JP2010056569A - リフロー方法、パターン形成方法および液晶表示装置用tft素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジストのリフロー処理において、軟化したレジストを速やかに流動させ、しかもその流動方向および流動面積を高精度に制御し、もってパターン形成や液晶表示装置用TFT素子の製造に利用できる技術を提供すること。
【解決手段】下層膜102と、該下層膜102よりも上層において下層膜102が露出した露出領域と下層膜が被覆された被覆領域とが形成されるようにパターン形成されたレジスト膜103と、を有する被処理体に対し、レジスト膜103のレジストを軟化させて流動させることにより、露出領域の一部または全部を被覆するリフロー方法であって、レジスト膜103として、その端部Jが、該レジスト膜103の直下の膜102の端部よりも露出領域の上方に向けて突出した形状のレジスト膜103を用いる。
【選択図】図7B
【解決手段】下層膜102と、該下層膜102よりも上層において下層膜102が露出した露出領域と下層膜が被覆された被覆領域とが形成されるようにパターン形成されたレジスト膜103と、を有する被処理体に対し、レジスト膜103のレジストを軟化させて流動させることにより、露出領域の一部または全部を被覆するリフロー方法であって、レジスト膜103として、その端部Jが、該レジスト膜103の直下の膜102の端部よりも露出領域の上方に向けて突出した形状のレジスト膜103を用いる。
【選択図】図7B
Description
本発明は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)素子などの半導体装置用のパターン形成過程で利用できるレジストのリフロー方法並びにそれを用いたパターン形成方法および液晶表示装置用TFT素子の製造方法に関する。
近年では、半導体装置の高集積化と微細化が進展している。しかし、高集積化や微細化が進むと、半導体装置の製造工程が複雑化し、製造コストが増加する。このため、製造コストを大幅に低減すべく、フォトリソグラフィーのためのマスクパターンの形成工程を統合させて全体の工程数を短縮させることが検討されている。
マスクパターンの形成工程数を削減する技術として、レジストに有機溶媒を浸透させることによりレジストを軟化させ、レジストパターンの形状を変化させることによって、マスクパターンの形成工程を省略できるリフロープロセスが提案されている(例えば、特許文献1)。そして、特許文献1では、レジストを軟化させてリフローさせる前に、基板に対し、酸素プラズマ処理、UV処理や、フッ酸溶液への浸漬処理を行い、あるいは上層膜のエッチングをウエット処理により行なうことによって、濡れ性を改善してリフローさせやすくすることが記載されている。
しかし、上記特許文献1に記載された濡れ性改善の手法の中で、フッ酸溶液への浸漬処理以外は、リフローを促すための表面改質を主目的として行なわれるものではなく、レジストマスク表面の変質層の除去など、他の目的で行なわれる処理の副次的効果として記載されているに過ぎず、その効果には疑問がある。また、濡れ性改善の目的でフッ酸への浸漬処理工程を新たに追加すると、工程数を純増させることになり、工数削減や処理時間の短縮化の要請に反する。また、フッ酸のエッチング作用により、基板表面のパターン形状が変化してデバイス性能に悪影響を与えることも懸念され、実用的な手法とは言えない。
このように、特許文献1の方法は、軟化したレジストを速やかに広げ、リフロー処理の工程時間をできるだけ削減するという側面において課題を有するものであった。また、レジストを軟化させて広げる際の方向および被覆面積の制御についても満足のいくものではなく、この点でも課題を有していた。
従って、本発明は、レジストのリフロー処理において、軟化したレジストを速やかに流動させ、しかもその流動方向および流動面積を高精度に制御し、もってパターン形成や液晶表示装置用TFT素子の製造に利用できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、下層膜と、該下層膜よりも上層において前記下層膜が露出した露出領域と前記下層膜が被覆された被覆領域とが形成されるようにパターン形成されたレジスト膜と、を有する被処理体に対し、前記レジスト膜のレジストを軟化させて流動させることにより、前記露出領域の一部または全部を被覆するリフロー方法であって、前記レジスト膜として、その端部が、該レジスト膜の直下の膜の端部よりも前記露出領域の上方に向けて突出した形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、リフロー方法を提供する。
また、軟化した前記レジストの流動を促すように前記露出領域に対して予め表面処理を施す工程を含み、前記表面処理を界面活性剤により行なうことが好ましい。
また、前記レジスト膜として、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状のレジスト膜を用いることが好ましい。この場合、軟化した前記レジストの流動方向または被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御することが好ましい。
また、有機溶媒雰囲気において前記レジストを変形させることが好ましい。また、前記レジスト膜のパターン形成を、ハーフトーンマスクを用いたハーフ露光処理と、その後の現像処理により行なってもよい。
また、本発明の第2の観点は、被処理体の被エッチング膜より上層にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜をパターン形成するマスクパターニング工程と、前記パターン形成されたレジスト膜を再現像処理してその被覆面積を縮小させる再現像処理工程と、前記レジスト膜のレジストを軟化させて変形させ、前記被エッチング膜のターゲット領域を被覆するリフロー工程と、変形後の前記レジストをマスクとして前記被エッチング膜の露出領域をエッチングする第1のエッチング工程と、変形後の前記レジストを除去する工程と、変形後の前記レジストが除去されることにより再露出した前記被エッチング膜のターゲット領域に対してエッチングを行なう第2のエッチング工程と、を含み、前記レジスト膜として、その端部が、該レジスト膜の直下の下層膜の端部よりも前記ターゲット領域の上方に向けて突出した形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、パターン形成方法を提供する。
上記第2の観点のパターン形成方法において、さらに、前記リフロー工程に先立ち、前記被エッチング膜のターゲット領域へ向けて、軟化した前記レジストの流動が促されるように前記被処理体に対し予め表面処理を施す工程を含み、前記表面処理を界面活性剤により行なうことが好ましい。この場合、前記再現像処理工程の前に、前記レジスト膜の表面変質層を除去する前処理工程と、該前処理工程の後で前記被処理体をリンスするリンス工程と、をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なってもよい。
また、前記再現像処理工程の後で、被処理体をリンスするリンス工程をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なってもよい。あるいは、前記リフロー工程の直前に、前記界面活性剤を含む薬液雰囲気中で被処理体に対して表面処理を行なってもよい。
また、上記第2の観点において、前記レジスト膜は、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状であり、
前記リフロー工程において、前記軟化レジストの流動方向または被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御することが好ましい。
前記リフロー工程において、前記軟化レジストの流動方向または被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御することが好ましい。
また、前記リフロー工程において、有機溶媒雰囲気において前記レジストを変形させることが好ましい。さらに、前記マスクパターニング工程を、ハーフトーンマスクを用いたハーフ露光処理と、その後の現像処理により行なうことが好ましい。
さらに、上記第2の観点において、被処理体は、基板上にゲート線及びゲート電極が形成されるとともに、これらを覆うゲート絶縁膜が形成され、さらに前記ゲート絶縁膜上に、下から順にa−Si膜、オーミックコンタクト用Si膜およびソース・ドレイン用金属膜が形成された積層構造体であり、前記被エッチング膜が、前記オーミックコンタクト用Si膜であることが好ましい。
本発明の第3の観点は、基板上にゲート線及びゲート電極を形成する工程と、前記ゲート線および前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に、下から順にa−Si膜、オーミックコンタクト用Si膜およびソース・ドレイン用金属膜を堆積させる工程と、前記ソース・ドレイン用金属膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をハーフ露光処理および現像処理して、ソース電極用レジストマスクおよびドレイン電極用レジストマスクを形成するマスクパターニング工程と、前記ソース電極用レジストマスクおよび前記ドレイン電極用レジストマスクをマスクとして前記ソース・ドレイン用金属膜をエッチングし、ソース電極用金属膜とドレイン電極用金属膜とを形成するとともに、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間のチャンネル領域用凹部に下層のオーミックコンタクト用Si膜を露出させる工程と、パターン形成された前記ソース電極用レジストマスクおよび前記ドレイン電極用レジストマスクを再現像処理して、それぞれの被覆面積を縮小させる再現像処理工程と、縮小後の前記ソース電極用レジストマスクおよび前記ドレイン電極用レジストマスクに有機溶媒を作用させて軟化させた軟化レジストを変形させることにより、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間のチャンネル領域用凹部内の前記オーミックコンタクト用Si膜を覆うリフロー工程と、変形後の前記レジスト並びに前記ソース電極用金属膜および前記ドレイン電極用金属膜をマスクとして、下層の前記オーミックコンタクト用Si膜および前記a−Si膜をエッチングする工程と、変形後の前記レジストを除去して、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間のチャンネル領域用凹部内に前記オーミックコンタクト用Si膜を再び露出させる工程と、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜とをマスクとして、これらの間の前記チャンネル領域用凹部に露出した前記オーミックコンタクト用Si膜をエッチングする工程と、を含み、前記リフロー工程において、前記レジスト膜の端部が前記ソース電極用金属膜の端部および前記ドレイン電極用金属膜の端部よりも前記チャンネル領域用凹部に突き出た突出形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、液晶表示装置用TFT素子の製造方法を提供する。
上記第3の観点において、さらに、前記リフロー工程に先立ち、前記チャンネル領域用凹部内の前記オーミックコンタクト用Si膜へ向けて、前記軟化レジストの流動が促されるように前記基板に対し予め表面処理を施す工程を含み、前記表面処理を界面活性剤により行なうことが好ましい。この場合、前記再現像処理工程の前に、前記レジスト膜の表面変質層を除去する前処理工程と、該前処理工程の後で前記基板をリンスするリンス工程と、をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なうことができる。
また、前記再現像処理工程の後で、前記基板をリンスするリンス工程をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なってもよい。あるいは、前記リフロー工程の直前に、前記界面活性剤を含む薬液雰囲気中で前記基板に対して表面処理を行なうこともできる。
また、上記第3の観点において、前記レジスト膜は、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状であり、前記リフロー工程において、前記軟化レジストの流動方向または被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御することが好ましい。この場合、前記リフロー工程において、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間の前記チャンネル領域用凹部に臨む側に前記厚膜部を設けてもよい。あるいは、前記リフロー工程において、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間の前記チャンネル領域用凹部に臨む側に前記薄膜部を設けてもよい。
また、前記リフロー工程において、有機溶媒雰囲気において前記レジストを変形させることが好ましい。
さらに、前記マスクパターニング工程を、ハーフトーンマスクを用いたハーフ露光処理と、その後の現像処理により行なうこともできる。
本発明の第4の観点は、コンピュータ上で動作し、実行時に、処理チャンバ内で上記第1の観点のリフロー方法が行なわれるようにリフロー処理装置を制御する、制御プログラムを提供する。
本発明の第5の観点は、コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、処理チャンバ内で上記第1の観点のリフロー方法が行なわれるようにリフロー処理装置を制御するものである、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
本発明の第6の観点は、被処理体を載置する支持台を備えた処理チャンバと、前記処理チャンバ内に有機溶媒を供給するためのガス供給手段と、前記処理チャンバ内で上記第1の観点のリフロー方法が行なわれるように制御する制御部と、を備えた、リフロー処理装置を提供する。
本発明によれば、リフロー処理に先立ち、軟化したレジストの流動が促されるように予め表面処理を施すことにより、レジストを速やかに流動させて目的とする領域にまで広げ、短時間でリフロー処理を終了させることができる。また、表面処理を行なうタイミングを工夫することにより、軟化したレジストの流動方向や流動面積(広がり方)も制御することが可能になる。
そして、本発明のリフロー方法を、レジストをマスクにしたエッチング工程が繰り返し行なわれるTFT素子などの半導体装置の製造に適用することにより、省マスク化と工程数の削減が可能になるだけでなく、リフロー処理時間の短縮化が図られる。また、エッチング精度が向上するため、半導体装置の高集積化や微細化への対応も可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい形態について説明する。
図1は、本発明のリフロー方法に好適に利用可能なリフロー処理システムの全体を示す概略平面図である。ここでは、LCD用ガラス基板(以下、単に「基板」と記す)Gの表面に形成されたレジスト膜を、現像処理後に軟化させて変形させ、再被覆させるためのリフロー処理を行なうリフロー処理ユニットと、このリフロー処理に先だって行なわれる再現像処理および前処理を行なうための再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)を備えたリフロー処理システムを例に挙げて説明することとする。このリフロー処理システム100は、複数の基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション(搬入出部)1と、基板Gにリフロー処理および再現像処理を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理ステーション(処理部)2と、リフロー処理システム100の各構成部を制御する制御部3と、を備えている。なお、図1において、リフロー処理システム100の長手方向をX方向、平面上においてX方向と直交する方向をY方向とする。
カセットステーション1は、処理ステーション2の一方の端部に隣接して配置されている。このカセットステーション1は、カセットCと処理ステーション2との間で基板Gの搬入出を行うための搬送装置11を備えており、このカセットステーション1において外部に対するカセットCの搬入出が行われる。また、搬送装置11は、カセットCの配列方向であるY方向に沿って設けられた搬送路10上を移動可能な搬送アーム11aを有している。この搬送アーム11aは、X方向への進出・退避および回転可能に設けられており、カセットCと処理ステーション2との間で基板Gの受渡しを行なえるように構成されている。
処理ステーション2は、基板Gに対してレジストのリフロー処理、その前処理および再現像処理を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備えている。これら各処理ユニットにおいて基板Gは1枚ずつ処理される。また、処理ステーション2は、基本的にX方向に延在する基板G搬送用の中央搬送路20を有しており、この中央搬送路20を挟んでその両側に各処理ユニットが、中央搬送路20に臨むように配置されている。
また、中央搬送路20には、各処理ユニットとの間で基板Gの搬入出を行うための搬送装置21が備えられており、処理ユニットの配列方向であるX方向に移動可能な搬送アーム21aを有している。さらに、この搬送アーム21aは、Y方向への進出・退避、上下方向への昇降および回転可能に設けられており、各処理ユニットとの間で基板Gの搬入出を行なえるように構成されている。
処理ステーション2の中央搬送路20に沿って一方側には、カセットステーション1の側から、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30およびリフロー処理ユニット(REFLW)60がこの順に配列され、中央搬送路20に沿って他方側には、三つの加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cが一列に配列されている。各加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cは、鉛直方向に多段に積層配置されている(図示省略)。
再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30は、リフロー処理に先だって、図示しない別の処理システムにおいて行なわれるメタルエッチング等の処理の際の変質層を除去するための前処理およびレジストのパターンを再現像する再現像処理を行なう処理ユニットである。また、後述するように、この再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30においては、基板Gに対し、界面活性剤を含む薬液を吐出して、レジストの流動を促進するための表面処理を行なうことができる。
再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30は、スピンタイプの液処理機構を備えており、基板Gを保持しつつ一定速度で回転させながら、再現像処理のための再現像薬液吐出ノズルおよび前処理のためのリムーバ液吐出ノズルから、それぞれの処理液を基板Gに向けて吐出して、再現像薬液の塗布や前処理(レジスト表面変質層の除去処理)を行なえるように構成されている。
ここで、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30について図2および図3を参照しながら説明する。図2は再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30の平面図であり、図3は、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30におけるカップ部分の断面図である。図2に示されるように、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30はシンク31により全体が包囲されている。また、図3に示すように、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30においては、基板Gを機械的に保持する保持手段、例えば、スピンチャック32がモータ等の回転駆動機構33により回転可能に設けられ、このスピンチャック32の下側には、回転駆動機構33を包囲するカバー34が配置されている。スピンチャック32は図示しない昇降機構により昇降可能となっており、上昇位置において搬送アーム21aとの間で基板Gの受け渡しを行う。このスピンチャック32は真空吸引力等により、基板Gを吸着保持できるようになっている。
カバー34の外周囲には2つのアンダーカップ35・36が離間して設けられており、この2つのアンダーカップ35・36の間の上方には、主として再現像薬液を下方に流すためのインナーカップ37が昇降自在に設けられ、アンダーカップ36の外側には、主としてリンス液を下方に流すためのアウターカップ38がインナーカップ37と一体的に昇降自在に設けられている。なお、図3において、紙面に向かって左側には再現像薬液の排出時にインナーカップ37およびアウターカップ38が上昇される位置が示され、右側にはリンス液の排出時にこれらが降下される位置が示されている。
アンダーカップ35の内周側底部には回転乾燥時にユニット内を排気するための排気口39が配設されており、2つのアンダーカップ35・36間には主に再現像薬液を排出するためのドレイン管40aが、アンダーカップ36の外周側底部には主にリンス液を排出するためにドレイン管40bが、設けられている。
アウターカップ38の一方の側には、図2に示すように、再現像薬液およびリムーバ液供給用のノズル保持アーム41が設けられ、ノズル保持アーム41には、基板Gに再現像薬液を塗布するために用いられる再現像薬液吐出ノズル42aおよびリムーバ液吐出ノズル42bが収納されている。
ノズル保持アーム41は、ガイドレール43の長さ方向に沿ってベルト駆動等の駆動機構44により基板Gを横切って移動するように構成され、これにより再現像薬液の塗布時やリムーバ液の吐出時には、ノズル保持アーム41は再現像薬液吐出ノズル42aから再現像薬液あるいはリムーバ液吐出ノズル42bからリムーバ液を吐出しながら、静止した基板Gをスキャンするようになっている。
また、再現像薬液吐出ノズル42aおよびリムーバ液吐出ノズル42bは、ノズル待機部45に待機されるようになっており、このノズル待機部45には再現像薬液吐出ノズル42a、リムーバ液吐出ノズル42bを洗浄するノズル洗浄機構46が設けられている。
アウターカップ38の他方の側には、純水等のリンス液吐出用のノズル保持アーム47が設けられ、ノズル保持アーム47の先端部分には、リンス液吐出ノズル48が設けられている。リンス液吐出ノズル48としては、例えば、パイプ状の吐出口を有するもの用いることができる。ノズル保持アーム47は駆動機構49によりガイドレール43の長さ方向に沿ってスライド自在に設けられており、リンス液吐出ノズル48からリンス液を吐出させながら、基板G上をスキャンするようになっている。また、リンス液吐出ノズル48から吐出させるリンス液には、基板Gの表面処理を行なうための界面活性剤を添加することができる。表面処理を行なうための界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤等を用いることができる。なお、リンス液吐出ノズル48とは別に、表面処理用の界面活性剤を含む薬液吐出ノズル(不図示)を設けてもよいが、装置の簡素化の観点からは、リンス液吐出ノズル48を通常のリンス処理と、表面処理を同時に行なうリンス処理と、に併用することが好ましい。
次に、上述した再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30を用いた前処理および再現像処理工程の概略を説明する。まず、インナーカップ37とアウターカップ38とを下段位置(図3の右側に示す位置)に位置させ、基板Gを保持した搬送アーム21aを再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30内に挿入し、このタイミングに合わせてスピンチャック32を上昇させて、基板Gをスピンチャック32へ受け渡す。搬送アーム21aを再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30外に待避させた後、基板Gが載置されたスピンチャック32を降下させて所定位置に保持する。そして、ノズル保持アーム41をインナーカップ37内の所定位置に移動、配置し、昇降機構50bを伸張させてリムーバ液吐出ノズル42bのみを下方に位置させて保持し、基板G上をスキャンしながらリムーバ液吐出ノズル42bを用いてアルカリ性のリムーバ液を基板G上に吐出する。ここで、リムーバ液としては、例えば強アルカリ水溶液を用いることができる。所定の反応時間が経過するまでの間に、昇降機構50bを縮ませてリムーバ液吐出ノズル42bを上方の位置に戻して保持し、ノズル保持アーム41をインナーカップ37およびアウターカップ38から待避させ、代わりにノズル保持アーム47を駆動して、リンス液吐出ノズル48を基板G上の所定位置まで移動させる。続いて、インナーカップ37とアウターカップ38を上昇させ、上段位置(図3の左側位置)に保持する。
そして、基板Gを低速で回転させて基板G上のリムーバ液を振り切る動作に入るのとほぼ同時にリンス液吐出ノズル48からリンス液を吐出し、さらにこれらの動作とほぼ同時に、排気口39による排気動作を開始する。基板Gの回転が開始され、基板Gからその外周に向けて飛散するリムーバ液およびリンス液は、インナーカップ37のテーパー部や外周壁(側面の垂直壁)に当たって下方へ導かれ、ドレイン管40aから排出される。このリムーバ液塗布後のリンス処理に用いるリンス液中に、基板Gの表面処理を行なうための界面活性剤を添加してもよい。このリンス液に界面活性剤を添加した場合には、後の再現像薬液塗布後のリンス処理に用いるリンス液を通常のもの、例えば純水に切替えればよい。
基板Gの回転開始から所定時間経過後には、リンス液を吐出しながら、また基板Gを回転させたままの状態でインナーカップ37とアウターカップ38を降下させて下段位置に保持する。下段位置では、基板Gの表面の水平位置がほぼアウターカップ38のテーパー部の位置に合う高さとする。そして、リムーバ液の残渣が少なくなるように、基板Gの回転数を、リムーバ液を振り切るための回転動作開始時よりも大きくする。この基板Gの回転数を上げる操作は、インナーカップ37とアウターカップ38の降下動作と同時にまたはその前後のいずれの段階で行ってもよい。こうして、基板Gから飛散する主にリンス液からなる処理液は、アウターカップ38のテーパー部や外周壁に当たってドレイン管40bから排出される。次に、リンス液の吐出を停止してリンス液吐出ノズル48を所定の位置に収納し、基板Gの回転数をさらに上げて所定時間保持する。すなわち高速回転により基板Gを乾燥するスピン乾燥を行う。
次に、ノズル保持アーム41をインナーカップ37内の所定位置に移動、配置し、昇降機構50aを伸張させて再現像薬液吐出ノズル42aのみを下方に位置させて保持し、基板G上をスキャンしながら再現像薬液吐出ノズル42aを用いて所定の再現像薬液を基板G上に塗布し、再現像薬液パドルを形成する。再現像薬液パドルが形成された後、所定の再現像処理時間(再現像反応時間)が経過するまでの間に、昇降機構50aにより、再現像薬液吐出ノズル42aを上方の位置に戻して保持し、ノズル保持アーム41をインナーカップ37およびアウターカップ38から待避させ、代わりにノズル保持アーム47を駆動して、リンス液吐出ノズル48を基板G上の所定位置に保持する。続いて、インナーカップ37とアウターカップ38を上昇させ、上段位置(図3の左側位置)に保持する。
そして、基板Gを低速で回転させて基板G上の再現像薬液を振り切る動作に入るのとほぼ同時にリンス液吐出ノズル48からリンス液を吐出し、さらにこれらの動作とほぼ同時に、排気口39による排気動作を開始する。つまり、再現像反応時間の経過前には排気口39は未動作の状態とすることが好ましく、これにより、基板G上に形成された再現像薬液パドルには、排気口39の動作による気流発生等の悪影響が発生しない。なお、ここで吐出される再現像処理後のリンス液中に、基板Gの表面処理を行なうための界面活性剤を添加してもよい。
基板Gの回転が開始され、基板Gからその外周に向けて飛散する再現像薬液およびリンス液は、インナーカップ37のテーパー部や外周壁(側面の垂直壁)に当たって下方へ導かれ、ドレイン管40aから排出される。基板Gの回転開始から所定時間経過後には、リンス液を吐出しながら、また基板Gを回転させたままの状態でインナーカップ37とアウターカップ38を降下させて下段位置に保持する。下段位置では、基板Gの表面の水平位置がほぼアウターカップ38のテーパー部の位置に合う高さとする。そして、再現像薬液の残渣が少なくなるように、基板Gの回転数を、再現像薬液を振り切るための回転動作開始時よりも大きくする。この基板Gの回転数を上げる操作は、インナーカップ37とアウターカップ38の降下動作と同時にまたはその前後のいずれの段階で行ってもよい。こうして、基板Gから飛散する主にリンス液からなる処理液は、アウターカップ38のテーパー部や外周壁に当たってドレイン管40bから排出される。次に、リンス液の吐出を停止してリンス液吐出ノズル48を所定の位置に収納し、基板Gの回転数をさらに上げて所定時間保持する。すなわち高速回転により基板Gを乾燥するスピン乾燥を行う。
以上のようにして、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30における一連の処理が終了する。そして、前記と逆の手順により、搬送アーム21aによって処理後の基板Gが再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30から搬出される。
一方、処理ステーション2のリフロー処理ユニット(REFLW)60では、基板G上に形成されたレジストを有機溶媒例えばシンナー雰囲気で軟化させて再被覆させるリフロー処理が行なわれる。また、後述するように、このリフロー処理ユニット(REFLW)60においては、基板Gを、界面活性剤を含む薬液雰囲気に曝すことにより、レジストの流動を促進するための表面処理を行なうことができる。
ここで、リフロー処理ユニット(REFLW)60の構成について、さらに詳細に説明する。図4は、リフロー処理ユニット(REFLW)60の概略断面図である。リフロー処理ユニット(REFLW)60は、チャンバ61を有している。チャンバ61は、下部チャンバ61aと、この下部チャンバ61aの上部に当接される上部チャンバ61bとを有している。上部チャンバ61bと下部チャンバ61aとは、図示しない開閉機構により開閉可能に構成されており、開状態のときに、搬送装置21により基板Gの搬入出が行なわれる。
このチャンバ61内には、基板Gを水平に支持する支持テーブル62が設けられている。支持テーブル62は熱伝導率に優れた材質例えばアルミニウムで構成されている。
支持テーブル62には、図示しない昇降機構によって駆動され、基板Gを昇降させる3本の昇降ピン63(図4では2本のみを図示する)が、支持テーブル62を貫通するように設けられている。この昇降ピン63は、昇降ピン63と搬送装置21との間で基板Gを受け渡しする際には、基板Gを支持テーブル62から持ち上げて所定の高さ位置で基板Gを支持し、基板Gのリフロー処理中は、例えば、その先端が支持テーブル62の上面と同じ高さとなるようにして保持される。
下部チャンバ61aの底部には、排気口64a,64bが形成されており、この排気口64a,64bには排気系64が接続されている。そして、この排気系64を通ってチャンバ61内の雰囲気ガスが排気される。
支持テーブル62の内部には、温度調節媒体流路65が設けられており、この温度調節媒体流路65には、例えば温調冷却水などの温度調節媒体が温度調節媒体導入管65aを介して導入され、温度調節媒体排出管65bから排出されて循環し、その熱(例えば冷熱)が支持テーブル62を介して基板Gに対して伝熱され、これにより基板Gの処理面が所望の温度に制御される。
チャンバ61の天壁部分には、シャワーヘッド66が、支持テーブル62に対向するように設けられている。このシャワーヘッド66の下面66aには、多数のガス吐出孔66bが設けられている。
また、シャワーヘッド66の上部中央には、ガス導入部67が設けられており、このガス導入部67はシャワーヘッド66の内部に形成された空間68に連通している。ガス導入部67にはガス供給配管69が接続されており、このガス供給配管69は、配管69aと配管69bとに分岐している。配管69aには、有機溶媒例えばシンナーを気化して供給するバブラータンク70が接続され、その途中には開閉バルブ71が設けられている。バブラータンク70の底部には、シンナーを気化させるための気泡発生手段として、図示しないN2ガス供給源に接続されたN2ガス供給配管74が配備されている。このN2ガス供給配管74には、マスフローコントローラ72aおよび開閉バルブ73aが設けられている。また、バブラータンク70は、内部に貯留されるシンナーの温度を所定温度に調節するための図示しない温度調節機構を備えている。そして、図示しないN2ガス供給源からN2ガスをマスフローコントローラ72aによって流量制御しながらバブラータンク70の底部に導入することにより、所定温度に温度調節されたバブラータンク70内のシンナーを気化させ、配管69a,ガス供給配管69を介してチャンバ61内に導入できるように構成されている。
また、分岐したもう一方の配管69bには、表面処理液供給源78が接続されており、その途中には、マスフローコントローラ72bおよびその前後に開閉バルブ71,73bが設けられている。表面処理液供給源78は、例えば図示しない気化器やミスト発生装置などを備えており、界面活性剤を含む薬液をガス状もしくはミスト状にしてマスフローコントローラ72bにより流量制御しながら配管69b,ガス供給配管69を介してチャンバ61内に導入できるように構成されている。
また、シャワーヘッド66の上部の周縁部には、複数のパージガス導入部75が設けられており、各パージガス導入部75には、例えばパージガスとしてのN2ガスをチャンバ61内に供給するパージガス供給配管76が接続されている。パージガス供給配管76は、図示しないパージガス供給源に接続されており、その途中には開閉バルブ77が設けられている。
このような構成のリフロー処理ユニット(REFLW)60においては、まず、上部チャンバ61bを下部チャンバ61aから開放し、その状態で、搬送装置21の搬送アーム21aにより、既に前処理および再現像処理がなされ、パターン形成されたレジストを有する基板Gを搬入し、支持テーブル62に載置する。そして、上部チャンバ61bと下部チャンバ61aを当接させ、チャンバ61を閉じる。ここで、リフロー処理前にリフロー処理ユニット(REFLW)60内で表面処理を行なう場合には、配管69bの開閉バルブ71,73bを開放し、マスフローコントローラ72bによって流量を制御しつつ、表面処理液供給源78から、界面活性剤を含むガス状もしくはミスト状の薬液を配管69b,ガス供給配管69、ガス導入部67を介してシャワーヘッド66の空間68に導入し、ガス吐出孔66bから吐出させる。これにより、チャンバ61内が所定濃度の薬液雰囲気とされ、チャンバ61内の支持テーブル62に載置された基板Gに対して表面処理が行なわれる。
次に配管69bの開閉バルブ71,73bを閉じるとともに、配管69aの開閉バルブ71およびN2ガス供給配管74の開閉バルブ73aを開放し、マスフローコントローラ72aによってN2ガスの流量を調節してシンナーの気化量を制御しつつ、バブラータンク70から、気化されたシンナーを配管69a,ガス供給配管69、ガス導入部67を介してシャワーヘッド66の空間68に導入し、ガス吐出孔66bから吐出させる。これにより、チャンバ61内が所定濃度のシンナー雰囲気とされる。
チャンバ61内の支持テーブル62に載置された基板G上には、既にパターン形成されたレジストが設けられているので、このレジストがシンナー雰囲気に曝されることにより、シンナーがレジストに浸透する。これにより、レジストが軟化してその流動性が高まり、変形して基板G表面の所定の領域(ターゲット領域)が変形レジストで被覆される。この際、支持テーブル62の内部に設けられた温度調節媒体流路65に、温度調節媒体を導入することによって、その熱が支持テーブル62を介して基板Gに対して伝熱され、これにより基板Gの処理面が所望の温度例えば20℃に制御される。シャワーヘッド66から基板Gの表面に向けて吐出されたシンナーを含むガスは、基板Gの表面に接触した後、排気口64a,64bへ向けて流れ、チャンバ61内から排気系64へ排気される。
以上のようにして、リフロー処理ユニット(REFLW)60におけるリフロー処理が終了した後は、排気を継続しながらパージガス供給配管76上の開閉バルブ77を開放し、パージガス導入部75を介してチャンバ61内にパージガスとしてのN2ガスを導入し、チャンバ内雰囲気を置換する。その後、上部チャンバ61bを下部チャンバ61aから開放し、前記と逆の手順でリフロー処理後の基板Gを搬送アーム21aによってリフロー処理ユニット(REFLW)60から搬出する。
三つの加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cには、それぞれ基板Gに対して加熱処理を行うホットプレートユニット(HP)、基板Gに対して冷却処理を行うクーリングプレートユニット(COL)が、多段例えば2段ずつ合計4段に重ねられて構成されている(図示省略)。この加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cでは、前処理後、再現像処理後およびリフロー処理後の基板Gに対して、必要に応じて加熱処理や冷却処理が行なわれる。
図1に示すように、リフロー処理システム100の各構成部は、制御部3のCPUを備えたプロセスコントローラ90に接続されて制御される構成となっている。プロセスコントローラ90には、工程管理者がリフロー処理システム100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、リフロー処理システム100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース91が接続されている。
また、プロセスコントローラ90には、リフロー処理システム100で実行される各種処理をプロセスコントローラ90の制御にて実現するための制御プログラムや処理条件データ等が記録されたレシピが格納された記憶部92が接続されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース91からの指示等にて任意のレシピを記憶部92から呼び出してプロセスコントローラ90に実行させることで、プロセスコントローラ90の制御下で、リフロー処理システム100での所望の処理が行われる。また、前記レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用したり、あるいは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させて利用したりすることも可能である。
以上のように構成されるリフロー処理システム100においては、まず、カセットステーション1において、搬送装置11の搬送アーム11aが未処理の基板Gを収容しているカセットCにアクセスして1枚の基板Gを取り出す。基板Gは、搬送装置11の搬送アーム11aから、処理ステーション2の中央搬送路20における搬送装置21の搬送アーム21aに受渡され、この搬送装置21により、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30へ搬入される。そして、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30にて前処理および再現像処理、さらに必要に応じて表面処理が行なわれた後、基板Gは再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30から搬送装置21によって取出され、加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cのいずれかに搬入される。そして、各加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cにおいて所定の加熱、冷却処理が施された基板Gは、リフロー処理ユニット(REFLW)60へ搬入され、そこでリフロー処理が行なわれる。なお、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30で表面処理を実施しなかった場合には、リフロー処理ユニット(REFLW)60で薬剤雰囲気による表面処理を行なうことができる。リフロー処理後は、必要に応じて各加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)80a,80b,80cにおいて所定の加熱、冷却処理が施される。このような一連の処理が終了した基板Gは、搬送装置21によりリフロー処理ユニット(REFLW)60から取出され、カセットステーション1の搬送装置11に受渡され、任意のカセットCに収容される。
次に、リフロー処理ユニット(REFLW)60において行なわれるリフロー方法の原理について説明する。図5A〜図5D、図6A〜図6Dおよび図7A〜図7Dは、それぞれ本発明のリフロー方法の概念を説明するための図面である。
図5A〜図5Dは、本発明の一実施形態に係るリフロー方法を説明するため、基板Gの表面付近に形成されたレジスト103の断面を簡略化して示している。基板Gには、下層膜101が形成されており、その上には、パターン形成されたレジスト103が形成されている。
図5Aの例では、下層膜101表面にターゲット領域S1が存在し、このターゲット領域S1に軟化したレジスト103を流入させ、ターゲット領域S1をレジスト103で被覆することを目的としている。他方、レジスト103を間に挟んで前記ターゲット領域S1と反対側の下層膜101上には、例えばエッチング領域などの禁止領域S2が存在する。この禁止領域S2はレジスト103による被覆を避けることが必要である。
仮に、図5Aの状態から、例えばシンナーなどの有機溶媒をレジストに接触させ浸透させた場合、軟化したレジスト103は、ターゲット領域S1および禁止領域S2の両方の方向へ同速度で進行していくはずである。従って、レジスト103からターゲット領域S1までの距離と、レジスト103から禁止領域S2までの距離が等しければ、ターゲット領域S1および禁止領域S2の両方が一様にレジスト103によって被覆されてしまうか、両方とも被覆が不十分な状態でレジスト103の流動が停止してしまうはずである。このようにターゲット領域S1の被覆が確実に行なわれず、あるいはレジスト被覆を望まない禁止領域S2にレジスト103が到達すると、例えばリフロー後のレジスト103をマスクとして用いるエッチング形状の精度が低下し、TFT素子などのデバイスの不良や歩留りの低下を引き起こすことになる。リフロー処理におけるこのような不都合は、有機溶媒により軟化させたレジスト103のフロー方向を制御できないことが原因である。
そこで本実施形態では、図5Bに示すように、レジスト103からターゲット領域S1までの下層膜101の流動促進領域104に界面活性剤によって表面処理を施し、軟化したレジスト103が流動しやすいようにその濡れ性を改善した。なお、表面処理を施した流動促進領域104には波線を付している。ここで、表面処理により流動促進領域104が形成される下層膜101の種類は特に問われないが、例えばAl合金や、Ti、Moなどの材質からなる金属膜が対象となる。このように、基板Gの表面に部分的かつ選択的に流動促進領域104を形成する手法としては、後に具体例を挙げて詳述するように、例えば、予めハーフ露光処理などによりレジスト103の膜厚に段差を持たせておいてから、基板Gの全面に表面処理を施し、再現像処理やアッシング処理を行なってレジスト103の薄膜部分を除去することにより、表面処理がされていない下層膜101の表面を露出させる方法を挙げることができる。
図5Cに示すようにレジスト103を軟化させた場合、軟化したレジスト103は下層膜101の表面に広がっていくが、表面処理を施した流動促進領域104は濡れ性が改善されているため、より多くのレジスト103が流動促進領域104の方に進行し、ターゲット領域S1に誘導されていく。一方、表面処理を施していない禁止領域S2に向うレジスト103の進行は、ターゲット領域S1へ向かうレジスト103が多くなるほど、その反作用で逆に抑制される。図5C中、白矢印は、レジスト103の流動速度および流動体積の大きさを示している。
その結果、図5Dに示すようにターゲット領域S1へは、レジスト103を到達させ、確実に被覆することができる。一方、禁止領域S2へはレジスト103を到達させず、被覆を回避することができる。
図6A〜図6Dは、本発明のリフロー方法の別の実施形態に関するものであり、基板Gの表面付近に形成されたレジスト103の断面を簡略化して示している。図6Aにおいて、下層膜101が形成され、その上に、パターン形成されたレジスト103が形成されている構造およびターゲット領域S1、禁止領域S2については、図5Aと同様である。本実施形態において、レジスト103は、部位により膜厚が異なり、表面に段差を有する形状になっている。すなわち、レジスト103の表面には高低差が設けられ、膜厚の厚い厚膜部103aと、この厚膜部103aに比較して相対的に膜厚の薄い薄膜部103bを有する形状になっている。厚膜部103aは、ターゲット領域S1の側に形成され、薄膜部103bは、禁止領域S2の側に形成されている。
次に、図6Bに示すように、レジスト103からターゲット領域S1までの下層膜101の流動促進領域104に界面活性剤によって表面処理を施し、軟化したレジスト103が流動しやすいようにその濡れ性を改善する。表面処理を施した流動促進領域104には波線を付している。
表面処理を施した後に、図6Cに示すようにレジスト103を軟化させた場合、軟化したレジスト103は下層膜101の表面に広がっていくが、表面処理を施した流動促進領域104は濡れ性が改善されているため、より多くのレジスト103が流動促進領域104の方に進行し、ターゲット領域S1に誘導されていく。一方、表面処理を施していない禁止領域S2に向うレジスト103の進行は、ターゲット領域S1へ向かうレジスト103が多くなるほど、その反作用で逆に抑制される。
なお、図6Cにおいても、白矢印はレジスト103の流動速度および流動体積の大きさを示している。
また、前記のように、レジスト103には膜厚の厚い厚膜部103aと、膜厚の薄い薄膜部103bとが存在するので、これによっても軟化したレジスト103の流動方向が制御される。例えば、厚膜部103aは、シンナー雰囲気に対する露出面積が大きいため、シンナーが浸透しやすく、これにより軟化が速くなり、流動性も高くなる。さらに、厚膜部103aは比較的速く軟化が進行するとともに、レジスト体積も大きいため、図6Dに示すように、レジスト103を確実にターゲット領域S1に到達させることができる。
一方、薄膜部103bは、シンナー雰囲気に対する露出面積が厚膜部103aに比較して小さいので、軟化が進みにくく、厚膜部103aに比べて流動性はさほど大きくならない。そして、薄膜部103bは、軟化の進行が遅れることと、厚膜部103aに比べてレジスト体積も小さいため、禁止領域S2へ向かうレジスト103の流動が抑制され、図6Dに示すように、禁止領域S2へ到達することなく変形が停止する。
このように、表面処理によりレジスト103の流動方向を誘導することに加え、厚膜部103a,薄膜部103bを有し、表面に高低差のあるレジスト103を用いることによって、レジスト103が広がるフロー方向およびフロー面積をより確実に制御することが可能になり、十分なエッチング精度を確保できるようになる。
図7A〜図7Dは、本発明のリフロー方法のさらに別の実施形態に関するものであり、基板Gの表面付近に形成されたレジスト103の断面を簡略化して示している。
図7Aに示すように、基板Gには、下層膜101および下層膜102が積層形成され、その上に、パターン形成されたレジスト103が形成されている。ターゲット領域S1、禁止領域S2については、前記と同様である。
本実施形態においては、ターゲット領域S1に臨む側のレジスト103の下端部Jが、下層膜102の端部よりもターゲット領域S1側へ向けて張出したオーバーハング形状に形成されている。これに対し、図7Aとは逆に、下層膜102の端部がレジスト103の下端部Jよりもターゲット領域S1側に張り出した構造(不図示)の場合、下層膜102と下層膜101によって段差が形成されることになる。軟化したレジスト103の進行途中にこのような段差が存在すると、そこで軟化したレジスト103が停滞し、段差を越えるまでに一定の時間を要する。また、軟化したレジスト103は、段差で停滞している間に、より流れやすい方向へ流動していくため、流動方向の制御も困難になる。このような理由から、本実施形態では、レジスト103の下端部Jを、下層膜102の端部よりもターゲット領域S1側へ向けて突出させ、オーバーハング形状にした。
次に、図7Bに示すように、レジスト103からターゲット領域S1までの下層膜101の流動促進領域104に界面活性剤によって表面処理を施し、軟化したレジスト103が流動しやすいようにその濡れ性を改善する。表面処理を施した流動促進領域104には波線を付している。
表面処理を施した後に、図7Cに示すようにレジスト103を軟化させた場合、軟化したレジスト103は下層膜101の表面に広がっていくが、表面処理を施した流動促進領域104は濡れ性が改善されているため、より多くのレジスト103が流動促進領域104の方に進行し、ターゲット領域S1に誘導されていく。また、前記のようにレジスト103の下端部Jは、下層膜102の端部よりもターゲット領域S1側へ張り出して形成されているので、ターゲット領域S1へ向けてのレジスト103の流動が下層膜102によって妨げられることなく、よりいっそうスムーズに進行する。従って、図7Dに示すように、レジスト103を確実にターゲット領域S1に到達させ、その場所を被覆することができる。
一方、表面処理を施していない禁止領域S2に向うレジスト103の進行は、ターゲット領域S1へ向かうレジスト103が多くなるほど、その反作用で逆に抑制され、図7Dに示すように、禁止領域S2へ到達することなく変形が停止する。
このように、表面処理によりレジスト103の流動方向を誘導することに加え、予めレジスト103の下端部Jを下層膜102よりも突出させておくことにより、レジスト103の広がりを速め、リフロー処理時間を短縮できるとともに、フロー方向を制御することが可能になり、十分なエッチング精度を確保できるようになる。
この表面処理は、リフロー処理に先立って実施すればよい。例えば、表面処理はリフロー処理の直前に行なうことができる。また、例えばTFT素子の製造過程では、後述するように、レジストの再現像処理の前後や、該再現像処理より先に、エッチングによるレジストの表面変質層を除去する目的で行なう前処理の前後のタイミングで、表面処理を実施することができる。
また、図6A〜図6Dの実施形態では、表面に高低差が設けられ、膜厚の厚い厚膜部103aと、この厚膜部103aに比較して相対的に膜厚の薄い薄膜部103bと、を有するレジスト103において、厚膜部103aをターゲット領域S1の側に形成し、薄膜部103bを、禁止領域S2の側に形成したが、これとは逆に、薄膜部103bをターゲット領域S1の側に形成し、厚膜部103aを禁止領域S2の側に形成することも可能である。かかる配置が可能な理由は、レジスト103の流動状態が、リフロー処理ユニット(REFLW)60内で処理する際のシンナーの濃度、流量、基板G(支持テーブル62)の温度、チャンバ61の内圧等の条件によって変化するためである。
例えば、図8A〜図8Dに示すように、シンナー濃度、流量およびチャンバの内圧については、これらが増加するとともにレジストの流動速度も上昇するが、温度については、上昇するに伴いレジスト103の流動速度を低下させる傾向がある。つまり、厚膜部103a、薄膜部103bの形状や配置が同じであっても、例えばチャンバ61内のシンナー濃度によってレジストの軟化の程度が変化し、流動方向や流動速度などの挙動が異なるものとなる。従って、リフロー処理における有機溶媒濃度、流量、基板温度、圧力などの条件を組み合わせ、実験的に最適な条件を決定、選択することにより、表面に高低差(厚膜部、薄膜部)を有するレジスト103を用いて、その流動方向や被覆面積を任意に制御することが可能になる。
また、図示は省略するが、レジスト膜厚を変化させ、厚膜部と薄膜部を設けた実施形態(図6A〜図6D参照)において、図7A〜図7Dに示す実施形態と同様に、ターゲット領域S1に臨む側のレジスト103の下端部を突出させせる構造(オーバーハング形状)を適用することも可能である。この場合、レジストの流動方向、流動速度および流動面積を、表面処理と、レジスト形状(厚膜部および薄膜部)と、ターゲット領域S1に臨むレジスト103の下端部の突出形状(オーバーハング形状)とによって、さらに高精度に制御することができる。
さらに、図6A〜図6Dに示す実施形態では、レジスト膜に厚膜部と薄膜部を設ける構成としたが、レジスト膜厚の変化は2段階に限らず、3段階以上に変化させてもよい。また、レジスト膜厚は、階段状に変化させるだけでなく、徐々に膜厚が変化するような傾斜表面を有する形状にすることもできる。この場合、例えば予めレジストの塗布膜厚に傾斜を持たせることにより、露光後のレジスト表面に傾斜面を形成できる。
次に、図9〜図32を参照しながら、本発明のリフロー方法を液晶表示装置用TFT素子の製造工程に適用した実施形態について説明する。
図9は、本発明の第1実施形態に係る液晶表示装置用TFT素子の製造方法の主要な工程を示すフローチャートである。
まず、図10に示すように、ガラス等の透明基板からなる絶縁基板201上にゲート電極202および図示しないゲート線を形成し、さらにシリコン窒化膜などのゲート絶縁膜203、a−Si(アモルファスシリコン)膜204、オーミックコンタクト層としてのn+Si膜205、Al合金やMo合金等の電極用金属膜206をこの順に積層して堆積する(ステップS1)。
次に、図11に示すように、電極用金属膜206上にレジスト207を形成する(ステップS2)。そして、図12に示すように、部位によって光線の透過率が異なり、レジスト207の露光量を領域別に変化させることが可能なハーフトーンマスク300を露光マスクに用い、露光処理を行なう(ステップS3)。このハーフトーンマスク300は、レジスト207に対して、3段階の露光量で露光できるように構成されている。このようにレジスト207をハーフ露光することにより、図13に示すように、露光レジスト部208と、未露光レジスト部209とが形成される。未露光レジスト部209は、ハーフトーンマスク300の透過率に対応して、露光レジスト部208との境界が階段状に形成される。
露光後は、現像処理を行なうことにより、図14に図示するように、露光レジスト部208が除去され、未露光レジスト部209を電極用金属膜206上に残存させる(ステップS4)。未露光レジスト部209は、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211に分離されパターン形成されている。ソース電極用レジストマスク210は、ハーフ露光によって、膜厚が厚い順に、第1膜厚部210a、第2膜厚部210bおよび第3膜厚部210cが階段状に形成されている。ドレイン電極用レジストマスク211も、同様にハーフ露光によって、膜厚が厚い順に第1膜厚部211a、第2膜厚部211bおよび第3膜厚部211cが階段状に形成されている。
そして、残存した未露光レジスト部209をエッチングマスクとして用い、電極用金属膜206をエッチングし、図15に示すように、後にチャンネル領域となる凹部220を形成する(ステップS5)。このエッチングによって、ソース電極206aとドレイン電極206bが形成され、これらの間の凹部220内にn+Si膜205の表面を露出させることができる。また、エッチングにより、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の表面付近には、薄い表面変質層301が形成される。
次に、リムーバ液を用いてウエット処理を施し、電極用金属膜206をエッチングした際の表面変質層301を除去する前処理を実施する(ステップS6)。前処理後は、ソース電極206aとドレイン電極206bの上の未露光レジスト部209を部分的に除去する再現像処理を行なう(ステップS7)。前処理および再現像処理は、リフロー処理システム100の再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30において行なうことが出来る。図9に示すように、界面活性剤を用いた表面処理は、ステップS6の前処理工程の直前、この前処理工程からステップS7の再現像処理工程までの間、またはステップS8のリフロー処理工程の前のいずれかのタイミングで実施することができる。この表面処理工程を設けるタイミングについては後述するが、本実施形態では、前処理工程の後のリンス処理(リンス工程)でリンス液中に界面活性剤を添加して表面処理を行なう場合を例に挙げ、以降の説明を行なう。
ステップS7の再現像処理により、図16に示すように、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の被覆面積は大幅に縮小される。具体的には、ソース電極用レジストマスク210では、第3膜厚部210cが完全に除去され、第1膜厚部210aおよび第2膜厚部210bがソース電極206a上に残存する。また、ドレイン電極用レジストマスク211も、同様に第3膜厚部211cが完全に除去され、第1膜厚部211aおよび第2膜厚部211bがドレイン電極206b上に残存する。
このように、再現像処理を施してソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の被覆面積を減少させることにより、次にリフロー処理(ステップS8)において変形レジストがターゲット領域(凹部220)とは反対側のソース電極206aの端部またはドレイン電極206bの端部からはみ出して下層膜(n+Si膜205)を被覆してしまうことを防止できる。なお、図16では、比較のため、再現像処理前のソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の輪郭を破線で示している。また、この図16に示す断面構造に対応する平面図を図21に示す。
また、先に述べたように、本実施形態では、ステップS6の前処理工程後のリンス工程においてリンス液中に界面活性剤を添加して表面処理を行なっている。このため、例えば再現像処理前の図15の状態では、基板Gの露出表面の全体が表面処理されていることになるが、図16に示す再現像処理後は、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の被覆面積の縮小によって、基板Gの表面には、表面処理がされた領域と、未表面処理の領域が形成される。
すなわち、図16に示すソース電極206aおよびドレイン電極206bの表面のうち、再現像処理前にソース電極用レジストマスク210の第3膜厚部210cによって被覆されていた領域206cおよびドレイン電極用レジストマスク211の第3膜厚部211cによって被覆されていた領域206dは、再現像処理によって生じた新たな露出面であるため、これらの領域(新たな露出面)には、表面処理が施されてないことになる。従って、図16では、ソース電極206aとドレイン電極206bとの間の凹部220内に露出したターゲット領域であるn+Si膜205の表面と、ソース電極206aとドレイン電極206bの外側に露出したn+Si膜205の表面だけが表面処理されていることになる。
ところで、再現像処理によって第1膜厚部210aと第2膜厚部210b(または第1膜厚部211aと第2膜厚部211b)の膜厚とともに、横方向の合計厚さ(幅)L1は、再現像前の合計厚さ(幅)L0(図15参照)に比較して小さくなる。そして、凹部220に臨む側のソース電極用レジストマスク210の第1膜厚部210aの端面と、その直下のソース電極206aの端面とはその位置がずれて凹部220に面して段差Dが形成される。同様に、凹部220に臨む側のドレイン電極用レジストマスク211の第1膜厚部211aの端面と、その直下のドレイン電極206bの端面とはその位置がずれて凹部220に面して段差Dが形成される。
つまり、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211が再現像処理によって横方向にも削られた結果、凹部220に臨む側のソース電極用レジストマスク210の端部とドレイン電極用レジストマスク211の端部との距離は、その下層のソース電極206aの端部と前記ドレイン電極206bの端部との距離よりも広くなっている。
このような段差Dが形成されると、次のリフロー工程において軟化レジストによってターゲット領域(この場合は凹部220)を被覆する際の軟化レジストの流動方向の制御が難しくなるばかりでなく、段差Dを越えるまでに流動の停滞が起こるため、リフロー処理時間の増加を招き、スループットを低下させる原因となる。
このため、本実施形態では、軟化レジストが段差Dを越えてターゲット領域の凹部220内に流入しやすいように、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211に、それぞれ厚膜部としての第1膜厚部210a,211aと、薄膜部としての第2膜厚部210b,211bを設け、軟化レジストの流動方向の制御と処理時間の短縮化を実現している。
また、リフロー処理工程(ステップS8)において、軟化したレジストは、表面処理が施されたターゲット領域である凹部220内のn+Si膜205の露出面に流動しやすくなるが、表面処理が施されていないソース電極206aおよびドレイン電極206bの領域206c,206dでの流動は促進されず、軟化レジストの流動方向を表面処理によって誘導することが可能になる。
その結果、リフロー処理においては、後にチャンネル領域となる目的の凹部220にシンナー等の有機溶媒によって軟化させられたレジストを短時間で流入させ、凹部220を確実に被覆することができる。このリフロー処理は、図4のリフロー処理ユニット(REFLW)60により行なわれる。
図17は、変形レジスト212によって凹部220の周囲が被覆された状態を示している。この図17に示す断面構造に対応する平面図を図22に示す。従来技術では、変形レジスト212が例えばソース電極206aやドレイン電極206bの凹部220とは反対側にまで広がり、例えばオーミックコンタクト層としてのn+Si膜205の上を被覆してしまうため、被覆部分が次のシリコンエッチング工程でエッチングされなくなり、エッチング精度が損なわれてTFT素子の不良や歩留りの低下を招来するという問題があった。また、変形レジスト212による被覆面積を予め大きく見積もって設計しておくと、一つのTFT素子を製造するために必要な面積(ドット面積)が大きくなり、TFT素子の高集積化や微細化への対応が困難になるという問題があった。
これに対し、本実施形態では、再現像処理によってソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の体積を大幅に減少させ、さらに表面処理によって軟化レジストの流動方向を誘導している結果、図17に示されるように、変形レジスト212による被覆領域はリフロー処理のターゲット領域である凹部220の周囲に限定され、しかも変形レジスト212の膜厚も薄く形成できている。従って、TFT素子の高集積化、微細化にも対応できる。
次に、図18に示すように、ソース電極206a、ドレイン電極206bおよび変形レジスト212をエッチングマスクとして使用し、n+Si膜205およびa−Si膜204をエッチング処理する(ステップS9)。その後、図19に示すように、例えばウエット処理などの手法により、変形レジスト212を除去する(ステップS10)。その後、ソース電極206aおよびドレイン電極206bをエッチングマスクとして使用し、凹部220内に露出したn+Si膜205をエッチング処理する(ステップS11)。これにより、図20に示すように、チャンネル領域221が形成される。
以降の工程は図示を省略するが、例えば、チャンネル領域221とソース電極206aおよびドレイン電極206bを覆うように有機膜を成膜した後(ステップS12)、フォトリソグラフィー技術によりソース電極206a(ドレイン電極206b)に接続するコンタクトホールをエッチングによって形成し(ステップS13)、次いでインジウム・錫酸化物(ITO)等により透明電極を形成する(ステップS14)ことにより、液晶表示装置用のTFT素子が製造される。
ここで、図23〜図25を参照しながら、表面処理を行なうタイミングについて説明を行なう。前記のように、表面処理は、リフロー工程の前であれば任意のタイミングで実施できるが、図9に示すような手順で行なわれる液晶表示装置用TFT素子の製造工程においては、以下に例示するタイミングで実施することが好ましい。
図23は、前処理工程の後のリンス工程で表面処理を行なう態様を示している。まず、ステップS21では、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30において、リムーバ液を基板Gに塗布する。次に、ステップS22では、基板G表面のリムーバ液を洗い流すためにリンス液を基板Gに向けて吐出するが、このリンス液中に界面活性剤を添加しておくことにより、リンス処理と同時に界面活性剤による表面処理を行なうことができる。
次にステップS23では、再現像薬液の塗布を行い、引き続きステップS24では、基板G上の再現像薬液を除去するためにリンス液を吐出し、洗浄する。以上のステップS21からステップS24までの処理は、再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30で連続して実施できる。そして、前処理および再現像処理された洗浄後の基板Gは、リフロー処理ユニット(REFLW)60へ移され、そこでリフロー処理が行なわれる(ステップS25)。
このように、前処理後のリンス工程で表面処理を実施した場合には、その後の再現像処理でレジストの被覆面積を縮小させると、基板Gの表面に表面処理済みの領域と未表面処理の領域とが形成されるので、これを利用して基板Gの表面に選択的に表面処理された流動促進領域を形成し、軟化レジストを流動促進領域に誘導することが可能になる。また、表面処理によって、軟化レジストの流動速度が速められるので、リフロー工程の工程時間を短縮化することが可能になる。
図24は、再現像処理工程の後のリンス工程で表面処理を行なう態様を示している。まず、ステップS31では、前記と同様に再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30において、リムーバ液を基板Gに塗布する。次に、ステップS32では、リンス液を基板Gに向けて吐出し、基板G表面のリムーバ液を洗い流す。
次にステップS33では、再現像薬液を基板Gに塗布し、再現像処理を行なう。引き続きステップS34では、基板G上の再現像薬液を除去するためにリンス液を吐出し、洗浄する。このリンス液中に界面活性剤を添加しておくことにより、リンス処理と同時に界面活性剤による表面処理を行なうことができる。
そして、前処理および再現像処理された洗浄後の基板Gは、リフロー処理ユニット(REFLW)60へ移され、そこでリフロー処理が行なわれる(ステップS35)。
このように、再現像処理後のリンス工程で表面処理を実施した場合には、基板Gの露出面全体に表面処理が施されることになる。従って、軟化レジストの流動速度を促進し、リフロー工程の時間を短縮化できる。
以上の図23および図24に示す態様では、前処理後または再現像処理後に行なわれるリンス工程を利用し、リンス液中に界面活性剤を添加することにより、表面処理工程を別個に設ける必要がなくなるので、リフロー処理全体の工程数を増加させることなく、表面処理を実施できるメリットがある。
図25は、さらに別の態様を示しており、ここでは、リフロー処理の直前に表面処理工程を設けている。
まず、ステップS41では、前記と同様に再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30において、リムーバ液を基板Gに塗布し、続いて、ステップS42では、リンス液を基板Gに向けて吐出し、基板Gからリムーバ液を洗い流す。ステップS43では、再現像薬液を基板Gに塗布し、再現像処理を行ない、引き続きステップS44では、基板G上の再現像薬液を除去するためにリンス液を吐出し、洗浄する。
次に、前処理および再現像処理された洗浄後の基板Gを、リフロー処理ユニット(REFLW)60へ移し、そこでステップS45の界面活性剤を用いた表面処理を行なう。すなわち、リフロー処理ユニット(REFLW)60で、基板Gに、例えば界面活性剤を含む表面処理液を気体状またはミストの状態にして供給し、表面処理のみを行なう。この場合、図4に示すリフロー処理ユニット(REFLW)60の表面処理液供給源78から、界面活性剤を含む表面処理液をシャワーヘッド66を介して基板Gの処理空間にガスまたはミストとして吐出させることにより、チャンバ61内に界面活性剤雰囲気を形成し、表面処理を行なうことができる。
表面処理後は配管69a,69bに設けられた開閉バルブ71,71の開閉により、配管69bを閉鎖して配管69aへ切替え、バブラータンク70からチャンバ61内にシンナーなど有機溶媒を導入して有機溶媒雰囲気に切替え、リフロー処理を行うことができる(ステップS46)。
図26は、本発明の第2実施形態に係る液晶表示素子用TFT素子の製造方法の概要を示すフロー図である。図26に示す第2実施形態の製造工程のうち、ステップS51からステップS52までと、ステップS58〜ステップS64までは、図9に示した第1実施形態のステップS1およびステップS2、ステップS8〜ステップS14までの工程と同様であるため、ここでは、第1実施形態と相違するステップS53〜ステップS57を中心に説明する。
ここでは、(第1実施形態の図11の状態から)図27に示すように、ハーフトーンマスク300を露光マスクに用い、露光処理を行なう(ステップS53)。本実施形態で用いるハーフトーンマスク300は、レジスト207に対して、2段階の露光量で露光できるように構成されている。レジスト207をハーフ露光することにより、図28に示すように、露光レジスト部208と、未露光レジスト部209とが形成される。未露光レジスト部209は、ハーフトーンマスク300の透過率に対応して、露光レジスト部208との境界が階段状に形成される。
露光後は、現像処理を行なうことにより、図29に図示するように、露光レジスト部208が除去され、未露光レジスト部209を電極用金属膜206上に残存させる(ステップS54)。未露光レジスト部209は、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211に分離されパターン形成されている。ソース電極用レジストマスク210は、ハーフ露光によって、膜厚が厚い順に、第1膜厚部210aおよび第2膜厚部210bが階段状に形成されている。ドレイン電極用レジストマスク211も、同様にハーフ露光によって、膜厚が厚い順に第1膜厚部211aおよび第2膜厚部211bが階段状に形成されている。
そして、残存した未露光レジスト部209をエッチングマスクとして用い、電極用金属膜206をエッチングすることにより、図30に示すように、後にチャンネル領域となる凹部220を形成する(ステップS55)。このエッチングによって、ソース電極206aとドレイン電極206bが形成され、これらの間の凹部220内にn+Si膜205の表面を露出させることができる。このエッチングは、例えばエッチングガスのプラズマによるドライエッチングや、エッチング液を用いるウエットエッチングにより行なうことができる。この際、ソース電極206aとドレイン電極206bが横方向へ所定量サイドエッチングされてアンダーカットが形成され、エッチングマスクであるソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211のそれぞれの下端部Jがソース電極206aの端部およびドレイン電極206bの端部よりも凹部220に向けて突出したオーバーハング形状になるようにエッチングが行なわれる。例えばドライエッチングにおいては、等方性のエッチャントが生成されるようなエッチングガスを選択してオーバーエッチングを行なうことにより、サイドエッチングが進行し、図30に示すようなアンダーカットが形成されたエッチング形状にすることができる。このようなソース電極206aとドレイン電極206bのサイドエッチングをドライエッチングにより行なう場合は、エッチングガス種として、例えばCl2、BCl3、CCl4などの塩素系ガス等を用い、例えば10〜100Pa程度の圧力条件で実施できる。
また、エッチングにより、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の表面付近には、薄い表面変質層301が形成される。
次に、リフロー処理システム100の再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)30において、リムーバ液を用いてウエット処理を施し、電極用金属膜206をエッチングした際の表面変質層301を除去する前処理を行なう(ステップS56)。前処理後は、ソース電極206aとドレイン電極206bの上の未露光レジスト部209を部分的に除去する再現像処理を行なう(ステップS57)。図26に示すように、界面活性剤を用いた表面処理は、ステップS56の前処理工程の直前、この前処理工程からステップS57の再現像処理工程までの間、またはステップS58のリフロー処理工程の前のいずれかのタイミングで実施することができるが、本実施形態では、前処理工程の後のリンス処理(リンス工程)でリンス液中に界面活性剤を添加して表面処理を行なうものとする。
再現像処理により、図31に示すように、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の被覆面積が大幅に縮小される。具体的には、ソース電極用レジストマスク210では、第2膜厚部210bが完全に除去され、第1膜厚部210aのみがソース電極206a上に残存する。また、ドレイン電極用レジストマスク211も、同様に第2膜厚部211bが完全に除去され、第1膜厚部211aのみがドレイン電極206b上に残存する。なお、図31では、比較のため、再現像処理前のソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の輪郭を破線で示している。
また、ステップS56の前処理工程後のリンス工程においてリンス液中に界面活性剤を添加して表面処理を行なっているため、図31に示す再現像処理後の状態では、ソース電極206aおよびドレイン電極206bの表面のうち、再現像処理によって生じた新たな露出面である、再現像処理前にソース電極用レジストマスク210の第2膜厚部210bによって被覆されていた領域206cおよびドレイン電極用レジストマスク211の第2膜厚部211bによって被覆されていた領域206dには、表面処理が施されていない。従って、図31では、ソース電極206aとドレイン電極206bとの間の凹部220内に露出したターゲット領域であるn+Si膜205の表面と、ソース電極206aとドレイン電極206bの外側に露出したn+Si膜205の表面だけが表面処理されていることになる。
また、再現像処理によって第1膜厚部210a(または第1膜厚部211a)の膜厚とともに、横方向の厚さ(幅)L3は、再現像前の厚さ(幅)L2(図30参照)に比較して小さくなる。しかし、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の被覆面積が縮小されても、それぞれの下端部Jがソース電極206aの端部およびドレイン電極206bの端部に比べて凹部220へ突出したオーバーハング形状は維持される。このため、ステップS57の再現像処理によって削られるレジスト量を予め考慮して、ステップS55の金属膜エッチングにおけるソース電極206aとドレイン電極206bのサイドエッチング量(下端部Jの突出量)が調節される。
このように、本実施形態では、再現像処理を施してソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の被覆面積を減少させ、しかも、新たに露出したソース電極206aおよびドレイン電極206bの表面(領域206c,206d)には表面処理を施していないため、リフロー処理(ステップS58)においては、後にチャンネル領域となる凹部220に軟化レジストを短時間で流入させ、図32に示すように、凹部220を確実に被覆することができる。つまり、軟化したレジストは、表面処理が施されたターゲット領域である凹部220内のn+Si膜205の露出面に流動しやすくなるが、表面処理が施されていないソース電極206aおよびドレイン電極206bの表面での流動は促進されず、軟化レジストの流動方向を表面処理によって誘導することが可能になる。さらに、本実施形態では、軟化レジストがターゲット領域の凹部220内に流入しやすくなるように、ソース電極用レジストマスク210およびドレイン電極用レジストマスク211の下端部Jを、ソース電極206aおよびドレイン電極206bの端部よりも突出させているので、凹部220へ向けての軟化レジストの流動が停滞することなく、スムーズに行なわれる。そして、リフロー工程後に変形したレジストがターゲット領域(凹部220)とは反対側のソース電極206aの端部またはドレイン電極206bの端部からはみ出して下層膜を被覆してしまうことを確実に防止できる。
以降は、図示を省略するが、第1実施形態と同様に、ステップS59でn+Si膜205およびa−Si膜204をエッチング処理し、ステップS60で変形レジスト212を除去した後、ステップS61ではソース電極206aおよびドレイン電極206bをエッチングマスクとして使用して凹部220内に露出したn+Si膜205をエッチング処理し、チャンネル領域221を形成する。そして、有機膜堆積(ステップS62)、コンタクトホール形成(ステップS63)、インジウム・錫酸化物(ITO)などの透明電極形成(ステップS64)により、液晶表示装置用のTFT素子が製造される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこのような形態に限定されるものでない。
例えば、上記説明においては、LCD用ガラス基板を用いるTFT素子の製造を例に取り挙げたが、他のフラットパネルディスプレイ(FPD)基板や、半導体基板等の基板に形成されたレジストのリフロー処理を行なう場合にも本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、表面処理を施した領域をリフロー工程におけるレジストの流動を促進させる流動促進領域としたが、表面処理に用いる界面活性剤の種類を選択することにより、逆に表面処理領域をレジストの流動が抑制される流動抑制領域として機能させ、未表面処理領域にレジストを選択的に誘導させるようにすることも可能である。
本発明は、例えばTFT素子などの半導体装置の製造において好適に利用可能である。
1:カセットステーション
2:処理ステーション
3:制御部
20:中央搬送路
21:搬送装置
30:再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)
60:リフロー処理ユニット(REFLW)
80a,80b,80c:加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)
100:リフロー処理システム
101,102:下層膜
103:レジスト
103a:厚膜部
103b:薄膜部
104:流動促進領域
G:基板
D:段差
J:下端部
S1:ターゲット領域
S2:禁止領域
2:処理ステーション
3:制御部
20:中央搬送路
21:搬送装置
30:再現像処理・リムーバーユニット(REDEV/REMV)
60:リフロー処理ユニット(REFLW)
80a,80b,80c:加熱・冷却処理ユニット(HP/COL)
100:リフロー処理システム
101,102:下層膜
103:レジスト
103a:厚膜部
103b:薄膜部
104:流動促進領域
G:基板
D:段差
J:下端部
S1:ターゲット領域
S2:禁止領域
Claims (31)
- 下層膜と、該下層膜よりも上層において前記下層膜が露出した露出領域と前記下層膜が被覆された被覆領域とが形成されるようにパターン形成されたレジスト膜と、を有する被処理体に対し、前記レジスト膜のレジストを軟化させて流動させることにより、前記露出領域の一部または全部を被覆するリフロー方法であって、
前記レジスト膜として、その端部が、該レジスト膜の直下の膜の端部よりも前記露出領域の上方に向けて突出した形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、リフロー方法。 - 軟化した前記レジストの流動を促すように前記露出領域に対して予め表面処理を施す工程を含み、前記表面処理を界面活性剤により行なう、請求項1に記載のリフロー方法。
- 前記レジスト膜として、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のリフロー方法。
- 軟化した前記レジストの流動方向を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御するようにした、請求項3に記載のリフロー方法。
- 軟化した前記レジストによる被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御するようにした、請求項3に記載のリフロー方法。
- 有機溶媒雰囲気において前記レジストを変形させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリフロー方法。
- 前記レジスト膜のパターン形成を、ハーフトーンマスクを用いたハーフ露光処理と、その後の現像処理により行なう、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のリフロー方法。
- 被処理体の被エッチング膜より上層にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜をパターン形成するマスクパターニング工程と、
前記パターン形成されたレジスト膜を再現像処理してその被覆面積を縮小させる再現像処理工程と、
前記レジスト膜のレジストを軟化させて変形させ、前記被エッチング膜のターゲット領域を被覆するリフロー工程と、
変形後の前記レジストをマスクとして前記被エッチング膜の露出領域をエッチングする第1のエッチング工程と、
変形後の前記レジストを除去する工程と、
変形後の前記レジストが除去されることにより再露出した前記被エッチング膜のターゲット領域に対してエッチングを行なう第2のエッチング工程と、
を含み、
前記レジスト膜として、その端部が、該レジスト膜の直下の下層膜の端部よりも前記ターゲット領域の上方に向けて突出した形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、パターン形成方法。 - さらに、前記リフロー工程に先立ち、前記被エッチング膜のターゲット領域へ向けて、軟化した前記レジストの流動が促されるように前記被処理体に対し予め表面処理を施す工程を含み、前記表面処理を界面活性剤により行なう、請求項8に記載のパターン形成方法。
- 前記再現像処理工程の前に、前記レジスト膜の表面変質層を除去する前処理工程と、該前処理工程の後で前記被処理体をリンスするリンス工程と、をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なう、請求項9に記載のパターン形成方法。
- 前記再現像処理工程の後で、被処理体をリンスするリンス工程をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なう、請求項9に記載のパターン形成方法。
- 前記リフロー工程の直前に、前記界面活性剤を含む薬液雰囲気中で被処理体に対して表面処理を行なう、請求項9に記載のパターン形成方法。
- 前記レジスト膜は、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状であり、
前記リフロー工程において、前記軟化レジストの流動方向を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御するようにした、請求項8から請求項12のいずれか1項に記載のパターン形成方法。 - 前記レジスト膜は、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状であり、
前記リフロー工程において、前記軟化レジストによる被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御するようにした、請求項8から請求項12のいずれか1項に記載のパターン形成方法。 - 前記リフロー工程において、有機溶媒雰囲気において前記レジストを変形させる、請求項8から請求項14のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 前記マスクパターニング工程を、ハーフトーンマスクを用いたハーフ露光処理と、その後の現像処理により行なう、請求項8から請求項15のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
- 被処理体は、基板上にゲート線及びゲート電極が形成されるとともに、これらを覆うゲート絶縁膜が形成され、さらに前記ゲート絶縁膜上に、下から順にa−Si膜、オーミックコンタクト用Si膜およびソース・ドレイン用金属膜が形成された積層構造体であり、
前記被エッチング膜が、前記オーミックコンタクト用Si膜である、請求項8から請求項16のいずれか1項に記載のパターン形成方法。 - 基板上にゲート線及びゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート線および前記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜上に、下から順にa−Si膜、オーミックコンタクト用Si膜およびソース・ドレイン用金属膜を堆積させる工程と、
前記ソース・ドレイン用金属膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をハーフ露光処理および現像処理して、ソース電極用レジストマスクおよびドレイン電極用レジストマスクを形成するマスクパターニング工程と、
前記ソース電極用レジストマスクおよび前記ドレイン電極用レジストマスクをマスクとして前記ソース・ドレイン用金属膜をエッチングし、ソース電極用金属膜とドレイン電極用金属膜とを形成するとともに、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間のチャンネル領域用凹部に下層のオーミックコンタクト用Si膜を露出させる工程と、
パターン形成された前記ソース電極用レジストマスクおよび前記ドレイン電極用レジストマスクを再現像処理して、それぞれの被覆面積を縮小させる再現像処理工程と、
縮小後の前記ソース電極用レジストマスクおよび前記ドレイン電極用レジストマスクに有機溶媒を作用させて軟化させた軟化レジストを変形させることにより、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間のチャンネル領域用凹部内の前記オーミックコンタクト用Si膜を覆うリフロー工程と、
変形後の前記レジスト並びに前記ソース電極用金属膜および前記ドレイン電極用金属膜をマスクとして、下層の前記オーミックコンタクト用Si膜および前記a−Si膜をエッチングする工程と、
変形後の前記レジストを除去して、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間のチャンネル領域用凹部内に前記オーミックコンタクト用Si膜を再び露出させる工程と、
前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜とをマスクとして、これらの間の前記チャンネル領域用凹部に露出した前記オーミックコンタクト用Si膜をエッチングする工程と、
を含み、
前記リフロー工程において、前記レジスト膜の端部が前記ソース電極用金属膜の端部および前記ドレイン電極用金属膜の端部よりも前記チャンネル領域用凹部に突き出た突出形状のレジスト膜を用いることを特徴とする、液晶表示装置用TFT素子の製造方法。 - さらに、前記リフロー工程に先立ち、前記チャンネル領域用凹部内の前記オーミックコンタクト用Si膜へ向けて、前記軟化レジストの流動が促されるように前記基板に対し予め表面処理を施す工程を含み、前記表面処理を界面活性剤により行なう、請求項18に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記再現像処理工程の前に、前記レジスト膜の表面変質層を除去する前処理工程と、該前処理工程の後で前記基板をリンスするリンス工程と、をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なう、請求項19に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記再現像処理工程の後で、前記基板をリンスするリンス工程をさらに含み、前記界面活性剤を、前記リンス工程のリンス液に添加して表面処理を行なう、請求項19に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記リフロー工程の直前に、前記界面活性剤を含む薬液雰囲気中で前記基板に対して表面処理を行なう、請求項19に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記レジスト膜は、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状であり、
前記リフロー工程において、前記軟化レジストの流動方向を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御するようにした、請求項18から請求項22のいずれか1項に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。 - 前記レジスト膜は、部位により膜厚が変化し、少なくとも、膜厚の厚い厚膜部と、該厚膜部に対して相対的に膜厚の薄い薄膜部とを有する形状であり、
前記リフロー工程において、前記軟化レジストによる被覆面積を、前記厚膜部と前記薄膜部の配置により制御するようにした、請求項18から請求項22のいずれか1項に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。 - 前記リフロー工程において、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間の前記チャンネル領域用凹部に臨む側に前記厚膜部を設けた、請求項23または請求項24に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記リフロー工程において、前記ソース電極用金属膜と前記ドレイン電極用金属膜との間の前記チャンネル領域用凹部に臨む側に前記薄膜部を設けた、請求項23または請求項24に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記リフロー工程において、有機溶媒雰囲気において前記レジストを変形させる、請求項18から請求項26のいずれか1項に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- 前記マスクパターニング工程を、ハーフトーンマスクを用いたハーフ露光処理と、その後の現像処理により行なう、請求項18から請求項27のいずれか1項に記載の液晶表示装置用TFT素子の製造方法。
- コンピュータ上で動作し、実行時に、処理チャンバ内で請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたリフロー方法が行なわれるようにリフロー処理装置を制御する、制御プログラム。
- コンピュータ上で動作する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、処理チャンバ内で請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたリフロー方法が行なわれるようにリフロー処理装置を制御するものである、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。 - 被処理体を載置する支持台を備えた処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に有機溶媒を供給するためのガス供給手段と、
前記処理チャンバ内で請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたリフロー方法が行なわれるように制御する制御部と、
を備えた、リフロー処理装置。
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