JPH07235530A - 絶縁膜の形成方法 - Google Patents

絶縁膜の形成方法

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JPH07235530A
JPH07235530A JP2705194A JP2705194A JPH07235530A JP H07235530 A JPH07235530 A JP H07235530A JP 2705194 A JP2705194 A JP 2705194A JP 2705194 A JP2705194 A JP 2705194A JP H07235530 A JPH07235530 A JP H07235530A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機シランガスを用い、プラズマCVD法に
より、良好な膜質、特に優れた電気特性を有する絶縁膜
の形成方法を提供すること。 【構成】 有機シランガスを用い、プラズマCVD法に
よって基板上に絶縁膜を形成する方法において、フッ素
を構成元素に含むガスを処理槽内に供給し、高周波電力
を印加し、プラズマ放電を起こすプラズマ処理工程を施
した後、絶縁膜を形成する絶縁膜堆積工程を施すことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁膜の形成方法に関
し、特に薄膜トランジスタ(TFT)などのゲート絶縁
膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、有機シランを用いたプラズマ
CVD法による絶縁膜の形成方法は、概略、図4に示す
タイムチャートに基づいて行われている。例えば、シリ
コン酸化膜を堆積させる場合を例にとると、有機シラン
ガスと酸化性ガスからなる原料ガスをチャンバー内に導
入し、所定時間t0 経過後、高周波電力を印加し、プラ
ズマ放電を開始する。このプラズマ放電により、有機シ
ランガスが分解、酸化されてシリコン酸化膜が基板上に
堆積するわけである。そして、このような絶縁膜堆積工
程を行う前に、通常、前処理として、濃硫酸による煮
沸、希フッ酸による洗浄、純水洗浄および乾燥を行い、
基板および半導体上の有機不純物、自然酸化膜の除去を
行っている。
【0003】しかしながら、従来の方法では、前処理と
絶縁膜の堆積の間に基板が大気にさらされるため、基板
上に大気成分が吸着したり、自然酸化膜が発生したりし
ていた。また、プラズマ放電の初期においては、酸素ラ
ジカル、酸素イオンの発生量が少なく、酸化が十分に進
まず、有機シランガスの中間反応生成物がSi酸化膜に
なりきらずに堆積するため、半導体/絶縁膜界面にOH
基、Cなどの不純物が大量に含まれていた。このよう
に、従来の形成方法では、成膜したSi酸化膜と基板と
の界面にOH基、Cなどの不純物が大量に含まれ、膜
質、特に、電気特性が悪化し、特にTFTなどのゲート
絶縁膜に用いる場合にはこれが大きな問題となってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの事
情に鑑みてなされたものであって、有機シランガスを用
い、プラズマCVD法により、良好な膜質、特に優れた
電気特性を有する絶縁膜の形成方法を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、有機シラ
ンガスを用い、プラズマCVD法によって基板上に絶縁
膜を形成する方法において、フッ素を構成元素に含むガ
スを処理槽内に供給し、高周波電力を印加し、プラズマ
放電を起こすプラズマ処理工程を施した後、絶縁膜を形
成する絶縁膜堆積工程を施すことで解決できる。また、
上記プラズマ処理工程と、後続する絶縁膜堆積工程との
間で、処理槽内を真空にしてもよい。さらに、上記プラ
ズマ処理工程と、後続する絶縁膜堆積工程との間で、プ
ラズマ放電を中断しないことがよい。また、プラズマ処
理工程における高周波電力が、0.1〜1.0W/cm
2 であり、基板温度が250〜400℃であり、処理槽
内の圧力が20〜150Paであり、処理時間が2〜1
0分であることが好ましい。さらに、前記フッ素を構成
元素に含むガスが、F2、NF3、Cn2(n+1) (ここ
で、n=1、2、3、4)のうち少なくとも1種を含む
ガスであり、前記有機シランガスが、テトラエチルオル
ソシリケイト、ジエチルシラン、トリエトキシシラン、
テトラエチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシ
クロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テ
トラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、テト
ラキスジメチルアミノシラン、ヘキサメチルシクロトリ
シラザンのうちから選択される1種であることが好まし
い。
【0006】
【作用】プラズマCVD法によって基板上に絶縁膜を形
成させる前に、フッ素を構成元素に含むガスを用いたプ
ラズマ処理工程を実施することにより、フッ素ラジカル
により大気成分不純物および自然酸化膜を除去でき、さ
らにその後、基板に吸着したフッ素ラジカルまたはフッ
素原子により、その後のプラズマCVD初期の未反応生
成物の大部分はガス状の生成物に変えられ、排除され
る。
【0007】
【実施例】次に、本発明の絶縁膜の形成方法について詳
しく説明する。図1は、本発明による絶縁膜の形成方法
の第1の例を説明するための主要な操作のタイムチャー
トを示し、図3は、この形成方法を実施するために用い
られる装置10の一例を示すものである。
【0008】図3において、符号11は処理槽で、この
処理槽11内には、高周波電源12に接続されたカソー
ド電極13が設けられている。さらに、このカソード電
極13より下方でカソード電極13に対向する位置に、
平行平板電極のアノードとなる試料台14が設置され、
さらにその上には、絶縁膜を堆積させる基板15が載せ
られている。さらに、処理槽11の一面には、真空排気
口17である、1本のパイプが挿入されており、このパ
イプには、コンダクタンスバルブ16が具備されてい
る。また、その対面には、ガス導入口18、19、20
である3本のパイプが挿入されており、それぞれ処理槽
11より外側の部分にはバルブ21、22、23と、さ
らにこれらより処理槽11側には、マスフローコントロ
ーラー24、25、26とが具備されている。さらに、
高周波電源12および試料台14は、アースに接続され
ている。
【0009】次に、このような装置10を用いて絶縁膜
を形成する方法を図1に従って説明する。まず、時刻1
において、図3に示すバルブ23を開き、処理槽11内
に、フッ素を構成元素に含むガスを供給する。ついで、
圧力安定化のための時間t0 後、時刻2において、高周
波電源12より高周波電力を印加し、プラズマ放電を開
始する。このようにすることで、処理槽11内にフッ素
ラジカルが生成され、基板上の大気成分、有機不純物に
結合し、気体となり、処理槽11外に排気されて、基板
15表面が清浄化される。
【0010】前記プラズマ処理工程を所定の処理時間行
い、この処理時間t1 経過後、時刻3において、高周波
電源12を切り、バルブ23を閉じて、高周波電力、フ
ッ素を構成元素に含むガスの供給を停止し、プラズマ放
電を終了する。ついで、処理槽11内を高真空にするた
め、コンダクタンスバルブ16を全開し、真空排気口1
7から排気する。この真空排気のための所定時間t2
過後、時刻4において、バルブ21、22を開き、絶縁
膜の堆積のために必要な原料ガスを供給する。その後、
圧力安定化のための時間t0 後、時刻5において高周波
電力を印加し、プラズマ放電を開始する。そして、所定
の膜厚の絶縁膜を形成後、時刻6において、高周波電源
12を切り、バルブ21、22を閉じて、高周波電力、
原料ガスの供給を停止する。
【0011】ここで、圧力安定化の時間t0 はなくても
良いが、通常0.1〜2分程度とされる。また、プラズ
マ処理工程の処理時間t1 としては、0.5分以上であ
ればよいが、2〜10分の範囲が好ましい。さらに、真
空排気のための所定時間t2 は、0.5分以上であれば
よいが、0.5〜5分の範囲であることが好ましい。
【0012】また、印加する高周波電力は、0.1〜1
W/cm2 とすることが好ましい。これは、高周波電力
が0.1W/cm2 未満であると、フッ素ラジカルの生
成が不十分で、十分な不純物除去が難しく、また、高周
波電力が1.0W/cm2 を越えても、フッ素ラジカル
量はあまり増加せず、効果の向上は期待できないからで
ある。また、基板温度は、250℃〜400℃にするこ
とが好ましく、処理槽11内の圧力は20〜150Pa
とすることが好ましい。
【0013】ここで、絶縁膜の堆積に用いる原料ガスの
うち、有機シランガスとしては、分子中にシリコンと酸
素あるいは窒素の結合を有する有機性物質のガスであっ
て、プラズマCVD法によって、基板上に絶縁膜を形成
させる際に使用されるものはすべて含まれるが、絶縁膜
としてシリコン酸化膜を形成させる場合は、テトラエチ
ルオルソシリケイト、ジエチルシラン、トリエトキシシ
ラン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメ
チルジシロキサンであることが好ましい。また、酸化性
ガスとしては、酸素、亜酸化窒素、オゾン含有酸素など
が用いられる。
【0014】また、シリコン窒化膜を形成させる場合に
は、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザ
ン、テトラキスジメチルアミノシラン、ヘキサメチルシ
クロトリシラザンのような分子中に酸素を含まない有機
シランガスが好ましい。また、窒化性ガスとしては、ア
ンモニア、窒素などが用いられる。
【0015】また、フッ素を構成元素に含むガスとして
は、分子中にフッ素原子を含み、プラズマCVDの環境
下で、フッ素ラジカルを形成しえるガスはすべて含まれ
るが、F2 、NF3 、Cn 2(n+1)(ここで、n=1、
2、3、4)が含まれることが好ましい。
【0016】つぎに、本発明の絶縁膜の形成方法の第2
の例を説明する。図2に、この第2の例の絶縁膜の形成
方法を説明するための主要な操作のタイムチャートを示
す。この絶縁膜の形成方法が上述の第1の例と異なると
ころは、プラズマ処理工程と絶縁膜堆積工程間でプラズ
マ放電を中断することなく、高周波電力を供給しつづ
け、処理槽11内をフッ素を構成元素に含むガスから絶
縁膜の堆積のために必要な原料ガスに変更するところに
ある。その他は第1の例と同様である。
【0017】図2に従って説明する。図2の時刻1にお
いて、図3に示すバルブ23を開き、処理槽11内に、
フッ素を構成元素に含むガスを供給する。圧力安定化の
ための時間t0 後、時刻2において高周波電源12よ
り、高周波電力を印加し、プラズマ放電を開始すると、
処理槽11内にフッ素ラジカルが生成され、基板15上
の大気成分、有機不純物に結合し、気体となり、処理槽
11外に排気されていき、基板表面が清浄化される。
【0018】ついで、プラズマ処理の時間t1 経過後、
時刻3で、バルブ23を閉じ、フッ素を構成元素に含む
ガスの供給を停止すると同時に、バルブ21およびバル
ブ22を開き、絶縁膜の堆積のために必要な原料ガスを
供給する。このとき、プラズマ放電を中断することなく
継続させ、そして、所定の膜厚の絶縁膜を形成後、時刻
6において、高周波電源12を切り、バルブ21、22
を閉じ、高周波電力、原料ガスの供給を停止する。
【0019】このような絶縁膜の形成方法では、有機シ
ランガスを用い、プラズマCVD法によって基板15上
に絶縁膜を形成する方法において、フッ素を構成元素に
含むガスを処理槽11内に供給し、高周波電力を印加
し、プラズマ放電を起こすプラズマ処理工程を施した
後、絶縁膜を形成する絶縁膜堆積工程を施すことを特徴
とする絶縁膜の形成方法であるので、フッ素ラジカルに
より大気成分不純物および自然酸化膜を除去でき、さら
にその後、基板に吸着したフッ素ラジカルまたはフッ素
原子により、その後のプラズマCVD初期の未反応生成
物の大部分はガス状の生成物に変えられ、排除されるた
め、絶縁性や界面特性が改善され、良質の絶縁膜を得る
ことができる。
【0020】以下、具体例を示し、本発明の効果を明ら
かにする。 (実施例1)まず、図3に示したものと同様のプラズマ
CVD装置10を用意した。そして、処理槽11内のカ
ソード電極13の下方にあり、平行平板電極のアノード
を構成する試料台14上に基板15をセットし、処理槽
11内部の空気を真空排気口17から排気し、高真空と
した。試料台14内部にはヒーターが内蔵されており、
基板15がプロセス中、315℃に保たれるように制御
した。
【0021】そして、図1に示す本発明による絶縁膜の
形成方法の第1の例を説明するためのタイムチャートに
従って、ガスの供給、高周波電力の印加を制御した。ま
ず、時刻1において、フッ素を構成元素に含むガスとし
て、CF4 をバルブ23を開くことにより、ガス導入口
20よりマスフローコントローラー26を通して、処理
槽11内に供給した。CF4 の流量はマスフローコント
ローラー26により100sccm(スタンダードcc
/min)に制御した。処理槽11内の圧力は真空排気
口17に接続されたコンダクタンスバルブ16を可変す
ることにより130Paに制御した。
【0022】ついで、圧力安定化のために時間t0 とし
て1分経過後、時刻2において高周波電源12より1
3.56MHzの高周波電力を250W(0.55W/
cm2)を印加した。CF4 によるプラズマ放電を時間
1 として、5分間継続後時刻3に、高周波電源12を
停止、バルブ23を閉じ、CF4 の供給を停止した。つ
いで、処理槽11内を高真空に排気した。
【0023】時間t2 として、5分経過後、時刻4に絶
縁膜を堆積するための原料ガスとしてテトラエチルオル
ソシリケイト(以後TEOSと記す)と酸素をそれぞれ
ガス導入口18および19より、バルブ21、22、マ
スフローコントローラー24、25を通して、処理槽1
1内に供給した。TEOSの流量をマスフローコントロ
ーラー24により6sccmに制御した。
【0024】また、TEOS気化器(図示せず)から処
理槽11までの配管を、TEOSの再凝固を防ぐために
95℃に保温した。酸素の流量をマスフローコントロー
ラー25により100sccmに制御した。処理槽11
内の圧力は真空排気口17に接続されたコンダクタンス
バルブ16を可変することにより、130Paに制御し
た。ついで、圧力安定化のために時間t0 として1分経
過後、時刻5において高周波電源12より、13.56
MHzの高周波電力を250W(0.55W/cm2
印加した。ここで、プラズマ放電が開始され、シリコン
酸化膜の堆積が開始した。所定の膜厚100nm成膜
後、時刻6において高周波電源12を停止し、バルブ2
1、22を閉じて原料ガスの供給を停止した。そして、
処理槽11内を高真空に排気し、その後大気圧にし、処
理槽11を開けて、絶縁膜が形成された基板15を取り
出した。
【0025】(実施例2)図3に示したものと同様のプ
ラズマCVD装置10を用意した。そして、処理槽11
内のカソード電極13の下方にあり、平行平板電極のア
ノードを構成する試料台14上に基板15をセットし、
処理槽11内部の空気を真空排気口17から排気し、高
真空とした。試料台14内部にはヒーターが内蔵されて
おり、基板15がプロセス中315℃に保たれるように
制御した。
【0026】そして、図2に示す本発明による絶縁膜の
形成方法の第2の例を説明するためのタイムチャートに
従って、ガスの供給、高周波電力の印加を制御した。ま
ず、時刻1においてフッ素を構成元素に含むガスとし
て、CF4 をバルブ23を開くことにより、ガス導入口
20よりマスフローコントローラー26を通して、処理
槽11内に供給した。CF4 の流量はマスフローコント
ローラー26により100sccm(スタンダードcc
/min)に制御した。処理槽11内の圧力は、真空排
気口17に接続されたコンダクタンスバルブ16を可変
することにより130Paに制御した。
【0027】ついで、圧力安定化のための時間t0 とし
て1分経過後、時刻2において高周波電源12より1
3.56MHzの高周波電力を250W(0.55W/
cm2)を印加した。CF4 によるプラズマ放電を時間
1 として、5分間継続後、時刻3において、バルブ2
3を閉じ、CF4 の供給を停止すると同時に、バルブ2
1、22を開き、原料ガスとしてTEOSと酸素をそれ
ぞれガス導入口18および19よりバルブ21、22、
マスフローコントローラー24、25を通して、処理槽
11内に供給した。ここで、TEOSの流量をマスフロ
ーコントローラー24により6sccmに制御した。
【0028】また、TEOS気化器(図示せず)から処
理槽11までの配管を、TEOSの再凝固を防ぐため
に、95℃に保温した。さらに、ガスの切り替えの間、
高周波電力の印加を継続し、プラズマ放電を継続した。
酸素の流量はマスフローコントローラー25により、1
00sccmに制御した。処理槽11内の圧力を、真空
排気口17に接続されたコンダクタンスバルブ16を可
変することにより、130Paに制御した。
【0029】ここで、シリコン酸化膜の堆積が開始す
る。所定の膜厚100nm成膜後、時刻6において高周
波電源12を停止し、バルブ21、22を閉じて原料ガ
スの供給を停止した。そして、処理槽11内を高真空に
排気し、その後大気圧にし、処理槽11を開けて絶縁膜
が形成された基板15を取り出した。
【0030】(試験例1)本発明の絶縁膜の形成方法の
第1および第2の例と従来の絶縁膜の形成方法により、
成膜パラメーター(ガス流量、圧力、高周波電力、基板
温度など)は同一にして、それぞれ図1、図2および図
4のタイムチャートに基づいて、Siウェハー上に10
0nmのシリコン酸化膜を堆積し、その上に面積0.0
05cm2のAl電極をもつMOSキャパシタを作成し
て特性の比較を行った。なお、すべてのSiウェハーは
前処理として、濃硫酸150℃、10分、5%フッ酸、
7分の処理と純水洗浄、乾燥を行い、30分程度で絶縁
膜の形成を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1中、リーク電流は2MVcm-1の電界
を加えて測定されたものである。表1に示した結果から
明らかなように、本発明の絶縁膜の形成方法の第1の例
および第2の例によって形成された絶縁膜は、従来の形
成方法によるものより絶縁耐圧が高く、界面準位密度、
リーク電流が小さく、非常に良好な電気特性を有してい
ることが確認された。これは薄膜トランジスタ、MIS
トランジスタなどのゲート絶縁膜として、十分な特性を
もつものである。
【0033】(試験例2)本発明の絶縁膜の形成方法の
第1および第2の例と従来の絶縁膜の形成方法により、
成膜パラメーター(ガス流量、圧力、高周波電力、基板
温度など)は同一にして、それぞれ図1、図2および図
4のタイムチャートに基づいて、Siウェハー上に10
0nmのシリコン酸化膜を堆積し、その上に面積0.0
05cm2のAl電極をもつMOSキャパシタを作成し
て、特性の比較を行った。なお、すべてのSiウェハー
は前処理を行わずに、絶縁膜の形成を行った。その結果
を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2中、リーク電流は2MVcm-1の電界
を加えて測定されたものである。表2に示した結果から
明らかなように、本発明の絶縁膜の形成方法を用いれ
ば、前処理としての洗浄は省略可能であることがわか
る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の絶縁膜の
形成方法は、有機シランガスを用い、プラズマCVD法
によって基板上に絶縁膜を形成する方法において、フッ
素を構成元素に含むガスを処理槽内に供給し、高周波電
力を印加し、プラズマ放電を起こすプラズマ処理工程を
施した後、絶縁膜を形成する絶縁膜堆積工程を施すこと
を特徴とする絶縁膜の形成方法であるので、フッ素ラジ
カルにより大気成分不純物および自然酸化膜を除去で
き、さらにその後、基板に吸着したフッ素ラジカルまた
はフッ素原子により、その後のプラズマCVD初期の未
反応生成物の大部分はガス状の生成物に変えられ、排除
されるため、絶縁性や界面特性が改善され、絶縁膜の膜
質、特に電気特性を大幅に向上させることができる。従
って、低温で良質のゲート絶縁膜が形成でき、とりわ
け、低融点の基板を用いた薄膜トランジスタのゲート絶
縁膜の形成には有効である。また、基板表面の清浄化が
効率的に行えるため、通常行っている前処理の洗浄を省
略することが可能になるなどの効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の絶縁膜の形成方法の第1の例を説明
するためのタイムチャートである。
【図2】 本発明の絶縁膜の形成方法の第2の例を説明
するためのタイムチャートである。
【図3】 絶縁膜の形成方法に用いられるプラズマCV
D装置の模式図である。
【図4】 従来の絶縁膜の形成方法を説明するためのタ
イムチャートである。
【符号の説明】
10…プラズマCVD装置、11…処理槽、12…高周
波電源、13…カソード電極、14…試料台、15…基
板、16…コンダクタンスバルブ、17…真空排気口、
18、19、20…ガス導入口、21、22、23…バ
ルブ、24、25、26…マスフローコントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/318 B 7352−4M

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機シランガスを用い、プラズマCVD
    法によって基板上に絶縁膜を形成する方法において、 フッ素を構成元素に含むガスを処理槽内に供給し、高周
    波電力を印加し、プラズマ放電を起こすプラズマ処理工
    程を施した後、 絶縁膜を形成する絶縁膜堆積工程を施すことを特徴とす
    る絶縁膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 上記プラズマ処理工程と、後続する絶縁
    膜堆積工程との間で、処理槽内を真空に保つことを特徴
    とする請求項1記載の絶縁膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 上記プラズマ処理工程と、後続する絶縁
    膜堆積工程との間で、プラズマ放電を中断しないことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の絶縁膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 上記プラズマ処理工程における高周波電
    力が0.1〜1.0W/cm2 であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の絶縁膜の形成方
    法。
  5. 【請求項5】 上記プラズマ処理工程における基板温度
    が250〜400℃であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか一つに記載の絶縁膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 上記プラズマ処理工程における処理槽内
    の圧力が20〜150Paであることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか一つに記載の絶縁膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 上記プラズマ処理工程における処理時間
    が2〜10分であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか一つに記載の絶縁膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 上記のフッ素を構成元素に含むガスが、
    2、NF3、Cn2 (n+1) (ここで、n=1、2、3、
    4)のうち少なくとも1種を含むガスであることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の絶縁膜の形
    成方法。
  9. 【請求項9】 上記有機シランガスが、テトラエチルオ
    ルソシリケイト、ジエチルシラン、トリエトキシシラ
    ン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、テトラメチ
    ルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサ
    ン、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザ
    ン、テトラキスジメチルアミノシラン、ヘキサメチルシ
    クロトリシラザンのうちから選択される1種であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の絶縁
    膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 絶縁膜がシリコン酸化膜であることを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の絶縁膜
    の形成方法。
  11. 【請求項11】 絶縁膜がシリコン窒化膜であることを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の絶縁膜
    の形成方法。
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