JP2008198389A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池における膜−電極接合体のそれぞれに弾性体を配置することで面圧の均一化を図りつつ、その弾性体のずれによる電極の劣化を小さく抑える。
【解決手段】燃料電池において、電解質膜と、電解質膜を挟んで電解質膜の両側に配置されたアノード極とカソード極とからなる一対の電極と、を含んで構成される膜−電極接合体が、セパレータを挟んで複数積層されている。この膜−電極接合体のそれぞれのアノード極と、そのアノード極に相対するセパレータとの間において、それぞれ、膜−電極接合体の積層方向に弾性力を発する弾性体であるアノード側多孔体を配置する。更に、アノード側多孔体は、積層方向及び、弾性力を発する際にそのアノード側多孔体とセパレータとの接点が移動しようとする方向を含む断面における固定箇所が1箇所となるように、セパレータに接合されている。
【選択図】図1

Description

この発明は燃料電池に関する。更に具体的には、電解質膜とその両側に配置された一対の電極とを有する複数の膜−電極接合体が、セパレータを挟んで積層されて構成される燃料電池に関するものである。
例えば、特開2000−178781号公報には、イオン交換膜を隔膜として陽極室と陰極室とに区画し、それぞれの室に陽極と陰極とを配置した電解槽を開示されている。また、この従来技術では、電解槽を燃料電池として用いてエネルギーを回収することができるとされている。
上記従来技術の電解槽は、具体的に、剛性電極と柔軟電極と、両電極の間に挟持された電解質膜とを備えている。柔軟電極の更に外側には弾性マットが配置され、弾性マットと柔軟電極とが多孔体集電板の孔に係合するピンで多孔体集電板に固定されている。この構造により柔軟電極は弾性マットの弾性力によって電解質膜に押圧されて全体に均一に電解質膜に押圧された状態となる。
また上記従来技術の構造により、柔軟電極と弾性マットとが多孔体集電板に確実に固定されるため、電解槽の運転時における柔軟電極と弾性マットとのずれや、このずれに起因する電極やイオン交換膜の破損や劣化を防止することができると共に、組立てや解体の作業を容易に行うことができるものとされている。
特開2000−178781号公報 特開2005−293944号公報 特開2006−92891号公報 特開2000−208153号公報
以上のように、上記従来技術において、弾性マットは、例えばニッケル等からなるコイル状物を相互に絡ませた構造体等であり、このマットを柔軟電極と共に、頭部が8mmの固定ピンで多孔体集電板に固定している。このような技術は、特に大型の電解槽に適用される。
ところで、膜−電極接合体がセパレータを挟んで複数積層されて構成される燃料電池においては、各膜−電極接合体が、例えば電解質膜に触媒電極を塗布して構成されるもののように、比較的薄いものである場合ある。このような薄い膜−電極接合体を積層して構成される燃料電池においても、発電を安定させ、発電性能を向上させるためには、電極と電解質膜及びセパレータ全面を均一な圧力(面圧)で押圧することが望ましい。
従って、各膜―電極接合体の面圧を均一にするべく、膜−電極接合体ごとに何らかの弾性体を配置してこの弾性力を利用して面圧を均一にする構造が考えられる。しかし、弾性体による応力を発する際に、電極と弾性体との接点が電極表面で変化する弾性体のすべり等が起こることが考えられる。従って、電極に対する弾性体のすべりを防止し、このすべりによる電極の劣化等を防ぐ必要がある。この点、上記従来技術は大型の電解槽における弾性マットの位置ずれの防止には好適なものであるが、膜−電極接合体のそれぞれに、上記従来技術の弾性マットを個々に固定ピンで接合するような構造を適用することは困難であると考えられる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池における膜−電極接合体のそれぞれに弾性体を配置することで面圧の均一化を図りつつ、その弾性体のずれによる電極の劣化を小さく抑えるように改良した燃料電池を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、電解質膜と、前記電解質膜を挟んで前記電解質膜の両側に配置されたアノード極とカソード極とからなる一対の電極と、を含んで構成される膜−電極接合体が、セパレータを挟んで複数積層された燃料電池であって、
前記膜−電極接合体のそれぞれの前記アノード極と、該アノード極に相対する前記セパレータとの間において、それぞれ、前記膜−電極接合体の積層方向に弾性力を発する弾性体であるアノード側多孔体を備え、
前記アノード側多孔体は、前記積層方向と、前記弾性力を発する際に該アノード側多孔体と前記セパレータとの接点が移動しようとする方向と、を含む断面における固定箇所が1箇所となるように、前記セパレータに接合されている。
第2の発明は、第1の発明において、前記アノード側多孔体と、前記膜−電極接合体との間にそれぞれ配置され、複数の孔部を有する金属板を、更に備える。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記セパレータは、それぞれ、
冷却水流路が溝状に形成された中間プレートと、
前記中間プレートの両側に配置され、それぞれアノードガス導入口及びカソードガス導入口が形成された平板と、を備え、
前記アノード側多孔体は、それぞれ、前記セパレータそれぞれの前記中間プレートの前記冷却水流路を構成する溝を、前記積層方向に、該セパレータの該アノード側多孔体に接する面に投影した場合に、該溝が投影された部分以外の部分において、該セパレータに接合されている。
第4の発明は、電解質膜と、前記電解質膜を挟んで前記電解質膜の両側に配置されたアノード極とカソード極とからなる一対の電極と、を含んで構成される膜−電極接合体が、セパレータを挟んで複数積層された燃料電池であって、
前記膜−電極接合体のそれぞれの前記アノード極と、該アノード極に相対する前記セパレータとの間において、それぞれ、
前記膜−電極接合体の積層方向に弾性力を発する弾性体であるアノード側多孔体と、
該アノード側多孔体と、該膜−電極接合体との間に配置された、複数の孔部を有する金属板と、
を備え、
前記アノード側多孔体は、それぞれ、前記積層方向と、前記弾性力を発する際に該アノード側多孔体と前記セパレータとの接点が移動しようとする方向と、を含む断面における固定箇所が1箇所となるように、前記金属板のそれぞれに接合されている。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明において、前記アノード側多孔体は、前記断面における形状が、波形状である。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明において、前記膜−電極接合体のそれぞれの前記カソード極と、該カソード極に相対する前記セパレータとの間において、それぞれ、前記アノード側多孔体に比較して剛性を有する材料で構成されるカソード側多孔体を、更に備える。
第1の発明によれば、膜−電極接合体のそれぞれのアノード極と、そのアノード極に相対するセパレータとの間にアノード側多孔体が配置され、積層方向と、アノード側多孔体が弾性力を発する際にアノード側多孔体とセパレータとの接点が移動しようとする方向とを含む断面における固定箇所が1箇所となるように、アノード側多孔体とセパレータとが接合されている。この構造によれば、アノード側多孔体により、例えば電解質膜の膨潤や構成部品のへたりや寸法誤差などを吸収することができ、膜−電極接合体の面圧の均一化を図ることができる。更に、弾性体であるアノード側多孔体がセパレータの1箇所において接合されているため、アノード側多孔体のアノード極に対する位置のずれ(すべり量)を小さくすることができ、電極の劣化を防止することができる。
第2の発明によれば、アノード側多孔体と、膜−電極接合体との間には、それぞれ複数の孔部を有する金属板が配置されている。従って、アノード極が金属板によって保護されているため、アノード側多孔体のアノード極に対するすべり量が大きくなる場合にも、アノード極の劣化を小さく抑えることができる。
第3の発明によれば、アノード側多孔体は、それぞれ、中間プレートの冷却水流路が構成されていない部分を積層方向に延長した部分においてセパレータに接合されることとなる。従って、アノード側多孔体をセパレータに接合する際の溶接等によりセパレータに孔があいた場合にも、冷却水とアノード流路とが連通するような事態となることを防ぐことができる。また、アノード側多孔体と中間プレート間の電子の移動距離を短縮することができ、電子抵抗の低減を図ることができる。
第4の発明によれば、膜−電極接合体のそれぞれのアノード極と、そのアノード極に相対するセパレータとの間に金属板及びアノード側多孔体が配置され、積層方向と、アノード側多孔体が弾性力を発する際にアノード側多孔体とセパレータとの接点が移動しようとする方向とを含む断面における固定箇所が1箇所となるように、アノード側多孔体と金属板とが接合されている。この構造によれば、アノード側多孔体により、例えば電解質膜の膨潤や構成部品のへたりや寸法誤差などを吸収することができ、膜−電極接合体の面圧の均一化を図ることができる。また、アノード側多孔体のアノード極に対する位置のずれ(すべり量)を小さくすることができると共に、アノード極が金属板によって保護されるため、アノード側多孔体のすべりによるアノード極の劣化を、より小さく抑えることができる。
第5の発明によれば、アノード側多孔体は、断面における形状が波形状となっている。従って、アノード側多孔体とセパレータ又は金属板とのある1接点において、圧力損失のばらつき等によりすべり(接点の移動)が発生する場合にも、そのすべりが他の接点におけるすべりによって吸収されることとなる。従って、1接点におけるすべり量をより小さく抑えるとともに、面圧の均一化を図ることができる。
ところで、例えばカソード極に酸化ガスとして大気を導入する場合、大気中の酸素分圧は約21%と低いものとなる。従って、均等に各膜−電極接合体のそれぞれに酸素を供給するためには、カソード極側での圧力損失のばらつきを極力小さく抑えることが好ましい。この点、第6の発明によれば、膜−電極接合体のそれぞれのカソード極と、そのカソード極に相対するセパレータとの間に、それぞれアノード側多孔体に比較して剛性を有する材料で構成されるカソード側多孔体が配置される。従って、アノード側多孔体の弾性力により、電解質膜の膨潤や構成部品のへたりや寸法誤差等による圧力のばらつきを吸収しつつ、カソード極を剛性の高いカソード側弾性体により固定的に保護することができ、カソード極側での面圧及び圧力損失のばらつきを小さくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における燃料電池について説明するための模式図である。図1は、膜−電極接合体の積層方向に平行な断面であり、かつ、複数の積層された膜−電極接合体のうち2つのみを拡大して表している。燃料電池は、膜−電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)2を備えている。MEA2は、固体高分子電解質膜4(電解質膜)と、その両側にそれぞれ配置されたアノード触媒電極6(アノード極)とカソード触媒電極8(カソード極)とを備えている。
アノード触媒電極6の、電解質膜4に隣接する面と反対側の面には、アノード導電性多孔体10(アノード側多孔体)が配置されている。一方、カソード触媒電極8の電解質膜4に接する面とは反対側の面には、カソード導電性多孔体12(カソード側多孔体)が配置されている。
図2は、この発明の実施の形態1におけるアノード導電性多孔体の、図1のA−A´断面を模式的に表した図である。アノード導電性多孔体10は、図1の断面において凹凸を有する波形状に形成されている。また、図1の断面中央の接合部14において、後述するセパレータ20側に突出するように形成され、この接合部14において、アノード導電性多孔体10とセパレータ20とが接合されいる。また、アノード導電性多孔体10には、複数のアノード孔16が3次元に形成されている。このアノード孔16からアノードガス(ここでは水素)が流入し、MEA2のアノード触媒電極6にアノードガスが供給される。
再び、図1を参照して、カソード導電性多孔体12は、アノード導電性多孔体10に比べて剛性の高い材料により平板状に形成されている。アノード導電性多孔体10には網目状に多数の孔が形成され、この網目状の孔部をカソードガス(ここでは大気)が通過して、MEA2のカソード触媒電極8にカソードガスが供給される。
アノード導電性多孔体10とカソード導電性多孔体12の外側には、それぞれセパレータ20が配置されている。セパレータ20は、中間プレート22とその両側に配置された平板24、26とにより構成される。中間プレート22には、冷却水が流通するための冷却水流路23が形成されている。
アノード導電性多孔体10に接する側の平板24には、アノード導電性多孔体10にアノードガス(ここでは水素)を導入するためのアノードガス導入口及びアノードガス排出口が形成されている。つまり、アノードガス導入口から導入されたアノードガスが、アノード導電性多孔体10のアノード孔16を通過し、アノード触媒電極6に供給されることとなる。一方、カソード導電性多孔体12に接する側の平板26には、カソード導電性多孔体12にカソードガス(ここでは大気)を流通させるためカソードガス導入口28及びカソードガス排出口30が形成されている。つまり、カソード導入口28から導入されたカソードガスが、カソード導電性多孔体12の網目状に形成された孔部を通過してカソード触媒電極8に供給されることとなる。
隣接するセパレータ20とセパレータ20との間、即ち、隣接するセパレータ20間で対向する平板24と平板26との間は、ガスケット32で密閉されている。図1に示すように、各セパレータ20及びガスケット32を貫通して、燃料電池内部に大気を導入する大気供給マニホールド34と、外部に大気を排出する大気排出マニホールド36とが形成されている。大気供給マニホールド34及び大気排出マニホールド36は、各平板26に形成されたカソードガス導入口28及びカソードガス排出口30にそれぞれ接続し、カソード導電性多孔体12を介してカソード触媒電極8に大気が流通するように構成されている。
同様に、セパレータ20とガスケット32とを貫通する水素供給マニホールド、水素排出マニホールドが構成され、各マニホールドに、平板24のアノードガス導入口及びカソードガス導入口が接続され、アノード触媒電極6に水素が流入するように構成されている。更に、冷却水の供給、排出用のマニホールドも形成され、中間プレート22に形成された冷却水流路23に冷却水が流通するように構成されている。
ところで、上記のようにアノード導電性多孔体10は、図1の断面において凹凸を有する波形状に形成されている。このようにアノード導電性多孔体10は波形状に構成されることで、高いクッション性を有する。アノード導電性多孔体10は、図1の左右からのMEA2がセパレータ20を挟んで積層され所定の締結圧力で締結されると、その圧力を吸収して撓むことで応力を発する。その結果MEA2の電解質膜4とその両側のアノード触媒電極6及びカソード触媒電極8とは所定の面圧で押圧された状態となる。また、この撓みによりアノード導電性多孔体10のセパレータ20との接点は図1の上下方向に移動することとなる。
ここで、例えば電解質膜4の膨潤状態のばらつきや、構成部品のへたり、寸法誤差などに起因して、アノード導電性多孔体10にかかる押圧力にばらつきが生じる場合がある。この場合、アノード導電性多孔体10はその押圧力のばらつきを吸収した状態で撓み、アノード導電性多孔体10のセパレータ20との接点のすべり量には、アノード導電性多孔体10ごと、あるいはその接点ごとのずれが生じることとなる。
図3は、アノード導電性多孔体10のたわみと相対すべり量について説明するための図である。図3に示すように、例えば、セパレータ20とアノード導電性多孔体10が全ての接点においてセパレータ20と接合されていない場合、部分的に押圧力が変化するとそれを吸収してアノード導電性多孔体10が撓み、セパレータ20とアノード触媒電極6との距離は、例えば通常の距離LからL-ΔLに変化する。この場合のアノード導電性多孔体10とセパレータ20とが接する接点間の距離S(すなわち断面波形の周期)はS+ΔSに変化する。このとき、ΔSは、アノード導電性多孔体10のセパレータ20との接点が移動した距離、すなわちすべり量であり、すべり量ΔSは次のように表すことができる。
ΔS=2×[{p2−(L−ΔL)2}1/2−(p2−L2)1/2] ・・・・(1)
ここで、セパレータ20とアノード導電性多孔体10とが全く接着されていない場合、上記のすべり量ΔS分の接点のずれはどこを基点にするかが安定せず、相対すべり量や多孔体の位置が、その部分ごとにばらつく結果となる。このため、面圧分布が不均一となり発電性能が安定しない結果となることが考えられる。
これに対して、例えばセパレータ20とアノード導電性多孔体10がその接点ごとに固定されている場合、接点の位置がその面圧の変化によりΔS分ずれようとする力が働くが、アノード導電性多孔体10が撓むことができない。その結果、面圧のばらつきを吸収できない状態となるか、あるいは、強制的にアノード導電性多孔体10とセパレータ20との接点がずれて、セパレータ20の磨耗や磨耗粉によるアノード導電性多孔体10の孔の目詰まり、メッキの剥がれなどの原因となることが考えられる。
これに対して、図1、2に示したように、実施の形態1の燃料電池によれば、アノード導電性多孔体10は、アノード導電性多孔体10とセパレータ20との接点のすべり方向(即ち図1では上下)と、積層方向とを含む断面(図1では図1の紙面に平行な断面)を見た場合、1箇所(接合部14)においてのみ接合されている。また、図2に示すように、接合部14は、すべり方向に対して垂直な方向に一直線状となるように形成されている。また、アノード導電性多孔体10は、図1の断面において一体の波形状に構成されている。
この構造により、アノード導電性多孔体10とセパレータ20とのある一接点付近において大きな圧力がかかる場合にも、その圧力によるアノード導電性多孔体10の撓みは、接合部14を中心に接点のすべり方向に伝達され、他の部分の反力によって次第に吸収される。従って、ある接点によるすべり量ΔSも、他の部分に吸収されることで、小さく抑えられ、かつ全体での面圧の均一化が図られる。
また、実施の形態1の燃料電池において、セパレータ20とアノード導電性多孔体10との接合部14は、平板24の中央付近の、図1の紙面に垂直な一直線上であって、かつ、中間プレート22の冷却水流路23が形成されていない部分を積層方向に、平板24に向けて投影した部分(以下「リブ部」)に位置するように構成されている。この構造により、接合部14形成時の溶接等において、平板24に孔が形成された場合でも、冷却水流路23に貫通することを防ぐことができ、冷却水漏れ等を防止することができる。また、アノード導電性多孔体10の波形上の凸部とセパレータ20のリブ部とを近接させることができるため、アノード導電性多孔体10と中間プレート22との間の電子の移動距離を短縮することができる。ただし、この発明における燃料電池はこのような構造に限るものではなく、冷却水漏れを防止することができるものであれば、接合部14が、セパレータ20のリブ部に設けられていないものであってもよい。
また、カソードガスとして大気を導入する場合、大気中の酸素分圧は約21%と低いものとなる。これに対して、アノードガスとしては純水素が供給される。従って、均等に各MEA2のそれぞれに酸素を供給するためには、カソード触媒電極8側での圧力損失のばらつきを極力小さく抑えることが好ましい。この点、実施の形態1の燃料電池においては、MEA2のそれぞれのカソード触媒電極8と、そのカソード触媒電極8に相対するセパレータ20との間に、それぞれアノード導電性多孔体10に比較して剛性を有する材料で構成されるカソード導電性多孔体12が配置されている。これにより、アノード導電性多孔体10のたわみによる弾性力により電解質膜4の膨潤や構成部品のへたりや寸法誤差等による圧力のばらつきを吸収しつつ、カソード触媒電極8側を、剛性の高いカソード導電性多孔体12で固定的に保護することができる。従ってカソード触媒電極8側での面圧及び圧力損失のばらつきを更に小さくすることができる。但し、この発明はこれに限るものではなく、カソード触媒電極8側に剛性の高い多孔体が配置されていないものであってもよい。
また、実施の形態1では、図1の断面においてアノード導電性多孔体10が波形状に形成されている場合について説明した。しかし、この発明においてアノード導電性多孔体10はこのような形状に限るものではない。ただし、アノード導電性多孔体10は、実施の形態1のように弾性力が連続的につながる形状に構成され、ある部分における変位による多孔体10とセパレータとの一接点のすべり量が、他の接点におけるすべり量に影響を与える形状であることが好ましい。
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2における燃料電池について説明するための図である。図4に示す燃料電池は、図1と同様に燃料電池内に積層されたMEA2のうち2つのMEA2及びその両側のセパレータ20部分のみを拡大して表している。また、図4の燃料電池は、アノード導電性多孔体10とアノード触媒電極6との間に、パンチングメタルプレート40が配置されている点を除いて、図1の燃料電池と同じ構造を有している。
図4に示す燃料電池において、パンチングメタルプレート40には細孔が所定のピッチで設けられている。アノード導電性多孔体10を通過したアノードガスは、パンチングプレート40の細孔を通過して、アノード触媒電極6に供給されるように構成されている。パンチングメタルプレート40は平板状に形成され、その全面においてアノード触媒電極6に接するように配置されている。
このような構造により、アノード触媒電極6は、パンチングメタルプレート40によりその表面が保護された状態となっている。従って、アノード導電性多孔体10が撓み、アノード触媒電極6とアノード導電性多孔体10との接点にすべりが発生した場合にも、そのアノード導電性多孔体10のすべりにダメージが、アノード触媒電極6に与えられるのを防ぐことができる。従って、アノード触媒電極6の劣化を抑えることができる。
なお、実施の形態2では、図1の場合と同様に、アノード導電性多孔体10がセパレータ20のリブ部に位置する接合部14で接合されている場合について説明した。しかし、この発明においてはこれに限るものではない。実施の形態2のようにパンチングメタルプレート40を配した場合には、パンチングメタルプレート40とアノード導電性多孔体10とを接合するようにしてもよい。この場合にも、アノード導電性多孔体10とパンチングメタルプレート40とは、アノード導電性多孔体10とパンチングメタルプレート40との接点のすべり方向(図4では上下)及び積層方向に対して垂直な一直線上において接合されるか、あるいは、すべり方向及び積層方向を含む断面における接合箇所が一箇所となるように接合されるのが好適である。これにより、アノード導電性多孔体10のすべり量を小さく抑えることができると共に、面圧の均一化を図ることができる。
なお、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
この発明の実施の形態1における燃料電池の一部を拡大した断面模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池のアノード導電性多孔体について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池のアノード導電性多孔体とセパレータとの接点の位置のすべり量について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2における燃料電池の一部を拡大した断面模式図である。
符号の説明
4 電解質膜
6 アノード触媒電極
8 カソード触媒電極
10 アノード導電性多孔体
12 カソード導電性多孔体
14 接合部
16 アノード孔
20 セパレータ
22 中間プレート
23 冷却水流路
24、26 平板
28 カソードガス導入口
30 カソードガス排出口
32 ガスケット
34 大気供給マニホールド
36 大気排出マニホールド
40 パンチングメタルプレート

Claims (6)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜を挟んで前記電解質膜の両側に配置されたアノード極とカソード極とからなる一対の電極と、を含んで構成される膜−電極接合体が、セパレータを挟んで複数積層された燃料電池において、
    前記膜−電極接合体のそれぞれの前記アノード極と、該アノード極に相対する前記セパレータとの間において、それぞれ、前記膜−電極接合体の積層方向に弾性力を発する弾性体であるアノード側多孔体を備え、
    前記アノード側多孔体は、前記積層方向と、前記弾性力を発する際に該アノード側多孔体と前記セパレータとの接点が移動しようとする方向と、を含む断面における固定箇所が1箇所となるように、前記セパレータに接合されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記アノード側多孔体と、前記膜−電極接合体との間にそれぞれ配置され、複数の孔部を有する金属板を、更に備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記セパレータは、それぞれ、
    冷却水流路が溝状に形成された中間プレートと、
    前記中間プレートの両側に配置され、それぞれアノードガス導入口及びカソードガス導入口が形成された平板と、を備え、
    前記アノード側多孔体は、それぞれ、前記セパレータそれぞれの前記中間プレートの前記冷却水流路を構成する溝を、前記積層方向に、該セパレータの該アノード側多孔体に接する面に投影した場合に、該溝が投影された部分以外の部分において、該セパレータに接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 電解質膜と、前記電解質膜を挟んで前記電解質膜の両側に配置されたアノード極とカソード極とからなる一対の電極と、を含んで構成される膜−電極接合体が、セパレータを挟んで複数積層された燃料電池において、
    前記膜−電極接合体のそれぞれの前記アノード極と、該アノード極に相対する前記セパレータとの間において、それぞれ、
    前記膜−電極接合体の積層方向に弾性力を発する弾性体であるアノード側多孔体と、
    該アノード側多孔体と、該膜−電極接合体との間に配置された、複数の孔部を有する金属板と、
    を備え、
    前記アノード側多孔体は、それぞれ、前記積層方向と、前記弾性力を発する際に該アノード側多孔体と前記セパレータとの接点が移動しようとする方向と、を含む断面における固定箇所が1箇所となるように、前記金属板のそれぞれに接合されていることを特徴とする燃料電池。
  5. 前記アノード側多孔体は、前記断面における形状が、波形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記膜−電極接合体のそれぞれの前記カソード極と、該カソード極に相対する前記セパレータとの間において、それぞれ、前記アノード側多孔体に比較して剛性を有する材料で構成されるカソード側多孔体を、更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池。
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