電力を、最も多く直流電源Bにチャージバックできるとともに、コンデンサC2の両端の電圧Vcpがバッテリ電圧Vbに等しくなってからコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電できる。その結果、放電する電力を最小限に抑制できる。
【0281】
また、コンデンサC2の両端の電圧Vcpを用いないでオンデューティーDRON2を増加させてコンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックおよび放電するので、電圧センサー13を用いなくてもコンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックおよび放電できる。
【0282】
モータ駆動装置100Bの全体動作は、モータ駆動装置100の全体動作のうち、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する動作を図24に示すフローチャートに従って行なわれる動作に代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100の動作と同じである。
【0283】
なお、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバック、または交流モータM1,M2に放電する制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図24に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図24に示すフローチャートに従ってコンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックまたは交流モータM1,M2への放電を制御する。したがって、ROMは、図24に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0284】
その他は、実施の形態1および2と同じである。
[実施の形態4]
図25を参照して、実施の形態4によるモータ駆動装置100Cは、モータ駆動装置100の制御装置30を制御装置30Cに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100と同じである。
【0285】
制御装置30Cは、外部ECUから信号IGOFFを受けると、制御装置30と同じ方法により直流電源Bの残容量を求め、残容量が所定量以下であるとき直流電源Bに充電可能な電力量を求める。また、制御装置30Cは、電圧センサー10Aからのバッテリ電圧Vbと電圧センサー13からの電圧Vcpとに基づいてコンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量を求める。そして、制御装置30Cは、充電可能な電力量および供給可能な電力量に基づいてコンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換える基準電圧を求め、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧以上であるときコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御し、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧Vcpよりも低いとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するようにインバータ14または31を制御する。
【0286】
なお、制御装置30Cは、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするとき信号PWB4を生成して昇圧コンバータ12へ出力し、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するとき信号PWMD41またはPWMD42を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0287】
制御装置30Cは、その他は、制御装置30と同じ機能を果たす。
図26は、図25に示す制御装置30Cの機能ブロック図を示す。図26を参照して、制御装置30Cは、制御装置30の電圧変換制御手段302を電圧変換制御手段302Cに代えたものであり、その他は、制御装置30と同じである。
【0288】
電圧変換制御手段302Cは、外部ECUから信号IGOFFを受けると、電流センサー18からの電流BCRTの積算値を演算し、その演算した積算値を温度センサー10Bからの温度Tbによって補正して直流電源Bの残容量を演算する。そして、電圧変換制御手段302Cは、直流電源Bの満充電量から、演算した残容量を減算することにより直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを求める。また、電圧変換制御手段302Cは、電圧センサー10Aからのバッテリ電圧Vbと電圧センサー13からの電圧Vcpとに基づいてコンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbを式(2)により求める。
【0289】
【数2】
Figure 2004048983
【0290】
なお、式(2)においてCはコンデンサC2の容量である。
そうすると、電圧変換制御手段302Cは、電力量Pchbを電力量Pchgと比較し、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換える基準電圧Vrefを電力量Pchbに応じて決定する。この場合、コンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbの全てを直流電源Bに充電できるので、電圧変換制御手段302Cは、電圧センサー13の誤差等を考慮して電圧Vcpが電圧Vb+αになるまでコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックし、電圧Vcpが電圧Vb+αに到達するとコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する。つまり、電圧変換制御手段302Cは、電圧Vb+αを基準電圧Vrefと決定する。
【0291】
一方、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき、電圧変換制御手段302Cは、電力量Pchgに基づいて基準電圧Vrefを決定する。より具体的には、電圧変換制御手段302Cは、式(2)の電力量Pchbに電力量Pchgを代入したときの電圧Vcpを電圧Vcp_chgとして式(3)により求め、電圧Vcp_chgを基準電圧Vrefとする。
【0292】
【数3】
Figure 2004048983
【0293】
この場合、電圧Vb+αは、電力量Pchbに基づいて決定され、電圧Vcp_chgは、電力量Pchg(≦Pchb)に基づいて決定されるため、電圧Vcp_chgは、電圧Vb+α以上である。したがって、モータ駆動装置100Cにおいては、直流電源Bに充電可能な電力Pchgに基づいて基準電圧Vrefを決定する場合、基準電圧Vrefは、コンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力Pchbに基づいて決定された基準電圧Vb+α以上である電圧Vcp_chgに決定される。
【0294】
電圧変換制御手段302Cは、基準電圧Vrefを決定すると、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧Vref(=Vb+αまたはVcp_chg)以上であるか否かを判定し、電圧Vcpが基準電圧Vref以上でないとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電する。また、電圧変換制御手段302Cは、電圧Vcpが基準電圧Vref以上であるとき、温度センサー11からの温度Tcを所定値T1と比較した比較結果に応じて、上述したチャージバック1、チャージバック2およびチャージバック3のいずれかを行なう。
【0295】
電圧変換制御手段302Cは、その他、電圧変換制御手段302と同じ機能を果たす。
【0296】
なお、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧Vb+αまたはVcp_chg以上であるか否かを判定することは、電圧Vcpとバッテリ電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbが所定値以上であるか否かを判定することに相当する。基準電圧Vb+αの場合、Vcp≧Vb+α?はVcp−Vb≧α?と等価であり、基準電圧Vcp_chgの場合、Vcp≧Vcp_chg?は、Vcp−Vb≧Vcp_chg−Vb=βと等価であるからである。
【0297】
したがって、電圧Vb+αまたは電圧Vcp_chgを基準電圧Vrefと決定することは、電圧Vcpとバッテリ電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbの比較対象である所定値をαまたはβに決定することに相当する。
【0298】
そうすると、モータ駆動装置100Cにおいては、電圧Vcpとバッテリ電圧Vbとの電圧差Vcp−Vbの比較対象である所定値は、コンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbまたは直流電源Bに充電可能な電力量Pchgに基づいて決定される。そして、所定値は、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき、電力量Pchbに基づいて決定され、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき電力量Pchgに基づいて決定される。また、所定値は、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき、「α」に決定され、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき、「β(>α)」に決定される。
【0299】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるときの実施の形態4における条件、およびコンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるための実施の形態4における条件について説明する。
【0300】
コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせるときの実施の形態4における条件は、
(1)イグニッションキーがオフされていること、
(2)直流電源Bの残容量が所定量以下であること
(9)コンデンサC2の両端の電圧Vcpが基準電圧Vref以上であること
の全ての条件が満たされることである。
【0301】
また、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させるための実施の形態4における条件は、
(4)イグニッションキーがオフされていること
(6)システムリレーSR1,SR2がオフされていること
(10)コンデンサC2の両端の電圧Vcpが基準電圧Vrefよりも低いこと
の全ての条件が満たされることである。
【0302】
条件(1)、(2)、(4)および(6)については実施の形態1において説明したとおりである。
【0303】
チャージバックの場合の1つの条件である「コンデンサC2の両端の電圧Vcpが基準電圧Vref以上であること」は、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧Vref以上であることを電圧変換制御手段302Cが判定することにより満たされる。
【0304】
また、放電の場合の1つの条件である「コンデンサC2の両端の電圧Vcpが基準電圧Vrefよりも低いこと」は、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧Vrefよりも低いことを電圧変換制御手段302Cが判定することにより満たされる。
【0305】
図27は、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電するときの実施の形態4における動作を説明するためのフローチャートである。図27に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートのステップS5をステップS5aに代え、ステップS4とステップS5aとの間にステップS4aを挿入したものであり、その他は、図7に示すフローチャートと同じである。
【0306】
図27を参照して、ステップS4において直流電源Bの残容量が所定量以下であると判定されると、制御装置30Cは、電圧Vcpおよびバッテリ電圧Vbを式(2)に代入して直流電源Bにチャージバック可能な電力量Pchbを演算する。また、制御装置30Cは、直流電源Bの残容量に基づいて直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを演算し、電力量Pchbを電力量Pchgと比較する。そして、制御装置30Cは、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき電圧Vb+αを基準電圧Vrefとする。また、制御装置30Cは、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき、式(3)より電圧Vcp_chgを求め、その求めた電圧Vcp_chgを基準電圧Vrefとする。このようにして、制御装置30Cは、直流電源Bに供給可能な電力量Pchbまたは直流電源Bに充電可能な電力量Pchgに基づいて基準電圧Vrefを決定する(ステップS4a)。
【0307】
そうすると、制御装置30Cは、電圧センサー13からの電圧Vcpが基準電圧Vref以上であるか否かを判定する(ステップS5a)。そして、電圧Vcpが基準電圧Vref以上であると判定されたとき、上述したステップS6〜S11が実行され、電圧Vcpが基準電圧Vrefよりも低いと判定されたとき、上述したステップS12が実行される。
【0308】
その他は、図7における説明と同じである。
このように、図27に示すフローチャートにおいては、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換える基準電圧Vrefが、直流電源Bに供給可能な電力量または直流電源Bに充電可能な電力量に基づいて、直流電源Bへのチャージバック量が直流電源Bに充電可能な電力量を超えないように決定される。したがって、直流電源Bの過充電を防止して有効利用可能な電力を直流電源Bにチャージバックできる。
【0309】
モータ駆動装置100Cの全体動作は、モータ駆動装置100の全体動作のうち、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する動作を図27に示す動作に代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100の全体動作と同じである。
【0310】
実施の形態4によるモータ駆動装置は、図28に示すモータ駆動装置100Dであってもよい。図28を参照して、モータ駆動装置100Dは、モータ駆動装置100Aの制御装置30Aを制御装置30Dに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100Aと同じである。
【0311】
制御装置30Dは、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換えるときのオンデューティーDRON1の基準値DRON_STD1を直流電源Bに供給可能な電力量Pchbまたは直流電源Bに充電可能な電力量Pchgに基づいて決定する。
【0312】
より具体的には、制御装置30Dは、制御装置30Cと同様の方法により基準電圧Vrefを決定し、その決定した基準電圧Vrefをバッテリ電圧Vbで除算して基準値DRON_STD1を決定する。
【0313】
そして、制御装置30Dは、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1よりも小さいときコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御する。また、制御装置30Dは、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1よりも小さくないとき、すなわち、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1に到達したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するようにインバータ14または31を制御する。
【0314】
なお、制御装置30Dは、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせる場合、信号PWB5を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30Dは、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる場合、信号PWMD51またはPWMD52を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0315】
制御装置30Dは、その他、制御装置30Aと同じ機能を果たす。
図29は、図28に示す制御装置30Dの機能ブロック図を示す。図29を参照して、制御装置30Dは、制御装置30Aの電圧変換制御手段302Aを電圧変換制御手段302Dに代えたものであり、その他は、制御装置30Aと同じである。
【0316】
電圧変換制御手段302Dは、上述した方法により、コンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbおよび直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを求める。そして、電圧変換制御手段302Dは、電力量Pchbを電力量Pchgと比較し、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき、電力量Pchbに基づいて基準値DRON_STD1を決定する。また、電圧変換制御手段302Dは、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき、電力量Pchgに基づいて基準値DRON_STD1を決定する。
【0317】
より具体的には、電圧変換制御手段302Dは、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき、電力量Pchbに基づいて決定された基準電圧Vb+αをバッテリ電圧Vbによって除算した値τ1をオンデューティーDRON1の基準値DRON_STD1と決定する。また、電圧変換制御手段302Dは、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき、電力量Pchgに基づいて決定された基準電圧Vcp_chgをバッテリ電圧Vbによって除算した値τ2(<τ1)をオンデューティーDRON1の基準値DRON_STD1と決定する。
【0318】
そして、電圧変換制御手段302Dは、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1(τ1またはτ2)よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1(τ1またはτ2)よりも小さいとき、信号PWB5を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、電圧変換制御手段302Dは、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1(τ1またはτ2)よりも小さくないとき、すなわち、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1(τ1またはτ2)に到達したとき、信号PWMD51またはPWMD52を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0319】
電圧変換制御手段302Dは、その他、電圧変換制御手段302Aと同じ機能を果たす。
【0320】
図30は、電圧変換制御手段302Dの機能のうち、信号PWB5を生成する機能を示す機能ブロック図である。図30を参照して、電圧変換制御手段302Dは、図15に示す電圧指令値設定部60、デューティー比変換部62、判定部64および残容量検出部66に加え、基準値決定部68を含む。電圧指令値設定部60、デューティー比変換部62、判定部64および残容量検出部66については、上述したとおりである。
【0321】
基準値決定部68は、バッテリ電圧Vbおよび電圧Vcpを式(2)に代入してコンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbを求める。また、基準値設定部68は、残容量検出部66からの残容量に基づいて、直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを求める。そして、基準値決定部68は、電力量Pchbと電力量Pchgとの比較結果に応じて基準値DRON_STD1を「τ1」または「τ2」に決定し、その決定した基準値DRON_STD1を判定部64へ出力する。
【0322】
なお、判定部64は、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1よりも小さいか否かを判定する。
【0323】
モータ駆動装置100Dにおけるチャージバック条件は、上述した条件(1)、(2)および(7)のうち、条件(7)の100%を基準値DRON_STD1に代えたものである。また、モータ駆動装置100Dにおける放電条件は、上述した条件(4)、(6)および(8)のうち、条件(8)の100%を基準値DRON_STD1に代えたものである。
【0324】
図31は、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電するモータ駆動装置100Dにおける動作を説明するためのフローチャートである。図31に示すフローチャートは、図18に示すフローチャートのステップS24をステップS24aに代え、ステップS23とステップS24aとの間にステップS23aを挿入したものであり、その他は、図18に示すフローチャートと同じである。
【0325】
図31を参照して、ステップS23において直流電源Bの残容量が所定量以下であると判定されると、制御装置30Dは、電圧センサー13からの電圧Vcpおよび電圧センサー10Aからのバッテリ電圧Vbを式(2)に代入して直流電源Bに供給可能な電力量Pchbを演算する。また、制御装置30Dは、ステップS22において検出された直流電源Bの残容量に基づいて、直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを演算し、電力量Pchbを電力量Pchgと比較する。
【0326】
そして、制御装置30Dは、電力量Pchbが電力量Pchgよりも小さいとき基準電圧Vrefを電圧Vb+αと決定し、電力量Pchbが電力量Pchg以上であるとき上述した方法により求めた電圧Vcp_chgを基準電圧Vrefと決定する。そうすると、制御装置30Dは、基準電圧Vrefをバッテリ電圧Vbで除算してオンデューティーDRON1の基準値DRON_STD1(=τ1またはτ2)を決定する(ステップS23a)。
【0327】
そして、制御装置30Dは、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1よりも小さいか否かを判定する(ステップS24a)。オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1よりも小さいとき、上述したステップS25〜S27が実行され、一連の動作は、ステップS24aに戻る。また、オンデューティーDRON1が基準値DRON_STD1に到達したとき、上述したステップS28が実行され、一連の動作が終了する(ステップS29)。
【0328】
その他は、図18における説明と同じである。
このように、図31に示すフローチャートにおいては、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換えるオンデューティDRON1の基準値DRON_STD1が、直流電源Bに供給可能な電力量または直流電源Bに充電可能な電力量に基づいて、直流電源Bへのチャージバック量が直流電源Bに充電可能な電力量を超えないように決定される。したがって、直流電源Bの過充電を防止して有効利用可能な電力を直流電源Bにチャージバックできる。
【0329】
モータ駆動装置100Dの全体動作は、モータ駆動装置100の全体動作のうち、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する動作を図31に示す動作に代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100の全体動作と同じである。
【0330】
実施の形態4によるモータ駆動装置は、図32に示すモータ駆動装置100Eであってもよい。図32を参照して、モータ駆動装置100Eは、モータ駆動装置100Bの制御装置30Bを制御装置30Eに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100Bと同じである。
【0331】
制御装置30Eは、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換えるときのオンデューティーDRON2の基準値DRON_STD2を直流電源Bに供給可能な電力量Pchbcまたは直流電源Bに充電可能な電力量Pchgに基づいて決定する。
【0332】
より具体的には、制御装置30Eは、バッテリ電圧Vbおよびデューティー比DR2に基づいてコンデンサC2の両端の電圧Vcpcを演算し、その演算した電圧Vcpcとバッテリ電圧Vbとに基づいてコンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbcを求める。また、制御装置30Eは、上述した方法により直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを求める。そして、制御装置30Eは、求めた電力量Pchbcを電力量Pchgと比較し、電力量Pchbcが電力量Pchgよりも小さいとき、電圧Vb+αを基準電圧Vrefと決定する。また、制御装置30Eは、電力量Pchbcが電力量Pchg以上であるとき、電圧Vcp_chgを基準電圧Vrefと決定する。
【0333】
そうすると、制御装置30Eは、決定した基準電圧Vrefをバッテリ電圧Vbで除算して基準値DRON_STD2を決定する。
【0334】
そして、制御装置30Eは、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2よりも小さいときコンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックするように昇圧コンバータ12を制御する。また、制御装置30Eは、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2よりも小さくないとき、すなわち、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2に到達したとき、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電するようにインバータ14または31を制御する。
【0335】
なお、制御装置30Eは、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバックさせる場合、信号PWB6を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、制御装置30Eは、コンデンサC2に蓄積された電力を交流モータM1またはM2に放電させる場合、信号PWMD61またはPWMD62を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0336】
制御装置30Eは、その他、制御装置30Bと同じ機能を果たす。
図33は、図32に示す制御装置30Eの機能ブロック図を示す。図33を参照して、制御装置30Eは、制御装置30Bの電圧変換制御手段302Bを電圧変換制御手段302Eに代えたものであり、その他は、制御装置30Bと同じである。
【0337】
電圧変換制御手段302Eは、電圧センサー10Aからのバッテリ電圧Vbにモータトルク制御手段301からのデューティー比DR2を乗算してコンデンサC2の両端の電圧Vcpcを演算し、その演算した電圧Vcpcと電圧Vbとに基づいてコンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbcを演算する。また、電圧変換制御手段302Eは、上述した方法により、直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを求める。そして、電圧変換制御手段302Eは、電力量Pchbcを電力量Pchgと比較し、電力量Pchbcが電力量Pchgよりも小さいとき、電力量Pchbcに基づいて基準値DRON_STD2を決定する。また、電圧変換制御手段302Eは、電力量Pchbcが電力量Pchg以上であるとき、電力量Pchgに基づいて基準値DRON_STD2を決定する。
【0338】
より具体的には、電圧変換制御手段302Eは、電力量Pchbcが電力量Pchgよりも小さいとき、電力量Pchbcに基づいて電圧Vb+αを基準電圧Vrefと決定し、その決定された基準電圧Vb+αをバッテリ電圧Vbによって除算した値τ3をオンデューティーDRON2の基準値DRON_STD2と決定する。また、電圧変換制御手段302Eは、電力量Pchbcが電力量Pchg以上であるとき、電力量Pchgに基づいて決定された基準電圧Vcp_chgをバッテリ電圧Vbによって除算した値τ4(<τ3)をオンデューティーDRON2の基準値DRON_STD2と決定する。
【0339】
そして、電圧変換制御手段302Eは、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2(=τ3またはτ4)よりも小さいか否かを判定し、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2(=τ3またはτ4)よりも小さいとき、信号PWB6を生成して昇圧コンバータ12へ出力する。また、電圧変換制御手段302Eは、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2(=τ3またはτ4)よりも小さくないとき、すなわち、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2(=τ3またはτ4)に到達したとき、信号PWMD61またはPWMD62を生成してインバータ14または31へ出力する。
【0340】
電圧変換制御手段302Eは、その他、電圧変換制御手段302Bと同じ機能を果たす。
【0341】
図34は、電圧変換制御手段302Eの機能のうち、信号PWB6を生成する機能を示す機能ブロック図である。図34を参照して、電圧変換制御手段302Eは、図21に示す残容量検出部66、オンデューティー設定部70、記憶部72、判定部74、およびデューティー比変換部76に加え、基準値決定部78を含む。残容量検出部66、オンデューティー設定部70、記憶部72、判定部74、およびデューティー比変換部76については、上述したとおりである。
【0342】
なお、電圧変換制御手段302Eにおいては、オンデューティー設定部70は、モータトルク制御手段301から受けたデューティー比DR2に基づいてオンデューティーDRON20を検出して記憶部72および判定部74へ出力するとともに、受けたデューティー比DR2を基準値決定部78へ出力する。
【0343】
基準値決定部78は、外部ECUから信号IGOFFを受けると、信号IGOFFを受ける前にオンデューティー設定部70から受けたデューティー比DR2に電圧センサー10Aからのバッテリ電圧Vbを乗算することにより、信号IGOFFが電圧変換制御手段302Eに入力されたときのコンデンサC2の両端の電圧Vcpcを演算する。
【0344】
そして、基準値決定部78は、バッテリ電圧Vbと、演算した電圧Vcpcとを式(4)に代入してコンデンサC2から直流電源Bに供給可能な電力量Pchbcを演算する。
【0345】
【数4】
Figure 2004048983
【0346】
なお、式(4)におけるCは、コンデンサC2の容量である。
また、基準値設定部78は、残容量検出部66からの残容量に基づいて、直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを求める。そして、基準値決定部78は、電力量Pchbcと電力量Pchgとの比較結果に応じて基準値DRON_STD2を「τ3」または「τ4」に決定し、その決定した基準値DRON_STD2を判定部74へ出力する。
【0347】
なお、判定部74は、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2よりも小さいか否かを判定する。
【0348】
モータ駆動装置100Eにおけるチャージバック条件は、上述した条件(1)、(2)および(7)のうち、条件(7)の100%を基準値DRON_STD2に代えたものである。また、モータ駆動装置100Eにおける放電条件は、上述した条件(4)、(6)および(8)のうち、条件(8)の100%を基準値DRON_STD2に代えたものである。
【0349】
図35は、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電するモータ駆動装置100Eにおける動作を説明するためのフローチャートである。図35に示すフローチャートは、図24に示すフローチャートのステップS36をステップS36aに代え、ステップS33とステップS34との間にステップS33aを挿入したものであり、その他は、図24に示すフローチャートと同じである。
【0350】
図35を参照して、ステップS33において直流電源Bの残容量が所定量以下であると判定されると、制御装置30Eは、デューティー比DR2に電圧センサー10Aからのバッテリ電圧Vbを乗算して電圧Vcpcを演算し、その演算した電圧Vcpcと、バッテリ電圧Vbとを式(4)に代入して直流電源Bに供給可能な電力量Pchbcを演算する。また、制御装置30Eは、ステップS32において検出された直流電源Bの残容量に基づいて、直流電源Bに充電可能な電力量Pchgを演算し、電力量Pchbcを電力量Pchgと比較する。
【0351】
そして、制御装置30Eは、電力量Pchbcが電力量Pchgよりも小さいとき基準電圧Vrefを電圧Vb+αと決定し、電力量Pchbcが電力量Pchg以上であるとき上述した方法により求めた電圧Vcp_chgを基準電圧Vrefと決定する。そうすると、制御装置30Eは、基準電圧Vrefをバッテリ電圧Vbで除算してオンデューティーDRON2の基準値DRON_STD2(=τ3またはτ4)を決定する(ステップS33a)。その後、上述したステップS34,S35が実行される。
【0352】
そして、制御装置30Eは、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2よりも小さいか否かを判定する(ステップS36a)。オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2よりも小さいとき、上述したステップS37が実行され、一連の動作は、ステップS36aに戻る。また、オンデューティーDRON2が基準値DRON_STD2に到達したとき、上述したステップS38が実行され、一連の動作が終了する(ステップS39)。
【0353】
このように、図35に示すフローチャートにおいては、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックから放電に切換えるオンデューティーDRON2の基準値DRON_STD2が、直流電源Bに供給可能な電力量または直流電源Bに充電可能な電力量に基づいて、直流電源Bへのチャージバック量が直流電源Bに充電可能な電力量を超えないように決定される。したがって、直流電源Bの過充電を防止して有効利用可能な電力を直流電源Bにチャージバックできる。
【0354】
モータ駆動装置100Eの全体動作は、モータ駆動装置100の全体動作のうち、コンデンサC2に蓄積された電力をチャージバックまたは放電する動作を図35に示す動作に代えたものであり、その他は、モータ駆動装置100の全体動作と同じである。
【0355】
その他は、実施の形態1〜実施の形態3と同じである。
なお、コンデンサC2に蓄積された電力を直流電源Bにチャージバック、または交流モータM1,M2に放電する制御は、実際にはCPUによって行なわれ、CPUは、図27、図31および図35のいずれかに示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROMから読出し、その読出したプログラムを実行して図27、図31および図35のいずれかに示すフローチャートに従ってコンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバックまたは交流モータM1,M2への放電を制御する。したがって、ROMは、図27、図31および図35のいずれかに示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0356】
上記においては、交流モータは2個であるとして説明したが、この発明においては、交流モータは2個に限らず、1個であってもよい。
【0357】
また、上記においては、コンデンサC2に蓄積された電力は、交流モータM1またはM2に放電されるとして説明したが、モータ駆動装置100,100Cにおいては、これに限らず、コンデンサC2に蓄積された電力を昇圧コンバータ12を介して補機系(図示せず)に放電してもよい。この場合、制御装置30,30Cは、インバータ14,31を停止し、システムリレーSR1,2をオフし、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1をスイッチング制御する。そして、制御装置30,30Cは、昇圧コンバータ12の温度Tc、またはコンデンサC2の両端の電圧Vcpと昇圧コンバータ12の入力側の電圧との電圧差に応じて、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のスイッチング制御におけるオンデューティーおよび/またはキャリア周波数を切換えてNPNトランジスタQ1を駆動する。コンデンサC2に蓄積された電力の放電時のオンデューティーおよびキャリア周波数の切換えは、コンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバック時のオンデューティーおよびキャリア周波数の切換えと同じ方法によって行なってもよい。これにより、昇圧コンバータ12を保護しながらコンデンサC2に蓄積された電力を補機系に放電できる。
【0358】
さらに、モータ駆動装置100A,100B,100Dにおいても、コンデンサC2に蓄積された電力を昇圧コンバータ12を介して補機系(図示せず)に放電してもよい。この場合、制御装置30A,30B,30Dは、インバータ14,31を停止し、システムリレーSR1,2をオフし、昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1をスイッチング制御する。そして、制御装置30A,30B,30Dは、コンデンサC2の両端の電圧Vcpによって昇圧コンバータ12のNPNトランジスタQ1のスイッチング制御におけるオンデューティーを切換え、またはNPNトランジスタQ1のスイッチング制御におけるオンデューティーを一定の割合で切換えてNPNトランジスタQ1を駆動する。コンデンサC2に蓄積された電力の放電時のオンデューティーの切換えは、コンデンサC2に蓄積された電力の直流電源Bへのチャージバック時のオンデューティーの切換えと同じ方法によって行なってもよい。これにより、昇圧コンバータ12を保護しながらコンデンサC2に蓄積された電力を補機系に放電できる。
【0359】
さらに、上記の放電条件が満たされた場合、コンデンサC1に蓄積された電力を放電するようにしてもよい。この場合、コンデンサC1に蓄積された電力は、補機系に放電される。また、コンデンサC1に蓄積された電力は、昇圧コンバータ12を駆動し、昇圧コンバータ12で消費されるようにしてもよい。
【0360】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図2に示すモータトルク制御手段の機能を説明するための機能ブロック図である。
【図4】図1に示す直流電源の出力電圧と電池容量との関係図である。
【図5】信号IG、電圧Vcp,Vbのタイミングチャートである。
【図6】オンデューティーと電圧差Vcp−Vbとの関係を示す図である。
【図7】実施の形態1におけるチャージバックまたは放電動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7に示すステップS9の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図7に示すステップS10の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図7に示すステップS11の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】図7に示すステップS12の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】チャージバック時の制御信号のタイミングチャートである。
【図13】実施の形態2によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図14】図13に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図15】図14に示す電圧変換制御手段の機能のうち、チャージバック時の信号PWB2を生成する機能を説明するための機能ブロック図である。
【図16】信号PWB2のタイミングチャートである。
【図17】オンデューティーと電圧指令値との関係図である。
【図18】実施の形態2におけるチャージバックまたは放電動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】実施の形態3によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図20】図19に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図21】図20に示す電圧変換制御手段の機能のうち、チャージバック時の信号PWB3を生成する機能を説明するための機能ブロック図である。
【図22】オンデューティーのタイミングチャートである。
【図23】信号PWB3のタイミングチャートである。
【図24】実施の形態3におけるチャージバックまたは放電動作を説明するためのフローチャートである。
【図25】実施の形態4によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【図26】図25に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図27】実施の形態4におけるチャージバックまたは放電動作を説明するためのフローチャートである。
【図28】実施の形態4によるモータ駆動装置の他の概略ブロック図である。
【図29】図28に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図30】図29に示す電圧変換制御手段の機能のうち、チャージバック時の信号PWB5を生成する機能を説明するための機能ブロック図である。
【図31】実施の形態4におけるチャージバックまたは放電動作を説明するための他のフローチャートである。
【図32】実施の形態4によるモータ駆動装置のさらに他の概略ブロック図である。
【図33】図32に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図34】図33に示す電圧変換制御手段の機能のうち、チャージバック時の信号PWB6を生成する機能を説明するための機能ブロック図である。
【図35】実施の形態4におけるチャージバックまたは放電動作を説明するためのさらに他のフローチャートである。
【図36】従来のモータ駆動装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10A,13,320 電圧センサー、10B,11 温度センサー、12 昇圧コンバータ、14,31,330 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、18,24,28 電流センサー、30,30A,30B,30C,30D,30E 制御装置、40 モータ制御用相電圧演算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 インバータ入力電圧指令演算部、52 フィードバック電圧指令演算部、54,62,76 デューティー比変換部、60 電圧指令値設定部、64,74 判定部、66 残容量検出部、68,78 基準値決定部、70 オンデューティー設定部、72 記憶部、100,100A,100B,100C,100D,100E,300 モータ駆動装置、301 モータトルク制御手段、302,302A,302B,302C,302D,302E 電圧変換制御手段、310 双方向コンバータ、B直流電源、SR1,SR2 システムリレー、C1,C2 コンデンサ、L1,311 リアクトル、Q1〜Q8,312,313 NPNトランジスタ、D1〜D8,314,315 ダイオード、M1,M2 交流モータ。

Claims (57)

  1. モータを駆動するインバータの入力側に接続されるコンデンサと、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    前記直流電源と前記コンデンサとの間で電圧を変換し、その変換した電圧を前記コンデンサまたは前記直流電源に供給する電圧変換器と、
    システムオフ信号に応じて、第1の条件が成立するとき前記コンデンサに蓄積された電力が前記直流電源に供給されるように前記電圧変換器を制御し、第2の条件が成立するとき前記コンデンサに蓄積された電力が放電されるように前記電圧変換器を制御する制御装置とを備えるモータ駆動装置。
  2. 前記第1の条件は、前記直流電源の残容量が所定量以下であり、かつ、前記コンデンサの両端の電圧と前記直流電源の出力電圧との関係が第3の条件を満たすことであり、
    前記第2の条件は、前記直流電源の残容量が前記所定量よりも大きいこと、または前記関係が第4の条件を満たすことである、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第3の条件は、前記両端の電圧から前記出力電圧を減算した電圧差が所定値以上であることであり、
    前記第4の条件は、前記電圧差が前記所定値よりも小さいことである、請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含み、
    前記制御装置は、前記関係が前記第3の条件を満たすとき、前記電圧差に応じて前記スイッチング素子のオンデューティーを決定し、その決定したオンデューティーを用いて前記上アームをスイッチング制御する、請求項3に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記制御装置は、前記電圧差が基準値以下であるとき前記オンデューティーを一定に保持して前記上アームをスイッチング制御し、前記電圧差が前記基準値を超えると前記オンデューティーを減少して前記上アームをスイッチング制御する、請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記制御装置は、前記スイッチング素子の温度が所定温度以下であるとき、所定の周波数で前記上アームをスイッチング制御し、前記スイッチング素子の温度が前記所定温度を超えると前記周波数を下げて前記上アームをスイッチング制御する、請求項4に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記制御装置は、前記スイッチング素子の温度が前記所定温度よりも高いもう1つの所定温度を超えると、前記スイッチング素子の温度に応じて前記スイッチングのオンデューティーを減少して前記上アームをスイッチング制御する、請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含み、
    前記制御装置は、前記関係が前記第3の条件を満たすとき、前記スイッチング素子のオンデューティーを100%に保持して前記上アームを制御する、請求項3に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記所定値は、前記直流電源に充電可能な第1の電力量または前記コンデンサから前記直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記所定値は、前記第2の電力量が前記第1の電力量よりも小さいとき前記第2の電力量に応じて決定され、前記第2の電力量が前記第1の電力量以上であるとき前記第1の電力量に応じて決定される、請求項9に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記所定量は、前記第2の電力量に応じて第1の値に設定され、前記第1の電力量に応じて前記第1の値よりも大きい第2の値に設定される、請求項10に記載のモータ駆動装置。
  12. 前記第1の条件は、前記直流電源の残容量が所定量以下であり、かつ、前記電圧変換器のオンデューティーが所定のデューティーよりも小さいことであり、
    前記第2の条件は、前記直流電源の残容量が前記所定量よりも大きいこと、または前記オンデューティーが前記所定のデューティー以上であることである、請求項1に記載のモータ駆動装置。
  13. 前記第2の条件は、前記直流電源の残容量が前記所定量よりも大きいこと、または前記オンデューティーが100%であることである、請求項12に記載のモータ駆動装置。
  14. 前記制御装置は、前記第1の条件が成立するとき、前記オンデューティーを増加させながら前記コンデンサに蓄積された電力が前記直流電源に供給されるように前記電圧変換器を制御する、請求項12または請求項13に記載のモータ駆動装置。
  15. 前記制御装置は、前記電圧変換器の出力電圧の電圧指令値を低下させることにより前記オンデューティーを増加させる、請求項14に記載のモータ駆動装置。
  16. 前記制御装置は、前記オンデューティーを所定の割合で増加させる、請求項14に記載のモータ駆動装置。
  17. 前記所定のオンデューティーは、前記直流電源に充電可能な第1の電力量または前記コンデンサから前記直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される、請求項12から請求項16のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  18. 前記所定のオンデューティーは、前記第2の電力量が前記第1の電力量よりも小さいとき前記第2の電力量に応じて決定され、前記第2の電力量が前記第1の電力量以上であるとき前記第1の電力量に応じて決定される、請求項17に記載のモータ駆動装置。
  19. 前記所定のオンデューティーは、前記第2の電力量に応じて第1の値に設定され、前記第1の電力量に応じて前記第1の値よりも小さい第2の値に設定される、請求項18に記載のモータ駆動装置。
  20. モータを駆動するモータ駆動装置の制御方法であって、
    前記モータ駆動装置は、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    前記モータを駆動するインバータの入力側に接続されるコンデンサと、
    前記直流電源と前記コンデンサとの間で電圧を変換する電圧変換器とを備え、
    前記制御方法は、
    前記モータ駆動装置のシステムをオフするためのシステムオフ信号を受ける第1のステップと、
    第1および第2の条件のうち、いずれの条件が成立するかを判定する第2のステップと、
    前記第1の条件が成立するとき、前記コンデンサに蓄積された電力が前記直流電源に供給されるように前記電圧変換器を制御する第3のステップと、
    前記第2の条件が成立するとき、前記コンデンサに蓄積された電力が放電されるように前記電圧変換器を制御する第4のステップとを含むモータ駆動装置の制御方法。
  21. 前記第2のステップは、
    前記直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、
    前記コンデンサの両端の電圧と前記直流電源の出力電圧とを検出する第2のサブステップと、
    前記両端の電圧から前記出力電圧を減算した電圧差を検出する第3のサブステップと、
    前記検出された残容量が所定量以下であり、かつ、前記電圧差が所定値以上であるとき前記第1の条件が成立すると判定する第4のサブステップと、
    前記残容量が前記所定量よりも大きいときまたは前記電圧差が前記所定値よりも小さいとき、前記第2の条件が成立すると判定する第5のサブステップとを含む、請求項20に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  22. 前記電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含み、
    前記第3のステップは、
    前記電圧差に応じて前記スイッチング素子のオンデューティーを決定する第6のサブステップと、
    前記決定したオンデューティーを用いて前記上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む、請求項21に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  23. 前記第6のサブステップは、
    前記電圧差が基準値以下であるとき前記オンデューティーを一定に保持するように決定するステップと、
    前記電圧差が前記基準値を超えるとき前記オンデューティーを前記電圧差の増加に伴い減少するように決定するステップとを含む、請求項22に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  24. 前記第7のサブステップは、
    前記スイッチング素子の温度が所定温度以下であるとき、所定の周波数で前記上アームをスイッチング制御するステップと、
    前記スイッチング素子の温度が前記所定温度を超えるとき、前記周波数を下げて前記上アームをスイッチング制御するステップとを含む、請求項22に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  25. 前記第7のサブステップは、前記スイッチング素子の温度が前記所定温度よりも高いもう1つの所定温度を超えるとき、前記スイッチング素子の温度に応じて前記スイッチングのオンデューティーを減少して前記上アームをスイッチング制御するステップをさらに含む、請求項24に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  26. 前記電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含み、
    前記第3のステップは、
    前記スイッチング素子のオンデューティーを100%に決定する第6のサブステップと、
    前記決定したオンデューティーを用いて前記上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む、請求項20に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  27. 前記所定値は、前記直流電源に充電可能な第1の電力量または前記コンデンサから前記直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される、請求項21から請求項26のいずれか1項に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  28. 前記所定値は、前記第2の電力量が前記第1の電力量よりも小さいとき前記第2の電力量に応じて決定され、前記第2の電力量が前記第1の電力量以上であるとき前記第1の電力量に応じて決定される、請求項27に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  29. 前記所定量は、前記第2の電力量に応じて第1の値に設定され、前記第1の電力量に応じて前記第1の値よりも大きい第2の値に設定される、請求項28に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  30. 前記第2のステップは、
    前記直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、
    前記電圧変換器のオンデューティーを検出する第2のサブステップと、
    前記検出された残容量が所定量以下であり、かつ、前記オンデューティーが所定のデューティーよりも小さいとき前記第1の条件が成立すると判定する第3のサブステップと、
    前記残容量が前記所定量よりも大きいとき、または前記オンデューティーが前記所定のデューティー以上であるとき前記第2の条件が成立すると判定する第4のサブステップとを含む、請求項20に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  31. 前記第3のステップは、前記オンデューティーを増加させながら前記コンデンサに蓄積された電力が前記直流電源に供給されるように前記電圧変換器を制御する、請求項30に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  32. 前記第3のステップは、
    前記コンデンサの両端の電圧を検出する第5のサブステップと、
    前記電圧変換器の電圧指令値を前記検出した両端の電圧よりも低下させ、その低下させた電圧指令値に基づいて前記電圧変換器を制御する第6のサブステップと、
    前記オンデューティーが前記所定のデューティーになるまで前記第5および第6のサブステップを繰返す第7のサブステップとを含む、請求項31に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  33. 前記第3のステップは、
    前記システムオフ信号を受けたときの前記電圧変換器の電圧指令値の初期値を検出する第5のサブステップと、
    前記電圧指令値を前記初期値から最終値まで所定の割合で低下させながら前記電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含み、
    前記最終値は、前記オンデューティーが前記所定のオンデューティーになるときの前記電圧指令値である、請求項31に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  34. 前記第3のステップは、
    前記システムオフ信号を受けたときの前記電圧変換器のオンデューティーの初期値を検出する第5のサブステップと、
    前記オンデューティーを前記初期値から前記所定のオンデューティーまで所定の割合で増加させ、前記電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含む、請求項31に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  35. 前記第4のサブステップは、前記残容量が前記所定量よりも大きいとき、または前記オンデューティーが100%であるとき前記第2の条件が成立すると判定する、請求項30から請求項34のいずれか1項に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  36. 前記所定のオンデューティーは、前記直流電源に充電可能な第1の電力量または前記コンデンサから前記直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される、請求項30から請求項35のいずれか1項に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  37. 前記所定のオンデューティーは、前記第2の電力量が前記第1の電力量よりも小さいとき前記第2の電力量に応じて決定され、前記第2の電力量が前記第1の電力量以上であるとき前記第1の電力量に応じて決定される、請求項36に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  38. 前記所定のオンデューティーは、前記第2の電力量に応じて第1の値に設定され、前記第1の電力量に応じて前記第1の値よりも小さい第2の値に設定される、請求項37に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  39. モータを駆動するモータ駆動装置の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    前記モータ駆動装置は、
    直流電圧を出力する直流電源と、
    前記モータを駆動するインバータの入力側に接続されるコンデンサと、
    前記直流電源と前記コンデンサとの間で電圧を変換する電圧変換器とを備え、
    前記記録媒体は、
    前記モータ駆動装置のシステムをオフするためのシステムオフ信号を受ける第1のステップと、
    第1および第2の条件のうち、いずれの条件が成立するかを判定する第2のステップと、
    前記第1の条件が成立するとき、前記コンデンサに蓄積された電力が前記直流電源に供給されるように前記電圧変換器を制御する第3のステップと、
    前記第2の条件が成立するとき、前記コンデンサに蓄積された電力が放電されるように前記電圧変換器を制御する第4のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  40. 前記第2のステップは、
    前記直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、
    前記コンデンサの両端の電圧と前記直流電源の出力電圧とを検出する第2のサブステップと、
    前記両端の電圧から前記出力電圧を減算した電圧差を検出する第3のサブステップと、
    前記検出された残容量が所定量以下であり、かつ、前記電圧差が所定値以上であるとき、前記第1の条件が成立すると判定する第4のサブステップと、
    前記残容量が前記所定量よりも大きいときまたは前記電圧差が前記所定値よりも小さいとき、前記第2の条件が成立すると判定する第5のサブステップとを含む、請求項39に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  41. 前記電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含み、
    前記第3のステップは、
    前記電圧差に応じて前記スイッチング素子のオンデューティーを決定する第6のサブステップと、
    前記決定したオンデューティーを用いて前記上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む、請求項40に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  42. 前記第6のサブステップは、
    前記電圧差が基準値以下であるとき前記オンデューティーを一定に保持するように決定するステップと、
    前記電圧差が前記基準値を超えるとき前記オンデューティーを前記電圧差の増加に伴い減少するように決定するステップとを含む、請求項41に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  43. 前記第7のサブステップは、
    前記スイッチング素子の温度が所定温度以下であるとき、所定の周波数で前記上アームをスイッチング制御するステップと、
    前記スイッチング素子の温度が前記所定温度を超えるとき、前記周波数を下げて前記上アームをスイッチング制御するステップとを含む、請求項41に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  44. 前記第7のサブステップは、前記スイッチング素子の温度が前記所定温度よりも高いもう1つの所定温度を超えるとき、前記スイッチング素子の温度に応じて前記スイッチングのオンデューティーを減少して前記上アームをスイッチング制御するステップをさらに含む、請求項43に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  45. 前記電圧変換器は、直流電流をスイッチングするスイッチング素子から成る上アームおよび下アームを含み、
    前記第3のステップは、
    前記スイッチング素子のオンデューティーを100%に決定する第6のサブステップと、
    前記決定したオンデューティーを用いて前記上アームをスイッチング制御する第7のサブステップとを含む、請求項40に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  46. 前記所定値は、前記直流電源に充電可能な第1の電力量または前記コンデンサから前記直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される、請求項40から請求項45のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  47. 前記所定値は、前記第2の電力量が前記第1の電力量よりも小さいとき前記第2の電力量に応じて決定され、前記第2の電力量が前記第1の電力量以上であるとき前記第1の電力量に応じて決定される、請求項46に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  48. 前記所定量は、前記第2の電力量に応じて第1の値に設定され、前記第1の電力量に応じて前記第1の値よりも大きい第2の値に設定される、請求項47に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  49. 前記第2のステップは、
    前記直流電源の残容量を検出する第1のサブステップと、
    前記電圧変換器のオンデューティーを検出する第2のサブステップと、
    前記検出された残容量が所定量以下であり、かつ、前記オンデューティーが所定のデューティーよりも小さいとき前記第1の条件が成立すると判定する第3のサブステップと、
    前記残容量が前記所定量よりも大きいとき、または前記オンデューティーが前記所定のデューティー以上であるとき前記第2の条件が成立すると判定する第4のサブステップとを含む、請求項39に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  50. 前記第3のステップは、前記オンデューティーを増加させながら前記コンデンサに蓄積された電力が前記直流電源に供給されるように前記電圧変換器を制御する、請求項49に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  51. 前記第3のステップは、
    前記コンデンサの両端の電圧を検出する第5のサブステップと、
    前記電圧変換器の電圧指令値を前記検出した両端の電圧よりも低下させ、その低下させた電圧指令値に基づいて前記電圧変換器を制御する第6のサブステップと、
    前記オンデューティーが前記所定のデューティーになるまで前記第5および第6のサブステップを繰返す第7のサブステップとを含む、請求項50に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  52. 前記第3のステップは、
    前記システムオフ信号を受けたときの前記電圧変換器の電圧指令値の初期値を検出する第5のサブステップと、
    前記電圧指令値を前記初期値から最終値まで所定の割合で低下させながら前記電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含み、
    前記最終値は、前記オンデューティーが前記所定のオンデューティーになるときの前記電圧指令値である、請求項50に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  53. 前記第3のステップは、
    前記システムオフ信号を受けたときの前記電圧変換器のオンデューティーの初期値を検出する第5のサブステップと、
    前記オンデューティーを前記初期値から前記所定のオンデューティーまで所定の割合で増加させ、前記電圧変換器を制御する第6のサブステップとを含む、請求項50に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  54. 前記第4のサブステップは、前記残容量が前記所定量よりも大きいとき、または前記オンデューティーが100%であるとき前記第2の条件が成立すると判定する、請求項49から請求項54のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  55. 前記所定のオンデューティーは、前記直流電源に充電可能な第1の電力量または前記コンデンサから前記直流電源に供給可能な第2の電力量に応じて決定される、請求項49から請求項54のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  56. 前記所定のオンデューティーは、前記第2の電力量が前記第1の電力量よりも小さいとき前記第2の電力量に応じて決定され、前記第2の電力量が前記第1の電力量以上であるとき前記第1の電力量に応じて決定される、請求項55に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  57. 前記所定のオンデューティーは、前記第2の電力量に応じて第1の値に設定され、前記第1の電力量に応じて前記第1の値よりも小さい第2の値に設定される、請求項56に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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