JP6479355B2 - 可逆熱変色性スタンプ - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、
「1.(イ)電子供与性呈色性有機化合物からなる成分と、
(ロ)電子受容性化合物からなる成分と、
(ハ)前記(イ)成分および(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体と、
を含んでなる可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色性スタンプ用インキと、連続気孔を有する印材を備えており、前記印材が、インキが浸透する気孔を有するインキ浸透面と、インキが浸透しないインキ非浸透面(以下インキ浸透面とインキ非浸透面を合わせて印面ということがある)を有し、前記印材のインキ浸透面の凹凸の平均間隔をSm、マイクロカプセル顔料の平均粒子径をDとした際に、
下記式:
X=Sm2/D2
で表されるXが、90以上であり、100000以下であり、前記Smが10μm以上であり、30μm以下であり、前記Dが0.1〜10μmであることを特徴とする可逆熱変色性スタンプ。
2.前記印材のインキ非浸透面の表面粗さRaが2μm以下であることを特徴とする第1項記載の可逆熱変色性スタンプ。
3.前記印材のインキ浸透面の凹凸の平均間隔Smが30μm以下であることを特徴とする第1項または第2項に記載の可逆熱変色性スタンプ。」に関する。
X=Sm2/D2
なる関係であり、Xが30以上である。Xがこの範囲より小さいと、印像が得られなかったり、印像の一部がかすれたりする。好ましくは、90以上であり、更に好ましくは、130以上である。この範囲であると、印像が鮮明で、シャープになり、連続押印をした際にも品質の高い印像が得られる。一方、Xが100000以下であることが好ましい。より好ましくは、30000以下である。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100万乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
前記インキには顔料粒子間の緩い橋架け作用を示す水溶性高分子凝集剤であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が最も有効に作用する。
前記高分子凝集剤はインキ組成物全量に対し、0.05〜20質量%配合することができる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
また、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内に剪断減粘性インキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンを例示できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜3.0mm、好ましくは0.3〜1.5mm、より好ましくは0.4〜1.0mm径程度のものが適用できる。前記インキを収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂、金属からなる成形体が用いられる。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを樹脂製、金属製等の軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体は、増粘剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、前記増粘剤としては表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物等を挙げることができる。更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記インキ吸蔵体は、捲縮状繊維を長手方向に集束させたものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。
また、前記弁体は、従来より汎用のポンピング式形態が使用できるが、筆圧により押圧開放可能なバネ圧に設定したものが好適である。
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる感温変色性色彩記憶組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0質量部、助溶剤40.0質量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5質量部を加え、更に攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル懸濁液を得た。前記懸濁液をフィルターでろ過して可逆熱変色マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセルの平均粒子径Dは0.1μmであり、t1:−45℃、t2:−23℃、t3:45℃、t4:64℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、橙色から無色、無色から橙色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン2.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液をフィルターでろ過して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径Dは0.5μmであり、t1:−40℃、t2:−20℃、t3:45℃、t4:64℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、(ロ)成分として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分としてこはく酸と2−フェノキシエタノールとのジエステル化合物50部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0質量部、助溶剤40.0質量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液をフィルターでろ過して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。 なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径Dは1.0μmであり、t1:3℃、t2:5℃、t3:92℃、t4:106℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、(ロ)成分として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5部、(ハ)成分として4−ビフェニル酢酸シクロヘキシルメチル50.0部、ステアリン酸−p−メチルベンジル5.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液をフィルターでろ過して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径Dは2.0μmであり、t1:−18℃、t2:−12℃、t3:42℃、t4:66℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、青色から無色、無色から青色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液をフィルターでろ過して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径Dは5.0μmであり、t1:−12℃、t2:−4℃、t3:50℃、t4:58℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、橙色から無色、無色から橙色へ可逆的に色変化した。
(イ)成分として2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン6.0部、(ハ)成分としてパルミチン酸p−メチルベンジル50.0部からなる可逆熱変色性材料を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0質量部、助溶剤40.0質量部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液をフィルターでろ過して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径Dは9.0μmであり、t1:3℃、t2:10℃、t3:38℃、t4:45℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、黒色から無色、無色から黒色へ可逆的に色変化した。
マイクロカプセル顔料A 20質量部
グリセリン 50質量部
アルカリ可溶型アクリルエマルジョン 1.5質量部
(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社、商品名:プライマルDR73)
トリエタノールアミン 0.2質量部
ポリビニルピロリドン50%水溶液 10質量部
シリコーン系消泡剤 0.2質量部
浸透レべリング剤 0.5質量部
防腐剤 0.2質量部
水 16.7質量部
上記配合物混合して、可逆熱変色性スタンプ用インキを得た。
マイクロカプセル顔料Aの代わりにマイクロカプセル顔料Bを用いた以外は、可逆熱変色性スタンプ用インキIの調整と同じ方法で可逆熱変色性スタンプ用インキを得た。
マイクロカプセル顔料Aの代わりにマイクロカプセル顔料Cを用いた以外は、可逆熱変色性スタンプ用インキIの調整と同じ方法で可逆熱変色性スタンプ用インキを得た。
マイクロカプセル顔料Aの代わりにマイクロカプセル顔料Dを用いた以外は、可逆熱変色性スタンプ用インキIの調整と同じ方法で可逆熱変色性スタンプ用インキを得た。
マイクロカプセル顔料Aの代わりにマイクロカプセル顔料Eを用いた以外は、可逆熱変色性スタンプ用インキIの調整と同じ方法で可逆熱変色性スタンプ用インキを得た。
マイクロカプセル顔料Aの代わりにマイクロカプセル顔料Fを用いた以外は、可逆熱変色性スタンプ用インキIの調整と同じ方法で可逆熱変色性スタンプ用インキを得た。
(可逆熱変色性スタンプの作製)
前記可逆熱変色性スタンプ用インキI(マイクロカプセル顔料A、平均粒子径D:0.1μm)を、連続気孔を有する印材a(エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm:17.5、インキ非浸透面のRa:0.47)に含浸し、印面が露出するようにスタンプ基材(3)に固着し、キャップ(5)を嵌めてスタンプを得た。なお、スタンプ基材(3)の後端部には、尾栓(4)としてSEBS樹脂製の摩擦部材を設けた。
(表1)に示した可逆熱変色性スタンプ用インキと印材を用い、実施例1と同じ方法で、可逆熱変色性スタンプを得た。
印材a:エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm=17.5、インキ非浸透面のRa=0.47
印材b:エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm=19.1、インキ非浸透面のRa=0.55
印材c:エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm=25.2、インキ非浸透面のRa=0.60
印材d:エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm=28.6、インキ非浸透面のRa=0.61
印材e:エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm=34.9、インキ非浸透面のRa=2.02
可逆熱変色性スタンプ用インキI:マイクロカプセル顔料A、平均粒子径D=0.1μm可逆熱変色性スタンプ用インキII:マイクロカプセル顔料B、平均粒子径D=0.5μm
可逆熱変色性スタンプ用インキIII:マイクロカプセル顔料C、平均粒子径D=1.0μm
可逆熱変色性スタンプ用インキIV:マイクロカプセル顔料D、平均粒子径D=2.0μm
可逆熱変色性スタンプ用インキV:マイクロカプセル顔料E、平均粒子径D=5.0μm
可逆熱変色性スタンプ用インキVI:マイクロカプセル顔料F、平均粒子径D=9.0μm
鮮明性
◎:鮮やかな印像が得られており、発色濃度も十分。
○:若干鮮やかさに欠けるが、印像としては発色濃度は十分得られている。
△:印像の発色性が悪いが、視認可能。
×:印像が得られておらず、視認できない。
解像度(シャープさ)
◎:印像のエッジ部がシャープで解像度が高い。
○:印像が若干エッジ部のシャープさに欠けるが、十分な解像度が得られている。
△:印像の解像度が若干悪いが、印像としての視認は可能。
×:印像が得られないか、得られても解像度が悪く、印像として視認できない。
滲み(裏抜け)
◎:印像に滲みもなく、インキの裏抜けも見られず、良好な印像が得られている。
○:印像に滲みはないが、インキの裏抜けが若干見られる。
△:印像に滲みが見られ、インキの裏抜けも見られるが、印像として視認可能。
×:印像に滲みが見られ、印像として視認できない。
汚れ
◎:印像以外の部分に、インキの汚れが見られず、良好な印像が得られている。
○:印像以外の部分に、わずかにインキの汚れが見られるが、印像としては良好。
△:印像以外の部分に、インキの汚れが見られるが、印像として視認可能。
×:印像以外の部分に、インキの汚れが見られ、印像を視認できない。
連続押印性:得られたスタンプを用い、上質紙上に連続100回押印をし、そのときの印像を目視により評価した。
◎:印像に斑もなく、連続押印の印像にほとんど変化がなく、良好な印像が連続して得られている。
○:印像に若干斑はあるが、連続押印の印像にほとんど変化がなく、良好な印像が連続して得られている。
△:印像に斑があり、連続押印の印像に濃淡が見られるが、連続した印像として視認可能。
×:印像にかすれや一部途切れなどがあり、印像として視認できない。
前記可逆熱変色性スタンプ用インキIV(マイクロカプセル顔料D、平均粒子径D:2.0μm)を、連続気孔を有する印材c(エチレン酢酸ビニル共重合体、インキ浸透面のSm:25.2、インキ非浸透面のRa:0.60)に含浸し、さらに気孔率が印材よりも高い連続気孔を有する貯留部(6)に含浸させ、スタンプ基材(3)に貯留部を収容し、前記貯留部に当接させて印材cを固着し、キャップ(5)を嵌めてスタンプを得た。。なお、スタンプ基材(3)の後端部には、尾栓(4)としてSEBS樹脂製の摩擦部材を設けた。前記スタンプを用いて被印像面である上質紙に繰り返し押しつけると、印材の印面からインキ組成物が円滑に流出して上質紙に移り、印像が滲むことなく、鮮明で解像度の高い印像を連続して形成することができた。前記印像は、スタンプに設けた摩擦部材を用いて摩擦すると消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができた。なお、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて−20℃以下の温度に冷却すると、再び印像が青色になる変色挙動を示し、前記挙動は繰り返し再現することができた。
(筆記具の作製)
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料D25.7部、サクシノグリカン(剪断減粘性付与剤)0.2部、尿素5.5部、グリセリン7.5部、変性シリコーン系消泡剤0.2部、防黴剤0.1部、潤滑剤1.0部、トリエタノールアミン1.0部、水58.8部を混合して可逆熱変色性水性インキ組成物を調製した。前記インキを内径4.4mmのポリプロピレン製パイプに吸引充填し、樹脂製ホルダーを介してボールペンチップと連結させた。 次いで、前記ポリプロピレン製パイプの後部より、ポリブテンを主成分とする粘弾性を有するインキ逆流防止体(液栓)を充填し、更に尾栓をパイプの後部に嵌合させ、先軸筒、後軸筒を組み付け、キャップを嵌めた後、遠心処理により脱気処理を行なって筆記具(ボールペン)を得た。 なお、前記ボールペンチップは、金属を切削加工してボール受け座とインキ導出部を形成したチップの先端部に直径0.4mmのステンレス鋼ボールを抱持させてなり、且つ、前記ボールはバネ体により前方に付勢させたものであり、後軸筒には後部に摩擦体としてSEBS製摩擦部材を固着した。
前記実施例4の可逆熱変色性スタンプと前記筆記具とを組み合わせてスタンプセットを得た。紙面上に、前記筆記具を用いて青色の文字(筆跡)を書き込み、次いで、前記スタンプを用いて、印像を形成した。
前記筆跡と印像は、抵抗発熱体とヒートローラーを備えた通電加熱変色具を用いて加熱すると消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができた。
なお、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて−20℃で冷却すると、再び筆跡と印像が現出し、前記挙動は繰り返し再現することができた。
次に、紙面上に、前記筆記具を用いて文字(筆跡)を書き込み、次いで、前記スタンプを用いて、印像を形成し、筆記具に設けられた摩擦部材を用いて摩擦したところ、筆跡は摩擦熱で消去されたのに対し、印像は摩擦熱で僅かに消色するものの、完全消色温度に達しないため直ぐに復元し、その変色挙動から真贋を判別することが可能であった。
t2 加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の発色開始温度
t3 加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の消色開始温度
t4 加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全消色温度
T1 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全消色温度
T2 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の消色開始温度
T3 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の発色開始温度
T4 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅
1 スタンプ
2 印材
3 スタンプ基材
4 尾栓
5 キャップ
6 インキ貯留部
Claims (2)
- (イ)電子供与性呈色性有機化合物からなる成分と、
(ロ)電子受容性化合物からなる成分と、
(ハ)前記(イ)成分および(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体と、
を含んでなる可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含む可逆熱変色性スタンプ用インキと、連続気孔を有する印材を備えており、前記印材が、インキが浸透する気孔を有するインキ浸透面と、インキが浸透しないインキ非浸透面(以下インキ浸透面とインキ非浸透面を合わせて印面ということがある)を有し、前記印材のインキ浸透面の凹凸の平均間隔をSm、マイクロカプセル顔料の平均粒子径をDとした際に、
下記式:
X=Sm2/D2
で表されるXが、90以上であり、100000以下であり、前記Smが10μm以上であり、30μm以下であり、前記Dが0.1〜10μmであることを特徴とする可逆熱変色性スタンプ。 - 前記印材のインキ非浸透面の表面粗さRaが2μm以下であることを特徴とする請求項1記載の可逆熱変色性スタンプ。
Priority Applications (6)
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---|---|---|---|
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