JP2010052622A - 乗員保護装置 - Google Patents

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JP2010052622A JP2008221104A JP2008221104A JP2010052622A JP 2010052622 A JP2010052622 A JP 2010052622A JP 2008221104 A JP2008221104 A JP 2008221104A JP 2008221104 A JP2008221104 A JP 2008221104A JP 2010052622 A JP2010052622 A JP 2010052622A
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つかさ 杉山
Shigeyuki Suzuki
滋幸 鈴木
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Abstract

【課題】乗員の腰部の沈み込み及び回転をともに規制して同腰部の前方移動を抑制しつつ、その抑制効果を持続する。
【解決手段】車両用シートCSの座部10内に配置された押上げ機構30は、押上げプレート31、押上げ手段及び保持機構を備える。押上げプレート31は、着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbよりも前側に配置され、かつ自身の後端部31Rが同臀部Pbの前側近傍に位置する。押上げ手段は、車両用シートCSの前方からの衝撃が加わらない非衝撃時には押上げプレート31を略水平状態にする一方、同衝撃が加わる衝撃時には、押上げプレート31の後端部31Rが前記非衝撃時よりも高く、かつ同押上げプレート31の前端部31Fが後端部31Rよりも高い傾斜状態となることを押上げ条件として、押上げプレート31を押上げる。保持機構は、押上げ手段により押上げられた押上げプレート31を、押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持する。
【選択図】図8

Description

本発明は、車両用シートの座部内に配置された押上げ機構を作動させて座面を隆起させ、座部に着座し、かつシートベルト装置により車両用シートに拘束された乗員の腰部が前方へ移動するのを抑制して、同乗員を保護するようにした乗員保護装置に関するものである。
車両では、前突等により同車両に前方から衝撃が加わった場合、シートベルト装置によって車両用シートに拘束された乗員の腰部が沈み込み、同シートベルト装置のラップベルト部から外れて前方へ移動してしまう現象(サブマリン現象)が問題となる。そこで、このサブマリン現象を抑制するために種々の対策が考えられている。
例えば、特許文献1に記載された「乗員前方移動規制用のシート下部構造」、及び特許文献2に記載された「車両用シート」では、座部の直下であって、着座姿勢の乗員の臀部よりも前側に押上げプレート(特許文献1では板材、特許文献2ではチルトプレート20及び中間プレート22)が略水平状態で配置されている。押上げプレートの後端部は、ヒンジを介して車体側部材(特許文献1ではフロア、特許文献2ではフロントパネル)に対し回動可能に連結されている。押上げプレートの前端部は、車体側部材に対し連結されておらず、自由端となっている。車体側部材と押上げプレートとの間にはエアバッグが配置されている。そして、前突等により車両に前方から衝撃が加わると、エアバッグに膨張用ガスが供給されて同エアバッグが膨張させられる。膨張するエアバッグによって押上げプレートが上方へ押圧され、同押上げプレートがヒンジを支点として上方へ回動させられる。座部において押上げプレートよりも上側部分が押上げられて座面が隆起し、乗員の腰部の前方移動が抑制される。
また、特許文献3に記載された乗員拘束装置では、座部の後端部が着座姿勢の乗員の臀部よりも後側に位置している。座部は、その後端部において車体側部材に対し回動可能に連結されている。そして、前突等により車両に前方から衝撃が加わると、アクチュエータによって座部が上方へ押圧され、同座部がその後端部を支点として上方へ回動させられる。上述した座面が隆起したのと同様の状態が生じ、乗員の腰部の前方移動が抑制される。
特開平7−81466号公報 特開2005−193844号公報 米国特許第3591232号明細書
ところが、上記特許文献1及び特許文献2に記載されたものでは、上述したように押上げプレートがその後端部のみにおいて車体側部材に支持されている。そのため、エアバッグの膨張力を利用して押上げプレートの前端部を押上げることができる反面、同押上げプレートの後端部を押上げることができない。車両に前方から衝撃が加わった場合、乗員の腰部の沈み込みが充分規制されず、前方へ移動する現象が充分に抑制されないおそれがある。
また、上記特許文献1及び特許文献2では、押上げプレートの前端部が自由端となっている。そのため、エアバッグの膨張過程では押上げプレートを上方へ回動させて座面を隆起させることができるものの、その後にエアバッグがしぼむ過程では、乗員の荷重によって押上げプレートが下方へ回動させられ、一旦隆起した座面が元の平らな状態に戻ろうとする。そのため、乗員の腰部の前方移動を抑制する効果が、エアバッグの膨張完了後に弱まってしまう問題もある。
一方、特許文献3に記載されたものは、着座姿勢の乗員の臀部よりも後側に位置する後端部を中心として座部を上方へ回動させ、座部の後端部を含む全体を大きく傾かせる構成である。そのため、前突等により車両に前方から衝撃が加わった場合に、臀部を中心として乗員が下方へ回転するおそれがある。この回転方向は、腰部がラップベルト部からすり抜けてサブマリン現象を引き起こす方向である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、乗員の腰部の沈み込み及び回転をともに規制して同腰部の前方移動を抑制しつつ、その抑制効果を持続することのできる乗員保護装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両用シートの座部内に押上げ機構を配置し、同車両用シートの前方からの衝撃に応じ、前記押上げ機構を作動させて前記座部の座面を隆起させることにより、前記座部に着座し、かつシートベルト装置により前記車両用シートに拘束された乗員の腰部の前方移動を抑制するようにした乗員保護装置において、前記押上げ機構は、着座姿勢を採る前記乗員の臀部よりも前側に配置され、かつ自身の後端部が同臀部の前側近傍に位置する押上げプレートと、前記車両用シートの前方からの衝撃が加わらない非衝撃時には前記押上げプレートを略水平状態にする一方、同衝撃が加わる衝撃時には、前記押上げプレートの後端部が前記非衝撃時よりも高く、かつ同押上げプレートの前端部が前記後端部よりも高い傾斜状態となることを押上げ条件として、前記押上げプレートを押上げる押上げ手段と、前記押上げ手段により押上げられた前記押上げプレートを、前記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持する保持機構とを備えることを要旨とする。
ここで、上述したように非衝撃時には、押上げ手段による押上げが行われず、押上げプレートが略水平状態となる。この「略水平状態」とは、厳密な水平状態だけでなく、水平に対し多少傾斜した状態をも含むものとする。この多少傾斜した状態の中には、次のものも含まれる。車両用シートには、座部の前部と後部とで独立して座面の高さを調整する等して、座面の傾斜角度を調整できるタイプがある。このタイプの車両用シートに上記乗員保護装置が適用された場合には、座部内に配置された押上げプレートの傾斜角度についても、上記座面の傾斜角度の調整に追従させて変化させることが望ましい。この場合には、非衝撃時であっても、押上げプレートの座面の傾斜角度に応じて押上げプレートの傾斜角度が異なる。押上げプレートは水平状態となったり、水平に対し傾斜した状態となったりする。このように、一律に非衝撃時といっても、押上げプレートは、水平状態を基準とした多少の角度範囲内で傾斜角度を変え得る。非衝撃時におけるこうした角度範囲内での傾斜状態も、上記「略水平状態」に含まれるものとする。
請求項1に記載の発明の上記構成によれば、押上げ機構の押上げプレートは、車両用シートの前方から衝撃が加わらない非衝撃時には略水平状態にされる。この状態では、座部は押上げプレートによって押上げられない。このとき、押上げプレートの後端部は、着座姿勢を採る乗員の臀部の前方近傍に位置している。
車両用シートの前方から衝撃が加わる衝撃時には、押上げプレートの後端部が前記非衝撃時よりも高く、かつ同押上げプレートの前端部が後端部よりも高い傾斜状態となることを押上げ条件として、押上げプレートが押上げ手段によって押上げられる。そして、上記のように傾斜状態となった押上げプレートにより、座部において同押上げプレートよりも上側の部分が押し上げられる。これに伴い、座部の座面が隆起する。座面において隆起の対象となる領域は、着座姿勢を採る乗員の臀部の前側であり、その領域の後端は同臀部の前側近傍である。しかも、その隆起の度合いは前側ほど大きくなり、前端部で最大となる。そのため、乗員の臀部は押上げられず、大腿部が前側ほど高くなるように押上げられる。
このように、座面について臀部の前側近傍部分が隆起するため、押上げプレートの後端部が押上げられず、かつ同臀部の前側近傍部分が隆起しない場合に比べ、乗員の腰部の沈み込みが確実に規制される。よって、沈み込みに起因する腰部の前方移動が抑制される。
また、座面について、臀部の前側近傍部分は隆起するが、臀部の下側は隆起しない。そのため、衝撃時には、臀部を中心として乗員が下方へ回転しようとするが、その際の回転は、座部の後端部を含む座部の全体が前上がりに傾斜させられる場合よりも起こりにくくなる。これは、臀部の前側近傍と下側部分との間で段差が生じ、この段差が臀部の回転を妨げようとするからである。従って、上記の回転によって腰部がシートベルト装置のラップベルト部から前下方へすり抜けることが抑制され、このすり抜けに起因する腰部の前方移動が抑制される。
さらに、押上げ手段によって押上げられた押上げプレートは、保持機構によって、押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持されるため、上述した乗員の腰部の前方移動を抑制する効果が持続される。
なお、上記押上げ手段としては、例えば請求項2に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記押上げ手段は、前記押上げプレートの下方に配置された底部と、前記押上げプレートの前端部を、前記底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に連結する前連結機構部と、前記押上げプレートの後端部を、前記底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に連結する後連結機構部と、前記衝撃に応じ、前記押上げプレートを直接押上げる、又は前記前連結機構部及び前記後連結機構部を変形させて前記押上げプレートの前端部及び後端部をそれぞれ押上げる駆動部とを備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、非衝撃時には、前連結機構部によって相互に連結された押上げプレートの前端部と、底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所とが上下方向に接近させられる。また、後連結機構部によって相互に連結された押上げプレートの後端部と、底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所とが上下方向に接近させられる。その結果、押上げプレートは底部の上方近傍で略水平状態となる。
衝撃時には、その衝撃に応じ押上げプレートが駆動部によって直接押上げられるか、又は、前連結機構部及び後連結機構部が駆動部によって変形させられる。
前者の場合には、駆動部による押上げプレートの押上げに伴い、前連結機構部及び後連結機構部がそれぞれ変形させられる。これらの前連結機構部及び後連結機構部は、駆動部による押上げプレートの押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
後者の場合には、駆動部により前連結機構部が変形させられることで、押上げプレートの前端部が押上げられる。また、後連結機構部が変形させられることで、押上げプレートの後端部が押上げられる。これらの押上げにより、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記前連結機構部及び前記後連結機構部のうち一方の連結機構部は、前記駆動部により変形させられて前記押上げプレートの対応する一方の端部を押上げるものであり、他方の連結機構部は、前記一方の連結機構部の変形に追従して変形して前記押上げプレートの対応する他方の端部を押上げるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、車両用シートの前方からの衝撃に応じ、前連結機構部及び後連結機構部の一方の連結機構部が駆動部によって変形させられて、押上げプレートの対応する一方の端部が押上げられると、他方の連結機構部が前記一方の連結機構部の変形に追従して変形する。この変形により、押上げプレートの対応する他方の端部が押上げられる。このように、駆動部によって一方の連結機構部を変形させるだけで、押上げプレートの対応する端部を押上げることができるだけでなく、他方の端部をも押上げて、同押上げプレートを上記押上げ条件の満たされた傾斜状態にすることができる。
上記保持機構としては、例えば請求項4に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記保持機構は、前記前連結機構部及び前記後連結機構部のそれぞれに設けられており、前記駆動部による前記押上げプレートの押上げに伴い変形させられた前後両連結機構部、又は前記駆動部により変形させられた前後両連結機構部を、その変形させられた形状に保持するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、前連結機構部は、駆動部による押上げプレートの押上げに伴い所定の形状に変形させられると、又は駆動部によって所定の形状に変形させられると、自身に設けられた保持機構によって、その変形した形状に保持される。また、後連結機構部は、駆動部による押上げプレートの押上げに伴い所定の形状に変形させられると、又は駆動部によって所定の形状に変形させられると、自身に設けられた保持機構によって、その変形した形状に保持される。従って、上記所定の形状を、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となるときの前連結機構部及び後連結機構部の形状とすれば、上記のように前連結機構部及び後連結機構部を所定の形状に保持することにより、押上げプレートを押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持することが可能となる。
上記前連結機構部としては、例えば請求項5に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記前連結機構部は、前記押上げプレートの前端部に対し回動可能に取付けられた前上レバーと、前記底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に回動可能に取付けられ、かつ前記前上レバーに連結された前下レバーとを備え、前記非衝撃時には、前記前上レバーの前記前下レバーとなす角が小さくなって、前記前連結機構部が略上下方向に屈曲した状態となり、前記衝撃時には、前記前上レバーの前記前下レバーとなす角が大きくなって、前記前連結機構部が略上下方向へ伸長した状態となるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、非衝撃時には、前上レバーの前下レバーとなす角が小さくなって前連結機構部が略上下方向に屈曲した状態となる。押上げプレートの前端部が、底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に近づけられた状態となる。
前連結機構部が、駆動部による押上げプレートの押上げに伴い変形させられるものである場合、衝撃に応じ、駆動部によって押上げプレートが押上げられると、その前端部が底部から上方へ遠ざけられる。前上レバーの前下レバーとなす角が大きくなり、前連結機構部が略上下方向へ伸長した状態となる。
これに対し、前連結機構部が駆動部によって変形させられるものである場合、衝撃に応じ、前上レバーの前下レバーとなす角が大きくされて前連結機構部が略上下方向へ伸長した状態にされることで、押上げプレートの前端部が、底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所から上方へ遠ざけられる。
上記後連結機構部としては、例えば請求項6に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記後連結機構部は、前記押上げプレートの後端部に対し回動可能に取付けられた後上レバーと、前記底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に回動可能に取付けられ、かつ前記後上レバーに連結された後下レバーとを備え、前記非衝撃時には、前記後上レバーの前記後下レバーとなす角が小さくなって、前記後連結機構部が略上下方向に屈曲した状態となり、前記衝撃時には、前記後上レバーの前記後下レバーとなす角が大きくなって、前記後連結機構部が略上下方向へ伸長した状態となるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、非衝撃時には、後連結機構部が略上下方向に屈曲した状態となり、押上げプレートの後端部が、底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に近づけられた状態となる。
後連結機構部が、駆動部による押上げプレートの押上げに伴い変形させられるものである場合、衝撃に応じ、駆動部によって押上げプレートが押上げられると、その後端部が底部から上方へ遠ざけられ、後上レバーの後下レバーとなす角が大きくなり、後連結機構部が略上下方向へ伸長した状態となる。
これに対し、後連結機構部が駆動部によって変形させられるものである場合、衝撃に応じ、後上レバーの後下レバーとなす角が大きくされ、後連結機構部が略上下方向へ伸長した状態にされることで、押上げプレートの後端部が、底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所から上方へ遠ざけられる。
なお、上記押上げ手段としては、例えば請求項7に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記押上げ手段は、前記押上げプレートの下方に配置された底部と、前側ほど高くなるように傾斜した状態で配置され、自身の前端部が軸により前記押上げプレートの前端部に連結され、かつ自身の後端部が軸により前記底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に連結された第1連結杆と、前側ほど低くなるように傾斜した状態で配置され、自身の後端部が軸により前記押上げプレートの後端部に連結され、かつ自身の前端部が軸により前記底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に連結された第2連結杆とを備え、前記押上げプレート及び前記底部を被連結体とし、前記第1連結杆の前後両端部の軸、及び前記第2連結杆の前後両端部の軸のうちの1つは、前記被連結体に対し前後方向へのスライド可能及び回動可能に連結され、残りの3つは、前記被連結体に対し回動可能に連結されており、さらに、前記押上げ手段は、前記衝撃に応じ、前記押上げプレートを直接押上げる、又は前記第1連結杆及び前記第2連結杆を変位させて前記押上げプレートの前端部及び後端部をそれぞれ押上げる駆動部を備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、非衝撃時には、第1連結杆及び第2連結杆によって連結された押上げプレートと底部とが上下方向に接近させられ、押上げプレートが底部の上方近傍で略水平状態となる。
衝撃時には、その衝撃に応じ押上げプレートが駆動部によって直接押上げられるか、又は、第1連結杆及び第2連結杆によって押上げられる。
前者の場合には、駆動部による押上げプレートの上昇に伴い第1連結杆及び第2連結杆がそれぞれ変位させられる。これらの第1連結杆及び第2連結杆は、駆動部による押上げプレートの押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
後者の場合には、第1連結杆の前後両端部の軸、及び第2連結杆の前後両端部の軸のうちの1つが、被連結体に対し前後方向へスライド及び回動させられ、残りの3つが、被連結体に対し回動させられる。これらのスライド及び回動により、第1連結杆の前端部及び第2連結杆の後端部がそれぞれ上昇する。押上げプレートの前端部が第1連結杆によって押上げられ、同押上げプレートの後端部が第2連結杆によって押上げられる。これらの押上げにより、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
上記駆動部としては、例えば、請求項8に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項8に記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1つに記載の発明において、前記駆動部は、前記座部内の前記押上げプレートよりも下方に配置され、かつ、前記衝撃時には膨張流体発生源から供給される膨張流体により膨張して同押上げプレートを直接押し上げるエアバッグを備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグは、非衝撃時にはしぼんだ状態で座部内の押上げプレートよりも下方に位置する。
これに対し、衝撃時には、上記エアバッグに対し膨張流体発生源から膨張流体が供給される。この膨張流体によってエアバッグが膨張し、押上げプレートが直接押上げられる。
これに伴い、上記請求項2〜6のいずれか1つに記載の発明では、前連結機構部及び後連結機構部がそれぞれ変形させられる。これらの前連結機構部及び後連結機構部は、膨張するエアバッグによる押上げプレートの押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
また、上記請求項7に記載の発明では、膨張するエアバッグによる押上げプレートの上昇に伴い第1連結杆及び第2連結杆がそれぞれ変位させられる。これらの第1連結杆及び第2連結杆は、エアバッグによる押上げプレートの押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
上記駆動部としては、例えば、請求項9に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項9に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1つに記載の発明において、前記駆動部は、シリンダと、そのシリンダ内に摺動可能に収容されたピストンと、前記ピストンの摺動に伴い前記シリンダに対し出没するピストンロッドとを備えるアクチュエータからなり、前記出没する前記ピストンロッドにより前記前連結機構部及び前記後連結機構部を変形させて前記押上げプレートを押し上げるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、非衝撃時には、前連結機構部によって相互に連結された押上げプレートの前端部と、底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所とが上下方向に接近させられる。また、後連結機構部によって相互に連結された押上げプレートの後端部と、底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所とが上下方向に接近させられる。その結果、押上げプレートは底部の上方近傍で略水平状態となる。
これに対し、衝撃時には、アクチュエータではピストンがシリンダ内を摺動する。これに伴い、ピストンに連結されたピストンロッドがシリンダに対し出没する。この出没により前連結機構部及び後連結機構部が変形させられて、押上げプレートの対応する端部が押上げられ、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記アクチュエータは、前記衝撃時に前記ピストンロッドを前記シリンダから突出させることにより前記前連結機構部及び前記後連結機構部を変形させて前記押上げプレートを押上げ、前記押上げ条件の満たされた傾斜状態にするものであり、前記保持機構は、前記アクチュエータ内に設けられ、前記押上げ条件の満たされる位置まで突出した前記ピストンロッドを、前記シリンダに対し出没不能に保持するものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、衝撃時には、アクチュエータでは、ピストンロッドがシリンダから突出させられる。この突出により前連結機構部及び後連結機構部が変形させられて、押上げプレートの対応する端部が押上げられる。
ピストンロッドが所定の位置まで突出すると、押上げプレートが、押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。この際、アクチュエータ内に設けられた保持機構により、押上げ条件の満たされる位置まで突出したピストンロッドが、シリンダに対し出没不能に保持される。この保持により、前連結機構部及び後連結機構部が変形不能となり、押上げプレートが押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持される。
上記駆動部としては、例えば、請求項11に記載の発明の構成を有するものを採用することができる。すなわち、請求項11に記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1つに記載の発明において、前記駆動部は、前記底部及び前記押上げプレート間に配設されたばねと、非衝撃時には、前記ばねを弾性変形させて弾性復元力を蓄積した蓄積状態に保持し、衝撃時には、前記蓄積状態の保持を解除するロック機構部とを備え、前記ロック機構部により蓄積状態の保持を解除された前記ばねの弾性復元力により、前記押上げプレートを直接押上げるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、非衝撃時には、底部及び押上げプレート間で弾性変形させられて弾性復元力を蓄積して蓄積状態となったたばねが、ロック機構部によってその蓄積状態に保持される。
これに対し、衝撃時には、ロック機構部によるばねの上記蓄積状態の保持が解除される。この蓄積状態の保持を解除されたばねの弾性復元力により、押上げプレートが直接押上げられる。
これに伴い、上記請求項2〜6のいずれか1つに記載の発明では、前連結機構部及び後連結機構部がそれぞれ変形させられる。これらの前連結機構部及び後連結機構部は、ばねによる押上げプレートの押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
また、上記請求項7に記載の発明では、ばねによる押上げプレートの上昇に伴い、第1連結杆及び第2連結杆がそれぞれ変位させられる。これらの第1連結杆及び第2連結杆は、ばねによる押上げプレートの押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレートが上記押上げ条件の満たされた傾斜状態にされる。
本発明の乗員保護装置によれば、乗員の腰部の沈み込み及び回転をともに規制して同腰部の前方移動を抑制しつつ、その抑制効果を持続することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
まず、本実施形態の乗員保護装置が適用される車両用シートの概略構成について説明する。この車両用シートは、乗員が着座したときに、車両の前方を向くように車室内に配置されている。従って、車両用シートの前後方向は、車両の前後方向と合致していることになる。
なお、本発明の乗員保護装置は、乗員が着座したときに、車両の前後方向とは異なる方向、例えば直交する方向(車幅方向)を向くように車両用シートの配置された車両にも適用可能である。
図1及び図3の少なくとも一方に示すように、車両用シートCSは、座部(シートクッション)10と、座部10の後端側に傾き調整可能に配置された背もたれ部(シートバック)15と、背もたれ部15の上側に配置されたヘッドレスト16とを備えて構成されている。
座部10は、乗員保護装置の拘束対象物である乗員Pが着座する箇所である。座部10は、座クッション11と、その座クッション11を下側から支える鋼板製のシートパン13とを備えている。シートパン13は、シートフレームの一部を構成するものである。シートパン13には、後述するエアバッグ61の一部及びインフレータ62を収容するための収容凹部14が形成されている。収容凹部14は、上面が開放された状態で車幅方向に延びている。座クッション11は、布帛製又は皮革製のカバー12によって被覆されている。
車両には、車両用シートCSに着座した乗員Pを拘束するためのシートベルト装置20が装備されている。
シートベルト装置20は、乗員Pを拘束する帯状のウェビング21と、ウェビング21に対しその長手方向への移動可能に取り付けられたタング22と、座部10の一方の側方に配置されてタング22が係脱可能に装着されるバックル23とを備えている。ウェビング21は、その一端部が、座部10においてバックル23の配設されていない側に固定され、他端部がベルト巻取り装置(図示略)により巻き取られる構成とされている。シートベルト装置20では、ウェビング21に対してタング22を摺動させることで、ラップベルト部24及びショルダベルト部25の各長さを変更可能である。
ラップベルト部24は、ウェビング21において、タング22からウェビング21の端部までの部分であり、着座した乗員Pの腰部Ppの一側方から水平方向に腰部Ppの前を経由して他側方に架け渡され、主として腰部Ppを拘束する部分である。ショルダベルト部25は、ウェビング21において、タング22からベルト巻取り装置までの部分であり、着座した乗員Pの肩部Psから斜めに胸部Ptの前を経由して腰部Ppの側方に架け渡され、主として乗員Pの肩部Psを拘束する部分である。
上記車両には、サブマリン現象を抑制するための乗員保護装置が装備されている。サブマリン現象は、前突等により、車両(車両用シートCS)に対し前方から衝撃が加わった場合に、シートベルト装置20によって車両用シートCSに拘束されている乗員Pの腰部Ppが、ラップベルト部24から外れて前方へ移動してしまう現象である。
図2に示すように、乗員保護装置は、座部10内に配置された押上げ機構30を備えている。押上げ機構30は、車両用シートCSの前方からの衝撃に応じて作動させられ、座部10の座面10Aを隆起させることにより、座部10に着座し、かつシートベルト装置20によって車両用シートCSに拘束された乗員Pの腰部Ppの前方移動を抑制するものである。押上げ機構30は、押上げプレート31、押上げ手段及び保持機構を備えて構成されている。次に、これらの各部について説明する。
<押上げプレート31>
押上げプレート31は、金属板等の硬質の板材によって四角板状に形成されている。押上げプレート31は、座部10内の次の箇所に略水平状態で配置されている。押上げプレート31は、上下方向については、車両用シートCSのシートパン13と座クッション11との間に配置されている。押上げプレート31は、前後方向については、着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbよりも前側に配置されている。この押上げプレート31の後端部31Rは同臀部Pbの前側近傍に位置している。図7に示すように、押上げプレート31の下面の四隅には上支持部がそれぞれ設けられている。これらの上支持部を区別するために、前側に位置する2つを前上支持部32といい、後側に位置する2つを後上支持部33というものとする。
<押上げ手段>
押上げ手段は、車両用シートCSの前方からの衝撃が加わらない非衝撃時と、同衝撃が加わる衝撃時とで押上げプレート31の姿勢を異ならせるためのものである。より詳しくは、押上げ手段は、非衝撃時には図2に示すように押上げプレート31を略水平状態にする。また、押上げ手段は、衝撃時には、図8に示すように押上げプレート31の後端部31Rが前記非衝撃時よりも高く、かつ同押上げプレート31の前端部31Fが前記後端部31Rよりも高い傾斜状態となることを押上げ条件として、押上げプレート31を押上げる。
押上げ手段は、より具体的には、図2及び図7の少なくとも一方に示すように、底部、一対の前連結機構部40、一対の後連結機構部50及び駆動部60を備えて構成されている。底部は、押上げプレート31の下方に配置された部材であるシートパン13と、シートパン13の上面であって、押上げプレート31の四隅の略下方となる4箇所に設けられた下支持部とによって構成されている。これらの下支持部を区別するために、前側に位置する2つを前下支持部34といい、後側に位置する2つを後下支持部35というものとする。
図6及び図7の少なくとも一方に示すように、各前連結機構部40は、押上げプレート31の前端部31Fを、底部について同前端部31Fの略下方となる箇所に連結するためのものであり、前上レバー41及び前下レバー43を備えて構成されている。前上レバー41は、軸42により、押上げプレート31の前端部31F(前上支持部32)に対し回動可能に取付けられている。前下レバー43は、軸44により、底部について押上げプレート31の前端部31Fの略下方となる箇所(前下支持部34)に対し回動可能に取付けられている。この前下レバー43の上端部は、上記前上レバー41の下端部に対し、ピン45により屈曲可能に連結されている。
図5及び図7の少なくとも一方に示すように、各後連結機構部50は、押上げプレート31の後端部31Rを、底部について同後端部31Rの略下方となる箇所に連結するためのものであり、後上レバー51及び後下レバー53を備えて構成されている。後上レバー51は、軸52により、押上げプレート31の後端部31R(後上支持部33)に対し回動可能に取付けられている。後下レバー53は、軸54により、底部について押上げプレート31の後端部31Rの略下方となる箇所(後下支持部35)に対し回動可能に取付けられている。この後下レバー53の上端部は、上記後上レバー51の下端部に対し、ピン55により屈曲可能に連結されている。
上述した各前連結機構部40における前上レバー41及び前下レバー43の各長さ、各後連結機構部50における後上レバー51及び後下レバー53の各長さ、押上げプレート31における前後両上支持部32,33の位置、シートパン13における前後両下支持部34,35の位置等は、上述した押上げ条件が満たされるように設定されている。
図2に示すように駆動部60は、車両に対する前方からの衝撃に応じ、押上げプレート31を直接押上げるためのものである。第1実施形態では、この駆動部として、エアバッグ61と、膨張流体発生源としてのインフレータ62とが用いられている。エアバッグ61は、ポリエステル糸、ポリアミド糸等からなる織布によって袋状に形成されており、高い強度と可撓性とを有している。エアバッグ61は、座部10内の押上げプレート31よりも下方、より正確には、押上げプレート31とシートパン13との間に配置されている。
インフレータ62は、上記エアバッグ61に膨張流体としての膨張用ガスを供給するためのものである。インフレータ62は略円柱状をなしており、その内部にはガス発生剤(図示略)が収容されている。このタイプ(パイロタイプ)のインフレータ62では、ガス発生剤の燃焼反応によってガスが生成される。インフレータ62の一方の端部には、同インフレータ62への制御信号の印加配線となるハーネス(図示略)が接続されている。
なお、インフレータ62としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断してガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
インフレータ62の複数箇所にはボルト17が固定されている。このインフレータ62は、エアバッグ61内に配置されている。そして、ボルト17が、エアバッグ61の一部、及び収容凹部14の底部14Bにそれぞれ挿通されている。さらに、ボルト17にナット18が螺合されることにより、インフレータ62がエアバッグ61と一緒に底部14Bに締結されている。
なお、インフレータ62とは別に、同インフレータ62の外側に筒状のリテーナを装着し、このリテーナに設けられたボルトにより、インフレータ62をシートパン13に間接的に締結する構成に変更してもよい。
さらに、保持機構は、上記押上げ手段により押上げられた押上げプレート31を、上記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持するためのものである。第1実施形態では、図4〜図6の少なくとも1つに示すように、保持機構65は、前連結機構部40及び後連結機構部50のそれぞれに設けられており、駆動部60(エアバッグ61及びインフレータ62)による押上げプレート31の押上げに伴い変形させられた前後両連結機構部40,50の各々を、その変形させられた形態に保持する。前連結機構部40の保持機構65と、後連結機構部50の保持機構65とは相互に同様の構成を有しているため、ここでは前連結機構部40の保持機構65についてのみ説明する。
図4、図6及び図10の少なくとも1つに示すように、前上レバー41の下端部にはさらに下方へ延びる延出片66が形成されている。この延出片66について、前上レバー41の回転方向後側にはストッパ67が設けられている。ここでの回転方向は、衝撃に応じ前連結機構部40が伸長するときに前上レバー41が軸42を支点として回転する方向であり、図4及び図6では時計回り方向である。そして、軸42を支点とした前上レバー41の前方(図6の時計回り方向)への回転、及び軸44を支点とした前下レバー43の前方(図6の反時計回り方向)への回転に伴いストッパ67が前下レバー43に当接する(図10参照)。この当接により、軸42を支点とした前上レバー41の前方(図10の時計回り方向)へのさらなる回転が規制されるとともに、軸44を支点とした前下レバー43の前方(図10の反時計回り方向)へのさらなる回転が規制される。
また、延出片66の前下レバー43側の面には略半球状の突起68が突設されている。前下レバー43の延出片66側の面において、ストッパ67が前下レバー43に当接したときに前記突起68に対応する箇所には凹部69が設けられている。そして、突起68が凹部69に係合することにより、図10に示す状態から軸42を支点とした前上レバー41の後方(図10の反時計回り方向)への回転が規制されるとともに、軸44を支点とした前下レバー43の後方(図10の時計回り方向)への回転が規制される。
このようにして、ストッパ67の前下レバー43との当接、及び突起68の凹部69との係合により、前上レバー41及び前下レバー43の回転が規制され、押上げプレート31が、上記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持される。
乗員保護装置は、さらに図2に示す衝撃センサ71及び制御装置72を備えている。衝撃センサ71は加速度センサ等からなり、車両のフロントバンパ(図示略)等に取付けられており、同フロントバンパ等に前方から加わる衝撃を検出する。制御装置72は、衝撃センサ71からの検出信号に基づきインフレータ62の作動を制御する。
上記のようにして、第1実施形態の乗員保護装置が構成されている。次に、この乗員保護装置の作用について、車両用シートCS(車両)の前方からの衝撃が加わらない非衝撃時と、同衝撃が加わる衝撃時とに分けて説明する。
<非衝撃時>
図2、図5及び図6の少なくとも1つに示すように、非衝撃時には、制御装置72からインフレータ62に対し、これを作動させるための制御信号が出力されない。インフレータ62からエアバッグ61に対し膨張用ガスが供給されることはなく、従って同エアバッグ61は、しぼんだ状態で座部10内の押上げプレート31よりも下方に位置する。
前連結機構部40では、前上レバー41及び前下レバー43が略上下方向に屈曲した状態となる。前連結機構部40によって相互に連結された押上げプレート31の前端部31Fと、底部について上記前端部31Fの略下方となる箇所とが上下方向に接近させられる(図6参照)。
また、後連結機構部50では、後上レバー51及び後下レバー53が略上下方向に屈曲した状態となる。後連結機構部50によって相互に連結された押上げプレート31の後端部31Rと、底部について上記後端部31Rの略下方となる箇所とが上下方向に接近させられる(図5参照)。
その結果、押上げプレート31は底部の上方近傍で略水平状態となる。
上記の状態では、座部10は押上げプレート31によって押上げられない。このとき、押上げプレート31の後端部31Rは、着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbの前方近傍に位置している。
また、上記の状態では、押上げプレート31はシートパン13の近傍に位置していて、座クッション11の座面10Aから下方へ遠く離れている。このため、押上げプレート31は金属板に形成されていて硬質であるが、座部10の座り心地を損なうことはない。
なお、このときには、前連結機構部40では、ストッパ67が前下レバー43から遠ざかり、突起68が凹部69から遠ざかっており、前上レバー41及び前下レバー43の回転が規制されていない状態、すなわち、保持機構65による保持が解除された状態となっている。また、後連結機構部50では、上述した前連結機構部40での前上レバー41及び前下レバー43と同様、後上レバー51及び後下レバー53の回転が規制されていない状態、すなわち、保持機構65による保持が解除された状態となっている。
<衝撃時>
車両が正面衝突(前突)する等してフロントバンパに所定値以上の衝撃が加わると、乗員Pに対しても、車両用シートCSの前方から衝撃が加わる。フロントバンパに所定値以上の衝撃が加わったことが衝撃センサ71によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置72からインフレータ62に制御信号が出力される。インフレータ62は、この制御信号に応じて高圧の膨張用ガスを噴出する。この膨張用ガスがエアバッグ61に供給されると、同エアバッグ61が膨張し、押上げプレート31が直接押上げられる。
一方、上記エアバッグ61による押上げプレート31の押上げに伴い、各前連結機構部40及び各後連結機構部50がそれぞれ変形させられる。すなわち、エアバッグ61による押上げプレート31の押上げに伴い、その前端部31F及び後端部31Rがいずれも底部から上方へ遠ざけられる。各前連結機構部40では、軸42を支点として前上レバー41が前方(図6の時計回り方向)へ回転するとともに、軸44を支点として前下レバー43が前方(図6の反時計回り方向)へ回転し、前上レバー41及び前下レバー43の屈曲度合いが小さくなる(両レバー41,43のなす角αが大きくなる)。これに伴いストッパ67が前下レバー43に近づき、突起68が凹部69に近づく。また、各後連結機構部50でも、上記各前連結機構部40と同様にして、軸52を支点として後上レバー51が後方(図5の反時計回り方向)へ回転するとともに、軸54を支点として後下レバー53が後方(図5の時計回り方向)へ回転し、後上レバー51及び後下レバー53の屈曲度合いが小さくなる(両レバー51,53のなす角βが大きくなる)。
そして、図7〜図10の少なくとも1つに示すように、両前連結機構部40及び両後連結機構部50の全てが略上下方向へ伸長した所定形状に変形させられると、押上げプレート31が上述した押上げ条件を満たす傾斜状態になる。この傾斜状態では、各前連結機構部40及び各後連結機構部50は、自身に設けられた保持機構65によって、その変形した形状に保持される。例えば、前連結機構部40では、軸42を支点とした前上レバー41の前方(図10の時計回り方向)への回転、及び軸44を支点とした前下レバー43の前方(図10の反時計回り方向)への回転に伴い、ストッパ67が前下レバー43に当接する。この当接により、軸42を支点とした前上レバー41の前方へのさらなる回転が規制されるとともに、軸44を支点とした前下レバー43の前方へのさらなる回転が規制される。
このように、前連結機構部40及び後連結機構部50によって、膨張するエアバッグ61による押上げプレート31の押上げ態様が規制される。この規制により、押上げプレート31は、その後端部31Rが上記非衝撃時よりも高く、かつ前端部31Fが後端部31Rよりも高い傾斜状態、すなわち上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
また、前連結機構部40では、軸42を支点とした前上レバー41の上記回転、及び軸44を支点とした前下レバー43の上記回転に伴い、突起68が凹部69に係合する。この係合により、軸42を支点とした前上レバー41の後方(図10の反時計回り方向)への回転が規制されるとともに、軸44を支点とした前下レバー43の後方(図10の時計回り方向)への回転が規制される。
このようにして、ストッパ67の前下レバー43との当接、及び突起68の凹部69との係合により、前上レバー41及び前下レバー43は、前方及び後方についていずれの方向へも回転することが規制される。同様の回転規制は後連結機構部50でも行われる。その結果、押上げプレート31が、上記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持される。
そして、上記のように傾斜した押上げプレート31により、座部10において同押上げプレート31よりも上側の部分が押し上げられ、座部10の座面10Aが隆起する。座面10Aにおいて隆起の対象となる領域は、着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbの前側であり、その領域の後端は同臀部Pbの前側近傍である。しかも、その隆起の度合いは上記領域の前側ほど大きくなり、同領域の前端部で最大となる。そのため、乗員Pの臀部Pbは押上げられず、大腿部Pfが前側ほど高くなるように押上げられる。
このように、座面10Aについて臀部Pbの前側近傍部分が隆起するため、押上げプレートの後端部が押上げられず、かつ同臀部の前側近傍部分が隆起しない場合(特許文献1及び特許文献2がこれに該当する)に比べ、乗員Pの腰部Ppの沈み込みが確実に規制される。また、座面10Aの上記隆起により、腰部Ppがシートベルト装置20のラップベルト部24に押し付けられる。ラップベルト部24の拘束力が高められ、腰部Ppの前方移動が、座面10Aの隆起のない場合よりも抑制される。
また、座面10Aについて、臀部Pbの前側近傍部分は隆起するが、臀部Pbの下側は隆起しない。そのため、衝撃時には、臀部Pbを中心として乗員Pが下方へ回転しようとするが、その際の回転は、座部の後端部を含む同座部の全体が前上がりに傾斜させられる場合(特許文献3がこれに該当する)よりも起こりにくくなる。これは、座部10について、臀部Pbの前側近傍と下側部分との間で段差が生じ、この段差が臀部Pbの回転を妨げようとするからである。従って、上記の回転によって腰部Ppがシートベルト装置20のラップベルト部24から前下方へすり抜けることが抑制される。
さらに、押上げプレート31が、全ての保持機構65によって、押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持されるため、上述した乗員Pの腰部Ppの前方移動を抑制する効果が持続される。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbよりも前側に押上げプレート31を配置し、その押上げプレート31の後端部31Rを臀部Pbの前側近傍に位置させている。また、押上げ手段により、非衝撃時には押上げプレート31を略水平状態(図2参照)にする一方、衝撃時には、押上げプレート31の後端部31Rが非衝撃時よりも高く、かつ同押上げプレート31の前端部31Fが後端部31Rよりも高い傾斜状態となることを押上げ条件として、押上げプレート31を押上げるようにしている(図8参照)。
このため、座面10Aについて臀部Pbの前側近傍部分を隆起させ、乗員Pの腰部Ppの沈み込みを確実に規制し、沈み込みに起因する腰部Ppの前方移動を抑制することができる。
また、座面10Aについて、臀部Pbの前側近傍部分を隆起させるが、臀部Pbの下側を隆起させないため、衝撃時に、臀部Pbを中心として乗員Pが下方へ回転するのを規制し、腰部Ppがラップベルト部24から前下方へすり抜けることに起因する腰部Ppの前方移動を抑制することができる。
(2)上記のように押上げられた押上げプレート31を、全ての保持機構65により、上記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持するようにしている。そのため、上述した乗員Pの腰部Ppの前方移動を抑制する効果を持続することができる。
(3)押上げ手段として、底部(シートパン13、両前下支持部34及び両後下支持部35)、前連結機構部40、後連結機構部50、及び衝撃時に押上げプレート31を直接押上げる駆動部60を備えるものを採用している。
そのため、非衝撃時には、押上げプレート31の前端部31F及び後端部31Rを底部に接近させ、同押上げプレート31を略水平状態(図2参照)にすることができる。
また、衝撃時には、駆動部60によって押上げられる押上げプレート31の押上げ態様を、その押上げに伴い変形させられる前連結機構部40及び後連結機構部50によって規制し、同押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態(図8参照)にすることができる。
(4)上記(2)の保持機構65を、一対の前連結機構部40及び一対の後連結機構部50のそれぞれに設けている。そのため、駆動部60による押上げプレート31の押上げに伴い変形させられた前後両連結機構部40,50を、その変形させられた形状に保持することができる(図9及び図10参照)。
(5)前連結機構部40として、前上レバー41及び前下レバー43を備えるものを採用している。
そのため、非衝撃時には、前上レバー41の前下レバー43となす角αを小さくし、前連結機構部40を略上下方向に屈曲した状態(図6参照)にすることで、押上げプレート31の前端部31Fを底部に近づけることができる。
また、衝撃時には、駆動部60による押上げプレート31の押上げに伴い、その前端部31Fを底部から上方へ遠ざけることで上記角αを大きくし、前連結機構部40を略上下方向へ伸長した状態(図10参照)にすることができる。
(6)後連結機構部50として、後上レバー51及び後下レバー53を備えるものを採用している。
そのため、非衝撃時には、後上レバー51の後下レバー53となす角βを小さくし、後連結機構部50を略上下方向に屈曲した状態(図5参照)にすることで、押上げプレート31の後端部31Rを底部に近づけることができる。
また、衝撃時には、駆動部60による押上げプレート31の押上げに伴い、その後端部31Rを底部から上方へ遠ざけることで上記角βを大きくし、後連結機構部50を略上下方向へ伸長した状態(図9参照)にすることができる。
(7)駆動部60として、座部10内の押上げプレート31よりも下方に配置されたエアバッグ61と、衝撃時にエアバッグ61に膨張用ガスを供給するインフレータ62とを採用している。
そのため、非衝撃時には、インフレータ62からエアバッグ61に膨張用ガスを供給しないことで、同エアバッグ61をしぼんだ状態(図2参照)にすることができる。
また、衝撃時には、インフレータ62からエアバッグ61に膨張用ガスを供給することで同エアバッグ61を膨張させ、押上げプレート31を直接押上げる。また、この押上げに伴い変形する前連結機構部40及び後連結機構部50によって、エアバッグ61による押上げプレート31の押上げ態様を規制し、同押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態(図8参照)にすることができる。
なお、上記第1実施形態は、次のように変更されて実施されてもよい。
・前下レバー43における凹部69を割愛して同前下レバー43の延出片66側の面を平らにし、この前下レバー43の平らな面と突起68との間で生ずる摩擦により、駆動部60による押上げプレート31の押上げに伴い変形させられた前連結機構部40を、その変形させられた形状に保持するようにしてもよい。後連結機構部50についても同様の変更を行ってもよい。
・突起68を前上レバー41とは別部材により構成する。突起68と前上レバー41との間にばね等の弾性部材を介在し、突起68を前上レバー41から遠ざかる側(前下レバー43側)へ弾性付勢するようにしてもよい。このように変更した場合には、非衝撃時には弾性部材を弾性変形させて凹部69から突起68を後退させる一方、衝撃時には、突起68を凹部69に圧接させることで、前連結機構部40を変形後の形状に保持する力を高めることができる。後連結機構部50についても同様の変更を行ってもよい。
・エアバッグ61は、上記膨張用ガスとは異なる種類の膨張流体によって膨張させられるものであってもよい。この場合には、膨張流体をエアバッグ61に供給する膨張流体発生源として、上記インフレータ62とは異なるものを用いることとなる。
・エアバッグ61は、非衝撃時には、折り畳まれた状態で底部及び押上げプレート31間に配置されてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図11〜図13を参照して説明する。
第2実施形態は、次の(i)〜(iv)の点において、第1実施形態と異なっている。
(i)駆動部として、エアバッグ61及びインフレータ62に代えて、直動型のアクチュエータ75が用いられている点。
(ii)前連結機構部40及び後連結機構部50のうちの一方の連結機構部(前連結機構部40)がアクチュエータ75の押圧によって変形させられて、押上げプレート31の対応する一方の端部(前端部31F)が押上げられる点。
(iii )前連結機構部40及び後連結機構部50のうちの他方の連結機構部(後連結機構部50)が、前記一方の連結機構部(前連結機構部40)の変形に追従して変形して、押上げプレート31の対応する他方の端部(後端部31R)を押上げる点。
(iv)押上げプレート31を、押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持する保持機構として、第1実施形態とは異なる形態の保持機構89がアクチュエータ75内に設けられている点。
次に、これらの相違点について詳細に説明する。
図12(A)は、非衝撃時におけるアクチュエータ75の内部構造を示している。アクチュエータ75は、シリンダ76、ピストン82及びピストンロッド84を基本的な構成部品として備えている。
シリンダ76は、前後方向に延びる姿勢で、押上げプレート31と上記底部との間に配置されている(図13(A)参照)。底部は、第1実施形態と同様、シートパン13、両前下支持部34及び両後下支持部35からなる。シリンダ76の前端部には、ボディアッパ77が螺合等の方法によって抜け落ち不能に装着されている。このボディアッパ77は、シリンダ76の前端部を塞ぎつつ、後述するピストンロッド84を摺動可能に支持する役割を担っている。ボディアッパ77には、その前面側から凹部78が設けられている。この凹部78の内周面の複数箇所にはファスナピン79が埋設されている。
シリンダ76は、その後側に配置されたマイクロガスジェネレータ(以下、MGGという)81に対し気密状態で接続されている。MGG81は、制御装置72(図2参照)からの制御信号に応じて点火し、高圧のガスを発生し、これをシリンダ76内のピストン82よりも後側の空間に供給する装置である。シートパン13上には支持部13Aが設けられており、この支持部13Aに対し、MGG81が軸83により回動可能に支持されている。
なお、シリンダ76の後端部はピストンロッド84に対し略直角に屈曲していてもよく、その屈曲した箇所にMGG81が接続されてもよい。また、シリンダ76から離れた箇所にMGG81が配置され、それらシリンダ76とMGG81とが管(図示略)によって連結されてもよい。この場合には、MGG81で発生した高圧のガスが管を通じてシリンダ76に供給されることになる。
ピストン82は、シリンダ76内に摺動可能に収容されている。このピストン82の初期位置(非衝撃時における位置)は、シリンダ76の後端部である。ピストン82は、衝撃時には、MGG81で発生された高圧のガスの圧力を受けてシリンダ76内を前方へ摺動する。
ピストンロッド84は、その後端部において上記ピストン82に連結されている。ピストンロッド84は前方に延びる棒材からなり、シリンダ76内において、そのシリンダ76の中心軸線上に配置されている。ピストンロッド84の前端部は上記ボディアッパ77を挿通し、上記凹部78内に位置している。ピストンロッド84の前端部には、段差部85A(図12(B)参照)を有する略円柱状のキャップ85が螺合等の方法によって取付けられている。このキャップ85は、非衝撃時にはボディアッパ77の凹部78に格納されている。この状態では、キャップ85の段差部85Aがファスナピン79よりも後側に位置していて、キャップ85、ひいてはピストンロッド84の前方への移動がファスナピン79により規制される。各ファスナピン79は、キャップ85から所定以上の圧力を受けると剪断されて、上記移動規制を解除する。その結果、ピストンロッド84の前方への移動が可能となる。
また、ピストンロッド84のピストン82寄りの箇所には、衝撃時(図12(B)参照)にボディアッパ77と接触してピストンロッド84の移動を止めるための拡径部(ストッパ86)が形成されている。ストッパ86は、ピストン82に近づくほど縮径するテーパ面86Aを、自身の外周面に有している。
ストッパ86のテーパ面86Aとピストン82との間であって、シリンダ76の周方向についての複数箇所には、ボール87が配置されている。これらのボール87は、その後側に配置されたボールリング88によりテーパ面86Aに押し付けられるように支持されている。これらのボール87は、ピストンロッド84がシリンダ76内に没入する方向(退動方向、アクチュエータ75が縮む方向)へ移動しようとすると、テーパ面86Aとシリンダ76の内周面との間に挟まれ、ピストンロッド84の同方向への移動を阻止する。ボールリング88は、シリコン等の柔軟性のある素材により形成されている。ボールリング88は、ピストンロッド84がシリンダ76から突出する方向へ移動する場合には、ボール87がピストンロッド84の同方向への移動を邪魔しないように縮み、ピストンロッド84の移動が停止した場合には、ボール87をテーパ面86Aに押し付ける。
上述したボディアッパ77、ストッパ86、ボール87、ボールリング88等により、前記押上げ条件の満たされる位置まで突出したピストンロッド84を、シリンダ76に対し出没不能に保持する保持機構89が構成されている。
そして、衝撃時にMGG81が作動して高圧のガスを発生し、シリンダ76内のガス圧が一定以上になると、図12(B)に示すように、キャップ85がファスナピン79を剪断し、キャップ85及びピストンロッド84が前方へ突出する。
図11及び図13(A)の少なくとも一方に示すように、前記キャップ85と両前連結機構部40とは連結ロッド91によって連結されている。連結ロッド91の後端部はキャップ85に螺合等の方法によって固定されている(図12(A),(B)参照)。また、両前連結機構部40は、車幅方向に細長いシャフト92によって連結されている。ここでは、シャフト92は、上述したピン45と同軸上に設けられている。シャフト92の後部には、一対の支持片93が車幅方向に離間した状態で固定されている。そして、連結ロッド91の前端部が両支持片93に対し、軸94により回動可能に支持されている。
なお、上記アクチュエータ75は、次の条件が満たされる態様で配置されている。その条件とは、アクチュエータ75が作動(伸長)して両前連結機構部40を変形させた場合に、両後連結機構部50が同両前連結機構部40の変形に追従して変形して、押上げプレート31の対応する後端部31Rを押上げることである。
上述した以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
上記のようにして、第2実施形態の乗員保護装置が構成されている。次に、この乗員保護装置の作用について、非衝撃時と衝撃時とに分けて説明する。
<非衝撃時>
図12(A)及び図13(A)の少なくとも一方に示すように、非衝撃時には、制御装置72(図2参照)からMGG81に対し、これを作動させるための制御信号が出力されない。アクチュエータ75では、MGG81からシリンダ76に対し高圧のガスが供給されることはなく、従ってピストン82はシリンダ76内の初期位置(後端部)に位置する。ピストンロッド84の大部分がシリンダ76内に入り込んでいる。ピストンロッド84の前端のキャップ85がボディアッパ77の凹部78に嵌合している。キャップ85の段差部85Aがファスナピン79よりも後側に位置していて、キャップ85、ひいてはピストンロッド84の前方への移動がファスナピン79により規制されている。また、ボール87により、ピストンロッド84がシリンダ76内に没入する方向へ移動することが阻止されている。このようにして、キャップ85及びピストンロッド84の前後方向への移動が規制されている。
両前連結機構部40が略上下方向に屈曲した状態となり、同両前連結機構部40によって相互に連結された押上げプレート31の前端部31Fと、底部について上記前端部31Fの略下方となる箇所とが上下方向に接近させられている。また、両後連結機構部50が略上下方向に屈曲した状態となり、同両後連結機構部50によって相互に連結された押上げプレート31の後端部31Rと、底部について上記後端部31Rの略下方となる箇所とが上下方向に接近させられている。
その結果、押上げプレート31は底部の上方近傍で略水平状態となる。
上記の状態では、座部10は押上げプレート31によって押上げられない。このとき、押上げプレート31の後端部31Rは、着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbの前方近傍に位置している。
また、上記の状態では、押上げプレート31はシートパン13の近傍に位置していて、座クッション11の座面10Aから下方へ遠く離れている。このため、押上げプレート31は金属板に形成されていて硬質であるが、座部10の座り心地を損なうことはない。
<衝撃時>
車両が正面衝突(前突)する等してフロントバンパに所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ71によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置72からMGG81に制御信号が出力される。MGG81は、この制御信号に応じて高圧のガスを噴出する。このガスはシリンダ76内のピストン82よりも後側の空間に供給され、ピストン82に加わるガス圧が上昇する。このガス圧は、ピストン82、ストッパ86、ピストンロッド84及びキャップ85に伝達される。このガス圧が一定以上になって、ファスナピン79がキャップ85から所定以上の圧力を受けると、同ファスナピン79が剪断される。この剪断により、それまで行われていたキャップ85の前方移動の規制が解除される。ここで、ボールリング88は、上述したようにピストンロッド84がシリンダ76から突出する方向へ移動する場合には、ボール87がピストンロッド84の移動を邪魔しないように縮むため、ストッパ86の前方への移動が可能である。
そのため、図11、図12(A)及び図13(A)の少なくとも1つに示すように、キャップ85が凹部78から抜け出すとともに、ピストンロッド84がストッパ86、ボール87、ボールリング88、ピストン82等と一体となって前方へ移動する。これらの前方への移動は、シャフト92を介して両前連結機構部40に伝達される。各前連結機構部40に対し、前上方へ向かう押圧力が加わる。この押圧力により、前上レバー41が軸42を支点として前方へ回転するとともに、前下レバー43が軸44を支点として前方へ回転する。この回転が進むに従い前上レバー41の前下レバー43となす角αが大きくされる。このとき、前上レバー41と前下レバー43とを連結するピン45の位置が前方だけでなく上方へも変位する。この上方への変位は、アクチュエータ75が、その後端部のMGG81において軸83を支点として上方へ回転することにより可能となる。そして、前上レバー41及び前下レバー43の上記回転に伴い、押上げプレート31の前端部31Fが、底部について同前端部31Fの略下方となる箇所から上方へ遠ざけられる(上昇させられる)。
また、上記アクチュエータ75の押圧力は、両前連結機構部40だけでなく、押上げプレート31を介して両後連結機構部50にも伝達される。この押圧力が伝達された各後連結機構部50では、後上レバー51が軸52を支点として後方へ回転するとともに、後下レバー53が軸54を支点として後方へ回転する。後上レバー51の後下レバー53となす角βが大きくされる。これに伴い、押上げプレート31の後端部31Rが、底部について同後端部31Rの略下方となる箇所から上方へ遠ざけられる(上昇させられる)。このようにして両後連結機構部50は、両前連結機構部40の変形に追従して変形して押上げプレート31の対応する後端部31Rを押上げる。
そして、アクチュエータ75において、ストッパ86がボディアッパ77に当接する位置まで移動すると(図12(B)参照)、前連結機構部40及び後連結機構部50が両方ともに略上下方向へ伸長した状態にされ、押上げプレート31が押上げ条件の満たされた傾斜状態となる(図13(B)参照)。
また、上記ボディアッパ77との当接により、ストッパ86がそれ以上前方へ移動することが規制される。これに伴い、ピストンロッド84の前方への移動が停止される。このときには、前述したように、ボール87により、ピストンロッド84がシリンダ76内に没入する方向へ移動することが阻止される。このようにして、前記押上げ条件の満たされる位置まで突出したピストンロッド84の前後方向への移動が規制されて、同ピストンロッド84がシリンダ76に対し出没不能に保持される。その結果、押上げプレート31は、押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持される。
従って、第2実施形態によれば、上述した第1実施形態での(1),(2)と同様の効果が得られるほか、次の効果が得られる。下記効果中、(3′)は上記(3)に対応する効果であり、(5′)は上記(5)に対応する効果であり、(6′)は上記(6)に対応する効果である。
(3′)押上げ手段として、底部、前連結機構部40、後連結機構部50、及び衝撃時に押上げプレート31を直接押上げる駆動部60を備えるものを採用している。
そのため、非衝撃時には、押上げプレート31の前端部31F及び後端部31Rを底部に接近させ、同押上げプレート31を略水平状態(図13(A)参照)にすることができる。
また、衝撃時には、駆動部60により前連結機構部40を変形させることで、押上げプレート31の前端部31Fを押上げ、後連結機構部50を変形させることで、押上げプレート31の後端部31Rを押上げ、同押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態(図13(B)参照)にすることができる。
(5′)前連結機構部40として、前上レバー41及び前下レバー43を備えるものを採用している。
そのため、非衝撃時には、前上レバー41の前下レバー43となす角αを小さくし、前連結機構部40を略上下方向に屈曲させた状態(図13(A)参照)にすることで、押上げプレート31の前端部31Fを底部に近づけることができる。
また、衝撃時には、駆動部60により上記角αを大きくし、前連結機構部40を略上下方向へ伸長した状態(図13(B)参照)にすることで、押上げプレート31の前端部31Fを、底部について前記前端部31Fの略下方となる箇所(前下支持部34)から上方へ遠ざけることができる。
(6′)後連結機構部50として、後上レバー51及び後下レバー53を備えるものを採用している。
そのため、非衝撃時には、後上レバー51の後下レバー53となす角βを小さくし、後連結機構部50を略上下方向に屈曲させた状態(図13(A)参照)にすることで、押上げプレート31の後端部31Rを底部に近づけることができる。
また、衝撃時には、上記前連結機構部40の変形に追従させて上記角βを大きくし、後連結機構部50を略上下方向へ伸長した状態にすることで、押上げプレート31の後端部31Rを、底部について前記後端部31Rの略下方となる箇所(後下支持部35)から上方へ遠ざけることができる。
(8)駆動部60として、シリンダ76と、そのシリンダ76内に摺動可能に収容されたピストン82と、ピストン82の摺動に伴いシリンダ76に対し出没するピストンロッド84とを備える直動式のアクチュエータ75を採用している。
そのため、非衝撃時には、ピストン82をシリンダ76内へ後退させて、ピストンロッド84をシリンダ76内に没入させることで、両前連結機構部40を略上下方向に屈曲させた状態(図13(A)参照)にすることができる。その結果、両前連結機構部40によって相互に連結された押上げプレート31の前端部31Fと、底部について前記前端部31Fの略下方となる箇所(前下支持部34)とを上下方向に接近させることができる。
これに対し、衝撃時には、MGG81からの高圧のガスにより、シリンダ76内のピストン82を前方へ摺動させ、ピストンロッド84をシリンダ76から突出させることで、前連結機構部40を略上下方向に伸長した状態(図13(B)参照)に変形させることができる。この変形により、押上げプレート31の前端部31Fを押上げ、同押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態にすることが可能となる。
(9)前連結機構部40を駆動部60により変形させて押上げプレート31の前端部31Fを押上げると、その前連結機構部40の変形に追従して後連結機構部50が変形して、押上げプレート31の後端部31Rを押上げる構成を採用している。
このため、押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態にするために、駆動部60によって一方の連結機構部(前連結機構部40)のみを変形させるだけですむ。
なお、上記第2実施形態は、次のように変更されて実施されてもよい。
・前連結機構部40及び後連結機構部50のうち駆動部60による変形対象を、上記前連結機構部40に代えて後連結機構部50に変更してもよい。
・駆動部60を2つ用い、一方の駆動部60により前連結機構部40を変形させ、他方の駆動部60により後連結機構部50を変形させるようにしてもよい。
・第2実施形態では、ピストンロッド84がシリンダ76から突出することで連結機構部(前連結機構部40)を変形させるようにしたが、これに代え、ピストンロッド84がシリンダ76内に没入することで連結機構部(前連結機構部40)を変形させるようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について、図14を参照して説明する。
第3実施形態は、押上げ手段のうち、前連結機構部40及び後連結機構部50に代えて、第1連結杆101及び第2連結杆102が用いられている点において、第1実施形態と異なっている。これらの第1連結杆101及び第2連結杆102の組み合わせは、押上げプレート31の車幅方向についての両側に設けられている。
シートパン13上であって互いに車幅方向に離間した2箇所には、それぞれ前後方向に延びる下支持部材95が固定されている。第3実施形態では、上記シートパン13及び両下支持部材95によって「底部」が構成されている。各下支持部材95の後部には、前後方向に延びる長孔96が設けられている。この長孔96の設けられた箇所は、各下支持部材95において、押上げプレート31の後端部31Rの略下方となる箇所である。
各第1連結杆101は、前側ほど高くなるように傾斜した状態で配置されている。各第1連結杆101の前端部は、軸42により前上支持部32に回動可能に支持されている。各第1連結杆101の後端部には軸54が固定されており、この軸54が上記長孔96内に前後方向へのスライド可能及び回動可能に係入されている。このように、各第1連結杆101の前端部は、軸42により押上げプレート31の前端部31Fに連結され、かつ後端部は、軸54により底部について押上げプレート31の前記後端部31Rの略下方となる箇所に連結されている。ここで、各第1連結杆101について、前端の軸42を支点とした回動、後端の軸54におけるスライド及び回動を、まとめて「各第1連結杆101の変位」と表現することがある。
各第2連結杆102は、前側ほど低くなるように傾斜し、前記第1連結杆101に交差した状態で配置されている。そのため、第1連結杆101及び第2連結杆102は、側方からは、X字状をなしているように見える。各第2連結杆102の前端部は軸44により下支持部材95に回動可能に支持されている。各第2連結杆102の後端部は軸52により後上支持部33に回動可能に支持されている。このように、第2連結杆102の後端部は、軸52により押上げプレート31の後端部31Rに連結され、かつ前端部は、軸44により底部について押上げプレート31の前端部31Fの略下方となる箇所に連結されている。ここで、各第2連結杆102について、前端の軸44を支点とした回動、及び後端の軸52を支点とした回動を、まとめて「各第2連結杆102の変位」と表現することがある。
さらに、各第1連結杆101の長さ方向についての略中央部分には、ガイド孔103があけられている。各ガイド孔103は、各第1連結杆101の幅方向へ膨らむ略半円弧状をなしている。また、第2連結杆102の長さ方向についての中間部分にはピン45が固定されており、このピン45が上記ガイド孔103に摺動可能に係入されている。
なお、押上げ手段は、車両に対する前方からの衝撃に応じ、押上げプレート31を直接押上げる駆動部60として、第1実施形態と同様、エアバッグ61及びインフレータ(図示略)を備えている。
また、駆動部60による押上げプレート31の押上げに伴いそれぞれ変位させられた第1連結杆101及び第2連結杆102を、その変位させられた位置に保持する保持機構(図示略)が設けられている。例えば、各第1連結杆101に対し、ガイド孔103の後端部から同第1連結杆101の幅方向へ屈曲する屈曲孔をガイド孔103に連続して設けてもよい。この場合、各第1連結杆101及び各第2連結杆102が変位して、ピン45がこの屈曲孔内に入り込むことで、同第1連結杆101及び同第2連結杆102がその位置・姿勢に保持される。
上記のようにして、第3実施形態の乗員保護装置が構成されている。この乗員保護装置は、非衝撃時と衝撃時とで異なる形態となる。
<非衝撃時>
非衝撃時には、インフレータからエアバッグ61に対し膨張用ガスが供給されず、従って同エアバッグ61がしぼんだ状態で座部10内の押上げプレート31よりも下方に位置する。
各軸54が対応する長孔96の後部に位置することで、各第1連結杆101が略水平状態となる。また、各ピン45がガイド孔103の前部に位置することで、各第2連結杆102が略水平状態となる。その結果、これらの第1連結杆101及び第2連結杆102によって相互に連結された押上げプレート31と底部とが上下方向に接近させられ、押上げプレート31が底部の上方近傍で略水平状態となる。この際、保持機構による保持が解除された状態となっており、各第1連結杆101及び各第2連結杆102は変位可能である。
上記の状態では、座部10は押上げプレート31によって押上げられない。このとき、押上げプレート31の後端部31Rは、着座姿勢を採る乗員Pの臀部Pbの前方近傍に位置している。また、上記の状態では、押上げプレート31はシートパン13の近傍に位置していて、座クッション11の座面10Aから下方へ遠く離れている。
<衝撃時>
衝撃時には、インフレータからエアバッグ61に対し膨張用ガスが供給されて同エアバッグ61が膨張する。この膨張するエアバッグ61により、押上げプレート31が直接押上げられる。
一方、上記エアバッグ61による押上げプレート31の押上げに伴い、各第1連結杆101及び各第2連結杆102がそれぞれ変位させられる。すなわち、エアバッグ61による押上げプレート31の押上げに伴い、その前端部31F及び後端部31Rがいずれも底部から上方へ遠ざけられる。これに伴い、各第1連結杆101の後端部の軸54が長孔96に沿って前方へ移動しながら前方へ回転することで、同第1連結杆101が前側ほど高くなるように傾斜した状態となる。また、各第2連結杆102の中間部分のピン45がガイド孔103に沿って後方へ移動することで、同第2連結杆102が前側ほど低くなるように傾斜した状態となる。
そして、上記軸54が長孔96の前端部に到達し、上記ピン45がガイド孔103の後端部に達すると、押上げプレート31が上述した押上げ条件を満たす傾斜状態になる。また、このときには、保持機構(図示略)により、各第1連結杆101及び各第2連結杆102が、その変位した位置に保持される。
このように、第1連結杆101及び第2連結杆102によって、膨張するエアバッグ61による押上げプレート31の押上げ態様が規制される。この規制により、押上げプレート31は、その後端部31Rが上記非衝撃時よりも高く、かつ前端部31Fが後端部31Rよりも高い傾斜状態、すなわち上記押上げ条件の満たされた傾斜状態となる。
また、保持機構による上記保持の結果、押上げプレート31が上記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持される。
従って、第3実施形態によれば、上述した第1実施形態での(1),(2),(7)と同様の効果が得られるほか、次の効果が得られる。下記の(10)の効果は、第1実施形態での(3)の効果に対応するものである。
(10)押上げ手段として、底部、第1連結杆101、第2連結杆102、及び衝撃時に押上げプレート31を直接押上げる駆動部60(エアバッグ61)を備えるものを採用している。第1連結杆101の前後両端部の軸42,54、及び第2連結杆102の前後両端部の軸44,52のうちの1つ(軸54)を、底部(下支持部材95)に対し前後方向へのスライド可能に連結し、残りの3つ(軸42,44,52)を、前後両上支持部32,33及び下支持部材95に対し回動可能に連結している。
そのため、非衝撃時には、押上げプレート31を底部の上方近傍で略水平状態にすることができる。
また、衝撃時には、駆動部60(エアバッグ61)によって押上げられる押上げプレート31の押上げ態様を、その押上げに伴い変形させられる第1連結杆101及び第2連結杆102によって規制し、同押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態にすることができる。
なお、上記第3実施形態は、次のように変更されて実施されてもよい。
・駆動部として、エアバッグ61及びインフレータに代えて、上述した第2実施形態と同様の直動型のアクチュエータを用いてもよい。
この場合、第1連結杆101及び第2連結杆102が、ガイド孔103及びピン45によって相互に動力伝達可能に連結されている。このことから、第1連結杆101及び第2連結杆102のいずれか一方が変位すれば、その動きがピン45及びガイド孔103を通じて他方に伝達され、その他方が一方に追従して変位することとなる。そのため、アクチュエータによって第1連結杆101及び第2連結杆102のいずれか一方のみを変位させることで他方も変位させて、押上げプレート31を、押上げ条件の満たされた傾斜状態に押上げることができる。
・押上げプレート31及び底部(シートパン13、下支持部材95)を被連結体とした場合、各第1連結杆101の前後両端部の軸42,54、及び各第2連結杆102の前後両端部の軸44,52が被連結体に対し連結されることについては前述した。これらの軸42,54,44,52の連結に関し、そのうちの1つが被連結体に対し前後方向へのスライド可能及び回動可能に連結され、残りの3つが被連結体に対し回動可能に連結されることを条件に、スライド可能及び回動可能に連結される軸と、回動可能にのみ連結される軸とを変更してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態について、図15〜図17を参照して説明する。
第4実施形態は、次の(I),(II)の点において、第1実施形態と異なっている。
(I)駆動部として、エアバッグ61及びインフレータ62に代えてばねが用いられている点。
(II)非衝撃時には、ばねを弾性変形させて弾性復元力を蓄積した蓄積状態に保持し、衝撃時には、蓄積状態の保持を解除するロック機構部が設けられている点。
なお、図15〜図17では、前連結機構部40、後連結機構部50及び保持機構65の図示が省略されている。
次に、これらの相違点について詳細に説明する。
まず、最初にばねについて説明する。図15及び図16の少なくとも一方に示すように、押上げプレート31と底部との間には前ばね111及び後ばね115が配設されている。底部は、第1実施形態と同様、シートパン13、両前下支持部34及び両後下支持部35からなる。これらの前ばね111及び後ばね115の組み合わせは、1組用いられてもよいし、複数組用いられてもよい。後者の場合には、前ばね111及び後ばね115の組み合わせは、車幅方向に互いに離間した複数箇所に配置される。なお、ここでは、1組の組み合わせの前ばね111及び後ばね115が、車幅方向についての中央部分に配置されているものとする。
前ばね111は、図17に示すように、車幅方向に互いに離間した箇所に配置された第1巻部112及び第3巻部114と、それらの第1巻部112及び第3巻部114の間であって、かつ後方に離間した箇所に配置された第2巻部113とを備えている。各巻部112〜114は、線状のばね鋼材をコイル状に巻回することにより形成されている。第1巻部112と第2巻部113とは相互に繋がり、第2巻部113と第3巻部114とは相互に繋がっている。このように、前ばね111は、3つのねじりコイルばねを直列に繋いだような形状をなしている。図16に示すように、第3巻部114の外端部114Aは、押上げプレート31の前端部31Fに固定されている。また、第1巻部112の外端部112Aは、底部において押上げプレート31の前端部31Fに対応する箇所(略下方となる箇所)に固定されている。
図15及び図16の少なくとも一方に示すように、後ばね115は、上記前ばね111と同様、車幅方向に互いに離間した箇所に配置された第1巻部116及び第3巻部118と、それらの第1巻部116及び第3巻部118の間であって、かつ前方に離間した箇所に配置された第2巻部117とを備えている。第1巻部116と第2巻部117とは相互に繋がり、第2巻部117と第3巻部118とは相互に繋がっている。第3巻部118の外端部118Aは、押上げプレート31の後端部31Rに固定されている。また、第1巻部116の外端部116Aは、底部において押上げプレート31の後端部31Rに対応する箇所(略下方となる箇所)に固定されている。このように、後ばね115は前ばね111と略同様の構成を有しているが、第1巻部116と第2巻部117との間隔が、前ばね111における第1巻部112と第2巻部113との間隔よりも短く設定されている。また、後ばね115における第2巻部117と第3巻部118との間隔が、前ばね111における第2巻部113と第3巻部114との間隔よりも短く設定されている。
次に、ロック機構部121について説明する。
押上げプレート31の下面であって、上記前ばね111と後ばね115との間には上ブラケット122が固定されている。上ブラケット122には、下方へ屈曲する上屈曲部123が設けられている。また、底部において、上記上ブラケット122に対応する箇所(略下方となる箇所)には、下ブラケット125が固定されている。下ブラケット125には、上方へ屈曲する下屈曲部126が設けられている。下屈曲部126は、押上げプレート31が底部に接近させられたときに、上屈曲部123の後側近傍に位置する箇所に形成されている(図15参照)。また、上屈曲部123及び下屈曲部126において、押上げプレート31が底部に接近させられたときに合致する箇所には、孔124,127がそれぞれあけられている。
下ブラケット125上であって、上記下屈曲部126の後方近傍にはアクチュエータ128が配置されている。アクチュエータ128は、前後方向に細長いシリンダ129と、シリンダ129内に摺動可能に収容されたピストン130と、ピストン130に連結されて前方へ延びるピストンロッド131と、シリンダ129内のピストン130よりも前側の空間に高圧のガスを供給するMGG(図示略)とを備えて構成されている。MGGは、上述した制御装置72(図2参照)に接続されている。このアクチュエータ128では、非衝撃時には、MGGからガスが噴出されず、ピストンロッド131がシリンダ129から前方へ突出し、上屈曲部123の孔124及び下屈曲部126の孔127に挿入されている(図15参照)。また、アクチュエータ128では、衝撃時には、MGGから高圧のガスが噴出されてシリンダ129に供給され、このガスの圧力によりピストン130がピストンロッド131を伴って後方へ摺動させられ、同ピストンロッド131が上屈曲部123及び下屈曲部126の両孔124,127から抜け出るようになっている。
そして、上述した上ブラケット122、下ブラケット125、及びアクチュエータ128によってロック機構部121が構成されている。
上述した以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の箇所、部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
上記のようにして、第4実施形態の乗員保護装置が構成されている。次に、この乗員保護装置における駆動部(前ばね111及び後ばね115)及びロック機構部121の作用について説明する。
<非衝撃時>
非衝撃時には、押上げプレート31が底部に近づけられて略水平状態にされる(図15参照)。この状態では、前ばね111が弾性変形させられて弾性復元力を蓄積し、後ばね115が弾性変形させられて弾性復元力を蓄積している。また、ロック機構部121では、上ブラケット122の上屈曲部123と、下ブラケット125の下屈曲部126とが前後に重なっていて、両孔124,127が合致している。さらに、ピストンロッド131がシリンダ129から前方へ大きく突出し、上記両孔124,127に挿入されている。このように、前ばね111及び後ばね115がともにロック機構部121によって、弾性復元力を蓄積した蓄積状態に保持されている。その結果、押上げプレート31は底部の上方近傍で略水平状態に保持されることとなり、座部10は押上げプレート31によって押上げられない。
なお、このときには、前連結機構部40及び後連結機構部50がともに略上下方向に屈曲した状態となる。
<衝撃時>
衝撃時には、制御装置72からMGGに制御信号が出力される。MGGは、この制御信号に応じて高圧のガスを噴出する。このガスはシリンダ129のピストン130よりも前側の空間に供給され、ピストン82にガス圧が加わる。このガス圧の上昇に伴いピストン130がピストンロッド131を伴って後方へ摺動する。ピストンロッド131が上屈曲部123及び下屈曲部126の両孔124,127から後方へ抜け出て、前ばね111及び後ばね115の弾性復元力の蓄積状態の保持を解除する。この解除をきっかけとして、前ばね111及び後ばね115が、それまで蓄積していた弾性復元力を開放する。前ばね111及び後ばね115の各弾性復元力により、押上げプレート31が直接押上げられる。
一方、上記前ばね111及び後ばね115による押上げプレート31の押上げに伴い、各前連結機構部40及び各後連結機構部50がそれぞれ変形させられる。そして、前連結機構部40及び後連結機構部50がともに略上下方向へ伸長した所定形状に変形させられると、押上げプレート31が上述した押上げ条件を満たす傾斜状態(図16参照)になる。また、この傾斜状態では、前連結機構部40及び後連結機構部50は、自身に設けられた保持機構65によって、その変形した形状に保持される。そのため、上記押上げプレート31は押上げ条件を満たした傾斜状態に保持される。
従って、第4実施形態によれば、上述した(1),(2),(3′),(5′),(6′)と同様の効果が得られるほか、次の効果が得られる。
(11)駆動部として前ばね111及び後ばね115を用い、これらを底部及び押上げプレート31間に配設している。さらに、非衝撃時には、前後両ばね111,115を弾性変形させて弾性復元力を蓄積した蓄積状態に保持し、衝撃時には、前記蓄積状態の保持を解除するロック機構部121を設けている。
そのため、非衝撃時には、底部及び押上げプレート31間で弾性変形させられて弾性復元力を蓄積して蓄積状態となった前ばね111及び後ばね115を、ロック機構部121によってその蓄積状態に保持することができる。
また、衝撃時には、ロック機構部121による上記蓄積状態の保持を解除することで、前ばね111及び後ばね115の弾性復元力を開放し、押上げプレート31を直接押上げることができる。
これに伴い、前連結機構部40及び後連結機構部50をそれぞれ変形させ、前ばね111及び後ばね115による押上げプレート31の押上げ態様を規制し、同押上げプレート31を押上げ条件の満たされた傾斜状態にすることができる。
なお、上記第4実施形態は、次のように変更されて実施されてもよい。
・前連結機構部40及び後連結機構部50に代えて、第3実施形態で説明したような第1連結杆101及び第2連結杆102を用いてもよい。
この場合には、前ばね111及び後ばね115による押上げプレート31の上昇に伴い第1連結杆101及び第2連結杆102がそれぞれ変位させられる。これらの第1連結杆101及び第2連結杆102は、駆動部(前ばね111及び後ばね115)による押上げプレート31の押上げ態様を規制しようとする。この規制により、押上げプレート31が押上げ条件の満たされた傾斜状態にされる。
・前ばね111及び後ばね115の一方のみでも押上げプレート31を上方へ付勢することは可能である。そのため、前ばね111及び後ばね115の一方を省略してもよい。図18は、後ばね115を省略した例を示している。この場合には、前ばね111によって押上げプレート31の前端部31Fが押上げられて、図示しない前連結機構部が変形させられると、その変形に追従して後連結機構部50が変形する。
なお、図18では、後連結機構部50が後上レバー51及び後下レバー53によって構成されている例が示されているが、これとは異なる構成を有するものであってもよい。例えば、押上げプレート31の後端部31Rに下方へ延びる板金製の上腕部が設けられ、底部において前記後端部31Rに対応する箇所(略下方となる箇所)に上方へ延びる板金製の下腕部が設けられ、さらに上腕部及び下腕部が関節部により屈曲可能に連結されたものであってもよい。この場合、例えば、1枚の板金によって上腕部及び下腕部を形成し、両者の境界部分を他よりも薄肉状に形成することで、屈曲しやすくしてもよい。この薄肉状の部分が関節部となる。また、上腕部及び下腕部を別々に形成し、両者をヒンジ(蝶番)によって連結してもよい。この場合には、ヒンジ(蝶番)が関節部となる。
・前ばね111及び後ばね115として、第4実施形態とは異なる構成を有するものを用いてもよい。例えば、前ばね111及び後ばね115における巻部の数を1つ、2つ、又は4つ以上に変更してもよい。また、前ばね111及び後ばね115を圧縮コイルばねによって形成してもよい。
本発明を具体化した第1実施形態において、乗員保護装置が適用された車両用シートを示す側断面図。 図1におけるR部を拡大して示す部分側断面図。 車両用シート及びシートベルト装置を示す斜視図。 前連結機構部を構成する前上レバー及び前下レバーと、保持機構との関係を説明する分解斜視図。 図2におけるS部を拡大して示す部分側断面図。 図2におけるT部を拡大して示す部分側断面図。 衝撃時における押上げ機構の状態を示す斜視図。 図2に対応する図であり、押上げプレートがエアバッグによって押上げられて、押上げ条件の満たされた傾斜状態にされた乗員保護装置を示す部分側断面図。 図8におけるU部を拡大して示す部分側断面図。 図8におけるV部を拡大して示す部分側断面図。 本発明を具体化した第2実施形態における押上げ機構の概略構成を示す斜視図。 (A)は非衝撃時におけるアクチュエータの内部構造を示す部分側断面図、(B)は衝撃時におけるアクチュエータの内部構造を示す部分側断面図。 (A)は非衝撃時における押上げ機構の状態を示す部分側断面図、(B)は衝撃時における押上げ機構の状態を示す部分側断面図。 本発明を具体化した第3実施形態における押上げ機構の概略構成を示す斜視図。 本発明を具体化した第4実施形態を示す図であり、非衝撃時における押上げ機構の状態を示す側断面図。 衝撃時における押上げ機構の状態を示す側断面図。 前ばねの構成を示す平面図。 第4実施形態における押上げ機構の変形例を示す側断面図。
符号の説明
10…座部、10A…座面、13…シートパン(底部の一部)、20…シートベルト装置、30…押上げ機構、31…押上げプレート、31F…前端部、31R…後端部、34…前下支持部(底部の一部)、35…後下支持部(底部の一部)、40…前連結機構部、41…前上レバー、42,44,52,54…軸、43…前下レバー、50…後連結機構部、51…後上レバー、53…後下レバー、60…駆動部、61…エアバッグ、62…インフレータ(膨張流体発生源)、65,89…保持機構、75…アクチュエータ(駆動部)、76…シリンダ、82…ピストン、84…ピストンロッド、95…下支持部材(底部の一部)、101…第1連結杆、102…第2連結杆、111…前ばね,115…後ばね、121…ロック機構部、CS…車両用シート、P…乗員、Pb…臀部、Pp…腰部、α,β…角。

Claims (11)

  1. 車両用シートの座部内に押上げ機構を配置し、同車両用シートの前方からの衝撃に応じ、前記押上げ機構を作動させて前記座部の座面を隆起させることにより、前記座部に着座し、かつシートベルト装置により前記車両用シートに拘束された乗員の腰部の前方移動を抑制するようにした乗員保護装置において、
    前記押上げ機構は、
    着座姿勢を採る前記乗員の臀部よりも前側に配置され、かつ自身の後端部が同臀部の前側近傍に位置する押上げプレートと、
    前記車両用シートの前方からの衝撃が加わらない非衝撃時には前記押上げプレートを略水平状態にする一方、同衝撃が加わる衝撃時には、前記押上げプレートの後端部が前記非衝撃時よりも高く、かつ同押上げプレートの前端部が前記後端部よりも高い傾斜状態となることを押上げ条件として、前記押上げプレートを押上げる押上げ手段と、
    前記押上げ手段により押上げられた前記押上げプレートを、前記押上げ条件の満たされた傾斜状態に保持する保持機構と
    を備えることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記押上げ手段は、
    前記押上げプレートの下方に配置された底部と、
    前記押上げプレートの前端部を、前記底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に連結する前連結機構部と、
    前記押上げプレートの後端部を、前記底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に連結する後連結機構部と、
    前記衝撃に応じ、前記押上げプレートを直接押上げる、又は前記前連結機構部及び前記後連結機構部を変形させて前記押上げプレートの前端部及び後端部をそれぞれ押上げる駆動部と
    を備える請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記前連結機構部及び前記後連結機構部のうち一方の連結機構部は、前記駆動部により変形させられて前記押上げプレートの対応する一方の端部を押上げるものであり、
    他方の連結機構部は、前記一方の連結機構部の変形に追従して変形して前記押上げプレートの対応する他方の端部を押上げるものである請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記保持機構は、前記前連結機構部及び前記後連結機構部のそれぞれに設けられており、前記駆動部による前記押上げプレートの押上げに伴い変形させられた前後両連結機構部、又は前記駆動部により変形させられた前後両連結機構部を、その変形させられた形状に保持するものである請求項2又は3に記載の乗員保護装置。
  5. 前記前連結機構部は、
    前記押上げプレートの前端部に対し回動可能に取付けられた前上レバーと、
    前記底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に回動可能に取付けられ、かつ前記前上レバーに連結された前下レバーと
    を備え、前記非衝撃時には、前記前上レバーの前記前下レバーとなす角が小さくなって、前記前連結機構部が略上下方向に屈曲した状態となり、前記衝撃時には、前記前上レバーの前記前下レバーとなす角が大きくなって、前記前連結機構部が略上下方向へ伸長した状態となるものである請求項2〜4のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
  6. 前記後連結機構部は、
    前記押上げプレートの後端部に対し回動可能に取付けられた後上レバーと、
    前記底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に回動可能に取付けられ、かつ前記後上レバーに連結された後下レバーと
    を備え、前記非衝撃時には、前記後上レバーの前記後下レバーとなす角が小さくなって、前記後連結機構部が略上下方向へ屈曲した状態となり、前記衝撃時には、前記後上レバーの前記後下レバーとなす角が大きくなって、前記後連結機構部が略上下方向へ伸長した状態となるものである請求項2〜5のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
  7. 前記押上げ手段は、
    前記押上げプレートの下方に配置された底部と、
    前側ほど高くなるように傾斜した状態で配置され、自身の前端部が軸により前記押上げプレートの前端部に連結され、かつ自身の後端部が軸により前記底部について前記押上げプレートの前記後端部の略下方となる箇所に連結された第1連結杆と、
    前側ほど低くなるように傾斜した状態で配置され、自身の後端部が軸により前記押上げプレートの後端部に連結され、かつ自身の前端部が軸により前記底部について前記押上げプレートの前記前端部の略下方となる箇所に連結された第2連結杆と
    を備え、前記押上げプレート及び前記底部を被連結体とし、前記第1連結杆の前後両端部の軸、及び前記第2連結杆の前後両端部の軸のうちの1つは、前記被連結体に対し前後方向へのスライド可能及び回動可能に連結され、残りの3つは、前記被連結体に対し回動可能に連結されており、
    さらに、前記押上げ手段は、前記衝撃に応じ、前記押上げプレートを直接押上げる、又は前記第1連結杆及び前記第2連結杆を変位させて前記押上げプレートの前端部及び後端部をそれぞれ押上げる駆動部を備える請求項1に記載の乗員保護装置。
  8. 前記駆動部は、前記座部内の前記押上げプレートよりも下方に配置され、かつ、前記衝撃時には膨張流体発生源から供給される膨張流体により膨張して同押上げプレートを直接押し上げるエアバッグを備える請求項2〜7のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
  9. 前記駆動部は、シリンダと、そのシリンダ内に摺動可能に収容されたピストンと、前記ピストンの摺動に伴い前記シリンダに対し出没するピストンロッドとを備えるアクチュエータからなり、前記出没する前記ピストンロッドにより前記前連結機構部及び前記後連結機構部を変形させて前記押上げプレートを押し上げるものである請求項2〜6のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
  10. 前記アクチュエータは、前記衝撃時に前記ピストンロッドを前記シリンダから突出させることにより前記前連結機構部及び前記後連結機構部を変形させて前記押上げプレートを押上げ、前記押上げ条件の満たされた傾斜状態にするものであり、
    前記保持機構は、前記アクチュエータ内に設けられ、前記押上げ条件の満たされる位置まで突出した前記ピストンロッドを、前記シリンダに対し出没不能に保持するものである請求項9に記載の乗員保護装置。
  11. 前記駆動部は、前記底部及び前記押上げプレート間に配設されたばねと、
    非衝撃時には、前記ばねを弾性変形させて弾性復元力を蓄積した蓄積状態に保持し、衝撃時には、前記蓄積状態の保持を解除するロック機構部と
    を備え、前記ロック機構部により蓄積状態の保持を解除された前記ばねの弾性復元力により、前記押上げプレートを直接押上げるものである請求項2〜7のいずれか1つに記載の乗員保護装置。
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