JP2010048627A - ガスセンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 応答速度および検知限界低濃度を拡大させることができるガスセンサおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 絶縁性の基材1と、基材上に、離間して位置するプラス側電極層11およびマイナス側電極層12と、プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたって位置する感応層3とを備え、感応層3の厚みは、プラス側電極層またはマイナス側電極層の厚みの1.2倍以下であり、かつ30μm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 絶縁性の基材1と、基材上に、離間して位置するプラス側電極層11およびマイナス側電極層12と、プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたって位置する感応層3とを備え、感応層3の厚みは、プラス側電極層またはマイナス側電極層の厚みの1.2倍以下であり、かつ30μm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ガスセンサおよびその製造方法に関し、より具体的には、応答速度および感度を高めたガスセンサおよびその製造方法に関するものである。
化石燃料の高騰などにより燃料効率の高い自動車が求められるが、その実現のためには希薄燃焼エンジンが有効な一つの方策である。希薄燃焼エンジンの燃料効率を高めるために、NOxセンサを用いた新しいNOx吸蔵還元触媒システムの提案がなされている(非特許文献1)。また同様に、燃費効率の高いディーゼルエンジンの排気浄化システムにおいても、NOxセンサは重要な役割を果たす(特許文献1)。大気環境への関心の高まりから、上記エンジンにおける燃料の燃焼システム以外にも、多くの用途にガスセンサは用いられる。このため、各種検査対象ガスのためのガスセンサが提案されてきた(たとえば特許文献2〜4)。
S.Nakagawa, et.al.,"A New Feedback Control of a Lean NOx TrapCatalyst", SAE Technical paper series, 2004-01-0527 特開2007−100508号公報
特開平06−258270号公報
特開平11−153567号公報
特開2003−161714号公報
S.Nakagawa, et.al.,"A New Feedback Control of a Lean NOx TrapCatalyst", SAE Technical paper series, 2004-01-0527
上記のガスセンサに求められる性能は、応答速度の向上と、検知濃度限界の拡大または感度の向上である。すなわち、瞬時に排気中の検査対象ガス濃度を検知し、また、より低濃度のガスを確実に検知することが求められる。しかしながら、従来のガスセンサは、応答速度および検知濃度限界(感度)の向上に焦点を絞ったものではない。たとえば、従来の電気抵抗式のガスセンサでは、感応層を構成する酸化物半導体(WO3など)がスクリーン印刷で作製されており、その膜厚が厚いことに起因して、確定した検知がなされるまでの時間がかかり、すなわち応答速度は限定的であり、また検知濃度限界についても不十分である(特許文献2,3,4)。感応層の酸化物半導体の膜厚が厚いと、厚み全体に検査対象ガス分子が浸透(拡散)するのに時間を要し、さらに同様の理由により回復時間も要してしまうことになるため応答速度は低下してしまう。また厚みの表面付近で反応が生じがちであり、利用効率が低いために感度が低下する。このため、より応答速度が高く、より低い濃度まで検知が可能なガスセンサの開発が望まれている。
本発明は、応答速度および検知限界低濃度を拡大させることができるガスセンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のガスセンサは、絶縁性の基材と、基材上に、離間して位置するプラス側電極層およびマイナス側電極層と、プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたって位置する感応層とを備える。そして、感応層の厚みは、プラス側電極層またはマイナス側電極層の厚みの1.2倍以下であり、かつ30μm以下であることを特徴とする。
上記の構成によって、感応層の厚みを薄くすることができるので、対象ガスの検知の応答速度および感度を向上することができる。すなわち、対象ガスの感応層への初期の浸透深さの全厚みに対する比率を高めることができるので、検知の応答速度と検知限界低濃度とを拡大することができる。なお、プラス側電極層とマイナス側電極層とは、通常、同じ厚みであるが、両電極層の厚みが異なる場合は、感応層の厚みは、薄いほうの電極層の1.2倍以下とする。
上記の感応層が、プラス側電極層およびマイナス側電極層の上に重なる部分を有しないか、または重なっているとしてもプラス側電極層およびマイナス側電極層の端部に限られるようにできる。これによって、たとえばめっき法などを用いて、プラス側電極層とマイナス側電極層との間(離間部)に、感応層を、厚みを薄くして形成しやすくなる。
上記の感応層が、プラス側電極層とマイナス側電極層との間に限定して形成され、感応層と、プラス側電極層およびマイナス側電極層とは、側面どうしで電気的接続をとる構造にできる。これによって、両電極層よりも薄い厚みの感応層を容易に形成することができる。
上記のプラス側電極層およびマイナス側電極層が、櫛歯電極を形成するようにできる。これによって、S/N比を向上することができる。
上記のプラス側電極層およびマイナス側電極層が、対向する相手側に向かって、厚みを減少させながら延び出す延び出し部を有し、感応層が、プラス側電極層の延び出し部とマイナス側電極層の延び出し部とにわたって位置することができる。これによって、めっき法によって金属酸化物の金属層を形成する際に、延び出し部の先端部から、金属層を、その厚みを薄くして形成することができる。
上記のプラス側電極層およびマイナス側電極層の延び出し部が、該プラス側電極層およびマイナス側電極層の根本に形成され、感応層が、基材上に位置する構造とできる。これによって、非常に薄い膜厚の金属層を形成でき、したがってこれを酸化させることで非常に薄い感応層を得ることができる。
上記のプラス側電極層およびマイナス側電極層の延び出し部が、該プラス側電極層およびマイナス側電極層の表層部に形成され、感応層が、基材から離れて位置する構造とできる。これによって、上述のように、非常に薄い感応層を得ることができる。また、感応層が基材から浮いているので、感応層の表面と裏面とでガスを検知できるので、応答速度および感度を倍増することができる。
上記の感応層の稼動温度を調節するために、ヒータを備えることができる。これによって、感応層および検知対象ガスの種類に応じて適切な温度で検知することができる。
本発明のガスセンサの製造方法は、金属酸化物の半導体を感応層として、検知対象ガスを電気抵抗変化によって検知するガスセンサを製造する。この製造方法は、絶縁性の基材上に、プラス側電極層およびマイナス側電極層を形成する工程と、めっき液中で、プラス側電極層およびマイナス側電極層と、金属酸化物を構成する金属の電極との間に電圧を印加して、該金属の層をプラス側電極層およびマイナス側電極層から成長させて、該プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたるように形成する工程と、形成された金属の層を酸化させて金属酸化物の感応層を形成する工程とを備え、その感応層の厚みを30μm以下とすることを特徴とする。
上記の方法のように、金属層の形成にめっき法を用いることによって、厚みの薄い感応層を電極間に形成することが容易となる。なお、両電極層はどのような方法によってもよく、たとえばスパッタリング法、レーザアブレージョン法などを用いることができる。
本発明によれば、応答速度および検知限界低濃度を拡大させるガスセンサを得ることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガスセンサの平面図である。また、図2は、図1におけるII−II線に沿う断面図である。ガスセンサ10は、絶縁性基材1上に形成されており、その絶縁性基材1上に、プラス側電極層11とマイナス側電極層12とが設けられている。感応層3は、プラス側電極層11とマイナス側電極層12とに電気的に接続されている。感応層3を形成する材料は、後で詳しく説明するが、検知対象ガスの吸着等で電気抵抗が変化するものであれば、何でもよい。本発明のポイントは、下記に示す点にある。
(1)感応層3と両電極層との電気的接続箇所は、当該感応層3の側面と、両電極層11,12の側面との接続によってとる。
(2)感応層3の厚みを30μm以下、たとえば5μm程度とする。場合によっては1μm以下、たとえば0.3μmとする。
(3)その薄い膜厚の感応層3の実現のために、両電極層11,12の厚みを十分薄くした上で、感応層3の厚みを両電極層11,12の厚みの1.2倍以下とする。(感応層3の厚み/両電極層11,12の厚み)の下限は、後で説明する両電極層11,12に延び出し部を設けて、その延び出し部の先の間に感応層3を配置する場合を考慮すると、0.01程度とするのがよい。
従来のガスセンサでは、上記の(1)〜(3)は満たされていなかった。上述したように、従来は、櫛歯電極の離間部を充填しながら、電気的接続を確実にするために櫛歯電極上にも、全体にわたって感応層を形成していた。このため、感応層の厚みは、厚くならざるを得ず、たとえば厚み50μmの感応層となる。上記の(1)が満たされれば、感応層3と両電極層11,12との電気的接続を懸念することなく、感応層3の厚みを十分薄くすることができる。この結果、厚い膜厚の感応層3へのガスの十分な浸透または拡散に必要な長時間を待つことなく、迅速に、ガスの検知を遂行することができる。また、薄い膜厚であるため、感応層3における電気抵抗変化率(ΔR/R)は大きくなるので、感度、すなわち検知の低濃度限界を拡大することができる。このため、ppbレベルの低濃度のガス分析を行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるガスセンサの平面図である。また、図2は、図1におけるII−II線に沿う断面図である。ガスセンサ10は、絶縁性基材1上に形成されており、その絶縁性基材1上に、プラス側電極層11とマイナス側電極層12とが設けられている。感応層3は、プラス側電極層11とマイナス側電極層12とに電気的に接続されている。感応層3を形成する材料は、後で詳しく説明するが、検知対象ガスの吸着等で電気抵抗が変化するものであれば、何でもよい。本発明のポイントは、下記に示す点にある。
(1)感応層3と両電極層との電気的接続箇所は、当該感応層3の側面と、両電極層11,12の側面との接続によってとる。
(2)感応層3の厚みを30μm以下、たとえば5μm程度とする。場合によっては1μm以下、たとえば0.3μmとする。
(3)その薄い膜厚の感応層3の実現のために、両電極層11,12の厚みを十分薄くした上で、感応層3の厚みを両電極層11,12の厚みの1.2倍以下とする。(感応層3の厚み/両電極層11,12の厚み)の下限は、後で説明する両電極層11,12に延び出し部を設けて、その延び出し部の先の間に感応層3を配置する場合を考慮すると、0.01程度とするのがよい。
従来のガスセンサでは、上記の(1)〜(3)は満たされていなかった。上述したように、従来は、櫛歯電極の離間部を充填しながら、電気的接続を確実にするために櫛歯電極上にも、全体にわたって感応層を形成していた。このため、感応層の厚みは、厚くならざるを得ず、たとえば厚み50μmの感応層となる。上記の(1)が満たされれば、感応層3と両電極層11,12との電気的接続を懸念することなく、感応層3の厚みを十分薄くすることができる。この結果、厚い膜厚の感応層3へのガスの十分な浸透または拡散に必要な長時間を待つことなく、迅速に、ガスの検知を遂行することができる。また、薄い膜厚であるため、感応層3における電気抵抗変化率(ΔR/R)は大きくなるので、感度、すなわち検知の低濃度限界を拡大することができる。このため、ppbレベルの低濃度のガス分析を行うことができる。
酸化物半導体を触媒として用いる場合、感度は300℃〜450℃の範囲内で最大になる材料が多い。このため、ヒータによる加熱が必要となる。ヒータの図示はしていないが、通常用いられる方法によってヒータを配置するのがよい。
上記のガスセンサ10の製造方法は、つぎの手順で行うことができる。
(S1)まず、絶縁性基材1上に、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12を形成する。形成方法は、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、真空蒸着法などを用いることができる。両電極層11,12の厚みは、30μm以下、たとえば10μm程度とするのがよい。
(S2)次いで、図3および図4に示すように、めっき法を用いて、めっき液中で、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12と、金属酸化物を構成する金属の電極8との間に、電圧を印加する。そして、該金属の層33をプラス側電極層11およびマイナス側電極層12から成長させて、該プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたるように形成する。金属層33としては、たとえばタングステン(W)を用いることができる。
(S3)上記のように形成された金属の層33を酸化させて金属酸化物の感応層3を形成する。金属酸化物の感応層3は、酸化されて膨張するが、両電極層11,12の厚みの1.2倍以下にすることができる。酸化物半導体の感応層3して、WO3またはWO2を得ることができる。
上記の製造方法によれば、両電極層11,12の厚みを薄く形成しておけば、感応層3は、両電極層11,12の側面に成長されるので、感応層3を薄く形成することができる。この結果、検知対象のガスに対して応答性を高くでき、また感度についても向上させることができる。
(S1)まず、絶縁性基材1上に、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12を形成する。形成方法は、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、真空蒸着法などを用いることができる。両電極層11,12の厚みは、30μm以下、たとえば10μm程度とするのがよい。
(S2)次いで、図3および図4に示すように、めっき法を用いて、めっき液中で、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12と、金属酸化物を構成する金属の電極8との間に、電圧を印加する。そして、該金属の層33をプラス側電極層11およびマイナス側電極層12から成長させて、該プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたるように形成する。金属層33としては、たとえばタングステン(W)を用いることができる。
(S3)上記のように形成された金属の層33を酸化させて金属酸化物の感応層3を形成する。金属酸化物の感応層3は、酸化されて膨張するが、両電極層11,12の厚みの1.2倍以下にすることができる。酸化物半導体の感応層3して、WO3またはWO2を得ることができる。
上記の製造方法によれば、両電極層11,12の厚みを薄く形成しておけば、感応層3は、両電極層11,12の側面に成長されるので、感応層3を薄く形成することができる。この結果、検知対象のガスに対して応答性を高くでき、また感度についても向上させることができる。
上記の感応層3は、増感剤を含んだものであってもよい。感応層3は一般に触媒と呼ばれ、それだけでガス選択性をもつが、より一層、ガス選択性を向上させるために、増感剤を添加するのが普通である。増感剤の添加量は、通常は数原子%以下であるが、触媒に対して5重量%程度、添加する場合もある。表1に、検知対象ガスと、その検知対象ガスに高い選択性をもつ触媒(感応層)、およびその触媒に対応した増感剤の例を示す。上記は、例示したものであり、この他にも、触媒、感応剤があってよい。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるガスセンサ10を示す平面図であり、図6は、図5のA部拡大図である。また、図7は、図6におけるVII−VII線に沿う断面図である。本実施の形態では、両電極層11,12が対向する部分で櫛歯11a,12aを形成し、櫛歯の離間部を埋めるように、感応層3が配置されている。両電極の対向部を櫛歯11a,12aにすることによって、同じ電極層のまま、対向する電極層の長さを延長することに相当する。このためS/N比を向上することができる。
図5は、本発明の実施の形態2におけるガスセンサ10を示す平面図であり、図6は、図5のA部拡大図である。また、図7は、図6におけるVII−VII線に沿う断面図である。本実施の形態では、両電極層11,12が対向する部分で櫛歯11a,12aを形成し、櫛歯の離間部を埋めるように、感応層3が配置されている。両電極の対向部を櫛歯11a,12aにすることによって、同じ電極層のまま、対向する電極層の長さを延長することに相当する。このためS/N比を向上することができる。
上記のガスセンサ10は、実施の形態1のものと基本的に同じ製造方法で製造することができる。すなわち、上記(S1)→(S2)→(S3)の手順で製造することができる。ただし、次の変更をすることが必要である。
(S1)絶縁性基材1上に、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12を形成する際に、両電極層11,12の対向部が、櫛歯11a,12aを形成するようにする。形成方法は、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、真空蒸着法などを用いることができる。両電極層の櫛歯11a,12aの厚みは、30μm以下、たとえば10μm程度とするのがよい。
(S2)次いで、図3および図4に示すように、めっき法により、金属層33を形成する。当然のことであるが、金属層33は、両方の櫛歯11a,12aの間にわたって形成する。このため、金属の電極8は、櫛歯間の対向空間の形状に合わせて、複数、配置するのがよい。
(S3)上記のように形成された金属の層33を酸化させて金属酸化物の感応層3を形成する際、酸化による膨張に伴い応力集中がコーナ部に生じやすい。このため、酸化の速度を小さくしたり、酸化処理温度からの冷却速度を小さくするなどの応力集中を低下させるようにするのがよい。
感応層3の膜厚を薄く形成すること、その感応層3の膜厚の薄さに基づいてガス検知の応答性および感度が向上すること、などについては、実施の形態1に説明したとおりである。
(S1)絶縁性基材1上に、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12を形成する際に、両電極層11,12の対向部が、櫛歯11a,12aを形成するようにする。形成方法は、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、真空蒸着法などを用いることができる。両電極層の櫛歯11a,12aの厚みは、30μm以下、たとえば10μm程度とするのがよい。
(S2)次いで、図3および図4に示すように、めっき法により、金属層33を形成する。当然のことであるが、金属層33は、両方の櫛歯11a,12aの間にわたって形成する。このため、金属の電極8は、櫛歯間の対向空間の形状に合わせて、複数、配置するのがよい。
(S3)上記のように形成された金属の層33を酸化させて金属酸化物の感応層3を形成する際、酸化による膨張に伴い応力集中がコーナ部に生じやすい。このため、酸化の速度を小さくしたり、酸化処理温度からの冷却速度を小さくするなどの応力集中を低下させるようにするのがよい。
感応層3の膜厚を薄く形成すること、その感応層3の膜厚の薄さに基づいてガス検知の応答性および感度が向上すること、などについては、実施の形態1に説明したとおりである。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3におけるガスセンサ10の感応層3の部分の平面図である。このガスセンサ10において、プラス側電極層11とマイナス側電極層12とに電気的に接続された感応層3が、両電極層11,12にわたって位置する点では、実施の形態1と同じである。しかし、図9に示すように、本実施の形態の両電極層11,12は、相手側に向かって延び出る延び出し部11d,12dを備える。延び出し部11d,12dは、先端側ほど厚みが薄くなるように厚みにテーパが付いている。また、電極層11,12に連なる根元部でも、厚みは、両電極層11,12との間に段差が生じるほど、薄くなっている。そして、感応層3は、上記の延び出し部11d,12dに電気的に接続されている。このため、感応層3は、図2に示す実施の形態1の感応層と比べると、非常に薄くすることができる。
図8は、本発明の実施の形態3におけるガスセンサ10の感応層3の部分の平面図である。このガスセンサ10において、プラス側電極層11とマイナス側電極層12とに電気的に接続された感応層3が、両電極層11,12にわたって位置する点では、実施の形態1と同じである。しかし、図9に示すように、本実施の形態の両電極層11,12は、相手側に向かって延び出る延び出し部11d,12dを備える。延び出し部11d,12dは、先端側ほど厚みが薄くなるように厚みにテーパが付いている。また、電極層11,12に連なる根元部でも、厚みは、両電極層11,12との間に段差が生じるほど、薄くなっている。そして、感応層3は、上記の延び出し部11d,12dに電気的に接続されている。このため、感応層3は、図2に示す実施の形態1の感応層と比べると、非常に薄くすることができる。
上記のガスセンサ10は、実施の形態1のものと基本的に同じ製造方法で製造することができる。すなわち、実施の形態1における手順で製造することができる。しかし、次の点で変更が必要になる。
(S1)絶縁性基材1上に、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12を形成する際に、上述のように延び出し部11d,12dを形成する。延び出し部11d,12dの形成には、スパッタリング法等によって両電極層11,12と同じ厚みの層を形成しておいて、ドライエッチング等によって、図9に示す形状に成形するのがよい。
(S2)めっき法により、図3および図4に示すように、金属層33を形成する際、電極層11,12と金属層8との間に電圧を印加すると、延び出し部11d,12dの周辺の電解液9には等電位線が混み合って分布して、大きな電界集中が発生する。このため、延び出し部11d,12dの先に選択的に金属層33を形成しやすい。当然、金属の電極のサイズを小さくするなどして、延び出し部11d,12dから選択的に金属層33が薄く形成されるようにする。
上記の金属層33に対する酸化処理は、実施の形態1の(S3)と同じようにするのがよい。
(S1)絶縁性基材1上に、プラス側電極層11およびマイナス側電極層12を形成する際に、上述のように延び出し部11d,12dを形成する。延び出し部11d,12dの形成には、スパッタリング法等によって両電極層11,12と同じ厚みの層を形成しておいて、ドライエッチング等によって、図9に示す形状に成形するのがよい。
(S2)めっき法により、図3および図4に示すように、金属層33を形成する際、電極層11,12と金属層8との間に電圧を印加すると、延び出し部11d,12dの周辺の電解液9には等電位線が混み合って分布して、大きな電界集中が発生する。このため、延び出し部11d,12dの先に選択的に金属層33を形成しやすい。当然、金属の電極のサイズを小さくするなどして、延び出し部11d,12dから選択的に金属層33が薄く形成されるようにする。
上記の金属層33に対する酸化処理は、実施の形態1の(S3)と同じようにするのがよい。
上記によれば、両電極層の延び出し部11d,12dの先端の厚みを非常に薄く形成することができる。このため、めっき法を用いて金属層33を形成すれば、その電界の強さの分布は、延び出し部11d,12dの先に選択的に金属層33が形成されやすくなり、したがって酸化処理後の感応層3の厚みを非常に薄くすることができる。この結果、検知対象のガスに対して応答性を高くでき、また感度についても向上させることができる。
図10は、本実施の形態におけるガスセンサ10の変形例を示す平面図である。また、図11は、図10におけるXI−XI線に沿う断面図である。このガスセンサ10は、(1)両電極層11,12に、図6に示すような櫛歯11a,12aが設けられ、(2)その櫛歯11a,12aの根元部に延び出し部11d,12dが設けられている。したがって、櫛歯11a,12aによってガス検知のS/N比を向上させながら、延び出し部11d,12dの先に薄く選択的に形成された感応層3によって、応答性および感度を向上させることができる。
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4におけるガスセンサ10を示す平面図であり、図13は、図12におけるXIII−XIII線に沿う断面図である。本実施の形態のガスセンサ10は、延び出し部11d,12dが形成されている点で、実施の形態3のガスセンサと共通する。しかし、本実施の形態では、延び出し部11d,12dが、両電極層11,12の表層に設けられており、そのため延び出し部11d,12dが基材1から浮いている点に独自性がある。延び出し部11d,12dの先端部に感応層3を選択的に設けるために、感応層3はその厚みを非常に薄くすることができる。その結果、応答性および感度を向上させることができる。
図12は、本発明の実施の形態4におけるガスセンサ10を示す平面図であり、図13は、図12におけるXIII−XIII線に沿う断面図である。本実施の形態のガスセンサ10は、延び出し部11d,12dが形成されている点で、実施の形態3のガスセンサと共通する。しかし、本実施の形態では、延び出し部11d,12dが、両電極層11,12の表層に設けられており、そのため延び出し部11d,12dが基材1から浮いている点に独自性がある。延び出し部11d,12dの先端部に感応層3を選択的に設けるために、感応層3はその厚みを非常に薄くすることができる。その結果、応答性および感度を向上させることができる。
上記の厚みの薄さだけでなく、図13に示すように、感応層3は基材1から離れており、宙に浮いている。このため、感応層3は、表面3fおよび裏面3bにおいて雰囲気に接触している。感応層3の厚みを非常に薄く形成できるだけでなく、表裏面3f,3bで雰囲気に接触するため、このガスセンサ10は、応答性および感度をさらに向上することができる。
図14は、本実施の形態におけるガスセンサ10の変形例を示す平面図である。また、図15は、図14におけるXV−XV線に沿う断面図である。このガスセンサ10は、(1)両電極層11,12に、図6に示すような櫛歯11a,12aが設けられ、(2)その櫛歯11a,12aの表層部に延び出し部11d,12dが設けられている。したがって、櫛歯11a,12aによってガス検知のS/N比を向上させながら、延び出し部11d,12dの先に薄く選択的に形成された感応層3および感応層3の表裏面3f,3bの雰囲気への接触によって、応答性および感度を向上させることができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明によれば、ガスセンサのプラス側電極層とマイナス側電極層とにわたって厚みの薄い感応層を設けることによって、応答性と感度を向上させることができ、さらにめっき法に独特の作用によって、感応層を非常に薄く形成可能であることなどによって、上記の作用をさらに極めることができる。
1 絶縁性基材、3 感応層、3d 感応層の裏面、3f 感応層の表面、8 めっき時の金属電極、9 めっき液、10 ガスセンサ、11 プラス側電極層、11a プラス側電極層の櫛歯、11d 延び出し部、12 マイナス側電極層、12a マイナス側電極層の櫛歯、12d 延び出し部、33 感応層(金属酸化物)の金属層。
Claims (9)
- 絶縁性の基材と、
前記基材上に位置し、電位差を付されたプラス側電極層およびマイナス側電極層と、
前記プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたって位置する感応層とを備え、
前記感応層の厚みは、前記プラス側電極層またはマイナス側電極層の厚みの1.2倍以下であり、かつ30μm以下であることを特徴とする、ガスセンサ。 - 前記感応層が、前記プラス側電極層およびマイナス側電極層の上に重なる部分を有しないか、または重なっているとしても前記プラス側電極層およびマイナス側電極層の端部に限られることを特徴とする、請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記感応層が、前記プラス側電極層とマイナス側電極層との間に限定して形成され、前記感応層と、前記プラス側電極層およびマイナス側電極層とは、側面どうしで電気的接続をとることを特徴とする、請求項1または2に記載のガスセンサ。
- 前記プラス側電極層およびマイナス側電極層が、櫛歯電極を形成していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記プラス側電極層およびマイナス側電極層は、対向する相手側に向かって厚みを減少させながら延び出す延び出し部を有し、前記感応層は、前記プラス側電極層の延び出し部とマイナス側電極層の延び出し部とにわたって位置することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 前記プラス側電極層およびマイナス側電極層の延び出し部が、該プラス側電極層およびマイナス側電極層の根本に形成され、前記感応層が、前記基材上に位置することを特徴とする、請求項5に記載のガスセンサ。
- 前記プラス側電極層およびマイナス側電極層の延び出し部が、該プラス側電極層およびマイナス側電極層の表層部に形成され、前記感応層が、前記基材から離れて位置することを特徴とする、請求項5に記載のガスセンサ。
- 前記感応層の稼動温度を調節するために、ヒータを備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスセンサ。
- 金属酸化物の半導体を感応層として、検知対象ガスを電気抵抗変化によって検知するガスセンサの製造方法であって、
絶縁性の基材上に、プラス側電極層およびマイナス側電極層を形成する工程と、
めっき液中で、前記プラス側電極層およびマイナス側電極層と、前記金属酸化物を構成する金属の電極との間に電圧を印加して、該金属の層を前記プラス側電極層およびマイナス側電極層から成長させて、該プラス側電極層およびマイナス側電極層にわたるように形成する工程と、
前記形成された金属の層を酸化させて金属酸化物の感応層を形成する工程とを備え、
前記感応層の厚みを30μm以下とすることを特徴とする、ガスセンサの製造方法。
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