JP2010058856A - クレーンの過負荷防止装置及び自走式クレーン - Google Patents

クレーンの過負荷防止装置及び自走式クレーン Download PDF

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Abstract

【課題】規制後に巻上操作を伴うクレーン操作を許容する操作性の良好な過負荷防止装置を提供する。
【解決手段】クレーンの状態が過負荷状態に達するとクレーンの操作を規制するクレーンの過負荷防止装置2である。
そして、過負荷防止装置2によって操作が規制された場合に、ウインチの巻上操作の許否を判定して、許容できると判定した時にウインチの巻上操作を許容する巻上許容判定手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、クレーンの過負荷防止装置と自走式クレーンに関する。
従来、車両上にブームを搭載する作業用車両には、ブームを旋回・伸縮・起伏操作する際に、作用する転倒モーメントが安定に要する安定モーメントを超えて過負荷状態となることを防止する過負荷防止装置が設置されている。
例えば、特許文献1には、作業台が安全領域を超えて移動しようとするとブームの旋回動、起伏動および伸縮動を規制する作動規制手段を有し、ブームの旋回動、起伏動および伸縮動のうちいずれか一つの方向が安全領域を超える方向であっても、作業台の水平移動方向が安全領域を超えない方向であれば、ブームの作動を許容する作業用車両の転倒防止装置が開示されている。
このような構成によれば、高所作業車の作業台の水平移動方向が安全領域を超えない方向であれば、ブームの操作が規制されないため、作業効率を向上させることができる。
特許第3934849号公報
しかしながら、前記した特許文献1は、高所作業車の作業台のブームに関して操作を規制し、安全側の操作を許容するものであり、ウインチの巻上操作を伴うクレーンのブームに関するものではなかった。
そこで、本発明は、規制後に巻上操作を伴うクレーン操作を許容する操作性の良好な過負荷防止装置と、この過負荷防止装置を備える移動式クレーンと、を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のクレーンの過負荷防止装置は、クレーンの状態が過負荷状態に達するとクレーンの操作を規制するクレーンの過負荷防止装置であって、前記過負荷防止装置によって操作が規制された場合に、ウインチの巻上操作の許否を判定して、許容できると判定した時に前記ウインチの巻上操作を許容する巻上許容判定手段を備えることを特徴とする。
また、前記巻上許容判定手段は、吊荷が地切りされていることをもって、前記ウインチの巻上操作を許容するように制御する。
さらに、前記巻上許容判定手段は、過負荷防止装置によって操作が規制された後に、フック水平操作又はフック平行操作によって作業半径縮小方向に移動しようとすることをもって、吊荷が地切りされていると判定して、前記ウインチの巻上操作を許容するように制御する。
そして、前記巻上許容判定手段は、フック水平操作又はフック平行操作によって作業半径拡大方向に移動中に過負荷防止装置によって操作が規制されたことをもって、吊荷が地切りされていると判定して、前記ウインチの巻上操作を許容するように制御する。
また、前記フック水平操作又は前記フック平行操作は、ブームの伸縮操作又は起伏操作の少なくとも一方の操作とウインチの回転操作とを併用して行われるように制御される。
そして、本発明の移動式クレーンは、上記したいずれかのクレーンの過負荷防止装置を備えることを特徴とする。
このように、本発明のクレーンの過負荷防止装置は、過負荷状態に達するとクレーンの操作を規制するクレーンの過負荷防止装置であって、過負荷防止装置によって操作が規制された場合に、ウインチの巻上操作の許否を判定して、許容できると判定した時にウインチの巻上操作を許容する巻上許容判定手段を備える。
したがって、ウインチの巻上操作を伴うクレーンの操作が許容されるため、フック水平移動やフック平行移動などができるようになって、操作性が向上する。
また、巻上許容判定手段は、吊荷が地切りされていることをもって、ウインチの巻上操作を許容するため、吊荷が着地していて巻上操作によって転倒モーメントが増大して定格モーメントを超えることを防止できる。
さらに、巻上許容判定手段は、操作が規制された後に、フック水平操作又はフック平行操作によって作業半径縮小方向に移動しようとすることをもって、吊荷が地切りされていると判定して、ウインチの巻上操作を許容するため、フック水平操作又はフック平行操作によって安全な状態に復帰できる。
そして、巻上許容判定手段は、フック水平操作又はフック平行操作によって作業半径拡大方向に移動中に操作が規制されたことをもって、吊荷が地切りされていると判定して、ウインチの巻上操作を許容するため、フック水平操作又はフック平行操作を継続して行うことができる。
また、フック水平操作又はフック平行操作は、ブームの伸縮操作又は起伏操作の少なくとも一方の操作とウインチの回転操作とを併用して行われることで実現される。
そして、本発明の移動式クレーンは、上記したいずれかのクレーンの過負荷防止装置を備えることで、操作が規制された後にも継続して操作できる安全かつ操作性の良い移動式クレーンになる。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、図2を用いて本実施例のクレーンの過負荷防止装置2を備える移動式クレーン1の構成を説明する。
本実施例の移動式クレーン1は、いわゆるカーゴクレーンであり、走行機能を有する車両10と、車両10の転倒を防止するアウトリガ11と、車両10に旋回自在に立設されたコラム12と、このコラム12に起伏自在に支持されたブーム13と、このブーム13を起伏させるためのブーム起伏シリンダ14と、巻上操作又は巻下操作されるワイヤ15によってブーム13の先端から吊り下げられるフック16と、を備えている。
このアウトリガ11は、フック16に荷を吊り下げる際に、車両10の側方に張り出して接地させて車両10を安定させるためのもので、車両10の前方のコラム12の左右両側に1つずつ配置されている。
また、ブーム13は、コラム12に起伏自在に支持される第1ブーム131と、第1ブーム131に入れ子状に挿入されて伸縮される第2ブーム132と、第2ブーム132に入れ子状に挿入されて伸縮される第3ブーム133と、を備えて構成されている。
さらに、この第3ブーム133の先端のブームヘッド134には、コラム12に設置されたウインチ17のドラムに結線されたワイヤ15が巻上操作又は巻下操作されることで、上下動自在にフック16が吊り下げられている。
そして、本実施例の移動式クレーン1には、図1に示すように、クレーン作業の安全を確保するために、クレーンの過負荷防止装置2が取り付けられている。
このクレーンの過負荷防止装置2は、ブーム13の姿勢やフック16の位置を検出するための姿勢検出器30と、荷重検出器としての起伏シリンダ圧力検出器35と、オペレータが操作盤を操作して入力される操作40と、姿勢検出器30や起伏シリンダ圧力検出器35や操作40を入力されてモーメントを演算して危険側の操作を規制する演算部50と、演算部50からの司令を受けて開閉制御されるバルブ群60と、によって構成されている。
この姿勢検出器30は、ウインチ17のウインチ回転数検出器31、ブーム長さ検出器32、ブーム起伏角度検出器33、ブーム旋回角度検出器34、などによって構成されている。
また、操作40としては、ウインチ操作41、ブーム旋回操作42、ブーム起伏操作43、ブーム伸縮操作44などの単独操作の他に、フック水平操作45、フック平行操作46などの複合操作がある。
さらに、演算部50は、姿勢検出器30が接続されるとともにフック水平操作45及びフック平行操作46が入力されるフック作動演算部51と、ウインチ回転数検出器31を除く姿勢検出器30と起伏シリンダ圧力検出器35が接続されるモーメント演算部52と、フック作動演算部51及びモーメント演算部52が接続されるとともに操作40のうち単独操作が入力される作動規制部53と、を備えている。
このフック作動演算部51は、ワイヤ15の長さLw、ブーム13の長さLB、ブーム13のブーム起伏角度θ、によってフック16の水平移動や平行移動に必要な作動量を演算する。
また、モーメント演算部52は、ブーム13の長さLB、ブーム13のブーム起伏角度θ、ブーム13の旋回角度Φ、起伏シリンダ圧力Pによって転倒モーメントMf及び規制モーメントMaを演算する。
さらに、作動規制部53は、モーメント演算部52からの転倒モーメントMf及び規制モーメントMaの値の大小によって、フック作動演算部51からのフック水平移動作動又はフック平行移動作動や、ウインチ操作41、ブーム旋回操作42、ブーム起伏操作43、ブーム伸縮操作44からの入力操作を規制したうえで、バルブ群60に対して作動量を出力する。
具体的には、この作動規制部53は、図3に示すように、転倒モーメントMfが規制モーメント(定格モーメント)Ma以上となった時に、個別操作として、ブーム伸長操作、ブーム倒伏操作、ウインチ巻上操作を規制し、ブーム縮小操作、ブーム起仰操作、ウインチ巻下操作を許容する。
また、転倒モーメントMfが規制モーメントMa以上となった時に、作業半径を大きくする水平送り操作として、ブーム伸長操作及びブーム倒伏操作を規制し、これに伴うウインチ巻上操作及びウインチ巻下操作も規制する。
一方、転倒モーメントMfが規制モーメントMa以上となった時に、作業半径を小さくする水平引込操作として、ブーム縮小操作及びブーム起仰操作は許容し、これに伴うウインチ巻上操作及びウインチ巻下操作も許容する。
次に、本実施例のクレーンの過負荷防止装置2の、ブームヘッド134及びフック16の水平操作の際の制御方法について、図1,4,5を用いて説明する。
まず、フック作動演算部51は、オペレータが水平送り操作としてフック水平操作45を入力すると、水平操作量、ブーム長さ検出器32によって検出されたブーム長さLB、ブーム起伏角度検出器33によって検出されたブーム起伏角度θ、ウインチ回転数検出器31によって検出された回転数に基づいて回転数−長さ変換を行って計算されたワイヤ15の長さLw、によってフック16の水平移動に必要な作動量を演算する。なお、ワイヤ15の長さLwは、ワイヤ15の実送り出し長さによるフィードバック制御をしない場合には必要ない。
具体的には、ブームヘッド134及びフック16の水平送り操作の場合には、水平操作量に応じて、ワイヤの巻下操作量dLw、ブーム伸長量dLB、ブーム倒伏量dθが演算される。
また、モーメント演算部52は、ブーム長さ検出器32によって検出されたブーム長さLB、ブーム起伏角度検出器33によって検出されたブーム起伏角度θ、ブーム旋回角度検出器34によって検出されたブーム旋回角度Φによって、ブーム13やフック16の位置に応じた安定モーメントとしての規制モーメントMaを演算し、ブーム長さLB、ブーム起伏角度θ、ブーム旋回角度Φ及び起伏シリンダ圧力検出器35によって検出された起伏シリンダ圧力Pによって転倒モーメントMfを演算する。
さらに、作動規制部53は、ブームヘッド134及びフック16の水平送り操作に伴う姿勢変化によって逐次的にモーメント演算部52で演算された規制モーメントMa及び転倒モーメントMfの値の大小を比較する。
そして、転倒モーメントMfが規制モーメントMa以上になっていれば操作を規制し、図3に示すブーム伸長操作、ブーム倒伏操作及びウインチ巻上操作などの個別作動を規制する。
ここにおいて、上記のように転倒モーメントMfが安定モーメントとしての規制モーメントMa以上となって作動が規制されていても、所定の判定条件を満たせば、図4に示すような巻上許容判定手段によって作動規制後のウインチ17の巻上操作が許容される。なお、この巻上許容判定手段は、図1に示す、姿勢検出器30、操作40、演算部50、バルブ群60によって実現される。
以下、この巻上許容判定手段の流れを、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、オペレータによって作業半径拡大方向のフック水平操作45(水平送り操作)が入力されると(ステップS1)、上記したように転倒モーメントMf及び規制モーメントMaを演算し、転倒モーメントMfが規制モーメントMa以上となる過負荷状態に達していれば(ステップS2のYES)、一旦操作を規制する(ステップS3)。
一方、転倒モーメントMfが規制モーメントMa未満となっていれば(ステップS2のNO)、そのまま水平送り操作を継続できる。
さらに、操作が規制された後、巻上操作を許容するか否か判定し(ステップS4)、許容する場合には(ステップS4のYES)巻上操作を許容し(ステップS5)、許容しない場合には(ステップS4のNO)巻上操作を許容せずに終了する。
そして、本実施例の巻上許容判定手段は、フック水平操作45が入力されてフック水平移動がされて、作業半径拡大方向に移動中に操作が規制されたことをもって、吊荷が地切りされていると判定して、ウインチ17の巻上操作を許容する。
ここにおいて、微小な慣性力を考慮すると、巻上許容判定手段は、転倒モーメントMfが第1の規制モーメントMa1を超えて操作が規制された後に許容する巻上操作の際に、吊荷に作用する慣性力によって転倒モーメントMfが第2の規制モーメントMa2を超えないように、ウインチ17の巻上操作の加速度を制限するように構成することが好ましい。
すなわち、一般に、クレーンの定格モーメントは、転倒する時の限界モーメントに対してある一定の余裕を持って設定されているが、この定格モーメントに対してさらに一定の余裕を持って第1の規制モーメントMa1を設定し、定格モーメントを第2の規制モーメントMa2に設定する。
そして、この第1の規制モーメントMa1に達した時点で操作を停止したうえで、第2の規制モーメントMa2を超えないようにウインチ17の巻上操作の加速度を制限することで、フック16を安全側に移動する際にもウインチ17の巻上操作を許容できるようになる。
つまり、このように2段階に規制モーメントMa1,Ma2を設定することで、ウインチ17の巻上操作の加速度による吊荷の慣性力を考慮しても、定格モーメント内で安全に作業することができることになる。
なお、上記した図5のブームヘッド134及びフック16の水平操作の他、図6に示したフック16のみの水平操作や、図7に示したフック16の平行操作の場合でも、上記と略同様の制御手順で巻上許容判定手段によってウインチ17の巻上操作が許容される。
次に、本実施例のクレーンの過負荷防止装置の作用について説明する。
このように、本実施例のクレーンの過負荷防止装置2は、過負荷状態に達するとクレーンの操作を規制するクレーンの過負荷防止装置2であって、過負荷防止装置2によって操作が規制された場合に、ウインチ17の巻上操作の許否を判定して、許容できると判定した時にウインチ17の巻上操作を許容する巻上許容判定手段を備える。
したがって、ウインチ17の巻上操作を伴うクレーンの操作が許容されるため、フック水平移動やフック平行移動などができるようになって、操作性が向上する。
また、巻上許容判定手段は、吊荷が地切りされていることをもって、ウインチ17の巻上操作を許容するため、地切りされていない状態で巻上操作によって転倒モーメントMfが増大して安定モーメントとしての規制モーメントMaを超えることを防止できる。
つまり、従来のクレーンの過負荷防止装置では、クレーンの姿勢が転倒の危険性が高い状態になり過負荷防止装置の作動規制部が操作を規制すると、各アクチュエータの危険側への操作を規制するようになっていた。この危険側への操作として、ブーム13の伸長操作、ブーム13の倒伏操作、ウインチ17の巻上操作などがあり、これらの操作はすべて規制されて停止されていた。
このうち、ウインチ17の巻上操作は、ウインチ17で荷を巻上げて地切りを行っている最中の状態で荷重を増大させる場合を想定して規制されていたものである。
したがって、すでに吊荷が地切りされていることを判定できる場合であれば、ウインチ17の巻上操作を許容しても、吊荷に作用する微小な慣性力を除けば荷重が増大しないため、安全に作業することができる。
なお、このウインチ17の巻上操作による微小な慣性力を考慮した場合、2段階に規制モーメントMa1,Ma2を設定することで、定格モーメント内で安全に作業することができるようになる。
そして、巻上許容判定手段は、フック水平操作45又はフック平行操作46によって作業半径拡大方向に移動中に操作が規制されたことをもって、吊荷が地切りされていると判定して、ウインチ17の巻上操作を許容するため、フック水平操作45又はフック平行操作46を継続して行うことができる。
つまり、操作を規制する前の状態で、フック水平操作45又はフック平行操作46が入力されていたということは、すでに地切りされた状態になっていたということであるから、これによって巻上操作を許容できる。
加えて、このようにフック水平操作45又はフック平行操作46を規制後にも継続できれば、オペレータは規制前の操作と同一の入力操作を行うことができるため、従来のように個別操作によって安全状態になるまで復帰させる必要がなく、作業の流れが自然で操作性が良好になる。
さらに、この場合には、規制前の状態に基づいて判定するため、規制後の状態がフック水平操作45又はフック平行操作46でなくても、ウインチ17の巻上操作を許容できることになる。
また、上述したフック水平操作45又はフック平行操作46は、ブーム13の伸縮操作又は起伏操作の少なくとも一方の操作とウインチの回転操作とを併用して行われることで実現される。
具体的には、ブームヘッド134及びフック16の水平操作による引込みの場合には、ブーム13の縮小操作、ブーム13の起仰操作及びウインチ17の巻上操作によって実現され、フック16のみ水平操作による引込みの場合には、ブーム13の縮小操作及びウインチ17の巻上操作によって実現され、フック16の平行操作による引込みの場合には、ブーム13の縮小操作及びウインチ17の巻上操作によって実現される。
そして、本実施例の移動式クレーン1は、上記したクレーンの過負荷防止装置2を備えることで、操作が規制された後にも継続して操作できる安全かつ操作性の良い移動式クレーン1になる。
以下、前記実施例1とは別の方法による巻上許容判定手段について説明する。なお、前記実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例の基本となる構成については前記実施例1と略同様であるから省略する。
次に、巻上許容判定手段の判定方法について述べる。
本実施例では、図8に示すように、まず、ブーム倒伏操作43やブーム縮小操作44などが入力されると(ステップS1)、転倒モーメントMf及び規制モーメントMaを演算し、過負荷状態に達していれば(ステップS2のYES)、一旦操作を規制する(ステップS3)。
一方、転倒モーメントMfが規制モーメントMa未満となっていれば(ステップS2のNO)、そのままブーム倒伏操作43やブーム縮小操作44を継続する。
さらに、操作が規制された後、入力された操作(ステップS4)に応じて、巻上操作を許容するか否か判定し(ステップS5)、許容する場合には(ステップS5のYES)巻上操作を許容し(ステップS6)、許容しない場合には(ステップS5のNO)巻上操作を許容せずに終了する。
そして、本実施例の巻上許容判定手段は、操作が規制された後に、フック水平操作45又はフック平行操作46が入力され(ステップS4)、作業半径縮小方向に移動しようとすることをもって、吊荷が地切りされていると判定して、ウインチ17の巻上操作を許容する。
このように、操作が規制された後に、フック水平操作45又はフック平行操作46が入力され、作業半径縮小方向に移動しようとすることをもって、ウインチ17の巻上操作を許容するため、フック水平操作45又はフック平行操作46によって安全な状態に復帰できる。
つまり、操作を規制した後に、フック水平操作45又はフック平行操作46が入力されるということは、オペレータがすでに地切りされていると判断したということであるから、これによって巻上操作を許容できる。
加えて、この場合には、規制後の状態に基づいて判定するため、前記実施例のように規制前の状態がフック水平操作45又はフック平行操作46でなくても、ウインチ17の巻上操作を許容できる。
そして、このようにフック水平移動又はフック平行移動によって安全状態に復帰できれば、吊荷が揺動したり、回転したりすることを防止できるため、吊荷を安全に移動させて安全状態に復帰できることになる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例1と略同様であるため説明を省略する。
以下、前記実施例1,2とは別の方法による巻上許容判定手段について説明する。なお、前記実施例1,2で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
本実施例の基本となる構成については前記実施例1,2と略同様であるから省略する。
次に、巻上許容判定手段の判定方法について述べる。
本実施例では、前記実施例1,2とは異なり、巻上許容判定手段が別の方法によって吊荷の地切りを判定して、ウインチ17の巻上操作を許容する場合について説明する。
まず、転倒モーメントMfの増大によって地切りを判定する方法について説明する。
この方法では、ウインチ17を個別操作で巻上操作している際に、起伏シリンダ圧力検出器35によって検出される起伏シリンダ圧力Pが徐々に増大した後に、起伏シリンダ圧力Pの増大が停止したことによって地切りを判定し、これを記憶しておくことで巻上操作を許容する。
つまり、ウインチ17を巻上操作している際に、起伏シリンダ圧力Pの増大が停止するということは、吊荷が宙に浮くことによって地面等から垂直抗力を受けなくなったことを示しているため、これをもって地切りと判定できることになる。
次に、ウインチ17の一旦巻下操作して地切りを判定する方法について説明する。
この方法では、作動規制部53によって操作が規制された後に、ウインチ17を一旦少量だけ巻下操作し、起伏シリンダ圧力検出器35によって検出される起伏シリンダ圧力Pの減少が無いことをもって地切りを判定して巻上操作を許容する。
つまり、ウインチ17を少量だけ巻下操作することで、吊荷が着地すれば荷重が減少して起伏シリンダ圧力Pも減少するため、逆に起伏シリンダ圧力Pの減少が無いことをもって地切りを検出することができることになる。
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例1,2と略同様であるため説明を省略する。
以上、図面を参照して、実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例1,2,3に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施例1,2,3では、巻上許容判定手段が地切りを判定して巻上操作を許容する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、転倒モーメントMfが第1の規制モーメントMa1を超えるものの第2の規制モーメントMa2を超えないような場合には、地切りされていなくても巻上操作を許容することができる。
また、前記実施例1では、移動式クレーン1としてのカーゴクレーンに過負荷防止装置2を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、トラッククレーンやホイールクレーンやクローラクレーンにも適用できる。
さらに、前記実施例1,2,3では、巻上許容判定手段が巻上操作を許容する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、地切りされていると判断されても、吊荷の重量や巻上操作の加速度によっては許容しない場合もある。
そして、前記実施例1,2では、フック水平操作45やフック平行操作46によって安全状態へ復帰する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ウインチ17の巻下操作や、ウインチ17を停止した状態でフック水平操作45やフック平行操作46によって復帰することもできるし、安全側の個別操作によって安全状態へ復帰することもできる。
本発明の最良の実施の形態を説明する実施例1のクレーンの過負荷防止装置の構成を説明するブロック図である。 移動式クレーンの全体構成を説明する説明図である。 過負荷状態となった際に許容する操作を説明する表である。 本発明の最良の実施の形態を説明する実施例1の巻上許容判定手段の判定方法を説明するフローチャートである。 ブームヘッド及びフック水平操作を説明する説明図である。 フック水平操作を説明する説明図である。 フック平行操作を説明する説明図である。 実施例2の巻上許容判定手段の判定方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
Ma 規制モーメント
Ma1 第1の規制モーメント
Ma2 第2の規制モーメント(定格モーメント)
Mf 転倒モーメント
1 移動式クレーン
13 ブーム
134 ブームヘッド
14 ブーム起伏シリンダ
15 ワイヤ
16 フック
17 ウインチ
2 クレーンの過負荷防止装置
30 姿勢検出器
31 ウインチ回転数検出器
32 ブーム長さ検出器
33 ブーム起伏角度検出器
34 ブーム旋回角度検出器
35 起伏シリンダ圧力検出器
40 操作
45 水平操作
46 平行操作
50 演算部
51 フック作動演算部
52 モーメント演算部
53 作動規制部
60 バルブ群

Claims (6)

  1. クレーンの状態が過負荷状態に達するとクレーンの操作を規制するクレーンの過負荷防止装置であって、
    前記過負荷防止装置によって操作が規制された場合に、ウインチの巻上操作の許否を判定して、許容できると判定した時に前記ウインチの巻上操作を許容する巻上許容判定手段を備えることを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  2. 前記巻上許容判定手段は、吊荷が地切りされていることをもって、前記ウインチの巻上操作を許容することを特徴とする請求項1に記載のクレーンの過負荷防止装置。
  3. 前記巻上許容判定手段は、過負荷防止装置によって操作が規制された後に、フック水平操作又はフック平行操作によって作業半径縮小方向に移動しようとすることをもって、吊荷が地切りされていると判定して、前記ウインチの巻上操作を許容することを特徴とする請求項2に記載のクレーンの過負荷防止装置。
  4. 前記巻上許容判定手段は、フック水平操作又はフック平行操作によって作業半径拡大方向に移動中に過負荷防止装置によって操作が規制されたことをもって、吊荷が地切りされていると判定して、前記ウインチの巻上操作を許容することを特徴とする請求項2に記載のクレーンの過負荷防止装置。
  5. 前記フック水平操作又は前記フック平行操作は、ブームの伸縮操作又は起伏操作の少なくとも一方の操作とウインチの回転操作とを併用して行われることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のクレーンの過負荷防止装置。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載のクレーンの過負荷防止装置を備えることを特徴とする移動式クレーン。
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