JP2010053952A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静油圧式無段変速装置12の油圧ポンプPにおける斜板52の姿勢を変更可能なサーボシリンダ57と、静油圧式無段変速装置12に対する変速操作具53の操作に対応して切り換えられるサーボバルブ56とを備える。静油圧式無段変速装置12の油圧回路に対するチャージ油路cを分岐してその分岐油路fをサーボバルブ56を介してサーボシリンダ57に接続する。斜板52に作用するチャージ油路cの回路圧と静油圧式無段変速装置12の回路圧とがバランスする姿勢に斜板52の姿勢を設定すべく構成してある。チャージ油路cの回路圧を設定するリリーフ弁55を設け、リリーフ弁55のリリーフ圧を変更調節操作可能に構成してある。
【選択図】図7
Description
このようなチャージ回路の回路圧の変動は、チャージ回路の固体差に起因するものと考えられ、製造上の技術では修正できない面がある。
請求項1に係る発明の特徴構成は、静油圧式無段変速装置の可変容量式油圧ポンプにおける斜板の姿勢を変更可能なサーボシリンダと、前記静油圧式無段変速装置に対する変速操作具の操作に対応して切り換えられるサーボバルブとを備え、前記静油圧式無段変速装置の油圧回路に対するチャージ油路を分岐してその分岐油路を前記サーボバルブを介して前記サーボシリンダに接続して、前記斜板に作用する前記チャージ油路の回路圧と前記静油圧式無段変速装置の回路圧とがバランスする姿勢に前記斜板の姿勢を設定すべく構成し、前記チャージ油路の回路圧を設定するリリーフ弁を設け、前記リリーフ弁のリリーフ圧を変更調節操作可能に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、リリーフ弁のリリーフ圧を調整することができるので、個々のチャージ回路において回路抵抗やその他の要因によってチャージ回路の回路圧が予定した回路圧と異なる場合であっても、リリーフ弁を調整することによって、チャージ回路の回路圧を所期圧に調整できる。
したがって、チャージ回路に固体差があっても、リリーフ弁によりチャージ回路の回路圧を調整することが可能であり、予定された変速操作具と静油圧式無段変速装置との連係状態を維持しながら、適正な変速操作を維持することができる作業車を提供することができた。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記リリーフ弁に、リリーフ圧を設定するポペット弁に対する付勢バネ力を調整する調整ネジを設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
具体的なリリーフ弁におけるリリーフ圧の調整は調整ネジを操作したポペット弁への圧力を調整するだけで行うことができ、調整もシム等を利用して行う場合に比べてリリーフ弁を分解する必要がなく、調整が容易である。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記サーボシリンダにピストンを中立位置に付勢する付勢バネを設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
前記斜板に作用する前記チャージ油路の回路圧と前記静油圧式無段変速装置の油圧回路の回路圧とがバランスする姿勢に前記斜板の姿勢は設定される。そして、サーボシリンダのピストンが付勢バネによって中立位置に付勢されているので、チャージ回路の回路圧が、静油圧式無段変速装置の回路圧と付勢バネのバネ力との合計した力とバランスすると、斜板の姿勢が決まる。
したがって、前記チャージ油路の回路圧の変動や静油圧式無段変速装置の油圧回路の回路圧の変動があっても付勢バネの中立付勢力の存在によって、変速状態が大きく変動することが抑制される。
副変速装置13からの出力は、後輪デフ機構14を介して左右の車軸15に伝達されて、後輪駆動に用いられる。
入力軸31には、高速用の大径ギヤ部31A、低速用の小径ギヤ部31B、後進用ギヤ部31Cとを一体形成してある。
具体的には、次のようになる。図4及び図5に示すように、連動操作軸37に取付固定された出力アーム37Bをエンジン3に近づく後進用の操作位置に設定すると、第2シフタ35Bがスライド移動して第2クラッチスリーブ32Eを後進用入力ギヤ32Cに係合させて、後進状態を現出する。
出力アーム37Bをエンジン3から遠ざかる方向に操作する毎に、中立、高速、低速に切り換えることができる。
このドグクラッチPの爪を係合させると前輪1へ動力伝達が行え、前後輪1、2の4輪で走行可能になる。一方、爪を離間させると、前輪1への動力伝達が断たれ、後輪2だけの2輪走行となる。
これに対して、その斜板52に対しては、静油圧式無段変速装置12の閉回路における回路圧が作用している。
このように、斜板52には、一方の側から中立付勢力と回路圧に基づく力とが作用し、他方の側からチャージ圧に基づく力が作用しており、それらの力がバランスし、斜板52はバランスした傾斜姿勢で安定する。
そこで、リリーフ弁55を調整可能な構成として、油圧ポンプPの排出量と変速操作具53の操作量との対応が設計によって予定された関係となるようにする。
以上のような構成によって、調整バネ55fによってポペット弁55eに及ぼすバネ力を調整することによって、リリーフ圧を調整することができる。
加速操作具53を操作すると、油圧ポンプPにおける斜板52の角度が大きくなり、斜板角度に応じた量の圧油が主油圧モータM及び副油圧モータSMに供給される。この場合、走行負荷が設定以下の範囲にあって高圧側回路a及び制御用油路hの圧が設定以下であると、制御用油路hの圧を受ける制御ピストン59の進出力よりも復帰バネ60の初期バネ力の方が大きいものとなり、副油圧モータSMの斜板62は中立(斜板角度0°)に維持され、油圧ポンプPからの圧油の全量が主油圧モータMに供給され、共通出力軸16は主油圧モータMのみによって駆動されることとなる。
チャージ回路cを油圧タンクTに連通させる戻り油路50を設け、この戻り油路50にアンチキャビテーションバルブ47を設け、チャージ回路cの圧が負圧になる場合に、油圧タンクTの作動油をチャージ回路cに吸入して、後記するリリー弁48のリリーフ圧を低減したことによる、エンジンブレーキ操作時の負圧発生を抑制する構成を採っている。
そうすると、高圧側油路aから高圧作動油がスプール70の中間部分70Bとスプール収納路18Aの内周面との間に形成された間隙を通して下方に移動し、逃がし路18aに至ってその逃がし路18aより油圧タンクTへ誘導される。
このことによって、静油圧式無段変速装置12における駆動トルクが解放されて、副変速装置13でのギヤ切換操作を円滑に行うことができる。
副変速装置13を切換え操作する場合には走行用のブレーキ45,46を制動操作して変速操作を行うのであるが、例えば、登坂走行中に副変速操作を行う場合に、静油圧式無段変速装置12における高圧側油路aと低圧側油路bの圧力差が大きい状態では、静油圧式無段変速装置12からのトルクが副変速装置13に作用した状態のままでギヤ変速操作を余儀なくされることとなって、円滑にシフト操作を行うことができないことがある。
つまり、ブレーキペダル42を制動側へ操作すると、ブレーキ45、46が制動状態になるとともに、アンロード弁64が解放されて、高圧側回路aから戻り油路63を介して油圧タンクTに高圧作動油が誘導されて、高圧状態が解除される。
これによって、ギヤ式の副変速装置13に作用している駆動トルクが解放されるので、変速操作を円滑に行うことができる。
これによって、静油圧式無段変速装置12でのトルクが一時的にも維持されているので、作業車の移動に対する抵抗を保持することができ、作業車が不測に移動することを抑制できる。
副変速装置13をシフト操作する際に必然的に必要となる、ブレーキ制動操作を行うだけで、静油圧式無段変速装置12のトルク解放を徐々に行うことができ、ブレーキ制動操作とバイパス開放操作とを行わなければならない従来構成のものに比べて、操作が容易である
作業車として、多目的作業車を代表させて説明したが、農用トラクタ等の他の作業車であってもよい。
52 斜板
53 変速操作具
55 リリーフ弁
55b 調整ネジ
55e ポペット弁
55f 調整バネ
56 サーボバルブ
57 サーボシリンダ
57A シリンダピストン
57B 付勢バネ
Claims (3)
- 静油圧式無段変速装置の可変容量式油圧ポンプにおける斜板の姿勢を変更可能なサーボシリンダと、前記静油圧式無段変速装置に対する変速操作具の操作に対応して切り換えられるサーボバルブとを備え、前記静油圧式無段変速装置の油圧回路に対するチャージ油路を分岐してその分岐油路を前記サーボバルブを介して前記サーボシリンダに接続して、前記斜板に作用する前記チャージ油路の回路圧と前記静油圧式無段変速装置の油圧回路の回路圧とがバランスする姿勢に前記斜板の姿勢を設定すべく構成し、前記チャージ油路の回路圧を設定するリリーフ弁を設け、前記リリーフ弁のリリーフ圧を変更調節操作可能に構成してある作業車。
- 前記リリーフ弁に、リリーフ圧を設定するポペット弁に対する付勢バネ力を調整する調整ネジを設けてある請求項1記載の作業車。
- 前記サーボシリンダにピストンを中立位置に付勢する付勢バネを設けてある請求項1又は2記載の作業車。
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