JP2010059539A - 廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法 - Google Patents

廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属めっきがなされた廃プラスチックを資源としても利用できるほか、更には、エッチング廃液に含まれる金属の回収も可能な廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法を提供する。
【解決手段】表面にクロム、銅、及びニッケルのいずれか1又は2以上を有する金属めっきがなされた廃プラスチックを、塩化第二鉄を含むエッチング廃液に浸漬して、廃プラスチックから金属めっきを除去する工程Aと、金属めっきを除去した廃プラスチックを洗浄して、廃プラスチックを回収する工程Bと、金属めっきの成分を含むエッチング廃液を化学反応させて、含まれる鉄以外の金属成分を個別に回収する工程Cと、金属成分が除去されたエッチング廃液を酸化して、エッチング新液を製造する工程Dとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に銅、ニッケル、クロムのいずれか1又は2以上からなる金属めっきがなされた廃プラスチックをエッチング廃液を用いて金属めっきの除去処理を行い、更にエッチング廃液と金属めっきの成分を再生する廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法に関する。
従来、プラスチック製品には、銅、ニッケル、クロム等のめっきが施されたものが多く出回っている。これらのプラスチック製品は生産途中で不良品が大量に発生する場合や、更に加工を行った後に廃品が発生する場合がある。また、プラスチック製品の多くは使用後は廃棄処分されている。これらは、従来、そのまま焼却処理や埋立て処理をして廃棄されており、例えば、特許文献1に記載のように加熱分解する方法が多く行われていた。
また、プラスチックの表面にめっきされた金属を溶解させる技術については、例えば、特許文献2、特許文献3に記載されている。特許文献2には、下地金属層を介して金めっきがなされたプラスチックを塩化第二鉄液に入れて、下地金属層を腐食させて金めっきを回収する技術が提案されている。また、特許文献3には、合成樹脂の表面に形成された金属めっきを、塩化第二鉄で溶解させることが記載されている。
更には、塩化第二鉄を含むエッチング廃液の処理方法としては、例えば、特許文献4、5に記載のように、エッチング廃液中の第二鉄イオンを第一鉄イオンに還元し、還元した廃液から金属めっきを除去し、次にこの液に含まれる塩化第一鉄を酸化して塩化第二鉄とする方法が提案されている。
特開2005−154518号公報 特開2007−31760号公報 特開昭52−133830号公報 特開2000−199086号公報 特開平11−36087号公報
しかしながら、特許文献2、3の技術においては、エッチング液としては、未使用のエッチング液(新たに製造されたエッチング液、及び再生されたエッチング液からなる)が使用されている。そして、一旦使用されたエッチング廃液は、内部にエッチング時に除去された金属成分を含むので、再度の使用は行われず、特許文献4、5に記載の方法又はこれらに類似した方法によって、再生処理が行われていた。
本発明者は、使用済みのエッチング廃液について、鋭意研究したところ、使用済みのエッチング廃液においても、塩化第二鉄を400〜650g/L含み、そのままでも十分に金属を溶かす液として使用でき、対象物によっては十分にその機能を発揮できることを確認して本発明を完成した。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、金属めっきがなされた廃プラスチックを資源として利用できるほか、更には、エッチング廃液に含まれる金属の回収も可能な廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法は、表面にクロム、銅、及びニッケルのいずれか1又は2以上を有する金属めっきがなされた廃プラスチックを、塩化第二鉄を含むエッチング廃液に浸漬して、前記廃プラスチックから前記金属めっきを除去する工程Aと、前記金属めっきを除去した廃プラスチックを洗浄して、該廃プラスチックを回収する工程Bと、前記金属めっきの成分を含むエッチング廃液を化学反応させて、含まれる鉄以外の金属成分(例えば、銅、ニッケル)を個別に回収する工程Cと、前記金属成分が除去されたエッチング廃液を酸化して、エッチング新液を製造する工程Dとを有する。
本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の工程Aにおいて、前記金属めっきがなされた廃プラスチックを前記エッチング廃液に浸漬する前に、酸洗を行って該廃プラスチックに付着する酸化物を除去して、前記エッチング廃液に浸漬するのが好ましい。この方法は、廃プラスチックの表面に形成されている金属めっきが酸化している場合等において特に好ましい。なお、この場合の酸洗液に塩酸を使用している場合は、再度洗浄して塩酸を除去する必要はないが、塩酸以外の酸(例えば、硫酸)を使用する場合は、酸洗後洗浄するのが好ましい。この塩酸は、金属めっきの表面に形成されている酸化物を除く働きをする。
ここで、含まれる鉄以外の金属成分とは、クロム、銅、ニッケルをいうが、これを工程Cで完全に除去することは事実上困難であるので、再生されたエッチング新液がエッチング液として支障のない範囲で、これらの金属成分を含む場合も本発明は適用される。
また、本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の工程Aにおいて、前記エッチング廃液には予め5〜25質量%の塩酸が添加されているのが好ましい。これによって、金属めっきの表面に酸化物があるとこれを溶かし、金属めっきを露出させる。なお、金属めっきの表面が酸化されると、エッチング廃液に溶解しにくくなるが、塩酸を混合することで、エッチング廃液に金属めっきが溶解しにくくなるという障害を無くすることができる。
本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、前記金属めっきの表面に更に塗装膜又はフィルムが被覆されている場合には、該塗装膜又はフィルムを高圧水(超高圧水も含む)で除去した後、前記工程Aでの処理が行われるのが好ましい。
ここでの高圧水の圧力は、50Mpa〜400Mpaのものを使用するのが好ましい。
本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、前記廃プラスチックは、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、及びアクリロニトリルスチレン共重合樹脂のうちの1種類であるのがよい。ここで、1種類のプラスチックに限定したのは、複数のものとすると、最終的にこれらのプラスチックが混在して、純正品のプラスチックが再生できないからである。
本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法においては、廃プラスチックの表面に形成されている金属めっきを除去する液として、エッチング廃液を使用しているので、エッチング廃液の再度の有効利用が可能となる。そして、金属めっきをこのエッチング廃液で除去した後は、廃プラスチックを洗浄してエッチング廃液を除去しているので、仮にエッチング廃液に予期しない不純物が混入していても、再生された廃プラスチックに混入することはない。
そして、めっき金属が新たに加わったエッチング廃液は、化学反応によって、鉄以外の金属成分を除去して回収しているので、元々エッチング廃液に混入していた金属成分と、廃プラスチックの表面に形成されていた金属めっきの金属成分(例えば、銅、ニッケル)とを同時に回収できる。
従って、本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、エッチング廃液の再生処理が結果として1回で済み、これと同時に廃プラスチックの資源としての回収も行える。
特に、本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の工程Aにおいて、廃プラスチックをエッチング廃液に浸漬する前に、酸洗を行って廃プラスチックに付着する酸化物を除去した場合には、金属めっきが露出するので、エッチング廃液と金属めっきの馴染みがよくなり、金属めっきの除去性が増す。これによって、金属めっきの除去が短時間でより完全に行える。
そして、この酸洗に塩酸(濃塩酸)を使用した場合には、この塩酸の一部が最終的にエッチング新液の汚染を起こさないので、酸洗後の廃プラスチックの洗浄を省略することが可能となる。なお、酸洗に塩酸以外の酸を使用した場合には、酸洗後に廃プラスチックの洗浄を行い酸洗液を除去する必要がある。
また、本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の工程Aにおいて、エッチング廃液に予め5〜25質量%の塩酸を添加した場合には、塩化第二鉄では除去できない金属めっきの酸化物を除去でき、金属めっきの表面が露出し、エッチング廃液に含まれる塩化第二鉄との反応がよくなる。なお、塩酸は最終的には塩化第二鉄となるので、エッチング新液を汚染しない。
本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、金属めっきの表面に更に塗装膜又はフィルムが被覆されている場合には、高圧水で除去するので、金属めっきの表面が露出し、エッチング廃液との反応がよくなる。
なお、エッチング廃液とはエッチング新液(新たに製造したエッチング液、及びエッチング廃液から再生したエッチング液を含む)をエッチング処理に使用した後の液をいう。
そして、本発明に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、廃プラスチックを、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂のうちの1種類とした場合には、製品となる廃プラスチックに不純物となるプラスチックが存在しないことになるので、より純度の高いプラスチックを再生できる。
本発明の一実施の形態に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の処理工程図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法によって、処理されるエッチング廃液と廃プラスチックを準備する。エッチング廃液はめっき溶解槽に入れる。
このエッチング廃液には、元となるエッチング液の使用状況にもよるが、塩化第二鉄を、例えば400〜650g/L(この実施の形態では590g/L、L:リットル)、塩化第一鉄を5〜200g/L(この実施の形態では61g/L)、銅を0〜150g/L(この実施の形態では20g/L)、ニッケルを0〜50g/L(この実施の形態では2.3g/L)、クロムを0〜15g/L(この実施の形態では0.7g/L)含んでいる。即ち、このエッチング廃液には塩化銅、塩化ニッケル、塩化第一鉄が存在している。このエッチング廃液をめっき溶解槽に入れる。
廃プラスチックについては、同一種類(例えば、ABS樹脂:アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂)のものを集め、必要な場合、クラッシャを用いて所定大きさ(例えば、10cm以下)に破砕する。この廃プラスチックには、素地表面に銅めっき、その上にニッケルめっきが、更にその上にクロムめっきがなされている。
なお、この実施の形態においては、廃プラスチックの素材がABS樹脂であったが、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂のうちの1種類、即ち、1種類の熱可塑性樹脂であれば、本発明は適用できる。特に、1種類のプラスチック素材であれば、再生されたプラスチックが他の種類のプラスチックによって汚染されることがない。
これらの廃プラスチックは、ごみや汚れが付着していると、その後の処理に支障があるので、通常は洗浄を行う。また、廃プラスチックの表面に塗装膜やフィルムが被覆されている場合、この塗装又はフィルムを高圧水(即ち、超高圧水)で除去した後、洗浄処理する。この高圧水の水圧とは、ポンプ等での昇圧後の圧力を指し、例えば、50MPa以上400MPa以下(好ましくは、下限を100MPa、上限を300MPa、更には220MPa)にするとよい。以下、水圧を100〜180MPaに調整して、塗装の除去試験を行った結果について説明する。
塗装が、黒色や白色のように単色の場合は、水圧を100MPaとすることで、塗装を容易に剥離できた。特に、白色の場合は、100MPa以下でも剥離が可能であった。
一方、メタリック(銀、桃、黄土)の場合は、水圧を120MPa以上とすることで、塗装を剥離できた。なお、高圧水を噴出する洗浄用ノズルの形状は、従来公知の扇形の他、噴出水が偏心回転、中心回転するもの等のいずれでもよい。この各種ノズルを使用し、高圧水の水圧、廃プラスチックとの距離、及び高圧水の吹付け時間を、それぞれ設定することで、金属めっきの表面の塗装を全て剥離できることを確認できた。
廃プラスチックの金属めっきの一部が酸化している場合、又は酸化物が付着している場合には、予め塩酸に漬けて、酸化物を除去するのがよい(ステップ1)。この場合、塩酸は、10〜35質量%(より好ましくは、15〜35質量%)のものを使用する。この塩酸による酸洗時間は常温で、4〜20分程度である。なお、ここで、塩化第二鉄を多量に含むエッチング廃液のみでは、金属めっきの上に形成された酸化物の除去は困難である。また、金属めっきの表面に酸化物がない場合には、当然のことながら、この酸洗工程(ステップ1)は省略できる。酸洗処理において、金属めっきの形成された廃プラスチックは、塩酸及びエッチング廃液に対して耐蝕性を有する金属や樹脂製の網籠(ネット)に入れ、酸洗槽に漬けて行う。
次に、網籠に入れた廃プラスチックを、前記した溶解槽に入れる。この溶解槽にはエッチング廃液が入っているので、廃プラスチックはエッチング廃液に浸漬されることになる(ステップ2)。ここで、溶解槽に入っているエッチング廃液の量は3立法メートル程度で、廃プラスチックの量は50〜100kg程度である。廃プラスチックのエッチング廃液への浸漬時間は、30分から8時間程度であり、エッチング廃液自体の流速、エッチング廃液中の塩化第二鉄の濃度、廃プラスチックの状態によって変化するが、長時間廃プラスチックをエッチング廃液に浸漬しても、廃プラスチックが溶けることはないので、特に問題はない。
以上の処理によって金属めっきが除去された廃プラスチックは、水を用いて洗浄され(ステップ3)、付着していたエッチング廃液が除去される。なお、必要な場合、更に塩酸洗浄及び水洗いを行って付着している金属分を略完全に除去するようにしてもよい。
この後、廃プラスチックは、乾燥等によって水分を除去し、略純粋なABS樹脂の素材となる。このABS樹脂は、更に適当な大きさに破砕されて、バージンの樹脂に混合して使用されるか、又はそのまま溶解して、製品又はペレット状に固める。
使用後のエッチング廃液は、そのまま還元槽に入れる。この還元槽は小型の貯留槽又は透過槽からなって、内部に鉄スクラップ又はニッケルめっきがなされたスクラップ等が配置され、該スクラップにエッチング廃液を短時間接触することで、含まれる塩化第二鉄(の一部)を塩化第一鉄に還元する(ステップ4)。ここでの反応において、スクラップの代わりに鉄粉を使用することも可能であるが、スクラップの方が安価である。
次に、この還元反応を終えたエッチング廃液を脱銅槽に入れて、鉄粉を酸化還元電位を調整しながら少量ずつ入れる。これによって、イオン化傾向の小さい銅は、鉄粉に付着して析出するので、エッチング廃液と銅粉(鉄粉に付着した場合も含む)からなるスラリーから液体サイクロン、重力選別等で回収する。なお、脱銅槽には低速度の攪拌装置を設けて、適当に鉄粉とエッチング廃液の混合を促進するのがよい(ステップ5)。また、ここで、大量の鉄粉を脱銅槽に入れると、イオン化傾向のより大きいニッケルも析出するので、銅が析出しニッケルが析出しないように、酸化還元電位を確認しながら鉄粉を入れるのがよい。
脱銅処理がなされたエッチング廃液を脱ニッケル槽に入れて、更に鉄粉を追加し、脱ニッケル反応を起こさせる(ステップ6)。この場合、脱ニッケル槽にも脱銅槽と同様、攪拌装置を備えている。処理液中には、含まれる鉄、クロムによって、水酸化鉄、水酸化クロムも生じ、懸濁状態で浮遊している。また、析出したニッケルは鉄粉に付着して析出するので、ニッケルの付着した鉄粉を脱ニッケル槽の底から回収する。
脱ニッケル槽には水酸化鉄、水酸化クロムが懸濁してスラリー状となるので、固液分離機(デカンダー)で固液分離を行う(ステップ7)。これによって、鉄の水酸化物及びクロムの水酸化物か除去される。
水酸化鉄、水酸化クロムはこれを焼成して酸化鉄、酸化クロムにして回収することもできるが、水酸化クロムは三価のクロムだけであるので、溶出試験で安全であることを確認の後、埋め立て処分をすることもできる。
次に、それぞれ化学反応による脱銅処理、脱ニッケル処理、及び脱クロム処理がなされたエッチング廃液(塩化第一鉄を主体とする溶液)は、塩素ガスを使って、含まれる塩化第一鉄を塩化第二鉄に酸化させる(ステップ8)。これによって、エッチング新液となる。このエッチング新液の成分は、塩化第二鉄が550〜850g/L(この実施の形態では670g/L)、塩化第一鉄が0.4g/L以下(この実施の形態では0.3g/L)、銅が0.1g/L以下(この実施の形態では0.9mg/L)、ニッケルが0.2g/L以下(この実施の形態では56mg/L)、クロムが0.1g/L以下(この実施の形態では6mg/L)の微量となっている。
前記実施の形態において、廃プラスチックの表面の金属めっきが酸化している場合には、塩酸等を用いて酸洗をすることが好ましいが、エッチング廃液内に塩酸を加えてもよい。この場合の塩酸の濃度は、5〜25質量%になるようにするのが好ましい。これによって、エッチング廃液の溶解能力が強化され、金属めっきの表面に酸化物が存在する場合であっても、酸化物を溶解し、金属めっきも溶解する。
なお、エッチング廃液中に塩酸を混ぜると、大量の塩酸を消費するが、塩酸だけで廃プラスチックを酸洗する場合、塩酸は所定の濃度を維持する限り、繰り返し使用できるので、塩酸の消費が少なくて済む。
なお、酸洗の過程で、塩酸の代わりに他の酸(例えば、硫酸)を使用しても酸化物の除去は可能であるが、酸洗後十分に水洗して、エッチング廃液中への硫酸の混入を防止することが必要となる。この点、塩酸の場合は、酸洗後水洗を行う必要はない。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、廃プラスチックとして、ABS樹脂製の対象素地の表面に、銅とニッケルの金属めっきが順次形成された製品の再生を行った。なお、銅とニッケルの金属めっきは、無電解めっきと電気めっきにより、対象素地の表面に形成されている。
まず、金属めっきが形成された廃プラスチック(即ち、金属めっき施工物)を、塩化第二鉄液中に、1回あたり100kg浸漬させ、金属めっきを塩化第二鉄液に溶解させた。この試験は、合計8回行った。なお、使用した塩化第二鉄液の塩化第二鉄の濃度は37.3質量%(8回平均)、塩化第二鉄液への浸漬時間は10時間と15時間の2通りとした。
次に、塩化第二鉄液中から、対象素地を取り出し、水洗い、塩酸洗浄、水洗いの順序で、対象素地の表面に付着した塩化第二鉄液を除去した。なお、塩酸洗浄は、塩酸濃度が10質量%の洗浄液を使用し、1回あたり6分行った。また、水洗いは、対象素地の表面に満遍なく水を流す程度に行った。
これにより、金属めっきの付着がない対象素地が得られた。なお、この対象素地の表面精度と物性(引っ張り強度、引っ張り伸び、アイゾット衝撃強度)は、未使用のABS樹脂と同等であることを確認できた。
以上のことから、本発明の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法を使用することで、処理コストや設備コストを過剰にかけることなく、金属めっき施工物から対象素地と金属めっきの金属成分を個別に回収して再利用でき、資源の有効利用が図れることを確認できた。
なお、ここでは、塩化第二鉄液を使用した場合について示したが、塩酸が添加された塩化第二鉄液を使用した場合についても、良好な結果が得られることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。

Claims (6)

  1. 表面にクロム、銅、及びニッケルのいずれか1又は2以上を有する金属めっきがなされた廃プラスチックを、塩化第二鉄を含むエッチング廃液に浸漬して、前記廃プラスチックから前記金属めっきを除去する工程Aと、
    前記金属めっきを除去した廃プラスチックを洗浄して、該廃プラスチックを回収する工程Bと、
    前記金属めっきの成分を含むエッチング廃液を化学反応させて、含まれる鉄以外の金属成分を個別に回収する工程Cと、
    前記金属成分が除去されたエッチング廃液を酸化して、エッチング新液を製造する工程Dとを有することを特徴とする廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法。
  2. 請求項1記載の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の工程Aにおいて、前記金属めっきがなされた廃プラスチックを前記エッチング廃液に浸漬する前に、酸洗を行って該廃プラスチックに付着する酸化物を除去して、前記エッチング廃液に浸漬することを特徴とする廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法。
  3. 請求項2記載の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、前記酸洗には塩酸を使用することを特徴とする廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法。
  4. 請求項1記載の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法の工程Aにおいて、前記エッチング廃液には予め5〜25質量%の塩酸が添加されていることを特徴とする廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1記載の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、前記金属めっきの表面には更に塗装膜又はフィルムが被覆されており、該塗装膜又はフィルムを高圧水で除去した後、前記工程Aでの処理が行われることを特徴とする廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1記載の廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法において、前記廃プラスチックは、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、及びアクリロニトリルスチレン共重合樹脂のうちの1種類であることを特徴とする廃プラスチック及びエッチング廃液の再資源化方法。
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