JP2009024137A - 変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セット - Google Patents
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Abstract
【課題】 筆記によって任意の筆跡を形成し、該筆跡は経時により視認されなくなり、必要な時には冷却して現出できる暗記や暗証分野、マジック分野に適した変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セットを提供する。
【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、降温により発色し、加温により消色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料と、アルカリ領域で発色し、中性乃至酸性領域で消色するpH指示薬と、アルカリ性物質を含有してなり、pHが8〜12の範囲にある変色性インキ組成物、前記変色性インキ組成物を収容した変色性筆記具、摩擦部材を備えてなる前記変色性筆記具、前記変色性筆記具と摩擦体とからなる変色性筆記具セット。
【選択図】 図3
【解決手段】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、降温により発色し、加温により消色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料と、アルカリ領域で発色し、中性乃至酸性領域で消色するpH指示薬と、アルカリ性物質を含有してなり、pHが8〜12の範囲にある変色性インキ組成物、前記変色性インキ組成物を収容した変色性筆記具、摩擦部材を備えてなる前記変色性筆記具、前記変色性筆記具と摩擦体とからなる変色性筆記具セット。
【選択図】 図3
Description
本発明は変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セットに関する。詳細には、暗記や暗証を目的とする用途に適した変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セットに関する。
従来、一般の着色剤を含むインキを収容した筆記具と、前記インキの色調と同色関係の着色透明シートからなる学習具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記学習具は、筆記具により筆記して得られる筆跡上に着色透明シートを載置して視覚することにより筆跡が視覚されなくなる学習具であるが、筆跡は消去することができない。よって、不要になった筆跡が永続して残り、暗記し終えた内容が勉学の妨げになったり、別の筆跡の形成を妨げることがあった。
前記問題を解消する手段として、温度変化により有色から無色に色変化する可逆熱変色性インキを収容した筆記具と、前記インキの色調と同色関係の着色透明シートとからなる筆記具セットが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
前記筆記具セットは、筆記具により筆記して得られる筆跡上に、着色透明フィルムを載置して視覚すると、該筆跡は視覚されなくなり、しかも、筆跡は消色させることができる。
しかしながら、前記筆記具はいずれも常態で筆跡が視認されるタイプであって、着色透明シートを使用しなければ筆跡を隠蔽することができず、手間を有する。また、暗記を行う場合は暗記する文字が見えない状態で行われることが効果的であり、予め暗記する内容が視認された状態では効果に乏しい。更に、文字を隠蔽状態とし、必要時にその文字を読み出す暗証を目的とする用途には使用できない。
特開昭57−37389号公報
特開2006−263921号公報
前記学習具は、筆記具により筆記して得られる筆跡上に着色透明シートを載置して視覚することにより筆跡が視覚されなくなる学習具であるが、筆跡は消去することができない。よって、不要になった筆跡が永続して残り、暗記し終えた内容が勉学の妨げになったり、別の筆跡の形成を妨げることがあった。
前記問題を解消する手段として、温度変化により有色から無色に色変化する可逆熱変色性インキを収容した筆記具と、前記インキの色調と同色関係の着色透明シートとからなる筆記具セットが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
前記筆記具セットは、筆記具により筆記して得られる筆跡上に、着色透明フィルムを載置して視覚すると、該筆跡は視覚されなくなり、しかも、筆跡は消色させることができる。
しかしながら、前記筆記具はいずれも常態で筆跡が視認されるタイプであって、着色透明シートを使用しなければ筆跡を隠蔽することができず、手間を有する。また、暗記を行う場合は暗記する文字が見えない状態で行われることが効果的であり、予め暗記する内容が視認された状態では効果に乏しい。更に、文字を隠蔽状態とし、必要時にその文字を読み出す暗証を目的とする用途には使用できない。
本発明は、筆記した直後は筆跡が視認されるものの、経時により筆跡が視認されなくなるため、筆跡を隠蔽する手間を省くことができ、しかも、冷却により筆跡を読み出すことができる暗記や暗証分野、マジック分野に適した変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セットを提供するものである。
本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、降温により発色し、加温により消色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料と、アルカリ領域で発色し、中性乃至酸性領域で消色するpH指示薬と、アルカリ性物質を含有してなり、pHが8〜12の範囲にある変色性インキ組成物を要件とする。
更には、前記マイクロカプセル顔料が、色濃度−温度曲線に関してヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、該顔料は有色状態から温度が上昇する過程では、温度t3に達すると消色し始め、温度t3より高い温度t4以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度t3より低い温度t2に達すると着色し始め、温度t2より低い温度t1以下の温度域で完全に着色状態となるヒステリシス特性を示し、温度t1は−10〜10℃の範囲にあること、前記温度t4は45〜95℃の範囲にあること等を要件とする。
更には、前記変色性インキ組成物を収容した変色性筆記具、摩擦部材を備えてなる前記変色性筆記具、前記変色性筆記具と摩擦体とからなる変色性筆記具セット等を要件とする。
更には、前記マイクロカプセル顔料が、色濃度−温度曲線に関してヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、該顔料は有色状態から温度が上昇する過程では、温度t3に達すると消色し始め、温度t3より高い温度t4以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度t3より低い温度t2に達すると着色し始め、温度t2より低い温度t1以下の温度域で完全に着色状態となるヒステリシス特性を示し、温度t1は−10〜10℃の範囲にあること、前記温度t4は45〜95℃の範囲にあること等を要件とする。
更には、前記変色性インキ組成物を収容した変色性筆記具、摩擦部材を備えてなる前記変色性筆記具、前記変色性筆記具と摩擦体とからなる変色性筆記具セット等を要件とする。
本発明は、筆記によって任意の筆跡を形成し、該筆跡は経時により視認されなくなり、必要な時には冷却して現出できる暗記や暗証分野、マジック分野に適した変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セットを提供できる。
前記変色性インキ組成物は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、降温により発色し、加温により消色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を着色剤として用いてなる。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料を適用できる(図1参照)。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料を適用できる(図1参照)。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t1)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t4)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料も適用できる(図2参照)。
前記可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について説明する。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度t4(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t3(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t2(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度t1(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度域は前記t1とt4間の温度域であり、着色状態と消色状態の両状態が共存でき、色濃度の差の大きい領域であるt2とt3の間の温度域が実質変色温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度t4(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t3(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t2(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度t1(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度域は前記t1とt4間の温度域であり、着色状態と消色状態の両状態が共存でき、色濃度の差の大きい領域であるt2とt3の間の温度域が実質変色温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度t1を冷蔵庫や冷凍室で得られる温度、即ち−10〜10℃、好ましくは−5〜5℃に設定することが好ましい。
なお、完全消色温度t4を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち45〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜60℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
なお、完全消色温度t4を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち45〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜60℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
以下に前記(イ)、(ロ)、(ハ)の各成分について具体的に化合物を例示する。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等を挙げることができ、以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等を挙げることができ、以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
成分(ロ)の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類を挙げることができる。
前記(ハ)成分として好ましくは、色濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線が、温度を低温側から高温側へ変化させる場合と、高温側から低温側へ変化させる場合で異なる)を示して変色する、色彩記憶性を示す可逆熱変色性組成物を形成できる5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が用いられる。
前記(ハ)成分として好ましくは、色濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線が、温度を低温側から高温側へ変化させる場合と、高温側から低温側へ変化させる場合で異なる)を示して変色する、色彩記憶性を示す可逆熱変色性組成物を形成できる5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が用いられる。
また、炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデシル、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等を挙げることができる。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデシル、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等を挙げることができる。
また、ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等を挙げることができる。
また、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げることができる。
また、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げることができる。
また、エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等を挙げることができる。
更に、前記(ハ)成分として、特開2006−137886号公報に記載されている下記一般式(1)で示される化合物、或いは、特開2006−188660号公報に記載されている下記一般式(2)で示される化合物が好適に用いられる。
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、mは0〜2の整数を示し、X1、X2のいずれか一方は−(CH2)nOCOR2又は−(CH2)nCOOR2、他方は水素原子を示し、nは0〜2の整数を示し、R2は炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y1及びY2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1〜3の整数を示す。〕
〔式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1〜3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、R1が水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にR1が水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
また、前記式(2)中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10〜24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12〜22のアルキル基である。
前記化合物としては、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチル等を挙げることができる。
また、前記式(2)中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10〜24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12〜22のアルキル基である。
前記化合物としては、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチル等を挙げることができる。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化は、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与したり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル顔料の形態は円形断面の形態のものの適用を拒まないが、非円形断面の形態が効果的である。
筆記により形成される筆跡は、前記マイクロカプセル顔料が被筆記面に対して長径側(最大外径側)を密接させて濃密に配向、固着されており、高濃度の発色性を示すと共に、前記筆跡を摩擦体による摩擦による外力に対して、前記マイクロカプセル顔料は外力を緩和する形状に微妙に弾性変形し、マイクロカプセルの壁膜の破壊が抑制され、熱変色機能を損なうことなく有効に発現させることができる。
前記マイクロカプセル顔料(円形断面形状のものを含む)は、最大外径の平均値が、5.0μmを越える系では、インキ流出性の低下を来し、一方、最大外径の平均値が、0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難く、好ましくは、最大外径の平均値が、1〜4μmの範囲、当該マイクロカプセルの平均粒子径〔(最大外径+中央部の最小外径)/2〕が1〜3μmの範囲が好適である。
ここで、可逆熱変色性組成物:壁膜=7:1〜1:1(質量比)、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たすことが好ましい。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
筆記により形成される筆跡は、前記マイクロカプセル顔料が被筆記面に対して長径側(最大外径側)を密接させて濃密に配向、固着されており、高濃度の発色性を示すと共に、前記筆跡を摩擦体による摩擦による外力に対して、前記マイクロカプセル顔料は外力を緩和する形状に微妙に弾性変形し、マイクロカプセルの壁膜の破壊が抑制され、熱変色機能を損なうことなく有効に発現させることができる。
前記マイクロカプセル顔料(円形断面形状のものを含む)は、最大外径の平均値が、5.0μmを越える系では、インキ流出性の低下を来し、一方、最大外径の平均値が、0.5μm以下の系では高濃度の発色性を示し難く、好ましくは、最大外径の平均値が、1〜4μmの範囲、当該マイクロカプセルの平均粒子径〔(最大外径+中央部の最小外径)/2〕が1〜3μmの範囲が好適である。
ここで、可逆熱変色性組成物:壁膜=7:1〜1:1(質量比)、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たすことが好ましい。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
前記マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、2〜50質量%、好ましくは3〜40質量%、更に好ましくは4〜30質量%配合することができる。2質量%未満では発色濃度が不充分であり、50質量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性が阻害される。
アルカリ領域で発色し、中性乃至酸性領域で消色するpH指示薬としては、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、クレゾールフタレイン、α−ナフトールフタレイン、
ニトロフェノールフタレイン、ブロモカルボキシチモールフタレイン、シアニン、キシレノールオレンジ、キシレノールブルー等を例示できる。
ニトロフェノールフタレイン、ブロモカルボキシチモールフタレイン、シアニン、キシレノールオレンジ、キシレノールブルー等を例示できる。
アルカリ性物質は、インキのpHを8〜12に調整して、pH指示薬を発色させるために用いられるものであり、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、ジプロピルアミン、アミルアミン、トリエチルアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物等が挙げられる。
前記マイクロカプセル顔料、pH指示薬、アルカリ性物質を含むインキ組成物としては、剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インキや、水溶性高分子凝集剤によりマイクロカプセル顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インキを挙げることができる。更には、マイクロカプセル顔料とビヒクルとの比重差を0.05以下になるよう調節したインキを挙げることができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することにより、マイクロカプセル顔料の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、良好な筆跡を形成できる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記水溶性高分子凝集剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類、水溶性セルロース誘導体等を挙げることができる。水溶性多糖類として具体例にはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリンが挙げることができ、水溶性セルロース誘導体として具体例には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を挙げることができる。
前記インキには顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子凝集剤であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が最も有効に作用する。
前記高分子凝集剤は、インキ組成物全量に対し、0.05〜20質量%配合することができる。
前記インキには顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子凝集剤であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が最も有効に作用する。
前記高分子凝集剤は、インキ組成物全量に対し、0.05〜20質量%配合することができる。
インキ中には水と、必要により水溶性有機溶剤を添加することもできる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
また、前記インキをボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗を防止することが好ましい。
その他、必要に応じてアクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の樹脂を添加して紙面への固着性や粘性を付与することもできる。
また、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
また、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
前記インキは、マーキングペンチップやボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペン等の筆記具に充填して変色性筆記具が得られる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に剪断減粘性インキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜3.0mm、好ましくは0.4〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mm径程度のものが適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜3.0mm、好ましくは0.4〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mm径程度のものが適用できる。
前記インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体は、増粘剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、前記増粘剤としては表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物等を挙げることができる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
また、マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に繊維集束体からなるインキ吸蔵体を内蔵し、毛細間隙が形成された繊維加工体からなるペン先を直接或いは中継部材を介して軸筒に装着してなり、前記インキ吸蔵体とペン先が連結されてなるマーキングペンの前記インキ吸蔵体に凝集性インキを含浸させたマーキングペンや、ペン先の押圧により開放する弁体を介してペン先とインキ収容管とを配置し、該インキ収容管内にインキを直接収容させたマーキングペン等を例示できる。
前記ペン先は、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体、フェルト体等の従来より汎用の気孔率が概ね30〜70%の範囲から選ばれる連通気孔の多孔質部材であり、一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工して実用に供される。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。
また、前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。
また、前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
更に、前記ボールペンやマーキングペンの形態は前述したものに限らず、相異なる形態のペン先を装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン先を装着させた複合筆記具(両頭式やペン先繰り出し式等)であってもよい。
前記変色性筆記具を用いて被筆記面に筆記し、経時後に有色から無色になった筆跡は、冷却することにより無色状態から有色状態に変色させることができる。
なお、色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料を用いた場合、有色状態が常温域で維持されるため、前記筆跡を再び消色させるために加温する必要がある。
加熱手段としては、ドライヤーを用いたり、指で擦る方法が挙げられるが、摩擦部材や摩擦体を用いて摩擦することにより消色させることが好ましい。
前記摩擦部材や摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
前記摩擦部材や摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。
前記摩擦部材は変色性筆記具に固着させることにより、携帯性に優れたものとなる。
前記摩擦部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒先端部(筆記先端部を設けていない部分)等を挙げることができる。
前記摩擦体は、変色性筆記具と組み合わせて変色性筆記具セットが得られる。
なお、色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル顔料を用いた場合、有色状態が常温域で維持されるため、前記筆跡を再び消色させるために加温する必要がある。
加熱手段としては、ドライヤーを用いたり、指で擦る方法が挙げられるが、摩擦部材や摩擦体を用いて摩擦することにより消色させることが好ましい。
前記摩擦部材や摩擦体としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
前記摩擦部材や摩擦体の材質としては、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられる。
前記摩擦部材は変色性筆記具に固着させることにより、携帯性に優れたものとなる。
前記摩擦部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒先端部(筆記先端部を設けていない部分)等を挙げることができる。
前記摩擦体は、変色性筆記具と組み合わせて変色性筆記具セットが得られる。
本発明の変色性筆記具、筆記具セットの具体的な使用方法としては、筆記具を用いて紙面に所望の内容の文字(有色)を筆記し、経時により空気中の炭酸ガス等の影響により該筆跡は無色になり、再度、内容を知りたい時は冷却することにより筆跡を発色させて現出させることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部は質量部である。
実施例1(図3参照)
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてパルミチン酸−4−メチルベンジル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:0℃、T2:10℃、T3:40℃、T4:47℃)は橙色から無色に色変化する。
なお、実施例中の部は質量部である。
実施例1(図3参照)
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてパルミチン酸−4−メチルベンジル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:0℃、T2:10℃、T3:40℃、T4:47℃)は橙色から無色に色変化する。
変色性インキ組成物の調製
前記マイクロカプセル顔料12.5部、o−クレゾールフタレイン0.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化ナトリウム0.5部、水64.37部を混合して変色性インキ組成物を調製した。
前記マイクロカプセル顔料12.5部、o−クレゾールフタレイン0.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化ナトリウム0.5部、水64.37部を混合して変色性インキ組成物を調製した。
変色性筆記具の作製
前記インキ4をポリプロピレン製パイプ(インキ収容管21)に吸引充填し、樹脂製ホルダー22を介してボールペンチップ3と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体5(液栓)を充填し、尾栓23をパイプの後部に嵌合させてレフィル2とした。更に、前記レフィル2を軸筒6(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップ7を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具1(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材8として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「ABC」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を0℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができた。
更に、前記橙色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び0℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
前記インキ4をポリプロピレン製パイプ(インキ収容管21)に吸引充填し、樹脂製ホルダー22を介してボールペンチップ3と連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体5(液栓)を充填し、尾栓23をパイプの後部に嵌合させてレフィル2とした。更に、前記レフィル2を軸筒6(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップ7を嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具1(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材8として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「ABC」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を0℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができた。
更に、前記橙色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び0℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例2
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕−1(3H)−イソベンゾフルノン2.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン8.0部、(ハ)成分としてパルミチン酸n−ブチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:0℃、T2:3℃、T3:7℃、T4:10℃)は青緑色から無色に色変化する。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕−1(3H)−イソベンゾフルノン2.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン8.0部、(ハ)成分としてパルミチン酸n−ブチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:0℃、T2:3℃、T3:7℃、T4:10℃)は青緑色から無色に色変化する。
変色性インキ組成物の調製
前記マイクロカプセル顔料12.5部、α−ナフトールフタレイン1.0部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化カリウム1.0部、水63.37部を混合して変色性インキ組成物を調整した。
前記マイクロカプセル顔料12.5部、α−ナフトールフタレイン1.0部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化カリウム1.0部、水63.37部を混合して変色性インキ組成物を調整した。
変色性筆記具の作製
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「あいうえお」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を0℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、青緑色の筆跡を視認することができた。
前記筆跡は7℃を超えると消色し始め、10℃以上で再び無色になった。
再び0℃以下に冷却すると青緑色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「あいうえお」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を0℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、青緑色の筆跡を視認することができた。
前記筆跡は7℃を超えると消色し始め、10℃以上で再び無色になった。
再び0℃以下に冷却すると青緑色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例3
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:−18℃、T2:−9℃、T3:45℃、T4:64℃)は橙色から無色に色変化する。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:−18℃、T2:−9℃、T3:45℃、T4:64℃)は橙色から無色に色変化する。
変色性インキ組成物の調製
前記マイクロカプセル顔料12.5部、フェノールフタレイン0.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化カリウム0.5部、水64.37部を混合して変色性インキ組成物を調製した。
前記マイクロカプセル顔料12.5部、フェノールフタレイン0.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化カリウム0.5部、水64.37部を混合して変色性インキ組成物を調製した。
変色性筆記具の作製
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「アイウエオ」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができた。
更に、前記橙色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
また、後軸筒端部には、摩擦部材として凸曲面状頂部を有するSEBS樹脂部材が装着されている。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「アイウエオ」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができた。
更に、前記橙色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
実施例4
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:−18℃、T2:−9℃、T3:45℃、T4:64℃)は橙色から無色に色変化する。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で、平均粒子径が約2.5μmになるように分散条件を調整して乳化分散して攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料(T1:−18℃、T2:−9℃、T3:45℃、T4:64℃)は橙色から無色に色変化する。
変色性インキ組成物の調製
前記マイクロカプセル顔料12.5部、フェノールフタレイン0.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化カリウム0.5部、水64.37部を混合して変色性インキ組成物を調製した。
前記マイクロカプセル顔料12.5部、フェノールフタレイン0.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水酸化カリウム0.5部、水64.37部を混合して変色性インキ組成物を調製した。
変色性筆記具の作製
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
前記インキをポリプロピレン製パイプ(インキ収容管)に吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。
次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、インキ逆流防止体(液栓)を充填し、尾栓をパイプの後部に嵌合させてレフィルとした。更に、前記レフィルを軸筒(先軸筒と後軸筒とからなる)内に組み込み、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって変色性筆記具(ボールペン)を得た。
なお、前記ボールペンチップは、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたチップの先端部に直径0.5mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものである。
摩擦体の作製
摩擦体として長方形のSEBS樹脂を用いて長方形の摩擦体を得た。
摩擦体として長方形のSEBS樹脂を用いて長方形の摩擦体を得た。
変色性筆記具セットの作製
前記変色性筆記具と摩擦体を組み合わせて変色性筆記具セットを得た。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「A―12」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができた。
更に、前記橙色の筆跡は、摩擦体で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
前記変色性筆記具と摩擦体を組み合わせて変色性筆記具セットを得た。
前記変色性筆記具を用いて室温下(25℃)で筆記用紙に筆記して「A―12」の青紫色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は経時によりpH指示薬が青紫色から徐々に無色になるため、視認されなくなった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができた。
更に、前記橙色の筆跡は、摩擦体で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
比較例1
変色性インキ組成物の調製
実施例1で得たマイクロカプセル顔料12.5部、サクシノグリカン(せん断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水65.37部からなる変色性インキ組成物を調製した。
変色性インキ組成物の調製
実施例1で得たマイクロカプセル顔料12.5部、サクシノグリカン(せん断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水65.37部からなる変色性インキ組成物を調製した。
変色性筆記具の作製
前記変色性インキ組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により変色性筆記具を得た。
前記筆記具を用いて筆記用紙に筆記して「ABC」の文字を描いた。
なお、前記文字は筆記時には視認されなかった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができるものの、初期筆記時に文字が視認されていなかったため、文字の形態及びバランスが不均一であった。
更に、前記橙色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
前記変色性インキ組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により変色性筆記具を得た。
前記筆記具を用いて筆記用紙に筆記して「ABC」の文字を描いた。
なお、前記文字は筆記時には視認されなかった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、橙色の筆跡を視認することができるものの、初期筆記時に文字が視認されていなかったため、文字の形態及びバランスが不均一であった。
更に、前記橙色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると橙色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
比較例2
変色性インキ組成物の調製
実施例2で使用したマイクロカプセル顔料12.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水65.37部からなる変色性インキ組成物を調製した。
変色性インキ組成物の調製
実施例2で使用したマイクロカプセル顔料12.5部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.33部、尿素10部、グリセリン10部、リン酸エステル系界面活性剤0.5部、ノニオン系浸透性付与剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防腐剤0.1部、トリエタノールアミン0.5部、水65.37部からなる変色性インキ組成物を調製した。
変色性筆記具の作製
前記変色性インキ組成物を用いた以外は実施例2と同様の方法により変色性筆記具を得た。
前記筆記具を用いて筆記用紙に筆記して「あいうえお」の文字を描いた。
なお、前記文字は筆記時には視認されなかった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、青緑色の筆跡を視認することができるものの、初期筆記時に文字が視認されていなかったため、文字の形態及びバランスが不均一であった。
更に、前記青緑色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると青緑色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
前記変色性インキ組成物を用いた以外は実施例2と同様の方法により変色性筆記具を得た。
前記筆記具を用いて筆記用紙に筆記して「あいうえお」の文字を描いた。
なお、前記文字は筆記時には視認されなかった。
前記筆記用紙を−18℃以下に冷却すると、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が発色するため、青緑色の筆跡を視認することができるものの、初期筆記時に文字が視認されていなかったため、文字の形態及びバランスが不均一であった。
更に、前記青緑色の筆跡は、筆記具に取り付けられたSEBS製摩擦部材で擦ると消色し、筆跡を消去することができた。
再び−18℃以下に冷却すると青緑色の筆跡を視認することができ、この様相変化は繰り返し行なうことができた。
t1 完全発色温度
t2 発色開始温度
t3 消色開始温度
t4 完全消色温度
1 変色性筆記具
2 レフィル
21 インキ収容管
22 ホルダー
23 尾栓
3 ボールペンチップ
4 インキ
5 インキ逆流防止体
6 軸筒
7 キャップ
8 摩擦部材
t2 発色開始温度
t3 消色開始温度
t4 完全消色温度
1 変色性筆記具
2 レフィル
21 インキ収容管
22 ホルダー
23 尾栓
3 ボールペンチップ
4 インキ
5 インキ逆流防止体
6 軸筒
7 キャップ
8 摩擦部材
Claims (6)
- (イ)電子供与性呈色性有機化合物と、(ロ)電子受容性化合物と、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とから少なくともなり、降温により発色し、加温により消色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料と、アルカリ領域で発色し、中性乃至酸性領域で消色するpH指示薬と、アルカリ性物質を含有してなり、pHが8〜12の範囲にある変色性インキ組成物。
- 前記マイクロカプセル顔料が、色濃度−温度曲線に関してヒステリシス特性を示して有色状態と無色状態の互変性を呈し、該顔料は有色状態から温度が上昇する過程では、温度t3に達すると消色し始め、温度t3より高い温度t4以上の温度域で完全に無色状態となり、無色状態から温度が下降する過程では、温度t3より低い温度t2に達すると着色し始め、温度t2より低い温度t1以下の温度域で完全に着色状態となるヒステリシス特性を示し、温度t1は−10〜10℃の範囲にある請求項1記載の変色性インキ組成物。
- 前記温度t4は45〜95℃の範囲にある請求項2記載の変色性インキ組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変色性インキ組成物を収容した変色性筆記具。
- 摩擦部材を備えてなる請求項4記載の変色性筆記具。
- 請求項4記載の変色性筆記具と、摩擦体とからなる変色性筆記具セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007191130A JP2009024137A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | 変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007191130A JP2009024137A (ja) | 2007-07-23 | 2007-07-23 | 変色性インキ組成物及びそれを収容した変色性筆記具、変色性筆記具セット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009024137A true JP2009024137A (ja) | 2009-02-05 |
Family
ID=40396255
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009024137A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011074750A1 (ko) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | (주)캐어포스트 | 잉크 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 흡수시트 |
CN102492415A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-06-13 | 江南大学 | 一种稀土配合物可逆热致变色材料及其制备方法 |
CN102516981A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-06-27 | 江南大学 | 一种镧系复配物热变色材料及其制备方法 |
CN106459637A (zh) * | 2014-04-24 | 2017-02-22 | 株式会社百乐 | 可逆热变色性印章用墨液组合物及印章 |
-
2007
- 2007-07-23 JP JP2007191130A patent/JP2009024137A/ja active Pending
Cited By (7)
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WO2011074750A1 (ko) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | (주)캐어포스트 | 잉크 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 흡수시트 |
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EP3135738A4 (en) * | 2014-04-24 | 2017-12-20 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation (also trading as Pilot Corporation) | Ink composition for reversibly thermochromic stamps and stamp |
CN106459637B (zh) * | 2014-04-24 | 2019-10-01 | 株式会社百乐 | 可逆热变色性印章用墨液组合物及印章 |
US11015076B2 (en) | 2014-04-24 | 2021-05-25 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation | Ink composition for reversibly thermochromic stamp and stamp |
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