JP2014119108A - 作業車 - Google Patents

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正慈 大久保
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孝史 蔵本
Shoichiro Kawamura
正一郎 河村
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Abstract

【課題】静油圧式無段変速装置のためのチャージ油路からパイロット圧を取り出し、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプの斜板角を変更操作する変速油圧アクチュエータにパイロット圧を供給する変速パイロット油路を備えた作業車において、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷の変化にかかわらず油圧ポンプをスムーズに変速操作できながら、トルクロスを抑制できるようにする。
【解決手段】チャージ油路28に可変リリーフ弁37を設けてある。静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、可変リリーフ弁37が高リリーフ圧を備えるように、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、可変リリーフ弁37が低リリーフ圧を備えるように、可変リリーフ弁37を調節制御するリリーフ制御手段60を備えてある。
【選択図】図4

Description

本発明は、可変容量形の油圧ポンプ及び前記油圧ポンプに一対の駆動油路で接続された油圧モータを備えて構成され、エンジンからの駆動力を変速して走行装置に伝達する静油圧式無段変速装置と、前記エンジンによって駆動されるチャージポンプと、前記チャージポンプからの作動油を前記静油圧式無段変速装置に補給するチャージ油路と、前記油圧ポンプの斜板角を変更操作する変速油圧アクチュエータと、前記チャージ油路からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧を前記変速油圧アクチュエータに供給する変速パイロット油路と、を備えた作業車に関する。
上記した作業車として、従来、たとえば特許文献1に記載された作業車があった。特許文献1に記載された作業車では、エンジンの出力軸からの出力を静油圧式の無段変速装置に入力し、静油圧式の無段変速装置の出力軸からの出力をギヤトランスミッションを介して前輪及び後輪に伝達するように走行用伝動装置が構成されている。チャージポンプ及びチャージポンプから無段変速装置に圧油を補充するチャージ油路が備えられている。無段変速装置における油圧ポンプの斜板操作部にサーボ機構のサーボシリンダが連動され、サーボ機構が油路を介してチャージ油路に接続されている。
特開2004−257447号公報
静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が増加すると、油圧ポンプと油圧モータとを接続する駆動回路から油圧ポンプの斜板に掛かる反力が強くなり、油圧ポンプを変速操作しようとする変速油圧アクチュエータに掛る操作反力も強くなる。斜板傾斜が大となる変速状態での操作反力が殊に強くなる。
チャージ油路に作動油を常に高圧で供給するように構成すれば、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が高負荷になっても、変速パイロット油路によってチャージ油路から取り出して変速油圧アクチュエータに供給されるパイロット圧が高圧となり、変速油圧アクチュエータが強い操作反力に抗して強固に駆動されて油圧ポンプの変速操作をスムーズに行なわせることができる。
チャージ油路に作動油を常に高圧で供給する場合、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が低負荷になって、変速油圧アクチュエータに掛かる操作反力が弱くなったとき、変速油圧アクチュエータに掛る操作反力の強さからすると、過剰な駆動力によってチャージポンプを駆動することになり、トルクロスが生じる。
本発明の目的は、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷の変化にかかわらず変速油圧アクチュエータによる油圧ポンプの変速操作をスムーズに行なわせることができながら、トルクロスを抑制できる作業車を提供することにある。
本発明による作業車は、
可変容量形の油圧ポンプ及び前記油圧ポンプに一対の駆動油路で接続された油圧モータを備えて構成され、エンジンからの駆動力を変速して走行装置に伝達する静油圧式無段変速装置と、前記エンジンによって駆動されるチャージポンプと、前記チャージポンプからの作動油を前記静油圧式無段変速装置に補給するチャージ油路と、前記油圧ポンプの斜板角を変更操作する変速油圧アクチュエータと、前記チャージ油路からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧を前記変速油圧アクチュエータに供給する変速パイロット油路と、を備え、
前記チャージ油路に設けた可変リリーフ弁と、
前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が増加すると、前記可変リリーフ弁が高リリーフ圧を備えるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が減少すると、前記可変リリーフ弁が低リリーフ圧を備えるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷の変化に連係して前記可変リリーフ弁を調節制御するリリーフ制御手段と、を備えてあることを特徴とする。
本構成によると、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が増加すると、リリーフ制御手段による可変リリーフ弁の調節制御によって、可変リリーフ弁のリリーフ圧が高圧に自動的に変更調節され、チャージ油路のリリーフ圧が高圧に変更調節される。静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が減少すると、リリーフ制御手段による可変リリーフ弁の調節制御によって、可変リリーフ弁のリリーフ圧が低圧に自動的に変更調節され、チャージ油路のリリーフ圧が低圧に変更調節される。
従って、静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が低負荷になって変速油圧アクチュエータに掛かる操作反力が弱くなっているときの操作反力に対抗できればよい比較的低油圧の操作油がチャージ油路に供給されることになる駆動力でチャージポンプを常に駆動しても、静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が低負荷になったときには、このときの操作反力に対抗できる油圧のパイロット圧が変速油圧アクチュエータによって供給されることにより、変速油圧アクチュエータによる斜板の変速操作をスムーズに行なわせることができる。静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が高負荷になったときには、チャージ油路のリリーフ圧が高圧に変更調節されてチャージ油路の油圧が高圧になることにより、駆動負荷が低負荷のときよりも高圧のパイロット圧が変速油圧アクチュエータに供給されることになって、変速油圧アクチュエータによる斜板の変速操作を強い操作反力に抗してスムーズに行なわせることができる。
従って、本発明によると、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が変化しても、変速油圧アクチュエータによる油圧ポンプの変速操作による静油圧式無段変速装置の変速操作をスムーズに行なわせて軽快に変速走行できるものでありながら、チャージポンプを比較的低トルクで駆動すればよくてトルクロスが生じにくい。
本発明において、前記一対の駆動油路のうちの高圧側の駆動油路からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧によって前記可変リリーフ弁のリリーフ圧を調節制御するリリーフ制御パイロット油路を備えて、前記リリーフ制御手段を構成すると好適である。
本構成によると、駆動回路からのパイロット圧をリリーフ弁のリリーフ圧変更の操作力に利用して構造簡単にリリーフ制御手段を構成することができる。
従って、本発明によると、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷の変化にかかわらず、静油圧式無段変速装置の変速操作をスムーズに行なうことができると共に、ロストルクが生じ難いものを、構造簡単なリリーフ制御手段の採用によって安価に得ることができる。
本発明において、前記チャージポンプを可変容量形ポンプによって構成し、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が増加すると、前記チャージポンプの吐出量が多くなるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が減少すると、前記チャージポンプの吐出量が少なくなるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷の変化に連係して前記チャージポンプを調節制御するポンプ制御手段を備えると好適である。
静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が増加すると、油圧ポンプと油圧モータとを接続する駆動回路から油圧ポンプの斜板に掛かる反力が強くなって、油圧ポンプを変速操作しようとする変速油圧アクチュエータに掛る操作反力も強くなることにより、駆動負荷が高いときにおけるチャージポンプの容積効率が低下する。吐出容量が多い固定容量形のチャージポンプを採用することにより、高負荷時における容積効率の低下を抑制した場合、容積効率が良い低負荷時においても、吐出量が多い大型のチャージポンプを駆動することになる。
本構成によると、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が増加すると、ポンプ制御手段によるチャージポンプの調節制御によって、チャージポンプの吐出量が自動的に多くなり、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷が減少すると、ポンプ制御手段によるチャージポンプの調節制御によって、チャージポンプの吐出量が自動的に少なくなる。従って、高負荷時におけるチャージポンプの容積効率の低下を、チャージポンプの吐出量が多くなっていることによって抑制できながら、低負荷時には、チャージポンプの吐出量が少なくなっていることにより、チャージポンプを吐出量が多いままの状態で駆動するに比して低トルクでチャージポンプを駆動できる。
従って、本発明によると、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷の変化にかかわらず、チャージポンプの容積効率が良い状態で変速油圧アクチュエータを駆動して静油圧式無段変速装置の変速操作をスムーズに行なうことができながら、低負荷時にはチャージポンプを低吐出量の状態で駆動すれば良くてトルクロスが生じにくい。
本発明において、前記チャージポンプの吐出量変更操作をする油圧シリンダと、前記チャージポンプを少量吐出側に操作する側に前記油圧シリンダを付勢するスプリングと、前記一対の駆動油路のうちの高圧側の駆動油路からパイロット圧を取り出し、前記チャージポンプを多量吐出側に操作する側に前記油圧シリンダを取り出したパイロット圧によって操作する吐出量調整パイロット油路とを備えて、前記ポンプ制御手段を構成すると好適である。
本構成によると、駆動回路からのパイロット圧をチャージポンプの吐出量変更の操作力に利用して構造簡単にポンプ制御手段を構成することができる。
従って、本発明によると、静油圧式無段変速装置に掛る駆動負荷の変化にかかわらず、静油圧式無段変速装置の変速操作をスムーズに行なうことができると共に、ロストルクが生じ難いものを、構造簡単なポンプ制御手段に採用によって安価に得ることができる。
本発明において、前記変速油圧アクチュエータを、前記油圧ポンプを前進側と後進側とのうちの前進側だけで変速操作するように構成すると好適である。
本構成によると、油圧ポンプの斜板を前進側の操作範囲だけで操作できる小ストロークを備えさせて、変速油圧アクチュエータを構成できる。
従って、本発明によると、変速油圧アクチュエータを作動ストロークが小さい小型なものにして安価かつ軽量に得ることができる。
作業車の全体を示す側面図である。 作業車の概略の配置を示す平面図である。 静油圧式無段変速装置を示す縦断側面図である。 静油圧式無段変速装置の油圧回路図である。 高速側油路の圧力(第1パイロット圧)と油圧モータの斜板の角度との関係を示す説明図である。 リリーフ弁を示す断面図である。 油圧サーボ装置を示す縦断側面図である。 図7のVIII−VIII断面矢視図である。 図7のIX−IX断面矢視図である。 分解状態のフィードバック部を示す斜視図である。 油圧サーボ装置の作用を示す説明図である。 油圧サーボ装置の作用を示す説明図である。 減速機講の作用を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る油圧サーボ装置が装備された作業車の全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係る油圧サーボ装置が装備された作業車の概略の配置を示す平面図である。図1及び図2に示すように、作業車は、農作業や荷物の運搬等を行う多目的車両として構成されている。作業車では、機体前後方向に延出される右及び左の主フレーム6の後部に縦フレーム7が連結され、縦フレーム7の上部に機体前後方向に右及び左の上部フレーム8が連結されて機体が構成されている。機体に右及び左の前輪1と右及び左の後輪2がダブルウィッシュボーン型式のサスペンション機構(図示せず)を介して取り付けられている。
図1及び図2に示すように、機体の前部に右及び左の前輪1を覆うボンネット5aが備えられている。機体の中央部にキャビン5bが備えられている。右及び左の上部フレーム8の後部に荷台3が横軸芯P1周りに上下揺動自在に取り付けられ、荷台3を昇降駆動する昇降シリンダ4が備えられている。
図1及び図2に示すように、キャビン5bに、運転席11及び助手席12が備えられている。運転席11の前方に、右及び左の前輪1を操向操作するステアリングハンドル13、変速レバー14、ブレーキレバー15、変速ペダル16及びブレーキペダル17が備えられている。
次に、走行用の伝動系の構造について説明する。
図1及び図2に示すように、右及び左の主フレーム6の後部にエンジン9、ミッションケース10及び静油圧式無段変速装置18が支持されている。エンジン9、ミッションケース10及び静油圧式無段変速装置18は、エンジン9が前側に位置する状態で連結されて一つのユニット状に構成されている。右及び左の主フレーム6の前部に前輪デフ機構19が支持されている。ミッションケース10と前輪デフ機構19とに亘って伝動軸20が接続されている。
図2に示すように、ミッションケース10の内部に、前進複数段及び後進に切換自在なギヤ変速装置10a、後輪デフ機構(図示せず)、右及び左の後輪ブレーキ(図示せず)が備えられている。エンジン9からの駆動力が静油圧式無段変速装置18に伝達され、静油圧式無段変速装置18からの駆動力がミッションケース10のギヤ変速装置10a、後輪デフ機構を介して、右及び左の駆動軸21から右及び左の後輪2に伝達される。ギヤ変速装置10aからの駆動力が伝動軸20を介して前輪デフ機構19に伝達され、右及び左の駆動軸22を介して右及び左の前輪1に伝達される。
図4に示すように、変速ペダル16により静油圧式無段変速装置18及びエンジン9のアクセル操作部9aの操作を行い、変速レバー14(図2参照)によりギヤ変速装置10aの操作を行うように構成してある。静油圧式無段変速装置18は、変速ペダル16によって前進側と後進側とのうちの前進側だけで変速操作され、静油圧式無段変速装置18が出力する前進側の駆動力は、前後進切換え装置としてのギヤ変速装置10aによって前進側と後進側との駆動力に変換して前輪1及び後輪2に伝達される。右及び左の前輪ブレーキ(図示せず)が備えられており、ブレーキペダル17により、右及び左の前輪ブレーキ、右及び左の後輪ブレーキを制動状態に操作するように構成してある。駐車する場合は、ブレーキレバー15(図2参照)により右及び左の後輪ブレーキを制動状態に操作して保持しておく。
次に、静油圧式無段変速装置18について説明する。
図4は、静油圧式無段変速装置18を示す縦断側面図である。図2,3,4に示すように、静油圧式無段変速装置18は、ミッションケース10の後部に連結されている。静油圧式無段変速装置18は、ミッションケース10に連結された変速装置ケース18aと、変速装置ケース18aの下部内に設けられた油圧ポンプ23と、変速装置ケース18aの上部内に油圧ポンプ23の斜め上方に配置して設けられた油圧モータ24とを備えて構成されている。変速装置ケース18aは、ケース本体と、ケース本体に対して脱着自在な板状のポートブロック18bとを備えている。
油圧ポンプ23は、エンジン9からの駆動力が伝達される入力軸44と一体で回転するプランジャ23b、プランジャ23bのストロークを決める斜板23a等を備えて構成されている。入力軸44は、油圧ポンプ23のポンプ軸によって構成してある。斜板23aは、傾動操作自在に構成されている。すなわち、油圧ポンプ23は、アキシャルプランジャ型に、かつ無段階の可変容量形に構成されている。入力軸44の入力側とは反対側の端部にチャージポンプ27が接続されている。
図3及び図4に示すように、油圧モータ24は、出力軸45と一体で回転するプランジャ24b、プランジャ24bのストロークを決める斜板24a等を備えて構成されている。出力軸45は、油圧モータ24のモータ軸によって構成してある。斜板24aは、傾動操作自在に構成されている。つまり、油圧モータ24は、無段階の可変容量形に構成されている。
油圧ポンプ23と油圧モータ24とは、一対の駆動油路25,26で接続されている。一対の駆動油路25,26は、ポートブロック18b(図3参照)の内部に設けられている。
つまり、図4に示すように、静油圧式無段変速装置18は、エンジン9からの駆動力を無段階に変速してミッションケース10の内部に位置するギヤ変速装置10aなどを介して前輪1及び後輪2に伝達する。
すなわち、油圧ポンプ23がエンジン9によって駆動され、油圧ポンプ23からの作動油が一対の駆動油路25,26のうちの高圧側の駆動油路25によって油圧モータ24に供給されて油圧モータ24が駆動される。油圧モータ24からの作動油が一対の駆動油路25,26のうちの低圧側の駆動油路26によって油圧ポンプ23に戻される。油圧モータ24の駆動力が出力軸45からミッションケース10のギヤ変速装置10aに伝達され、ギヤ変速装置10aによって前進側の駆動力と後進側の駆動力とに変換されて前輪1及び後輪2に伝達される。油圧ポンプ23及び油圧モータ24が変速操作されることにより、出力軸45の駆動速度が無段階に変速されて前輪1及び後輪2に伝達される。
図4に示すように、静油圧式無段変速装置18に一対の駆動油路25,26に亘って接続された供給油路29を備え、供給油路29のうちの中間の部位と、チャージポンプ27の吐出部とをチャージ油路28によって接続してある。供給油路29のうちのチャージ油路28が接続している部位と高圧側の駆動油路25が接続する部位との間の部分に、逆止弁30と、駆動油路25の圧力上限を決めるリリーフ弁31とを並列状態で設けてある。供給油路29のうちのチャージ油路28が接続する部位と低圧側の駆動油路26が接続する部位との間の部分に、逆止弁32と絞り部33とを並列状態で設けてある。チャージ油路28のうちのフィルタ36を設けてある部位と供給油路29が接続している部位との間の部分にリリーフ弁37を設けて、静油圧式無段変速装置18に対する作動油の補給が行なわれるように構成してある。
すなわち、チャージポンプ27は、エンジン9から入力軸44に伝達される駆動力によって油圧ポンプ23と共に駆動され、ミッションケース10に貯留された潤滑油を、吸引油路35aを介してミッションケース10から取り出し、取り出した潤滑油をチャージ油路28に供給する。チャージ油路28は、チャージポンプ27から供給された潤滑油を、リリーフ弁37によって設定される油圧で供給油路29に供給し、供給油路29から駆動油路25,26に作動油として供給する。吸引油路35aには、フィルタ35を設けてある。
図4に示すように、リリーフ弁37は、可変リリーフ弁によって構成してある。静油圧式無段変速装置18に掛る駆動負荷の変化に連係してリリーフ弁37を調節制御するリリーフ制御手段60をリリーフ弁37に連係させてある。
つまり、リリーフ弁37は、静油圧式無段変速装置18に掛る駆動負荷が増加すると、リリーフ制御手段60による制御によって高リリーフ圧を備えてチャージ油路28における油圧を高く設定し、静油圧式無段変速装置18に掛る駆動負荷が減少すると、リリーフ制御手段60による制御によって低リリーフ圧を備えてチャージ油路28における油圧を低く設定する。
詳述すると、リリーフ弁37に、ポペット弁(図示せず)を閉じ側に付勢するスプリング37aを設けてある。
リリーフ制御手段60は、リリーフ弁37に設けたスプリング37aと、スプリング37aのポペット弁側とは反対側に受け止め作用する状態でリリーフ弁37に設けた油圧ピストン61とを備える他、リリーフ弁37と一対の駆動油路25,26のうちの高圧側の駆動油路25とを接続するリリーフ制御パイロット油路62を備えて構成してある。
リリーフ制御パイロット油路62は、油圧ピストン61に操作油を作用させる状態でリリーフ弁37に設けた操作油室(図示せず)に接続してある。リリーフ制御パイロット油路62は、高圧側の駆動油路25からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧を操作油室に供給して油圧ピストン61に作用させることにより、駆動油路25からのパイロット圧とスプリング37aの付勢力とによって油圧ピストン61を摺動操作して、ポペット弁に対するスプリング37aの閉じ付勢力を変更調節する。
静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、高圧側の駆動油路25における油圧が高圧になり、駆動負荷が増加するほど高圧側の駆動油路25における油圧がより高圧になることにより、リリーフ制御パイロット油路62は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、ポペット弁に対するスプリング37aの付勢力を強く変更調節する。リリーフ制御パイロット油路62は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加するほど、スプリング37aの付勢力をより強く変更調節する。
静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、高圧側の駆動油路25における油圧が低圧になり、駆動負荷が減少するほど、高圧側の駆動油路25における油圧がより低圧になることにより、リリーフ制御パイロット油路62は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、ポペット弁に対するスプリング37aの付勢力を弱く変更調節する。リリーフ制御パイロット油路62は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少するほど、スプリング37aの付勢力をより弱く変更調節する。
従って、リリーフ制御手段60は、高圧側の駆動油路25における油圧を静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷として検出し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、リリーフ弁37に高いリリーフ圧を備えさせて、チャージ油路28のリリーフ圧を高圧に変更調節し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加するほど、リリーフ弁37に備えさせるリリーフ圧をより高圧にして、チャージ油路28のリリーフ圧をより高圧に変更調節する。
リリーフ制御手段60は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、リリーフ弁37に低いリリーフ圧を備えさせて、チャージ油路28のリリーフ圧を低圧に変更調節し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少するほど、リリーフ弁37に備えさせるリリーフ圧をより低圧にして、チャージ油路28のリリーフ圧をより低圧に変更調節する。
図4に示すように、チャージポンプ27は、可変容量形ポンプによって構成してある。静油圧式無段変速装置18に掛る駆動負荷の変化に連係してチャージポンプ27を調節制御するポンプ制御手段65をチャージポンプ27に連係させてある。
つまり、チャージポンプ27は、静油圧式無段変速装置18に掛る駆動負荷が増加すると、ポンプ制御手段65による制御によって高吐出量を備えてチャージ油路28に対する作動油の吐出量を多くし、静油圧式無段変速装置18に掛る駆動負荷が減少すると、ポンプ制御手段65による制御によって低吐出量を備えてチャージ油路28に対する作動油の吐出量を少なくする。
詳述すると、チャージポンプ27を、アキシャルプランジャ型の可変容量形ポンプによって構成してある。
ポンプ制御手段65は、チャージポンプ27の斜板27aに連動させた単動形の油圧シリンダ66を備える他、油圧シリンダ66と高圧側の駆動油路25とを接続する吐出量調整パイロット油路67を備えて構成してある。油圧シリンダ66に収容したスプリング68により、油圧シリンダ66を短縮側に付勢することによって斜板27aを低吐出側に傾動付勢するように構成してある。
吐出量調整パイロット油路67は、高圧側の駆動油路25からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧を油圧シリンダ66に供給することにより、パイロット圧の操作力とスプリング68の操作力とによって油圧シリンダ66を伸縮駆動して、斜板27aを多量吐出側及び低量吐出側に傾動操作する。
静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、高圧側の駆動油路25における油圧が高圧になり、駆動負荷が増加するほど高圧側の駆動油路25における油圧がより高圧になることにより、吐出量調整パイロット油路67は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、斜板27aを多量吐出側に操作する油圧シリンダ66の操作力を強く変更調節してチャージポンプ27の吐出量を多く変更調節する。吐出量調整パイロット油路67は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加するほど、斜板27aを多量吐出側に操作する油圧シリンダ66の操作力をより強く変更調節して、チャージポンプ27の吐出量をより多く変更調節する。
静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、高圧側の駆動油路25における油圧が低圧になり、駆動負荷が減少するほど高圧側の駆動油路25における油圧がより低圧になることにより、吐出量調整パイロット油路67は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、斜板27aを多量吐出側に操作する油圧シリンダ66の操作力を弱く変更調節してチャージポンプ27の吐出量を少なく変更調節する。吐出量調整パイロット油路67は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少するほど、斜板27aを多量吐出側に操作する油圧シリンダ66の操作力をより弱く変更調節して、チャージポンプ27の吐出量をより少なく変更調節する。
従って、ポンプ制御手段65は、高圧側の駆動油路25における油圧を静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷として検出し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、チャージポンプ27の吐出量を多く変更調節し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加するほど、チャージポンプ27の吐出量をより多く変更調節して、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加することによるチャージポンプ27の容積効率の低下を防止する。
ポンプ制御手段65は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、チャージポンプ27の吐出量を少なく変更調節し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少するほど、チャージポンプ27の吐出量をより少なく変更調節し、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少した際のチャージポンプ27の駆動トルクを軽減する。
図4に示すように、閉側に付勢されたアンロード弁38が高圧側の駆動油路25に接続され、ブレーキペダル17とアンロード弁38とが機械的に連係されている。ブレーキペダル17が踏み操作されて、右及び左の前輪ブレーキ、右及び左の後輪ブレーキが制動状態に操作されると、アンロード弁38が開位置に操作され、油圧モータ24に作動油が供給されない。
図4に示すように、低圧側の駆動油路26とチャージ油路28とにわたってリリーフ弁34を接続してある。リリーフ弁34は、静油圧式無段変速装置18が油圧モータ24の側から駆動された際に働く制動、いわゆるダイナミックブレーキの強さを設定する。
図6は、リリーフ弁34を示す断面図である。図6に示すように、リリーフ弁34は、ポートブロック18bに組み込まれている。リリーフ弁34は、ポペット弁34aを閉じ付勢するスプリング34bをポペット弁側とは反対側で受け止め支持するスプリング受け34cと、スプリング受け34cをスプリング側とは反対側で受け止め支持してスプリング受け34cの位置決めを行なう止めネジ軸34dと、止めネジ軸34dが止着されるネジ孔を備えたプラグ34eとを備えている。
止めネジ軸34dに装着されているロックナット34f及び止めネジ軸34dを変速装置ケース18aの外部で回転操作することができる。止めネジ軸34dを回転操作することにより、スプリング受け34cを移動調節して、ポペット弁34aに対するスプリング34bの閉じ付勢力を変更調節することができ、リリーフ弁34によって設定されるダイナミックブレーキの強さを変更調節できる。
静油圧式無段変速装置18を油圧ポンプ23によって変速操作する変速操作構造について説明する。
図4に示すように、油圧ポンプ23の斜板23aに油圧サーボ装置70のサーボシリンダ39が連動されている。従って、サーボシリンダ39は、油圧ポンプ23の斜板角を変更操作する油圧アクチュエータとなっている。油圧サーボ装置70のサーボ制御弁40と変速ペダル16とが機械的に連係されている。サーボ制御弁40とチャージ油路28とが変速パイロット油路71を介して接続されている。
変速ペダル16は、戻り側に付勢されている。変速ペダル16は、エンジン9のアクセル操作部9aにも機械的に連係されている。変速ペダル16を踏み込み操作していないと、エンジン9がアイドリング状態となり、油圧ポンプ23の斜板23aが中立位置に操作されている。変速ペダル16を踏み込み操作すると、アクセル操作部9aが変速ペダル16の踏み込み位置に対応する高速側の位置に操作される。
変速ペダル16を踏み込み操作すると、サーボ制御弁40が増速側の駆動状態に切り換え操作され、変速パイロット油路71がチャージ油路28から作動油を取り出し、取り出した作動油をサーボ制御弁40に供給する。サーボシリンダ39がサーボ制御弁40からの作動油、すなわちチャージ油路28からの作動油によって駆動され、斜板23aを前進増速側に傾動操作して油圧ポンプ23を変速ペダル16の操作位置に対応した速度状態に変速操作する。従って、静油圧式無段変速装置18が前進側の駆動状態になり、変速ペダル16の操作位置に対応した速度の前進駆動力を出力軸45から出力する。変速ペダル16の踏み込みストロークを大にするほど、油圧サーボ装置70が油圧ポンプ23を前進側のより増速側に変速操作し、静油圧式無段変速装置18がより高速の前進駆動状態になってより高速の前進駆動力を出力軸45から出力する。
変速ペダル16を戻し操作すると、サーボ制御弁40が減速側の駆動状態に切り換え操作され、変速パイロット油路71がチャージ油路28から作動油を取り出し、取り出した作動油をサーボ制御弁40に供給する。サーボシリンダ39がサーボ制御弁40からの作動油、すなわちチャージ油路28からの作動油によって駆動され、斜板23aを前進減速側に傾動操作して油圧ポンプ23を変速ペダル16の操作位置に対応した速度状態に変速操作する。従って、静油圧式無段変速装置18が前進駆動状態になり、変速ペダル16の操作位置に対応した速度の前進駆動力を出力軸45から出力する。変速ペダル16の戻しストロークを大にするほど、油圧サーボ装置70が油圧ポンプ23を前進側のより減速側に変速操作し、静油圧式無段変速装置18がより低速の前進駆動状態になってより低速の前進駆動力を出力軸45から出力する。
油圧ポンプ23は、チャージ油路28からのパイロット圧によって駆動される油圧アクチュエータとしてのサーボシリンダ39によって変速操作される。静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加するほど、駆動油路25の油圧によって斜板23aに掛かる操作反力が強くなる。しかし、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、リリーフ弁37のリリーフ圧がリリーフ制御手段60によって高圧に上昇調節されてサーボシリンダ39に供給されるパイロット圧が高圧になる。さらに静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加すると、チャージポンプ27の吐出量がポンプ制御手段65によって増量調節されてチャージポンプ27の容積効率の低下が防止される。従って、静油圧式無段変速装置18の駆動負荷が高負荷になっても、サーボシリンダ39は、強力に駆動されて斜板23aを強い操作反力に抗して増速側にスムーズに傾動操作し、静油圧式無段変速装置18の油圧ポンプ23による変速操作がスムーズに行なわれる。
静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、駆動油路25の油圧によって斜板23aに掛かる操作反力が弱くなる。静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、リリーフ弁37のリリーフ圧がリリーフ制御手段60によって低圧に下降調節されてチャージ油路28における油圧が低圧になる。さらに静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少すると、チャージポンプ27の吐出量がポンプ制御手段65によって減量調節される。従って、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が減少した際、リリーフ弁37のリリーフ圧を高圧にしたままの状態で、かつチャージポンプ27の吐出量を多くしたままの状態でチャージポンプ27を駆動するに比べ、低トルクでチャージポンプ27を駆動しながら、サーボシリンダ39による斜板23aの傾動操作を支障なく行なわせることができ、静油圧式無段変速装置18の油圧ポンプ23による変速操作がスムーズに行なわれる。
油圧サーボ装置70について説明する。
図7は、油圧サーボ装置70を示す縦断側面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面矢視図である。図7,8に示すように、油圧サーボ装置70は、サーボピストン72を有したサーボシリンダ39と、スプール80を有したサーボ制御弁40と、制御レバー86を有した制御体85と、フィードバックレバー91及び減速レバー92を有したフィードバック部90とを備えている。
サーボシリンダ39は、変速装置ケース18aに連設されたシリンダ本体73と、シリンダ本体73に設けたピストン室74に摺動自在に収容されたサーボピストン72と、サーボピストン72の摺動方向での一端側にピストン室74の一部によって形成される一端側油室75と、サーボピストン72の摺動方向での他端側にピストン室74の一部によって形成される他端側油室76とを備えている。
シリンダ本体73は、変速装置ケース18aに一体形成されたチューブ部73aと、チューブ部73aのサーボピストン摺動方向での両端側に装着され、ピストン室74を閉じているブロック体73bとを備えて構成してある。
サーボピストン72の内部にスプリング室72aが設けられ、このスプリング室72aにサーボスプリング77、及びサーボスプリング77の両端側に支持作用するスプリング受け体77aが収容されている。一対のスプリング受け体77a,77aは、環状に形成されており、一方のブロック体73bに一端部が螺着されたピストン調節軸78のうちのスプリング室72aに入り込んでいる部位に摺動自在に外嵌している。ピストン調節軸78のうちのスプリング室72aに入り込んでいる部位に、一対のスプリング受け体77a,77aの間に位置する筒体79が相対摺動自在に外嵌している。サーボピストン72は、外周面に設けられた環状溝で成る斜板操作部72bを備えている。この斜板操作部72bに斜板23aの操作部23cが係合しており、サーボピストン72は、摺動操作されることによって斜板23aを傾動操作する。
サーボ制御弁40は、シリンダ本体73に連設された弁本体81と、サーボピストン72の衝動方向と平行な方向に摺動自在な状態で弁本体81に収容されたスプール80とを備えている。
弁本体81に一つの入力ポート81a、一対の出力ポート81b,81c及び一つの排油ポート81dを設けてある。入力ポート81aは、チューブ部73aに設けた入力油路を介して変速パイロット油路71に連通している。一方の出力ポート81bは、チューブ部73aと一方のブロック体73bとにわたって設けた給排油路82aを介して一端側油室75に連通している。他方の出力ポート81cは、チューブ部73aと他方のブロック体73bとにわたって設けた給排油路82bを介して他端側油室76に連通している。排油ポート81dは、変速装置ケース18aの内部に設けた排油路に接続されている。
サーボ制御弁40は、スプール80が中立位置Nと中立位置Nの両側に分かれて位置する一対の駆動位置UP,DNとに摺動操作されることにより、中立状態と一方向駆動状態と他方向駆動状態とに切り換え操作され、サーボピストン72を増速側及び減速側の位置に駆動調節し、調節した増速側及び減速側の位置に保持する。
すなわち、サーボ制御弁40は、スプール80が一方の駆動位置UPに摺動操作されることにより、一方向駆動状態に切り換え操作される。一方向駆動状態に切り換え操作されたサーボ制御弁40は、スプール80に備えてある中央小径部80aによって入力ポート81aと一方の出力ポート81bとを接続することによって一端側油室75に変速パイロット油路71を接続し、チャージ油路28からのパイロット圧を一端側油室75に供給し、一端側油室75に供給したパイロット圧によってサーボピストン72を増速方向Uに摺動駆動する。このとき、サーボ制御弁40は、スプール80に備えてある他端側小径部80b、貫通孔80c及び内部油路80gによって他方の出力ポート81cを排油ポート81dに接続することによって他端側油室76を排油ポート81dに接続し、他端側油室76のパイロット圧を排油路に排出する。このとき、サーボスプリング77は、サーボピストン72の段差部からスプリング受け体77aを介して押圧操作を受けて弾性変形し、サーボピストン72を減速方向Dに戻し付勢する弾性復元力を備える。
サーボ制御弁40は、スプール80が他方の駆動位置DNに摺動操作されることにより、他方向駆動状態に切り換え操作される。他方向駆動状態に切り換え操作されたサーボ制御弁40は、スプール80の中央小径部80aによって入力ポート81aと他方の出力ポート81cとを接続することによって他端側油室76に変速パイロット油路71を接続し、チャージ油路28からのパイロット圧を他端側油室76に供給し、他端側油室76に供給したパイロット圧によってサーボピストン72を減速方向Dに摺動駆動する。このとき、サーボ制御弁40は、スプール80に備えてある一端側小径部80d、貫通孔80e及び内部油路80gによって一方の出力ポート81bを排油ポート81dに接続することによって一端側油室75を排油路に接続し、一端側油室75のパイロット圧を排油路に排出する。このとき、サーボスプリング77は、サーボピストン72から止め輪77b、スプリング受け体77aを介して押圧操作を受けて弾性変形し、サーボピストン72を増速方向Uに戻し付勢する弾性復元力を備える。
サーボ制御弁40は、スプール80が中立位置Nに摺動操作されることにより、中立状態に切り換え操作される。中立状態に切り換え操作されたサーボ制御弁40は、スプール80に備えてある一対のランド80f,80fによって一対の出力ポート81b,81cを閉じ、一端側油室75及び他端側油室76におけるパイロット圧、及びサーボスプリング77による操作により、サーボピストン72を所定の位置に保持する。
図10は、分解状態のフィードバック部90を示す斜視図である。図7〜10に示すように、フィードバックレバー91の中間部は、排油ポート81dに臨んでいるスプール80の端部に連結ピン93を介して相対揺動自在に連結されている。フィードバックレバー91の一端部に受動部91aが設けられている。この受動部91aは、サーボピストン72の外周部に設けられた環状溝で成るフィードバック操作部72cに係合されている。フィードバックレバー91の他端部と減速レバー92の中間部とが、連係ピン94を備えた連係手段によって連係されている。この連係手段は、フィードバックレバー91から減速レバー92に向かって延出した連係ピン94と、連係ピン94の延出端部が係入するように構成して減速レバー92に設けた溝形の連係ピン孔92aとを備えて構成してある。連係手段としては、減速レバー92から延出する連係ピンと、フィードバックレバー91に設けたピン孔とを備えて成る連係手段を採用してもよい。
制御体85は、弁本体81に連設されている減速ケース95に設けた支持部95aに軸芯Xまわりに回動自在に支持される回転支軸部85aと、回転支軸部85aのうちの減速ケース95の内部に位置する端部に一体回転自在に設けられ、軸芯Xまわりに揺動自在な制御アーム部85bとを備えている。回転支軸部85aのうちの減速ケース95の外部に位置する端部に制御レバー86が一体回転自在に連結されている。制御レバー86は、変速ペダル16に機械的に連係されている。制御アーム部85bと減速レバー92の一端部とが、連係ピン87を備えた連係手段によって連係されている。連係手段は、制御アーム部85bから減速レバー92に向かって延出した連係ピン87と、連係ピン87の延出端部が係入するように構成して減速レバー92に設けたピン孔92bとを備えて構成してある。連係手段としては、減速レバー92から制御アーム部85bに向かって延出する連係ピンと、制御アーム部85bに設けたピン孔とを備えて成る連係手段を採用してもよい。減速レバー92の他端部は、減速ケース95に摺動自在に収容された減速ピストン96に連係ピン97を介して相対回動自在に連係されている。連係ピン97の一端側は、減速レバー92の連係ピン孔92aに係入され、連係ピン97の他端側は、減速ピストン96の中間部に設けたピン孔96aに装着されている。
図11は、油圧ポンプ23が増速操作される際の油圧サーボ装置70の作用を示す説明図である。図11(a)は、変速ペダル16(図4参照)が踏み込み操作される前の油圧サーボ装置70を示す説明図である。図11(b)は、変速ペダル16が踏み込み操作された後であって、サーボピストン72が駆動される前の油圧サーボ装置70を示す説明図である。図11(c)は、変速ペダル16の踏み込み操作に伴うサーボピストン72の駆動が終了した後の油圧サーボ装置70を示す説明図である。
図11(a),(b)に示すように、連係ピン87は、変速ペダル16が踏み込み操作されることにより、軸芯X(図7参照)まわりに中立位置nから増速方向Hに移動操作される。連係ピン87が増速方向Hに移動操作されると、減速レバー92が減速ピストン96に対する連係点としての連係ピン97を揺動支点にして増速方向Hに揺動操作される。減速レバー92が増速方向Hに揺動操作されると、フィードバックレバー91が連係ピン94を介して減速レバー92による押圧操作を受け、サーボピストン72に対する連係点としての受動部91aを揺動支点にして増速方向に揺動操作される。フィードバックレバー91が増速方向に揺動操作されると、スプール80が連結ピン93を介してフィードバックレバー91による引き操作を受けて中立位置Nから一方の駆動位置UPに切り換え操作される。スプール80が一方の駆動位置UPに切り換え操作されることにより、サーボ制御弁40(図8参照)が一方向駆動状態に切り換わり、図11(c)の如くサーボピストン72が増速方向Uに摺動駆動される。図11(c)に示すように、サーボピストン72が増速方向に摺動駆動されると、フィードバックレバー91が受動部91aにおいてサーボピストン72による押圧操作を受け、減速レバー92に対する連係点としての連係ピン94を揺動支点としてフィードバック方向に揺動操作される。フィードバックレバー91がフィードバック方向に揺動操作されると、スプール80が連結ピン93を介してフィードバックレバー91による押し操作を受けて一方の駆動位置UPから中立位置Nに戻し操作される。スプール80が中立位置Nに戻し操作されることにより、サーボ制御弁40が中立状態に戻り、サーボピストン72を変速ペダル16の操作位置に対応した位置に停止させる。
図12は、油圧ポンプ23が減速操作される際の油圧サーボ装置70の作用を示す説明図である。図12(a)は、変速ペダル16(図4参照)が戻し操作される前の油圧サーボ装置70を示す説明図である。図12(b)は、変速ペダル16が戻し操作された後であって、サーボピストン72が駆動される前の油圧サーボ装置70を示す説明図である。図12(c)は、変速ペダル16の戻し操作に伴うサーボピストン72の駆動が終了した後の油圧サーボ装置70を示す説明図である。
図12(a),(b)に示すように、連係ピン87は、変速ペダル16(図4参照)が戻し操作されることにより、軸芯X(図7参照)まわりに中立位置nから減速方向Lに移動操作される。連係ピン87が減速方向Lに移動操作されると、減速レバー92が減速ピストン96に対する連係点としての連係ピン97を揺動支点にして減速方向に揺動操作される。減速レバー92が減速方向に揺動操作されると、フィードバックレバー91が連係ピン94を介して減速レバー92による押圧操作を受け、サーボピストン72に対する連係点としての受動部91aを揺動支点にして減速方向に揺動操作される。フィードバックレバー91が減速方向に揺動操作されると、スプール80が連結ピン93を介してフィードバックレバー91による押し操作を受けて中立位置Nから他方の駆動位置DNに切り換え操作される。スプール80が他方の駆動位置DNに切り換え操作されることにより、サーボ制御弁40が他方向駆動状態に切り換わり、図12(c)の如くサーボピストン72が減速方向Dに摺動駆動される。図12(c)に示すように、サーボピストン72が減速方向Dに摺動駆動されると、フィードバックレバー91が受動部91aにおいてサーボピストン72による押圧操作を受け、減速レバー92に対する連係点としての連係ピン94を揺動支点としてフィードバック方向に揺動操作される。フィードバックレバー91がフィードバック方向に揺動操作されると、スプール80が連結ピン93を介してフィードバックレバー91による引き操作を受けて他方の駆動位置DNから中立位置Nに戻し操作される。スプール80が中立位置Nに戻し操作されることにより、サーボ制御弁40(図8参照)中立状態に戻り、サーボピストン72を変速ペダル16の操作位置に対応した位置に停止させる。
減速レバー92、減速ピストン96及びフィードバックレバー91を備えて、減速機講100を構成してある。
図4,7,9に示すように、減速ケース95の内部に減速ピストン96の一端側に配置して設けた高圧スプール105及び操作油室106と、減速ケース95の内部に減速ピストン96の他端側に配置して設けた高圧対抗スプリング107と、操作油室106を高圧側の駆動油路25に接続している減速パイロット油路108とを備えて、減速制御手段109を構成してある。
減速パイロット油路108は、高圧側の駆動油路25からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧を操作油室106に供給する。操作油室106に供給されたパイロット圧は、高圧スプール105を介して減速ピストン96に押圧作用し、減速ピストン96を非作用位置OFFから作用位置ONに摺動操作しようとするが、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷未満であると、減速ピストン96に対するパイロット圧の押圧操作力よりも減速ピストン96に対する高圧対抗スプリング107の押圧操作力の方が強く、減速ピストン96は高圧対抗スプリング107によって非作用位置OFFに保持される。静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷以上になると、減速ピストン96に対するパイロット圧の押圧操作力が減速ピストン96に対する高圧対抗スプリング107の押圧操作力よりも強くなり、減速ピストン96がパイロット圧によって非作用位置OFFから作用位置ONに摺動操作される。
従って、減速制御手段109は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷よりも低負荷であると、減速ピストン96を高圧対抗スプリング107の付勢力によって非作用位置OFFに維持操作し、減速機講100を解除状態に操作する。減速制御手段109は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷以上になると、減速ピストン96を駆動油路25からのパイロット圧によって作用位置ONに切り換え操作し、減速機講100を自動的に作用状態に操作する。
図13は、減速機講100の作用を示す説明図である。図13(a)は、減速作用を開始する前の減速機講100を示す説明図である。図13(b)は、減速作用を開始した後であって、サーボピストン72が駆動される前の減速機講100を示す説明図である。図13(c)は、サーボピストン72の駆動が完了した後の減速機講100を示す説明図である。
図13(a)に示すように、減速ピストン96は、静油圧式無段変速装置18(図4参照)に掛かる駆動負荷が設定高負荷未満であると、高圧対抗スプリング107によって非作用位置OFFに保持されている。減速ピストン96が非作用位置OFFに保持されていると、減速レバー92が揺動操作されず、サーボピストン72を変速ペダル16の操作位置に対応した位置に位置させる。
図13(b)に示すように、減速ピストン96は、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷以上になると、高圧スプール105によって作用位置ONに摺動操作される。減速ピストン96が作用位置ONに摺動操作されると、減速レバー92が連係ピン97を介して減速ピストン96による押圧操作を受け、連係ピン87を揺動支点にして減速方向に揺動操作される。減速レバー92が減速方向に揺動操作されると、フィードバックレバー91が連係ピン94を介して減速レバー92による押圧操作を受け、サーボピストン72に対する連係点としての受動部91aを揺動支点にして、減速方向に揺動操作される。フィードバックレバー91が減速方向に揺動操作されると、スプール80が連結ピン93を介してフィードバックレバー91による押圧操作を受けて中立位置Nから他方の駆動位置DNに摺動操作される。スプール80が他方の駆動位置DNに切り換え操作されることにより、サーボ制御弁40(図8参照)が他方向駆動状態に切り換わり、図13(c)の如くサーボピストン72が減速方向Dに摺動駆動されて斜板23a(図3,7参照)を減速方向に傾動操作し、油圧ポンプ23を減速側に変速操作する。図13(c)に示すように、サーボピストン72が減速方向に摺動駆動されると、フィードバックレバー91が受動部91aにおいてサーボピストン72による押圧操作を受け、減速レバー92に対する連係点としての連係ピン94を揺動支点としてフィードバック方向に揺動操作される。フィードバックレバー91がフィードバック方向に揺動操作されると、スプール80が連結ピン93を介してフィードバックレバー91による引き操作を受けて他方の駆動位置DNから中立位置Nに向けて戻し操作される。静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷より低負荷に低減すると、スプール80が中立位置Nに戻し操作されてサーボ制御弁40が中立状態に戻り、油圧ポンプ23が減速操作された変速状態に維持され、静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が設定高負荷未満の駆動負荷になっている。
静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷が増加しても、リリーフ制御手段60によってチャージ油路28のリリーフ圧が高圧に変更調節されてサーボシリンダ39に高圧のパイロット圧を供給できることにより、かつポンプ制御手段65によってチャージポンプ27の吐出量が多量に変更調節されて容積効率の低下を防止できることにより、油圧ポンプ23の斜板23aを強い操作反力に抗して強力に傾動操作することを可能にしている。斜板23aの支持部に発生する摩擦変化など、機械構造部における経時変化によって斜板23aに掛かる操作反力が強くなった場合、駆動負荷の変化に基づいて作動するリリーフ制御手段60及びポンプ制御手段65によるパイロット圧及び容積効率の調節によっては、強い操作反力に対応し切れないことがある。しかし、減速機講100にあっては、サーボ制御弁40を介して斜板23aを減速側に強制的に傾動操作するから、斜板23aを機械構造部による強い操作反力に抗して減速側に強固に傾動操作できる。従って、リリーフ制御手段60及びポンプ制御手段65によるパイロット圧及び容積効率の調節によっては、斜板23aを機械構造部による強い操作反力に抗して減速側に傾動操作できなくなった場合でも、減速機講100及び減速制御手段109の作用によって油圧ポンプ23を適確に減速側に変速操作して、駆動油路25の油圧によって斜板23aに掛かる操作反力を減少させ、チャージ油路28からのパイロット圧によって斜板23aをスムーズに傾動操作することが可能になる。
図9に示すように、減速ケース95に高圧対抗スプリング107対する調節ネジ軸101を設け、調節ネジ軸101のうちの減速ケース95の外部に位置する部位にロックナット102を装着してある。
従って、ロックナット102及び調節ネジ軸101の回転操作を減速ケース95の外部においてできる。調節ネジ軸101を回転操作することにより、高圧対抗スプリング107を支持するバネ受け体103を移動調節して、減速ピストン96に対する高圧対抗スプリング107の押圧力を変更調節することができ、減速制御手段109によって油圧ポンプ23の減速操作を行なわせるための設定高負荷を変更して設定できる。
油圧モータ24の変速操作構造について説明する。
図3及び図4に示すように、貫通孔46aを備えた支持部材46、支持部材46にスライド自在に支持されて油圧モータ24の斜板24aの上部(図3の紙面左側)に接当するピストン部47、内部に油室48aを備えた円筒状の支持部材48、支持部材48にスライド自在に支持されて油圧モータ24の斜板24aの上部(図3の紙面右側)に接当するピストン部49が、油圧モータ24の上部に出力軸45と平行に備えられている。支持部材46,48及びピストン部47,49により油圧アクチュエータが構成されている。
図3及び図4に示すように、高圧側の駆動油路25から分岐した第1パイロット油路41(第1パイロット圧)が、支持部材46に接続されており、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)によりピストン部47が図3の紙面右方に移動すると、油圧モータ24の斜板24aが低速側に操作される。チャージ油路28におけるフィルタ36の下手側部分から分岐した第2パイロット油路42(第2パイロット圧)が、支持部材48に接続されており、第2パイロット圧(第2パイロット油路42)によりピストン部49が図3の紙面左方に移動すると、油圧モータ24の斜板24aが高速側に操作される。
図3及び図4に示すように、内部に油室51aを備えた支持部材51、支持部材51にスライド自在に支持されて油圧モータ24の斜板24aの下部(図3の紙面左側)に接当するピストン部52が、油圧ポンプ23と油圧モータ24との間の部分に入力軸44と平行に備えられている。低圧側の駆動油路26から分岐した第3パイロット油路43(第3パイロット圧)が、支持部材51に接続されており、第3パイロット圧(第3パイロット油路43)によりピストン部52が図3の紙面右方に移動すると、油圧モータ24の斜板24aが高速側に操作される。
以上の構造により、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)によるピストン部47の力、第2パイロット圧(第2パイロット油路42)によるピストン部49の力、並びに、第3パイロット圧(第3パイロット油路43)によるピストン部52の力の3つの力が均衡する角度に、油圧モータ24の斜板24aが操作される。
図5の実線L2に示すように、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)(高圧側の駆動油路25の圧力)が圧力A2よりも低圧の場合、油圧モータ24の斜板24aは最小角度(高速)に操作されている。第1パイロット圧(第1パイロット油路41)(高圧側の駆動油路25の圧力)が圧力A2から上昇すると、油圧モータ24の斜板24aは最小角度(高速)から比較的急激に低速側に操作されるのであり、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)(高圧側の駆動油路25の圧力)が、圧力A2に比較的近い圧力A3に達すると、油圧モータ24の斜板24aが最大角度(低速)となる。
次に、通常の走行状態から走行負荷が上昇しても、ある程度の時間は機体の走行速度を維持して、機体の走行速度があまり早く低下しない状態について説明する。
図4及び図5の実線L2に示すように、例えば変速ペダル16を踏み込み操作した通常の走行状態(エンジン9の回転数が低下しておらず、油圧モータ24の斜板24aが最小角度(高速)に操作されている状態)から上り坂に入る場合、まだエンジン9の回転数が低下していないことにより、第2パイロット圧(第2パイロット油路42)が比較的高い状態なので、走行負荷が上昇しても(高圧側の駆動油路25の圧力が上昇しても)、比較的高圧の第2パイロット圧(第2パイロット油路42)の抵抗によって、ピストン部47は低速側に移動し難く、油圧モータ24の斜板24aは直ちに低速側に操作されることはない。
この場合、図4に示すように、第3パイロット圧(第3パイロット油路43)が、第2パイロット圧(第2パイロット油路42)の抵抗に加えられる点においても、ピストン部47,49は低速側に移動し難く、油圧モータ24の斜板24aは直ちに低速側に操作されることはない。
このように第1パイロット圧(第1パイロット油路41)が圧力A2よりも低圧の範囲では、油圧モータ24の斜板24aは最小角度(高速)に保持されて、機体の走行速度は維持されているが、走行負荷の上昇による高圧側の駆動油路25の圧力の上昇により、油圧モータ24の出力トルクは緩やかに上昇している。
この後、図4及び図5の実線L2に示すように、走行負荷が上昇することによる第1パイロット圧(第1パイロット油路41)の上昇、並びに、走行負荷の上昇によるエンジン9の回転数の低下に伴う第2パイロット圧(第2パイロット油路42)の低下により、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)が圧力A2に達し圧力A2から上昇すると、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)によって、ピストン部47が低速側に移動し、油圧モータ24の斜板24aが最小角度(高速)から低速側に操作される。
次に、走行負荷が比較的大きな状態において、さらに走行負荷が大きくなった場合、油圧モータ24の斜板24aの低速側への操作が遅れることなく行われる状態について説明する。
図5の実線L2に示すように、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)が圧力A2に達してから走行負荷が上昇すると、走行負荷の上昇(第1パイロット圧(第1パイロット油路41)が圧力A2から上昇)、並びに、走行負荷の上昇によるエンジン9の回転数の低下に伴う第2パイロット圧(第2パイロット油路42)の低下により、ピストン部47によって油圧モータ24の斜板24aが比較的急激に低速側に操作されるのであり、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)が、圧力A2に比較的近い圧力A3に達すると、油圧モータ24の斜板24aが最大角度(低速)に操作される。
図4及び図5の実線L2に示すように、走行負荷が比較的大きい状態で(高圧側の駆動油路25の圧力が比較的高い状態で)、油圧モータ24の斜板24aが低速側に操作されている状態では、既に大きな走行負荷によりエンジン9の回転数が低下して、第2パイロット圧(第2パイロット油路42)も低下していることが多い。
前述の状態において、さらに走行負荷が大きくなった場合、第2パイロット圧(第2パイロット油路42)が比較的低いことにより(第2パイロット圧(第2パイロット油路42)の抵抗が小さいことにより)、第1パイロット圧(第1パイロット油路41)によってピストン部47が直ちに低速側に移動し、油圧モータ24の斜板24aが遅れることなく低速側に操作される。
ピストン部47,49の外径(受圧面積)やピストン部52の外径(受圧面積)を変更することにより、図5の実線L2の圧力A2と圧力A3との間の部分を全体的に低圧側(図5の紙面左側)に移動させたり、全体的に高圧側(図5の紙面右側)に移動させたりすることができる。
次に、例えば下り坂等において機体の走行速度を抑える為に、変速ペダル16を戻し操作した場合、ダイナミックブレーキの働きが抑えられる状態について説明する
図4に示すように、例えば下り坂等において機体の走行速度を抑える為に、変速ペダル16を戻し操作した場合、油圧ポンプ23の斜板23aが低速側に操作されると同時に、エンジン9のアクセル操作部9aが低速側に操作される。
この状態において、地面からの逆駆動力により油圧モータ24が駆動されると、油圧モータ24から吐出される作動油により、低圧側の駆動油路26の圧力が高圧側の駆動油路25の圧力よりも高圧になって、油圧モータ24から吐出される作動油(低圧側の駆動油路26)により油圧ポンプ23が駆動される状態となる。
前述の状態において変速ペダル16を戻し操作して、油圧ポンプ23の斜板23aが低速側に操作されると同時に、エンジン9のアクセル操作部9aが低速側に操作されると、油圧ポンプ23が駆動され難い状態(油圧ポンプ23を駆動するエンジン9を無理に高速で駆動しようとする状態)となること、並びに、エンジン9が駆動され難い状態となることにより、油圧ポンプ23の駆動抵抗が大きくなり、一般の乗用車のエンジンブレーキに相当するダイナミックブレーキが働くことになる。
しかしながら変速ペダル16を戻し操作し過ぎると、ダイナミックブレーキが働き過ぎて、機体が急減速するような状態となり、乗り心地が悪くなることがある。この現象は油圧モータ24の容量(吐出量)(斜板24aの角度)と、油圧ポンプ23の容量(吐出量)(斜板23aの角度)とに大きな差がある場合に顕著なものとなる。
この場合、図4に示すように、地面からの逆駆動力により油圧モータ24が駆動され、油圧モータ24から吐出される作動油により、低圧側の駆動油路26の圧力が高圧側の駆動油路25の圧力よりも高圧になった場合、第3パイロット圧(第3パイロット油路43)により、ピストン部52が油圧モータ24の斜板24aを高速側(容量(吐出量)の小側)に操作する。
従って、変速ペダル16を戻し操作して、油圧ポンプ23の斜板23aが低速側(容量(吐出量)の小側)に操作され、エンジン9のアクセル操作部9aが低速側に操作されても、これと同様に油圧モータ24の斜板24aが高速側(容量(吐出量)の小側)に操作されることにより、油圧モータ24の容量(吐出量)(斜板24aの角度)と、油圧ポンプ23の容量(吐出量)(斜板23aの角度)との差が抑えられて、ダイナミックブレーキの働きが抑えられる。
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、駆動油路25における油圧を静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷として検出してリリーフ弁37を調節制御するように構成したリリーフ制御手段60を採用した例を示したが、油圧モータ24の出力軸45、あるいは出力軸45から前輪1及び後輪2への伝動系に掛かる駆動負荷を静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷として検出する負荷センサと、リリーフ弁37のリリーフ圧を変更調節するアクチュエータと、負荷センサによる検出結果を基にアクチュエータを制御するようにマイクロコンピュータを利用した制御手段とを備えて成るリリーフ制御手段を、上記した油圧利用のリリーフ制御手段60に替えて採用して実施してもよい。
(2)上記した実施例では、駆動油路25における油圧を静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷として検出してチャージポンプ27を調節制御するように構成したポンプ制御手段65を採用した例を示したが、油圧モータ24の出力軸45、あるいは出力軸45から前輪1及び後輪2への伝動系に掛かる駆動負荷を静油圧式無段変速装置18に掛かる駆動負荷として検出する負荷センサと、チャージポンプ27の吐出量を変更調節するアクチュエータと、負荷センサによる検出結果を基にアクチュエータを制御するようにマイクロコンピュータを利用した制御手段とを備えて成るポンプ制御手段を、上記した油圧利用のポンプ制御手段65に替えて採用して実施してもよい。
(3)上記した実施例では、油圧ポンプ23を変速ペダル16によって変速操作するように構成した例を示したが、変速レバーによって変速操作するように構成して実施してもよい。
(4)上記した実施例では、油圧ポンプ23を前進側と後進側とのうちの前進側だけで変速操作するように構成した例を示したが、前進側と後進側とのいずれにおいても変速操作するように構成して実施してもよい。この場合、油圧ポンプ23と油圧モータ24とを接続する一対の駆動油路25,26とリリーフ弁37の調節操作部とをシャトル弁を介して接続することにより、高圧側となる方の駆動油路からパイロット圧によってリリーフ弁37を調節制御するように構成するとよい。
(5)上記した実施例では、油圧サーボ装置70によって油圧ポンプ23を変速操作するように構成した例を示したが、フィードバック機能を備えない油圧アクチュエータと制御弁とによって油圧ポンプ23を変速操作するように構成して実施してもよい。
(6)上記した実施例では、前輪1及び後輪2を走行装置として備えた例を示したが、クローラ走行装置、あるいは車輪とクローラとで成る走行装置を前輪1及び後輪2に替えて備えて実施してもよい。
本発明は、農作業や荷物の運搬等を行う多目的車両の他、トラクタや乗用型草刈機等の各種の作業車に適用できる。
1 走行装置(前輪)
2 走行装置(後輪)
9 エンジン
18 静油圧式無段変速装置
23 油圧ポンプ
24 油圧モータ
25 駆動油路
26 駆動油路
27 チャージポンプ
28 チャージ油路
37 可変リリーフ弁
39 油圧変速アクチュエータ
60 リリーフ制御手段
62 リリーフ制御パイロット油路
65 ポンプ制御手段
66 油圧シリンダ
67 吐出量調整パイロット油路
68 スプリング
71 変速パイロット油路

Claims (5)

  1. 可変容量形の油圧ポンプ及び前記油圧ポンプに一対の駆動油路で接続された油圧モータを備えて構成され、エンジンからの駆動力を変速して走行装置に伝達する静油圧式無段変速装置と、前記エンジンによって駆動されるチャージポンプと、前記チャージポンプからの作動油を前記静油圧式無段変速装置に補給するチャージ油路と、前記油圧ポンプの斜板角を変更操作する変速油圧アクチュエータと、前記チャージ油路からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧を前記変速油圧アクチュエータに供給する変速パイロット油路と、を備え、
    前記チャージ油路に設けた可変リリーフ弁と、
    前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が増加すると、前記可変リリーフ弁が高リリーフ圧を備えるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が減少すると、前記可変リリーフ弁が低リリーフ圧を備えるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷の変化に連係して前記可変リリーフ弁を調節制御するリリーフ制御手段と、を備えてある作業車。
  2. 前記一対の駆動油路のうちの高圧側の駆動油路からパイロット圧を取り出し、取り出したパイロット圧によって前記可変リリーフ弁のリリーフ圧を調節制御するリリーフ制御パイロット油路を備えて、前記リリーフ制御手段を構成してある請求項1に記載の作業車。
  3. 前記チャージポンプを可変容量形ポンプによって構成し、
    前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が増加すると、前記チャージポンプの吐出量が多くなるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷が減少すると、前記チャージポンプの吐出量が少なくなるように、前記静油圧式無段変速装置に掛かる駆動負荷の変化に連係して前記チャージポンプを調節制御するポンプ制御手段を備えてある請求項1又は2に記載の作業車。
  4. 前記チャージポンプの吐出量変更操作をする油圧シリンダと、前記チャージポンプを少量吐出側に操作する側に前記油圧シリンダを付勢するスプリングと、前記一対の駆動油路のうちの高圧側の駆動油路からパイロット圧を取り出し、前記チャージポンプを多量吐出側に操作する側に前記油圧シリンダを取り出したパイロット圧によって操作する吐出量調整パイロット油路とを備えて、前記ポンプ制御手段を構成してある請求項3に記載の作業車。
  5. 前記変速油圧アクチュエータを、前記油圧ポンプを前進側と後進側とのうちの前進側だけで変速操作するように構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業車。
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