JP2010059032A - 垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハ及びその製造方法、垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置、並びに、垂直シリコンデバイス - Google Patents

垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハ及びその製造方法、垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置、並びに、垂直シリコンデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】中性子線の照射を行うことなくほぼ均一な高抵抗を持つシリコンウェーハを高い歩留まりで作製可能な方法を提供する。
【解決手段】アンチモン等の揮発性ドーパントを添加したシリコン融液21からチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引き上げることにより垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハを製造する方法であって、前記シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、前記シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させる。これにより、引き上げが進行するに連れてシリコン融液からのドーパントの蒸発が促進されることから、ドーパントの偏析が効果的に補償される。さらに、シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、チャンバー11内の圧力を低下させることが好ましく、これにより、ドーパントの偏析をより確実に補償することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)などの垂直シリコンデバイス用の基板として好適に用いられるシリコンウェーハ及びその製造方法、並びに、垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)により作製されたシリコンウェーハ及びその製造方法、並びに、このようなシリコンウェーハを製造するための垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置に関する。また、本発明は、このようなシリコンウェーハを用いて製造されたIGBTなどの垂直シリコンデバイスに関する。
垂直シリコンデバイスは、プロセッサやメモリなどの一般的なLSIのようにシリコンチップの表面に沿ってスイッチング電流を流すのではなく、シリコンチップの厚み方向(すなわち、シリコンチップの表面とは垂直な方向)にスイッチング電流を流すタイプの半導体デバイスであり、主に電源装置内のスイッチング素子として用いられる。このため、垂直シリコンデバイスは「パワーデバイス」と呼ばれることもある。
垂直シリコンデバイスとしては、パワーMOSFET、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)などが知られている。このうち、パワーMOSFETは従来から広く用いられているが、近年においてはハイブリッド車や電気自動車の動力モータ用電源のように、大容量、高耐圧、高速スイッチングを求められる用途が拡大しており、このような用途に適したIGBTへの注目が高まっている。これは、パワーMOSFETにおいてはオン抵抗が耐圧の2.5乗に比例して増加するという特性を有しているため、600V以上の耐圧が求められるハイブリッド車用電源などに用いることが困難だからである。これに対し、IGBTは伝導度変調効果によってオン抵抗が大幅に低減されるという特徴を有しているため、上記の用途に最適である。したがって、IGBTは、ハイブリッド車用電源のように大容量のスイッチング電源においては今や欠かせないデバイスである。
IGBTとしては、基板上にp層及びn層を平面的に形成するプレーナ型と、基板にゲートトレンチが形成されたトレンチ型が知られている。トレンチ型は、プレーナ型よりもオン抵抗が小さく、且つ、スイッチング速度が高速であることから、ハイブリッド車用電源のようにエネルギー効率が特に重視される用途においては、プレーナ型からトレンチ型への移行が進んでいる。
IGBTは、MOSFETに正孔注入用P接合が付加された構造を有しており、ゲートに印加する電圧によってエミッタ−コレクタ間の電流を制御する素子である。IGBTは、高抵抗のn型シリコン層を主体とし、その表面側にはゲート及びエミッタが形成され、裏面側にはP接合を介してコレクタが形成されている。このように、ゲート及びエミッタとコレクタとの間に高抵抗のn型シリコン層が介在しており、n型シリコン層にはコレクタ側から正孔が注入される。これにより、低いオン抵抗を得ることができるとともに、大電流を流した場合でも破壊されにくいという特徴を備えている。
IGBTは、ゲートに電圧を印加することによってスイッチング制御を行う素子であることから、ゲート酸化膜には欠陥がないことが望まれる。シリコンウェーハ中に欠陥が含まれていると、その欠陥がゲート酸化膜に取り込まれて酸化膜の絶縁破壊の原因となることから、IGBT用のシリコンウェーハにおいては、このような欠陥が存在しないことが重要である。
また、スイッチング電流は、表面側に位置するエミッタと裏面側に位置するコレクタとの間を流れるので、ウェーハ内部の欠陥はIGBTの特性を大きく左右する。特に、再結合ライフタイムと抵抗率は重要な品質である。再結合ライフタイムは、基板中の結晶欠陥によって低下することから、デバイスプロセスを経ても結晶欠陥が生じないように制御することが必要である。抵抗率に関しては、均一性と安定性が要求される。ウェーハの面内だけでなく、ウェーハ間、すなわち、シリコンインゴットの長さ方向でも均一で、且つデバイス熱プロセスを経ても変化しないことが重要である。仮に、抵抗率の異なる複数の素子が並列に使用された場合、抵抗率の低い素子に大電流が集中し破損してしまうことから、抵抗率の均一性と安定性は、パワーデバイスにおいては重要である。
さらに、IGBTを高耐圧化するためには、基板の不純物濃度を低くすることにより抵抗率を高めるとともに、エミッタ−コレクタ間の厚さを大きくする必要がある。具体的には、車載用高耐圧品として用いる場合、1Ω・cm以上、好ましくは50Ω・cm程度の抵抗率を有し、且つ、エミッタ−コレクタ間の厚さが100μm程度であることが求められる。また、抵抗率のばらつきも非常に少ないことが要求される。
このような要求を満たすためには、CZ法による通常のウェーハ(CZウェーハ)を用いることは困難であると考えられていた。その理由の一つとして、ドーパントの偏析現象が挙げられる。
つまり、ドーパントは所定の偏析係数を持つため、シリコンインゴットが引き上げられると、これに伴ってシリコン融液がその分減少する。n型のドーパントであるP(リン)、Sb(アンチモン)又はAs(ヒ素)は偏析係数が1未満であることから、シリコンインゴットの引き上げに伴ってシリコン融液が減少すると、融液中のドーパント濃度が高くなってしまう。このため、シリコンインゴットの引き上げが進行するに連れて抵抗率が低くなり、シリコンインゴットの軸方向における抵抗率を全長の大きな範囲に亘ってほぼ一定とすることは困難であった。
ドーパントの偏析による抵抗率の変動をできる限り小さくするためには、偏析係数が1により近いドーパントを選択することが有効である。このため、従来はn型のドーパントとしては偏析係数が最も1に近いP(リン)が選択されることが一般的であった。P(リン)は、Sb(アンチモン)やAs(ヒ素)に比べて偏析係数が1に近いため、一般的な用途のシリコンウェーハのようにドーパント濃度が比較的高い場合には、偏析による抵抗率の変動の影響を実用上問題のないレベルに抑えることが可能である。
しかしながら、IGBT用のシリコンウェーハは求められるドーパント濃度が著しく低いことから、僅かな偏析によって抵抗率が大きく変動してしまう。このため、n型のドーパントとして偏析係数が1に近いP(リン)を選択した場合であっても、所望の抵抗率を持ったシリコンウェーハは1本のシリコンインゴットからごく僅かしか得られず、歩留まりが非常に低いという問題があった。
別の方法として、ノンドープのシリコンインゴットをチョクラルスキー法によって引き上げ、これに中性子線を照射することによって30Siを31Pに変換する方法が知られている。この方法によれば、シリコンインゴットの軸方向における抵抗率をほぼ全長に亘って一定の高抵抗とすることが可能である。しかしながら、中性子線の照射は大幅なコスト増大をもたらす。このため、高耐圧なIGBTをより低コストで供給するためには、中性子線の照射が不要なIGBT用CZウェーハを作製することが望まれる。
CZ法において、全長に亘り均一なドーパント濃度を得る方法としては、特許文献1に記載された方法が知られている。特許文献1に記載された方法は、n型ドーパントとしてSb(アンチモン)を用い、チャンバー内の圧力制御によりシリコン融液中のドーパントの蒸発を促進させることによって、偏析を補償するものである。
特公昭44−21014号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法は、抵抗率が0.01Ω・cmといった低抵抗領域(高濃度領域)においては実用上問題のないレベルまで偏析を補償することができるものの、IGBT用のシリコンウェーハのように50Ω・cm程度の高抵抗領域(低濃度領域)においては、実用上問題のないレベルまで偏析を補償することはできない。これは、特許文献1では単にチャンバー内の圧力を制御しているだけだからである。
以上、IGBT用シリコンウェーハにかかわる課題を述べたが、上記の課題はIGBT用のシリコンウェーハに限らず、他の垂直シリコンデバイス用のシリコンウェーハにおいても同じく生じる問題である。
したがって、本発明は、垂直シリコンデバイス用のCZウェーハであって、中性子線の照射を行うことなくほぼ均一な高抵抗を持つCZウェーハを高い歩留まりで作製可能な方法及びこれに用いる装置を提供することを目的とする。また、本発明は、垂直シリコンデバイスの作製に好適であり、従来よりも安価に提供可能なシリコンウェーハを提供することを目的とする。さらに、本発明は、このようなシリコンウェーハを用いて作製された垂直シリコンデバイスを提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく本発明者が鋭意検討を重ねた結果、シリコン融液中のドーパントの蒸発速度は、チャンバー内の圧力だけでなく、Arガスの流量によっても大きく左右されることが判明した。特に、シリコン融液の表面は蒸発したドーパント含有ガスの濃度が高いため、ここを流れるArガスの流量を制御すれば、蒸発速度を大きくコントロールできることが判明した。
本発明はこのような技術的知見に基づきなされたものであって、本発明による垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法は、揮発性ドーパントを添加したシリコン融液からチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引き上げることにより垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハを製造する方法であって、シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させることを特徴とする。
本発明において、「揮発性ドーパント」とは、シリコン融液からの蒸発速度がP(リン)よりも速いドーパントを指し、n型ドーパントとしては、Sb(アンチモン)及びAs(ヒ素)が該当する。これは、蒸発速度がP(リン)と同じかそれ以上であれば、シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を変化させても、蒸発量の変化が小さいことから、実質的にドーパント濃度の調整に寄与しないからである。シリコン融液からの蒸発速度は表1の通りである。
Figure 2010059032
表1に示す通り、シリコン融液からのSb(アンチモン)の蒸発速度は非常に速い。このため、本発明においては、揮発性ドーパントとしてSb(アンチモン)を選択することが最も好ましい。尚、シリコン融液からの蒸発は、酸化物の形で行われる。
本発明によれば、シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させていることから、引き上げが進行するに連れてシリコン融液からのドーパントの蒸発が促進される。シリコン融液の表面近傍においては、蒸発したドーパントの酸化物(ドーパントがSb(アンチモン)の場合は、Sb)の濃度が非常に高いことから、シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させれば、ドーパントの蒸発を効果的に促進することが可能となり、単にチャンバー内の圧力を制御する場合と比べて、ドーパントの偏析をより効果的に補償することが可能となる。したがって、本発明の方法により作製されたシリコンウェーハは、IGBTなどの垂直シリコンデバイス用の基板として好適に用いることが可能となる。本発明において、「垂直シリコンデバイス」とは、パワーMOSFET、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)など、シリコンチップの厚み方向にスイッチング電流を流すタイプの半導体デバイスを指す。用途については限定されず、したがって、パワーデバイス以外のデバイスも含まれる。
Arガスの流量は、引き上げ進行に伴って連続的に増加させても構わないし、段階的に増加させても構わない。好ましくは、シリコン単結晶の引き上げの初期におけるArガスの流量に対し、シリコン単結晶の引き上げの終期におけるArガスの流量を1超、3倍以下倍とすることが好ましい。これによれば、ドーパントの偏析をより効果的に補償することが可能となる。
本発明においては、シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、チャンバー内の圧力を低下させることが好ましい。これによれば、引き上げが進行するに連れてシリコン融液からのドーパントの蒸発がよりいっそう促進されることから、ドーパントの偏析をよりいっそう効果的に補償することが可能となる。
この場合、チャンバー内の圧力は、引き上げ進行に伴って連続的に減少させても構わないし、段階的に減少させても構わない。好ましくは、シリコン単結晶の引き上げの初期におけるチャンバー内の圧力をaとし、シリコン単結晶の引き上げの終期におけるチャンバー内の圧力をa/4以上、a/2以下とすることが好ましい。これによれば、ドーパントの偏析をより確実に補償することが可能となる。
また、本発明による垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置は、るつぼが収容されたチャンバーと、るつぼ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ機構と、チャンバー内にArガスを供給するガス供給手段と、シリコン融液の表面に沿って配置され、Arガスがシリコン融液の表面に沿って流れるよう案内する誘導板とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、Arガスを案内する誘導板を備えていることから、蒸発したドーパントの酸化物濃度が高いシリコン融液表面の流速を高めることが可能となる。これにより、単にチャンバー内の圧力を制御する場合と比べて、ドーパントの偏析をより効果的に補償することが可能となる。したがって、本発明の装置により作製されたシリコンウェーハは、IGBTなどの垂直シリコンデバイス用の基板として好適に用いることが可能となる。
ガス供給手段は、シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させることが好ましい。これによれば、ドーパントの偏析をより効果的に補償することが可能となる。Arガスの流量は、引き上げ進行に伴って連続的に増加させても構わないし、段階的に増加させても構わない。
本発明においては、チャンバー内を減圧状態とする減圧手段をさらに備え、減圧手段は、シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、チャンバー内の圧力を低下させることが好ましい。これによれば、ドーパントの偏析をより確実に補償することが可能となる。チャンバー内の圧力は、引き上げ進行に伴って連続的に減少させても構わないし、段階的に減少させても構わない。
また、本発明によるシリコンウェーハは、上記の製造方法によって製造され、格子間酸素濃度[Oi]が8.5×1017atoms/cm以下であり(但し、[Oi]はASTM F−121(1979)に規格されたフーリエ変換赤外分光光度法による測定値であり、kはボルツマン定数(8.617×10−5(eV/K))である)、抵抗率の面内ばらつきが10%以下であることを特徴とする。さらに、本発明による垂直シリコンデバイスは、上記のシリコンウェーハを用いて作製されたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、大口径のシリコンウェーハを安価に製造可能なチョクラルスキー法を用いているにもかかわらず、ドーパントの偏析による抵抗率の変動が効果的に抑制される。これにより、中性子線の照射を行うことなく、シリコンインゴットの軸方向における抵抗率をほぼ全長に亘って一定の高抵抗とすることが可能となる。したがって、垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハを安価に提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるシリコン単結晶引き上げ装置の構成を示す模式図である。
図1に示すように、シリコン単結晶引き上げ装置10は、チャンバー11と、チャンバー11の底部中央を貫通して鉛直方向に設けられた支持回転軸12と、支持回転軸12の上端部に固定されたグラファイトサセプタ13と、グラファイトサセプタ13内に収容された石英るつぼ14と、グラファイトサセプタ13の周囲に設けられたヒーター15と、支持回転軸12を昇降及び回転させるための支持軸駆動機構16と、種結晶を保持するシードチャック17と、シードチャック17を吊設する引き上げワイヤー18と、ワイヤー18を巻き取るためのワイヤー巻き取り機構19と、ヒーター15及び石英るつぼ14からの輻射熱によるシリコンインゴット20の加熱を防止すると共にシリコン融液21の温度変動を抑制するための熱遮蔽部材22と、各部を制御する制御装置23とを備えている。このうち、シードチャック17、ワイヤー18及びワイヤー巻き取り機構19は、本発明における「引き上げ機構」に相当する。
本実施形態においては、シリコン融液21にn型のドーパントとして微量のSb(アンチモン)が添加されている。添加量としては、引き上げられるシリコンインゴット20の抵抗率が50Ω・cmとなるよう調整される。50Ω・cmとなるよう調整しているのは、IGBT用のシリコンウェーハに求められる電気特性だからである。Sb(アンチモン)は、P(リン)と比べて偏析係数がさらに小さいことから、シリコンインゴット20の軸方向における濃度変化が大きくなりやすい。その一方で、Sb(アンチモン)は揮発性ドーパントであり、シリコン融液21に含まれる酸素と結合してSbxOyを形成し、これがガスとなってシリコン融液21から蒸発しやすい。このため、偏析による濃度上昇と、蒸発による濃度低下のバランスを取れば、シリコンインゴット20の軸方向におけるドーパント濃度をほぼ一定とすることが可能となる。
チャンバー11の上部には、ArガスであるArガスをチャンバー11内に導入するためのガス導入口24が設けられている。Arガスはガス管25を介してガス導入口24からチャンバー11内に導入され、その導入量はコンダクタンスバルブ26により制御される。ガス導入口24、ガス管25及びコンダクタンスバルブ26は、本発明における「ガス供給手段」に相当する。
チャンバー11の底部には、チャンバー11内のArガスを排気するためのガス排出口27が設けられている。密閉したチャンバー11内のArガスはガス排出口27から排ガス管28を経由して外へと排出される。排ガス管28の途中にはコンダクタンスバルブ29及び真空ポンプ30が設置されており、真空ポンプ30でチャンバー11内のArガスを吸引しながらコンダクタンスバルブ29でその流量を制御することでチャンバー11内の減圧状態が保たれている。ガス排出口27、排ガス管28、コンダクタンスバルブ29及び真空ポンプ30は、本発明における「減圧手段」に相当する。
さらに、チャンバー11の外側には磁場供給装置31が設けられている。磁場供給装置31から供給される磁場は、水平磁場であっても構わないし、カスプ磁場であっても構わない。
図1に示すように、熱遮蔽部材22は、シリコンインゴット20を取り囲む本体部のほか、シリコン融液21の表面に沿って配置された誘導板22aを有している。誘導板22aは、ガス導入口24から導入されるArガスがシリコン融液21の表面に沿って流れるよう案内する役割を果たす。
図2は、シリコン融液22の表面近傍の模式的な拡大図である。
図2に示すように、熱遮蔽部材22の本体部は、シリコンインゴット20を取り囲む筒状体であるのに対し、誘導板22aは、シリコン融液21の表面を覆うドーナツ状の円板である。これにより、シリコンインゴット20と熱遮蔽部材22の本体部との隙間を流れるArガスは、シリコン融液21の表面に達すると、誘導板による案内によりシリコン融液21の表面に沿って外側へ誘導される。このため、誘導板22aが存在しない場合と比べて、シリコン融液21の表面におけるArガスの流速が速くなる。
シリコン融液21の表面には、ドーパントであるSb(アンチモン)の酸化物(SbxOy)が高濃度で存在している。SbxOyは、原料であるシリコンと、石英るつぼ14から溶出した酸素が結合して生成される化合物であり、シリコン融液内で生成され、ガスの形でシリコン融液から排出される。
図3は、シリコン融液表面からの距離とSbxOyの濃度との関係を示すグラフである。
図3に示すように、SbxOyの濃度はシリコン融液21の表面ほど高く、シリコン融液21の表面から遠ざかるに連れて急激に低下する。したがって、シリコン融液21の表面近傍におけるArガスの流速を高めれば、高濃度のSbxOyガスが排出され、シリコン融液21の表面近傍におけるSbxOyガスの分圧が低下する。その結果、シリコン融液21からのSbxOyガスの蒸発が効果的に促進されることになる。
Arガスの流量は、制御装置23の制御により、シリコンインゴット20の引き上げ進行に伴って連続的又は段階的に増加させる。これにより、引き上げの進行に伴ってシリコン融液21の表面を流れるArガスの流速が増すことから、偏析の影響が大きくなる引き上げの終期におけるドーパント濃度の上昇を効果的に抑制することが可能となる。偏析の影響によるドーパント濃度の上昇は、固化率が約65%以上の領域で著しくなることから、これを境としてArガスの流量を増大させることが好ましい。固化率65%を境界としたArガスの流量変化は1倍超、3倍以下とすることが好ましい。これは、Arガスの流量が3倍超に変化するとシリコン融液の液面が揺れ、単結晶の成長が阻害されるからである。その一方で、Arガスの流量変化が少ないと、SbxOyガスの蒸発が十分に促進されないことから、Arガスの流量変化は1.5倍〜1.8倍程度とすることが好ましい。具体的な流量については、引き上げ開始時において100L/min程度、引き上げ終了時において150〜180L/min程度とすることが好ましい。
さらに、チャンバー11の内圧は、制御装置23の制御により、シリコンインゴット20の引き上げ進行に伴って連続的又は段階的に減少する。これにより、引き上げの進行に伴ってSbxOyガスの蒸発が促進されることから、偏析の影響が大きくなる引き上げの終期におけるドーパント濃度の上昇を効果的に抑制することが可能となる。具体的には、引き上げ開始時におけるチャンバー11内の圧力をaとし、引き上げの進行に伴って徐々に圧力を低下させ、引き上げ終了時にはa/4以上、a/2以下とすることが好ましく、a/3程度とすることが特に好ましい。これは、圧力を当初の1/4未満まで低下させると、シリコン融液の液面が揺れ、単結晶の成長が阻害されるからである。一方で、圧力の低下が当初の1/2超であると、SbxOyガスの蒸発が十分に促進されないからである。具体的な圧力については、引き上げ開始時において30torr(4000Pa)程度、引き上げ終了時において10torr(1333Pa)程度とすることが好ましい。
また、シリコン融液21には、窒素が添加されていることが好ましい。シリコン融液21に窒素を添加するためには、原料となるポリシリコンを石英るつぼ14に投入する際に、窒素を含む物質を混入させればよい。窒素を含む物質としては、例えば窒化膜付きシリコンウェーハを挙げることができる。窒素の添加量としては、引き上げられるシリコンインゴット20中の窒素濃度が2×1013atoms/cm以上5×1015atoms/cm以下となるように設定することが好ましい。
シリコンインゴット20の引き上げでは、まず単結晶を無転位化するためにダッシュ法によるシード絞り(ネック部の形成)を行う。次に、必要な直径の単結晶を得るためにショルダー部を育成し、単結晶が求める直径になったところで直径を一定にしてボディ部を育成する。ボディ部を所定の長さまで育成した後、無転位の状態で単結晶をシリコン融液から切り離すためにテール絞り(テール部の形成)を行なう。その後、シリコン融液から切り離したシリコンインゴット20を所定の条件で冷却する。以上の引き上げ工程により、単結晶のシリコンインゴット20を得ることができる。
シリコンインゴット20の引き上げにおいては、単結晶の成長速度をV(mm/分)とし、単結晶成長時の融点から1350℃の温度勾配をG(℃/mm)としたときの比V/Gを0.22〜0.27程度に制御することが好ましい。また、石英るつぼ14の回転数を0.05〜0.5rpmとし、磁場供給装置31を用いて、シリコン融液に2000〜5000G(0.2T〜0.5T)、好ましくは3000〜4000G(0.3T〜0.4T)、より好ましくは3000〜3500G(0.30T〜0.35T)の水平磁場を印加することが好適である。磁場を印加すれば、シリコンインゴット20の酸素濃度を制御することが可能であるが、本実施形態では、ドーパントであるSb(アンチモン)と酸素が結合し、SbxOyガスとして排出されることから、酸素濃度についても低減することが可能となる。具体的には、シリコンインゴット20の格子間酸素濃度[Oi]を8.5×1017atoms/cm以下に設定することが可能となる。但し、[Oi]はASTM F−121(1979)に規格されたフーリエ変換赤外分光光度法による測定値である。
このように、シリコン融液中の酸素がSbxOyガスの形で排出されることから、通常の方法では到達困難なレベルの低酸素結晶を得ることができる。CZ法により製造されたシリコン単結晶ウェーハには、通常、1×1018atoms/cm程度の過剰な酸素が含まれており、このようなウェーハに対して450℃で1時間程度の低温熱処理(IGBT製造工程のシンタリング処理に相当する熱処理)を行うと酸素ドナーが発生し、熱処理前後でウェーハの抵抗率が変化してしまう。また、過剰な酸素が含まれたウェーハに対してデバイス形成プロセスを行うと、過剰な酸素がSiOとなって酸素析出し、再結合ライフタイムの劣化やリーク不良などの原因となり、IGBT特性を劣化させてしまう。しかしながら、SbxOyガスの形でシリコン融液中の酸素を排出すれば、格子間酸素濃度[Oi]を8.5×1017atoms/cm以下の低酸素状態とすることができることから、再結合ライフタイムの低下や酸素ドナー形成による抵抗率の変化を防止することが可能となる。したがって、IGBTなどの垂直シリコンデバイス用のシリコンウェーハとして非常に好適である。
引き上げられたシリコンインゴット20は、軸方向(引き上げ方向)における抵抗率が全長に亘ってほぼ一定となる。具体的な抵抗率については、添加するドーパント量によって調整することができるが、IGBTなどの垂直シリコンデバイス用である場合には、1Ω・cm以上である必要があり、20Ω・cm以上100Ω・cm以下であることが好ましく、50Ω・cm程度であることが特に好ましい。従来の方法では、このような抵抗率を高歩留まりで得るためには、ノンドープのシリコンインゴットに中性子線を照射するしか方法がなかったが、上述した引き上げ方法によれば、中性子線を照射することなくシリコンインゴット20の軸方向における抵抗率を全長に亘って上記の範囲とすることが可能となる。さらに、抵抗率の面内ばらつき(結晶径方向におけるばらつき)も10%以下に低減される。
また、シリコンインゴット20中の窒素濃度を2×1013atoms/cm以上5×1015atoms/cm以下とすれば、COPのサイズが小さくなることから、その後の熱処理工程においてより短時間でCOPを消滅させることができる。さらに、窒素ドープにより、窒素による転位のピンニング効果を発現させることができ、高温熱処理によるスリップ転位の発生を抑制できる。このような熱処理は、シリコンインゴット20をスライスし、シリコンウェーハの状態としてから行われる。
COPを消滅させるためにシリコンウェーハに対して熱処理を行った場合、シリコンウェーハの表面に酸化膜が形成されたり、ヘイズが生じたりすることがある。このような酸化膜やヘイズを除去するためには、シリコンウェーハの表面をミラーポリッシュすることが好ましい。これによれば、熱処理後、シリコンウェーハの表面近傍に残留しているCOPが除去されるため、ゲート酸化膜の信頼性を高めることが可能となる。
さらに、シリコンウェーハに対しては、裏面にエクストリンシックゲッタリング層(EG層)を形成することが好ましい。これは、格子間酸素濃度を低く設定した場合、酸素によるゲッタリング効果が期待できないからである。このような場合、シリコンウェーハの裏面にエクストリンシックゲッタリング層(EG層)としてのポリシリコン層又は歪み層を形成し、デバイスプロセスにおける重金属汚染を除去する必要がある。EG層としてポリシリコン層を用いる場合には、その厚みを0.5μm以上2μm以下の範囲に設定することが好ましい。これは、厚みが0.5μm以上であればゲッタリング効果を十分に発揮させることができ、厚みが2μm以下であれば、ウェーハの反りを防止できるからである。ポリシリコン層は、CVD法などにより形成することが可能である。また、EG層として歪み層を用いる場合には、サンドブラスト法などによってシリコンウェーハの裏面に物理的なダメージを与えればよい。
以上のようにして製造されたシリコンウェーハは、中性子線の照射を行うことなくn型のドーパントがほぼ均一にドープされることによって、抵抗率が1Ω・cm以上、好ましくは20Ω・cm以上100Ω・cm以下、より好ましくは50Ω・cm程度となる。また、ウェーハの面内における抵抗のばらつきも10%以下となる。このため、IGBTなどの垂直シリコンデバイス用の基板として好適に用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、揮発性ドーパントとしてSb(アンチモン)を選択したが、Sb(アンチモン)の代わりにAs(ヒ素)を選択しても構わない。但し、表1に示した通り、As(ヒ素)はSb(アンチモン)と比べると蒸発速度が遅いため、揮発性ドーパントとしてAs(ヒ素)を用いる場合には、Sb(アンチモン)を用いた場合よりもArガスの流量を多くし、且つ、流量の変化をより大きくする必要がある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
図1に示したシリコン単結晶引き上げ装置を用い、CZ法によって直径200mmでありボディ部の全長が1800mmであるシリコンインゴットを育成した。
具体的には、24インチ石英るつぼにポリシリコン原料140kgを投入し、アルゴン雰囲気中で多結晶シリコン塊を加熱してシリコン融液とした。シリコン融液中には、n型のドーパントとしてSb(アンチモン)を添加した。ドーパントの濃度は、シリコンインゴット20のトップ部における抵抗率が50Ω・cmとなるよう調整した。
次に、シリコン融液に種結晶を浸漬させ、次に種結晶及び石英るつぼを回転させながら種結晶を徐々に引き上げて種結晶の下に単結晶を成長させた。尚、単結晶の成長速度をV(mm/分)とし、単結晶成長時の融点から1350℃の温度勾配G(℃/分)としたときの比V/Gを0.27程度に設定した。
引き上げ時におけるAr流量は、固化率65%未満の領域において100L/min、固化率65%以上の領域において150L/minとし、固化率65%を境界として段階的に増加させた。さらに、引き上げ時におけるチャンバー内の圧力は、トップ形成時において30torr(4000Pa)、テール形成時において10torr(1333Pa)とし、連続的に減少させた。
また、シリコンインゴットにおける格子間酸素濃度は、石英るつぼの回転数を調整することにより制御した。石英るつぼの回転数を低くすることにより酸素濃度が低減される。また、MCZ法(磁場印加)を採用することで、低酸素濃度のシリコンインゴットの製造がより簡便となり有効である。このようにして、格子間酸素濃度が3.5×1017atoms/cm、窒素濃度が2.5×1014atoms/cmのシリコンインゴットを製造した。
引き上げられたシリコンインゴットからウェーハを切り出し、結晶軸方向のウェーハ抵抗率を調査するため、結晶のトップから90mm刻み(固化率に換算して5%刻み)で四端子法にてウェーハ中心部の抵抗率を測定した。
結果を図4に示す。図4に示すように、実施例1−1によるシリコンインゴットは、トップ部からテール部にまで抵抗率がほぼ50Ω・cmの一定値であった。
(比較例1−1)
比較例1−1は、シリコン融液からのSb(アンチモン)の蒸発が無いとした場合における理論値である。図4に示すように、理論値によれば、Sb(アンチモン)の偏析により、テール部に近づくに連れて抵抗率が大きく低下する。抵抗率は、固化率80%程度になると10Ω・cmまで低下する。
(比較例1−2)
比較例1−2においては、図1に示したシリコン単結晶引き上げ装置から誘導板22aを省略するとともに、引き上げ時におけるAr流量を100L/minに固定し、チャンバー内の圧力を30torr(4000Pa)に固定した。その他の条件については、実施例1−1と同一とした。結果を図4に示す。図4に示すように、比較例1−2では、Sb(アンチモン)の蒸発が生じていることから、比較例1−1(理論値)に比べると抵抗率の変化が小さくなっているが、その差はごく僅かである。
(実施例1−2)
実施例1−2においては、引き上げ時におけるチャンバー内の圧力を30torr(4000Pa)に固定した他は、実施例1−1と同一条件で引き上げを行った。結果を図4に示す。図4に示すように、実施例1−2では、引き上げが進むにつれて抵抗率が徐々に低下しているが、比較例1−2(Ar流量を100L/minに固定)と比べると、抵抗率の変化が緩和された。
(実施例2−1)
n型のドーパントとしてAs(ヒ素)を用い、Ar流量を固化率65%未満の領域において100L/min、固化率65%以上の領域において180L/minとした他は、実施例1−1と同一条件で引き上げを行った。したがって、引き上げ時におけるチャンバー内の圧力は、トップ形成時において30torr(4000Pa)、テール形成時において10torr(1333Pa)とし、連続的に減少させた。ドーパントの濃度は、シリコンインゴット20のトップ部における抵抗率が50Ω・cmとなるよう調整した。
結果を図5に示す。図5に示すように、実施例2−1によるシリコンインゴットは、トップ部からテール部にまで抵抗率がほぼ50Ω・cmの一定値であった。実施例1−1と比べて抵抗率のばらつきが若干大きくなっているのは、As(ヒ素)の蒸発速度がSb(アンチモン)の蒸発速度よりも遅いからであると考えられる。
(比較例2−1)
比較例2−1は、シリコン融液からのAs(ヒ素)の蒸発が無いとした場合における理論値である。図5に示すように、理論値によれば、As(ヒ素)の偏析により、テール部に近づくに連れて抵抗率が大きく低下する。
(比較例2−2)
比較例2−2においては、図1に示したシリコン単結晶引き上げ装置から誘導板22aを省略するとともに、引き上げ時におけるAr流量を100L/minに固定し、チャンバー内の圧力を100torr(13333Pa)に固定した。その他の条件については、実施例2−1と同一とした。結果を図5に示す。図5に示すように、比較例2−2では、As(ヒ素)の蒸発が生じていることから、比較例2−1(理論値)に比べると抵抗率の変化が小さくなっているが、その差はごく僅かである。
本発明の好ましい実施形態によるシリコン単結晶引き上げ装置の構成を示す模式図である。 シリコン融液22の表面近傍の模式的な拡大図である。 シリコン融液表面からの距離とSbxOyの濃度との関係を示すグラフである。 ドーパントとしてSb(アンチモン)を用いた場合における固化率と抵抗率との関係を示すグラフである。 ドーパントとしてAs(ヒ素)を用いた場合における固化率と抵抗率との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 シリコン単結晶引き上げ装置
11 チャンバー
12 支持回転軸
13 グラファイトサセプタ
14 石英るつぼ
15 ヒーター
16 支持軸駆動機構
17 シードチャック
18 ワイヤー
19 ワイヤー巻き取り機構
20 シリコンインゴット
21 シリコン融液
22 熱遮蔽部材
22a 誘導板
23 制御装置
24 ガス導入口
25 ガス管
26 コンダクタンスバルブ
27 ガス排出口
28 排ガス管
29 コンダクタンスバルブ
30 真空ポンプ
31 磁場供給装置

Claims (10)

  1. 揮発性ドーパントを添加したシリコン融液からチョクラルスキー法によってシリコン単結晶を引き上げることにより垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハを製造する方法であって、
    前記シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、前記シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させることを特徴とする垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記シリコン単結晶の引き上げの初期における前記流量に対し、前記シリコン単結晶の引き上げの終期における前記流量を1倍超、3倍以下とすることを特徴とする垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、チャンバー内の圧力を低下させることを特徴とする請求項1又は2に記載の垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記シリコン単結晶の引き上げの初期における前記チャンバー内の圧力をaとし、前記シリコン単結晶の引き上げの終期における前記チャンバー内の圧力をa/4以上、a/2以下とすることを特徴とする請求項3に記載の垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法。
  5. 前記揮発性ドーパントがSb(アンチモン)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハの製造方法。
  6. るつぼが収容されたチャンバーと、
    前記るつぼ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ機構と、
    前記チャンバー内にArガスを供給するガス供給手段と、
    前記シリコン融液の表面に沿って配置され、前記Arガスが前記シリコン融液の表面に沿って流れるよう案内する誘導板と、を備えることを特徴とする垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置。
  7. 前記ガス供給手段は、前記シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、前記シリコン融液の表面に沿って流れるArガスの流量を増加させることを特徴とする請求項6に記載の垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置。
  8. 前記チャンバー内を減圧状態とする減圧手段をさらに備え、
    前記減圧手段は、前記シリコン単結晶の引き上げ進行に伴って、前記チャンバー内の圧力を低下させることを特徴とする請求項6又は7に記載の垂直シリコンデバイス用シリコン単結晶引き上げ装置。
  9. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法によって製造された垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハであって、格子間酸素濃度[Oi]が8.5×1017atoms/cm以下であり(但し、[Oi]はASTM F−121(1979)に規格されたフーリエ変換赤外分光光度法による測定値であり、kはボルツマン定数(8.617×10−5(eV/K))である)、抵抗率の面内ばらつきが10%以下であることを特徴とする垂直シリコンデバイス用シリコンウェーハ。
  10. 請求項9のシリコンウェーハを用いて作製された垂直シリコンデバイス。
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