JP2014214074A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CZ法によるシリコン単結晶の製造において、拡径部を形成中のみならず、拡径部を形成した後、シリコン単結晶の直胴部の成長中に、後発的に拡径部にスリップ転位が発生することを抑制し、効率良く高重量、大直径のシリコン単結晶を製造することができる製造方法を提供する。【解決手段】CZシリコン単結晶の製造方法であって、拡径部の応力集中位置が存在する領域において、格子間酸素濃度[atoms/cm3(ASTM ’79)]<4.0?1017、格子間酸素濃度[atoms/cm3(ASTM ’79)]+窒素濃度[atoms/cm3]?103≧3.6?1017の関係を満たすように窒素濃度および格子間酸素濃度を制御して、拡径部の応力集中位置が存在する領域においてスリップ転位が発生しないように制御しつつシリコン単結晶を製造する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(Czochralski method、以下、CZ法と略称することがある)によるシリコン単結晶の製造方法に関する。
従来、CZ法によるシリコン単結晶の製造においては、シリコン単結晶の小片を種結晶として用い、これを原料融液(シリコン融液)に接触させた後、回転させながらゆっくりと引き上げることでシリコン単結晶棒(インゴット)を成長させている。
この際、種結晶を原料融液に接触(シーディング、種付)させた後に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生するスリップ転位(単にスリップとも言う)から伝播により生ずる転位を消滅させるために、種結晶を絞り込むテーパ状の絞り込み部とそれに続く直径を3mm程度に一旦細くした絞り部(ネック部)を形成するいわゆる種絞り(ネッキング)を行うことが多い(ダッシュネッキング法)。
このように種結晶の原料融液への接触を行い、ネッキングを行った後、所望の直径になるまで単結晶を太らせて拡径部(コーン部とも呼ばれる)を形成し(コーン工程)、次いで直胴部を成長させ、無転位のシリコン単結晶を引き上げている。
従来、このような無転位のシリコン単結晶を引き上げるための技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、シーディング(種付)時の転位の増殖を抑えるために、ネッキング中に取り込まれる好ましい格子間酸素濃度が開示されている。
また近年、半導体デバイス用シリコンウエーハの大口径化が進み、直径300mm以上、さらには直径450mmのウエーハの需要が高まっている。それを受けて、このような大口径シリコンウエーハ製造用の単結晶の製造が増加している。
特にはこのような大口径のシリコン単結晶の製造を行う際に、300mm未満の小口径の場合と同様にして製造を行うと、コーン工程において結晶は無転位で成長するが、後発的に拡径部のある部分、例えば直径150mm程度の部分にスリップ転位が導入されることがあった。そして成長条件によっては、拡径部で後発的に導入されたスリップが、無転位で直胴部を成長しているときに固液界面に達し、直胴部が有転位化してしまう問題があった。
特開平11−349398号公報
上記のように結晶成長中に後発的に拡径部にスリップが発生することがあるものの、これを防ぐ有効な手段はなかった。特許文献1にしても、シーディング時の転位の増殖を抑えるためのネッキング中の格子間酸素濃度に関するものである。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、CZ法によるシリコン単結晶の製造において、拡径部を形成中のみならず、拡径部を形成した後、シリコン単結晶の直胴部の成長中に、後発的に拡径部にスリップ転位が発生することを抑制し、効率良く高重量、大直径のシリコン単結晶を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、チョクラルスキー法により、種結晶を原料融液に接触させ、コーン工程で拡径部を形成し、該拡径部に続いて直胴部を成長してシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶の製造方法であって、前記コーン工程で育成する拡径部のうち、前記直胴部を成長する間に応力が集中する応力集中位置が存在する領域において、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]<4.0×1017、かつ、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]+窒素濃度[atoms/cm]×10≧3.6×1017の関係を満たすように、窒素をドープしながら窒素濃度および格子間酸素濃度を制御して、前記拡径部の応力集中位置が存在する領域においてスリップ転位が発生しないように制御しつつシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
拡径部を無転位で形成するためには、コーン工程において拡径部をゆっくりと時間をかけて形成する必要がある。そしてこのようにゆっくりと拡径部を形成する場合、原料融液の表面が大きい状態が維持され、原料融液表面から酸素が蒸発しやすく、拡径部における格子間酸素濃度は低下する。格子間酸素濃度を4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]未満になるような条件でシリコン単結晶を製造することにより、コーン工程において結晶を無転位で成長させることができる。
また、格子間酸素濃度と窒素濃度を上記のような関係を満たすように制御するので、拡径部の応力集中位置が存在する領域においてスリップ転位が後発的に発生するのを効果的に抑制することが可能である。
このため、コーン工程中および後発的に拡径部にスリップが発生することを効果的に抑制しながら、効率良く高重量、大直径のCZシリコン単結晶を製造することができる。
このとき、前記拡径部における応力集中位置を、シミュレーション解析により求めた、前記拡径部における相当応力と臨界分解剪断応力の比の値が最大となる位置とすることが好ましい。
このように、シミュレーション解析により、拡径部における相当応力と臨界分解剪断応力の比の値が最大となる位置を求め、これを拡径部における応力集中位置とすれば、直胴部を成長する間に拡径部において応力が集中する領域を、より確実に特定することができ、より効率良く高重量、大直径のシリコン単結晶を製造することができる。
なお、本明細書中では、臨界分解剪断応力をCRSS(Critical Resolved Shear Stress)と言うことがあり、相当応力と臨界分解剪断応力の比の値(相当応力を臨界分解剪断応力で割った値)をCRSS比と言うことがある。
また、このとき、前記シミュレーション解析によって求める前記比の値が最大となる位置を、前記直胴部の成長開始から前記直胴部の長さが30cmになるまでの範囲で求め、該求めた位置が存在する領域を、前記拡径部における応力集中位置が存在する領域とすることができる。
このように、シミュレーション解析によって求める比の値(CRSS比)が最大となる位置は、直胴部の成長開始から直胴部の長さが30cmになるまでの範囲で求めればよい。そして、このような範囲においてシミュレーション解析によって求めた、CRSS比が最大となる位置が存在する領域を、拡径部における応力集中位置が存在する領域とすることができる。
このとき、前記製造するシリコン単結晶を、前記直胴部の直径が450mm以上のものとし、前記拡径部における応力集中位置が、前記拡径部の直径が150mmの領域に存在するものとすることができる。
このように、本発明は、直胴部の直径が450mm以上のような大直径のシリコン単結晶を製造する場合に特に好適に採用することができる。そして、このような場合、拡径部における応力集中位置は、拡径部の直径が150mmの領域に存在することとなる。
以上のように、本発明によれば、CZ法によるシリコン単結晶の製造において、後発的に拡径部にスリップが発生することを抑制し、効率良く高重量、大直径のシリコン単結晶を製造することができる。
拡径部の応力集中位置が存在する領域における格子間酸素濃度および窒素濃度と、拡径部の後発的なスリップ転位の発生の有無との関係を示すグラフである。 シミュレーション解析により求めたCRSS比(相当応力と臨界分解剪断応力の比の値)の、結晶成長方向での分布を示すグラフである。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述したように、特に大口径のシリコン単結晶の製造を行う際、コーン工程後、拡径部にスリップ転位が後発的に発生してしまい、該スリップ転位が、無転位で直胴部を成長しているときに固液界面に達することがあり、これによって直胴部が有転位化してしまう問題があった。
そこで本発明者は、拡径部に導入されるスリップ転位等について鋭意研究を行った。その結果、まず、コーン工程中、拡径部のうち直胴部を成長する間に応力が集中する応力集中位置が存在する領域において、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]を4.0×1017未満になるような育成条件であればコーン工程での無転位化率を向上させることができることを見出した。さらには格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]+窒素濃度[atoms/cm]×10≧3.6×1017の関係を満たすように制御することで後発的なスリップ転位の発生を防止できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明のシリコン単結晶の製造方法について詳述する。
本発明のシリコン単結晶の製造方法はチョクラルスキー法によるものである。使用するシリコン単結晶製造装置は特に限定されず、例えば従来から使用されているものと同様のものを使用することができる。なお、例えば、磁界をかけながらシリコン単結晶の引上げを行う、MCZ法(Magnetic Field Applied Czochralski method:磁界下引上げ法)に対応した製造装置を採用することもできる。
(原料投入工程)
まず、装置内に収容した石英ルツボ内に原料となるシリコン多結晶原料を投入する。このとき、引上げるシリコン単結晶中に窒素がドープされるように、窒素ドープ剤も混入しておく。例えば窒化膜付シリコンウエーハなどを混入することができる。この窒化膜付シリコンウエーハなどの量は、所望のドープ量に応じて適宜決定することができる。ただし本発明では、後述するように、格子間酸素濃度との関係を考慮した上で拡径部に所定量がドープされるように投入量を調節する必要がある。
(種付け工程)
これらの原料をヒーターにより溶融して原料融液を得た後、シリコン単結晶の小片を種結晶として用い、これを原料融液に接触させた後、回転させながらゆっくりと引き上げることでシリコン単結晶を成長させる。
この際、種結晶を原料融液に接触させた後に、熱衝撃により種結晶に高密度で発生するスリップ転位から伝播により生ずる転位を消滅させるために、種結晶を絞り込むテーパ状の絞り込み部とそれに続く直径を3mm程度に一旦細くした絞り部を形成するいわゆる種絞りを行う(ダッシュネッキング法)。
または、このような種絞りを行わず、先端が尖った種結晶を用意して原料融液に静かに接触して所定径まで浸漬させてから引き上げを行う無転位種付け法を適用してシリコン単結晶を引上げることもできる。
(コーン工程および直胴部成長工程)
この後、所望の直径になるまで単結晶を太らせて拡径部を形成し(コーン工程)、次いで直胴部を成長させ、無転位のシリコン単結晶を引き上げる(直胴部成長工程)。
なお、本発明において直胴部の直径の大きさは特に限定されない。ただし、特には300mm以上、さらには450mm又はそれ以上のような大直径のシリコン単結晶を製造する場合に本発明は特に好適に採用することができる。すなわち、本発明に従えば、直胴部の直径が300mm以上、特には450mm以上のような高重量、大直径のシリコン単結晶を、コーン工程において拡径部を無転位で形成するとともに、後発的に拡径部にスリップが発生することを効果的に抑制しながら効率良く製造することができる。
本発明では上記コーン工程において、格子間酸素濃度および窒素濃度が所定範囲になるよう制御する。
ここで、まず、上記のようにコーン工程で格子間酸素濃度および窒素濃度を制御する必要性について詳述する。
本発明者が拡径部で後発的に発生するスリップ転位について調査を行ったところ、その原因は、このスリップは拡径部の成長時に発生したものではなく、拡径部の成長後に後発的に発生しているので、結晶中心部と周辺部の温度差に起因した圧縮応力により発生していると推定される。
この温度差は、拡径部の直径が小さい位置よりも大きい位置の方が大きくなりやすいため、拡径部の内部からスリップが発生しやすくなる。
スリップが拡径部の内部で発生することの理解を助けるために、本発明者は、以下のように数値シミュレーション解析を行った。まず、CrysMAS(ドイツFraunhofer Institute製)を用いた総合伝熱解析によりシリコン単結晶内の温度分布を求め、この温度分布を元にANSYS(米国ANSYS Inc.製)を用いて重力を考慮した応力解析を行うことにより、シリコン単結晶内部の相当応力を求めた。これを、温度依存性を持つ臨界分解剪断応力(CRSS)で割り、この値(CRSS比)の結晶成長方向分布を算出した。このようなシミュレーション解析方法としたのは、引き上げ中のシリコン単結晶は内部に温度分布を持つため、単に相当応力を比較するだけでは、シリコン単結晶の有転位化のし易さを評価できないためである。
図2に、上記の数値シミュレーション解析により求めたCRSS比の結晶成長方向分布を示した。シミュレーション解析に用いた拡径部の形状は、実際に引き上げたシリコン単結晶の形状を概ね再現し、直胴部の直径は456mmとした。なお、横軸は拡径部の直径、縦軸はCRSS比である。線種の違いは結晶化した直胴部の長さの違いであり、凡例に示した通り、例えば太い実線(直胴5cm)は、直胴部を5cmまで成長したときの拡径部におけるCRSS比を示している。
図2からわかるように、成長したシリコン単結晶の直胴長さ(直胴部の長さ)が30cmより短い場合に、拡径部の直径が100mm以上の領域(例えば150mmの領域)にCRSS比がピークを有する(すなわち、CRSS比が最大となる位置が存在する)ことがわかった。一方、実際に引き上げたシリコン単結晶のスリップ起点位置は拡径部の直径が100mm以上の領域(より具体的には150mm付近)であったことから、CRSS比のピーク位置、すなわちスリップが発生しやすい領域で実際にスリップが発生していることが確認された。
なお、図2で示したシミュレーション解析によるCRSS比が1未満の領域、すなわち、相当応力がCRSSよりも小さい領域で、実際に引き上げたシリコン単結晶でスリップが発生していることになるが、これは上記シミュレーション解析に用いたシリコンの物性値、特に高温域における弾性係数が現実とずれているためと考えられる。文献(N. Miyazaki et al.,J.Crystal Growth 125(1992)102)には、シリコン中のCRSS比とスリップの相関が論じられているが、無転位成長可能なシリコンであってもスリップが存在する結果となることから、高温での物性値の信頼性に問題があると指摘している。
したがって、図2に示したシミュレーション解析によるCRSS比は、実際に引き上げたシリコン単結晶と比較すると任意単位を意味することになる。ただし、拡径部におけるスリップが発生しやすい位置を知るためには、CRSS比の絶対値を知る必要はなく、CRSS比の拡径部におけるピーク位置がわかればよい。すなわち、図2に示したような情報により、拡径部におけるスリップが発生しやすい位置を十分に知ることができる。
なお、本発明の拡径部における応力集中位置としては、例えば上記のようにして、直胴部の成長開始から直胴部の長さが30cmになるまでの範囲で求めたCRSS比が最大となる位置とすることができ、該CRSS比が最大となる位置が存在する領域を、拡径部における応力集中位置が存在する領域とみなすことができる。
特には、前述したように、直胴部の直径が450mm以上の単結晶製造の場合は、応力集中位置が拡径部の直径が150mmの領域に存在することになる。
当然これに限定されず、種々の方法によって、拡径部における応力集中位置が存在する領域を適宜決定することができる。
そして、この応力集中位置における種々のパラメータについて調査を行ったところ、格子間酸素濃度や窒素濃度がスリップ転位等に大きな影響を与えていることが分かった。その調査内容を下記実験1、実験2に示す。
(実験1)
まず、拡径部の応力集中位置が存在する領域(ここでは拡径部の直径が150mmの位置の部分)の格子間酸素濃度を変化させて、直胴部の直径が450mmのシリコン単結晶を実際に引上げた。そして、その格子間酸素濃度ごとに、コーン工程での無転位化率と、拡径部の後発的なスリップ転位の発生の有無について調べた。表1にその結果をまとめた。
Figure 2014214074
表1に示すように、格子間酸素濃度が4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]以上になるような拡径部の育成環境では、そもそもコーン工程の無転位化率が格段に低く、無転位結晶が得られにくいことが分った.
一方、格子間酸素濃度が4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]よりも低濃度になるような育成条件では、コーン工程での無転位化率は高いものの、後発的なスリップが拡径部の直径が150mmの位置に確認された。
そこで、コーン工程での無転位化率が高いもの、すなわち、拡径部の直径が150mmの位置の部分の格子間酸素濃度が4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]未満の場合のものについて、後発的なスリップの発生防止の条件を調査するための実験2をさらに行った。
(実験2)
拡径部の応力集中位置が存在する領域(拡径部の直径が150mmの位置の部分)の格子間酸素濃度を4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]未満の範囲で変化させるとともに、その領域での窒素濃度も変化させて、直胴部の直径が450mmのシリコン単結晶を実際に引上げた。そして、その格子間酸素濃度および窒素濃度の組み合わせごとに、コーン工程での無転位化率や、拡径部における後発的なスリップ転位の発生の有無について調べた。表2および図1にその結果をまとめた。
Figure 2014214074
表2に示すように、格子間酸素濃度は4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]未満であり、コーン工程での無転位化率はいずれも比較的高く、74%以上にすることができた。
一方、後発的なスリップ転位の発生の有無に関しては、特には図1に示すように、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]と窒素濃度[atoms/cm]×10との和が3.6×1017以上である場合と、3.6×1017未満である場合とで結果が分かれた。
それらの和が3.6×1017以上の場合では、後発的なスリップ転位は発生しなかった。このため比較的容易に無転位結晶を得ることができた。
一方、それらの和が3.6×1017未満の場合では、後発的なスリップ転位が拡径部の直径が150mmの位置に発生してしまい、そのスリップ転位が直胴部を成長中に固液界面に達し、無転位結晶を得られない場合があった。
以上、コーン工程において格子間酸素濃度および窒素濃度が所定範囲になるよう制御する必要性を説明してきたが、これらを踏まえた結果、本発明で行う格子間酸素濃度および窒素濃度の制御範囲は以下の通りである。
コーン工程で育成する拡径部のうち応力集中位置が存在する領域(例えば直胴部の直径が450mm以上のものの場合、拡径部の直径が150mmの部分)において、まず、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]<4.0×1017の関係を満たすように制御を行い、コーン工程中にスリップ転位が発生しないように制御する。さらには、上記領域において、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]+窒素濃度[atoms/cm]×10≧3.6×1017の関係を満たすように、窒素をドープしながら窒素濃度および格子間酸素濃度を制御し、上記領域に後発的にスリップ転位が発生しないように制御する。
このようにすることで、コーン工程や後の直胴部成長工程においてスリップ転位が発生するのを防止することができ、特には高重量、大直径のシリコン単結晶を効率良く製造することが可能である。
なお、上記領域において、格子間酸素濃度の下限は、例えば2.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]とすることができる。
また、窒素ドープ量が多すぎると直胴成長工程で有転位化しやすくなるため、上記領域での窒素濃度の上限に関しては4.5×1013[atoms/cm]とするのが好ましい。
また、格子間酸素濃度や窒素濃度の制御方法は特には限定されない。
格子間酸素濃度に関しては、例えば、結晶回転やルツボ回転の回転速度を調整することによってその濃度範囲を所望のように制御することができる。
また窒素濃度に関しては、前述したように、原料中に混入する窒化膜付シリコンウエーハの量を調整することによってその濃度範囲を所望のように制御することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例、比較例)
MCZ法により、石英ルツボ内の原料融液から直径450mmのシリコン単結晶を引上げた。このときの拡径部の応力集中位置はシミュレーション解析から拡径部の直径が150mmの領域であった。
なお、実施例では、シリコン単結晶を引上げる際、その回転速度を変化させたり、原料に用いる窒化膜付シリコンウエーハの量を調整することにより、シリコン単結晶の拡径部の直径が150mmの位置の部分における格子間酸素濃度と窒素濃度を調整した。具体的には、格子間酸素濃度を4.0×1017[atoms/cm(ASTM ’79)]未満の範囲で、かつ、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]と窒素濃度[atoms/cm]×10との和が3.6×1017以上になるような格子間酸素および窒素濃度に制御した。
一方、比較例では、実施例のような拡径部における格子間酸素濃度や窒素濃度は特に考慮せず、従来法でシリコン単結晶を引上げた。
その結果、拡径部の上記部分における格子間酸素濃度は実施例とほぼ同様の範囲であったものの、格子間酸素濃度と窒素濃度の組み合わせに関しては実施例と異なっており、上記和はいずれも3.6×1017未満であった。
実施例および比較例でのシリコン単結晶について、コーン工程中の無転位化率や後発的なスリップ転位の発生について調査を行ったところ、表2や図1とほぼ同様の結果が得られた。
すなわち本発明を実施した実施例では、コーン工程での無転位化率が高く、また、スリップ転位が後発的に発生することもなく、容易に無転位結晶を得ることができた。
一方で比較例では、コーン工程での無転位化率は高かったものの、コーン工程後、直胴部を成長中に拡径部にスリップ転位が発生してしまい、該スリップ転位が固液界面に達して無転位結晶を得られない場合があった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により、種結晶を原料融液に接触させ、コーン工程で拡径部を形成し、該拡径部に続いて直胴部を成長してシリコン単結晶を製造するシリコン単結晶の製造方法であって、
    前記コーン工程で育成する拡径部のうち、前記直胴部を成長する間に応力が集中する応力集中位置が存在する領域において、
    格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]<4.0×1017、かつ、格子間酸素濃度[atoms/cm(ASTM ’79)]+窒素濃度[atoms/cm]×10≧3.6×1017の関係を満たすように、窒素をドープしながら窒素濃度および格子間酸素濃度を制御して、前記拡径部の応力集中位置が存在する領域においてスリップ転位が発生しないように制御しつつシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記拡径部における応力集中位置を、シミュレーション解析により求めた、前記拡径部における相当応力と臨界分解剪断応力の比の値が最大となる位置とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記シミュレーション解析によって求める前記比の値が最大となる位置を、前記直胴部の成長開始から前記直胴部の長さが30cmになるまでの範囲で求め、該求めた位置が存在する領域を、前記拡径部における応力集中位置が存在する領域とすることを特徴とする請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記製造するシリコン単結晶を、前記直胴部の直径が450mm以上のものとし、前記拡径部における応力集中位置が、前記拡径部の直径が150mmの領域に存在するものとすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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