JPH09223693A - シリコン化合物系絶縁膜の成膜方法 - Google Patents

シリコン化合物系絶縁膜の成膜方法

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JPH09223693A
JPH09223693A JP23624396A JP23624396A JPH09223693A JP H09223693 A JPH09223693 A JP H09223693A JP 23624396 A JP23624396 A JP 23624396A JP 23624396 A JP23624396 A JP 23624396A JP H09223693 A JPH09223693 A JP H09223693A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低誘電率で、優れた膜質を有し、埋め込み特
性に優れるとともに、経時変化の少ない膜質の安定した
Si化合物系絶縁膜の成膜方法を提供する。 【解決手段】 プラズマを生成させるプラズマ室1と、
ウエハWが載置され、該ウエハW上に所望の材料膜を成
膜させる反応室3とが連結されてなるECRプラズマC
VD装置を用い、プラズマ室1に、第1のガス供給管7
よりF系化学種を放出可能な化合物を含むガスを導入
し、ウエハW上に所望の材料膜としてFを含有するSi
化合物系絶縁膜を成膜する。なお、ウエハWにはバイア
ス電力を印加し、F系化学種を放出可能な化合物として
は、Si−F結合を有するSi化合物を用いる。さらに
酸素ガスを添加することが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘電率の層間絶
縁膜として、フッ素(F)を含有するシリコン(Si)
化合物系絶縁膜を成膜する方法に関し、特にCVD法に
よるSiOF膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの微細化・高集積
化に伴って配線パターンは微細化・多層化の方向に進ん
でいる。しかし、半導体デバイスの微細化・高集積化に
よって層間絶縁膜の段差が大きく且つ急峻となると、そ
の上に形成される配線パターンの加工精度、信頼性は低
下し、半導体デバイス自体の信頼性をも低下させる要因
となる。このため、主としてスパッタリング法により成
膜されるAl系材料よりなる配線層の段差被覆性(カバ
レージ)を大幅に改善することが困難である現在、平坦
化された層間絶縁膜を形成することが必要とされてい
る。
【0003】従来、平坦化された層間絶縁膜を形成する
技術としては、例えばSOG(Spin On Gla
ss)を塗布する方法、絶縁膜をさらにレジスト材料で
平坦化した後にこれらをまとめてエッチバックする方
法、熱処理により絶縁膜をリフローさせる方法等が知ら
れている。また、テトラエトキシシラン(以下、TEO
Sと称す。)に代表される有機Si系化合物とオゾンと
の混合ガスを用いて常圧にて化学気相成長(以下、CV
Dと称す。)を行う方法、上記有機Si系化合物に水あ
るいは酸素を添加したガスを用いてプラズマCVDを行
う方法等、成膜時のフロー効果を利用して絶縁膜を成膜
する方法も注目されている。
【0004】しかしながら、上述の方法を適用しても、
配線間隔が広い配線パターン上では平坦化度が不足し、
逆に配線間隔が狭い配線上では配線パターン間に「す」
が発生して十分な埋め込みが困難であることから、最近
では、バイアス電力を印加しながら電子サイクロトロン
共鳴(以下、ECRと称す。)プラズマCVDを行って
層間絶縁膜を成長したり、成膜された層間絶縁膜を化学
的機械研磨によって平坦化する技術も適用されるように
なってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、今後、半導
体デバイスの一層の微細化・高集積化を図るためには、
層間絶縁膜を平坦化するのみならず、低誘電率化するこ
とも必要となる。半導体デバイスが微細化・高集積化さ
れるほど、配線間の寄生容量が半導体デバイスの動作速
度に与える影響が大きくなるためである。
【0006】低誘電率の層間絶縁膜を形成する方法とし
ては、1993年インターナショナル・カンファレンス
・オン・ソリッド・ステイト・デバイシズ・アンド・マ
テリアルズ抄録集(Extended Abstrac
ts of the 1993 Internatio
nal Conference on SolidSt
ate Devices and material
s,1993)p161〜163に開示されるように、
TEOSおよびO2にC26を添加したガスを用いたプ
ラズマCVDによってSiOF系絶縁膜を成膜する方法
がある。また、第40回応用物理学会関係連合講演会
(1993年春季年会)予稿集1a−ZVー9には、T
EOSおよびO2にNF3を添加したガスを用いたプラズ
マCVDによって、SiOF系絶縁膜を成膜する方法が
開示されている。そして、いずれの文献においても、膜
中のF濃度を増加させることにより、低誘電率化が図れ
ることが示されている。
【0007】しかしながら、上述したようにF系ガスを
添加すると、絶縁膜の低誘電率化を図ることができる反
面、F濃度の増加に伴って膜質が劣化し、吸湿性が著し
く増大するといった問題が生じてしまう。
【0008】第40回応用物理学会関係連合講演会(1
993年春季年会)予稿集31a−ZVー9では、膜質
の安定化を図るためには、同一分子中にSiと共にFが
含有されるSiF4ガスを原料ガスとして用いることが
有効であることが示されている。しかし、この方法を用
いて、段差を有する基体上にSiOF系絶縁膜を成膜す
ると、局所的に埋め込み特性が劣化する。例えば、図5
に示されるように、Si基板121上にSiO2膜12
2を介して、パターン幅が異なる配線パターン123が
形成されてなるウエハWに対して、SiF4ガスを用い
てSiOF系絶縁膜124を成膜すると、幅広の配線パ
ターン123に隣接する狭い凹部への埋め込みが不十分
なものとなる。
【0009】そこで、本発明はかかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、低誘電率で、優れた膜質を有
し、且つ、埋め込み特性にも優れたSi化合物系絶縁膜
を成膜する方法を提供することを目的とする。
【0010】また、前述のように、従来半導体装置の層
間絶縁膜には、TEOSを用いたCVDあるいはSOG
によるSiO膜などが用いられてきた。しかし、近年の
超LSIの高集積化に伴い配線が微細化し、超LSIの
処理速度を制限する配線容量の増加が問題となってきて
おり、良好なカバレージ特性をもつだけでなく、層間絶
縁膜の低誘電率化が望まれている。それらの条件を満た
す材料としてはSiOF膜があるが、従来法によるTE
OSにC26 などを添加する単周波RF放電による膜
では、膜中に含有される不安定なFや炭化水素の影響に
より吸湿を伴うため、デバイスの配線信頼性などに悪影
響を及ぼす。
【0011】そのため、ガス分子中にSi−F結合を含
むガスである(C25O)3SiF(TEFS)を用い
た検討が行われている。しかし、TEFSを単独で用い
て成膜を行った場合には、安定な膜質は得られるが、段
差側壁部の被覆性が不十分であった。そこで、TEFS
をTEOSあるいは(C25O)3SiF(TES)と
混合し、さらに酸素を添加したガス系でSiOF膜の形
成検討が行われている。しかし、これまでカバレージは
改善されているものの、安定な膜質を達成する条件およ
び方法は確立されていなかった。
【0012】したがって、従来のRF放電CVD装置を
用いて安定に膜中にFを導入し安定した膜質を形成する
技術が切望されている。そこで、本発明はさらに、安定
した膜質の条件および方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するために提案されたものであり、プラズマを生成
させるプラズマ室と、基体が載置され、該基体上に所望
の材料膜を成膜させる反応室とが連結されてなるプラズ
マCVD装置を用い、前記プラズマ室に、F系化学種を
放出可能な化合物を含むガスを導入し、前記基体上に、
前記所望の材料膜としてFを含有するSi化合物系絶縁
膜(以下、SiOF系絶縁膜と称す。)を成膜するもの
である。
【0014】FをSi化合物系絶縁膜に含有させると、
この絶縁膜の低誘電率化を図ることができる。さらに、
本発明においては、F系化学種を反応室でなく、プラズ
マ密度の高いプラズマ室にて放出させることにより、F
のラジカル種に対するFのイオン種の比率を増加させる
ことができる。F系化学種はSiO系絶縁膜に対してエ
ッチャントとしても働くものであるため、被エッチング
面積が少ない狭い凹部では、F系化学種が溜まりやす
く、エッチングが進んで埋め込みが不十分なものとなり
やすかった。しかし、本発明では、基体に対して任意方
向に入射するFのラジカル種に比して、基体への入射方
向を制御しやすいFのイオン種を効率的に生成させるこ
とができるようになるため、埋め込み特性の基体段差依
存性を抑制することが可能となる。
【0015】本発明においては、基体にバイアス電力を
印加して好適であり、これにより、上述のようにしてプ
ラズマ室内で生成されたFのイオン種が、基体に対して
垂直に且つ均一に供給されるようになる。そして、イオ
ン・スパッタ作用によって、段差を有する基体に対して
も、SiOF系絶縁膜の緻密性を向上させることがで
き、膜質の向上を図ることができるようになる。また、
埋め込み特性も向上する。
【0016】なお、十分なイオン・スパッタ作用を発揮
させるためには、プラズマ室内に、He、Ne、Ar、
Kr、Xe等の不活性ガスをも導入して、プラズマ中で
これらをイオン化することが好ましい。
【0017】プラズマ室内にF系化学種を放出するため
の化合物としては、C26に代表されるフッ化炭素系化
合物、NF3に代表されるフッ化窒素系化合物等を用い
てもよいが、該プラズマ室内にSi系化学種も同時に放
出可能な化合物、即ち、Si−F結合を有するSi化合
物を用いて好適である。このSi化合物は、無機化合物
であっても、有機化合物であってもよい。例示するなら
ば、SiF4、SiHF3、SiH22、SiH3F、S
26、SiF(OC253、SiFH(OC
252、SiF2(OC252、SiF3(OC25
等、Fが導入された無機あるいは有機シラン化合物を挙
げることができる。また、Fが導入された鎖状または環
状のシロキサン等を用いてもよい。そして、プラズマ室
には、O2ガスをも同時に導入して好適である。
【0018】プラズマ室にSiーF結合を有するSi化
合物のガスおよびO2ガスを導入する場合には、該プラ
ズマ室内で、SiOF系絶縁膜を成膜するために必要な
全ての原料が揃うこととなる。このため、反応室にはい
ずれのガスも導入しないでSiOF系絶縁膜を成膜する
ことも可能である。しかし、例えば、Si化合物として
SiF4ガスのみを用いると、Si/F比が低くなりす
ぎ、膜の堆積よりもエッチングが支配的になることも考
えられる。したがって、プラズマ室内にSi系化学種と
F系化学種とを放出可能な化合物を含むガスを導入する
場合においても、反応室内にSi系化学種を放出可能な
化合物を含むガスを導入して好適である。ここで、反応
室内に導入するガスとしては、F系化学種を放出しない
Si化合物、例えば、SiH4、Si26ガス等に代表
される無機シラン系化合物であって好適である。また、
TEOSに代表されるアルコキシシランの他、鎖状また
は環状のシロキサン等であってもよい。
【0019】本発明で用いられるプラズマCVD装置と
しては、プラズマ室と反応室とが独立したものであれ
ば、どのようなプラズマ発生手段を有するものであって
もよい。例えば、ECRプラズマCVD装置、ヘリコン
波プラズマCVD装置が使用できる。これらのプラズマ
CVD装置を用いると、低ガス圧下で1011/cm3オー
ダー以上の高密度のプラズマを生成できるため、ガス解
離効率が高く、また、高エネルギーイオンを基体に入射
させることができるため、膜中の不純物量や欠陥量を低
減でき、膜の緻密性を向上させることができる。さら
に、カバレージに優れた膜を成膜することができ、段差
を有する基体に対する埋め込み特性も向上する。
【0020】本発明を適用すると、低誘電率であり、且
つ、膜質にも優れたSiOF系絶縁膜を成膜できること
から、この膜を半導体デバイスの層間絶縁膜として適用
して好適である。なお、本発明を適用して成膜された層
間絶縁膜は、埋め込み特性にも優れたものとなるため、
配線間の絶縁が確実に行える。
【0021】さらに本発明は、例えば平行平板型プラズ
マCVD装置を用い、その反応室に、原料ガスとしてS
i−F結合を含む有機Si化合物のガスと他の有機Si
化合物のガスの混合ガスを導入し、さらに添加ガスとし
て酸素または酸素を含むガスを導入して基体上にフッ素
を含有するシリコン化合物系絶縁膜を成膜することを特
徴とするシリコン化合物系絶縁膜の成膜方法を提供す
る。
【0022】上記平行平板型プラズマCVD装置を用い
た本発明においては、前記混合ガス中の有機Si化合物
の混合比率がモル比でα:β:γ…である場合であっ
て、各有機Si化合物のガスの1分子中に含まれる炭素
原子数が順にa,b,c…、水素原子数が順にk,l,
m…であり、各有機Si化合物のガスの分解率がδ%で
あるとき、酸素の添加割合を少なくとも[{α(a+k
/2)+β(b+l/2)+γ(c+m/2)…}/
δ]×100程度のモル比で添加することが望ましい。
【0023】このような成膜方法により安定したシリコ
ン化合物系絶縁膜が形成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るSi化合物系
絶縁膜の成膜方法を適用した実施の形態について図面を
参照しながら説明する。
【0025】第1の実施の形態 本実施の形態では、ECRプラズマCVD装置を用いた
SiOF系絶縁膜の成膜方法について説明する。
【0026】ここで、成膜に用いたECRプラズマCV
D装置は、図1に示されるように、プラズマの生成がな
されるプラズマ室1、ウエハWが載置され、所望の膜の
成膜がなされる反応室3より構成される。
【0027】ここで、プラズマ室1には、マグネトロン
にて発生させたマイクロ波が、導波管4内を通過し、石
英窓5を介して導かれるようになされている。また、こ
のプラズマ室1の周囲には、ソレノイドコイル6が配さ
れ、マイクロ波による電場に直交する磁場を発生可能と
なされている。
【0028】さらに、プラズマ室1内には、リング状の
第1のガス供給管7が開口している。そして、この第1
のガス供給管7は、図示しないが、He、Ne、Ar、
Kr、Xe等の不活性ガスの供給源、O2ガスの供給源
にそれぞれ接続されていると共に、F系化学種を放出可
能な化合物ガスの供給源にも接続されている。
【0029】一方、反応室3には、該反応室3内を減圧
するための排気口10が設けられているとともに、該反
応室3内へウエハWを搬入するための搬入路11がゲー
トバルブ12を介して接続されている。また、この反応
室3内にはウエハWを載置するサセプタ8が配設されて
いる。このサセプタ8には、ヒータ13が内蔵され、ウ
エハWを加熱できるようになされているとともに、イン
ピーダンス整合用のマッチング・ネットワーク(M/
N)15を介してバイアス印加用RF電源14が接続さ
れ、ウエハWにバイアス電力を印加できるようになされ
ている。
【0030】また、この反応室3内には、Si系化学種
を放出可能な化合物ガスを供給するためのリング状のガ
ス供給管9が開口している。
【0031】したがって、以上のような構成を有するE
CRプラズマCVD装置を用いて、SiOF系絶縁膜を
成膜するには、プラズマ室1内に不活性ガス、O2
ス、さらには、F系化学種を放出可能な化合物ガスを導
入し、ECRを利用して低ガス圧下で高いイオン電流密
度を有するECRプラズマPEを生成させる。このと
き、F系化学種を放出可能な化合物ガスが供給される
と、ECRプラズマPE中でFのイオン種が効率的に生
成される。
【0032】そして、反応室3内で、このECRプラズ
マPEにSi系化学種を放出可能な化合物ガスを供給
し、これにより、所望の化学種を生成させ、ウエハWに
堆積させることとなる。このとき、プラズマ生成とは独
立に基板バイアスを制御することにより、Fのイオン種
がウエハWに対して垂直に且つ均一に供給されるように
なり、堆積した膜の緻密性を向上させつつ、優れた埋め
込み特性にて成膜が行える。
【0033】なお、プラズマ室1内に、F系化学種を放
出可能な化合物ガスとして、Si−F結合を有するSi
化合物ガスを導入すると、該プラズマ室1内にSiO2
系絶縁膜の堆積が起こることが考えられるが、ここで
は、同じプラズマ室1内にF系化学種が存在し、これが
エッチャントとして働くことから、パーティクルが発生
する虞がない。
【0034】第2の実施の形態 本実施の形態では、ヘリコン波プラズマCVD装置を用
いたSiOF系絶縁膜の成膜方法について説明する。
【0035】ここで、成膜に用いたヘリコン波プラズマ
CVD装置は、図2に示されるように、ヘリコン波プラ
ズマ生成部と、ここで発生させたヘリコン波プラズマを
拡散させ、このプラズマ中で生成させた化学種をウエハ
Wに堆積させる成膜部とからなる。
【0036】ヘリコン波プラズマ生成部は、内部にヘリ
コン波プラズマPHを生成させるための非導電性材料か
らなるベルジャ31(プラズマ室に対応する。)、該ベ
ルジャ31内に所定のガスを供給する第1のガス供給管
48、ベルジャ31を周回する2個のループを有し、R
Fパワーをプラズマへカップリングさせるためのループ
・アンテナ32、ベルジャ31を周回するごとく設けら
れ、該ベルジャ31の軸方向に沿った磁界を生成させる
ソレノイドコイル33を主な構成要素とする。ベルジャ
31の上部には、非導電性材料よりなる蓋体30が設け
られ、該蓋体30に第1のガス供給管48が貫通してい
る。
【0037】第1のガス供給管48は、図示しないが、
プラズマ生成用のHe、Ne、Ar、Kr、Xe等の不
活性ガスの供給源、O2ガスの供給源にそれぞれ接続さ
れていると共に、F系化学種を放出可能な化合物ガスの
供給源にも接続されている。ループ・アンテナ32に
は、プラズマ励起用電源34からインピーダンス整合用
の第1のマッチング・ネットワーク(M/N)35を介
してRFパワーが印加され、その上下2個のループには
互いに逆回りの方向の電流が流れる。
【0038】ソレノイドコイル33は、主としてヘリコ
ン波の伝搬に寄与する内周側ソレノイドコイル33a
と、主としてヘリコン波プラズマPHの輸送に寄与する
外周側ソレノイドコイル33bの二重構成とされてい
る。
【0039】一方、成膜部は、上述したベルジャ31に
接続された拡散チャンバ37(反応室に対応する。)、
この拡散チャンバ37内に所定のガスを供給するリング
状の第2のガス供給管38、上記拡散チャンバ37内に
ウエハWを載置させるウエハ・ステージ39を主な構成
要素とする。
【0040】拡散チャンバ37は、ステンレス鋼等の導
電性材料にて構成されており、特にウエハ・ステージ3
9の対向面である天板41の部分は基板バイアスに対す
る大面積のDC接地電極として機能している。また、こ
の拡散チャンバ37には、内部を減圧するための排気口
40が設けられているとともに、該拡散チャンバ37内
へウエハWを搬入するための搬入路46がゲートバルブ
47を介して接続されている。
【0041】第2のガス供給管38は、図示しないが、
Si系化学種を放出可能な化合物ガスの供給源に接続さ
れている。
【0042】ウエハ・ステージ39は、拡散チャンバ3
7の壁面から電気的に絶縁された導電性部材からなり、
第2のマッチング・ネットワーク(M/N)43を介し
てバイアス印加用RF電源42に接続されている。ま
た、ウエハ・ステージ39の内部には、成膜中のウエハ
Wを所望の温度に維持するためのヒータ44が内蔵され
ている。
【0043】さらに、上述の拡散チャンバ37の外部に
は、ウエハ・ステージ39近傍における発散磁界を収束
させるために、補助磁界生成手段としてマルチカスプ磁
場を生成可能な永久磁石45が配設されている。なお、
この永久磁石45の配設位置は、図示される例に限られ
ず、また、永久磁石45の代わりに、ミラー磁場形成用
のソレノイドコイルを配設してもよい。
【0044】上述のような構成を有するヘリコン波プラ
ズマCVD装置を用いて、SiOF系絶縁膜を成膜する
には、ベルジャ31内に不活性ガス、O2ガス、さらに
は、F系化学種を放出可能な化合物ガスを導入し、ベル
ジャ31内にヘリコン波プラズマPHを発生させる。こ
のとき、F系化学種を放出可能な化合物ガスが供給され
ると、ヘリコン波プラズマPH中でFのイオン種が効率
的に生成される。
【0045】そして、このヘリコン波プラズマPHを拡
散チャンバ37の内部へ引き出し、このヘリコン波プラ
ズマPHに向かってSi系化学種を放出可能な化合物ガ
スを供給することによって、所望の化学種を生成させ、
これをウエハWに堆積させることによって成膜を行う。
このとき、プラズマ生成とは独立に基板バイアスを制御
することにより、Fのイオン種がウエハWに対して垂直
に且つ均一に供給されるようになり、堆積した膜の緻密
性を向上させつつ、優れた埋め込み特性にて成膜が行え
る。
【0046】なお、ヘリコン波プラズマCVD装置も、
第1の実施の形態と同様、ベルジャ31内にSi系化学
種が供給されても、F系化学種の存在によってパーティ
クルの発生が防止される。
【0047】第3の実施の形態 本実施の形態では、平行平板型プラズマCVD装置を用
いたSiOF系絶縁膜の成膜方法について説明する。
【0048】図6は、この実施形態における成膜に用い
た平行平板型プラズマCVD装置の構成図である。反応
室201内に、RF電源(図示しない)に接続された上
部電極202およびアース接続された下部電極203が
設けられ、これらにより一対の平行平板電極を構成す
る。下部電極203上には成膜すべきウエハ205が搭
載支持される。下部電極203の下側にはヒータ204
が備わり、下部電極203を介してウエハ205を加熱
して昇温させる。このウエハの加熱は成膜反応に適する
所定の温度となるように行われるが、膜質の劣化がない
かぎりできるだけ低温で行うことが望ましい。この反応
室201は、図示しない真空排気装置に接続され、成膜
反応時には内部が真空排気され、後述の原料ガスが導入
される。
【0049】上部電極202は、その内部がガスチャン
バーとして形成されここにガス導入口212が接続さ
れ、下面に多数の噴射ポートを有し、この噴射ポートか
ら反応室201内にガスを均一に分散して噴射するシャ
ワー電極として構成される。
【0050】ガス導入口212には、酸素ガス供給源2
10および第1、第2の原料ガス源208a,208b
がそれぞれバルブを介して接続される。第1、第2の原
料ガス源208a,208bは同様の構成であり(図で
は一方のみ示す)、後述の液体状の有機シリコン化合物
206をヒータ207で加熱しながら、バブリングガス
としてヘリウム(He)を吹込み、有機シリコン化合物
206を気化させるバブラー209により構成される。
【0051】以上のような構成の平行平板型プラズマC
VD装置を用いて、SiOF系絶縁膜を成膜するには、
反応室201内に原料ガスとしてSi−F結合を含む有
機Si化合物のガスを第1の原料ガス源208aから導
入し、他の有機Si化合物(例えば、Si−O結合を含
む有機Si化合物)のガスを第2の原料ガス源208b
から導入し、さらに酸素または酸素を含むガスを導入
し、RF電圧を印加して、真空圧下で上下電極202,
203間にプラズマを発生させる。これによりウエハ2
05上にSiOF系絶縁膜の安定した膜質を得ることが
できる。
【0052】上述のように安定した膜質を得る条件およ
び方法は、Si−F結合を含む有機Si化合物のガスと
他の有機Si化合物のガスの混合比率がモル比でα:
β:γ…である場合であって、各有機Si化合物のガス
の1分子中に含まれる炭素原子数が順にa,b,c…、
水素原子数が順にk,l,m…であり、各有機Si化合
物のガスの分解率がδ%であるとき、酸素の添加割合を
少なくとも[{α(a+k/2)+β(b+l/2)+
γ(c+m/2)…}/δ]×100程度のモル比で添
加することである。
【0053】上述の条件および方法は、次のような科学
的知見に基づいて案出されたものである。すなわち、酸
素を有機Si化合物に添加した場合には、有機Si化合
物中の炭素や水素は成膜反応時にCO、CO2、H2Oと
いった形で除去されることが知られており、そのため成
膜には有機Si化合物中の炭化水素に対応する量の酸素
が必要となる。そこで、例として、(C25O)3Si
Fと(C25O)3SiHを原料ガスとして1:1のモ
ル比で混合して用いる場合について説明する。この場合
には、原料ガス(C25O)3SiFの分子1個中には
炭素原子が6個、水素原子が15個存在し、また原料ガ
ス(C250)3SiHの分子1個中には炭素原子が6
個、水素原子が16個存在する。したがって、両原料ガ
スの合計で炭素原子が12個、水素原子が31個存在す
ることになる。単純に全てCO2、H2Oという形で除去
されると考えた場合には、約28個のO2分子が必要と
なることがわかる。しかし、実際には導入したO2の全
てが反応に寄与するわけではなく、プラズマ中で活性化
されたものが主に反応に用いられる。そのため、プラズ
マ中での混合ガスの分解率をδとし、分解されたO2
活性化されているとすると、炭化水素を除去するのに必
要な酸素ガスは単純に見積って(28/δ)×100個
となる。また、分解される原料ガスが全体の約30%前
後であったとすると、反応に寄与すると思われる活性な
2は添加割合をモル比で示すと、(C25O)3Si
F:(C25O)3SiH:O2=1:1:94にする必
要があり、また、実際にはプラズマ中で活性種となった
酸素のすべてが有機残基の除去に使用されるわけではな
いため、条件に応じて前述の割合以上に酸素を混合する
必要がある。このような知見に基づいて酸素を添加する
ことにより、上述した作用により、膜中の炭化水素が脱
離され、膜質の安定性を向上させることができる。
【0054】
【実施例】以下、半導体デバイスの製造プロセスにおい
て、段差を有する基体(ウエハ)に対し、第1の実施の
形態、第2の実施の形態に示されたようなプラズマCV
D装置を用いて、SiOF系絶縁膜の成膜を行った例に
ついて説明する。
【0055】実施例1 本実施例では、第1の実施の形態に示されたECRプラ
ズマCVD装置を用いてSiOF系絶縁膜の成膜を行っ
た。
【0056】具体的には、図3に示されるような、トラ
ンジスタ素子が形成されたSi基板21上にSiO2
22、Al系材料よりなる配線パターン23がこの順に
形成されたウエハWを用意し、このウエハWを図1に示
したECRプラズマCVD装置のサセプタ8に載置させ
た。そして、ヒータ13によって該ウエハWを昇温する
と共に、バイアス印加用RF電源14によってバイアス
電力を印加した。
【0057】また、プラズマ室1内に、Arガス、O2
ガス、さらには、F系化学種を放出可能な化合物ガスと
してSiF4を導入し、ここで発生したECRプラズマ
PEを反応室3内に拡散させた。そして、このECRプ
ラズマPEに向かって、Si系化学種を放出可能な化合
物ガスとしてSiH4ガスを供給した。
【0058】なお、成膜条件は、 プラズマ室への導入ガス: SiF4 流量 20sccm O2 流量140sccm Ar 流量 70sccm 反応室への導入ガス : SiH4 流量 10sccm 圧力 : 0.2Pa マイクロ波電力 : 2000W (2.45GHz) RFバイアス電力 : 2000W (13.56MHz) ウエハ温度 : 200℃ とした。
【0059】これにより、図4に示されるように、ウエ
ハW上に、SiOF膜よりなる層間絶縁膜24が優れた
埋め込み特性をもって形成された。
【0060】この後、アニール処理を行った。なお、こ
のアニール条件は、 アニール条件 導入ガス : 上記原料ガスを3%H2含有N2ガスにて希釈したもの 流量8000sccm アニール時間 : 60分 圧力 : 大気圧 アニール温度 : 400℃ とした。
【0061】そして、上述の層間絶縁膜24が形成され
たウエハに対して腐蝕試験を行った。この腐蝕試験の条
件は、 腐蝕試験条件 塩酸濃度 : 5% 試験時間 : 5分 溶液温度 : 25℃ とした。
【0062】この腐蝕試験の結果、Al系配線23には
腐蝕がみられなかった。これより、上述のようにして形
成された層間絶縁膜24は良好な耐水性、耐腐蝕性を示
すものであることがわかった。
【0063】なお、層間絶縁膜24の膜質が良好となっ
たのは、高密度のECRプラズマPEを用いたためガス
解離効率に優れていたこと、また、バイアス電力の印加
により高エネルギーイオンをウエハWに入射させること
ができたため、膜中の不純物量や欠陥量を低減でき、膜
の緻密性を向上させることができたことによる。また、
埋め込み特性が良好となったのは、F系化学種を放出可
能な化合物ガスが反応室3ではなく、プラズマ室1に導
入されたためにFのイオン種が効率的に生成され、これ
がバイアス電力の印加により、ウエハWに対して垂直に
且つ均一に供給されたため、ウエハWの段差凹部で膜が
薄くなることがなく、カバレージの段差依存性が抑制さ
れたことによる。
【0064】また、本実施例では、プラズマ室1内に、
F系化学種を放出可能な化合物ガスとして、SiF4
ごとき、Si系化学種をも放出する化合物ガスを導入し
たが、プラズマ室1内にはF系化学種が存在し、これが
エッチャントとして働くことから、プラズマ室1内にS
iO系絶縁膜が堆積してパーティクルとなることはなか
った。
【0065】実施例2 本実施例では、第2の実施の形態に示されたヘリコン波
プラズマCVD装置を用いてSiOF系絶縁膜の成膜を
行った。
【0066】具体的には、図3に示されるようなウエハ
を用意し、このウエハWを図2に示したヘリコン波プラ
ズマCVD装置のウエハ・ステージ39に載置させた。
そして、ヒータ44によって該ウエハWを昇温すると共
に、RF電源42によってバイアス電力を印加した。
【0067】また、ベルジャ31内に、Arガス、O2
ガス、さらには、F系化学種を放出可能な化合物ガスと
してSi26を導入し、ここで発生したヘリコン波プラ
ズマPHを拡散チャンバ37内に拡散させた。そして、
このヘリコン波プラズマPHに向かって、Siを放出可
能な化合物ガスとしてSiH4ガスを供給して、SiO
F膜の成膜を行った。
【0068】なお、成膜条件は、 ベルジャへの導入ガス: Si26 流量 10sccm O2 流量140sccm Ar 流量 70sccm 拡散チャンバへの導入ガス :SiH4 流量 70sccm 圧力 : 0.2Pa プラズマ励起用RF電力: 1800W (13.56MHz) バイアス印加用RF電力: 2000W (13.56MHz) ウエハ温度 : 400℃ とした。
【0069】これにより、図4に示されるように、ウエ
ハW上に、SiOF膜よりなる層間絶縁膜24が優れた
埋め込み特性をもって形成された。
【0070】この後、実施例1と同様にしてアニール処
理を行った後、腐蝕試験を行った。この腐蝕試験の結
果、Al系配線23には腐蝕がみられなかった。これよ
り、上述のようにして形成された層間絶縁膜24は良好
な耐水性、耐腐蝕性を示すものであることがわかった。
【0071】なお、層間絶縁膜24の膜質が良好となっ
たのは、実施例1同様、ガス解離効率に優れていたこ
と、また、高エネルギーイオンをウエハWに入射させる
ことができたため、膜中の不純物量や欠陥量を低減で
き、膜の緻密性を向上させることができたことによる。
また、埋め込み特性が良好となったのは、Fのイオン種
が効率的に生成され、これがウエハWに対して垂直に且
つ均一に供給されたため、カバレージの段差依存性が抑
制されたことによる。
【0072】また、本実施例でも、プラズマ室1内に、
F系化学種を放出可能な化合物ガスとして、Si系化学
種をも放出する化合物ガスを導入したが、プラズマ室1
内のF系化学種がエッチャントとして働くことから、プ
ラズマ室1内にSiO系絶縁膜が堆積してパーティクル
となることはなかった。
【0073】また、本実施例においては、プラズマ室1
にSi26のようなSiーSi結合を有する化合物ガス
を供給したため、成膜速度を高めることができた。これ
は、2原子間の結合エネルギーを比較すると、SiーS
i結合の結合エネルギーはSi−H結合に比して小さ
く、プラズマ中ではSiーSi結合が優先的に切断され
るため、ジシラン系の化合物を用いると、同じ放電解離
条件下でも、モノシラン系の化合物を用いた場合に比し
て、1分子当りのSi活性種の供給量が単純計算で2倍
となるからである。
【0074】実施例3 本実施例では、実施例1同様ECRプラズマCVD装置
を用い、プラズマ室1に供給するF系化学種を放出可能
な化合物ガスとして有機Si化合物を用いた例について
示す。
【0075】本実施例では、プラズマ室1内に、Arガ
ス、O2ガス、さらには、F系化学種を放出可能な化合
物ガスとしてSiF(OC253を導入し、ここで発
生したECRプラズマPEを反応室3内に拡散させた。
そして、このECRプラズマPEに向かって、Siを放
出可能な化合物ガスとしてSi(OC254ガスを供
給して、SiOF膜の成膜を行った。
【0076】なお、成膜条件は、 プラズマ室への導入ガス: SiF(OC253 キャリアHeを含んで流量100sccm O2 流量200sccm Ar 流量 70sccm 反応室への導入ガス : Si(OC254 流量 100sccm 圧力 : 0.3Pa プラズマ励起用RF電力: 1800W (2.45GHz) バイアス印加用RF電力: 2000W (13.56MHz) ウエハ温度 : 400℃ とした。
【0077】これにより、図4に示されるように、ウエ
ハW上に、SiOF膜よりなる層間絶縁膜24が優れた
埋め込み特性をもって形成された。
【0078】この後、実施例1と同様にしてアニール処
理を行った後、腐蝕試験を行った。この腐蝕試験の結
果、Al系配線23には腐蝕がみられなかった。これよ
り、上述のようにして形成された層間絶縁膜24は良好
な耐水性、耐腐蝕性を示すものであることがわかった。
【0079】なお、層間絶縁膜24の膜質が良好となっ
た理由、埋め込み特性が良好となった理由は実施例1、
実施例2と同様である。また、本実施例においては、プ
ラズマ室1に、SiF(OC253といった有機Si
化合物を供給したが、該プラズマ室1にて生成されたF
系化学種によるクリーニング効果により、炭素成分によ
る汚染、SiO系絶縁膜によるパーティクルの問題が生
じることはなかった。 実施例4 本実施例では、前述の第3の実施の形態に示された平行
平板型プラズマCVD装置(図6)を用いてSiOF系
絶縁膜の成膜を行った。
【0080】具体的には、図7(a)に示されるよう
な、Si等からなる半導体基板231上にSiO2等か
らなる層間絶縁膜232を形成し、その上にAl配線層
233を形成したウエハ205を用意し、このウエハ2
05を図6に示したCVD装置の下部電極203上に載
置させた。そして、ヒータ204によって該ウエハ20
5を加熱昇温し、13。56MHZのRF電源によって
高周波電力を印加しプラズマを発生させた。
【0081】また、反応室201内に、Si−F結合を
含む有機Si化合物のガスとして(C25O)3SiF
を第1の原料ガス源208aのバブラー209から導入
し、Si−O結合を含む有機Si化合物のガスとして
(C25O)3SiHを第2の原料ガス源208bのバ
ブラーから導入し、さらにO2ガスを添加した。ここ
で、Si−F結合を含む有機Si化合物である(C25
O)3SiF(トリエトキシフロロフラン)と、Si−
O結合を含む有機Si化合物である(C25O)3Si
H(トリエトキシシラン)は液体材料であるためヒータ
207で48℃に昇温し、Heによりバブリングして反
応室に導入している。酸素の添加割合はガスの分解率
(20%)を考慮してモル比で(C25O)3SiF:
(C25O)3SiH:O2=1:2:300としてい
る。
【0082】この実施例での成膜条件は、 (C25O)3SiF/Heバブリングガス流量:50
0sccm (C25O)3SiH/Heバブリングガス流量:10
00sccm O2ガス流量 :8000sccm 圧力 :650Pa RF電力 :750W ウエハ温度 :400℃ 電極間距離 :10mm である。
【0083】このような条件により、図7(b)に示す
ように、アルミ配線層233を覆って層間絶縁膜234
を形成した。ここで得られた絶縁膜234について、比
誘電率の経時変化を調査した結果、比誘電率は3.8で
一か月間変化しなかった。また、赤外線を吸収させる膜
構造の経時変化でも同様に一か月間変化しないことが確
認された。
【0084】実施例5 本実施例では、実施例4と同じく、第3の実施の形態に
示された平行平板型プラズマCVD装置を用いてSiO
F系絶縁膜の成膜を行った。
【0085】具体的には、前記実施例4では、Si−F
結合を含む有機Si化合物である(C25O)3SiF
と、Si−O結合を含む有機Si化合物である(C25
O)3SiHが液体材料であるため昇温し、Heにより
バブリングして反応室に導入したが、本実施例では、液
体の(C25O)3SiFと(C25O)4Siを直接イ
ンジェクション方式で反応室に導入して成膜を行った。
ここで、酸素の添加割合はガスの分解率(20%)を考
慮してモル比で(C25O)3SiF:(C25O)4
i:O2=1:2:360としている。
【0086】この実施例での成膜条件は、 (C25O)3SiF :50sccm (C25O)4Si :100sccm O2ガス流量 :8000sccm 圧力 :650Pa RF電力 :750W ウエハ温度 :400℃ 電極間距離 :10mm である。
【0087】上記条件により得られた膜について、比誘
電率の経時変化について調査した結果、比誘電率は3.
8で一か月間変化しなかった。また、赤外線を吸収させ
る膜構造の経時変化でも同様に一か月間変化しないこと
が確認された。
【0088】以上、本発明に係るSi化合物系絶縁膜の
成膜方法について説明したが、本発明は上述の実施例に
限定されるものではない。例えば、実施例1〜実施例3
においては、不活性ガスとしてArガスを添加したが、
Arガスの代わりに、He、Ne、Kr、Xe等を使用
してもよい。
【0089】また、実施例1および実施例2において
は、F系化学種を放出可能な化合物ガスとして、SiF
4やSi26を用いたが、これらの代わりに、SiH
3、SiH22、SiH3F等を用いてもよい。さら
に、実施例1、実施例2においては、反応室3あるいは
拡散チャンバ37にSiH4を供給したが、SiH4の代
わりに、Si26等、他の無機シラン化合物を供給して
もよい。
【0090】実施例3においては、プラズマ室1に導入
するF系化学種を放出可能な化合物ガスとしてSiF
(OC253を用いたが、この代わりに、Fを含有す
る他のアルコキシシラン、アルキルシラン、シロキサン
等を用いてもよい。さらに、C2F6やNF3のように、
Si系化学種を放出しない化合物を用いてもよい。一
方、反応室3に導入するSi系化学種を放出可能な化合
物ガスとしてSi(OC254を用いたが、その他の
有機シラン化合物を用いてもよいし、無機シラン化合物
を用いても構わない。また、鎖状または環状のシロキサ
ン等を用いても構わない。
【0091】また、第1の実施の形態、第2の実施の形
態にて示したようなプラズマCVD装置は、単独で用い
られてもよいが、マルチチャンバ装置の1つのチャンバ
として用いられ、他の装置と真空搬送路を介して接続さ
れていてもよい。
【0092】その他、本発明を適用して成膜がなされる
ウエハの構成や、成膜時の各種条件等も適宜変更可能で
ある。
【0093】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すると、低誘電率であり、且つ、膜質に優れた
Si化合物系絶縁膜を優れた埋め込み特性をもって成膜
することが可能となる。
【0094】このため、層間絶縁膜の形成に適用すれ
ば、微細化・多層化した配線パターン間の寄生容量を低
減でき、且つ、信頼性の高いものとなる。
【0095】したがって、本発明を半導体デバイスの製
造プロセスに適用することにより、高速化が図られ、ま
た、信頼性の高い製品を提供することが可能となる。
【0096】さらに、カバレージ特性を向上させるとと
もに、比誘電率等の半導体デバイス特性に関し経時変化
の少ない安定した膜質の絶縁膜を形成することができ、
長期にわたって信頼性の高い半導体製品を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用されるECRプラズマCVD装
置の構成例を示す模式図。
【図2】 本発明に使用されるヘリコン波プラズマCV
D装置の構成例を示す模式図。
【図3】 配線パターンが形成されたウエハを示す模式
的断面図。
【図4】 図3のウエハに対して、層間絶縁膜を成膜し
た状態を示す模式的断面図。
【図5】 従来法によって、SiOF系絶縁膜が成膜さ
れたウエハを示す模式的断面図。
【図6】 本発明が適用される平行平板型CVD装置の
構成図。
【図7】 図6の装置で成膜する場合のウエハ断面構成
の説明図。
【符号の説明】
1:プラズマ室、3:反応室、7:第1のガス供給管、
9:第2のガス供給管、14:バイアス印加用RF電
源、21:Si基板、22:SiO2膜、23:配線パ
ターン、24:層間絶縁膜、201:反応室、202:
上部電極、203:下部電極、205:ウエハ、208
a:第1原料ガス源、208b:第2原料ガス源、21
0:酸素ガス供給源、212:ガス導入口。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマを生成させるプラズマ室と、基体
    が載置され、該基体上に所望の材料膜を成膜させる反応
    室とが連結されてなるプラズマCVD装置を用い、 前記プラズマ室に、フッ素系化学種を放出可能な化合物
    を含むガスを導入し、前記基体上に、前記所望の材料膜
    としてフッ素を含有するシリコン化合物系絶縁膜を成膜
    することを特徴とするシリコン化合物系絶縁膜の成膜方
    法。
  2. 【請求項2】前記基体に、バイアス電力を印加すること
    を特徴とする請求項1に記載のシリコン化合物系絶縁膜
    の成膜方法。
  3. 【請求項3】前記フッ素系化学種を放出可能な化合物と
    して、Si−F結合を有するシリコン化合物を用いるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン化合物系絶縁
    膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】前記反応室に、シリコン系化学種を放出可
    能な化合物を含むガスを導入することを特徴とする請求
    項1に記載のシリコン化合物系絶縁膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】前記プラズマCVD装置として、電子サイ
    クロトロン共鳴プラズマCVD装置またはヘリコン波プ
    ラズマCVD装置を用いることを特徴とする請求項1に
    記載のシリコン化合物系絶縁膜の成膜方法。
  6. 【請求項6】原料ガスとしてSi−F結合を含む有機S
    i化合物のガスと他の有機Si化合物のガスの混合ガス
    を用い、さらにこの混合ガスに酸素または酸素を含むガ
    スを添加して基体上にCVD法によりフッ素を含有する
    シリコン化合物系絶縁膜を成膜することを特徴とするシ
    リコン化合物系絶縁膜の成膜方法。
  7. 【請求項7】原料ガスとしてSi−F結合を含む有機S
    i化合物のガスとSi−O結合を含む有機Si化合物の
    ガスの混合ガスを用い、さらにこの混合ガスに酸素また
    は酸素を含むガスを添加して基体上にCVD法によりフ
    ッ素を含有するシリコン化合物系絶縁膜を成膜すること
    を特徴とする請求項6に記載のシリコン化合物系絶縁膜
    の成膜方法。
  8. 【請求項8】前記混合ガス中の有機Si化合物の混合比
    率がモル比でα:β:γ…である場合であって、各有機
    Si化合物のガスの1分子中に含まれる炭素原子数が順
    にa,b,c…、水素原子数が順にk,l,m…であ
    り、各有機Si化合物のガスの分解率がδ%であると
    き、酸素の添加割合を少なくとも[{α(a+k/2)
    +β(b+l/2)+γ(c+m/2)…}/δ]×1
    00程度のモル比で添加することを特徴とする請求項6
    または7に記載のシリコン化合物系絶縁膜の成膜方法。
  9. 【請求項9】平行平板型プラズマCVD装置を用いるこ
    とを特徴とする請求項6、7または8に記載のシリコン
    化合物系絶縁膜の成膜方法。
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