JP5137463B2 - 可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具 - Google Patents

可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具 Download PDF

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Description

本発明は可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具に関する。
従来、温度変化により色調が変化する筆跡を形成できる可逆熱変色性水性インキ組成物をインキ吸蔵体に含浸させ、軸筒内に収容した中詰式筆記具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記可逆熱変色性水性インキ組成物は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とビヒクルの比重差により可逆熱変色性カプセル顔料がインキ吸蔵体内で徐々に凝集、沈降し、ペン体が下向き(倒立状態)、或いは、上向き(正立状態)の状態によって筆跡が淡色化したり、濃色化する不具合を解消するものであって、インキ中に水溶性高分子凝集剤を配合し、該高分子凝集剤のゆるい橋架け作用によりマイクロカプセル顔料がゆるやかな凝集状態に懸濁することによって前記不具合を解消するものである。
しかしながら、前記高分子凝集剤を配合するのみではマイクロカプセル顔料とビヒクルの比重差による筆跡の淡色化や濃色化を完全に抑制することは困難であり、特に正立状態で長期間放置することによる筆跡の淡色化を防止する手段が待ち望まれていた。
特開平11−335613号公報
本発明は、インキ吸蔵体を収容するタイプの中詰式筆記具に可逆熱変色性水性インキ組成物を収容して実用に供した際の筆跡の淡色化や濃色化を抑制でき、特に正立状態で長期間放置することにより筆跡が淡色化することのない可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具を提供しようとするものである。
本発明は、前記した従来の可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具の問題点を解消しようとするものであって、即ち、軸筒内に収容された繊維集束体からなるインキ吸蔵体にインキを含浸する筆記具に内蔵されるインキ組成物であって、前記インキ組成物は(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とは比重の異なるマイクロカプセル粒子と、水と高分子凝集剤を含むビヒクルとからなり、前記マイクロカプセル粒子に内包される成分が可逆熱変色性マイクロカプセル顔料に内包される(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体であり、表面張力が3040mN/mの範囲にある可逆熱変色性水性インキ組成物を要件とする。
更には、ペン体の後端が、軸筒内に収容された繊維集束体からなるインキ吸蔵体に接触してなる筆記具の前記インキ吸蔵体に前記可逆熱変色性水性インキ組成物を含浸させた中詰式筆記具を要件とする。
更には、前記ペン体がマーキングペン体であること、摩擦部材を設けてなること等を要件とする。
本発明は、筆跡の淡色化や濃色化を抑制でき、特に正立状態で長期間放置することにより筆跡が淡色化することのない良好な筆記性能を示す可逆熱変色性水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具を提供する。
前記可逆熱変色性インキ中に含まれる着色剤は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の必須三成分を少なくとも含む加熱により消色する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル顔料である。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する(図1参照)。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる(図2参照)。
前記可逆熱変色性組成物の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について説明する。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、Aは完全消色状態に達する温度t(以下、完全消色温度と称す)における濃度を示す点であり、Bは消色を開始する温度t(以下、消色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Cは発色を開始する温度t(以下、発色開始温度と称す)における濃度を示す点であり、Dは完全発色状態に達する温度t(以下、完全発色温度と称す)における濃度を示す点である。
変色温度域は前記tとt間の温度域であり、着色状態と消色状態の両状態が共存でき、色濃度の差の大きい領域であるtとtの間の温度域が実質変色温度域である。
また、線分EFの長さが変色のコントラストを示す尺度であり、線分EFの中点を通る線分HGの長さがヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易となる。
前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度tを冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−30〜10℃、好ましくは−30〜0℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度tを摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち30〜90℃、好ましくは50〜80℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜60℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
以下に前記(イ)、(ロ)、(ハ)の各成分について具体的に化合物を例示する。
本発明の(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等を挙げることができ、以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
成分(ロ)の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類を挙げることができる。
前記(ハ)成分として好ましくは、色濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性(温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線が、温度を低温側から高温側へ変化させる場合と、高温側から低温側へ変化させる場合で異なる)を示して変色する、色彩記憶性を示す可逆熱変色性組成物を形成できる5℃以上50℃未満のΔT値(融点−曇点)を示すカルボン酸エステル化合物、例えば、分子中に置換芳香族環を含むカルボン酸エステル、無置換芳香族環を含むカルボン酸と炭素数10以上の脂肪族アルコールのエステル、分子中にシクロヘキシル基を含むカルボン酸エステル、炭素数6以上の脂肪酸と無置換芳香族アルコール又はフェノールのエステル、炭素数8以上の脂肪酸と分岐脂肪族アルコール又はエステル、ジカルボン酸と芳香族アルコール又は分岐脂肪族アルコールのエステル、ケイ皮酸ジベンジル、ステアリン酸ヘプチル、アジピン酸ジデシル、アジピン酸ジラウリル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、トリラウリン、トリミリスチン、トリステアリン、ジミリスチン、ジステアリン等が用いられる。
また、炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、ミリスチン酸n−ペンタデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン酸n−ペンタデシル、エイコサン酸n−ノニル、エイコサン酸n−ウンデシル、エイコサン酸n−トリデシル、エイコサン酸n−ペンタデシル、ベヘニン酸n−ノニル、ベヘニン酸n−ウンデシル、ベヘニン酸n−トリデシル、ベヘニン酸n−ペンタデシル等を挙げることができる。
また、ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類が有効であり、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、9−ヘプタデカノン、2−ペンタデカノン、2−オクタデカノン、2−ノナデカノン、10−ノナダカノン、2−エイコサノン、11−エイコサノン、2−ヘンエイコサノン、2-ドコサノン、ラウロン、ステアロン等を挙げることができる。
また、総炭素数が12乃至24のアリールアルキルケトン類、例えば、n−オクタデカノフェノン、n−ヘプタデカノフェノン、n−ヘキサデカノフェノン、n−ペンタデカノフェノン、n−テトラデカノフェノン、4−n−ドデカアセトフェノン、n−トリデカノフェノン、4−n−ウンデカノアセトフェノン、n−ラウロフェノン、4−n−デカノアセトフェノン、n−ウンデカノフェノン、4−n−ノニルアセトフェノン、n−デカノフェノン、4−n−オクチルアセトフェノン、n−ノナノフェノン、4−n−ヘプチルアセトフェノン、n−オクタノフェノン、4−n−ヘキシルアセトフェノン、4−n−シクロヘキシルアセトフェノン、4−tert−ブチルプロピオフェノン、n−ヘプタフェノン、4−n−ペンチルアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル−n−ブチルケトン、4−n−ブチルアセトフェノン、n−ヘキサノフェノン、4−イソブチルアセトフェノン、1−アセトナフトン、2−アセトナフトン、シクロペンチルフェニルケトン等を挙げることができる。
また、エーテル類としては、総炭素数10以上の脂肪族エーテル類が有効であり、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ジノニルエーテル、ジデシルエーテル、ジウンデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ジトリデシルエーテル、ジテトラデシルエーテル、ジペンタデシルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、デカンジオールジメチルエーテル、ウンデカンジオールジメチルエーテル、ドデカンジオールジメチルエーテル、トリデカンジオールジメチルエーテル、デカンジオールジエチルエーテル、ウンデカンジオールジエチルエーテル等を挙げることができる。
更に、前記(ハ)成分として、特開2006−137886号公報に記載されている下記一般式(1)で示される化合物、或いは、特開2006−188660号公報に記載されている下記一般式(2)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 0005137463
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜2の整数を示し、X、Xのいずれか一方は−(CHOCOR又は−(CHCOOR、他方は水素原子を示し、nは0〜2の整数を示し、Rは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、Y及びYは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、又は、ハロゲンを示し、r及びpは1〜3の整数を示す。〕
Figure 0005137463
〔式中、Rは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示し、m及びnはそれぞれ1〜3の整数を示し、X及びYはそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲンを示す。〕
前記式(1)で示される化合物のうち、Rが水素原子の場合、より広いヒステリシス幅を有する可逆熱変色性組成物が得られるため好適であり、更にRが水素原子であり、且つ、mが0の場合がより好適である。
また、前記式(2)中のRは炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数10〜24のアルキル基、更に好ましくは炭素数12〜22のアルキル基である。
前記化合物としては、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタン酸1,1−ジフェニルメチル、ノナン酸1,1−ジフェニルメチル、デカン酸1,1−ジフェニルメチル、ウンデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ドデカン酸1,1−ジフェニルメチル、トリデカン酸1,1−ジフェニルメチル、テトラデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ペンタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘキサデカン酸1,1−ジフェニルメチル、ヘプタデカン酸1,1−ジフェニルメチル、オクタデカン酸1,1−ジフェニルメチル等を挙げることができる。
更に、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物(特開平11−129623号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステル(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル(特開2003−253149号公報)等を用いた可逆熱変色性組成物を内包した加熱発色型のマイクロカプセル顔料を適用することもできる(図3参照)。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも質量部である)。
ここで、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料中、或いは、インキ中に非熱変色性の染料、顔料等の着色剤を配合して、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈することもできる。
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化は、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与したり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記マイクロカプセル顔料の形態は円形断面の形態のものの適用を拒まないが、非円形断面の形態が効果的である。
筆記により形成される筆跡は、前記マイクロカプセル顔料が被筆記面に対して長径側(最大外径側)を密接させて濃密に配向、固着されており、高濃度の発色性を示すと共に、前記筆跡をゴム等の摩擦体による摩擦による外力に対して、前記マイクロカプセル顔料は外力を緩和する形状に微妙に弾性変形し、マイクロカプセルの壁膜の破壊が抑制され、熱変色機能を損なうことなく有効に発現させることができる。
ここで、前記非円形断面形状のマイクロカプセル顔料は、最大外径の平均値が0.5〜5.0μm、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1〜3μmの範囲にあり、且つ、可逆熱変色性組成物:壁膜=7:1〜1:1(質量比)、好ましくは6:1〜1:1の範囲を満たすことが好ましい。
前記マイクロカプセル顔料(円形断面形状のものを含む)の最大外径の平均値が5.0μmを越えると毛細間隙からの流出性の低下を生じ易く、最大外径の平均値が0.5μm未満では高濃度の発色性を示し難くなる。
可逆熱変色性組成物の壁膜に対する比率が前記範囲より大になると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を生じ易く、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を生じ易くなる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、5〜40質量%、好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは10〜30質量%配合することができる。
5質量%未満では発色濃度が不十分であり、40質量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性能が阻害される。
前記インキに用いられる媒体としては、水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
なお、ヒステリシス幅の大きい可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料については比重が概ね1を越えるため、適用する水溶性有機溶剤は1.1を超えるものが好適である。
前記インキ中に水溶性の高分子凝集剤を添加することによって、凝集剤がマイクロカプセル顔料粒子間のゆるい橋かけ作用を生じさせ、ゆるい凝集状態を示す。このようなゆるい凝集状態を示すインキはマイクロカプセル顔料の分離を抑制できる。
前記高分子凝集剤としては水溶性高分子が用いられ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。
前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物においては、マイクロカプセル顔料粒子間のゆるい橋架け作用を示す水溶性高分子であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が有効に機能する。
なお、前記高分子凝集剤は二種以上を併用することもできる。
前記インキ組成物は、表面張力を30〜40mN/mの範囲に調整してなる。
前記範囲に表面張力を調整することにより、筆記したときのカスレが生じ難く、インキが凍結する0℃未満の温度域で放置したり、高温域、例えば50℃の環境下で放置してもインキ流出性が損なわれることなく、保存環境や使用環境による筆跡濃度や筆記幅にバラツキを生じ難くなる。
表面張力が30mN/m未満では、インキの流出性が不安定になり易く、筆跡濃度が不均一になる。また、表面張力が40mN/mを超えると、線割れを生じ易く、しかも、前述した保存環境や使用環境によってインキ流出量が低下して筆跡濃度が低下したり、筆記幅にバラツキを生じ易くなる。
また、前記インキ組成物は、pHを2〜7、好ましくは3〜6に調整することが好ましく、インキ組成物を酸性域に調整することによって含有される可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の低温域での凝集、沈降を抑制できる。
pHが7を越えると、低温域、即ち、インキが凍結する温度域で放置した時のインキ流出性を損ない易く、また、pHが2未満では、カプセル中に内包した可逆熱変色性組成物の発色性が強くなり、消色時に色残りが発生する不具合を生じ易くなる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、水及び高分子凝集剤とから少なくともなるビヒクルとは比重差が存在し、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重(発色時)がビヒクルの比重よりも大きいと、経時によりマイクロカプセル顔料が沈降し易くなり、沈降物がハードケーキ化して再分散性に乏しくなる。逆に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重(発色時)がビヒクルの比重よりも小さいと、経時によりマイクロカプセル顔料が浮き上がり易くなり、浮遊物がハードケーキ化して再分散性に乏しくなる。
前記問題を解消するために可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とは比重の異なるマイクロカプセル粒子を添加して、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重がビヒクルの比重よりも大きい場合は、前記ビヒクルよりも比重が小さいマイクロカプセル粒子を用いる。また、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重がビヒクルの比重よりも小さい場合は、前記ビヒクルよりも比重が大きいマイクロカプセル粒子を用いる。
言い換えれば、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色時の比重とマイクロカプセル粒子の比重の間にビヒクルの比重を存在させる。
このようなマイクロカプセル粒子を添加することによって、混合された凝集体(可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、マイクロカプセル粒子の凝集体)が、ビヒクルの比重近傍に調整されて比重差が減少し、その結果、インキ中で分離し難くなると共に、分離しても容易に再分散させることができる。
前記マイクロカプセル粒子は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と同様のカプセル形態であり、内包物の種類によって比重を変えることができる。
なお、前記マイクロカプセル粒子の内包物としては、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料に内包される(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を用いる。
前記マイクロカプセル粒子は、インキ組成物全量に対し、2〜20質量%、好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%配合することができる。
2質量%未満では比重の調整効果が不十分であり、20質量%を越えると比重のバランスを損なうことがある。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色時の比重と、マイクロカプセル粒子の比重と、ビヒクルの比重の関係において、式(1)及び(2)の関係、或いは、式(3)及び(4)の関係を満たすことにより、インキ中で可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が分離して筆跡が薄くなったり、ハードケーキ化して再分散性を損なうことをいっそう防止できる。
式(1)はZ+0.02≦X≦Z+0.2であり、好ましくはZ+0.02≦X≦Z+0.15、より好ましくはZ+0.03≦X≦Z+0.1ある。
式(2)はZ−0.25≦Y≦Z−0.03であり、好ましくはZ−0.2≦Y≦Z−0.03、より好ましくはZ−0.15≦Y≦Z−0.03である。
一方、式(3)はZ−0.25≦X≦Z−0.03であり、好ましくはZ−0.2≦X≦Z−0.3、より好ましくはZ−0.15≦X≦Z−0.03である。
式(4)はZ+0.02≦Y≦Z+0.2であり、好ましくはZ+0.02≦Y≦Z+015、より好ましくはZ+0.03≦Y≦Z+0.1である。
また、インキの粘度は2〜20mPa・s(20℃)、好ましくは、2〜10mPa・sであり、20mPa・sを超えるとインキ流出性が低下して筆跡がかすれたり、途切れたりすることがある。
その他、必要に応じてベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
前記インキ組成物は、軸筒内に収容する繊維束からなるインキ吸蔵体に含浸させ、ペン体を筆記先端部に装着した構造の中詰式筆記具に用いられる。
ペン体としては、マーキングペン体が好適であり、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のペン体が挙げられる。
また、筆ペン体やボールペン体を用いることもでき、筆ペン体としては、繊維相互を長手方向に密接状に束ねた繊維集束体、連続気孔を有するプラスチックポーラス体、合成樹脂繊維の熱融着乃至樹脂加工体、軟質性樹脂乃至エラストマーの押出成形加工体が挙げられる。
ボールペン体としては、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したもの、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したものが挙げられる。
前記ボールペン体に抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.3〜2.0mm、好ましくは0.4〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mmのボールが有効である。
なお、前記ボールペン体には、ボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはペン体先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもできる。
前記軸筒は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が好適に用いられる。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率を概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。尚、前記繊維集束体は樹脂加工或いは熱融着加工、可塑剤等により溶着加工されたものであってもよい。
前記インキ組成物を収容した中詰式筆記具より形成される筆跡は、指による摩擦や加熱又は冷熱具の適用により変色させることができる。
前記加熱手段としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具、ヘアドライヤーの適用が挙げられるが、好ましくは、簡便な方法により変色可能な手段として摩擦部材が用いられる。
前記摩擦部材としては、弾性感に富み、摩擦時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
なお、消しゴムを使用して筆跡を摩擦することもできるが、摩擦時に消しカスが発生するため、好ましくは前述のような摩擦部材が用いられる。
前記摩擦部材の材質としては、シリコーン樹脂やSEBS樹脂(スチレンエチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)が好適に用いられるが、シリコーン樹脂は摩擦により消去した部分に樹脂が付着し易く、繰り返し筆記した際に筆跡がはじかれる傾向にあるため、SEBS樹脂がより好適に用いられる。
前記摩擦部材は筆記具と別体の任意形状の部材であってもよいが、筆記具に固着させることにより、携帯性に優れる。
前記摩擦部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)が挙げられる。
更に、キャップの一部、或いは軸筒の一部に任意形象の小突部を設けて摩擦部材とすることもできる。
冷却手段としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
以下に本発明の可逆熱変色性筆記具用水性インキ組成物及びそれを用いた中詰式筆記具の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例中の部は質量部を示す。
インキの表面張力は、協和界面科学(株)製、自動表面張力計(CBVP−A3)にて測定した。
実施例1
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により橙色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.0部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、パルミチン酸ブチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース樹脂0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.18部、表面張力調整剤0.3重量部を混合して均一に攪拌を行い可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記可逆熱変色性水性インキの表面張力は32.1mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を橙色に発色させた後、室温下で放置したもの)を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン体(砲弾型)と接続状態に組み立て、キャップを装着して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
前記キャップには頂部に摩擦部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記筆記具を用いて紙面に筆記して橙色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で橙色を呈しており、キャップに装着した摩擦部材を用いて文字を摩擦すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元の橙色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例2
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン1.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃であり、完全発色温度は−20℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
1、1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、2、2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン3.0部、パルミチン酸ブチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料14.0部、マイクロカプセル粒子6.0部、ヒドロキシエチルセルロース樹脂0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.18部、表面張力調整剤0.3重量部を混合して均一に攪拌を行い、可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は31.1mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン体(チゼル型)と接続状態に組み立て、キャップを装着して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
前記軸筒後端部には摩擦部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に印刷された文字上に筆記してピンク色のハイライト(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)でピンク色を呈しており、軸筒に装着した摩擦体を用いて摩擦すると、該筆跡は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元のピンク色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン3.0部、(ロ)成分として、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン10.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の発色時の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により黄色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.0部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、カプリン酸セチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.18部、表面張力調整剤0.3部を混合して均一に攪拌を行い可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は32.3mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させた後、室温下で放置したもの)を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン体(チゼル型)と接続状態に組み立て、キャップを装着して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
前記軸筒後端部には摩擦部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に印刷された文字上に筆記して黄色のハイライト(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で黄色を呈しており、軸筒に装着した摩擦体を用いて摩擦すると、該筆跡は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元の黄色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2、3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソボンゾフラン]−3−オン2.5部、(ロ)成分として4、4′−(2−エチルヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール4.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン4.0部、(ハ)成分としてカプリン酸セチル10.0部、カプリン酸ステアリル40.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.4μm、完全消色温度は33℃、完全発色温度は24℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
4、4′−(2−エチルヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール6.0部、カプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.3μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.18部、表面張力調整剤0.3部を混合して均一に攪拌を行い可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は27.0mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記インキ(予め24℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン体(砲弾型)と接続状態に組み立て、キャップを装着して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記してピンク色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)でピンク色を呈しており、指で摩擦すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、24℃以下に冷却することにより、元のピンク色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
比較例1
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
実施例1で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料14.0部、及び、マイクロカプセル粒子6.0部、ヒドロキシエチルセルロース樹脂0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.48部を混合して均一に攪拌を行い、可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は43mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を橙色に発色させた後、室温下で放置したもの)を実施例1と同様の筆記具に内蔵して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
比較例2
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
実施例2で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料14.0部、及び、マイクロカプセル粒子6.0部、ヒドロキシエチルセルロース樹脂0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.48部を混合して均一に攪拌を行い、可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は43.5mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)を実施例2と同様の筆記具に内蔵して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
比較例
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
実施例3で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、及び、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.18部を混合して均一に攪拌を行い可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は44.0mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させた後、室温下で放置したもの)を実施例と同様の筆記具に内蔵して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
比較例
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
実施例で調製した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、及び、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、水63.18部を混合して均一に攪拌を行い可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
前記、可逆熱変色性水性インキの表面張力は27.0mN/mであった。
中詰式筆記具の作製
前記インキを実施例と同様の筆記具に内蔵して中詰式筆記具(マーキングペン)を得た。
前記各実施例及び比較例で得た中詰式筆記具を用いて以下の試験を行った。
経時試験
実施例1乃至及び比較例1乃至で作製した中詰式筆記具を0℃の恒温室に正立状態(筆記先端部が上向き)で入れて30日間放置した筆記具と、50℃恒温槽に正立状態(筆記先端部が上向き)で入れて30日間放置した筆記具を取り出して室温下で放置した。
筆記試験
前記経時試験を行った各筆記具を用いてレポート用紙に直線を10行筆記し、筆跡状態と筆跡濃度を目視により観察した。
筆記試験結果を以下の表に示す。
Figure 0005137463
なお、表中の記号に関する評価は以下の通りである。
○:筆跡にかすれは見られず、初期と同様の色濃度を有する。
×:書き出し時にかすれが見られ、筆跡濃度が初期よりも淡色化している。
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度

Claims (4)

  1. 軸筒内に収容された繊維集束体からなるインキ吸蔵体にインキを含浸する筆記具に内蔵されるインキ組成物であって、前記インキ組成物は(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とは比重の異なるマイクロカプセル粒子と、水と高分子凝集剤を含むビヒクルとからなり、前記マイクロカプセル粒子に内包される成分が可逆熱変色性マイクロカプセル顔料に内包される(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体であり、表面張力が3040mN/mの範囲にある可逆熱変色性水性インキ組成物。
  2. ペン体の後端が、軸筒内に収容された繊維集束体からなるインキ吸蔵体に接触してなる筆記具の前記インキ吸蔵体に請求項1記載の可逆熱変色性水性インキ組成物を含浸させた中詰式筆記具。
  3. 前記ペン体がマーキングペン体である請求項2記載の中詰式筆記具。
  4. 摩擦部材を設けてなる請求項2又は3記載の中詰式筆記具。
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