JP2010049920A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で発電領域における反応ガスの配流性や冷却効率・集電効率を向上できる技術を提供する。
【解決手段】セパレータ200は、カソードプレート210とアノードプレート220によって構成されている。アノードプレート220は、アノード22側に突起した複数の凸ディンプル226と、カソードプレート210側に突起した複数の凹ディンプル227とが設けられている。凸ディンプル226は、セパレータ200とシールガスケット120との接触面よりも突出して、発電領域EAにおける反応ガスのためのガス流路を構成する。凹ディンプル227は、発電領域EAにおいて2枚のプレート210,220の間に流入する冷媒のための冷媒流路を構成する。
【選択図】図9

Description

この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、一般に、電解質膜の両面に電極が配置された膜電極接合体を備え、膜電極接合体は、セパレータによって挟持される。セパレータは、導電性を有する複数の板状部材で構成されており、反応ガスや冷媒のための流路を有する。これにより、セパレータは、発電された電気を集電する集電機能と、電極へ反応ガスを誘導するガス供給機能と、発電により生じた熱を冷却する冷却機能とを実現する(特許文献1等)。
特開2006−318863号公報 特開2001−196079号公報 特開平9−97623号公報
ところで、燃料電池は、発電に供される発電領域における反応ガスの配流性を向上することによってその発電効率を向上させることができる。また、冷媒による発電領域における冷却効率や発電電気の集電効率を向上することによっても発電効率を向上させることができる。一方、燃料電池は、車両などの限られた空間に設置するために小型化・軽量化されることが要求されている。そこで、燃料電池は、発電領域における反応ガスの配流性や、冷却効率・集電効率を向上させつつ、その構成がより簡易化されることが好ましい。しかし、これまでこうした要求に対して十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、簡易な構成で発電領域における反応ガスの配流性や冷却効率・集電効率を向上できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池であって、電解質膜の両面に電極が配置された膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟持するセパレータとを備え、前記膜電極接合体の外周には、流体の漏洩を防止するためのシール部が設けられ、前記セパレータは、前記燃料電池を挟持方向に沿って見たときに前記電極と重なる発電領域と、前記シール部を挟持する非発電領域とを有し、前記発電領域は、第1と第2のプレートによって構成され、前記第1のプレートは、前記電極側に突起した複数の電極側凸部と、前記第2のプレート側に突起した複数のプレート側凸部とを有し、前記複数の電極側凸部は、前記非発電領域における前記セパレータと前記シール部との接触面よりも突出して、前記発電領域における反応ガスのためのガス流路を構成し、前記複数のプレート側凸部は、前記発電領域において前記第1と第2のプレートの間に流入する冷媒のための冷媒流路を構成する、燃料電池。
この燃料電池によれば、簡易な構成のセパレータによって発電領域における反応ガスの配流性を向上させつつ、発電電気の集電効率及び発電領域における冷却効率を向上させることができる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池であって、前記電極側凸部と前記電極とが直接的に接触する、燃料電池。
この燃料電池によれば、電極側凸部と電極との間に他の部材を介さないため、発電電気の集電効率を向上させることができる。
[適用例3]
適用例2記載の燃料電池であって、さらに、前記電極に反応ガスを供給するためのガス流路部材を備え、前記電極はアノードとカソードとを含み、前記第1のプレートは、前記アノード側に配置され、前記第2のプレートは、前記カソード側に配置され、前記ガス流路部材は、前記第2のプレートと前記カソードとの間に配置される、燃料電池。
この燃料電池によれば、アノード側の電極面には、電極側凸部によってガス流路が形成され、カソード側の電極面には、ガス流路部材によってガス流路が形成される。従って、カソード側の排水性やガス配流性をガス流路部材によって実現しつつ、カソード側より簡易な構成によって、アノード側のガス配流性を向上できる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の燃料電池であって、前記非発電領域は、前記第1と第2のプレートによって構成されており、前記シール部は、前記第1と第2のプレートによって挟持され、前記非発電領域の前記第1と第2のプレートの間には、前記反応ガス及び前記冷媒を前記ガス流路及び前記冷媒流路に誘導するための連通流路が形成されている、燃料電池。
[適用例5]
適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の燃料電池であって、前記非発電領域は、前記第1と第2のプレートによって構成されており、前記シール部は、前記第1と第2のプレートによって挟持され、前記シール部には、前記反応ガス及び前記冷媒を前記ガス流路及び前記冷媒流路に誘導するための連通流路が形成されている、燃料電池。
適用例4または適用例5の燃料電池によれば、セパレータを2枚のプレートでのみ構成できるため、燃料電池は、より簡易な構成となる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は本発明の一実施例としての燃料電池の構成を示す概略図である。この燃料電池1000は、反応ガスとして水素と酸素との供給を受けて発電を行う固体高分子型燃料電池である。なお、燃料電池1000としては、固体高分子型燃料電池でなくとも良く、任意の種々のタイプの燃料電池に本発明を適用することが可能である。
燃料電池1000は、複数の膜電極接合体100と、セパレータ200とが交互に積層されたスタック構造を有する。セパレータ200は、カソードプレート210とアノードプレート220によって構成されており、アノードプレート220の外周には、流路枠部材250が設けられている。流路枠部材250は、反応ガスや冷媒などの流体の流路を構成するための枠状の樹脂部材である。膜電極接合体100及びセパレータ200の積層体は、その積層方向から2枚のエンドプレート401,402によって挟持され、締結部材403によって積層方向に荷重を受けて締結される。
図2(A)は、膜電極接合体100の構成を示す概略図であり、カソード側の面を示している。なお、アノード側の面の構成はカソード側の面と同様であるため、図示及び説明は省略する。膜電極接合体100は、略長変形の部材であり、発電に供される発電部110と発電部110の外周に成形された流体の漏洩を防止するためのシールガスケット120とを有する。
シールガスケット120には、反応ガス及び冷媒のための6個のマニホールド孔M1〜M6が貫通孔として設けられている。具体的には、水素供給用のマニホールド孔M1と冷媒供給用のマニホールド孔M5とが、膜電極接合体100の短辺に沿って並列に設けられている。また、水素排出用のマニホールド孔M2と冷媒排出用のマニホールド孔M6とが、発電部110を挟んでそれぞれの供給用のマニホールド孔M1,M5に対向して設けられている。酸素供給用マニホールド孔M3及び酸素排出用マニホールド孔M4はそれぞれ、発電部110を挟んで対向する位置に、膜電極接合体100の長辺に沿って設けられている。
さらに、シールガスケット120の外表面には、流体の漏洩を防止するためのシールラインSL(図中に二条線で図示)が設けられている。具体的には、シールラインSLは、各マニホールド孔M1〜M6と発電部110とを囲むように設けられている。なお、マニホールド孔M1〜M6及びシールラインSLの構成は他の構成であっても良い。
図2(B)は、図2(A)に示すB−B切断における膜電極接合体100の断面図である。発電部110は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子の薄膜である電解質膜10を有する。電解質膜10の外表面にはそれぞれ電極21,22(カソード21及びアノード22)が配置されている。各電極21,22の電解質膜10と接する面側には燃料電池反応を促進するための触媒(例えば白金)が担持された触媒層(図示せず)が形成されている。一方、各電極21,22の電解質膜10と接しない面側には、反応ガスを電極面の全体に行き渡らせるためのガス拡散層(図示せず)が形成されている。2つの電極21,22は、例えば、カーボンペーパによって構成することができる。
電解質膜10の外周端部10eは、2つの電極21,22の外周端部21e,22eより突出しており、シールガスケット120は、各外周端部10e,21e,22eを被覆するように成形されている。この構成により、電極端部21e,22eにおいて、反応ガスが供給された電極とは反対側の電極へと燃料電池反応に供されることなく移動してしまうクロスリークの発生が抑制される。なお、シールガスケット120の外表面に設けられたシールラインSLは、シールガスケット120の外表面の突起部121(リップ121)として形成されている。
図3(A),(B)は、セパレータ200のカソードプレート210の構成を示す概略図である。図3(A)は、アノードプレート220と接する面(以後、「アノード面」と呼ぶ)を示しており、図3(B)は、膜電極接合体100のカソード21と対向する面(以後、「カソード面」と呼ぶ)を示している。なお、図3(A),(B)には、燃料電池1000を積層方向に沿って見たときに、膜電極接合体100の発電部110(図2(A))と重なる領域を一点破線で図示してある。以後、この領域を「発電領域EA」と呼ぶ。
カソードプレート210は、膜電極接合体100とほぼ同サイズの略長辺形の導電性を有する板状部材である。カソードプレート210は、例えば金属薄板によって構成できる。カソードプレート210には、膜電極接合体100と同様にマニホールド孔M1〜M6が形成されている。
カソードプレート210の酸素用のマニホールド孔M3,M4のそれぞれの近傍には、複数の貫通孔からなる貫通孔列P1,P2が設けられている。貫通孔列P1,P2の各貫通孔は、酸素用の各マニホールド孔M3,M5と発電領域EAとの間において、発電領域EAの長辺方向に沿って一列に配列されている。なお、各貫通孔列P1,P2は、燃料電池1000として組み付けられたときに、膜電極接合体100のシールガスケット120に設けられたシールラインSLによって囲まれる領域であって、発電部110が配置される領域と同じ領域内に配置される。
図4(A),(B),(C)は、セパレータ200のアノードプレート220の構成を示す概略図である。図4(A)は、膜電極接合体100のアノード22と対向する面(以後、「アノード面」と呼ぶ)を示しており、図4(B)は、カソードプレート210と接する面(以後、「カソード面」と呼ぶ)を示している。なお、図4(A),(B)は、発電部流路形成部225が設けられている点以外は、図3(A),(B)とほぼ同じである。図4(C)は、図4(A)に示すC−C切断におけるアノードプレート220の断面を示す概略図である。
発電部流路形成部225は、冷媒供給用マニホールド孔M5と冷媒排出用マニホールド孔M6との間の発電領域EAを含むプレート面をプレス加工によってアノード面側に突出させて形成された部位である。発電部流路形成部225の発電領域EA内には、さらに、プレス加工によってアノード面側に突出させた複数のアノード側凸部226とその反対側に陥没させた(即ち、カソード面側に突出させた)カソード側凸部227とが交互に配列して設けられている。各凸部226,227は、その突出(陥没)方向に沿って見たときに略円形形状を有している。なお、図4(A),(B)では、紙面に対して凹となる凸部226,227の底面を黒く塗りつぶして図示してある。
ここで、各凸部226,227のように、基準となる平面に連続的に配列して形成された複数の凸部又は凹部を、本明細書中では「ディンプル」と呼ぶ。そこで、以後、本明細書中では、アノード側凸部226を「凸ディンプル226」とも呼び、カソード側凸部227を「凹ディンプル227」とも呼ぶ。
なお、図4(C)には、セパレータ200を構成した場合に配置されるカソードプレート210を破線で図示してある。凹ディンプル227の底面227tは、セパレータ200を構成したときに、凹ディンプル227の底面227tはカソードプレート210と当接する。また、図中の矢印に示すように、発電部流路形成部225とカソードプレート210との間の空間を介して冷媒用のマニホールド孔M5,M6同士が連通しており、冷媒を発電領域EAに流入させることが可能となる。以後、発電部流路形成部225とカソードプレート210との間に形成される空間であって、冷媒用の各マニホールド孔M5,M6と発電領域EAとを連通する空間をそれぞれ「冷媒連通流路228a,228b」と呼ぶ。なお、冷媒連通流路228a,228bにも、凹ディンプル227が形成されているが、この凹ディンプル227は省略されても良い。
図5(A),(B)は、流路枠部材250の構成を示す概略図である。図5(A)は、膜電極接合体100のアノード22側の面と当接する面(以後、「アノード面」と呼ぶ)を示しており、図5(B)は、セパレータ200のアノードプレート220と当接する面(以後、「カソード面」と呼ぶ)を示している。
流路枠部材250は、セパレータ200とほぼ同サイズの略長辺形の樹脂部材であり、セパレータ200と同様に、マニホールド孔M1〜M6が設けられている。また、流路枠部材250は、発電領域EAにおいて貫通窓部251が形成されている。流路枠部材250のアノード面は、平坦な面で構成されているが(図5(A))、そのカソード面は、薄肉化することによって流体のための流路が形成されている(図5(B))。具体的には、以下のように流路が形成されている。
流路枠部材250には、酸素用のマニホールド孔M3,M4とセパレータ200に設けられた貫通孔列P1,P2の各貫通孔(図3,図4)とをそれぞれ連通する複数の酸素用連通流路252a,252bが櫛歯状に並列に設けられている。また、酸素用連通流路252a,252bと貫通窓部251との間にはそれぞれ、流路枠部材250の長辺方向に沿って延び、水素用のマニホールドM1,M5とそれぞれ連通する水素連通流路253a,253bが設けられている。2つの水素連通流路253a,253bはそれぞれ、貫通窓部251の長辺方向に櫛歯状に並列に設けられた複数の水素櫛歯流路254a,254bによって貫通窓部251と連通している。また、流路枠部材250には、冷媒用の各マニホールド孔M5,M6と貫通窓部251との間に、アノードプレート250の発電部流路形成部225によって形成された冷媒連通流路228a,228b(図4(C))を配置するための薄肉部位258a,258bが形成されている。
図6(A)は、カソードプレート210とアノードプレート220と流路枠部材250とを積層してセパレータ200を構成した状態を示す概略図であり、セパレータ200のアノード面を示している。なお、図6(A)には、理解のために、セパレータ200に形成された貫通孔列P1,P2及び冷媒連通流路228a,228bと、流路枠部材250に設けられた各流体流路252a,252b,253a,253b,254a,254bとを破線で図示してある。このように、セパレータ200を構成したとき、アノードプレート220の発電部流路形成部225の一部は、流路枠部材250の貫通窓部251から露出する。ただし、発電部流路形成部225のうち、冷媒連通流路228a,228bを形成する部位は、流路枠部材250の薄肉部位258a,258bに嵌るため露出していない。
図6(B),(C)はそれぞれ、図6(A)に示すB−B切断及びC−C切断におけるセパレータ200の断面を示す概略断面図である。発電部流路形成部225の凸ディンプル226は、流路枠部材250の外表面より突出している。なお、2つのプレート210,220同士は金属接合され、流路枠部材250とアノードプレート220とは、接着剤などにより接着される。
図7は、燃料電池1000の組み付け工程を模式的に示す概略断面図である。図7には、図2(B)と同様な膜電極接合体100の概略断面図と、図6(B)と同様なセパレータ200の概略断面図とが示されている。燃料電池1000では、膜電極接合体100がセパレータ200によって挟持される際に、膜電極接合体100のカソード電極21とカソードプレート210との間に、ガス流路部材500が配置される。なお、セパレータ200の凸ディンプル226は、燃料電池1000として組み付けられたときに、膜電極接合体100のアノード22と当接する。
このガス流路部材500は、発電領域EAに供給された酸素をカソード21の全面に行き渡らせるためのガス流路として機能する部材である。ガス流路部材500は、導電性を有しており、カソード21とカソードプレート210との間の導電パスとしても機能する。ガス流路部材500は、焼結金属などの導電性多孔質部材によって構成することもできるし、例えば、いわゆるメッシュやエキスパンドメタル、パンチングメタルなどの金属加工部材によって構成することもできる。
なお、燃料電池1000として組み付けられたときに、ガス流路部材500がセパレータ200から受ける荷重は、凹ディンプル227が形成された部位と、凹ディンプル227が形成されていない部位とで不均一となる場合がある。従って、ガス流路部材500としては、そうした局所的な荷重の不均一性にかかわらず、その厚みが面に沿った方向に渡って略一定に保持される程度の強度を有することが好ましい。これによって、セパレータ200のディンプル226,227によってガス流路部材500の気孔率が局所的に変化してしまうことを抑制できる。また、カソード21のガス拡散層がガス流路部材500を介して受ける荷重が、セパレータ200のディンプル形成部位と非形成部位とで不均一となることを抑制でき、カソード側の水分が当該ガス拡散層に滞留してしまうことを抑制できる。
図8,図9は、燃料電池1000における流体の流れを説明するための模式図である。図8(A),(B)はそれぞれ、膜電極接合体100のカソード側の面とアノード側の面における流体の流れを示している。図8(A)は、燃料電池1000の積層方向に投影されるセパレータ200の貫通孔列P1,P2及び流路枠部材250の酸素用連通流路252a,252bを破線で示し、酸素の流れる方向を矢印で図示してある点以外は図2(A)とほぼ同じである。
図8(B)は、膜電極接合体100のアノード面を示す図8(A)と同様な図であり、燃料電池1000の積層方向に投影される水素連通流路253a,253b及び水素櫛歯流路254a,254bを破線で示してある。また、図8(B)には、アノード22と凸ディンプル226とが接する領域を破線で示してある。
図9(A)は、図8(A)に示すA−A切断における燃料電池1000の一部断面図を示しており、反応ガスの流れを矢印で図示してある。図9(B)は、図8(A)に示すB−B切断における燃料電池1000の一部断面図を示しており、冷媒の流れを矢印で図示してある。
図8(A)及び図9(A)に示すように、酸素供給用マニホールド孔M3に供給された酸素の一部は、流路枠部材250の酸素用連通流路252aへと流入し、セパレータ200の貫通孔列P1の各貫通孔から膜電極接合体100のカソード側の面へと流れる。さらに、酸素は、カソード21に配置されたガス流路部材500によってカソード21の全面に行き渡る。燃料電池反応に供されることのなかった酸素及び燃料電池反応によって生成された水分を含むカソード排ガスは、ガス流路部材500から、セパレータ200の貫通孔列P2の各貫通孔を介して、流路枠部材250の酸素用連通流路252bへと流入する。そして、カソード排ガスは、酸素排出用マニホールド孔M4から燃料電池1000の外部へと排出される。
一方、図8(B)及び図9(A)に示すように、水素供給用マニホールド孔M1に供給された水素の一部は、水素連通流路253aへと流入し、水素櫛歯流路254aの各流路を介して膜電極接合体100のアノード側の面へと供給される。アノード22に流入した水素は、発電領域EAにおいて千鳥状に配列された各凸ディンプル226の間をすり抜けながら燃料電池反応に供されつつ、下流側へと流れる。即ち、凸ディンプル226は、発電された電気を集電するための導電パスとして機能するとともに、アノード22における水素の流路として機能する。反応に供されることのなかった水素を含むアノード排ガスは、排出側の水素櫛歯流路254b及び水素連通流路253bを介して水素排出用マニホールド孔M2へと至り、燃料電池1000の外部へと排出される。
冷媒供給用マニホールド孔M5から供給された冷媒の一部は、図9(B)に示すように、セパレータ200の冷媒連通流路228aからディンプル226,227によってカソードプレート210とアノードプレート220との間に形成された空間へと流入する。発電領域EAにおいて、冷媒は、各凹ディンプル227の間をすり抜けつつ、燃料電池反応によって生じた熱を伴って排出側の冷媒連通流路228bを介して冷媒排出用マニホールド孔M6へと流出し、燃料電池1000の外部へと排出される。即ち、凹ディンプル227は、カソードプレート210とアノードプレート220との間のスペーサとして機能するとともに、発電電気の導電パスとして機能し、さらに、発電領域EAにおける冷媒の流路として機能する。
ところで、燃料電池は、通常、電極面内(発電領域)における反応ガスの配流性を向上させることによって、その発電効率を向上させることができる。また、発電領域内における冷媒の配流性を向上させることによって冷却効率を向上させることができる。そのため、一般には、セパレータと電極との間に反応ガスを向上させるためのガス流路部材を配置したり、セパレータに冷媒流路を構成するための流路部材を設けたりする場合がある。
しかし、本実施例の構成によれば、アノードプレート220に形成されたディンプル226,227がそれぞれ、アノード流路及び冷媒流路として機能する。そのため、発電領域EAにおいて、上述した流路部材を別途設けることなく、発電領域EAにおける水素及び冷媒の配流性を向上させることが可能である。従って、燃料電池の発電効率を向上させるとともに、燃料電池の構成部材数の増加を抑制することができ、燃料電池の重量の増加や製造コストの増大を抑制できる。
また、上述したように、この燃料電池1000では、セパレータ200の凸ディンプル226がアノード22と直接的に接することによって、膜電極接合体100とセパレータ200との間の導電パスを形成する。従って、ガス流路部材などの他の導電性部材を介して電極から発電電気を集電する場合より、接触抵抗が低減するため集電効率が向上する。さらに、セパレータ200では、2つのプレート210,220同士が互いに接触して導電するため、カソードプレートとアノードプレートとの間に中間プレートや冷媒流路部材などが設けられた3層以上の多層式セパレータに比較して集電効率が向上している。
このように、本実施例の燃料電池によれば、より簡易な構成で、その発電領域における反応ガスの配流性や冷却効率及び集電効率を向上できる。
B.第2実施例:
図10は、本発明の第2実施例としての燃料電池1000Aの構成を示す概略図である。図10は、流路枠部材250が省略され、膜電極接合体100及びセパレータ200に換えて膜電極接合体100A及びセパレータ200Aが用いられている点以外は図10と同じである。この燃料電池1000Aでは、流路枠部材250を用いることなく、セパレータ200Aを構成する2つのプレート210A,220Aにおいて、各マニホールド孔M1〜M6と発電領域EAとを連通する流体流路が形成されている。
図11(A)は、膜電極接合体100Aの構成を示す概略図である。図11(A)は、各マニホールド孔M1〜M6や発電部110などの各部のサイズが異なる点以外は、図2(A)とほぼ同じである。図11(B)は、図11(A)に示すB−B切断における膜電極接合体100Aの断面を示す概略断面図である。図11(B)は、シールガスケット120の形状が異なる点以外は、図2(B)とほぼ同じである。なお、シールラインSLを構成するリップ121の形状が図2(B)と異なるが、その機能は図2(B)のものと同様である。
図12(A),(B)は、セパレータ200Aのカソードプレート210Aの構成を示す概略図である。図12(A)は、カソードプレート210Aのアノード面を示しており、図12(B)は、カソード面を示している。なお、図12(A),(B)には、発電領域EAを一点破線で図示してある。
カソードプレート210Aには、膜電極接合体100A(図11)と同様に、流体のための各マニホールド孔M1〜M6が貫通孔として設けられている。また、カソードプレート210Aには、酸素用のマニホールド孔M3,M4のそれぞれと発電領域EAとの間に、発電領域EAの長辺方向に沿って設けられた貫通孔である酸素用連通孔CH1,CH2が設けられている(図12(A),(B))。
また、カソードプレート210Aのアノード面には、プレートを薄肉化することによって複数の流体用の流路溝が設けられている(図12(A))。具体的には、酸素用の流路溝として、酸素用の各マニホールド孔M3,M4と各酸素用連通孔CH1,CH2とを連通する酸素用連通流路溝211a,211bが設けられている。また、水素用の流路溝として、水素用の各マニホールド孔M1,M2と発電領域EAとの間に、水素用の各マニホールド孔M1,M2とアノードプレート220Aの水素用連通孔AH1,AH2(後述)とを連通するための水素用連通流路溝213a,213bが設けられている。さらに、冷媒用の流路溝として、冷媒用の各マニホールド孔M5,M6と発電領域EAとを連通する冷媒用流路溝215a,215bが設けられている。
図13(A),(B),(C)は、セパレータ200Aのアノードプレート220Aの構成を示す概略図である。図13(A)は、アノードプレート220Aのアノード面を示しており、図13(B)は、反対側のカソード面を示している。図13(A),(B)には、発電領域EAを一点破線で図示してある。図13(C)は、図13(A)に示すC−C切断におけるアノードプレート220Aの断面を示す概略断面図である。図13(C)には、セパレータ200Aを構成した場合に配置されるカソードプレート210A(図12)を破線で図示してある。
アノードプレート220Aには、カソードプレート210A(図12)と同様に各マニホールド孔M1〜M6が形成されている(図13(A),(B))。また、アノードプレート220Aには、プレス加工によって、発電領域EAのプレート面をアノード側に突出させた発電部流路形成部225Aが設けられている。発電部流路形成部225Aには、第1実施例のアノードプレート220における発電部流路形成部225(図4)と同様に凸ディンプル226及び凹ディンプル227が交互に配列して設けられている。なお、凹ディンプル227は、セパレータ200Aを構成したときに、カソードプレート210Aと接する(図13(C))。
さらに、このアノードプレート220Aには、水素用の各マニホールド孔M1,M2と発電部流路形成部225Aとの間にそれぞれ、カソードプレート210Aの水素用連通流路溝213a,213bと連通する水素用連通孔AH1,AH2が設けられている(図13(A),(B))。なお、水素用連通孔AH1,AH2は、燃料電池1000Aとして組み付けられたときに、膜電極接合体100A(図11)のシールガスケット120に設けられたシールラインSLによって囲まれる領域であって、発電部110が配置される領域と同一の領域内に配置される。
図14は、燃料電池1000Aの組み付け工程を模式的に示す概略断面図である。燃料電池1000Aでは、第1実施例の燃料電池1000と同様に(図7)、膜電極接合体100Aが2枚のプレート210A,220Aによって挟持される際に、カソード21とカソードプレート210Aとの間に、ガス流路部材500が配置される。ここで、凸ディンプル226は、シールガスケット120とアノードプレート220Aとが接触する面より突出している。これにより、凸ディンプル226は、第1実施例の燃料電池1000と同様に、膜電極接合体100Aのアノード22と直接的に接する。
図15(A)〜(C)はそれぞれ、燃料電池1000Aの内部における流体の流れを説明するための模式図である。図15(A)は、図13(A)に示すA−A切断に相当する切断面における燃料電池1000Aの一部断面を示す概略断面図であり、図中の矢印は酸素の流れを示している。なお、図15(A)には、セパレータ200Aに設けられた酸素用連通孔CH1,CH2及び酸素用連通流路溝211a,211bが破線で図示されている。
酸素供給用のマニホールド孔M3から供給された酸素の一部は、カソードプレート210Aに設けられた酸素用連通流路溝211a及び酸素用連通孔CH1を介して発電領域EAのガス流路部材500へと流入する。ガス流路部材500を介して酸素は膜電極接合体100Aのカソード21へと供給され、燃料電池反応に供されつつ、下流側へと流れる。カソード排ガスは、酸素用連通孔CH2及び酸素用連通流路溝211bを介して酸素排出用マニホールドM4へと流出し、燃料電池1000Aの外部へと排出される。
図15(B)は、図13(A)に示すC−C切断に相当する切断面における燃料電池1000Aの一部断面を示す概略断面図であり、図中の矢印は、水素の流れを示している。なお、図15(B)には、セパレータ200Aに設けられた水素用連通孔AH1,AH2及び水素用連通流路溝213a,213bを破線で図示してある。
水素供給用マニホールド孔M1から供給された水素の一部は、カソードプレート210Aに設けられた水素用連通流路溝213a及び水素用連通孔AH1を介して発電領域EAへと供給される。発電領域EAにおいて水素は、各凸ディンプル226の間をすりぬけて、燃料電池反応に供されつつ下流側へと流れる。アノード排ガスは、水素用連通孔AH2及び水素用連通流路溝213bを介して水素排出用マニホールドM2へと流出し、燃料電池1000Aの外部へと排出される。
図15(C)は、燃料電池1000Aにおける冷媒の流れを示す模式図である。図15(C)は、図中の矢印が冷媒の流れを示している点と、水素用連通孔AH1,AH2及び水素用連通流路溝213a,213bに換えて、冷媒用流路溝215a,215bが破線で図示されている点以外はほぼ、図15(B)と同じである。冷媒供給用のマニホールド孔M5から供給された冷媒の一部は、カソードプレート210Aに設けられた冷媒用流路溝215aを介してカソードプレート210Aとアノードプレート220Aの発電部流路形成部225Aとの間の空間へと流入する。その後、冷媒は、燃料電池反応によって生じた熱を伴って、冷媒用流路溝215bを介して冷媒排出用のマニホールド孔M6へと流出し、燃料電池1000Aの外部へと排出される。
このように、この第2実施例の燃料電池1000Aによれば、セパレータ200Aの発電領域EAに形成されたディンプル226,227によって、第1実施例の燃料電池1000と同様に、水素及び冷媒の配流性及び発電電気の集電効率を向上できる。また、第1実施例における流路枠部材250を省略できるため、より燃料電池を小型化・軽量化することが可能であり、燃料電池の製造コストを低減することが可能である。
C.第3実施例:
図16(A),(B)は、本発明の第3実施例としての燃料電池に用いられる膜電極接合体100Bの構成を示す概略図である。図16(A)は、膜電極接合体100Bのカソード側の面を示しており、図16(B)は、アノード側の面を示している。なお、この膜電極接合体100Bは、シールガスケット120Bの構成が異なる点以外は、第1実施例の膜電極接合体100(図2)とほぼ同じである。また、この膜電極接合体100Bは、第1実施例と同じカソードプレート210(図3)とアノードプレート220(図4)とが積層されたセパレータ200Bによって挟持される。なお、セパレータ200Bには、流路枠部材250(図5)は用いられない。
この膜電極接合体100Bのシールガスケット120Bの外表面には、シールラインSLに換えて、以下の薄肉部が形成されている。即ち、カソード側の外表面には、酸素用の各マニホールド孔M3,M4と発電部110との間に、セパレータ200Bの貫通孔列P1,P2と発電部110とを連通するための酸素用流路溝122a,122bが薄肉化することにより形成されている(図16(A))。また、アノード側の外表面には、第1実施例の流路枠部材250(図5)と同様な流体流路が薄肉部として形成されている(図16(B))。具体的には、シールガスケット120Bのアノード側の外表面に、酸素用連通流路252a,252bと、水素連通流路253a,253bと、水素櫛歯流路254a,254bとが形成されている。また、シールガスケット120Bには、アノードプレート220に設けられた冷媒連通流路228a,228bを配置するたの薄肉部位258a,258bとが形成されている。即ち、この膜電極接合体100Bでは、シールガスケット120Bにおいて、第1実施例の流路枠部材250の機能が実現される。
図17は、膜電極接合体100Bを用いた第3実施例の燃料電池1000Bの組み付け工程を示す模式図である。図17は、図16(A)に示すA−A切断に相当する切断面における概略断面図である。膜電極接合体100Bは、2つのセパレータ200によって挟持される。このとき、膜電極接合体100Bのカソード21とカソードプレート210との間にはガス流路部材500が配置される。また、セパレータ200の凸ディンプル226が膜電極接合体100Bのアノード22と直接的に接触する。
図18(A),(B)は、燃料電池1000Bにおける流体の流れを説明するための模式図である。図18(A)は、図16(A)に示すA−A切断に相当する切断面における燃料電池1000Bの一部概略断面図である。酸素供給用マニホールド孔M3からシールガスケット120Bに設けられた酸素用連通流路252aへと流入した酸素は、セパレータ200の貫通孔列P1の各貫通孔を介して膜電極接合体100Bのカソード側の面へと流れる。さらに、酸素は、シールガスケット120Bの酸素用流路溝122aを経て、ガス流路部材500によってカソード21の全面に行き渡る。カソード排ガスは、ガス流路部材500から、排出側の酸素用流路溝122bを経て、セパレータ200の貫通孔列P2の各貫通孔を介して、酸素用連通流路252bへと流入する。そして、カソード排ガスは、酸素排出用マニホールド孔M4から燃料電池1000Bの外部へと排出される。
水素供給用マニホールド孔M1から水素連通流路253aへと流入した水素は、水素櫛歯流路254aの各流路を介して膜電極接合体100Bのアノード22へと供給される。アノード22に流入した水素は、各凸ディンプル226の間をすり抜けながら燃料電池反応に供されつつ下流側へと流れる。アノード排ガスは、排出側の水素櫛歯流路254b及び水素連通流路253bを介して水素排出用マニホールド孔M2へと至り、燃料電池1000Bの外部へと排出される。
図18(B)は、図16(A)に示すB−B切断に相当する切断面における燃料電池1000Bの一部概略断面図である。燃料電池1000Bにおける冷媒の流れは、第1実施例の燃料電池1000とほぼ同様である(図9(B))。即ち、冷媒供給用マニホールド孔M5からセパレータ200Bの冷媒連通流路228aを介して発電領域EAへと流入し、燃料電池反応によって生じた熱を伴って排出側の冷媒連通流路228bを介して冷媒排出用マニホールド孔M6へと流れる。
このように、第3実施例の燃料電池1000Bによれば、第1実施例の燃料電池1000において流路枠部材250によって形成されていた流体流路を、シールガスケット120Bにおいて形成している。従って、この燃料電池1000Bでは、流路枠部材250を省略しても、第1実施例の燃料電池1000と同様な燃料電池内部における流体の流れを実現できる。
D.第4実施例:
図19(A),(B)は、本発明の第4実施例として、セパレータを構成するアノードプレートの他の構成例を示す概略図である。図19(A),(B)はそれぞれ、ディンプル226,227の形状が異なる点以外は、図4(A)とほぼ同じである。図19(A)に示すアノードプレート220Cでは、紙面に対して垂直な方向に沿って見たときのディンプル226C,227Cの形状は略楕円形である。また、図19(B)に示すアノードプレート220Dでは、紙面に対して垂直な方向に沿って見たときのディンプル226D,227Dの形状は略長方形である。
このように、アノードプレートに設けられるディンプルの形状は、任意に変更することができる。即ち、ディンプルの形状としては、実験やシミュレーション等によって予め得られた反応ガスの配流性が向上する形状を採用することが好ましい。また、各ディンプルの配置構成も、発電領域における反応ガスの配流性を考慮して任意に構成できる。例えば、反応ガスの配流性が比較的低くなる領域には、配流性が比較的高くなる領域よりディンプル同士の間隔を広くして流路抵抗が低くなるようにするものとしても良い。
また、ディンプルの形状や配置構成は、ガスの配流性のみではなく、電極とアノードプレートとの間における導電効率を考慮して設計することが好ましい。即ち、電極とディンプルとの接触面積を増大させれば、電極とアノードプレートとの間の接触抵抗が低減されて導電効率が向上するため、発電電気の集電効率を向上させることができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1:
上記実施例において、ディンプル226,227は、アノードプレート220に設けられていたが、カソードプレート210に設けられるものとしても良い。この場合には、カソード側のガス流路部材500を省略することができる。なお、カソード側には、燃料電池反応により多量の水分が発生するため、カソード21とディンプルとを接触させた場合に、その接触部位に水分が滞留してしまい、カソードガスの流れを阻害する可能性がある。一方、アノード側にはカソード側に比較して水分量が少なく、また、水素は酸素に比較してガスの拡散性が高い。そのため、上記実施例のようにアノード側にディンプルによって流路を形成すれば、水素の配流性を十分に向上させることが可能である。従って、ディンプル226,227によるガス流路は、少なくともアノード側に設けられることが好ましい。
E2.変形例2:
上記実施例において、凸ディンプル226は、アノード22と直接的に接触していたが、凸ディンプル226とアノード22との間にガス流路部材などの他の部材を介するものとしても良い。ただし、上述したように、発電電気の集電効率を向上させるためにも、アノード22と凸ディンプル226とを直接的に接触させる方がより好ましい。
E3.変形例3:
上記実施例において、電極21,22には、電解質膜10と接しない面側にガス拡散層が設けられていたが、ガス拡散層は省略されるものとしても良い。但し、アノードプレート220の凸ディンプル226と触媒層との間にガス拡散層が設けられていると、ガス拡散層がクッション材として機能して、凸ディンプル226による触媒電極面への押圧力を分散させることができる。膜電極接合体100の電極面における発電分布を均一化するためには、電極面に加えられる押圧力も略均一であることが好ましく、電極21,22にはガス拡散層が設けられいることが好ましい。
なお、カソード21のガス拡散層は、カソード側に配置されるガス流路部材500よりも柔らかい部材であることが好ましい。これによって、カソード21のガス拡散層がガス流路部材500(図7)と触媒層との間のクッション材としての機能を十分に発揮できる。即ち、カソード21における面圧が不均一となることを抑制でき、カソード21において水分が滞留してしまうことを抑制できる。
E4.変形例4:
上記実施例において、アノードプレート220のディンプル226,227は、他の形状の凸部や凹部として形成されていても良い。例えば、流体の流れる方向に並列に設けられた流路壁(流路溝)として形成されるものとしても良い。
第1実施例の燃料電池の構成を示す概略図。 第1実施例の膜電極接合体の構成を示す概略図。 第1実施例のカソードプレートの構成を示す概略図。 第1実施例のアノードプレートの構成を示す概略図。 第1実施例の流路枠部材の構成を示す概略図。 第1実施例の枠部材付セパレータの構成を示す概略図。 第1実施例における燃料電池の組み付け工程を示す模式図。 第1実施例の燃料電池内部における流体の流れを説明するための説明図。 第1実施例の燃料電池内部における流体の流れを説明するための説明図。 第2実施例の燃料電池の構成を示す概略図。 第2実施例の膜電極接合体の構成を示す概略図。 第2実施例のカソードプレートの構成を示す概略図。 第2実施例のアノードプレートの構成を示す概略図。 第2実施例における燃料電池の組み付け工程を示す模式図。 第2実施例の燃料電池内部における流体の流れを説明するための説明図。 第3実施例の膜電極接合体の構成を示す概略図。 第3実施例における燃料電池の組み付け工程を示す模式図。 第3実施例の燃料電池内部における流体の流れを説明するための説明図。 第4実施例のアノードプレートの構成を示す概略図。
符号の説明
10…電解質膜
10e…外周端部
21,22…電極
21e,22e…電極端部
100,100A,100B…膜電極接合体
1000,1000A,1000B…燃料電池
110…発電部
120,120B…シールガスケット
121…突起部
122a,122b…酸素用流路溝
200,200A,200B…セパレータ
210,210A…カソードプレート
211a,211b…酸素用連通流路溝
213a,213b…水素用連通流路溝
215a,215b…冷媒用流路溝
220,220A,220D,220E…アノードプレート
225,225A…発電部流路形成部
226,226C,226D…凸ディンプル
227,227C,227D…凹ディンプル
227t…底面
228a,228b…冷媒連通流路
250…流路枠部材
251…貫通窓部
252a,252b…酸素用連通流路
253a,253b…水素連通流路
254a,254b…水素櫛歯流路
258a,258b…薄肉部位
401,402…エンドプレート
403…締結部材
500…ガス流路部材
AH1,AH2…水素用連通孔
CH1,CH2…酸素用連通孔
EA…発電領域
M1〜M6…マニホールド孔
P1,P2…貫通孔列
SL…シールライン

Claims (5)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜の両面に電極が配置された膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持するセパレータと、
    を備え、
    前記膜電極接合体の外周には、流体の漏洩を防止するためのシール部が設けられ、
    前記セパレータは、前記燃料電池を挟持方向に沿って見たときに前記電極と重なる発電領域と、前記シール部を挟持する非発電領域とを有し、
    前記発電領域は、第1と第2のプレートによって構成され、
    前記第1のプレートは、前記電極側に突起した複数の電極側凸部と、前記第2のプレート側に突起した複数のプレート側凸部とを有し、
    前記複数の電極側凸部は、前記非発電領域における前記セパレータと前記シール部との接触面よりも突出して、前記発電領域における反応ガスのためのガス流路を構成し、
    前記複数のプレート側凸部は、前記発電領域において前記第1と第2のプレートの間に流入する冷媒のための冷媒流路を構成する、燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記電極側凸部と前記電極とが直接的に接触する、燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池であって、さらに、
    前記電極に反応ガスを供給するためのガス流路部材を備え、
    前記電極はアノードとカソードとを含み、
    前記第1のプレートは、前記アノード側に配置され、
    前記第2のプレートは、前記カソード側に配置され、
    前記ガス流路部材は、前記第2のプレートと前記カソードとの間に配置される、燃料電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記非発電領域は、前記第1と第2のプレートによって構成されており、
    前記シール部は、前記第1と第2のプレートによって挟持され、
    前記非発電領域の前記第1と第2のプレートの間には、前記反応ガス及び前記冷媒を前記ガス流路及び前記冷媒流路に誘導するための連通流路が形成されている、燃料電池。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池であって、
    前記非発電領域は、前記第1と第2のプレートによって構成されており、
    前記シール部は、前記第1と第2のプレートによって挟持され、
    前記シール部には、前記反応ガス及び前記冷媒を前記ガス流路及び前記冷媒流路に誘導するための連通流路が形成されている、燃料電池。
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