JP2010059256A - 可逆熱変色性液状組成物及びそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Abstract
Description
前記した従来の可逆熱変色性液状組成物は、含有される可逆熱変色性組成物の電子供与性呈色性有機化合物としてアザフタリド系化合物を用いている。
前記アザフタリド系化合物を用いた可逆熱変色性組成物は、発色状態においては青色の色調を呈するものの、着色状態で長期間放置した後、消色状態にすると褐変(着色)を生じ易く、繰り返しの可逆熱変色機能を損なうものであった。
即ち、本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物として下記一般式(1)で示されるフルオラン誘導体と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料と、樹脂を含むビヒクルとからなる可逆熱変色性液状組成物を要件とする。
更には、前記可逆熱変色性液状組成物を軸筒内に収容し、前記軸筒内のインキ組成物を導出するペン体を備えた筆記具、摩擦部材を備えてなる前記筆記具等を要件とする。
前記可逆熱変色性組成物は、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性を有する(図1参照)。
また、大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性組成物も適用できる(図2参照)。
前記一般式(1)で示されるフルオラン系化合物は、3′と6′の位置にフェニルアミノ基を有する。
そのうち、3′と6′の位置のフェニルアミノ基が同一(対称)の化合物としては、
3´,6´−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン
3´,6´−ビス(ジフェニルアミノ)−スピロ〔イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン〕−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−プロピルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−プロピルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−ブチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−ヘキシルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−オクチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(2,3−ジメチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(2,4−ジメチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔ジ−(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔ジ−(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔ジ−(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔ジ−(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔(3−エチルフェニル)(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔(3−エチルフェニル)(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔(4−エチルフェニル)(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−メトキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−エトキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−メトキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−プロピルオキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(3−ヘキシルオキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´,6´−ビス〔フェニル(4−オクチルオキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン等が挙げられる。
また、3′と6′の位置のフェニルアミノ基が異なる化合物としては、
3´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−プロピルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−ブチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−ペンチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−ヘキシルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−ジフェニルアミノ−6´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−ジフェニルアミノ−6´−〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−ジフェニルアミノ−6´−〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−6´−ジフェニルアミノ−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−6´−ジフェニルアミノ−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−6´−ジフェニルアミノ−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−メトキシフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エトキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−メトキシフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3´−〔フェニル(3−エトキシフェニル)アミノ〕−6´−〔フェニル(4−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9´−〔9H〕キサンテン]−3−オン等が挙げられる。
なお、前記フルオラン系化合物のうち、良好な可逆熱変色特性を示すためには、各窒素に結合するフェニル基には、アルキル基、或いは、アルコキシ基が置換されていることが好ましい。これは、アルキル基、或いは、アルコキシ基を有することによって(ハ)反応媒体に対する溶解性が向上し、良好な発色濃度、消色特性を示すからである。
前記アルキル基、或いは、アルコキシ基として好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、或いは、炭素数1〜4のアルコキシ基が用いられる。
また、3′と6′の位置のフェニルアミノ基は同一(対称)構造が化合物の合成に優れるため好ましい。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及び、ビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記各化合物を用いてマイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は、低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために炭素数10以上の化合物が好適に用いられる。
アルコール類としては、炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等が挙げられる。
具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7−ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12−ヒドロキシステアリン酸2−メチルペンチル、18−ブロモステアリン酸2−エチルヘキシル、2−ケトミリスチン酸イソステアリル、2−フルオロミリスチン酸2−エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等が挙げられる。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデルシ、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等が挙げられる。
更には、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等が挙げられる。
前記式(1)で示される化合物のうち、R1が水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にR1が水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
なお、式(1)で示される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(2)で示される化合物が用いられる。
前記化合物として具体的には、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
前記化合物として具体的には、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチルを例示できる。
前記化合物としては、マロン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、こはく酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、こはく酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、グルタル酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アジピン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、アジピン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、アジピン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、ピメリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(3−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(4−クロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、スベリン酸と2−〔4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステル、アゼライン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、セバシン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,10-デカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールとのジエステル、1,18-オクタデカンジカルボン酸と2−〔4−(2−メチルベンジルオキシ)フェニル)〕エタノールとのジエステルを例示できる。
前記光安定剤は、(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために含有され、(イ)成分1質量%に対して0.3〜24質量%、好ましくは0.3〜16質量%の割合で含有される。又、前記光安定剤のうち、紫外線吸収剤は、太陽光等に含まれる紫外線を効果的にカットして、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する。又、酸化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等は、光による酸化反応を抑制する。
前記光安定剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
前記マイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、粒子径0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜30μmの範囲が実用性を満たす。
尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
本発明で使用されるビヒクルは溶剤と樹脂と各種添加剤から構成される。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリスチレン、クマロンプラスチック、ポリブテン、フェノキシプラスチック、液状ポリブタジエン、液状ゴム、石油系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系石油樹脂等の合成中分子ポリマー。
セルロース誘導体、アルギン酸誘導体、ロジン誘導体、デンプン類、多糖類、ガム類、天然ゴム、セラック、寒天、ガゼイン、ニカワ、ゼラチン、ポリテルペン等の天然又は半合成樹脂等が挙げられる。
前記添加剤としては、非熱変色性着色剤、架橋剤、硬化剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡剤、カップリング剤、保湿剤、防黴剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。
前記ビヒクルとして塗料用ビヒクルを用いれば可逆的熱変色性塗料となる。
塗装方法には、刷毛塗り、スプレー塗装、静電気塗装、浸漬塗装、流し塗り、ローラー塗装、光重合塗装等があり、これらの塗装方法、塗装対象素材に応じて蒸発乾燥型、浸透乾燥型、エマルジョン型、酸化重合型、熱硬化樹脂型、光硬化樹脂型等から選ばれる塗料が調製される。
ビヒクルとして印刷インキ用ビヒクルを用いれば可逆的熱変色性印刷用インキが調製される。
印刷方法には、凹版、凸版、平版、孔版、コーター等による印刷方法があり、これらの印刷方法、印刷対象素材に応じて蒸発乾燥型、浸透乾燥型、エマルジョン型、酸化重合型、熱硬化樹脂型、光硬化樹脂型等から選ばれる印刷用インキが調製される。
ビヒクルとして筆記具インキ用ビヒクルを用いれば可逆的熱変色性筆記具用インキが得られる。
ビヒクルとして絵の具用ビヒクルを用いれば可逆熱変色性絵の具が得られる。
ビヒクルとして繊維処理用バインダーを用いれば繊維用着色液が得られる。
繊維着色処理方法としては、浸漬、スプレー塗装等があり、処理方法、対象素材に応じて、適宜の組成の繊維用着色液が調製される。
ビヒクルとして化粧料用ラッカーを用いれば化粧料が得られる。
化粧料には、マニキュア用化粧料、メイクアップ用化粧料、毛髪用化粧料等があり、化粧対象に応じて、各種の組成の化粧料が調製される。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む筆記具用インキ組成物としては、剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキ、水溶性高分子凝集剤によりマイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インキを挙げることができる。更に、マイクロカプセル顔料とビヒクルとの比重差を0.05以下になるよう調節したインキを挙げることもできる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記インキには顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子凝集剤であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が最も有効に作用する。
前記高分子凝集剤はインキ組成物全量に対し、0.05〜20質量%配合することができる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
更に、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
着色剤として前記マイクロカプセル顔料と共に、通常の染料や顔料(非変色性着色剤)を併用することによって、筆記時には着色剤の色調が混色となった筆跡が視認され、前記筆跡に加熱又は冷熱の適用や変色液の付着によって、非変色性着色剤の色調を視認可能な構成とすることもできる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に剪断減粘性インキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜3.0mm、好ましくは0.4〜1.5mm、より好ましくは0.4〜1.0mm径程度のものが適用できる。
前記インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを樹脂製、金属製等の軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体は、増粘剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、前記増粘剤としては表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物等を挙げることができる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記マーキングペンチップは、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体、フェルト体等の従来より汎用の気孔率が概ね30〜70%の範囲から選ばれる連通気孔の多孔質部材であり、一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工して実用に供される。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。
また、前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
なお、色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料を用いた場合、変色した状態が常温域で維持されるため、前記筆跡を再び変色させるために加温又は冷却する必要がある。
加熱手段としては、ドライヤーを用いたり、指で擦る方法が挙げられるが、摩擦部材や摩擦体を用いて摩擦することにより消色させることが好ましい。
前記摩擦部材や摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
前記摩擦部材や摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。
前記摩擦部材は筆記具に固着させることにより、携帯性に優れたものとなる。
前記摩擦部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒先端部(筆記先端部を設けていない部分)等を挙げることができる。
実施例1
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3′,6′−ビス(ジフェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン1.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン5.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料懸濁液から顔料を遠心分離により単離し、青色から無色に変色する平均粒子径が2μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記可逆熱変色性組成物の完全発色温度(t1)は−15℃、発色開始温度(t2)は−5℃、消色開始温度(t3)は47℃、完全消色温度(t4)は62℃であった。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3′,6′−ビス[フェニル(3−メチルフェニル)アミノ]−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン1.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン8.0部、(ハ)成分としてステアリン酸ステアリル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料懸濁液から顔料を遠心分離により単離し、青色から無色に変色する平均粒子径が2μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記可逆熱変色性組成物の完全発色温度(t1)は43℃、発色開始温度(t2)は51℃、消色開始温度(t3)は45℃、完全消色温度(t4)は58℃であった。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−−4−アザフタリド1.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン5.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料懸濁液から顔料を遠心分離により単離し、青緑色から無色に変色する平均粒子径が2μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記可逆熱変色性組成物の完全発色温度(t1)は−18℃、発色開始温度(t2)は−7℃、消色開始温度(t3)は48℃、完全消色温度(t4)は64℃であった。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3−(4−ジエチルアミノ−2−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン8.0部、(ハ)成分としてステアリン酸ステアリル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料懸濁液から顔料を遠心分離により単離し、青色から無色に変色する平均粒子径が2μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記可逆熱変色性組成物の完全発色温度(t1)は52℃、発色開始温度(t2)は55℃、消色開始温度(t3)は55℃、完全消色温度(t4)は61℃であった。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として3−(2−アセトアミド−4−ジペンチルフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料懸濁液から顔料を遠心分離により単離し、青色から無色に変色する平均粒子径が2μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記可逆熱変色性組成物の完全発色温度(t1)は−17℃、発色開始温度(t2)は−7℃、消色開始温度(t3)は44℃、完全消色温度(t4)は62℃であった。
実施例1乃至3、比較例1乃至3のマイクロカプセル顔料40.0部をエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン52.0部、増粘剤5.0部、レベリング剤3.0部を混合して可逆熱変色性スクリーン印刷用インキを調製した。
前記各可逆熱変色性スクリーン印刷用インキを用いて、スクリーン印刷により上質紙に所定の大きさの円(可逆熱変色層)を印刷して試験試料を得た。
前記各試験試料を完全消色温度以上に加温して初期の消色時の白度を明度値として、色差計〔東京電色(株)製、TC−3600〕を用いて測定した。
次いで、各試験試料を完全発色温度以下に冷却し、恒温室で50℃、30日間放置した後、完全消色温度以上に加温して経時後の消色時の白度を明度値として、色差計〔東京電色(株)製、TC−3600〕を用いて測定した。
更に、経時後の各試料の状態(色残り)を目視により観察した。
以下の表に試験結果を示す。
初期及び経時消色試験
○:初期と比較して色残りは見られなかった。
×:初期と比較して消色時に灰色乃至褐色の残色が見られる。
可逆熱変色性液状組成物の調製
実施例1で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料16.5部、キサンタンガム0.3部、尿素10.0部、グリセリン10.0部、ノニオン系浸透剤性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.2部、水62.3部からなる可逆熱変色性インキを調製した。
前記可逆熱変色性インキ4(予め−15℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を発色させた後、室温下に放置したもの)をポリプロピレン製パイプ(インキ収容管21)に吸引充填し、樹脂製ホルダー22を介して0.5mmステンレス鋼ボールを先端に抱持したボールペンチップ3と連結させた。
次いで、前記ポリプレン製パイプの後端より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体5(液栓)を充填し、更に尾栓23をパイプの後部に嵌合させてレフィル2とした。更に、前記レフィル2を軸筒6(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップ7を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具1(ボールペン)
なお、前記後軸筒後部に摩擦部材8としてSEBS製ゴムを装着してなる。
前記ボールペンを用いて紙面に筆記して青色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で青色を呈しており、摩擦部材を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は−15℃以下に冷却しない限り維持することができた。
なお、前記紙面を冷凍庫に入れて−15℃以下に冷却すると、再び文字が青色になる変色挙動を示し、前記変色挙動は繰り返し再現することができた。
可逆熱変色性液状組成物の調製
実施例1で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料20.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物〕1.0部、ポリビニルアルコール0.5部、グリセリン25.0部、消泡剤0.02部、水52.78部を混合して可逆熱変色性筆記具用インキを得た。
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体10内に前記インキ(予め−15℃以下に冷却して青色に発色させたもの)を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒6内に収容し、ホルダー22を介して軸筒先端部にポリエステル繊維の樹脂加工マーキングペンチップ3(チゼル型)を接続状態に組み立て、キャップ7を装着して筆記具1(マーキングペン)を得た。
前記軸筒後端部には摩擦部材8としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記して青色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で青色を呈しており、摩擦部材を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は−15℃以下に冷却しない限り維持することができた。
なお、前記紙面を冷凍庫に入れて−15℃以下に冷却すると、再び文字が青色になる変色挙動を示し、前記変色挙動は繰り返し再現することができた。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として9−エチル(3−メチルブチル)アミノ−スピロ[12H−ベンゾ(a)キサンテン−12,1′(3H)イソベンゾフラン]−3′−オン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン6.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン4.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記マイクロカプセル顔料懸濁液から顔料を遠心分離により単離し、ピンク色から無色に変色する平均粒子径が2μmの可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記可逆熱変色性組成物の完全発色温度(t1)は−16℃、発色開始温度(t2)は−7℃、消色開始温度(t3)は43℃、完全消色温度(t4)は61℃であった。
前記インキ4(予め−16℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色、ピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)を先端にボールペンチップ3を固着した内径7.0mm、外形10mmのポリプロピレン製軸筒6に充填し、次いで、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体5を充填し、SEBS樹脂からなる摩擦部材8を軸筒後部に嵌合させた。
更に、キャップ7を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具1(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属材料をドリルによる切削加工により形成したボール抱持部に直径0.7mmの超硬合金製ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
前記ボールペンを用いて紙面に筆記して青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で青紫色を呈しており、摩擦部材を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は−16℃以下に冷却しない限り維持することができた。
なお、前記紙面を冷凍庫に入れて−16℃以下に冷却すると、再び文字が青紫色になる変色挙動を示し、前記変色挙動は繰り返し再現することができた。
実施例1で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料10.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150〕1.0部、ポリビニルアルコール1.0部、グリセリン20.0部、消泡剤0.02部、水67.28部を混合して可逆熱変色性筆記具用インキを得た。
前記インキ4(予め−15℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を青色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体9(SUS−304フェライト系ステンレス鋼球、直径3mm)を軸筒6内に内蔵し、ホルダー22を介して先端部にマーキングペンチップ3(砲弾型)を取り付け、キャップ7を装着して筆記具1(マーキングペン)を得た。
なお、前記軸筒内には弁機構11を備えてなり、前記弁機構は、弁座と、弁体と、前記弁体を弁座に圧接するように付勢する金属製スプリングからなり、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記軸筒後端部には摩擦部材8としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記して青色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で青色を呈しており、摩擦部材を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は−15℃以下に冷却しない限り維持することができた。
なお、前記紙面を冷凍庫に入れて−15℃以下に冷却すると、再び文字が青色になる変色挙動を示し、前記変色挙動は繰り返し再現することができた。
可逆熱変色性液状組成物の調製
実施例1で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料40.0部、及び、蛍光黄色顔料8.0部を、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン50.0部、消泡剤3.0部、増粘剤(アルギン酸ナトリウム)1.0部、レベリング剤3.0部、防腐剤1.0部からなるビヒクル中に均一に混合して可逆熱変色性スクリーンインキを得た。
支持体として白色ポリエステルフィルム(厚み25μm)の表面に、実施例2で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料をバインダー樹脂を含むビヒクル中に分散させたインキを用いて印刷して可逆変色層を設け、更にその上面に厚み16μmの透明ポリエステルフィルムでラミネート処理して、可逆的熱変色性表示体を得た。
前記表示体を、一旦、−15℃以下に冷却し、可逆変色層を完全に青色に発色させた後、熱転写プリンターを用いて印字して白色の抜き文字を形成した。
前記白色の抜き文字は、前記表示体が−15℃〜62℃の温度域に保持されている限り視認される。
また、前記表示体を再び−15℃以下に冷却し、変色層を完全に青色状態に発色させると白色の抜き文字は視認されなくなり、前記熱転写プリンターを用いて白色の抜き文字を形成することにより、繰り返し何度も使用することができた。
可逆熱変色性液状組成物の調製
実施例2で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料30部、硬質液状エポキシ樹脂60部、紫外線吸収剤2部、揺変性付与剤2部、消泡剤0.5部を混合し、更に常温硬化型の脂肪族ポリアミン40部を添加して可逆熱変色性エポキシインキを得た。
前記可逆熱変色性エポキシインキを用いて、陶器製マグカップの側面に曲面印刷機を用いてステンレススクリーン版にて星柄の印刷を施し、70℃で1時間加熱硬化させて可逆熱変色層を設け、可逆熱変色性マグカップを得た。
前記マグカップは、室温(25℃)下では可逆熱変色層が青色に発色しているが、90℃の湯が注がれると可逆熱変色層が消色して無色になる。この状態から湯を取り除く、或いは、湯温が43℃以下になると可逆熱変色層が発色して再び青色のマグカップが視覚される。
なお、この様相変化は温度変化により繰り返し行うことができた。
t2 発色開始温度
t3 消色開始温度
t4 完全消色温度
T1 完全消色温度
T2 消色開始温度
T3 発色開始温度
T4 完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 筆記具
2 レフィル
21 インキ収容筒
22 ホルダー
23 尾栓
3 チップ
4 インキ
5 インキ逆流防止体
6 軸筒
7 キャップ
8 摩擦部材
9 攪拌体
10 インキ吸蔵体
11 弁機構
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