JP2010061997A - リチウム二次電池用正極合剤ペースト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記課題は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池正極合剤ペーストにより解決される。更に、塩基性又は酸性官能基を有する誘導体を含む。
【選択図】なし
Description
又、本発明は、大電流での放電特性あるいは充電特性、サイクル特性、及び電極合剤の導電性に優れ、電極集電体と電極合剤との接触抵抗が小さい電極を具備するリチウム二次電池に関する。
とりわけ電極の内部抵抗を低減することは、大電流での放電を可能とすることや、充放電の効率を向上させる上で非常に重要となっている。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
を含んでなる前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に共分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に分散してなる分散体に、
導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
ビニルアミド系樹脂、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、又は、
ビニルアミド系樹脂、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、
で、あらかじめ処理された正極活物質を使用する前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストに使用するビニルアミド系樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、
ポリビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンのグラフト共重合体、及びビニルピロリドンとコモノマーとの共重合体等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストに使用する正極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な金属酸化物、及び金属硫化物等の金属化合物を使用することができる。例えば、Ti、Fe、Co、Ni、及びMn等の遷移金属の酸化物、前記遷移金属とリチウムとの複合酸化物、並びに、前記遷移金属の硫化物等の無機化合物等が挙げられる。
MnO、V2O5、V6O13、及びTiO2等の遷移金属酸化物粉末;
層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、及びスピネル構造のマンガン酸リチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末;
オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料;並びに、
TiS2、及びFeS等の遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
本発明における塩基性官能基を有する各種誘導体としては、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から1種類以上選ばれるものである。以下、塩基性官能基を有する各種誘導体、あるい塩基性官能基を有する誘導体と略す場合がある。
X1は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X2−Y1−X3−であり、
X2は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
X3は、それぞれ独立に−NH−、又は−O−であり、
Y1は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
Pは、下記一般式(3)、(4)、又は(5)のいずれかで示される置換基であり、
Qは、−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基、−X1−R1、又は下記一般式(3)、(4)、若しくは(5)のいずれかで示される置換基であり、
R2は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
R1は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は下記一般式(6)で示される基であり、
n1は、1〜4の整数である。
X4は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−、又は−X5−Y2−X6−であり、
X5は、−NH−、又は−O−であり、
X6は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、又は−CH2−であり、
Y2は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
vは、1〜10の整数であり、
R3 及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、又はR3 とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基であり、
R5 、R6 、R7 、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、
R9は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基である。〕
Tは、−X8−R10、又はW1であり、
Uは、−X9−R11、又はW2であり、
W1、及びW2は、それぞれ独立に、−O−R20、−NH−R20、ハロゲン基、又は前記一般式(3)、(4)、若しくは(5)のいずれかで示される置換基であり、
R20は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
X7は、−NH−、又は−O−であり、
X8、及びX9は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、又は−CH2NHCOCH2NH−であり、
Y3は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
R10、及びR11は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、又は置換基を有していてもよい芳香族環残基である。〕}
Zは、下記一般式(8)、(9)、及び(10)で示される群から選ばれる少なくとも1つのものであり、
n2は、1〜4の整数であり、
R12は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、又は置換基を有していてもよい芳香族残基である。
X10は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−、又は−X11−Y4−X12−であり、
X11は、−NH−、又は−O−であり、
X12は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、又は−CH2−であり、
Y4は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
v1は、1〜10の整数であり、
R13 、及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はR3とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基であり、
R15 、R16 、R17 、及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、
R19は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基である。〕}
ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、及び1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
−SO2Cl
一般式(12):
−COCl
一般式(13):
−CH2NHCOCH2Cl
一般式(14):
−CH2Cl
又、有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(8)〜(10)、又は下記一般式(15)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分又はカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系有機色素誘導体を製造することもできる。
X13は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X14−Y5−X15−であり、
X14は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
X15は、それぞれ独立に、−NH−、又は−O−であり、
Y5は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
P1は、上記一般式(3)、(4)、又は(5)のいずれかで示される置換基であり、
Q2は、−O−R24、−NH−R24、ハロゲン基、−X1−R25、又は上記一般式(3)、(4)、若しくは(5)のいずれかで示される置換基であり、
R24は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
R25は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は上記一般式(6)で示される基である。}
本発明における酸性官能基を有する各種誘導体としては、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上のものを使用する。以下、酸性官能基を有する各種誘導体、あるいは酸性官能基を有する誘導体と略す場合がある。
X101は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X103−Y101−X104−であり、
X102、及びX104は、それぞれ独立に、−NH−、又は−O−であり、
X103は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
Y101は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
Z101は、−SO3M、−COOM、又は−P(O)(−OM)2であり、
M101は、1〜3価のカチオンの一当量であり、
Q101は、−O−R102、−NH−R102、ハロゲン基、−X101−R101、又は−X102−Y101−Z101であり、
R102は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアルケニル基であり、
n101は、1〜4の整数であり、
R101は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は下記一般式(17)で表される基である。
X201は、−NH−、又は−O−であり、
X202、及びX203は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、又は−CH2NHCOCH2NH−であり、
R201、及びR202は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は−Y201−Z201であり、
Y201は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
Z201は、−SO3M201、−COOM201、又は−P(O)(−OM201)2であり、
M201は、1〜3価のカチオンの一当量である。
一般式(16)のQ101中に含まれるR102で表される置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基は、好ましくは炭素数20以下のものであり、更に好ましくは炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有しているアルキル基又はアルケニル基とは、アルキル基又はアルケニル基の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、若しくは臭素原子等のハロゲン基、水酸基、又はメルカプト基等に置換されたものである。
X401、直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、−X402−Y−、又は−X402−Y−X403−であり、
X402は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
X403は、−NH−、又は−O−であり、
Y401は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
Z401は、−SO3M401、−COOM401、又は−P(O)(−OM401)2であり、
M401は、1〜3価のカチオンの一当量であり、
R401は、有機色素残基であり、
n401は、1〜4の整数である。
上記の塩基性又は酸性官能基を有する各種誘導体(以下、単に誘導体と略す場合がある。)の効果のひとつとして、ビニルアミド系樹脂が溶剤との濡れ性を高めるために、更に添加した誘導体が正極活物質表面に作用(例えば吸着)することにより、相乗効果により分散が進むものと考えられる。正極活物質の中でも、炭素材料を担持したリン酸鉄リチウムの場合、粒子表面の疎水性の高いため、官能基を有する各種誘導体の吸着作用効果が更に向上するため、より分散効果も発揮すると考えられる。
本発明におけるリチウム二次電池用正極合剤ペーストに添加する導電助剤としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、及びフラーレン等を単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、及びコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック;並びに、
デンカブラック、デンカブラックHS−100、及びFX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストには、更に、ビニルアミド系樹脂以外のバインダー成分を含有させることができる。
本発明の正極合剤ペーストは、リチウム二次電池用正極合剤ペーストとして用いることができる。正極合剤ペーストとして用いる場合は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、溶剤とを含んでなるペースト、更に、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体と、含んでなるペーストに、導電助剤としての炭素材料、及びバインダー成分を含有させ正極合剤ペーストとして使用することが好ましい。
次に、本発明の正極合剤ペーストの製造方法について説明する。
ビニルアミド系樹脂と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤中に完全又は一部溶解させ、その溶液中に正極活物質を添加、混合することで、ビニルアミド系樹脂及び誘導体を正極活物質に作用(例えば吸着)させつつ、溶剤に分散するのが好ましい。
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;又は、
その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
ビニルアミド系樹脂、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、又は、
ビニルアミド系樹脂、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、
で、あらかじめ処理された正極活物質を使用することができる。
上記の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、正極活物質と、を溶剤に分散してなる分散体を攪拌しつつ、導電助剤としての炭素材料を添加し分散させる、又は導電助剤としての炭素材料を前もって溶剤中に分散させた分散体を上記正極活物質分散体に添加し混合する方法が挙げられる。更に、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散する際に、塩基性又は酸性官能基を有する各種誘導体を一緒に添加するとより好ましい。
上記の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、正極活物質と、を溶剤に分散するときに、導電助剤としての炭素材料の一部ないしは全量を、同時に添加して共分散処理を行うこともできる。更に、共分散処理時に、ビニルアミド系樹脂を一緒に添加するとより好ましい。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、ビニルアミド系樹脂と、を乾燥粉体の状態で混合しても、正極活物質や導電助剤に均一に作用させることは難しく、液相法で、正極活物質や導電助剤を溶剤に分散することにより、正極活物質や導電助剤に対して、均一に、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、ビニルアミド系樹脂と、を作用させることができるからである。
次に、本発明の正極合剤ペーストを用いたリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
[正極活物質分散体1〜31]
表6に示す組成に従い、容器に各種溶剤、又は水と、場合によって、ビニルアミド系樹脂を仕込み、ビニルアミド系樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、表1〜表4に示す塩基性官能基又は酸性官能基を有する各種誘導体(A)〜(P)のいずれかを仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、正極活物質を加え、メディアレス分散機であるフィルミックスで分散し、正極活物質分散体を得た。得られた正極活物質分散体の分散評価結果を、表7に示した。
・マンガン酸リチウムLiMn2O4 CELLSEED S-LM(日本化学 工業社製):平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g。
・リン酸鉄リチウムLiFePO4(TIANJIN STL ENERGY
TECHNOLOGY社製):平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g。
・塩基性官能基を有する色素誘導体:(A)、(B)、(C)
・塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体:(F)
・塩基性官能基を有するアクリドン誘導体:(G)
・塩基性官能基を有するトリアジン誘導体:(D)、(E)、(H)
・酸性官能基を有する色素誘導体:(M)、(N)、(O)
・酸性官能基を有するトリアジン誘導体:(I)、(J)、(K)、
・酸性官能基を有するトリアジン誘導体の造塩物:(L)
・PVP K−30(ISPジャパン製):ポリビニルピロリドン(PVPと略) 重量平均分子量約4〜8万。
・AGRIMER AL−10LC(ISPジャパン製):アルキル化ポリビニルピロリドン/1−ブテン=90/10(AGRIMERと略)
・PNVA GE191 (昭和電工製):ポリN−ビニルアセトアミド(PNVAと略)重量平均分子量約1〜3万。
・(1)KFポリマーW#1100(クレハ社製):
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、重量平均分子量約28万。
・(2)PTFE 30−J(三井・デュポンフロロケミカル社製):
60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)水系分散体
・デンカブラックHS−100(電気化学工業社製):
・アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g。
・デンカブラックFX−35(電気化学工業社製):
・アセチレンブラック、一次粒径23nm、比表面積133m2/g。
・Super−P Li(TIMCAL社製):
・ファーネスブラック、一次粒径40nm、比表面積62m2/g。
<導電助剤用カーボンブラック分散体の調整>
[カーボン分散体(1)]
ガラス瓶にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、塩基性官能基を有する誘導体(A)0.5部を仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電助剤となるカーボンブラックHS−100(アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g、電気化学工業社製)10部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、カーボン分散体(固形分10.5%)を得た。
ガラス瓶にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、ポリビニルピロリドン(PVP)固形分で0.5部を仕込み、樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、酸性官能基を有する誘導体(M)0.5部を仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電助剤となるカーボンブラックSuper−P Li(ファーネスブラック、一次粒径40nm、比表面積62m2/g、TIMCAL社製)10部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、カーボン分散体(固形分10.5%)を得た。
ガラス瓶に精製水と、PNVA0.125部を仕込み、完全に混合させた。次に、酸性官能基を有する誘導体(J)0.375部を仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電助剤となるカーボンブラックHS−100(アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g、電気化学工業社製)10部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、カーボン分散体(固形分10.5%)を得た。
表5に示す組成及び処理方法に従って、塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体、ビニルアミド系樹脂による正極活物質の表面処理を行った。樹脂の使用量は、固形分換算で表記した。
正極活物質であるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、塩基性官能基を有する誘導体(A)0.2部、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理することで表面処理正極活物質(1)を得た。
ニーダーに、正極活物質であるマンガン酸リチウム(CELLSEED S-LM、平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g、日本化学工業社製)100部、酸性官能基を有する誘導体(I)0.1部、及びNMPを25部仕込み、混練処理を行った。得られた処理物を乾燥、粉砕し、表面処理正極活物質(2)を得た。
ニーダーに、正極活物質となるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、塩基性官能基を有する誘導体(E)0.1部、PVP0.1部、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を43部仕込み、混練処理を行った。
得られた処理物をヘキサン1000部中に添加して攪拌した後、凝集物を濾取、乾燥、粉砕して表面処理正極活物質(3)を得た。
正極活物質となるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部に対して、ポリビニルピロリドン(PVP)1.5部をNMP15部に溶解させ、乾式ジェットミルにて解砕しながら処理することで表面処理正極活物質(4)を得た。
正極活物質であるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、酸性官能基を有する誘導体(M)1.5部、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理することで表面処理正極活物質(5)を得た。
分散剤未処理の各種正極活物質、及び各種分散剤処理正極活物質を80℃で10時間減圧乾燥した。続いて乾燥物をメノウ製の乳鉢で粉砕した後、更に80℃で12時間減圧乾燥した。得られた乾燥物を再度メノウ製乳鉢で粉砕した後、錠剤成型器(Specac社製)にて500kgf/cm2で荷重をかけ、正極活物質のペレットを作製(直径10mm、厚0.5mm)した。このペレットにマイクロシリンジにて、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1混合した液滴を落とし、液滴がペレットに浸透する時間を測定した。この測定を各サンプルとも5回行い、それらの平均浸透時間が1秒未満であったものを「◎」、1秒以上、5秒未満であったものを「○」、5秒以上、10秒未満であったものを「△」、10秒以上であったものを「×」とした。正極活物質の濡れ性評価の結果を表5に示した。
DMF:N,N−ジメチルホルムアルデヒド
PVP:ポリビニルピロリドン
PNVA:ポリN−ビニルアミド
[実施例1〜2、実施例5〜6、実施例11〜20、24、25、比較例1、3]
先に調製したリン酸鉄リチウムLiFePO4分散体(LiFePO4量として91部)に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)、N−メチル−2−ピロリドンをプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として4部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=91/4/5)とした。(表8を参照)
先に調製したマンガン酸リチウムLiMn2O4分散体(LiMn2O4量として85部)に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)、N−メチル−2−ピロリドンをプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として9部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;正極活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=85/9/6)とした。(表8を参照)
先に調製したマンガン酸リチウムLiMn2O4分散体(LiMn2O4量として85部)に対して、バインダーとして60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE 30−J、三井・デュポンフロロケミカル社製)、精製水をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として9部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;正極活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=85/9/6)とした。(表9を参照)
先に調製したリン酸鉄リチウムLiFePO4分散体(LiFePO4量として91部)に対して、バインダーとして60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE 30−J、三井・デュポンフロロケミカル社製)、精製水をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として4部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=91/4/5)とした。(表9を参照)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
先に調製したカーボン分散体(1)20部(カーボンブラック量として2部)に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)、N−メチル−2−ピロリドンを高速ディスパーで混合した後に、負極活物質としてメソフェーズカーボン(MCMB 6−28、平均粒径5〜7μm、比表面積4m2/g大阪ガスケミカル社製)93部を加えプラネタリーミキサーにより混練し、負極合剤ペースト(固形分比率;60%、固形分組成比率;負極活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=93/2/5)とした。
[実施例1〜26、比較例1〜5]
先に調製した各種正極合剤ペーストを、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ60μmの正極合剤層を作製した。(表8、9を参照)
先に調製した各種負極合剤ペーストを、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ60μmの負極合剤層を作製した。
先に作製した正極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝泉社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
[充放電サイクル特性 実施例3〜4、7〜10、21,22、25、比較例2、4]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。又、評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果を表10、11に示した。
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.5V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧2.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。又、評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果を表10、11に示した。
作製した電池評価用セルを室温(25℃)、充電レート0.2Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、0.2C、1.0Cのレートの定電流で5秒放電後、電池電圧を測定した。電流値に対し電圧値をプロットし、得られた直線関係の傾きを内部抵抗とした。評価結果を表10、11に示すが、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた場合については、実施例1の内部抵抗測定値を100としたときの相対値として示した。正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いた場合については、実施例3の内部抵抗測定値を100としたときの相対値として示した。
Claims (16)
- ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
を含んでなる請求項1記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。 - 誘導体の塩基性官能基が、アミノ基である請求項2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 誘導体の酸性官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、及び燐酸基からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基である請求項2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 正極活物質が、リン酸鉄リチウムである請求項1〜4いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、バインダー樹脂、を含んでなる請求項1〜5いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- バインダー樹脂が、分子内にフッ素原子を含む高分子化合物である請求項6記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- 更に、導電助剤、を含んでなる請求項1〜7いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
- ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
- ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、バインダー樹脂と、導電助剤と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に共分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散してなる分散体に、
導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に分散してなる分散体に、
導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - ビニルアミド系樹脂、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、又は、
ビニルアミド系樹脂、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、
で、あらかじめ処理された正極活物質を使用する請求項9〜13いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。 - 集電体上に正極合剤層を有する正極と、集電体上に負極合剤層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウム二次電池であって、前記正極合剤層が、請求項1〜8記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなるリチウム二次電池。
- 請求項9〜14いずれか記載の製造方法により製造されたリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなる請求項15記載のリチウム二次電池。
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