JP2010061997A - リチウム二次電池用正極合剤ペースト - Google Patents

リチウム二次電池用正極合剤ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、リチウム二次電池用正極合剤ペーストにおいて、正極活物質の導電性を阻害せずに分散安定化を図ること、正極活物質の電解液に対する濡れ性を向上させること、並びに、本発明の電池用組成物を用いて作製される電池の電池性能を向上させることを目的とする。
【解決手段】前記課題は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池正極合剤ペーストにより解決される。更に、塩基性又は酸性官能基を有する誘導体を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池を構成する正極を作製するために使用する正極合剤ペースト及びその製造方法に関する。
又、本発明は、大電流での放電特性あるいは充電特性、サイクル特性、及び電極合剤の導電性に優れ、電極集電体と電極合剤との接触抵抗が小さい電極を具備するリチウム二次電池に関する。
近年、デジタルカメラや携帯電話のような小型携帯型電子機器が広く用いられるようになってきた。これらの電子機器には、容積を最小限にし、かつ重量を軽くすることが常に求められてきており、搭載される電池においても、小型、軽量かつ大容量の電池の実現が求められている。又、自動車搭載用等の大型二次電池においても、従来の鉛蓄電池に代えて、大型の非水電解質二次電池の実現が望まれている。
そのような要求に応えるため、リチウム二次電池の開発が活発に行われている。リチウム二次電池の電極としては、リチウムイオンを含む正極活物質と導電助剤と有機バインダー等からなる電極合剤を金属箔の集電体の表面に固着させた正極、及び、リチウムイオンの脱挿入可能な負極活物質と導電助剤と有機バインダー等からなる電極合剤を金属箔の集電体の表面に固着させた負極が使用されている。
一般的に、正極活物質としては、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられているが、これらは電子伝導性が低く、単独での使用では十分な電池性能が得られない。そこで、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)等の炭素材料を導電助剤として添加することで導電性を改善し、正極の内部抵抗を低減することが試みられている。又、より少ないカーボンブラック量で効率的に内部抵抗を低減させるために、電極内で正極活物質と導電助剤の炭素材料の両者が、より細かいレベルで均一に混合されていることが求められる。
とりわけ電極の内部抵抗を低減することは、大電流での放電を可能とすることや、充放電の効率を向上させる上で非常に重要となっている。
しかしながら、親水性の高い無機成分である正極活物質と、疎水性の高いカーボンブラック等の炭素材料は、粒子表面の物性が大きく異なるため、そのままでは正極合剤ペースト中に均一に分散・混合させることは困難となり、正極活物質及び導電助剤である炭素材料の性能を最大限に生せず、電池性能としての高い向上が期待できない。又、正極合剤中の正極活物質と導電助剤の分散が不十分であると、部分的凝集に起因して電極板上に抵抗分布が生じ、電池として使用した際に電流が集中し、部分的な発熱及び劣化が促進される等の不具合が生ずることがある。
又、金属箔等の集電体上に正極合剤層を形成する場合、多数回充放電を繰り返すと、集電体と正極合剤層の界面や、正極合剤内部における正極活物質と導電助剤界面の密着性が悪化し、電池性能が低下する問題がある。これは、充放電におけるリチウムイオンのドープ、脱ドープにより正極活物質及び正極合剤層が膨張、収縮を繰り返すために、正極合剤層と集電体界面及び、正極活物質と導電助剤界面に局部的なせん断応力が発生し界面の密着性が悪化するためと考えられている。そしてこの場合も、正極活物質と導電助剤の分散が不十分であると、密着低下が著しくなる。これは、粗大な凝集粒子が存在すると、応力が緩和されにくくなるためであると考えられる。
リチウム二次電池においては、活物質と導電助剤である炭素材料の分散が重要なポイントの一つである。特許文献1、特許文献2には、活物質及びカーボンブラックを溶剤に分散する際に、分散剤として界面活性剤を用いる例が記載されている。しかしながら、界面活性剤は粒子表面への吸着力が弱いため、良好な分散安定性を得るには界面活性剤の添加量を多くしなければならず、この結果、含有可能な活物質の量が少なくなり、電池容量が低下してしまう。又、界面活性剤の粒子への吸着が不十分であると、活物質や炭素材料が凝集してしまう。又、一般的な界面活性剤では、水溶液中での分散と比較して、有機溶剤中での分散効果が著しく低い。
又、特許文献3には、負極活物質とカーボンブラックを水に分散する際に、分散樹脂を添加することで分散状態を改善する方法が開示されている。しかしながら、この方法では、活物質及びカーボンブラックの分散性は向上するものの、分子量の大きな分散樹脂が粒子表面を被覆してしまうことから、導電ネットワークが阻害されやすく電極の抵抗が増大し、結果的に活物質及びカーボンブラックの分散向上による効果を相殺してしまう場合がある。
更に、電極材料の分散性の向上と併せて、充放電の効率を向上させる上で重要な要素としては、電極の電解液に対する濡れ性の向上が挙げられる。電極反応は、電極材料表面と電解液との接触界面で起こるため、電解液が電極内部まで浸透し電極材料が良く濡れることが重要となる。電極反応を促進させる方法としては、微細な活物質や導電助剤を用いて電極の表面積を増大させる方法が検討されているが、電解液に対する濡れが悪いため、実際の接触面積が大きくなりにくく、電池性能の向上が難しいといった問題がある。
電極の濡れ性を改善する方法として、特許文献4には、負極活物質、炭素粉末に高級脂肪酸アルカリ塩の様な界面活性剤を吸着させ、濡れ性を改善する方法が開示されているが、上述したように界面活性剤は特に非水系での分散性能が十分でないことが多く、均一な電極塗膜が得られない。これらの例では、いずれも電極材料の分散性を含めたトータルでの性能としては不十分であった。
特開昭63−236258号公報 特開平8−190912号公報 特表2006−516795号公報 特開平6−60877号公報
本発明は、リチウム二次電池用正極合剤ペーストにおいて、正極活物質の導電性を阻害せずに分散安定化を図ること、正極活物質の電解液に対する濡れ性を向上させること、並びに、本発明の電池用組成物を用いて作製される電池の電池性能を向上させることを目的とする。
前記課題は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池用組成物により解決される。
本発明は、更に、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
を含んでなる前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
又、本発明は、誘導体の塩基性官能基が、アミノ基である前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
又、本発明は、誘導体の酸性官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、及び燐酸基からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基である前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
又、本発明は、正極活物質が、リン酸鉄リチウムである前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
本発明は、更に、バインダー樹脂、を含んでなる前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
又、本発明は、バインダー樹脂が、分子内にフッ素原子を含む高分子化合物である前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
本発明は、更に、導電助剤、を含んでなる前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストに関する。
更に、本発明は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
又、本発明は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
又、本発明は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、バインダー樹脂と、導電助剤と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に共分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
又、本発明は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散してなる分散体に、
導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
又、本発明は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤に分散してなる分散体に、
導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
又、本発明は、
ビニルアミド系樹脂、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、又は、
ビニルアミド系樹脂、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、
で、あらかじめ処理された正極活物質を使用する前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法に関する。
更に、本発明は、集電体上に正極合剤層を有する正極と、集電体上に負極合剤層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウム二次電池であって、前記正極合剤層が、前記リチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなるリチウム二次電池に関する。
更に、本発明は、前記製造方法により製造されたリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなる前記リチウム二次電池に関する。
本発明の好ましい実施態様によれば、正極活物質の導電性を阻害することなく、分散安定性に優れたリチウム二次電池用正極合剤ペーストを得ることができる。更に、本発明の好ましい実施態様に係るリチウム二次電池用正極合剤ペーストを、リチウム二次電池の正極に使用することにより、正極活物質が、正極合剤中に一次粒子レベルで均一に混合され、集電体と正極合剤との密着性、正極活物質と導電助剤との密着性、並びに正極合剤の電解液に対する濡れ性が、改善されて、正極の内部抵抗の低減を促すと共に、充放電の効率を向上することができ、電池性能を総合的に向上させることができる。
本発明におけるリチウム二次電池用正極合剤ペーストは、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を含んでなることを特徴とするが、以下にその詳細を説明する。
<ビニルアミド系樹脂>
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストに使用するビニルアミド系樹脂としては、特に限定はされないが、例えば、
ポリビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンのグラフト共重合体、及びビニルピロリドンとコモノマーとの共重合体等が挙げられる。
ビニルピロリドンと共重合できるコモノマーとしては、α−オレフィン、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、スチレン、無水マレイン酸、アクリル酸、硫酸ビニルナトリウム、塩化ビニル、ビニルピロリジン、トリメチルシロキシビニルシラン、プロピオン酸ビニル、ビニルカプロラクタム、メチルビニルケトン等が挙げられる。
又、前記ビニルアミド系樹脂を、有機酸、又は無機酸で処理した酸変性物等も用いることができる。
前記ビニルアミド系樹脂の中でも、特に、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−1-ブテン共重合体、若しくはビニルピロリドン−スチレン共重合体等のほぼ中性のビニルアミド樹脂、又は、有機酸、若しくは無機酸で処理したポリビニルピロリドンの酸変性物が好適に用いられる。
本発明のビニルアミド系樹脂が、正極活物質の分散に効果があるのは、使用される溶媒が水又は水系溶媒、溶剤系のいずれにおいても溶媒に対する濡れ性に優れるために、正極活物質と溶媒との相互作用を円滑に進め、活物質同士の凝集が極めて少なくなるためであると推察される。特に極性が高い溶媒を用いる場合、分散効果が極めて高くなる。
<正極活物質>
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストに使用する正極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピング又はインターカレーション可能な金属酸化物、及び金属硫化物等の金属化合物を使用することができる。例えば、Ti、Fe、Co、Ni、及びMn等の遷移金属の酸化物、前記遷移金属とリチウムとの複合酸化物、並びに、前記遷移金属の硫化物等の無機化合物等が挙げられる。
具体的には、
MnO、V25、V613、及びTiO2等の遷移金属酸化物粉末;
層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、及びスピネル構造のマンガン酸リチウム等のリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末;
オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料;並びに、
TiS2、及びFeS等の遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
又、上記の無機化合物は2種類以上混合して用いてもよい。
用いる正極活物質の比表面積は、値が大きいほど、正極活物質粒子どうしの接触点が増えるため、正極電極の内部抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、0.1m2/g以上、150m2/g以下、好ましくは1m2/g以上、120m2/g以下、更に好ましくは1.5m2/g以上、100m2/g以下のものを使用することが望ましい。比表面積が0.1m2/gを下回る正極活物質を用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、150m2/gを超える正極活物質は、製造が容易でない場合がある。
又、用いる正極活物質の粒径は、一次粒子径で0.01〜500μmが好ましく、特に、0.05〜100μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡等で測定された粒子径を平均したものである。
正極活物質の中でも、オリビン構造のリン酸鉄リチウムは、コスト面や安全面の観点で好ましい材料である。
単なるオリビン構造のリン酸鉄リチウムでは、コバルト酸リチウム等と比較して電子伝導性が非常に低いため優れた電池特性が得られにくい。そこで、電子伝導性を向上させるために、炭素材料等の導電性物質を粒子に担持させたり、一次粒子径を小さくする方法が取られている。
炭素材料担持リン酸鉄リチウムは、特に限定されるものではないが、特開2003−292308号公報、及び特開2003−292309号公報等を参考に製造することができる。
例えば、リン酸第一鉄八水和物(Fe3(PO42・8H2O)とリン酸リチウム(Li3PO4)とを、リチウムと鉄の元素比率が1:1となるように混合し、これに導電性物質である炭素材料(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等)、又は焼成することで分解し炭素材料となる有機化合物を、最終品で炭素材料成分が、0.1〜50質量%となるように更に加え、乾式粉砕機等で粉砕混合処理を行ったあと不活性ガス雰囲気下、600℃で数時間焼成を行い、得られた焼成物を粉砕することにより得られる。
<塩基性官能基を有する各種誘導体>
本発明における塩基性官能基を有する各種誘導体としては、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性基官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から1種類以上選ばれるものである。以下、塩基性官能基を有する各種誘導体、あるい塩基性官能基を有する誘導体と略す場合がある。
とりわけ、下記一般式(2)で示されるトリアジン誘導体、又は一般式(7)で示される有機色素誘導体の使用が好ましい。
一般式(2):
Figure 2010061997
[一般式(2)中
1は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X2−Y1−X3−であり、
2は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
3は、それぞれ独立に−NH−、又は−O−であり、
1は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
Pは、下記一般式(3)、(4)、又は(5)のいずれかで示される置換基であり、
Qは、−O−R2、−NH−R2、ハロゲン基、−X1−R1、又は下記一般式(3)、(4)、若しくは(5)のいずれかで示される置換基であり、
2は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
1は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は下記一般式(6)で示される基であり、
1は、1〜4の整数である。
一般式(3):
Figure 2010061997
一般式(4):
Figure 2010061997
一般式(5):
Figure 2010061997
〔一般式(3)〜(5)中、
4は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−、又は−X5−Y2−X6−であり、
5は、−NH−、又は−O−であり、
6は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、又は−CH2−であり、
2は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
vは、1〜10の整数であり、
3 及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、又はR3 とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基であり、
5 、R6 、R7 、及びR8は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、
9は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基である。〕
一般式(6):
Figure 2010061997
〔一般式(6)中、
Tは、−X8−R10、又はW1であり、
Uは、−X9−R11、又はW2であり、
1、及びW2は、それぞれ独立に、−O−R20、−NH−R20、ハロゲン基、又は前記一般式(3)、(4)、若しくは(5)のいずれかで示される置換基であり、
20は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
7は、−NH−、又は−O−であり、
8、及びX9は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、又は−CH2NHCOCH2NH−であり、
3は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
10、及びR11は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、又は置換基を有していてもよい芳香族環残基である。〕}
一般式(2)のR1、並びに、一般式(6)のR10、及びR11で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、及び金属錯体系色素等が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
一般式(2)のR1、並びに、一般式(6)のR10、及びR11で表される複素環残基及び芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラジン、トリアジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、及びアクリドン等が挙げられる。これらの複素環残基、及び芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、及びジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、及びブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、及びフッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、又はハロゲン等で置換されていてもよい)、並びに、フェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、又はハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
一般式(3)及び(4)中のR3、及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、又はR3 とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基である。
一般式(2)〜(6)のY1、Y2、及びY3は、それぞれ独立に、炭素数20以下の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基、又はアリーレン基を表すが、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、又は炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
一般式(7):
Figure 2010061997
{一般式(7)中、
Zは、下記一般式(8)、(9)、及び(10)で示される群から選ばれる少なくとも1つのものであり、
2は、1〜4の整数であり、
12は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、又は置換基を有していてもよい芳香族残基である。
一般式(8):
Figure 2010061997
一般式(9):
Figure 2010061997
一般式(10):
Figure 2010061997
〔一般式(8)〜(10)中、
10は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、−CH2−、又は−X11−Y4−X12−であり、
11は、−NH−、又は−O−であり、
12は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2NHCONHCH2−、又は−CH2−であり、
4は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
1は、1〜10の整数であり、
13 、及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はR3とR4とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基であり、
15 、R16 、R17 、及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基であり、
19は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、又は置換されていてもよいアリール基である。〕}
一般式(7)のR12で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、及び金属錯体系色素等が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましい。
又、一般式(7)のR12で表される複素環残基及び芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アントラキノン、及びアクリドン等が挙げられる。これらの複素環残基及び芳香族環残基は、アルキル基(メチル基、エチル基、及びブチル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、及びジブチルアミノ基等)、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、及びブトキシ基等)、ハロゲン(塩素、臭素、及びフッ素等)、フェニル基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、及びハロゲン等で置換されていてもよい)、並びに、フェニルアミノ基(アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、及びハロゲン等で置換されていてもよい)等の置換基を有していてもよい。
又、一般式(8)及び(9)中のR13 、及びR14は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、又はR13 とR14とで一体となって更なる窒素、酸素、若しくは硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環残基である。
一般式(3)〜(5)、並びに、一般式(7)〜(9)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジ ン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、及び1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
本発明の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、又は塩基性官能基を有する塩基性官能基を有するトリアジン誘導体の合成方法としては、特に限定されるものではないが、特開昭54−62227号公報、特開昭56−118462号公報、特開昭56−166266号公報、特開昭60−88185号公報、特開昭63−305173号公報、特開平3−2676号公報、又は特開平11−199796号公報等に記載されている方法で合成することができる。
例えば、有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンに、一般式(11)〜(14)で示される置換基を導入した後、これら置換機とアミン成分(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N−メチルピペラジン、ジエチルアミン、若しくは4−[4−ヒドロキシ−6−[3−(ジブチルアミノ)プロピルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]アニリン等)を反応させることによって、合成することができる。
一般式(11):
−SO2Cl
一般式(12):
−COCl
一般式(13):
−CH2NHCOCH2Cl
一般式(14):
−CH2Cl
又、例えば、一般式(11)で示される置換基を導入する場合には、有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンをクロロスルホン酸に溶解して、塩化チオニル等の塩素化剤を反応させるが、このときの反応温度、反応時間等の条件により、有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンに導入する一般式(11)で示される置換基数をコントロールすることができる。
又、式(12)で示される置換基を導入する場合には、まずカルボキシル基を有する有機色素、アントラキノン、若しくはアクリドンを公知の方法で合成した後、ベンゼン等の芳香族溶媒中で塩化チオニル等の塩素化剤を反応させる方法等が挙げられる。
一般式(11)〜(14)で示される置換基とアミン成分との反応時には、一般式(11)〜(14)で示される置換基の一部が加水分解して、塩素が水酸基に置換することがある。その場合、一般式(11)で示される置換基はスルホン酸基となり、一般式(12)で示される置換基はカルボン酸基となるが、いずれも遊離酸のままでもよく、又、1〜3価の金属若しくは、上記のアミンと塩を形成していてもよい。
又、有機色素がアゾ系色素である場合は、一般式(8)〜(10)、又は下記一般式(15)で示される置換基をあらかじめジアゾ成分又はカップリング成分に導入し、その後カップリング反応を行うことによってアゾ系有機色素誘導体を製造することもできる。
一般式(15):
Figure 2010061997
{一般式(15)中、
13は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X14−Y5−X15−であり、
14は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
15は、それぞれ独立に、−NH−、又は−O−であり、
5は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
1は、上記一般式(3)、(4)、又は(5)のいずれかで示される置換基であり、
2は、−O−R24、−NH−R24、ハロゲン基、−X1−R25、又は上記一般式(3)、(4)、若しくは(5)のいずれかで示される置換基であり、
24は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、
25は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は上記一般式(6)で示される基である。}
又、本発明の塩基性官能基を有するトリアジン誘導体は、例えば、塩化シアヌルを出発原料とし、塩化シアヌルの少なくとも1つの塩素に上記一般式(8)〜(10)、又は一般式(15)で示される置換基を形成するアミン成分(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、若しくはN−メチルピペラジン等)を反応させ、次いで塩化シアヌルの残りの塩素と種々のアミン又はアルコール等を反応させることによって得られる。
<酸性官能基を有する各種誘導体>
本発明における酸性官能基を有する各種誘導体としては、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上のものを使用する。以下、酸性官能基を有する各種誘導体、あるいは酸性官能基を有する誘導体と略す場合がある。
とりわけ、下記一般式(16)で示されるトリアジン誘導体、又は一般式(19)で示される有機色素誘導体の使用が好ましい。
一般式(16):
Figure 2010061997
一般式(1)中、
101は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、又は−X103−Y101−X104−であり、
102、及びX104は、それぞれ独立に、−NH−、又は−O−であり、
103は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
101は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
101は、−SO3M、−COOM、又は−P(O)(−OM)2であり、
101は、1〜3価のカチオンの一当量であり、
101は、−O−R102、−NH−R102、ハロゲン基、−X101−R101、又は−X102−Y101−Z101であり、
102は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアルケニル基であり、
101は、1〜4の整数であり、
101は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は下記一般式(17)で表される基である。
一般式(17):
Figure 2010061997
一般式(2)中、
201は、−NH−、又は−O−であり、
202、及びX203は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、又は−CH2NHCOCH2NH−であり、
201、及びR202は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、又は−Y201−Z201であり、
201は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
201は、−SO3201、−COOM201、又は−P(O)(−OM2012であり、
201は、1〜3価のカチオンの一当量である。
一般式(16)のR101、並びに、一般式(17)のR201及びR202で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、又金属錯体系色素等が挙げられる。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましく、中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、又はジオキサジン系色素の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(16)のR101、並びに、一般式(17)のR201及びR202で表される複素環残基及び芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、又はアントラキノン等が挙げられる。とりわけ、少なくともS、N、Oのヘテロ原子のいずれかを含む複素環残基の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(16)のY101、及び一般式(17)のY201は、炭素数20以下の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表すが、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、又は炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
一般式(16)のQ101中に含まれるR102で表される置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基は、好ましくは炭素数20以下のものであり、更に好ましくは炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有しているアルキル基又はアルケニル基とは、アルキル基又はアルケニル基の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、若しくは臭素原子等のハロゲン基、水酸基、又はメルカプト基等に置換されたものである。
一般式(16)のM101及び一般式(17)のM201は、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子(プロトン)、金属カチオン、又は4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。又、分散剤構造中にMを2つ以上有する場合、Mはプロトン、金属カチオン、又は4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。
金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、又はコバルト等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、一般式(18)で示される構造を有する単一化合物又は、混合物である。
一般式(18):
Figure 2010061997
一般式(18)中、R301、R302、R303、及びR304は、水素、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基のいずれかである。
一般式(18)のR301、R302、R303、及びR304は、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。又、R301、R302、R303、及びR304が、炭素原子を有する場合、炭素数は1〜40、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。炭素数が40を超えると電極の導電性が低下する場合がある。
4級アンモニウムの具体例としては、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、又はステアリルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(19):
Figure 2010061997
一般式(19)中、
401、直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、−X402−Y−、又は−X402−Y−X403−であり、
402は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、又は−NHSO2−であり、
403は、−NH−、又は−O−であり、
401は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、又は置換基を有してもよいアリーレン基であり、
401は、−SO3401、−COOM401、又は−P(O)(−OM4012であり、
401は、1〜3価のカチオンの一当量であり、
401は、有機色素残基であり、
401は、1〜4の整数である。
一般式(19)のR401で表させる有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、又は金属錯体系色素等が挙げられる。R401で表させる有機色素残基には、一般的には色素と呼ばれていない淡黄色のアントラキノン残基を含む。とりわけ、金属による電池の短絡を抑制する効果を高めるためには、金属錯体系色素ではない有機色素残基の使用が好ましく、中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、又はジオキサジン系色素の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(19)の式中のM401は、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子(プロトン)、金属カチオン、又は4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。又、分散剤構造中にMを2つ以上有する場合、M401はプロトン、金属カチオン、又は4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。
金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、又はコバルト等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、一般式(18)で示される構造を有する単一化合物又は、混合物である。
一般式(18):
Figure 2010061997
一般式(18)中、R301、R302、R303、及びR304は、水素、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよいアリール基のいずれかである。
一般式(18)のR301、R302、R303、及びR304は、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。又、R301、R302、R303、及びR304が、炭素原子を有する場合、炭素数は1〜40、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。炭素数が40を超えると電極の導電性が低下する場合がある。
4級アンモニウムの具体例としては、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、又はステアリルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記酸性官能基を有する各種誘導体の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特公昭39−28884号公報、特公昭45−11026号公報、特公昭45−29755号公報、特公昭64−5070号公報、特開2004−217842号公報等に記載されている方法で合成することができる。
<塩基性又は酸性官能基を有する各種誘導体の効果>
上記の塩基性又は酸性官能基を有する各種誘導体(以下、単に誘導体と略す場合がある。)の効果のひとつとして、ビニルアミド系樹脂が溶剤との濡れ性を高めるために、更に添加した誘導体が正極活物質表面に作用(例えば吸着)することにより、相乗効果により分散が進むものと考えられる。正極活物質の中でも、炭素材料を担持したリン酸鉄リチウムの場合、粒子表面の疎水性の高いため、官能基を有する各種誘導体の吸着作用効果が更に向上するため、より分散効果も発揮すると考えられる。
よって本発明では、上記ビニルアミド系樹脂及び塩基性又は酸性官能基を有する各種誘導体の使用により、正極活物質表面に直接、官能基を導入(共有結合)せず、更に分散樹脂を使用することなく、良好な分散を得ることができる。これらのことから、正極活物質の導電性を落とすことなく良好な分散を得ることができる。そして正極活物質が良好に分散した本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストを用いることにより、正極活物質が均一に分散した正極を作製することができる。
又、本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用した正極では、正極活物質表面に官能基を有する各種誘導体が存在しているため正極活物質の電解液に対する濡れ性が向上するとともに、上述の均一分散効果とあいまって正極の電解液に対する濡れ性が向上する。
上記のビニルアミド系樹脂は、正極活物質、及び導電助剤としての炭素材料どうしを結着する、又は、正極活物質、及び導電助剤としての炭素材料を集電極に結着するためのバインダーとしても機能するが、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体と併用することにより、正極活物質の分散安定性、及び正極合剤層の密着性を更に向上させることができる。
すなわち、正極活物質表面に作用(例えば吸着)した前記誘導体とビニルアミド系樹脂が相互作用しつつ正極活物質表面に吸着することにより、ビニルアミド系樹脂の正極活物質表面への吸着が促進され、正極活物質とビニルアミド系樹脂との密着性が向上すると共に、ビニルアミド系樹脂の立体障害による反発により、正極活物質の分散安定性が向上するものと考えられる。又、正極活物質とバインダー樹脂である分子内にフッ素原子を含む高分子化合物との密着性も向上するため、使用するバインダー量を減らすことも期待できる。
<導電助剤>
本発明におけるリチウム二次電池用正極合剤ペーストに添加する導電助剤としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、及びフラーレン等を単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、及びコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
カーボンブラックとしては、気体若しくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、及び、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラック等の各種のものを単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。又、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
カーボンの酸化処理は、カーボンを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることより、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基の様な酸素含有極性官能基をカーボン表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンの分散性を向上させるために一般的に行われている。しかしながら、官能基の導入量が多くなる程カーボンの導電性が低下することが一般的であるため、酸化処理をしていないカーボンの使用が好ましい。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増えるため、電極の内部抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m2/g以上、1500m2/g以下、好ましくは50m2/g以上、1500m2/g以下、更に好ましくは100m2/g以上、1500m2/g以下のものを使用することが望ましい。比表面積が20m2/gを下回るカーボンブラックを用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、1500m2/gを超えるカーボンブラックは、市販材料での入手が困難となる場合がある。
又、用いるカーボンブラックの粒径は、一次粒子径で0.005〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡等で測定された粒子径を平均したものである。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック;並びに、
デンカブラック、デンカブラックHS−100、及びFX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<溶剤>
本発明に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられる。
バインダー樹脂成分の溶解性や、導電助剤である炭素材料の分散安定性を得るためには、極性の高い溶剤を使用するのが好ましい。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN,N−ジエチルアセトアミド等の様な窒素をジアルキル化したアミド系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド、並びに、ジメチルスルホキシド、水、アルコール等が挙げられるが、これらに限定されない。二種類以上を併用することもできる。
<バインダー>
本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストには、更に、ビニルアミド系樹脂以外のバインダー成分を含有させることができる。
使用するバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等が挙げられるが、又、これらの樹脂の変性体、混合物、又は共重合体でも良い。
具体的には、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、又はビニルピロリドン等を構成単位として含む共重合体が挙げられる。
特に、耐性面から分子内にフッ素原子を有する高分子化合物、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン等の使用が好ましい。
又、バインダーとしてのこれらの樹脂類の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000が好ましい。分子量が小さいとバインダーの耐性が低下することがある。分子量が大きくなるとバインダーの耐性は向上するものの、バインダー自体の粘度が高くなり作業性が低下するとともに、凝集剤として働き、合剤成分が著しく凝集してしまうことがある。
<リチウム二次電池用正極合剤ペースト>
本発明の正極合剤ペーストは、リチウム二次電池用正極合剤ペーストとして用いることができる。正極合剤ペーストとして用いる場合は、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、溶剤とを含んでなるペースト、更に、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体と、含んでなるペーストに、導電助剤としての炭素材料、及びバインダー成分を含有させ正極合剤ペーストとして使用することが好ましい。
正極合剤ペースト中の総固形分に占める正極活物質の割合は、ビニルアミド系樹脂と、塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体と、を合わせて80重量%以上、98.5重量%以下が好ましい。又、正極合剤ペースト中の総固形分に占める、導電助剤としての炭素材料の固形分の割合は、0.5重量%以上、19重量%以下が好ましい。正極合剤ペースト中の総固形分に占める、バインダー成分(ビニルアミド系樹脂以外の樹脂成分)の割合は、1重量%以上、10重量%以下が好ましい。又、正極合剤ペーストの適正粘度は、正極合剤ペーストの塗工方法によるが、一般には、100mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
本発明における正極合剤ペーストは、正極活物質の分散性に優れるだけでなく、正極活物質の凝集を緩和する効果もある。正極活物質の分散性が優れるため、正極活物質及び導電助剤としての炭素材料を溶剤に混合・分散する際のエネルギーが、正極活物質の凝集物に阻害されることなく効率よく炭素材料(導電助剤)に伝わり、結果的に炭素材料(導電助剤)の分散性も向上させることができるものと考えられる。
本発明の正極合剤ペーストでは、正極活物質の周りに導電助剤である炭素材料粒子を均一に配位・付着させることができ、正極合剤層に優れた導電性及び密着性を付与できる。又、導電性が向上することにより、導電助剤としての炭素材料の添加量を減らすことができるため、正極活物質の添加量を相対的に増やすことができ、電池の大きな特性である容量を大きくすることができる。
更に、本発明の正極合剤ペーストは、正極活物質、炭素材料(導電助剤)の凝集が少ないため、集電体に塗布した際に平滑性の高い均一な塗膜を得ることができ、集電体と正極合剤との密着性が改善される。又、ビニルアミド系樹脂が炭素材料(導電助剤)表面に作用(例えば吸着)しているため、リチウム遷移金属複合酸化物のような正極活物質の表面と炭素材料(導電助剤)表面との相互作用が強まり、更に塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体を使用しない場合と比較して、誘導体を併用することにより正極活物質と炭素材料(導電助剤)との密着性が向上する。
<本発明のリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法>
次に、本発明の正極合剤ペーストの製造方法について説明する。
本発明の正極合剤ペーストは、例えばビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散し、該分散体に、必要に応じて導電助剤としての炭素材料、又は追加のバインダー成分(ビニルアミド系樹脂以外の樹脂成分)を混合することにより、製造することができる。各成分の添加順序等については、これに限定されるわけではない。又、必要に応じて更に溶剤を追加しても良い。
正極合剤ペーストの製造方法は、ビニルアミド系樹脂を、溶剤中に完全又は一部溶解させ、その溶液中に正極活物質を添加、混合することで、前記樹脂を正極活物質に作用(例えば吸着)させつつ、溶剤に分散するのが好ましい。
更に、その他の正極合剤ペーストの製造方法としては、
ビニルアミド系樹脂と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
と、を溶剤中に完全又は一部溶解させ、その溶液中に正極活物質を添加、混合することで、ビニルアミド系樹脂及び誘導体を正極活物質に作用(例えば吸着)させつつ、溶剤に分散するのが好ましい。
このときの分散体中における正極活物質の濃度は、使用する正極活物質の比表面積や表面官能基量等の正極活物質固有の特性値等にもよるが、1重量%以上、90重量%以下が好ましく、更に好ましくは10重量%以上、80重量%以下である。正極活物質の濃度が低すぎると、生産効率が悪くなり、更に合剤ペーストの粘度が低くなりやすく経時で正極活物質が沈降しやすくなり、均一な正極が作成しにくい場合がある。一方、正極活物質の濃度が高すぎると、分散体の粘度が著しく高くなり、分散効率や分散体のハンドリング性が低下する場合がある。
正極活物質を分散する時に添加するビニルアミド系樹脂としては、正極活物質100重量部に対して0.01重量部以上、30重量部以下、好ましくは0.05重量部以上、25重量部以下、更に好ましくは、0.1重量部以上、20重量部以下で添加する。
又、正極活物質を溶剤に分散するにあたり、ビニルアミド系樹脂と、誘導体を添加することが好ましい。前記誘導体の添加量は、用いる正極活物質の比表面積等により決定される。一般には、前記誘導体を、正極活物質100重量部に対して、0.01重量部以上、30重量部以下、好ましくは0.05重量部以上、25重量部以下、更に好ましくは、0.1重量部以上、20重量部以下で添加する。添加量が少ないと十分な分散効果が得られず、過剰に添加しても顕著な分散向上効果は得られないことがある。
又、上記ビニルアミド系樹脂を正極活物質に作用(例えば吸着)させつつ溶剤に分散する、又はビニルアミド系樹脂と前記誘導体を正極活物質に作用(例えば吸着)させつつ溶剤に分散するための装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機が使用できる。
例えば、
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;又は、
その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。又、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
強い衝撃で粒子が割れたり、潰れたりしやすい正極活物質の場合は、メディア型分散機よりは、ロールミルやホモジナイザー等のメディアレス分散機が好ましい。
又、正極活物質の溶剤への濡れ性を向上させ、より溶剤中での分散性を向上させるために、
ビニルアミド系樹脂、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、又は、
ビニルアミド系樹脂、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、
で、あらかじめ処理された正極活物質を使用することができる。
この時の処理方法は、乾式処理機としては、2本ロールや3本ロール等のロールミル、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速攪拌機、マイクロナイザーやジェットミル等の流体エネルギー粉砕機、アトライター等が挙げられる。一方、湿式処理機としては、ニーダーが挙げられる。しかし、処理方法は上記方法に限定されるものではない。正極活物質の種類によって、処理時に正極活物質自身が破壊され電池性能を落とす場合があるため、正極活物質にあった処理方法を選択することが好ましい。
又、乾式処理機を使用する際、処理剤は、そのまま直接添加しても良いが、より均一に正極活物質表面に処理を行うために、前もって処理剤を少量の溶剤に溶解、又分散させておき、正極活物質の凝集粒子を解しながら添加する方法が好ましい。更に、処理効率を上げるために、加温することが好ましい場合もある。
追加分のバインダー成分(ビニルアミド系樹脂以外の樹脂成分)の添加方法としては、上記の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、と、正極活物質と、を溶剤に分散してなる分散体、又は、上記分散体に更にビニルアミド系樹脂を添加し分散してなる分散体を攪拌しつつ、追加のバインダー成分(ビニルアミド系樹脂以外の樹脂成分)を固形のまま添加し、溶解させる方法が挙げられる。又、追加のバインダー成分(ビニルアミド系樹脂以外の樹脂成分)を溶剤に溶解させたものを事前に作製しておき、上記分散体と混合する方法が挙げられる。又、追加のバインダー成分(ビニルアミド系樹脂以外の樹脂成分)を上記分散体に添加した後に、上記分散装置で再度分散処理を行っても良い。
導電助剤としての炭素材料の添加方法としては、
上記の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、正極活物質と、を溶剤に分散してなる分散体を攪拌しつつ、導電助剤としての炭素材料を添加し分散させる、又は導電助剤としての炭素材料を前もって溶剤中に分散させた分散体を上記正極活物質分散体に添加し混合する方法が挙げられる。更に、ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散する際に、塩基性又は酸性官能基を有する各種誘導体を一緒に添加するとより好ましい。
又、
上記の塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、正極活物質と、を溶剤に分散するときに、導電助剤としての炭素材料の一部ないしは全量を、同時に添加して共分散処理を行うこともできる。更に、共分散処理時に、ビニルアミド系樹脂を一緒に添加するとより好ましい。
このときの混合、分散を行うための装置としては、通常の顔料分散等に用いられている上述の分散装置が使用できる。
正極活物質の分散粒径は、使用する正極活物質の一次粒子径の大きさで変化するが、0.05μm以上、100μm以下、好ましくは、0.1μm以上、70μm以下、更に好ましくは0.15μm以上、50μm以下に微細化することが望ましい。正極活物質の分散粒径が0.05μm未満の正極合剤ペーストは、その作製が難しい場合がある。又、正極活物質の分散粒径が100μmを超える組成物を用いた場合には、電極の抵抗分布のバラつきや、低抵抗化のために導電助剤の添加量を増やさなければならなくなる等の不具合が生じる場合がある。ここでいう分散粒径については、グラインドゲージによる判定(JIS K5600−2−5に準ず)より求めることができる。分散粒径が1.0μm以下の場合は、体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)であり、一般的な粒度分布計、例えば、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)等で測定される。
本発明の正極合剤ペーストは、上述するように、通常は溶剤を含む分散体(液)、又はペースト等として、製造、流通、使用される。
これは、導電助剤と、活物質と、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、ビニルアミド系樹脂と、を乾燥粉体の状態で混合しても、正極活物質や導電助剤に均一に作用させることは難しく、液相法で、正極活物質や導電助剤を溶剤に分散することにより、正極活物質や導電助剤に対して、均一に、
塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、
と、ビニルアミド系樹脂と、を作用させることができるからである。
又、以下に説明するように、集電体に電極合剤層を形成する場合には、液状の分散体をできるだけ均一に塗布してこれを乾燥させることが好ましいからである。
しかしながら、例えば、液相法で作製した分散体を、運搬コスト等の理由から、一度溶剤を除去して乾燥粉体とすることも考えられる。そして、この乾燥粉体を適当な溶剤で再分散させて、電極合剤層の形成に用いることも考えられる。したがって、本発明の正極合剤ペーストは、液状の分散体に限られず、このような、乾燥粉体の状態の組成物であってもよい。
<リチウム二次電池>
次に、本発明の正極合剤ペーストを用いたリチウム二次電池について説明する。
リチウム二次電池は、集電体上に正極合剤層を有する正極と、集電体上に負極合剤層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備する。前記正極合剤層と前記集電体との間や、前記負極合剤層と前記集電体との間には、電極下地層が形成されていてもよい。
電極について、使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が用いられるが、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅が、好ましい。又、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状のものも使用できる。
集電体上に電極下地層を形成する方法としては、導電性材料であるカーボンブラックとバインダー成分が溶剤中に分散させた電極下地ペーストを電極集電体に塗布、乾燥する方法が挙げられる。電極下地層の膜厚としては、導電性及び密着性が保たれる範囲であれば特に制限されないが、一般的には0.05μm以上、20μm以下であり、好ましくは0.1μm以上、10μm以下である。
集電体上に電極合剤層を形成する方法としては、集電体上に上述の電極合剤ペーストを直接塗布し乾燥する方法、及び集電体上に電極下地層を形成した後に電極合剤ペーストを塗布し乾燥する方法等が挙げられる。又、電極下地層の上に電極合剤層を形成する場合、集電体上に電極下地ペーストを塗布した後、湿潤状態のうちに電極合剤ペーストを重ねて塗布し、乾燥を行っても良い。電極合剤層の厚みとしては、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。
塗布方法については、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、又は静電塗装法等が挙げられる。又、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。
<電解液>
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
更に上記電解液を、ポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とすることもできる。ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、及びポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の正極合剤ペーストを用いたリチウム二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレータとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例中、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ表す。正極活物質分散体、及び電極合剤ペーストの分散粒度については、グラインドゲージによる判定(JIS K5600−2−5に準ず)より求めた。又、正極活物質分散体の粘度は、E型粘度計(東機産業社製「RE80型粘度計」)で、50rpmの回転速度における25℃での粘度を測定した。
又、以下、「塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体」は、「塩基性官能基を有する誘導体」と略記する。
又、以下、「酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体」は、「酸性官能基を有する誘導体」と略記する。
又、以下、『「塩基性官能基を有する誘導体」又は「酸性官能基を有する誘導体」』は、「塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体」と略記する。
<正極活物質分散体の調製>
[正極活物質分散体1〜31]
表6に示す組成に従い、容器に各種溶剤、又は水と、場合によって、ビニルアミド系樹脂を仕込み、ビニルアミド系樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、表1〜表4に示す塩基性官能基又は酸性官能基を有する各種誘導体(A)〜(P)のいずれかを仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、正極活物質を加え、メディアレス分散機であるフィルミックスで分散し、正極活物質分散体を得た。得られた正極活物質分散体の分散評価結果を、表7に示した。
実施例及び比較例で使用した正極活物質、ビニルアミド系樹脂及び塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体を以下に示す。
<正極活物質>
・マンガン酸リチウムLiMn24 CELLSEED S-LM(日本化学 工業社製):平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g。
・リン酸鉄リチウムLiFePO4(TIANJIN STL ENERGY
TECHNOLOGY社製):平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g。
<塩基性官能基を有する誘導体(A)〜(H)>
・塩基性官能基を有する色素誘導体:(A)、(B)、(C)
・塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体:(F)
・塩基性官能基を有するアクリドン誘導体:(G)
・塩基性官能基を有するトリアジン誘導体:(D)、(E)、(H)
<酸性性官能基を有する誘導体(I)〜(P)>
・酸性官能基を有する色素誘導体:(M)、(N)、(O)
・酸性官能基を有するトリアジン誘導体:(I)、(J)、(K)、
・酸性官能基を有するトリアジン誘導体の造塩物:(L)
Figure 2010061997
Figure 2010061997
Figure 2010061997
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<ビニルアミド系樹脂>
・PVP K−30(ISPジャパン製):ポリビニルピロリドン(PVPと略) 重量平均分子量約4〜8万。
・AGRIMER AL−10LC(ISPジャパン製):アルキル化ポリビニルピロリドン/1−ブテン=90/10(AGRIMERと略)
・PNVA GE191 (昭和電工製):ポリN−ビニルアセトアミド(PNVAと略)重量平均分子量約1〜3万。
<バインダー>
・(1)KFポリマーW#1100(クレハ社製):
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、重量平均分子量約28万。
・(2)PTFE 30−J(三井・デュポンフロロケミカル社製):
60%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)水系分散体
<導電助剤用カーボンブラック>
・デンカブラックHS−100(電気化学工業社製):
・アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g。
・デンカブラックFX−35(電気化学工業社製):
・アセチレンブラック、一次粒径23nm、比表面積133m2/g。
・Super−P Li(TIMCAL社製):
・ファーネスブラック、一次粒径40nm、比表面積62m2/g。
<導電助剤用カーボンブラック分散体の調整>
[カーボン分散体(1)]
ガラス瓶にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、塩基性官能基を有する誘導体(A)0.5部を仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電助剤となるカーボンブラックHS−100(アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g、電気化学工業社製)10部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、カーボン分散体(固形分10.5%)を得た。
[カーボン分散体(2)]
ガラス瓶にN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、ポリビニルピロリドン(PVP)固形分で0.5部を仕込み、樹脂を完全ないしは一部溶解させた。次に、酸性官能基を有する誘導体(M)0.5部を仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電助剤となるカーボンブラックSuper−P Li(ファーネスブラック、一次粒径40nm、比表面積62m2/g、TIMCAL社製)10部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、カーボン分散体(固形分10.5%)を得た。
[カーボン分散体(3)]
ガラス瓶に精製水と、PNVA0.125部を仕込み、完全に混合させた。次に、酸性官能基を有する誘導体(J)0.375部を仕込み、混合攪拌して誘導体を完全ないしは一部溶解させた。次に、導電助剤となるカーボンブラックHS−100(アセチレンブラック、一次粒径48nm、比表面積48m2/g、電気化学工業社製)10部を加え、更にメディアとしてジルコニアビーズを添加した後に、ペイントシェーカーで分散し、カーボン分散体(固形分10.5%)を得た。
<塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体、ビニルアミド系樹脂で表面処理された正極活物質の調整>
表5に示す組成及び処理方法に従って、塩基性官能基又は酸性官能基を有する誘導体、ビニルアミド系樹脂による正極活物質の表面処理を行った。樹脂の使用量は、固形分換算で表記した。
[表面処理正極活物質(1)]
正極活物質であるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、塩基性官能基を有する誘導体(A)0.2部、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理することで表面処理正極活物質(1)を得た。
[表面処理正極活物質(2)]
ニーダーに、正極活物質であるマンガン酸リチウム(CELLSEED S-LM、平均一次粒径12.0μm、比表面積0.48m2/g、日本化学工業社製)100部、酸性官能基を有する誘導体(I)0.1部、及びNMPを25部仕込み、混練処理を行った。得られた処理物を乾燥、粉砕し、表面処理正極活物質(2)を得た。
[表面処理正極活物質(3)]
ニーダーに、正極活物質となるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、塩基性官能基を有する誘導体(E)0.1部、PVP0.1部、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を43部仕込み、混練処理を行った。
得られた処理物をヘキサン1000部中に添加して攪拌した後、凝集物を濾取、乾燥、粉砕して表面処理正極活物質(3)を得た。
[表面処理正極活物質(4)]
正極活物質となるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部に対して、ポリビニルピロリドン(PVP)1.5部をNMP15部に溶解させ、乾式ジェットミルにて解砕しながら処理することで表面処理正極活物質(4)を得た。
[表面処理正極活物質(5)]
正極活物質であるリン酸鉄リチウム(平均一次粒径0.2μm、比表面積15m2/g、TIANJIN STL ENERGY TECHNOLOGY社製)100部、酸性官能基を有する誘導体(M)1.5部、及びN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を25部仕込み、2本ロールにて処理することで表面処理正極活物質(5)を得た。
<表面処理の有無による正極活物質の濡れ性評価>
分散剤未処理の各種正極活物質、及び各種分散剤処理正極活物質を80℃で10時間減圧乾燥した。続いて乾燥物をメノウ製の乳鉢で粉砕した後、更に80℃で12時間減圧乾燥した。得られた乾燥物を再度メノウ製乳鉢で粉砕した後、錠剤成型器(Specac社製)にて500kgf/cm2で荷重をかけ、正極活物質のペレットを作製(直径10mm、厚0.5mm)した。このペレットにマイクロシリンジにて、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1混合した液滴を落とし、液滴がペレットに浸透する時間を測定した。この測定を各サンプルとも5回行い、それらの平均浸透時間が1秒未満であったものを「◎」、1秒以上、5秒未満であったものを「○」、5秒以上、10秒未満であったものを「△」、10秒以上であったものを「×」とした。正極活物質の濡れ性評価の結果を表5に示した。
Figure 2010061997
Figure 2010061997
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DMF:N,N−ジメチルホルムアルデヒド
PVP:ポリビニルピロリドン
PNVA:ポリN−ビニルアミド
Figure 2010061997
<リチウム二次電池用正極合剤ペーストの調製>
[実施例1〜2、実施例5〜6、実施例11〜20、24、25、比較例1、3]
先に調製したリン酸鉄リチウムLiFePO4分散体(LiFePO4量として91部)に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)、N−メチル−2−ピロリドンをプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として4部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=91/4/5)とした。(表8を参照)
[実施例3〜4、7〜10、21、22、比較例2]
先に調製したマンガン酸リチウムLiMn24分散体(LiMn24量として85部)に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)、N−メチル−2−ピロリドンをプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として9部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;正極活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=85/9/6)とした。(表8を参照)
[実施例25、比較例4]
先に調製したマンガン酸リチウムLiMn24分散体(LiMn24量として85部)に対して、バインダーとして60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE 30−J、三井・デュポンフロロケミカル社製)、精製水をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として9部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;正極活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=85/9/6)とした。(表9を参照)
[実施例26、比較例5]
先に調製したリン酸鉄リチウムLiFePO4分散体(LiFePO4量として91部)に対して、バインダーとして60%ポリテトラフルオロエチレンPTFE水系分散体(PTFE 30−J、三井・デュポンフロロケミカル社製)、精製水をプラネタリーミキサーで混合した後に、導電助剤としてカーボンブラック又はカーボン分散体(カーボンブラック量として4部)を加え、更にプラネタリーミキサーにより混練し、正極合剤ペースト(固形分比率;50%、固形分組成比率;活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=91/4/5)とした。(表9を参照)
Figure 2010061997
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
Figure 2010061997
PTFE:ポリテトラフルオロエチレン
<リチウム二次電池用負極合剤ペーストの調製>
先に調製したカーボン分散体(1)20部(カーボンブラック量として2部)に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100、クレハ社製)、N−メチル−2−ピロリドンを高速ディスパーで混合した後に、負極活物質としてメソフェーズカーボン(MCMB 6−28、平均粒径5〜7μm、比表面積4m2/g大阪ガスケミカル社製)93部を加えプラネタリーミキサーにより混練し、負極合剤ペースト(固形分比率;60%、固形分組成比率;負極活物質/カーボンブラック/バインダーと分散剤=93/2/5)とした。
<リチウム二次電池用正極の作製>
[実施例1〜26、比較例1〜5]
先に調製した各種正極合剤ペーストを、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ60μmの正極合剤層を作製した。(表8、9を参照)
<リチウム二次電池用負極の作製>
先に調製した各種負極合剤ペーストを、集電体となる厚さ20μmの銅箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ60μmの負極合剤層を作製した。
<リチウム二次電池正極評価用セルの組み立て>
先に作製した正極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝泉社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
<リチウム二次電池正極特性評価>
[充放電サイクル特性 実施例3〜4、7〜10、21,22、25、比較例2、4]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。又、評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果を表10、11に示した。
[充放電サイクル特性 実施例1〜2、5〜6、11〜20、23、24、26、比較例1、3、5]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.5V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧2.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。又、評価後のセルを分解し、電極塗膜の外観を目視にて確認した。評価結果を表10、11に示した。
[直流内部抵抗測定 実施例1〜26、比較例1〜5]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)、充電レート0.2Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、0.2C、1.0Cのレートの定電流で5秒放電後、電池電圧を測定した。電流値に対し電圧値をプロットし、得られた直線関係の傾きを内部抵抗とした。評価結果を表10、11に示すが、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた場合については、実施例1の内部抵抗測定値を100としたときの相対値として示した。正極活物質としてマンガン酸リチウムを用いた場合については、実施例3の内部抵抗測定値を100としたときの相対値として示した。
Figure 2010061997
Figure 2010061997
表6〜11から分かるように、実施例では、正極合剤ペーストに、ビニルアミド系樹脂を使用することで、正極活物質の分散性が向上したため、比較例に比べて正極合剤ペーストでの分散性及び経時安定性が向上した。塩基性又は酸性官能基を有する誘導体を使用することにより、更に安定性が向上した。又、比較例に比べて、内部抵抗の低下傾向が見られるとともに、電池容量及び、20サイクル容量維持率が向上した。

Claims (16)

  1. ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を含んでなるリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  2. 更に、
    塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
    酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
    を含んでなる請求項1記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  3. 誘導体の塩基性官能基が、アミノ基である請求項2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  4. 誘導体の酸性官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、及び燐酸基からなる群から選ばれる1種類以上の酸性官能基である請求項2記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  5. 正極活物質が、リン酸鉄リチウムである請求項1〜4いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  6. 更に、バインダー樹脂、を含んでなる請求項1〜5いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  7. バインダー樹脂が、分子内にフッ素原子を含む高分子化合物である請求項6記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  8. 更に、導電助剤、を含んでなる請求項1〜7いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペースト。
  9. ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
  10. ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、
    塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
    酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
    と、を溶剤に分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
  11. ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、バインダー樹脂と、導電助剤と、
    塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
    酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
    と、を溶剤に共分散するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
  12. ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、を溶剤に分散してなる分散体に、
    導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
  13. ビニルアミド系樹脂と、正極活物質と、
    塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種類以上の誘導体、又は、
    酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体、
    と、を溶剤に分散してなる分散体に、
    導電助剤と、バインダー樹脂と、を混合するリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
  14. ビニルアミド系樹脂、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、及び塩基性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、又は、
    ビニルアミド系樹脂、酸性官能基を有する有機色素誘導体、及び酸性官能基を有するトリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の処理剤、
    で、あらかじめ処理された正極活物質を使用する請求項9〜13いずれか記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストの製造方法。
  15. 集電体上に正極合剤層を有する正極と、集電体上に負極合剤層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウム二次電池であって、前記正極合剤層が、請求項1〜8記載のリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなるリチウム二次電池。
  16. 請求項9〜14いずれか記載の製造方法により製造されたリチウム二次電池用正極合剤ペーストを使用して形成されてなる請求項15記載のリチウム二次電池。
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