JP2010050203A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合リーク電流の低減が図られる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板1に所定の深さのトレンチが形成され、そのトレンチ5内に分離酸化膜6が形成される。不純物イオンを注入することにより、分離酸化膜6の表面に、分離酸化膜6のエッチング特性とは異なるエッチング特性を有する改質層7が形成される。半導体基板の領域に、トランジスタ等の所定の半導体素子が形成される。半導体基板1上に、エッチングストッパ膜10および層間絶縁膜16が形成される。その層間絶縁膜16およびエッチングストッパ膜に、金属シリサイド9の表面を露出するコンタクトホール16a,16bが形成される。コンタクトホール16a,16b内にプラグ18a,18bが形成される。
【選択図】図8

Description

本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、分離絶縁膜とコンタクトホールを備えた半導体装置の製造方法に関するものである。
半導体基板に形成される複数の半導体素子は、所定の配線によって互いに電気的に接続される。半導体素子を覆う層間絶縁膜には、半導体素子の所定の部分を露出するコンタクトホールが形成され、そのコンタクトホール内に所定の配線と電気的に接続されるプラグが形成されることになる。
一般に、コンタクトホールを形成するための層間絶縁膜のエッチングでは、層間絶縁膜の下地として形成されている、シリコン窒化膜などのエッチングストッパ膜とのエッチング選択比をできるだけ高くして、エッチングストッパ膜のエッチング量(削れ量)の抑制が図られている。また、エッチングストッパ膜のエッチングでは、ボーダレスコンタクトが、活性領域のソース・ドレイン注入層よりも深い位置において半導体基板の部分と接合して、接合リーク不良が発生することがある。
これを防止するために、一般に、エッチングストッパ膜のエッチングに用いられるエッチングガス(CHF3/Ar/(O2)ガス)よりも、素子分離領域を構成する酸化膜とのエッチング選択比が確保できるエッチングガス(CH22/Ar/(O2)ガス、または、CH3F/Ar/(O2)ガス)を用いて、素子分離絶縁膜のエッチング量(削れ量)の抑制が図られている。なお、素子分離絶縁膜を備えた半導体装置の製造方法を開示した文献の例として、特許文献1および特許文献2がある。
特開平4−250650号公報 特開2000−269318号公報
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法では次のような問題点があった。半導体装置の製造においては、まず、半導体基板には、所定の領域に素子分離絶縁膜が形成され、その素子分離絶縁膜によって仕切られた半導体基板の領域(素子形成領域)に半導体素子が形成される。素子分離絶縁膜が形成された後、素子形成領域に半導体素子が形成され、そして、その半導体素子を覆うように層間絶縁膜が形成されるまでに、半導体基板には、各ウェハプロセスに対応した様々なウェット処理が施されることになる。
ウェット処理は、たとえば、エッチング処理を施した後の反応生成物、注入処理後のレジスト残渣、自然酸化膜、不要な酸化膜等を除去するために、その除去の対象に応じた所定の薬液を使用して行われる。このため、薬液によっては、ウェット処理によって主としてシリコン酸化膜から形成されている素子分離絶縁膜がエッチングされてしまい、素子分離絶縁膜の表面が半導体基板の表面よりも下方に下がってしまうことがあった。
このとき、コンタクトホールを形成するためのレジストパターンが、素子形成領域と素子分離絶縁膜の双方が露出するように形成された場合には、エッチングストッパ膜によってエッチングが抑えられているとはいえ、素子形成領域の表面よりも低い位置に表面が位置する素子分離絶縁膜に施されるエッチングによって、素子形成領域に形成されたソース・ドレイン領域よりも下方に位置する素子形成領域の部分が露出してしまうことがあった。そうすると、コンタクトホール内に形成されるプラグが半導体基板と接触してしまい、接合リーク電流が増加するという問題があった。
また、半導体基板を覆うように形成されるエッチングストッパ膜では、隣り合うゲート電極とゲート電極との間隔が狭い領域(領域A)に位置するエッチングストッパ膜の部分の膜厚は、それ以外の他の領域(領域B)に位置するエッチングストッパ膜の部分の膜厚に比べて厚くなる。このとき、領域Aおよび領域Bのそれぞれにコンタクトホールを形成する際に、領域Aに位置する膜厚のより厚いエッチングストッパ膜をエッチングにより除去しようとすると、領域Bに位置する膜厚のより薄いエッチングストッパ膜がエッチングにより除去されて、露出した表面にさらにエッチングが施されることになる。
このため、領域Bに形成されるコンタクトホールとして、レジストパターンの位置ずれによって、素子形成領域と素子分離絶縁膜の双方が露出するようにコンタクトホールが形成される場合には、素子分離絶縁膜がエッチングされてしまい、素子形成領域に形成されたソース・ドレイン領域よりも下方に位置する素子形成領域の部分(半導体基板の部分)が露出することがあった。
その領域Bの素子分離絶縁膜のエッチング量(削れ量)を抑制を図るため、エッチングストッパ膜のエッチングにCH22、CH3Fガス等を用いると、CHF3に比べてFの量が少ないためにCxFy(フロロカーボン)ポリマーの生成量が多くなり、エッチングストッパ膜上に局所的に多量のポリマーが付着してしまい、開口が良好に形成されないことがあった。また、コンタクトのエッチングストッパ膜の部分がテーパー形状になって、寸法が小さくなることがあった。さらに、エッチングストッパ膜エッチング後のウェット洗浄でもポリマーが除去しきれずに残ることがあった。そして、エッチング装置のチャンバー内にポリマーが大量に付着して異物発生源となるといったプロセスの安定性、制御性の面で問題が生じる可能性が高くなった。
また、上述したように、ウェット処理によって素子分離絶縁膜がエッチングされて、素子分離絶縁膜の表面が素子形成領域の表面よりも下方に位置してしまうと、ソース・ドレイン領域よりも下方に位置する素子形成領域の部分がさらに露出しやすくなって、接合リーク電流が発生しやすくなる問題があった。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、その目的は、接合リーク電流の低減が図られる半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明に係る半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。半導体基板の所定の領域にトレンチを形成する。トレンチ内に分離絶縁膜を形成する。分離絶縁膜の表面に、半導体基板を洗浄するための薬液に対する耐性をもたせるための所定の処理を施す。半導体基板の領域に、表面から所定の深さにわたり所定導電型の不純物領域を形成する。半導体基板上に層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜に、半導体基板の領域を露出するコンタクトホールを形成する。コンタクトホール内にプラグを形成する。
本発明に係る他の半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。半導体基板の所定の領域にトレンチを形成する。トレンチ内に分離絶縁膜を形成する。半導体基板の領域に半導体素子を形成する。半導体素子を覆うように、半導体基板上にエッチングストッパ膜を形成する。エッチングストッパ膜上に層間絶縁膜を形成する。層間絶縁膜およびエッチングストッパ膜にエッチングを施すことにより、エッチングストッパ膜のうち、第1の厚みを有する領域に第1コンタクトホールを形成するとともに、第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する領域に第2コンタクトホールを形成する。第1コンタクトホール内および第2コンタクトホール内に、それぞれプラグを形成する。コンタクトホール形成工程では、第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールのうち、先にエッチングストッパ膜の部分が露出する第1コンタクトホール内のエッチングストッパ膜の部分が選択的にエッチングされる所定の条件のもとで、層間絶縁膜のエッチングが行われ、その後、エッチングストッパ膜のエッチングが行われる。
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、分離絶縁膜の表面に、半導体基板を洗浄するための薬液に対する耐性をもたせるための所定の処理を施すことで、層間絶縁膜に、半導体基板の領域を露出するコンタクトホールを形成する際に、位置ずれが生じたとしても、分離絶縁膜の部分が過度にエッチングされて、不純物領域の直下に位置する半導体基板の領域が露出することが抑えられて、コンタクトホール内に形成されるプラグから半導体基板1の領域へ電流がリークするのを確実に防止することができる。
本発明に係る他の半導体装置の製造方法によれば、第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールのうち、先にエッチングストッパ膜の部分が露出する第1コンタクトホール内のエッチングストッパ膜の部分が選択的にエッチングされる所定の条件のもとで、層間絶縁膜のエッチングが行われ、その後、エッチングストッパ膜のエッチングが行われる。これにより、第2コンタクトホールの底に位置する分離絶縁膜の部分が過度にエッチングされて、半導体基板の領域が露出することが抑えられる。その結果、コンタクトホール内に形成されるプラグから半導体基板1の領域へ電流がリークするのを確実に防止することができる。
実施の形態1
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法について説明する。図1に示すように、半導体基板1の主表面上にシリコン酸化膜2が形成される。そのシリコン酸化膜2上にシリコン窒化膜3が形成される。そのシリコン窒化膜3上に、素子分離領域を形成するための所定のレジストパターン4が形成される。そのレジストパターン4をマスクとしてシリコン窒化膜3に異方性エッチングを施すことにより、マスクとしてのシリコン窒化膜(図示せず)が所定のパターンに形成される。そのシリコン窒化膜をマスクとして、半導体基板1に異方性エッチングを施すことにより、所定の深さのトレンチ(図示せず)が形成される。
次に、そのトレンチを充填するように半導体基板1上にシリコン酸化膜(図示せず)が形成される。次に、図2に示すように、そのシリコン酸化膜に化学的機械研磨処理を施すことにより、トレンチ5内に位置するシリコン酸化膜の部分を残してシリコン窒化膜3の上面上に位置するシリコン酸化膜の部分が除去される。こうして、トレンチ5内に分離酸化膜6が形成される。次に、露出している分離酸化膜6にウェットエッチングが施される。次に、図3に示すように、不純物イオンを注入することにより、分離酸化膜6の表面に、分離酸化膜6のエッチング特性とは異なるエッチング特性を有する改質層7が形成される。次に、図4に示すように、シリコン窒化膜3が除去される。
その後、素子分離領域によって仕切られた半導体基板の領域(素子形成領域)に、トランジスタ等の所定の半導体素子が形成される。図5に示すように、たとえば、素子形成領域には、トランジスタのソース・ドレイン領域14が形成される。そのソース・ドレイン領域14の表面に、サリサイドプロセスによって金属シリサイド9が形成される。金属シリサイド9を覆うように、半導体基板1上に、たとえば、シリコン窒化膜等のエッチングストッパ膜10が形成される。そのエッチングストッパ膜10上にシリコン酸化膜等の層間絶縁膜16が形成される。
その層間絶縁膜16上に、コンタクトホールを形成するための所定のレジストパターン17が形成される。ここでは、作用効果を説明するために、写真製版のアライメントのずれによって、素子形成領域と素子分離領域との境界を挟んで、素子形成領域に位置する半導体基板1の領域と、素子分離領域に位置する分離酸化膜6の部分の双方が露出する態様のコンタクトホールが形成される場合を想定する。
次に、図6に示すように、レジストパターン17をマスクとして、層間絶縁膜16に異方性エッチングを施し、さらに、エッチングストッパ膜10に異方性エッチングを施すことによって、金属シリサイド9の表面を露出するコンタクトホール16a,16bが形成される。その後、図7に示すように、レジストパターン17が除去される。次に、図8に示すように、コンタクトホール16a,16b内にプラグ18a,18bが形成される。こうして、半導体装置の主要部分が形成される。
上述した半導体装置の製造方法では、特に、素子分離領域の分離酸化膜6の表面に改質層7が形成されていることで、各ウェハプロセスに対応した洗浄等のウェット処理に伴う薬液等によって、分離酸化膜6のリセス量が抑えられることになる。これにより、たとえ、コンタクトホール16a,16bの位置ずれが生じたとしても、コンタクトホール16a,16bの底に、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するのを防止することができる。このことについて、比較例に係る半導体装置との関係で説明する。
図9に示すように、比較例に係る半導体装置では、半導体基板101の所定の領域にトレンチ105が形成され、そのトレンチ105内に分離酸化膜106が形成される。その分離酸化膜106が形成された後に、トランジスタ等の所定の半導体素子が形成される間に行われる洗浄処理の洗浄液によって分離酸化膜106の表面が削られることになる。そのため、分離酸化膜106の表面の位置が半導体基板の表面から、たとえば距離Rだけ下がってしまう。
その状態で、エッチングストッパ110および層間絶縁膜116が形成されて、その層間絶縁膜116にコンタクトホール116a,116bが形成されると、分離酸化膜106の表面が下がっていることによって、コンタクトホールのレジストパターンが位置ずれを起こした場合には、コンタクトホール116a,116bの底には、ソース・ドレイン領域114の直下に位置する半導体基板101の領域の部分が露出する場合がある。このため、そのようなコンタクトホール116a,116b内にプラグ118a,118bが形成されると、丸枠A内に示すように、プラグ118a,118bが半導体基板101の領域と電気的に短絡してしまい、電流がリークしてしまうことがある。
一方、上述した半導体装置の製造方法では、分離酸化膜6の表面に改質層7が形成されていることで、洗浄に伴う薬液等によって分離酸化膜6のリセス量が抑えられることになる。これにより、たとえ、コンタクトホール16a,16bの位置ずれが生じたとしても、コンタクトホール16a,16bの底に、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するのを防止することができて、コンタクトホール16a,16b内に形成されるプラグ18a,18bから半導体基板1の領域へ電流がリークするのを確実に防止することができる。
実施の形態2
本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法について説明する。前述した図1および図2に示す工程と同様の工程を経た後、図10に示すように、分離酸化膜6にウェットエッチングを施し、図11に示すように、さらに分離酸化膜6にウェットエッチングを施して、分離酸化膜6の表面の位置を半導体基板1の表面の位置よりも下げる。次に、図12に示すように、選択エピタキシャル成長法または選択成膜により分離酸化膜6の表面にだけ、薬液に対する耐性を有する選択成長層8が形成される。その後、シリコン窒化膜3が除去される。次に、図5〜図8に示す工程と同様の工程を経て、図13に示すように、コンタクトホール16a,16b内にプラグ18a,18bが形成される。こうして、半導体装置の主要部分が形成される。
上述した半導体装置の製造方法では、特に、素子分離領域の分離酸化膜6の表面に薬液に対する耐性を有する選択成長層8が形成されていることで、洗浄に伴う薬液等によって分離酸化膜6のリセス量が抑えられることになる。これにより、たとえ、コンタクトホール16a,16bの位置ずれが生じたとしても、コンタクトホール16a,16bの底に、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するのを防止し、コンタクトホール16a,16b内に形成されるプラグ18a,18bから半導体基板1の領域へ電流がリークするのを確実に防止することができる。
なお、上述した、半導体装置の製造方法では、選択成長層8をシリコン窒化膜3を除去する前に形成する場合を例に挙げて説明したが、シリコン窒化膜3を除去した後に選択成長層8を形成してもよい。また、ゲート電極を覆うシリコン窒化膜を形成した後、あるいは、金属シリサイド膜9を形成した後に選択成長膜8を形成するようにしてもよい。
実施の形態3
本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法について説明する。図14に示すように、半導体基板1の所定の領域にトレンチ5が形成され、そのトレンチ5に分離酸化膜6が形成される。その後、半導体基板1の領域(素子形成領域)に、ゲート電極11a,11bおよびソース・ドレイン領域14が形成される。また、ゲート電極11a,11bの側面上にサイドウォール絶縁膜12が形成される。さらに、ソース・ドレイン領域14の表面およびゲート電極11a,11bの表面に、サリサイドプロセスによって金属シリサイド9が形成される。次に、ゲート電極11a,11bを覆うように半導体基板1上にエッチングストッパ膜10が形成される。そのエッチングストッパ膜10上に、層間絶縁膜16が形成される。
次に、図15に示すように、層間絶縁膜16上にコンタクトホールを形成するためのレジストパターン17が形成される。そのレジストパターン17をマスクとして層間絶縁膜16に異方性エッチングが施される。この工程では、ゲート電極11aとゲート電極11bとの間のエッチングストッパ膜の埋め込み形状がファセット形状であることを利用して、ガス系やガス流量を変更したり、バイアス印加電力を増加したりする等、層間絶縁膜16のエッチング条件を変更してスパッタリング効果を高めることにより、エッチングストッパ膜10とのエッチング選択比を低くし、ゲート電極11aとゲート電極11bとの間のエッチングストッパ膜が選択的に削れるようにする。
このようなエッチング条件とすることで、図15に示すように、ゲート電極11aとゲート電極11bとの間に位置する比較的膜厚が厚いエッチングストッパ膜10の部分が露出した後では、そのエッチングストッパ膜10の部分が選択的にエッチングされることになる。これにより、図16に示すように、層間絶縁膜16のエッチングが完了した時点で、コンタクトホール16aの底に位置するエッチングストッパ膜10の残膜と、コンタクトホール16bの底に位置するエッチングストッパ膜10の部分の残膜との膜厚差が少ない状態となり、続いて行われるエッチングストッパ膜のエッチングにおいて、コンタクトホール16aの金属シリサイド9の表面を露出させるために必要なエッチングストッパ膜のエッチング量を少なくすることができる。
こうして、図17に示すように、金属シリサイド9の表面を露出するコンタクトホール16a,16bがそれぞれ形成される。その後、図18に示すように、コンタクトホール16a,16b内にプラグ18a,18bが形成される。こうして、半導体装置の主要部分が形成される。
上述した半導体装置の製造方法では、特に、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいて、層間絶縁膜16のエッチングの条件は、エッチングストッパ膜10とのエッチング選択比が小さくなる条件とされる。これにより、たとえ、コンタクトホール16bの位置ずれが生じたとしても、コンタクトホール16bの底に、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するのを防止することができる。このことについて、比較例に係る半導体装置との関係で説明する。
図19に示すように、比較例に係る半導体装置では、半導体基板101の所定の領域にトレンチ105が形成され、そのトレンチ105内に分離酸化膜106が形成された後に、半導体基板1の領域にゲート電極111a,111b、サイドウォール絶縁膜112、ソース・ドレイン領域14、金属シリサイド109が形成される。次に、そのゲート電極111a,111bを覆うように半導体基板101上にエッチングストッパ膜110が形成され、さらに、そのエッチングストッパ膜110上に層間絶縁膜116が形成される。次に、その層間絶縁膜116上に形成される所定のレジストパターン(図示せず)をマスクとして、エッチングストッパ膜110に対して層間絶縁膜116が選択的にエッチングされるエッチング条件のもとで層間絶縁膜116にエッチングが施される。
次に、エッチングストッパ膜110の表面が露出すると、エッチングストッパ膜110のエッチングに適した条件のもとでエッチングストッパ膜110にエッチングが施されることになる。ゲート電極111aとゲート電極111bとの間の間隔が狭いと、エッチングストッパ膜110で埋まってしまうため、ゲート電極111aとゲート電極111bとの間に位置するエッチングストッパ膜110の部分の膜厚は、他の領域に位置するエッチングストッパ膜110の部分の膜厚に比べて厚い。
そのため、コンタクトホール116bの底に位置するエッチングストッパ膜110が露出した時点では、コンタクトホール116aの底には、まだ、エッチングストッパ膜110が厚く残っている。そうすると、コンタクトホール116aの底に残るエッチングストッパ膜110を除去する間に、コンタクトホール116bの底の部分にはオーバエッチングが施されることになる。
このとき、コンタクトホールのレジストパターンが位置ずれを起こした場合には、結果的に、分離酸化膜106がエッチングされてしまい、丸枠A内に示すように、コンタクトホール116bの底には、ソース・ドレイン領域114の直下に位置する半導体基板101の領域の部分が露出する場合がある。このため、そのようなコンタクトホール116b内にプラグ(図示せず)が形成されると、そのプラグが半導体基板101の領域と電気的に短絡してしまい、電流がリークしてしまうことがある。
一方、上述した半導体装置の製造方法では、コンタクトホールを形成する際のエッチングにおいて、層間絶縁膜16のエッチングの条件は、スパッタリング効果を高めた、ファセット形状のエッチングストッパ膜10とのエッチング選択比が小さくなる条件とされる。つまり、ゲート電極111aとゲート電極111bとの間に位置するエッチングストッパ膜10がより選択的にエッチングされる条件とされる。これにより、比較例のように、コンタクトホール116aの底に残るエッチングストッパ膜110を除去する間に、コンタクトホール116bの底の部分にはオーバエッチングが施されるようなことはなくなり、たとえ、コンタクトホール16bの位置ずれが生じたとしても、コンタクトホール16bの底に、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するのを防止することができる。
実施の形態4
本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法について説明する。前述した図14に示す工程と同様にして、図20に示すように、半導体基板1の素子形成領域に、ゲート電極11a,11b、ソース・ドレイン領域14、サイドウォール絶縁膜12および金属シリサイド9が形成される。
次に、ゲート電極11a,11bを覆うように半導体基板1上にエッチングストッパ膜15が形成される。このとき、成膜温度のより低い条件のもとで形成することにより、層間絶縁膜のエッチングにおいて、比較的エッチングされやすいエッチングストッパ膜15が形成される。次に、図21に示すように、エッチングストッパ膜15上に、層間絶縁膜16が形成される。
次に、層間絶縁膜16上にコンタクトホールを形成するためのレジストパターン(図示せず)が形成される。そのレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜16に異方性エッチングが施される。この工程では、エッチングストッパ膜15として、層間絶縁膜16のエッチングにおいて、比較的エッチングされやすいエッチングストッパ膜が形成されている。
このため、ゲート電極11aとゲート電極11bとの間に位置する比較的膜厚が厚いエッチングストッパ膜15の部分が露出した後では、そのエッチングストッパ膜15の部分がファセット形状であるため選択的にエッチングされることになる。これにより、層間絶縁膜16のエッチングが完了した時点で、コンタクトホール16aの底に位置するエッチングストッパ膜10の残膜と、コンタクトホール16bの底に位置するエッチングストッパ膜10の部分の残膜との膜厚差が少ない状態となり、続いて行われるエッチングストッパ膜のエッチングにおいて、コンタクトホール16bのエッチングがコンタクトホール16aのエッチングに対して過度に進行して、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するようなことはなくなる。その後、図22に示すように、コンタクトホール16a,16b内にプラグ18a,18bが形成される。こうして、半導体装置の主要部分が形成される。
上述した半導体装置の製造方法では、エッチングストッパ膜15として、層間絶縁膜16のエッチングにおいて、比較的エッチングされやすいエッチングストッパ膜が形成されている。これにより、コンタクトホール16aの底に位置するエッチングストッパ膜15の残膜と、コンタクトホール16bの底に位置するエッチングストッパ膜15の部分の残膜との膜厚差が大きくなることなくエッチングされて、分離酸化膜6が過度にエッチングされて、ソース・ドレイン領域14の直下に位置する半導体基板1の領域が露出するようなことはなくなる。その結果、プラグが半導体基板1の領域と電気的に短絡してしまい、電流がリークしてしまうのを阻止することができる。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図1に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図2に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図3に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図4に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図5に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図6に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図7に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 比較例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図10に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図11に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図12に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図14に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図15に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図16に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図17に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 比較例に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図20に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図21に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。
符号の説明
1 半導体基板、2 シリコン酸化膜、3 シリコン窒化膜、4 レジストパターン、5 トレンチ、6 分離酸化膜、7 改質層、8 選択成長層、9 金属シリサイド、10 エッチングストッパ膜、11,11a,11b ゲート電極、12 サイドウォール絶縁膜、14 ソース・ドレイン領域、15 エッチングストッパ膜、16 層間絶縁膜、16a,16b コンタクトホール、17 レジストパターン、18a,18b プラグ。

Claims (5)

  1. 半導体基板の所定の領域にトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチ内に分離絶縁膜を形成する工程と、
    前記分離絶縁膜の表面に、前記半導体基板を洗浄するための薬液に対する耐性をもたせるための所定の処理を施す工程と、
    前記半導体基板の領域に、表面から所定の深さにわたり所定導電型の不純物領域を形成する工程と、
    前記半導体基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜に、前記半導体基板の領域を露出するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内にプラグを形成する工程と
    を備えた、半導体装置の製造方法。
  2. 前記所定の処理を施す工程は、前記分離絶縁膜の表面にイオンを注入する工程を含む、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記所定の処理を施す工程は、前記分離絶縁膜の表面に前記分離絶縁膜とはエッチング特性の異なる膜を形成する工程を含む、請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 半導体基板の所定の領域にトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチ内に分離絶縁膜を形成する工程と、
    前記半導体基板の領域に半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体素子を覆うように、前記半導体基板上にエッチングストッパ膜を形成する工程と、
    前記エッチングストッパ膜上に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜および前記エッチングストッパ膜にエッチングを施すことにより、前記エッチングストッパ膜のうち、第1の厚みを有する領域に第1コンタクトホールを形成するとともに、前記第1の厚みよりも薄い第2の厚みを有する領域に第2コンタクトホールを形成するコンタクトホール形成工程と、
    前記第1コンタクトホール内および前記第2コンタクトホール内に、それぞれプラグを形成する工程と
    を備え、
    前記コンタクトホール形成工程では、前記第1コンタクトホールおよび前記第2コンタクトホールのうち、先に前記エッチングストッパ膜の部分が露出する前記第1コンタクトホール内の前記エッチングストッパ膜の部分が選択的にエッチングされる所定の条件のもとで、前記層間絶縁膜のエッチングが行われ、その後、前記エッチングストッパ膜のエッチングが行われる、半導体装置の製造方法。
  5. 前記半導体素子を形成する工程は、間隔を隔てて互いに隣接するゲート電極を形成する工程を含み、
    前記コンタクトホール形成工程では、前記第1コンタクトホールは前記互いに隣接するゲート電極の間に位置する領域に形成される、請求項4記載の半導体装置の製造方法。
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