JP4312291B2 - プラズマcvdによる成膜方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマCVDによる成膜方法に関し、特に、半導体装置製造工程でプラズマと化学反応による気相成長とTiCl4 を利用して基板上に薄膜を形成する成膜方法で塩素によって生じる問題を解消した技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の半導体装置製造の分野において、素子の集積化と微細化はますます進んでいる。素子の微細化は製造工程に新しい技術を要求する。すなわち微細ホール内への十分な膜の埋込み、素子内の段差を軽減する工夫、および電流密度を原因とした発熱やエレクトロマイグレーションによる断線の予防などの技術である。これらの要求に応える新しい製造工程として、熱CVD法(化学的気相成長法)によるブランケットタングステン膜(以下「B−W膜」と略称する)の形成が行われている。またスパッタリング法によるAl膜の形成も引続き行われている。
【0003】
上記のB−W膜やAl膜の形成では、下地層との導電性の確保、接着性の確保、浸食の防止(バリア性の確保)のため、下地層との間において、バリア膜であるチタン(Ti)膜とTiN膜が積層される。このチタン膜および窒化チタン膜の形成は、従来からスパッタリング法が用いられてきた。また後のアニール工程では、チタン膜と下地層(Si)を反応させチタンシリサイド層を形成することによって、良好な導電性(オーミックコンタクト)を得るようにしていた。
【0004】
しかしながら、ホールの微細化に伴ってスパッタリング法では十分な段差被覆性を得ることが困難になってきたため、近年では、プラズマと化学反応を用いた気相成長を利用して薄膜を形成するプラズマCVD法が注目されている。
【0005】
次にチタン膜、チタンシリサイド膜、窒化チタン膜の成膜について、プラズマCVDによる従来の成膜方法を説明する。
【0006】
チタン膜に関して、基板を加熱する加熱機構を内部に備えた反応容器内に水素(H2 )ガスを導入してプラズマを生成し、続いて四塩化チタン(TiCl4 )を導入することによって基板上にチタン膜が成膜される。またチタンシリサイド膜に関しても、上記と同様にしてプラズマを生成し、続いて四塩化チタンとシラン(SiH4 )を導入することによって基板上にチタンシリサイド膜が成膜される。窒化チタン膜(TiN膜)に関しても、上記と同様にしてプラズマを生成し、続いて四塩化チタンと窒素(N2 )を導入することによって基板上にTiN膜が成膜される。さらに、四塩化チタンと窒素の導入の代わりに、四塩化チタンと窒素とシランを導入することによってシリコンを含有する窒化チタン膜が成膜される。上記において、SiH4 を導入するのは膜中に残留する塩素(Cl)を減少させるためであり、本発明者らが独自に見出した方法である。さらにチタン膜またはチタンシリサイド膜の成膜後に、四塩化チタン、水素、シランに加え、さらに窒素を加えることで、チタン膜またはチタンシリサイド膜とシリコンを含有する窒化チタン膜との積層膜を同一の反応容器内で形成することも可能である。
【0007】
次に、前述のプラズマCVDを利用したチタン膜等の従来の成膜方法の処理工程を概略的に示すと、図3のごときフローチャートで示すことができる。図3から明らかなように、上記処理工程は、「ガス(H2 )導入・放電開始ステップ」である第1ステップ51と、「成膜ステップ」である第2ステップ52と、「排気ステップ」である第3ステップ53から構成されている。図3中には、第1ステップ51と第2ステップ52に関して、各ステップを実行するための条件の一例がブロック51a,52aの中に示されている。
【0008】
上記ステップ51〜53の前には、通常、前処理として、基板加熱や基板ホール底部の自然酸化膜のエッチングの工程が必要である。従ってプラズマCVDを利用したチタン膜等の従来の成膜方法を実施する基板処理装置では、一般的に、前処理工程と成膜工程の各処理が真空一貫で行うことが可能な、搬送室によって各処理室が連結されたマルチチャンバ式装置が採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のプラズマCVDを利用したチタン膜等の従来の成膜方法では、次のような問題が生じる。まず成膜処理時に、基板以外の反応容器内の低温部におけるプラズマと接触する部分においてTiCl4 の分解が不十分となり、当該部分に、Clが多量に含まれた膜(TiやTiSix の成膜の場合は、TiClx やTiSix Cly など、TiNの成膜の場合はTiNx Cly など)が付着する。低温部に付着したこの膜はCl系ガスの発生源となる。そのため、成膜後、反応容器内がポンプによって排気されても、反応容器内には多量のCl系ガスが残留する。この反応容器中に残留したCl系ガスは、成膜および排気の後、基板の入れ替えのため、反応容器と搬送室との間のゲートバルブを開けた際に、搬送室内に拡散し、さらに他の前処理室などに拡散することによって、搬送機械の腐食を引き起こし、装置稼働率を低下させたり、成膜前の基板を汚染し基板処理の歩留まりを低下させるといった問題を生じさせる。そこで、成膜後に残留する反応容器内の低温である部分に付着したCl系の膜を除去することが技術的に要求される。
【0010】
本発明に関連する先行技術文献として例えば特開平9−64035号公報、特開平8−213343号公報、特開平8−222544号公報を挙げることができる。これらの文献では、基板上に形成された膜に含まれる、または膜に付着した塩素を除去する技術を開示している。特開平9−64035号公報ではプラズマを利用して膜中の塩素を除去し、特開平8−213343号公報ではH2 の供給を増大させてClの離脱が容易なTiCl2 の生成を促進し、Cl含有量を低減し、特開平8−222544号公報ではプラズマ照射等を利用してエッチングを行い、処理表面等に吸着された塩素を除去し、塩素の残留を防止している。いずれも、基板に形成される膜についての塩素の除去技術である。
【0011】
本発明の目的は、従来のプラズマCVDによるチタン膜等の成膜における問題点を解決することにあり、TiCl4 を原料としたプラズマCVDによってチタン膜等を成膜するとき、反応容器内の低温部の付着膜が原因となる搬送室や前処理室および基板へのCl汚染を防止し、信頼性の高い素子を製造するプラズマCVDによる成膜方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るプラズマCVDによる成膜方法は、次のように構成される方法である。
【0015】
第1の成膜方法は、基板を収容した反応容器内に四塩化チタン、水素、窒素、シラン系ガスを導入してプラズマを生成し、基板上にシリコンを含有する窒化チタン膜を形成するプラズマCVDによる成膜方法であり、窒化チタン膜を形成する成膜工程に続いて、窒素と水素を含むガスを反応容器に導入して放電を生成し、基板以外の反応容器内の低温部に付着した膜を窒化し、膜中の塩素を除く窒化処理工程を設け、反応容器の内部圧力を0.005〜10Torrの範囲で低圧から高圧に変化するように制御した方法である。
【0016】
第2の成膜方法は、基板を収容した反応容器内に四塩化チタン、水素を導入してプラズマを生成し基板上にチタン膜を形成し、続いて四塩化チタン、水素に加えて窒素とシラン系ガスを導入して同様にプラズマを生成し、連続してシリコンを含有する窒化チタン膜を形成することによって、チタン膜と窒化チタン膜からなる積層膜を形成するプラズマCVDによる成膜方法であり、積層膜を形成する成膜工程に続いて、窒素と水素を含むガスを反応容器に導入して放電を生成し、基板以外の反応容器内の低温部に付着した膜を窒化し、膜中の塩素を除く窒化処理工程を設け、反応容器の内部圧力を0.005〜10Torrの範囲で低圧から高圧に変化するように制御した方法である。
【0017】
第3の成膜方法は、基板を収容した反応容器に四塩化チタン、シラン系ガスを導入してプラズマを生成して基板上にチタンシリサイド膜を形成し、続いて四塩化チタン、水素、シラン系ガスに加えて窒素を導入してプラズマを生成し、連続してシリコンを含有する窒化チタン膜を形成することによって、チタンシリサイド膜と窒化チタン膜からなる積層膜を形成するプラズマCVDによる成膜方法であり、積層膜を形成する成膜工程に続いて、窒素と水素を含むガスを反応容器に導入して放電を生成し、基板以外の反応容器内の低温部に付着した膜を窒化し、膜中の塩素を除く窒化処理工程を設け、反応容器の内部圧力を0.005〜10Torrの範囲で低圧から高圧に変化するように制御した方法である。
【0019】
上記の各成膜方法では、成膜工程の後に、基板の入れ替えを行うことなく、成膜が実行された反応容器内において、四塩化チタンまたはシラン系ガスの反応容器内への導入を停止し、かつ窒素と水素を含むガスの導入を行って放電を生成し、この放電によって、基板以外の反応容器の壁面などの低温部に付着した膜、すなわち還元が不十分で塩素(Cl)が多量に含まれたTiClx 、TiClx Siy 、TiClx Ny 、TiClx Ny Siz 等の膜を窒化処理し、これにより安定な物質に還元し、膜中のClをHClとしてガス化し、その後の排気工程でClを速やかに反応容器の外に排気することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明に係るプラズマCVDによる成膜方法を実施する処理工程を概略的に示したフローチャートであり、従来の処理工程(図3)と対比できるように示されている。この成膜方法によれば、反応容器内に導入される反応ガスに応じて、チタン膜、チタンシリサイド膜、窒化チタン膜のいずれか、およびチタン膜とチタンシリサイド膜と窒化チタン膜のいずれかを任意に組み合わせて形成される積層膜が成膜される。本実施形態による成膜の処理工程は、「ガス(H2 )導入および放電開始ステップ」である第1ステップ(第1工程)11、「成膜ステップ」である第2ステップ(第2工程)12、「窒化処理ステップ」である第3ステップ(第3工程)13、「排気ステップ」である第4ステップ(第4工程)14とから構成される。なお当然のことながら、第1ステップ11の前には基板を反応容器内に搬入するための基板搬送ステップ10、第4ステップ14の後には成膜を完了した基板を反応容器内に搬出するための基板搬送ステップ15が設けられている。処理工程の全体を大きく捉えると、第1ステップ11と第2ステップ12によって成膜処理の工程100が形成され、第3ステップ13によって窒化処理の工程200が形成される。成膜処理工程100の後に窒化処理工程200が設けられている。図3に示した処理工程と比較すると、第1ステップ11と第2ステップ12と第4ステップ14はそれぞれ第1ステップ51と第2ステップ52と第3ステップ53に対応している。第3ステップ13である窒化処理ステップは新たに付加されたステップであり、本発明に係る成膜方法の特徴工程の部分である。
【0022】
プラズマCVDによる上記の成膜方法は図2に示した成膜装置で実施される。成膜装置において、反応容器21は気密な金属製真空容器で形成され、排気ポート22および排気管23を介して排気機構24が付設されている。反応容器21の内部は排気機構24によって所要の減圧状態に保持される。また排気管23の途中には反応容器21の内部圧力を制御する制御バルブ25が付設されている。反応容器21の底部26には基板ホルダ27が設けられ、基板ホルダ27の上に基板28が搭載されている。基板ホルダ27の内部には基板28を加熱するためのヒータ29と、温度を検出する熱電対30が配置されている。基板28は基板ホルダ27の上で水平に保持され、成膜される面が上方を向いている。反応容器21の天井部31の側には反応ガスを内部空間に導入するためのシャワーヘッド式の反応ガス導入機構32が設けられる。反応ガス導入機構32は、反応容器21の外部に設けられた反応ガス供給機構33とガス配管34で接続されている。また反応ガス供給機構33が形成された板状部材35は上部電極である。上部電極35は、下部電極としても機能する基板ホルダ27に対向し、かつ高周波電力供給機構36に接続され、所要の高周波が給電されるように構成されている。上部電極35は、リング状の絶縁体37を介して天井部31の中央開口部31aの周囲下面に固定されている。高周波電力供給機構36は整合回路38と高周波電源39から構成される。他方、下部電極である基板ホルダ27は図示のごとく接地されている。なお反応容器21自体も接地されている。以上の構成を有する成膜装置に関し、その動作に関する具体的な内容は、以下の実施例の中で説明される。
【0023】
図1と図2を参照しながら本発明に係るプラズマCVDによる成膜方法と成膜装置の実施例を詳細に説明する。
【0024】
排気ポート22および排気管23を通して排気機構24により減圧状態に維持された反応容器21において、その基板ホルダ27の上に基板28が載置される。基板28の温度は、ヒータ29と、熱電対30と、関連する制御部とによる温度制御に基づいて300〜650℃の範囲に含まれる或る一定温度に維持されている。代表的な基板温度は400℃である。基板28の表面における成膜すなわち薄膜形成は、図1に示した各ステップに従って行われる。
【0025】
第1ステップ11である「ガス(H2 )導入および放電開始ステップ」においては、まず反応ガス供給機構33から水素(H2 )を、100〜1000sccmの範囲に含まれる一定流量、好ましくは500sccm供給し、反応ガス導入機構32を通して反応容器21の内部に当該水素ガスを導入する。反応容器21の内部を0.01〜1Torrの範囲に含まれる一定圧力、好ましくは0.1Torrに保った後、高周波電力を高周波電力供給機構36から上部電極35に供給・印加して反応容器21内の基板28の直上にプラズマを生成する。本実施例における印加高周波電力は200〜1000Wの範囲に含まれる一定電力、好ましくは500Wであり、印加高周波電力の周波数は13.56〜200MHzの範囲に含まれる一定周波数、好ましくは60MHzである。
【0026】
次に第2ステップ12である「成膜ステップ」では、反応ガス供給機構33から、形成しようとする膜に応じて原料となる必要な反応ガスが供給される。例えば、四塩化チタン(TiCl4 )を導入してチタン膜が形成され、または、TiCl4 とシラン系ガス(例えばSiH4 、一般的にはSin H2n+2)を導入してチタンシリサイド膜が形成される。本実施例におけるTiCl4 の流量は1〜5sccmの範囲に含まれる一定流量、SiH4 の流量は0.1〜2.5sccmの範囲に含まれる一定流量であり、基板28の温度、反応容器21の内部圧力、H2 の流量、高周波電力は第1ステップ11の場合と同じである。代表的な流量条件は、TiCl4 が3.5sccm、SiH4 が1.0sccmである。
【0027】
第2ステップ12では、その他に、同様にして、TiCl4 とN2 を導入することによって窒化チタン膜を形成すること、またはTiCl4 とN2 とSiH4 を導入することによってシリコンを含有した窒化チタン膜を形成することができる。本実施例におけるTiCl4 の流量は1〜5sccmの範囲に含まれる一定流量、N2 の流量は10〜30sccmの範囲に含まれる一定流量、SiH4 の流量は0.1〜2.5sccmの範囲に含まれる一定流量である。代表的な流量条件は、TiCl4 が3.5sccm、SiH4 が1.0sccm、N2 が20sccmである。また基板28の温度、反応容器21の内部圧力、H2 の流量、および高周波電力は第1ステップ11の場合と同じである。
【0028】
さらに第2ステップ12では、同様な成膜条件で、チタン膜またはチタンシリサイド膜を形成した後に連続して窒化チタン膜を形成することもでき、これにより積層膜を形成することもできる。
【0029】
第2ステップ12である「成膜ステップ」では、上記のごとく基板28上に所望の薄膜が形成されると同時に、基板28以外の反応容器21内の低温部でプラズマが照射される部分、例えば反応容器21の内壁面などには、TiCl4 の分解が不十分であるために生じたClが多量に含まれた膜、すなわち、例えばTiやTiClx やTiSix Cly の膜、TiN成膜の場合はTiNx Cly の膜が付着する。この壁面などに付着したかかる膜は、Cl系ガス(例えばHCl)の発生源となる。そのため、成膜後に反応容器21を排気しても、その後において反応容器内には多量のCl系ガスが残留することになる。そのため、従来技術に関連して説明した問題が生じる。
【0030】
そこで成膜ステップの第2ステップ12に続いて「窒化処理ステップ」である第3ステップ13が実施される。窒化処理ステップでは、基板は交換されることなく、成膜が完了した基板28は反応容器21内に置かれたままである。かかる窒化処理ステップにおいて、基板28以外の反応容器21の内部に壁面などに付着したClが多量に含まれた膜の窒化が行われる。すなわち、第3ステップ13では、TiCl4 またはSiH4 の導入が停止され、他方、H2 とN2 の導入が行われる。第3ステップ13においてH2 とN2 による放電が生成され、放電が継続され、反応容器内の基板以外の低温部に付着した膜の窒化処理を行うためのプラズマが生成される。第3ステップ13によって基板28以外の壁面などに付着した膜、すなわち還元不十分でClが多量に含まれたTiClx 、TiClx Siy 、TiClx Ny 、TiClx Ny Siz 等の膜は、TiN、TiNx Siy などの安定な物質に還元され、膜中のClはHClとしてガス化することができる。これによって、反応容器21の内部のClを速やかに反応容器の外へ排気することができる。なお基板上に形成された膜は表面に保護膜が形成されるため、窒化処理されることはなく、反応容器内の基板以外の低温部に付着した膜のみが窒化処理される。
【0031】
以上から明らかなように、第3ステップ13では、多量のClを含む付着膜の窒化を起こり易いようにするため、できる限り多くN2 を導入し、またHClを生成するために適度なH2 を混合することが望ましい。さらに反応容器21の内部の壁部の隅々にまで放電が行き渡るように、内部圧力も低圧から高圧と変化させるような制御を行うことが望ましい。従って第3ステップ13の条件は、H2 の導入流量は100〜1000sccmの範囲に含まれる一定流量、N2 の導入流量は100〜1000sccmの範囲に含まれる一定流量、反応容器21の内部圧力は0.005(5mTorr)〜10Torrの範囲に含まれる圧力、高周波電力は200〜1000Wの範囲に含まれる一定電力であり、印加周波数は13.56〜200MHzの範囲に含まれる一定周波数である。またほ実施例に係る装置では、制御バルブ25でコンダクタンスを変化させ、反応容器21の内部圧力を制御している。以上において代表的な条件は、H2 が500sccm、N2 が500sccm、内部圧力が0.3Torr、高周波電力が1000W、および印加周波数が60MHzである。
【0032】
最後の第4ステップ14では、反応容器21内へのすべてのガスの導入を停止し、排気機構24によって排気が行われる。
【0033】
以上のごとく、本実施形態によるプラズマCVDによる成膜方法では、第3ステップ13である窒化処理ステップを導入したため、これによって1分間の排気処理による反応容器21の内部圧力に関する到達圧力は、従来の場合の1/10以下となった。これは、成膜時に反応容器21の内部の低温である内壁面等に付着した多量にClを含む膜を窒化し当該Clをなくしたことによって、付着膜からのCl系ガス(HClなど)の放出が激減したからである。
【0034】
なお前述の実施形態によれば、基板28の交換時に反応容器21から搬送室へのCl系ガスの拡散量が1/10に低下した結果、搬送機械の腐食も激減し、成膜装置の稼働率が従来の場合よりも非常に向上した。また前処理室などへのCl系ガスの拡散量も減少したため、基板処理の歩留まりも従来の場合より向上させることができた。
【0035】
以上の説明において、本発明による成膜方法および成膜装置は平行平板型プラズマCVD装置を用いて説明されたが、本発明は、他のプラズマCVD装置、例えば、ECR型プラズマCVD装置、誘導結合型プラズマCVD装置などに用いることも可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、プラズマCVDを利用してTiCl4 を原料としてチタン膜、チタンシリサイド膜、窒化チタン膜、またはこれらの任意の積層膜等を成膜するにあたり、成膜ステップの後の基板を交換する前の段階で窒化処理ステップを設け、この窒化処理ステップによって基板以外の反応容器の低温部に付着するClを多量に含む膜を窒化し、当該膜からのCl系ガスの放出を防止したため、搬送室や前処理室および基板へのCl汚染を防止し、搬送機械の腐食を防止し、成膜装置の稼働率を高くでき、信頼性の高い素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマCVDによる成膜方法の工程を示す図である。
【図2】本発明に係る成膜装置の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】従来の成膜方法の工程を示す図である。
【符号の説明】
21 反応容器
24 排気機構
27 基板ホルダ
28 基板
32 反応ガス導入機構
Claims (3)
- 基板を収容した反応容器内に四塩化チタン、水素、窒素、シラン系ガスを導入してプラズマを生成し、前記基板上にシリコンを含有する窒化チタン膜を形成するプラズマCVDによる成膜方法において、
前記窒化チタン膜を形成する成膜工程に続いて、窒素と水素を含むガスを前記反応容器に導入して放電を生成し、前記基板以外の前記反応容器内の低温部に付着した膜を窒化し、前記膜中の塩素を除く窒化処理工程を設け、前記反応容器の内部圧力を0.005〜10Torrの範囲で低圧から高圧に変化するように制御したことを特徴としたプラズマCVDによる成膜方法。 - 基板を収容した反応容器内に四塩化チタン、水素を導入してプラズマを生成し前記基板上にチタン膜を形成し、続いて四塩化チタン、水素に加えて窒素とシラン系ガスを導入して同様にプラズマを生成し、連続してシリコンを含有する窒化チタン膜を形成することによって、前記チタン膜と前記窒化チタン膜からなる積層膜を形成するプラズマCVDによる成膜方法において、
前記積層膜を形成する成膜工程に続いて、窒素と水素を含むガスを前記反応容器に導入して放電を生成し、前記基板以外の前記反応容器内の低温部に付着した膜を窒化し、前記膜中の塩素を除く窒化処理工程を設け、前記反応容器の内部圧力を0.005〜10Torrの範囲の範囲で低圧から高圧に変化するように制御したことを特徴としたプラズマCVDによる成膜方法。 - 基板を収容した反応容器に四塩化チタン、シラン系ガスを導入してプラズマを生成して前記基板上にチタンシリサイド膜を形成し、続いて四塩化チタン、水素、シラン系ガスに加えて窒素を導入してプラズマを生成し、連続してシリコンを含有する窒化チタン膜を形成することによって、前記チタンシリサイド膜と前記窒化チタン膜からなる積層膜を形成するプラズマCVDによる成膜方法において、
前記積層膜を形成する成膜工程に続いて、窒素と水素を含むガスを前記反応容器に導入して放電を生成し、前記基板以外の前記反応容器内の低温部に付着した膜を窒化し、前記膜中の塩素を除く窒化処理工程を設け、前記反応容器の内部圧力を0.005(5mTorr)〜10Torrの範囲で低圧から高圧に変化するように制御したことを特徴としたプラズマCVDによる成膜方法。
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