JP2010050483A - 受け渡し機構及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空引き可能になされた処理チャンバー16と、所定の処理が施される被処理体Wを載置する載置台20と、処理チャンバーへ必要なガスを供給するガス供給手段40と、途中に真空ポンプが介設されて処理チャンバー内の雰囲気を真空引きする排気系6とを有す処理装置において、排気ガス中に含まれるパーティクル数を計測するために前記排気系に設けられたパーティクル計測手段8と、処理チャンバー内にクリーニングガスを流してクリーニング処理を行う時にパーティクル計測手段の計測値に基づいてクリーニング処理の終点時点を決定するクリーニング終点決定手段14とを備える。
【選択図】図1
Description
膜成長工程においては、例えばCVD(chemical vapor deposition)装置を 用いて、ウエハ表面に絶縁層や絶縁膜として、シリコン酸化膜(SiO2 )、シリコンナイトライド(SiN)等の薄膜を堆積する。また、配線パターンや凹部の埋め込みとしては、タングステン(W)、タングステンシリサイド(WSi)、チタン(Ti)、チタンナイトライド(TiN)、チタンシリサイド(TiSi)、タングステンナイトライド(WN)、酸化タンタル(Ta2 O5 )、タンタル(Ta)、タンタルナイトライド(TaN)、酸化ハフニウム(HfO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化プロタクチニウム(PaO3 )等の薄膜が堆積される。
この種のパーティクルは、一般に、処理チャンバーの内壁面や載置台やシャワーヘッド構造などの内部構造物の表面に付着した不要な膜が剥がれ落ちることで発生する場合が多く、従って、定期的、例えば1ロット25枚のウエハを成膜処理した時や、不定期的に処理チャンバー内にClF3 ガス等のクリーニングガスを流し、上記した不要な膜を除去することが行われている。このようなクリーニング処理を行うことにより、処理チャンバー内に付着している不要な膜が除去され、パーティクルの発生を抑制することが可能となる。
従来は、このクリーニング処理の終点時点を決定するには、例えば予め所定の枚数、例えば1ロット25枚のウエハを成膜処理する毎にクリーニング処理を行うものと決めておき、そして、25枚のウエハを成膜処理した時に、それまでに処理チャンバー内に累積した不要な堆積膜を除去するには、クリーニング処理をどの位の長さ実行すればよいか、予め決めておく。そして、実際にウエハを連続処理する時には、例えばウエハを25枚処理する毎に上述のよう定められたクリーニング処理期間でもって、クリーニング処理を実行することになる。
尚、上述のように載置台の表面が堆積した膜の色から載置台の構成材料の本来の色へ瞬時に変化する時点を、”ジャストエッチ”と称する。
この場合、処理チャンバー内で付着している不要な膜の厚さは、予定された膜厚よりも遥かに薄いので、前述した規定の長さのクリーニング処理を実行することにより、チャンバー内の構造物、例えば載置台、シールドリング、シャワーヘッド構造等の表面が過度のエッチングで削られたり、その部材表面への腐蝕のダメージ等を受けてしまう場合も生じ、これらの構造物の寿命を短くしてしまう、といった問題があった。そして、上記構造物の交換の頻度が高まれば、その分、部品等を交換する等のメンテナンス回数が増え、装置の稼働率が低下し、スループットが低下する、といった問題もあった。
これに対して、クリーニング処理を行う前のウエハ処理枚数に応じて、クリーニング処理期間も適宜変更させるようなプログラムを作成することも考えられるが、この場合には、プログラム数が多くなるのみならず、既存のプログラムに対して大幅な変更を余儀なくされ、結果的にオペレータが実行する事になるので現実的ではない。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、クリーニング処理開始前の被処理体の処理枚数に関係なく、ジャストエッチの時点を自動的に確実に把握することにより、エッチング処理の適正な終点時点を決定して、処理チャンバー内に堆積した不要な膜をクリーニングすることが可能な処理装置及びクリーニング方法を提供することにある。
請求項1に規定する発明は、真空引き可能になされた処理チャンバーと、所定の処理が施される被処理体を載置する載置台と、前記処理チャンバーへ必要なガスを供給するガス供給手段と、途中に真空ポンプが介設されて前記処理チャンバー内の雰囲気を真空引きする排気系とを有す処理装置において、排気ガス中に含まれるパーティクル数を計測するために前記排気系に設けられたパーティクル計測手段と、前記処理チャンバー内にクリーニングガスを流してクリーニング処理を行う時に前記パーティクル計測手段の計測値に基づいて前記クリーニング処理の終点時点を決定するクリーニング終点決定手段とを備えたことを特徴とする処理装置である。
従って、クリーニング処理を実行する前の被処理体の処理枚数に関係なく、過度に長くクリーニング処理を実行することを防止できるので、チャンバー内の構造物の寿命が短くなるのを防止できるのみならず、クリーニングガスの無駄な消費も抑制することが可能となる。
また、例えば請求項3に規定するように、前記ジャストエッチ時点は、前記載置台の表面の大部分の不要な膜が略除去された時点である。
また、例えば請求項4に規定するように、前記排気系は、複数の排気管を有しており、この複数の排気管の内の少なくともいずれか一本に前記パーティクル計測手段が設けられる。
請求項6に規定する発明は、上記処理装置を用いて行なわれるクリーニング方法を規定した方法発明であり、すなわち、真空引き可能になされた処理チャンバーと、所定の処理が施される被処理体を載置する載置台と、前記処理チャンバーへ必要なガスを供給するガス供給手段と、途中に真空ポンプが介設されて前記処理チャンバー内の雰囲気を真空引きする排気系とを有す処理装置のクリーニング方法において、前記処理チャンバー内へクリーニングガスを流した時に前記排気系内を流れる排気ガスのパーティクル数を連続的に計測する工程と、前記パーティクル数の計測値に基づいてクリーニング処理の終点時点を決定する工程とを有することを特徴とするクリーニング方法である。
本発明によれば、排気系に設けたパーティクル計測手段によりパーティクル数を計測し、このパーティクル数がピークを迎えた後に、減少して所定量より少なくなった時をジャストエッチ時点であると認識し、これによりクリーニング処理の終点時点を適切に設定することができる。
従って、クリーニング処理を実行する前の被処理体の処理枚数に関係なく、過度に長くクリーニング処理を実行することを防止できるので、チャンバー内の構造物の寿命が短くなるのを防止できるのみならず、クリーニングガスの無駄な消費も抑制することができる。
図1は、パーティクル計測手段を搭載する本発明の処理装置の構成例を示す図、図2は処理チャンバー内の透過窓と排気口との位置関係を示す平面図、図3はパーティクル計測手段の取り付け状態を示す図、図4はクリーニング終点決定手段を示すブロック構成図、図5はクリーニング処理の終点時点を決定する原理を説明するための説明図である。本実施例では、処理装置として、被処理体となる半導体ウエハ(以下、ウエハと称する)に対して成膜処理を施すCVD装置を一例にとって説明する。勿論、他にもスパッタリング装置やエッチング装置等のクリーニング処理を必要とする全ての処理装置についても同様に適用できる。また、ここではCVD装置及びパーティクル計測手段として本出願人が特開2001−59808号公報にて先に開示したものを用いる。
すなわち、図示するようにこのCVD装置2は、大別して、ウエハWに対して成膜ガスによる成膜処理を行う処理ユニット4と、この処理ユニット4内の大気や成膜ガスを排気する排気系6とで構成され、この排気系6を流れる排気ガス中のパーティクル数を計測するパーティクル計測手段8が設けられている。このパーティクル計測手段8は、計測本体10と、この動作を制御する制御・処理部12とを有している。この制御・処理部12は、処理装置全体を制御するシステム制御部(図示せず)に組み込まれていてもよいし、別個であってもよい。そして、このパーティクル計測手段8に、後に詳述するクリーニング終点決定手段14が接続されている。
この加熱室30内には、加熱源として複数個の加熱ランプ32が反射鏡も兼ねる回転台34上に取り付けられている。この回転台34は、回転軸によりモータ36へ連結されており、モータ36の回転に従い回転される。この回転により、ウエハWへの加熱を均一的に行うことができる。
また載置台20と対向する処理チャンバー天井部には、成膜ガス等の処理ガスを処理チャンバー16内へ導入するための多数のガス噴射孔38を有するガス供給手段としてのシャワーヘッド部40が設けられている。このシャワーヘッド部40は、例えばアルミニウム等により円形箱状に成形され、図示しないガス導入系に接続してガス供給を行うためのガス導入口41、42、43が設けられている。そして、この内の2つのガス導入口41、42には、それぞれの成膜ガスが供給されてガス混合部45で混合され、この下方の拡散室47へ導入するようになっている。また、この拡散室47内には多数の拡散孔を有する拡散板27が設けられており、導入された混合ガスを拡散するようになっている。また、残りのガス導入口43には、クリーニングガス供給管44が接続される。このクリーニングガス供給管44には、流量制御器46及び開閉弁48が順次介設されており、クリーニング処理時に、クリーニングガスとして例えばClF3 ガスを流し得るようになっている。従って、このシャワーヘッド部40の上記ガス導入口41、42、43より供給された各ガスは、シャワーヘッド部40内の拡散室47内に流れて拡散板27で拡散された後に、ガス噴射孔38より処理空間Sへ噴射される。
図2は図1の処理チャンバー内の透過窓と排気口との位置関係を示す平面図である。この図2に示すように、本実施例では、排気口56が底部周辺部に沿って略均等な間隙で4つ配置されており、各排気口56には排気ポート58が設けられている。
そして、この排気ポート58は、図示しないカップリングによりガスケット又は溶接等を介在させて排気系6の一部となる各排気管60へ気密に接続される。
そして、このようなCVD装置の4つの排気管60のうちの1本或いは複数本の途中にそれぞれ、前述したようにパーティクル計測装置8の計測本体10を取り付けている。
まず、処理チャンバー16の側壁に設けたゲートバルブGを開いて図示しない搬送アームにより処理チャンバー16内にウエハWを搬入し、上昇されたリフタピン24にウエハWを受け渡し、搬送アームを退去させてゲートバルブGを閉じる。そして、リフタピン24を降下させてウエハWを載置台20上に載置すると共に、クランプリング25の内側周縁部でウエハWの外周縁部を押さえた後、処理チャンバー16内の大気を排気系6で排気するが、この際、リリーフバルブ29の作動により、載置台20の下側の圧力とウエハW側の圧力差が小さくされて排気される。これは処理チャンバー16内を排気する際にウエハWのバタツキを防止して、パーティクルの発生を抑制するためである。
この供給された成膜ガスも各排気口56から排気系6側へ吸引排気されて、処理チャンバー16内を所定の真空度に設定される。且つ回転台34を回転させながら加熱ランプ32を発光させて、載置台20の裏面側を加熱用光を照射して加熱する。そして、載置台20が加熱される事によって、ウエハWを迅速に所定の温度、例えば350〜700℃まで昇温させて維持する。
このような処理チャンバー16内の雰囲気において、成膜ガスは所定の化学反応が生じ、例えばW(タングステン)膜がウエハW表面に堆積する。
また、ウエハWがこのように、連続的、或いは間欠的に処理されて行くと、定期的(例えば25枚処理する毎)、或いは不定期的にクリーニング処理を行う指令が、例えば図示しないホストコンピュータ等より出される。このクリーニング処理は、ClF3 ガスを、クリーニングガス供給管44を介して処理チャンバー16内へ供給することにより行われ、これにより、処理チャンバー16の内壁やチャンバー内の構造物、例えば載置台20、シールドリング26、シャワーヘッド部40等の表面に付着している不要な膜を除去する。そして、このクリーニング処理の途中においても、クリーニング処理の終点時点を決定するために、排気ガス中に含まれるパーティクル数が、パーティクル計測手段8により計測される。
まず、このパーティクル計測手段8の計測本体10は、図3に示すように、非常に細いビーム状のレーザ光Lを照射するレーザ素子を有するレーザ光照射部70と、排気管60の中心軸72を通って上記レーザ光照射部70と対向する側に配置されるストッパ部材74と、レーザ光Lの照射方向に対して略直交する方向の管壁に設けられた受光素子等よりなる散乱光検出部76とで構成される。ここで、前記レーザ素子は、小型化されたGaAlAs等の半導体レーザ素子を用いており、その出力は数W〜数十Wの出力のものが適正である。ここで半導体レーザ素子としては、高出力のYAGレーザを用いる事もできる。
また、照射されたレーザ光Lが断面中心点Oを通過してチャンバー中心軸78の位置する方向に向かうのであれば、照射方向はどの方向でもよい。但し、散乱光検出部71との相対的な位置関係は維持される。
そして、ストッパ部材74は、レーザ光Lを吸収することにより、レーザ光Lが排気管60内への例えば乱反射が発生しないようにしている。
尚、予め制御するパラメータを組込んだ制御系を設けてもよい。このパラメータとしては、膜厚計測、圧力計、成膜ガス濃度、成分、膜質計測等の手段をチャンバー搬送系、搬出系に設けて最適な成膜形成方法も行うことが可能である。
図5に示すように、処理チャンバー16内にClF3 ガスを流して、クリーニング処理を開始すると、しばらくして多量にパーティクルが発生し、このパーティクル数が略数個程度まで減少した時点が、後述するように略ジャストエッチ時点になるので、この時点を自動的に検出して、これに基づいてクリーニング処理の終点を決定することになる。
図4に示すように、このクリーニング終点決定手段14は、前記制御・処理部12からの計測値を入力し、この計測値が、所定のパーティクル閾値以下であるか否かを判断するパーティクル数判断部と、上記パーティクル数判断部の出力に基づいて前記計測値が所定の閾値以下の状態になっている継続時間を測定する低パーティクル数継続時間計測部80と、この計測部80の出力に基づいてジャストエッチ時点を決定するジャストエッチ時点決定部82と、このジャストエッチ時点までのクリーニング処理期間に基づいてオーバエッチング期間を決定するオーバエッチング期間決定部84と、このオーバエッチング期間に基づいてクリーニング処理の終点時点を決定する終点決定部86とにより主に構成されている。 このクリーニング終点決定手段14は、例えばマイクロコンピュータ等よりなり、上記各部の動作はソフトウエア的に実行され、また、この動作は制御部89により制御される。
ここで、この低パーティクル数継続時間計測部80は、パーティクル数が所定のパーティクル閾値、例えば10個以下である状態が継続した時間、すなわち低パーティクル数継続時間を出力する。尚、この時のパーティクル数の閾値”10個”の値は単に一例を示したに過ぎず、これに限定されず、1個以上で設定可能である。
また、上記ジャストエッチ時点決定部82は、上記低パーティクル数継続時間が所定の時間閾値、例えば16秒間(8単位時間に相当)以上継続しているか否かを決定し、この時間閾値以上になった時点で、その時点よりも、その時間閾値の時間だけ、すなわち16秒間だけ遡った時点をジャストエッチ時点であると決定する。
尚、上記時間閾値の時間、すなわち、16秒間経過した時の時点を、ジャストエッチ時点としてもよい。その時間閾値は、単に一例を示したに過ぎず、これに限定されず、例えば1〜300秒程度である。好ましくは、1〜60秒程度である。
次に、終点決定部86は、上記オーバエッチング期間が定められたならば、上記ジャストエッチ時点に、更に、オーバエッチング期間(k・T)を加えた時点がクリーニング処理の終点であると認識し、そして、上記ジャストエッチ時点からオーバエッチング期間だけ経過した時に、クリーニングガスの供給を停止するために開閉弁48と閉じるような動作を行うことになる。
ここで、ジャストエッチ時点とパーティクル数の増減との相関関係を実際に検討したので、図6を参照してその検討結果について説明する。
図6(A)は5枚の半導体ウエハにWSi膜の成膜処理を行った後に、クリーニング処理を行った時のパーティクル数の増減を示し、図6(B)は25枚の半導体ウエハにWSi膜の成膜処理を行った後に、クリーニング処理を行った時のパーティクル数の増減を示す。
図示するように、ClF3 ガスを供給してクリーニング処理を開始すると、50秒程度はパーティクルがほとんど発生しない。これは、クリーニングガスの開閉弁48(図1参照)が開になってからクリーニングガスが処理チャンバー16に入るまでのタイムラグと考えられる。そして、50秒程度を経過した時点からパーティクルが急激に発生し、そして、一旦ピークとなった後に減少に転ずる。この時、図6(B)に示すウエハ25枚処理の場合には、1回大きなピーク値を突発的に検出した後に、10秒程度の間、パーティクルが非常に減少し、その後、再度、パーティクル数は増加して第2のピークとなり、その後、パーティクル数は徐々に減少している。この様に、付着膜厚によっては、計測パターンが異なるため、前述したようにジャストエッチ時点決定部82において、例えば単位時間(2sec)当たりのパーティクル数が10個以下の検出状態を16sec間程度継続した時点をジャストエッチ時点とするようにしてもよい。
この結果、図6(A)に示す場合には、ジャストエッチの時点は目視の時はクリーニング開始から57秒であり、パーティクル計測手段8の場合は54秒であり、その差は僅か3秒であった。
また、図6(B)に示す場合には、ジャストエッチの時点は、目視の時はクリーニング開始から135秒であり、パーティクル計測手段8の場合は134秒であり、その差は僅か1秒と、略相関がとれていた。
従って、前述のように、このジャストエッチ時点を起点として、決定されたオーバーエッチングの時間、つまり所定の時間オーバエッチング処理を実行すれば、ウエハ処理の枚数に関係なく、また、オペレータによる操作等をしなくても、予め装置ホストコンピュータ、APC(Advanced Process Control)制御系に設定しておけば過不足のないクリーニング処理を常に実行できることになる。
まず、図示しないホストコンピュータ等よりクリーニング処理開始の指令が発せられると、クリーニングプログラムがスタートし(S1)、これにより、処理チャンバー16(図1参照)内へクリーニングガスの供給が開始される(S2)。そして、クリーニング処理の経過時間の計測も開始される。
次に、クリーニングガスの供給の開始後、初期時間t1(図5参照)が経過したか否かを判断する(S3)。これは、クリーニングガスの供給を開始しても直ちにパーティクルが発生するのではなく、クリーニングガスが処理チャンバー内に供給されてもしばらくはパーティクルが発生しないからであり、この間のパーティクル計測を行わないようにするためである。この初期時間t1は、クリーニングガスの供給量等にもよるが、例えば1〜120sec程度である。尚、この初期時間t1の間にもパーティクル計測を行っても、その計測値に基づくこれから説明する演算処理を行わなければ問題は生じない。
次に、この判断結果が低パーティクル数継続時間計測部80へ入力され、パーティクル数が10個以下の場合には、直前の計測値もパーティクル数が10個以下か否かが判断される(S6)。ここで、NOの場合、すなわち直前の計測値でパーティクル数が10を越えて大きい場合には、ここでパーティクル数が初めて閾値よりも低下したことを意味するので、この時点がジャストエッチ時点になる可能性があることになるこから、クリーニングガスの供給開始から現時点までの経過時間Tを記憶する。この経過時間Tは、パーティクル数の計測値が一旦10個以下になって、再度10個以上になった後に再び10個以下になった時には、その値が、更新される。
従って、処理チャンバー内及びその構造物へのダメージを小さくする事ができ、長寿命化を図ることができ、しかも、高価なクリーニングガスを無駄に消費することも防止することができる。
また、クリーニングガスに関してもClF3 ガスに限定されず、NF3 、ClF、HF等の他のクリーニングガスでも本発明を適用できる。
また、ここでは、被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板、化合物半導体基板等の場合にも、本発明方法を適用することができる。
次に、TiN膜を形成する異なる形態の処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
図8は本発明の処理装置の第1の変形例を示す構成図である。
すなわち、ここでは処理チャンバー90の底部の中心部を下方に凹部状に窪ませており、この凹部92の底部より支柱94を起立させ、この上端に、加熱ヒータ(図示せず)が内蔵された載置台96を取り付けて設けている。載置台96及び支柱94はAlN等のセラミックからなる。そして、この載置台96に対向する処理チャンバー90の天井部に、シャワーヘッド部98を設けており、実際の構造は原料ガスであるTiCl4 ガスと還元ガスを含むが、NH3 、N2 、Arとは別々に流れるようにしたマトリックス構造である。そして、この載置台96の下方には、ウエハを押し上げるリフタピン100が、チャンバーの下方に設けたアクチュエータ102により昇降可能に設けられ、TiCl4 ガス及び反応副生成物NH3 Clが液化、又は付着しないように例えば150〜170℃程度に加熱されている。
従って、処理チャンバー内及びその構造物へのダメージを小さくする事ができ、長寿命化を図ることができ、しかも、高価なクリーニングガスを無駄に消費することも防止することができる。
この第1の変形例では、1本になされた排気管112にパーティクル計測手段8を設けているので、排ガス中のパーティクル数を、より正確に捉えることが可能になる。
次は、プラズマCVDによりTi膜を形成するような処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
図9は本発明の処理装置の第2の変形例を示す構成図である。
すなわち、ここでは処理チャンバー120の天井部に設けられるシャワーヘッド部122内は、原料ガスのTiCl4 ガス、Arガス及びクリーニングガスのClF3 ガス用の空間126と還元ガスのH2 ガス及びNH3 ガス用の空間124とに分離区画されており、原料ガスと還元ガスは、処理チャンバー120内に噴射するまで混ざらないで、上記各空間126、124を介して噴射孔、bより供給される。いわゆるポストミックス構造(マトリックス構造)のシャワーヘッド部122が用いられている。そして、各空間124、126はそれぞれ配管130、132と接続され、シャワーヘッド部122に450kHz〜60MHzの周波数のRF電力を供給した際の絶縁用として働き、処理チャンバー120内に、安定してプラズマを生成させる。そして、このシャワーヘッド部122には、マッチング回路134を介して高周波電源136が接続されており、このシャワーヘッド部122を上部電極としている。このシャワーヘッド部122は、アルミナよりなるリング状の絶縁物138を介して処理チャンバー120の天井部に支持される。
この様に、TiCl4 ガスとH2 及びArガスを混合されないマトリックス構造のシャワーヘッド部128より処理チャンバー120内に供給して、所望の温度、例えば500〜700℃に加熱した載置台147を配置されたウエハ上にTiを成膜させる。
従って、処理チャンバー内及びその構造物へのダメージを小さくする事ができ、長寿命化を図ることができ、しかも、高価なクリーニングガスを無駄に消費することも防止することができる。
次は、処理装置として誘導結合プラズマ(ICP:Inductivelly Coupled Plasma)により自然酸化膜をエッチングする処理装置を一例にとって説明する。図10は本発明の処理装置の第3の変形例を示す構成図である。尚、この処理装置は本出願人が特願2001−1152号にて開示したものと略同じである。
図示するように、この処理装置726は、例えば天井部が開口された円筒体状のアルミニウム製の処理チャンバー728を有している。この処理チャンバー728の中心部には、その上面に被処理体である半導体ウエハWを載置する例えば窒化アルミ(AlN)等のセラミックよりなる円板状の載置台730が設置されている。この載置台730内には、必要に応じて加熱手段としての抵抗加熱ヒータ732や高周波電圧を印加するためのバイアス電極734が予め埋め込まれている。
尚、図示されていないが、載置台730の周縁部の上方には、プラズマをフォーカスして、プラズマを安定に維持し、エッチング時にウエハ周縁部や載置台周縁部をエッチングから保護するためのシャドウリングも上下動可能に設けられている。
具体的には、この排気管路764は、上記底部760に接続される上部管764Aと、この下端に管径を調整するために直径が順次縮小された管径調整管764Bを介して接続される下部管764Cとにより主に構成されている。上記各管764B、764Cの接合部には、それぞれOリング等のシール部材765、768が介設されて気密性を保持している。そして、この下部管764Cの下端には、真空ポンプ798が接続されており、この真空ポンプ798の側部に設けた排気フランジ799には、Oリング等のシール部材770を介して後流排気管772が接続されている。
このようにして、上記下部中空パイプ部材774Bとこの外側の上部管764Aとであたかも2重管構造のようになされており、この両部材間のドーナツ状の空間を排気ガスが流下するようになっている。そして、上記下部中空パイプ部材774Bの外周壁と上記上部管764Aの内周壁との間を接続するようにして、複数の、図示例では4つの取付板778が略等間隔で設けられており、この載置台730と載置台支持支柱774の全体荷重を支えるようになっている。
そして、上記載置台支持支柱774の下部中空パイプ部材774Bの下端は、上記上部管764Aを横方向へ貫通させてガス流れ方向に直交するように内部を横断して設けた中空状のライン取り出し管780に互いに連通状態で接合されている。そして、このライン取り出し管780によっても上記載置台730や載置台支持支柱774の荷重を受けるようになっている。そして、上記取付板778の下端は、上記ライン取り出し管780の外周壁の上端部分に接合されている。尚、このライン取り出し管780が十分に上記荷重を受ける得る程に強度を高く設定しておけば、上記取付板778の取り付けを省略するようにしてもよい。
そして、排気管路764の下部管764Cには、3位置ゲートバルブよりなる流路調整弁796が設けられており、この排気管路764の全開状態及び全閉状態も含めて流路面積を調整し得るようになっている。尚、この流路調整弁796として、上記ゲートバルブに代えて任意に流路面積を調整できるバタフライバルブ等を用いてもよい。
そして、上記した下部管764Cや後流排気管772に、先の実施例で説明したパーティクル計測手段8の計測本体10を設け、更に、制御・処理部12、クリーニング終点決定手段14を設けるようにしてもよい。
次に、WF6 ガスとH2 ガス、SiH4 ガス、Arガス、N2 ガスを用いて熱CVDによりタングステン(W)膜を形成する処理装置に本発明を適用した場合について説明する。
図11は本発明の処理装置の第4の変形例を示す図、図12は図11に示す処理装置の内部を示す断面図、図13はガス導入部の分解斜視図、図14はシャワーヘッド部のガス導入部を示す拡大断面図である。この処理装置は、パーティクル計測手段やクリーニング終点決定手段を設けた点以外は特開平2001−322847号公報にて開示した装置と略同じである。
この処理装置200は、H2 、SiH4 ガス、Arガス、N2 ガス及びWF6 ガスを用いて被処理体である半導体ウエハW上にタングステン膜を成膜するものである。この処理装置200は、図11(A)、(B)に示すように、本体202を有しており、この本体202の下部にはランプユニット204が設けられている。本体202の上部には後述する排気流路と連通する2本の上部排気管206が設けられ、これらの2本の排気管は、2本が合流する集合排気管部207を介して本体202の下部には前記上部排気管206と後述する排気流路を介して接続された下部排気管208が設けられている。この下部排気管208は、本体202の前部左側のコーナー部であって、ランプユニット204から待避した位置に設けられている。
前述したガス導入部274の中心部の凹部には、ガス導入板276の上部に嵌め込まれた有蓋円筒状の整流板314と、下プレート316と、中プレート318と、上プレート340とがケーシング342内に嵌合してに収容されている。そして、これら各プレートとケーシング342は、図14に示すようにそれぞれ必要な箇所にシール部材304を介設してボルト346で締め付け固定される。ケーシング342の上部には、それぞれ後述するガス供給機構348と接続された周辺H2 ガス導入口350、第1の主ガス導入口352および第2の主ガス導入口354を有している。
周辺H2 ガスは、第3の空間部304Cに放出され、第2の空間部704bを通って、ガス吐出孔286より処理チャンバー内に供給される。
上記ガス導入部274において、第1の主ガス導入口352、第2の主ガス導入口354には、H2 、SiH4 、Arガス等が供給される。以後は図13にて説明したと同様に流れて混合されて主ガス流路280からシャワーヘッド部222内に供給される。また、クリーニングガス用のClF3 ガス導入口350に供給されたClF3 ガスは、上プレート340の中央に形成するクリーニングガス流路362を介し、中プレート318の凸部318Aの溝と下プレート316の凸部316Aの溝を介して、ガス流路28を介してシャワーヘッド部222内に供給される。
以上の実施例は、周辺からH2 ガスを流さない場合のガス導入部であり、この構成からなる処理チャンバーでW膜を成膜することができる。
前述したガス供給機構348は、ClF3 ガス供給源400、WF6 ガス供給源402、Arガス供給源404、H2 ガス供給源406、N2 ガス供給源408、SiH4 ガス供給源410を有している。ClF3 ガス供給源400には、ガスライン412が接続され、このガスライン412はマスフローコントローラ414とその前後の開閉バルブ416、418とを介してガス導入部274に設けられた第1の主ガス導入口352に接続されている。WF6 ガス供給源402には、ガスライン420が接続されており、このガスライン420はマスフローコントローラ422とその前後の開閉バルブ424、426とを介してガス導入部274に設けられた第1の主ガス導入口352に接続されている。Arガス供給源404には、ガスライン428が接続されており、このガスライン428はマスフローコントローラ430とその前後の開閉バルブ432、434とを介してガス導入部274に設けられた第1の主ガス導入口352に接続されている。
まず、ステップ1にて排気を行って処理チャンバー210内を所定の圧力まで真空引きし、次にステップ2にて載置台220を所定の温度に維持する。次に、ステップ3およびステップ4にてSiH4 ガス等を流すようにしてイニシエーション(1)およびイニシエーション(2)の処理を順次行ってSiをウエハ上に形成する。この時、イニシエーション(1)では低分圧状態となるようにSiH4 を供給し、イニシエーション(2)では高分圧状態となるようにSiH4 を供給する。このイニシエーションステップは、W膜の埋め込み性の向上及び異常成長を抑制する事ができる。このステップで加熱すると良い効果が高い。次に、ステップ5にてパージを行って先に導入されたガスを一掃する。次に、ステップ6にてWF6 を僅かに流し初めてプリフロウを数秒間行い、更にステップ7にてニュークリエション処理を行ってタングステンの結晶核を形成する。
上記成膜処理の各ステップのプロセス条件は以下の通りである。
WF6 ガス : 5〜200sccm
Arガス : 500〜6000sccm
SiH4 ガス : 1〜300sccm
H2 ガス : 200〜4000sccm
N2 ガス : 0〜3000sccm
バックサイドガス(Ar): 1000〜5000sccm
圧力 : 1〜100Torr(133.3〜13330Pa)
温度 : 350〜500℃
プロセス時間 : 2〜120sec
また、ニュクリエーションの成膜は、WF6 を含むガスとSiH4 を含むガスとを交互に供給して形成してもよい。
次に、本発明の関連発明としてチタン膜とチタンナイトライド膜の連続成膜について図15および図16を参照して説明する。この技術は、本出願人が先に提案している特開平10−106974号公報にて開示した技術の関連技術である。図15はプラズマ成膜装置を示す図、図16は成膜の工程を示す工程図である。ここでは、被処理体、例えば半導体ウエハの基板表面に、チタン膜と、チタンナイトライド膜を連続的に成膜する方法である。
まず、処理チャンバー内を不活性ガスでパージしつつ、排気を行う(ステップS21)。
次に、処理チャンバー内が所望の真空度まで到達するとそれを維持する(ステップS22)。
図示しない真空ロードロック機構を介して、真空状態のまま、処理チャンバー内の載置台にウエハを載置する(ステップS23)。
その後、処理ガス(例えばArガス、H2 ガス)を処理チャンバー内に導入しつつ、ウエハをプリヒートする(処理前にウエハを成膜処理の温度と同じ温度まで予め加熱する)(ステップ24)。
これは、TiCl4 ガスの流量を安定させた後、処理チャンバー内へ導入するためである。
そして、前記ステップ25でTiCl4 ガスの流量が安定すると、前記切り替えバルブを切り替え、処理チャンバーへTiCl4 ガスを導入し、プラズマ放電を開始する(ステップS26)。この際、処理チャンバー内に到達までのタイムラグが発生する。しかし、切り替えバルブの切り替えと同時に高周波電源をオンしても、高周波マッチング装置の応答が遅いため、プラズマ放電の遅も発生する。従って、前記タイムラグとマッチング応答の遅れで相殺され、結果的に、プラズマ放電がスムーズに開始されることになる。但し、ガスラインの長さが短く処理チャンバーへのTiCl4 ガスの導入にタイムラグがなかった場合には、高周波マッチング装置の応答を早くさせるか、高周波マッチング装置の応答に合わせたTiCl4 ガス導入を行うように、タイミング調整する必要がある。
このプラズマ放電に伴いウエハ上にTi膜が成膜される(ステップS27)。TiCl4 ガスの供給を停止し、プラズマ用ガス(Ar、H2 ガス)をチャンバー内に導入したままチャンバー内の残留物(成膜成分)を前記プラズマ用ガスで置換しつつ排気する(ステップS28)。
まず、処理チャンバー内を不活性ガスでパージしつつ、排気を行う(ステップS41)。次に、不活性ガスの導入を停止して、処理チャンバー内が所望の真空度まで到達するとそれを維持する(ステップS42)。図示しない真空ロードロック機構を介して、真空状態のまま、処理チャンバー内の載置台にウエハを載置する(ステップS43)。
そして、TiCl4 ガス以外の処理ガス(例えばN2 、NH3 ガス)を処理チャンバーに流量が徐々に増大するように導入する(ステップS44)。これは、処理チャンバー内へ急峻に処理ガスのガス流量を増加するように導入すると、ウエハに反りが発生する虞れがあるためである。
その後、前記処理ガス(N2 、NH3 ガス)を処理チャンバー内に導入しつつ、ウエハをプリヒートする(処理前にウエハを成膜処理の温度に同じ温度まで予め加熱する)(ステップS45)。
このガス雰囲気中でウエハ上にTiN膜が成膜される(ステップS47)。そして、TiN膜が所望する膜厚まで成膜されたならば、NH3 、TiCl4 ガスの供給を停止し、N2 ガスをチャンバー内に導入したまま、チャンバー内の残留物(成膜成分)をパージ排気する(ステップS48)。
尚、前記ステップS47のTiN膜の成膜処理のプロセス条件は、TiCl4 ガス流量が10〜100sccm、NH3 ガス流量が20〜2000sccm、N2 ガス流量が500〜12220sccmであり、好ましくはTiCl4 ガス流量が25〜60sccm、NH3 ガス流量が100〜1000sccm、N2 ガス流量が500〜6000sccmである。全ガス流量に対するTiCl4 ガス流量の比は0.000087〜0.16であり、好ましくは0.0036〜0.09であり、NH3 ガスに対するTiCl4 ガス流量の比は0.005〜5であり、好ましくは0.025〜0.6である。また、前記ステップS49の窒化処理のプロセス条件は、全ガス流量に対するNH3 ガスのガス流量比が、0.0016〜0.8であり、好ましくは0.016〜0.66で成膜することにより良質なTiN膜が形成される。
このプラズマ成膜装置において、処理チャンバー201内に設けられた載置台202内には抵抗加熱ヒータ(図示省略)が埋め込まれている。この抵抗加熱ヒータによりウエハWを所定のプロセス温度、例えば400〜700℃程度に加熱し、成膜用の処理ガスとして例えばArガス、還元ガスとして例えばH2 ガス、又はSiH4 ガス及びTiを含むガスを、シャワーヘッド部204から、それぞれ所定量ずつ処理チャンバー201内へ導入し、シャワーヘッド部204には450kHz〜60MHzの高周波電圧を印加し、プラズマを生成してチタン成膜を形成する。例えばチタンを含むガスとしてTiCl4 、TiI4 、TiBr4 、有機Ti、例えばTi(C2 H5 )3 ガスがある。
このようにして、チタン成膜工程が終了したならば、次に、基板301を同じ載置位置でチタン窒化工程を行う。まず、チタン成膜用の処理ガスの供給を停止させた後、処理チャンバー201内の処理ガス雰囲気をAr、H2 ガスを供給しつつ排気する。次に、プラズマ窒化用ガスとして、ArガスとH2 ガスと少なくともN2 、NH3 、MMH(モノメチルドラジン)ガスの1つを混合したガス、又はそれぞれのガスを個別にシャワーヘッド部204から処理チャンバー201内へ供給し、チャンバー内部で混合させる。この窒化用ガスを導入して、処理チャンバー201内を窒化ガス雰囲気にする。次に高周波電源205から450kHz〜60MHzの高周波電圧をマッチングボックス206を介して、上部電極となるシャワーヘッド部204に印加して、チャンバー内に窒化用プラズマを生成させる。
この時の窒化処理条件として各ガスの供給量は、H2 :250〜3000sccm、N2 :50〜1000sccm、NH3 :50〜1000sccm、MMH:1〜100sccm程度である。プロセス圧力は、0.5〜10Torr程度、好ましくは1〜5Torr、プロセス温度は、350〜700℃程度である。また、高周波電力は、100〜2000Wであり、好ましくは500〜1000Wである。尚、H2 ガス、N2 ガス、NH3 ガス及びMMHガスの流量は、それぞれ適宜選択すればよく、前記流量に限定されるものではない。
このようにしてチタン窒化処理が終了したならば、この基板301を予め真空状態に維持されている別の成膜装置内へ移動し、その成膜装置内で、従来から公知な処理方法を用いて、図16(C)に示すようなチタンナイトライド膜を形成するための成膜工程を行う。コンタクトホール302の内壁面及び絶縁層306の上面全体に、バリヤメタル層として機能するチタンナイトライド膜305をCVDにより形成する。
このチタンナイトライド成膜工程が終了したならば、処理済みの基板301を成膜装置から搬出し、その後、図16(D)に示すように、このコンタクトホール302内にタングステンやアルミニウム、銅などの導電性材料307を埋め込む。
このように、チタン膜表面の窒化処理を、ArガスとH2 ガスと、少なくともN2 ガス、NH3 ガス、MMHガスの1つとの混合ガス雰囲気下でプラズマ処理することにより行うため、コンタクト抵抗を大幅に低下でき、さらに、チタン成膜時に生じたチャンバ内のバイプロダクトも安定な窒化物が形成されるので、それが剥がれてパーティクルの発生を防止することができる。
図19(A)〜図19(D)は、各ガスの存在の有無、或いは流量を変えた時のチップ数の度数(%)を示す図である。ここでチップ数の度数は、抵抗値として示しているが、任意の抵抗値の範囲内におけるチップの割合である。また、図26(A)は、全ガスに対するNH3 ガス比とチップ数の度数の関係を示し、図26(B)はH2 ガスに対するNH3 ガス比とチップ数の度数の関係を示す図である。
図19(A)は、NH3 ガスを用いないでH2 ガスとN2 ガスを用いて、H2 ガスの流量を変えた時のチップ数の度数を示す。図19(B)は、N2 ガスを用いないでH2 ガスとNH3 ガスを用いてNH3 ガスの流量を変えた時のチップ数の度数を示し、図17(C)と図19(D)は、N2 ガス、H2 ガス及びNH3 ガスを共に用い、NH3 ガスの流量を変えた時のチップ数の度数を示している。また、図17(C)は、N2 ガスを50sccmとし、図19(D)は、N2 ガスを500sccmとしている。その他にプラズマガスとしてArガスがそれぞれ用いられる。
前述した図1に示したような従来から周知な受け渡し機構は、ウエハを支持するための複数の押し上げピンが、それぞれに載置台のピン挿入孔を貫通して上下移動する構造である。この構成において、ウエハの受け渡しのために押し上げピンが上下に昇降してピン挿入孔の通り抜ける際に、摺動精度の悪さや熱変形が発生すると、ピン挿入孔の内壁に接触しつつ摺動してパーティクルを発生させる虞がある。発生したパーティクルは、ウエハ近傍のガス雰囲気内に入り込み、成膜時にウエハ表面に付着して、回路パターン欠陥を招いたり、またウエハの裏面側に付着して、ウエハ搬送時にパーティクルを他のチャンバーに持ち込む原因となる。また、場合によっては、ピン挿入孔の開口部に押し上げピンの先端が衝突して押し上げピンを破損する虞がある。
そこで、本実施形態で採用した受け渡し機構は、載置台の複数のピン挿入孔のそれぞれに押し上げピンが挿入される。この押し上げピンは、ピン挿入孔の深さの範囲内に収まる長さで形成される。それらの押し上げピンを下方(ピン挿入孔に沿った方向)から押し上げる押し上げ部材が連結される。この押し上げ部材(位置決め駆動ピン)を所定のストロークで上下移動させることにより、載置台の上面(ウエハ載置面)から押し上げピンがスムーズに昇降する構成である。
この押し上げピン311は、上端面が平坦であり、下端には、貫通しない範囲で嵌合穴314が形成されている。この嵌合穴314には、位置決め駆動ピン315の上端部分が挿入され固定されている。前記位置決め駆動ピン315の下端は、押し上げ部材316に貫装して固定されている。この押し上げ部材316は、後述する図15のアクチュエータ317Aに連結され上下駆動される。位置決め駆動ピン315の下方には、上昇制限を行うためのストッパ317が設けられている。上昇させる際にこのストッパ317に当て付けて停止させることにより、押し上げピン311の上昇位置を規定してもよい。
この処理チャンバー201は、図示しないロードロック室とゲートバルブを介して接続され、共に内部を排気して真空状態を維持することが可能である。図示しない搬送アームによりこれらの間でウエハの搬送が行われる。また、ウエハWを載置する載置台202は図示しない抵抗加熱ヒータが埋め込まれており、所望の温度までウエハを加熱して安定的に維持することができる。
さらに、そのプロセス処理が終了した後、再度、押し上げ部材316を上昇させる。この上昇で位置決め駆動ピン315が押し上げられると共に、ウエハWを載置する押し上げピン311が上昇される。そして持ち上げられた状態のウエハWの下方に搬送アームが差し入れられ、押し上げピン311の降下により、ウエハWが搬送アームに受け渡される。この搬送アームの退避と共にウエハWは、外部に搬出される。
また、ウエハWの裏面と載置台202の載置面との間の空間S1と、載置台202の裏面側(下方)の空間S2とが隙間313を介して連通しているため、ウエハの下降の際に空間S1に存在する気体を空間S2へ逃したり、またウエハWの上昇の際に、ウエハWの裏面と載置台の載置面とが密着した状態から空間S1ができる際に発生する載置位置のずれやウエハ落下を防止することができる。
この位置決め駆動ピン315は、押し上げピン311の嵌合穴318に嵌合する上部315aの外径が嵌合穴318の内径よりも僅かに小さく、押し上げピン311との間に隙間を有している。また位置決め駆動ピン315のツバ部315cの外径は、ピン挿入孔312の内径よりも僅かに小さく、ツバ部315cとピン挿入孔312の内壁との間に隙間313を有している。さらに、位置決め駆動ピン315の下部315bの外径はピン挿入孔312の内径よりも小さく、下部315bとピン挿入孔312の内壁との間に隙間を有している。
また、押し上げピン311の基準位置(下降位置)及び受け渡し位置(上昇位置)は、位置決め駆動ピン315と押し上げ部材316との固定位置を調整することにより、容易に調整できる。
この変形例では、位置決め駆動ピン315の下端部315dが押し上げ部材316にナット等320で固定されている。しかし位置決め精度に高い要求がない場合には、その下端部315dと押し上げ部材316とを、ある範囲内で摺動可能に装着してもよい。このような構成により、押し上げ部材316に熱による伸縮が発生しても、押し上げピン311の上下変動の影響を軽減させることができる。尚、この第1の変形例においても押し上げピン311とピン挿入孔312との間に隙間313を設けているため、昇降に際してこの隙間313を気体が通り抜け、ウエハWの載置面における位置ずれや押し上げピン311からの脱落等を防止することができる。
このような構成によれば、前述した受け渡し機構と同等の作用効果を得ることができ、さらに、押し上げピン311と位置決め駆動ピン319を設けているため載置台202で発生した熱が位置決め駆動ピン315へ伝わりにくくなり、位置決め駆動ピン315の熱変形等を防止することができる。
この第3の変形例は、載置台202に形成されたピン挿入孔312を貫通しない範囲で複数の押し上げピン311が短く形成される。これらの押し上げピン311を降下させた場合に、ストッパー的機能により確実に押し上げピン311を引き下げるための構成を有している。
図23に示すように、位置決め駆動ピン315の上端部には、ツバ状に張り出した膨出部321が形成される。また押し上げピン311の嵌合穴318の最下部に狭窄部322が形成される。膨出部321の最大外径寸法は狭窄部322の最小内径寸法より大きくなるように形成され、即ち、膨出部321が狭窄部322に引っ掛かって嵌合穴318から抜け出なければよい。膨出部321と狭窄部322とは、雄ねじと雌ねじの関係にあり、膨出部321をネジ込むことにより、嵌合穴318内に位置決め駆動ピン315の上端部を挿入する。尚、膨出部321と狭窄部322は、ネジ形状による係合だけではなく、例えば、狭窄部322にキー溝を形成し、膨出部321を一部が突出したキー突起部(キー溝と嵌合する)を形成し、嵌め入れて回転させて係合させてもよい。但し、キー突出部が簡単に抜け出ないようにキー溝を2段の積層構造にしたり、内部にストッパーを設ける等の必要がある。また、位置決め駆動ピン315の下端部は、押し上げ部材316にナット等320で固定されている。
このような構成により、載置台202に収納された際に、押し上げピン311がツバ部323により係止及び支持されるため、押し上げピン311が常に適正な位置で停止することができる。また、押し上げピン311と位置決め駆動ピン315との間に隙間319を設けているため、載置台202で発生した熱が位置決め駆動ピン315へ伝わりにくくなり、位置決め駆動ピン315の熱変形等を防止することができる。
この構成において、押し上げ部材316が図示しないアクチュエータ等により上昇されると、位置決め駆動ピン315の下端部と当接して、位置決め駆動ピン315を押し上げる。次に、位置決め駆動ピン315の上端部が上昇して、押し上げ部材316が嵌合穴318の最上部(底)に当接して、押し上げピン311がピン挿入孔312から押し出されるように上昇する。そして、押し上げ部材316の上昇停止により、押し上げピン311がウエハ受け渡し位置で停止する。
以上説明した被処理体の受け渡し機構は、押し上げピンが載置台を貫通して上下移動せずに、載置台の厚さと同等以下の長さの押し上げピンが載置台のピン挿入孔に挿入される。そのピン挿入孔に沿った方向つまり、垂直に移動可能に支持されており、押し上げピンが位置決め駆動ピンによりスムーズに昇降する。従って、パーティクル発生を抑制し、ピン挿入孔の開口部への押し上げピン先端の衝突による押し上げピンの破損を防止する。ウエハの裏面と載置台の載置面との間の空間と載置台裏の空間がピン挿入孔と押し上げピンとの間にある隙間により連通して、ウエハを載置台の載置面に載置及び離脱の際に気体の移動をスムーズに行い、ウエハの位置ずれやウエハ落下を防止することができる。さらに、載置台と押し上げピンの摺動により発生する振動によるウエハの位置ずれやピンからの落下を防止することができる。
4 処理ユニット
6 排気系
8 パーティクル計測手段
10 計測本体
14 クリーニング終点決定手段
16 処理チャンバー
20 載置台
32 加熱ランプ
40 シャワーヘッド部(ガス供給手段)
70 レーザ光照射部
76 散乱光検出部
80 低パーティクル数継続時間計測部
81 パーティクル数判断部
82 ジャストエッチ時点決定部
84 オーバーエッチ期間決定部
86 終点決定部
89 制御部
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (7)
- 真空引き可能になされた処理チャンバーと、
所定の処理が施される被処理体を載置する載置台と、
前記処理チャンバーへ必要なガスを供給するガス供給手段と、
途中に真空ポンプが介設されて前記処理チャンバー内の雰囲気を真空引きする排気系とを有す処理装置において、
排気ガス中に含まれるパーティクル数を計測するために前記排気系に設けられたパーティクル計測手段と、
前記処理チャンバー内にクリーニングガスを流してクリーニング処理を行う時に前記パーティクル計測手段の計測値に基づいて前記クリーニング処理の終点時点を決定するクリーニング終点決定手段とを備えたことを特徴とする処理装置。 - 前記クリーニング終点決定手段は、
前記パーティクル計測手段の計測値が、所定のパーティクル閾値以下であるか否かを判断するパーティクル数判断部と、
前記パーティクル数判断部の出力に基づいて前記計測値が所定の閾値以下の状態になっている継続時間を測定する低パーティクル数継続時間計測部と、
前記計測部の出力に基づいてジャストエッチ時点を決定するジャストエッチ時点決定部と、
前記ジャストエッチ時点までのクリーニング処理期間に基づいてオーバエッチング期間を決定するオーバエッチング期間決定部と、
前記オーバエッチング期間に基づいてクリーニング処理の終点時点を決定する終点決定部とよりなることを特徴とする請求項1記載の処理装置。 - 前記ジャストエッチ時点は、前記載置台の表面の大部分の不要な膜が略除去された時点であることを特徴とする請求項2記載の処理装置。
- 前記排気系は、複数の排気管を有しており、この複数の排気管の内の少なくともいずれか一本に前記パーティクル計測手段が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の処理装置。
- 前記所定の処理は、前記被処理体の表面に薄膜を堆積させる成膜処理であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の処理装置。
- 真空引き可能になされた処理チャンバーと、
所定の処理が施される被処理体を載置する載置台と、
前記処理チャンバーへ必要なガスを供給するガス供給手段と、
途中に真空ポンプが介設されて前記処理チャンバー内の雰囲気を真空引きする排気系とを有す処理装置のクリーニング方法において、
前記処理チャンバー内へクリーニングガスを流した時に前記排気系内を流れる排気ガスのパーティクル数を連続的に計測する工程と、
前記パーティクル数の計測値に基づいてクリーニング処理の終点時点を決定する工程とを有することを特徴とするクリーニング方法。 - 前記エッチング処理の終点時点を決定する工程は、
前記パーティクル数が所定の閾値以下となっている継続時間を測定するステップと、
前記継続時間に基づいてジャストエッチ時点を決定するステップと、
前記ジャストエッチ時点までのクリーニング処理期間に基づいてオーバエッチング期間を決定するステップと、
前記オーバエッチング期間に基づいてクリーニング終点時点を決定するステップとを有することを特徴とする請求項6記載のクリーニング方法。
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