JP2013204783A - 作業車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステージ自動切替スイッチ72cが入りとなってステージ切替弁73が高速側ステージになっているときに、停止が目的で左右のブレーキペダル16が踏み込まれてエンジン回転数が設定値以下に落ちると、HST34のステージが高速側の場合でも低速側ステージに切り替えないので、駆動トルクが上昇してブレーキの作用が効きにくくなることを防止して安全に停止することができる。また、片方のブレーキペダル16を踏むときは圃場内走行中なのでエンジン回転数低下に対応して駆動トルクを上昇させて圃場内での走行性能を維持する。
【選択図】図5
Description
請求項1記載の発明は、車輪(2,3)とエンジン(5)を備えた車体(1)と、エンジン(5)からの出力に応じて油圧出力を変える可変油圧ポンプ(34a)と該可変油圧ポンプ(34a)に設けられた斜板(34d)と該斜板(34d)の回転角度を変更するトラニオン軸(30)と可変油圧モータ(34b)と該可変油圧モータ(34b)に設けられた斜板(34e)と該斜板(34e)の回転角度を変更するトラニオン軸(31a)とを有する油圧式無段変速装置(34)と、該油圧式無段変速装置(34)の出力により作動するギヤ噛合式の複数段の副変速装置(38)と、前記油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)の斜板(34e)の回動角度をトラニオン軸(31a)で回動して油圧式無段変速装置(34)の油圧出力を低速側ステージと高速側ステージの少なくとも2段階に手動で切り替えるそれぞれのステージ切替スイッチ(72a、72b)と、前記低速側ステージと高速側ステージとの切り替えを自動的に行うステージ自動切替スイッチ(72c)と、前記油圧式無段変速装置(34)の可変油圧ポンプ(34a)のトラニオン軸(30)に連結される斜板(34d)の前進方向又は後進方向の回転角度を調整して前進方向又は後進方向の油圧出力を踏み込み量に応じて調整するアクセルペダル(15)と、車輪(2又は3)の車軸に作用する左右一対のブレーキペダル(16,16)と、
左右それぞれのブレーキペダル(16,16)に対応したブレーキ踏み込みを感知する各ブレーキスイッチ(77a,77b)と、エンジン(5)が作動していることを検知するエンジン回転センサ(5a)と、前記油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)のステージをそれぞれ低速側又は高速側に切り替えるステージ切替弁(73)を備えた走行車両において、
前記ステージ自動切替スイッチ(72c)が入りとなってステージ切替弁(73)が高速側ステージになっているときに、左右それぞれのブレーキペダル(16,16)に対応したブレーキスイッチ(77a,77b)が両方のブレーキペダル(16,16)が踏み込まれたことを検知し、エンジン回転センサ(5a)がエンジン回転数が設定値以下に落ちたことを検知したときに、油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)の低速側ステージへの切替を行わず、片方のブレーキペダル(16)が踏み込まれたときには前記ステージを低速側へ切替を行い、その後エンジン回転が復帰しても高速側ステージに切替を行わない制御構成を有する制御装置(100)を備えたことを特徴とする走行車両である。
作業車両の一例としてトラクタを例に以下説明する。図1(図1にはフロントローダのない図を示す)に全体側面図、図2に図1のトラクタの平面図(キャビンを除いている)を示している。図3は図1のトラクタの変速装置の動力伝動機構線図、図4は本実施例のトラクタの静油圧式無段変速装置の油圧回路図であり、図5は本実施例のトラクタの制御ブロック図である。
なお、本明細書において作業車両の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後ろという。
車体1の中央のハンドルポスト6にはステアリングハンドル7が支持され、その後方には座席9が設けられている。
また、ステアリングハンドル7の下方には車体1の進行方向を前後方向に切り替える前後進レバー10が設けられている。この前後進レバー10を前側に移動させると車体1は前進し、後方へ移動させると後進する。また、ハンドルポスト6を挟んで前後進レバー10の反対側にはエンジン回転数を変更するスロットルレバー11が設けられ、また、ステップフロア13の右コーナー部にはアクセルペダル15と左右のブレーキペダル16,16が配置されている。前記アクセルペダル15は、基本的には路上走行時に使用し、その踏み込み量に応じてエンジン回転数が上昇すると共に、アクセルペダル15の踏み込み量をアクセルペダル位置センサ15a(図5)が検出し、このアクセルペダル位置センサ15aの検出値に応じて静圧式無段変速装置(HST)34のトラニオン軸30(図4)の回動角度を変更させることができる。該トラニオン軸30の回動角度により斜板34d(図4)の傾斜角度を変化させてHSTの出力を無段状に連続的に変更させることができる。
前記HST34から出力された動力は、走行出力軸35から回転軸36に伝達される。変速装置38による変速段は次のように設定される。すなわち、副変速高速段(3速)はギヤ38aからギヤ38bで変速された動力が変速軸43へ伝達される。また、副変速中速段(2速)は、ギヤ38cからギヤ38dで変速された動力が変速軸43へ伝達され、副変速低速段(1速)は、ギヤ38eからギヤ38fで変速された動力が変速軸43へ伝達される。これら副変速の3段変速は、副変速レバー21を操作してシフタ39が左右にスライドすることで切り替わる。変速軸43の回転がデフ装置46を介して後輪3が副変速中速段の走行速度で駆動される。
また、変速軸43の副変速下手側のギヤ58からPTO軸52のギヤ47、このギヤ47と一体のギヤ59を経由して、前輪出力軸48のギヤ57に伝達され、前輪2が駆動される。
また、静油圧式無段変速装置(HST)34はトラニオン軸30(図4)の回動角度、すなわち斜板34dの回動角度により、制御装置100で設定されているトラニオン軸30の回転数が決まり、詳細な説明は省略するが、アクセルペダル15の踏み込み量がアクセルペダル位置センサ15aで検出されると、アクセルペダル位置センサ15aの検出値に応じてトラニオン軸30の作動量(回転数)が制御装置100により自動的に設定され、静油圧式無段変速装置(HST)34の油圧出力が自動的に適切な値に設定される。
最高速設定ダイヤル14aはダイヤル式であり、トラニオン軸30の回動角度を調整して車体の最高速度を規制するものであり、所定の最高速を操縦者が決めることができるように、例えば約15〜30km/hの範囲にダイヤル式に変更できる構成としている。したがって、アクセルペダル15を最大まで踏み込んでも、最高速設定ダイヤル14aで規制している速度までしか出せない構成としている。
バルブスティック時などの緊急時には、図2に示す操縦部にあるブレーキペダル16,16を目一杯踏み込むと強制的にHSTトラニオン軸30をニュートラルに戻すことができる。
この制御構成もオペレータが後進から前進への切り替えに恐怖感を感じやすいので、それを防ぐために行う。
なお、本実施例のトラクタの制御装置の制御ブロック図を図5に示す。
これはPTO作業時に一定車速で走行中にPTO負荷によりエンジンドロップがあった場合は、最悪の場合にエンストするので、そのエンストの防止のためである。
こうしてPTO負荷と牽引負荷の変動を検出し、この負荷に応じて車速を下げることでエンストの防止を図ることができる。
ステージ自動切替スイッチ72cを選択すると、例えば負荷が作用してエンジン回転数が下がると、可変油圧モータ34bの斜板34eの回転角度を低速側(低速ステージ)に自動的に切り替えてトルク増大を図ることができる。
この場合はステージ切替に関係なく最高速規制値を同じにすることができ、操作が容易となる。
3 後輪 4 メインスイッチ(キースイッチ)
5 エンジン 5a エンジン回転センサ
6 ハンドルポスト 7 ステアリングハンドル
8 燃料タンク 9 操縦席(座席)
9b 操作パネル 10 前後進レバー
10a 前進側ソレノイド 10b 後進側ソレノイド
10c 前後進レバー 11 スロットルレバー
11a スロットルセンサ 12a,12b レバーガイド
13 ステップフロア 14a 最高速規制ダイヤル
14b 車速緩慢度応答用ダイヤル
14c オートクルーズスイッチ
14ca オートクルーズ増速スイッチ
14cb オートクルーズ減速スイッチ
15 アクセルペダル 15a アクセルペダル位置センサ
15 アクセルペダル 16 ブレーキペダル
21 副変速レバー 21a 副変速レバー位置センサ
22 ボンネット 23a ミッドPTO変速レバー
23b リヤPTO変速レバー 24 4WDレバー
30 トラニオン軸 30a トラニオン軸回動角度センサ
31 リンク 32 トラニオン軸回動用モータ
33 HST入力軸 34 静油圧式無段変速装置(HST)
34a 油圧ポンプ 34b 油圧モータ
34c 油圧閉回路 34d、34e 斜板
35 走行出力軸 37 伝動軸
38 噛合式変速装置 39 副変速クラッチ
41 ギア 42 高速段ギア
43 変速軸 45 ギア
46 デフ装置 48 前輪出力軸(4WD軸)
49 デフ装置 51 ポンプ出力軸
52 PTO軸 53 回転速度センサ(車速センサ)
54 油圧クラッチ 55 リヤPTO軸
56 ミッドPTO軸 57 ギア
60 ブザー 63 切替弁
65 トラニオン油圧比例弁
72 ステージ切替スイッチ(ダイヤル)
72a ステージ低速切替スイッチ
72b ステージ高速切替スイッチ 72c ステージ自動切替スイッチ
73 ステージ切替弁 100 コントローラ
Claims (5)
- 車輪(2,3)とエンジン(5)を備えた車体(1)と、エンジン(5)からの出力に応じて油圧出力を変える可変油圧ポンプ(34a)と該可変油圧ポンプ(34a)に設けられた斜板(34d)と該斜板(34d)の回転角度を変更するトラニオン軸(30)と可変油圧モータ(34b)と該可変油圧モータ(34b)に設けられた斜板(34e)と該斜板(34e)の回転角度を変更するトラニオン軸(31a)とを有する油圧式無段変速装置(34)と、該油圧式無段変速装置(34)の出力により作動するギヤ噛合式の複数段の副変速装置(38)と、
前記油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)の斜板(34e)の回動角度をトラニオン軸(31a)で回動して油圧式無段変速装置(34)の油圧出力を低速側ステージと高速側ステージの少なくとも2段階に手動で切り替えるそれぞれのステージ切替スイッチ(72a、72b)と、
前記低速側ステージと高速側ステージとの切り替えを自動的に行うステージ自動切替スイッチ(72c)と、
前記油圧式無段変速装置(34)の可変油圧ポンプ(34a)のトラニオン軸(30)に連結される斜板(34d)の前進方向又は後進方向の回転角度を調整して前進方向又は後進方向の油圧出力を踏み込み量に応じて調整するアクセルペダル(15)と、
車輪(2又は3)の車軸に作用する左右一対のブレーキペダル(16,16)と、
左右それぞれのブレーキペダル(16,16)に対応したブレーキ踏み込みを感知する各ブレーキスイッチ(77a,77b)と、
エンジン(5)が作動していることを検知するエンジン回転センサ(5a)と、
前記油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)のステージをそれぞれ低速側又は高速側に切り替えるステージ切替弁(73)を備えた走行車両において、
前記ステージ自動切替スイッチ(72c)が入りとなってステージ切替弁(73)が高速側ステージになっているときに、左右それぞれのブレーキペダル(16,16)に対応したブレーキスイッチ(77a,77b)が両方のブレーキペダル(16,16)が踏み込まれたことを検知し、エンジン回転センサ(5a)がエンジン回転数が設定値以下に落ちたことを検知したときに、油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)の低速側ステージへの切替を行わず、片方のブレーキペダル(16)が踏み込まれたときには前記ステージを低速側へ切替を行い、その後エンジン回転が復帰しても高速側ステージに切替を行わない制御構成を有する制御装置(100)を備えたことを特徴とする走行車両。 - 制御装置(100)は、片方のブレーキペダル(16)が踏み込まれてエンジン回転数が設定回転数まで落ちたときに、油圧式無段変速装置(34)の可変油圧モータ(34b)のステージ切替弁(73)が高速側ステージにある場合は、低速側ステージに切り替え、その後エンジン回転数が復帰しても、高速側に切り替えない制御構成とし、
前記手動の高速側ステージ切替スイッチ(72b)が入り状態になると、ステージを高速側に切り替える制御構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の走行車両。 - 制御装置(100)は、油圧式無段変速装置(34)の可変油圧ポンプ(34a)のトラニオン軸(30)の回転角度を最高速に選択できる最高速規制ダイヤル(14a)を設け、該最高速規制ダイヤル(14a)が100%の位置にあるとき、ステージ切替スイッチ(72)が低速側ステージにある場合は、該低速側ステージの最高速になり、ステージ切替スイッチ(72)が高速側ステージにある場合は、該高速側ステージの最高速とし、最高速規制ダイヤル(14a)を100%の位置から100%より低い割合の位置に向けて回すことで、それに伴い最高速が比例して遅くなる制御構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の走行車両。
- 制御装置(100)は、前記ステージ自動切替スイッチ(72c)が入りのときには、最高速規制ダイヤル(14a)が100%の位置にあるときは高速側ステージの最高速となるように自動設定する制御構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の走行車両。
- 制御装置(100)は、車両走行速度が増減側でステージが自動的に切り替わる時、及び手動で切り替わる時、ブザー(60)を短く鳴らし、ステージ切替をオペレータに知らせる制御構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の走行車両。
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