JP2010059885A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレイグニッションの発生原因を特定して、これに対応した適切な燃焼制御をする。
【解決手段】一次コイルL1の通電を制御するスイッチング素子Qに点火信号SGを供給してON/OFF動作させる制御装置ECUと、二次コイルL2の誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグPGと、点火プラグPGの正常な放電方向とは逆向きの電流値を検出するイオン電流検出回路IONと、を有する。制御装置ECUは、スイッチング素子QのON動作中からOFF遷移後まで、イオン電流検出回路IONの出力を把握して、有意な電流信号が検出されるか否かを判定する第1手段(ST14)と、スイッチング素子のON遷移動作に対応して、点火プラグPGが異常放電したか否かを判定する第2手段(ST14)と、第2手段の判定結果に対応して、その後の燃焼制御方法を変更する第3手段(ST17,ST18)と、を設けた。
【選択図】図6
【解決手段】一次コイルL1の通電を制御するスイッチング素子Qに点火信号SGを供給してON/OFF動作させる制御装置ECUと、二次コイルL2の誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグPGと、点火プラグPGの正常な放電方向とは逆向きの電流値を検出するイオン電流検出回路IONと、を有する。制御装置ECUは、スイッチング素子QのON動作中からOFF遷移後まで、イオン電流検出回路IONの出力を把握して、有意な電流信号が検出されるか否かを判定する第1手段(ST14)と、スイッチング素子のON遷移動作に対応して、点火プラグPGが異常放電したか否かを判定する第2手段(ST14)と、第2手段の判定結果に対応して、その後の燃焼制御方法を変更する第3手段(ST17,ST18)と、を設けた。
【選択図】図6
Description
本発明は、プレイグニッションの発生を検出した場合に、プレイグニッションの原因に対応した適切な燃焼制御を実現する内燃機関の燃焼制御装置に関する。
プレイグニッション(pre ignition)とは、一般に、内燃機関の燃焼室内の一部が過熱されて熱源となり、正常な点火タイミングに先立って混合気が燃焼する早期着火現象を意味している。熱源としては、燃焼室内に堆積したカーボンスラッジや、過熱した点火プラグが考えられ、圧縮行程の混合気が、これらの熱源によって自己着火することになる。
このプレイグニッション(以下、プレイグと略す)は、ノッキングの原因となるだけでなく、早期着火された燃焼ガスが、より長く燃焼室に存在するため、更なる温度上昇を招き、繰返しプレイグが発生するという悪循環ともなり、致命的な事態に陥ることにもなりかねない。
そこで、かかる異常事態を未然に防止するため、燃焼反応が生じない筈のタイミングで、イオン電流が検出できるか否かを監視して、プレイグの発生を検出することが行われている(例えば特許文献1)。
特開平09−236073号公報
特許文献1に記載の燃焼状態検出装置は、点火パルスを出力するECUと、点火パルスに同期してON動作するIGBTと、IGBTの負荷となる一次コイル及び二次コイルによる点火コイルと、二次コイルに直列接続された点火プラグ及びイオン電流検出回路とで構成されている。
そして、この発明では、微弱なイオン電流成分を、他のノイズ成分と分離して確実に検出するべく、点火パルスのON状態において、一次コイルのON電流が急激に増加しない構成を採っている。そして、点火パルスのON遷移時である先端エッジと、OFF遷移時である後端エッジの間に、点火パルスのパルス幅より狭い判定ウインド区間を設け、このウインド区間内のイオン電流を問題にしている。
ところで、プレイグには、前記した熱源によるものだけでなく、一次コイルにON電流が流れ始めるON遷移時における、二次コイル誘起電圧による点火プラグの逆方向放電(以下、ON時放電という)を原因とする場合もあるところ、これら早期着火の原因を、簡易確実に特定する方法は、特許文献1も含め、未だ知られていない。
ここで、ON時放電によるプレイグは、熱源によるものとも関連しているとはいえ、プレイグの発生原因を正確に峻別することができれば、発生原因に対応した最適な対策をとることが可能となる。
また、プレイグの発生を極めて簡易に、且つ確実に検出する手法も、未だ知られていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、プレイグの発生を極めて簡易に、且つ確実に検出できる内燃機関の燃焼制御装置を提供することが課題とする。また、プレイグの発生原因を特定して、これに対応した適切な燃焼制御を可能にした内燃機関の燃焼制御装置を提供することが課題とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る内燃機関の燃焼制御装置は、一次コイルと二次コイルとからなる点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、前記点火プラグの正常な放電方向とは逆向きの電流を検出するイオン電流検出回路と、を有して構成され、前記制御装置は、前記スイッチング素子のON動作中からOFF遷移後まで、前記イオン電流検出回路の出力を把握する把握手段と、前記OFF遷移時に点火プラグの正常放電を検出しない状態で、前記OFF遷移直後に、有意な電流検出信号が検出された場合には、異常状態が発生したと判定する異常検出手段と、を有して構成されている。
本発明によれば、前記OFF遷移直後に、有意な電流検出信号が検出された場合には、異常状態が発生していると断定することができ、極めて簡易且つ確実にプレイグ状態を検出することができる。
また、請求項2に係る内燃機関の燃焼制御装置は、一次コイルと二次コイルとからなる点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、前記点火プラグの正常な放電方向とは逆向きの電流を検出するイオン電流検出回路と、を有して構成され、前記制御装置は、前記スイッチング素子のON動作中からOFF遷移後まで、前記イオン電流検出回路の出力を把握して、有意な電流信号が検出されるか否かを判定する第1手段と、前記第1手段の判定により有意な電流信号が検出された場合には、前記スイッチング素子のON遷移動作に対応して、前記点火プラグが異常放電したか否かを判定する第2手段と、前記第2手段の判定結果に対応して、その後の燃焼制御方法を変更する第3手段と、を有して構成されている。
前記第2手段は、好ましくは、前記スイッチング素子のON遷移時に近接して、2つ目の電流信号を検出するか否かに応じて、前記点火プラグが異常放電したか否かを判定している。また、前記第3手段は、第2手段によって異常放電が発生したと判定される場合には、その後の点火サイクルにおける点火信号を遅角させるのが好適である。このような制御によってスイッチング素子のON遷移タイミングが遅れるので、その分だけ、二次コイルに誘起電圧が発生した時の燃焼室の圧力が増加して、ON時放電の可能性が低減される。
一方、第2手段によって異常放電が発生していないと判定される場合には、その後の点火サイクルにおける燃料噴射量を増加させるのが好適である。空燃比をリッチ側に制御して混合気を濃くすることで、燃焼室内の温度が低下するので、プレイグニッションを抑制することができる。
前記把握手段又は前記第1手段は、前記スイッチング素子のON遷移時、前記二次コイル及び前記イオン電流検出回路に流れる過渡電流が収束した直後から開始して、前記イオン電流検出回路の出力を把握するのが好適である。このような構成を採ることによって、ON遷移時に近接する2つ目の電流信号(放電ノイズ)を見逃すことがない。なお、前記スイッチング素子のON遷移時に先行するか、ON遷移時に同期して把握処理を開始しても良いのは勿論である。
また、前記把握手段又は前記第1手段は、前記点火プラグの正常放電後に発生する残留磁気ノイズの発生直前まで、前記イオン電流検出回路の出力を把握するのが好適である。
上記した本発明によれば、プレイグの発生を極めて簡易に、且つ確実に検出することができる。また、プレイグの発生原因を特定して、これに対応した適切な燃焼制御を実現することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1は、実施例に係る燃焼制御装置IGNを示す回路図である。
図示の通り、この燃焼制御装置IGNは、内燃機関の電子制御ユニットたるECU(Engine Control Unit)と、一次コイルL1と二次コイルL2とからなる点火コイルCLと、ECUから受ける点火パルスSGに基づく遷移動作によって一次コイルL1の電流をON/OFF制御するスイッチング素子Qと、二次コイルL2の誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグPGと、イオン電流検出回路IONとを中心に構成されている。
スイッチング素子Qは、ここではIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が使用されている。そして、スイッチング素子Qのコレクタ端子は、一次コイルL1を経由してバッテリ電圧VBを受けており、エミッタ端子は、グランドに接続されている。
イオン電流検出回路IONは、電流検出回路として機能するOPアンプAMPを中心に構成され、コンデンサC1、ツェナーダイオードZD、ダイオードD1,D2、抵抗R1〜R3を有して構成されている。なお、コンデンサC1とツェナーダイオードZDの並列回路によって、イオン電流検出時のバイアス電圧が生成される。
二次コイルL2の高圧端子は、点火プラグPGに接続され、低圧端子は、前記バイアス電圧を生成するコンデンサC1及びツェナーダイオードZDの並列回路に接続されている。そして、コンデンサC1及びツェナーダイオードZDの並列回路は、ダイオードD1を通して、グランドに接続されている。図示の通り、ダイオードD1のカソード端子がグランドに接続されている。
一方、ダイオードD1のカソード端子は、電流制限抵抗R1を経由してOPアンプの反転入力端子に接続されている。そして、OPアンプAMPの反転入力端子と出力端子の間に、電流検出抵抗R2が接続され、出力端子のグランド間には、負荷抵抗R3が接続されている。OPアンプの非反転端子は、グランドに接続され、反転端子と非反転端子の間には、ダイオードD2が接続されている。
本発明者は、上記したイオン電流検出回路IONを使用して、イオン電流信号Voを観測しつつ、プレイグに関して、種々の燃焼実験を繰り返した結果、後述する種々の有用な知見を得た。
図2〜図5は、本発明者の知見内容を説明するための図面であり、図2は、イオン電流検出回路IONの動作内容を説明するための図面である。また、図3〜図5は、プレイグが発生した場合における、イオン電流検出回路IONの各部の波形を示すタイムチャートである。
本発明者の知見によれば、(A)点火パルスSGの立上りタイミングT0で、点火プラグPGがON時放電した場合には、その後、近接してスパイク状のイオン電流信号が再度検出される(図3(b)参照)。(B)一方、例えば、燃焼室内にカーボンスラッジなどの熱源が存在すると、圧縮行程の混合気が、この熱源によって自己着火してプレイグ状態となるが、この場合には、スパイク状のイオン電流信号は検出されない(図4(b)参照)。(C)また、スパイク状のイオン電流信号が検出されるか否かに拘らず、プレイグ状態では、点火パルスSGの立下りタイミングT3で、点火プラグPGが、正常に放電しないことがある。そして、タイミングT3で、正常に放電しない場合には、タイミングT3の後にも、イオン電流信号が検出される(図5(b)参照)。
本発明者の発見した上記(A)〜(C)の現象については、明確に説明できない部分もあるが、以下、発明者の想像も含めて図2を参照しつつ、図3〜図5の動作内容を説明する。
先ず、点火パルスSGが立上るタイミングT0には、スイッチング素子QがON動作することで、一次コイルL1にコイル電流ic1が流れ始める。このスイッチング素子QのON遷移時、二次コイルL2には、その高圧端子が正レベルとなる誘起電圧が生じるので、この誘起電圧によって、点火プラグPGの漂遊容量を充電する過渡電流が瞬間的に流れると思われる(図2(a)参照)。
ところで、図1の燃焼制御回路IGNでは、イオン電流検出回路IONを機能させるために、逆方向放電を防止するダイオードを設けることができない。そのため、場合によっては、スイッチング素子QのON遷移時に、正レベルの誘起電圧によって点火プラグPGがON時放電する場合もある。
何れにしても、スイッチング素子QのON遷移時における過渡電流は、電流検出抵抗R2にも流れるので、OPアンプAMPの出力電圧Voは、短時間だけ高レベルとなる((図3(b)〜図5(b)参照)。なお、このタイミングT0では内燃機関は圧縮工程であるから、燃焼室内に導入された混合気は、加圧されることで温度が上昇する傾向となる。
図3(b)に示す通り、タイミングT0でON時放電が生じた場合には、近接するタイミングT1でもイオン電流信号Voが検出される。一方、近接するタイミングでイオン電流信号Voが検出されないことは(図4(b)参照)、ON時放電が生じていないことを意味するが、このことは実験的に確認している。
そして、その後、圧縮工程の混合気が更に温度上昇したタイミングにおいて、燃焼反応に関連すると思われるイオン電流信号Voが検出されることがある(図3(b)T2、図4(b)T2’、図5(b)T2”参照)。ここで、タイミングT2、T2’、T2”に生じるイオン電流信号Voが、燃焼反応に関連すると推定できるのは、イオン電流信号Voが点火パルスSGの立下りタイミングT3まで継続されることによる。なお、燃焼反応に関係すると思われるイオン電流信号Voは、通常は、タイミングT3で途絶えるが(図3、図4参照)、それは、イオン電流より格段に高レベルのプラグ放電電流が、図2(b)の経路で流れるためである。
したがって、もし、イオン電流信号Voが、タイミングT3で途絶えない場合には、それは、本来のタイミングT3で、点火プラグPGが放電していないためであると想像される。活発な燃焼反応の結果、点火プラグPGが導通状態であるような場合には、放電動作が認められないと思われる。
したがって、以上の現象を踏まえれば、一次コイルL1の通電中にイオン電流信号Voが検出され、そのイオン電流信号Voが一次コイルL1の通電終了タイミングまで持続する場合には、プレイグが発生していると判定することができる。また、一次コイルL1の通電終了直後に、点火プラグPGの放電期間を経ないままイオン電流信号が検出される場合にも、プレイグが発生していると判定することができる。更にまた、一次コイルL1の通電開始直後に、2つ目のイオン電流信号Voを検出すれば、ON時放電が生じていると判定することもできる。
図6は、以上の知見に基づいて構成された燃焼判定アルゴリズムを示すフローチャートである。図6に示す処理は、図3(c)〜図5(c)に示す計測ウインドWINの区間で実行される。すなわち、この検出処理は、スイッチング素子QがON遷移した後、過渡電流が収束したと思われるタイミングに開始され、スイッチング素子QがOFF遷移した後、残留磁気ノイズが発生する前に終了する。
図6のフローチャートにおいて、変数iはイオン電流信号Voの検出番号、VOL(i)はイオン電流信号Voの累積値(積分値)を格納する配列、WD(i)は有意レベルのイオン電流信号Voの継続時間を格納する配列、TIME(i)はイオン電流信号Voの取得タイミングを格納する配列、THはプレイグ検出用の閾値、変数DTはイオン電流信号VoがAD変換された取得データ、変数CTは有意レベルのイオン電流信号Voの継続時間を計測するためのカウンタ、変数TMは処理開始からの経過時間を計時するタイマ、変数FLGはイオン電流信号VoのH/Lレベルの推移を示すフラグである。
なお、この実施例では、割込み周期1/30mSの間隔で、タイマ割込み処理が起動するよう構成されている。そして、起動されたタイマ割込み処理において、割込みフラグINTがセットされると共に、タイマ変数TMが順次インクリメントされ、処理開始からの経過時間が計時されるようになっている。
以上を踏まえて図6について説明する。先ず、配列VOL、配列WD、及び配列TIMEの全領域をゼロクリアすると共に、タイマ変数TMをゼロクリアし、変数iを1に初期設定する(ST1)。次に、フラグFLGと、カウンタ変数CTとをゼロクリアする(ST2)。
ステップST1〜ST2の初期処理が終われば、現在が、プレイグ判定時か否かが判定される(ST3)。プレイグ判定時とは、計測ウインドWINの終期であり、図3〜図5に示すタイミングT4を意味する。先に説明した通り、この実施例では、タイマ割込み処理において、タイマ変数TMがインクリメントされているので、タイマ変数TMの値に基づいて、計測ウインドWINの終期か否かが判定される。
そして、プレイグ判定時に達していない場合には、現在が、イオン電流信号Voの取得タイミングか否かが判定される(ST4)。具体的には、割込み周期1/30mSのタイマ割込みが生じたか否か、割込みフラグINTの値に基づいて検出されるので、この実施例では、イオン電流信号Voを、サンプリング周波数30kHzで取得することになる。
そして、データ取得タイミングに達すると、セット状態の割込みフラグINTをリセットすると共に、ADコンバータをソフトウェア起動して(ST5)、開始されたAD変換処理が終わるのを待つ(ST6)。そして、AD変換の終了が確認されると、AD変換されたイオン電流信号Voを変数DTに取得する(ST7)。
次に、取得データDTが、閾値THと対比され(ST8)、取得データDTが、閾値THより小さい場合には(DT<TH)、ステップST10の処理に移行してフラグFLGの値が判定される(ST10)。閾値THは、十分に高いレベルに設定されているので、イオン電流信号Voが、単なるノイズレベルであれば、DT<THとなって、フラグFLGの値が判定される。
フラグFLGは、初期段階ではゼロに設定されているが(ST2)、イオン電流信号Voが閾値を超えた後は、フラグFLGが1となっている(ST9)。したがって、FLG=0であれば、イオン電流信号Voが、継続して低レベルであることを意味するので、ステップST3に移行して、次回のデータ取得タイミングに達するのを待つことになる。
一方、ステップST10のタイミングにおいてFLG=1であれば、一旦、高レベルに上昇したイオン電流信号Voが、その後に低レベルに降下したことを意味する。そこで、この場合には、イオン電流信号Voが高レベルを維持した状態で、カウンタ変数CTで計測された継続時間を、配列WDのi番目の要素として格納すると共に、現在のタイミングを示すタイマ変数TMの値を、配列TIMEのi番目の要素として格納する(ST11)。この処理によって、イオン電流信号Voに関する、i番目の有意データについての処理が終わるので、変数iをインクリメントして、ステップST2に移行する(ST11)。その結果、カウンタ変数CTは、ゼロに初期設定され、フラグFLGもゼロに初期設定される(ST2)。
ところで、ステップST8の判定において、イオン電流信号Voの取得値DTが、閾値TH以上であると判定される場合には、その取得値DTを、配列VOLのi番目の要素に加算する(ST9)。この処理によって、配列VOL(i)には、連続して有意レベルを示すイオン電流信号Voの総和値(積分値)が格納されることになる。
また、ステップST9では、フラグFLGを1にセットすると共に、カウンタ変数CTをインクリメントしてステップST3の処理に戻る。ステップST9におけるカウンタ変数CTのインクリメント処理は、イオン電流信号Voが継続して有意レベルを示す時間を計測する処理に他ならず、カウンタ変数CTには、計測された継続時間が格納される。なお、この継続時間は、イオン電流信号Voが立ち下がった瞬間に、ステップST11の処理によって、配列WD(i)に格納される。
以上のような処理を繰返していると、やがて、プレイグ判定時に達する(ST3)。そして、このプレイグ判定タイミングでは、先ず、フラグFLGの値が判定され(ST12)、もし、FLG=1であれば、ステップST9の処理によって計測されていた継続時間を配列WD(i)に格納する(ST13)。
このタイミングにおける変数iの値は、計測ウインドWINの区間中、閾値THを超える有意レベルのイオン電流信号Voが、合計で何個検出されたかを示している。正常な運転状態であれば、検出個数i=0の筈であるが、タイミングT1における逆方向放電や、プレイグが生じた異常時にはi≠0となっている。
例えば、検出個数i=1であれば、ON時放電は生じたが、プレイグには至っていないと推定することができる。或いはまた、検出個数i=1の場合には、ON時放電が生じることなく、プレイグに至った可能性もある。
但し、いずれの事態が発生したかは、イオン電流信号Voが有意レベルを示した継続時間WD(1)や、積分値VOL(1)や、データ取得タイミングTIME(1)によって推定することができる。
また、検出個数i=2であれば、ON時放電が生じた後に、それがプレイグに至ったと推定することができる。
そこで、変数iの値nと、配列TIME(1)〜TIME(n)、配列WD(1)〜WD(n)の値と、配列VOL(1)〜VOL(n)の値とを総合評価して、今回の点火サイクルにおいて、プレイグが発生したか否かを判定する(ST14)。そして、プレイグ発生と判定される場合には、次に、その原因がON時放電によるか否かを判定する(ST16)。
そして、ON時放電が発生したと認められる場合には、EUCが異常報知の適宜な処理を実行すると共に、次回の点火サイクルにおいて、点火パルスSGの発生タイミングを遅角させるよう制御する(ST17)。この制御の結果、次の点火サイクルでは、逆方向放電が生じにくくなるので、プレイグの発生も抑制される。
一方、ON時放電の発生が認められない場合には、この点火サイクルでは熱源によるプレイグが生じていたことになる。そこで、このような判定結果となる場合には、次の点火サイクルでは、燃料の噴射量を増加するよう燃焼制御を実現する(ST18)。その結果、次の点火サイクルでは、空燃比がリッチ側になり、燃焼室の温度が低下するので、プレイグの発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、イオン電流の検出手法は、最も簡易な方法を説明したに過ぎず、より精密な検出方法を採ってもよいのは勿論である。
また、イオン電流検出回路の回路構成についても適宜に変更しても良い。
L1 一次コイル
L2 二次コイル
CL 点火コイル
ECU 制御装置
SG 点火信号
Q スイッチング素子
PG 点火プラグ
ION イオン電流検出回路
ST14 第1手段
ST14 第2手段
ST17 第3手段
ST18 第3手段
L2 二次コイル
CL 点火コイル
ECU 制御装置
SG 点火信号
Q スイッチング素子
PG 点火プラグ
ION イオン電流検出回路
ST14 第1手段
ST14 第2手段
ST17 第3手段
ST18 第3手段
Claims (8)
- 一次コイルと二次コイルとからなる点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、前記点火プラグの正常な放電方向とは逆向きの電流を検出するイオン電流検出回路と、を有して構成され、
前記制御装置は、
前記スイッチング素子のON動作中からOFF遷移後まで、前記イオン電流検出回路の出力を把握する把握手段と、
前記OFF遷移時に点火プラグの正常放電を検出しない状態で、前記OFF遷移直後に、有意な電流検出信号が検出された場合には、異常状態が発生したと判定する異常検出手段と、
を有して構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 一次コイルと二次コイルとからなる点火コイルと、前記一次コイルの通電を制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子に点火信号を供給してON/OFF動作させる制御装置と、前記二次コイルの誘起電圧を受けて放電動作をする点火プラグと、前記点火プラグの正常な放電方向とは逆向きの電流を検出するイオン電流検出回路と、を有して構成され、
前記制御装置は、
前記スイッチング素子のON動作中からOFF遷移後まで、前記イオン電流検出回路の出力を把握して、有意な電流信号が検出されるか否かを判定する第1手段と、
前記第1手段の判定により有意な電流信号が検出された場合には、前記スイッチング素子のON遷移動作に対応して、前記点火プラグが異常放電したか否かを判定する第2手段と、
前記第2手段の判定結果に対応して、その後の燃焼制御方法を変更する第3手段と、
を有して構成されていることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。 - 前記第2手段は、前記スイッチング素子のON遷移時に近接して、2つ目の電流信号を検出するか否かに応じて、前記点火プラグが異常放電したか否かを判定している請求項2に記載の燃焼制御装置。
- 前記第3手段は、第2手段によって異常放電が発生したと判定される場合には、その後の点火サイクルにおける点火信号を遅角させる請求項2又は3に記載の燃焼制御装置。
- 前記第3手段は、第2手段によって異常放電が発生していないと判定される場合には、その後の点火サイクルにおける燃料噴射量を増加させる請求項2又は3に記載の燃焼制御装置。
- 前記燃焼制御装置には、前記点火プラグの逆向きの異常放電を阻止するダイオードが配置されていない請求項1〜5の何れかに記載の燃焼制御装置。
- 前記把握手段又は前記第1手段は、
前記スイッチング素子のON遷移時、前記二次コイル及び前記イオン電流検出回路に流れる過渡電流が収束した直後から開始して、前記イオン電流検出回路の出力を把握している請求項1〜6の何れかに記載の燃焼制御装置。 - 前記把握手段又は前記第1手段は、
前記点火プラグの正常放電後に発生する残留磁気ノイズの発生直前まで、前記イオン電流検出回路の出力を把握している請求項1〜7の何れかに記載の燃焼制御装置。
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RU2572281C2 (ru) * | 2010-08-05 | 2016-01-10 | Форд Глобал Технолоджис, ЛЛК | Способ и система контроля преждевременного зажигания |
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2008
- 2008-09-04 JP JP2008227486A patent/JP2010059885A/ja not_active Withdrawn
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JP2013536918A (ja) * | 2010-09-06 | 2013-09-26 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 内燃機関における早期着火を検出するためのシステムにエラーが生じた場合に非常運転モードを設定するための方法および装置 |
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