JP2010048052A - 阻止棒 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、阻止棒と車両とが衝突したとしても、車両に対する衝撃力を小さくすると共に、車両の塗装面等に擦過傷を付けることが防止された阻止棒を提供することにある。
【解決手段】車両の通行を制御する遮断機に用いる阻止棒1を、合成樹脂製シートよりなる密封袋状の基体2と、有底筒状のカバー体3とで構成した。基体2の表面には繊維層8が形成され、カバー体3の内面には繊維層8が形成されているので、それぞれの繊維層8が凹凸面となり、互いの接触面積が小さくなって低摩擦化処理が実現している。
【選択図】図2
【解決手段】車両の通行を制御する遮断機に用いる阻止棒1を、合成樹脂製シートよりなる密封袋状の基体2と、有底筒状のカバー体3とで構成した。基体2の表面には繊維層8が形成され、カバー体3の内面には繊維層8が形成されているので、それぞれの繊維層8が凹凸面となり、互いの接触面積が小さくなって低摩擦化処理が実現している。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両の通行を制御する遮断機に用いられる阻止棒に関する。
有料道路や駐車場等の料金収受を人手により行う場合、その人件費はもとより、金銭の授受に費やされる時間が嵩むために、料金所において生じる車両の渋滞が問題となっている。その問題を解消するために、自動料金収受システム(以下、ETCと称する)が導入され利用されている。このETCにおいては、ETC利用のための車載器搭載車が停止することなく料金所を通過するために、料金所に設置された装置と車載器との間の無線通信によるデータ確認等により、通過許可可否の判断及び課金処理等が短時間で行われる。そして、通過許可により遮断機の阻止棒が上方に開くことにより、車両は所定速度の範囲でスムーズに料金所を通過することができる。
この遮断機の阻止棒の開閉は高速で行われる必要があり、阻止棒には、高速の動きに追随できるために、軽量であって、且つ剛性があること等が必須となっている。また、所定速度を超えて通過しようとする車両や、不法通過を試みる車両等が阻止棒に衝突しても、車両及び阻止棒の損傷が軽微に止まるように、阻止棒には柔軟性を有する弾力性が求められている。
特許文献1に開示されている「阻止棒」は、炭素繊維強化プラスチックのシートを用い、その繊維方向が直交するようにして断面矩形の細長い筒状の角パイプを形成し、その長手方向に沿って阻止棒の上下にスチロール等からなる衝撃緩衝部材を配置し、これらを一体として外周に保護フィルムを巻着して形成されている。このように構成された阻止棒は、軽量かつ強靭となって高速の開閉に十分耐えるとされている。また、衝撃緩衝部材を筒状部材に沿って上下に配置したので、通行車両の側から見える阻止棒の幅が広くなり、外見を大きく見せる効果があるとしている。
特許文献2に開示されている「阻止棒」は、芯棒と、緩衝保護部材としての発泡合成樹脂層と、その表面を覆う表面皮膜としての合成樹脂フィルムとで構成されている。そして、剛性大な金属製パイプや繊維強化合成樹脂製パイプ等により形成された芯棒の長さを、阻止棒の長さよりも短くし、発泡合成樹脂層において車両の衝突等により強い衝撃を受けたとき、阻止棒は芯棒の先端部で折れ曲がることができるとされている。
特開2001−160197号公報([要約]を参照)
特開2003−227111号公報([要約]を参照)
特許文献1の阻止棒においては、軽量化により衝突時の衝撃力を小さくすることができたので、車両に与える影響が小さくなり、また、特許文献2の阻止棒においては、阻止棒が芯棒の先端部で折れ曲がることができるので、同じく車両に与える影響が小さいとされている。
ところが、阻止棒と車両との衝突は瞬時に互いが反発して離反するものとは限らない。寧ろ、車両が衝突した際、車両に押された阻止棒は、遮断機との結合部を回転中心として水平方向に回転し、衝突のエネルギーを軽減するようになっているため、阻止棒と車両とは、互いに擦れ合うことになる。すると、車両の塗装面等に擦過傷が残り、車両の美観を損なうことが起こり得る。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、阻止棒と車両とが衝突したとしても、車両に対する衝撃力を小さくすると共に、車両の塗装面等に擦過傷を付けることが防止された阻止棒を提供することにある。
上記問題を解決するために請求項1に記載の阻止棒の発明は、車両の通行を制御する遮断機に用いる阻止棒において、少なくとも表面側が弾性体からなる基体と、その基体の表面を離脱自在に覆う保護皮膜とよりなることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、阻止棒と車両とが接触し、互いに擦れ合う状態になった場合、基体の表面を離脱自在状態で覆っている保護皮膜は、基体の表面を容易に摺動することができる。すると、保護皮膜は、車両と擦れ合うことなく、車両と共に移動するので、保護皮膜が車両の塗装面に擦過傷を付けることが防止される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の阻止棒において、前記基体の表面及び前記保護皮膜の基体側の内面の少なくとも一方の面は、低摩擦化された面であることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、基体の表面及び保護皮膜の基体側の内面の少なくとも一方の面が、低摩擦化されているので、保護皮膜と車両の塗装面等との間の摩擦力よりも、保護皮膜と基体の表面との間の摩擦力の方が小さくなる。すると、保護皮膜は基体の表面を容易に摺動することができると共に、保護皮膜と車両の塗装面等とは、摩擦力の作用で互いに摺動しないので、阻止棒と車両とが擦れ合っても、車両の塗装面等に擦過傷が生じることを防止できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の阻止棒において、前記低摩擦化された面は、前記基体及び保護皮膜の少なくとも一方を補強する繊維層が積層された凹凸面であって、その凹凸面により前記基体と保護皮膜との接触面積が減少していることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明によれば、基体及び保護皮膜の少なくとも一方は、補強のため積層された繊維層により凹凸面が形成されているので、基体と保護皮膜との接触面積は、凹凸面が形成されていない場合に比較して、減少している。すると、基体と保護皮膜との間の摩擦力は低下するので、保護皮膜は基体の表面を容易に摺動することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の阻止棒において、前記保護皮膜は、内面に繊維層が積層された合成樹脂製シートからなり、開口部を有する有底筒状のカバー体であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明によれば、内面に繊維層が積層された合成樹脂製シートからなるカバー体が基体に装着されているので、阻止棒と車両が擦れ合った場合、そのカバー体は、車両から受ける摩擦力の作用で基体からの離脱方向に引張られ、基体に対する装着状態から容易に離脱することができる。すると、カバー体と車両の塗装面等とが擦れ合うことが防止され、カバー体により車両の塗装面等に擦過傷が生じることを防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の阻止棒において、前記カバー体の底部には空気流通用の孔が形成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明によれば、阻止棒と車両とが擦れ合ってカバー体が基体から高速で離脱する際、空気流通用の穴からカバー体と基体との間に空気が容易に補充されるので、空気が補充されない場合に生じるカバー体と基体との間の真空状態が、カバー体の基体からの離脱の妨げになることが防止される。
請求項5に記載の発明によれば、阻止棒と車両とが擦れ合ってカバー体が基体から高速で離脱する際、空気流通用の穴からカバー体と基体との間に空気が容易に補充されるので、空気が補充されない場合に生じるカバー体と基体との間の真空状態が、カバー体の基体からの離脱の妨げになることが防止される。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の阻止棒において、前記基体は、合成樹脂製シートよりなる密封袋状体であって、前記基体の本体部の合成樹脂製シートの表面側に平織繊維の繊維層が積層され、その平織繊維の経糸又は緯糸が前記基体の軸心に直交する方向に配置され、空気圧により前記基体の表面が緊張状態となっていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明によれば、合成樹脂製シートよりなる袋状体で形成された基体の本体部は、表面側に平織繊維が積層されているので、その内部を大気圧よりも高い圧力の空気で充填すると、表面が緊張状態となる。従って、軽量でありながら全体として剛性がある基体が得られる。更に、平織繊維の経糸又は緯糸が基体の軸心に直交する方向に配置されているので、基体の長手方向の中間部が内圧により膨張することが防止される。
本発明によれば、阻止棒と車両とが衝突したとしても、車両に対する衝撃力を小さくすると共に、車両の塗装面等に擦過傷を付けることが防止された阻止棒を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、高速道路の料金所等に設置された一対の遮断機20は、通路22を挟んだ両側のアイランド23に設置された一対の本体部21と、それぞれの本体部21に連結部4で連結されて互いに指向するように配置された阻止棒1とで構成されている。この遮断機20における阻止棒1は、従来の遮断機と同様に、通常は上下方向Vに90度の範囲で開閉して車両の通行を制御している。そして、車両が阻止棒1に衝突した場合、阻止棒1は、車両に押されて水平方向Hに回転して、衝突エネルギーを軽減するようになっている。
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、高速道路の料金所等に設置された一対の遮断機20は、通路22を挟んだ両側のアイランド23に設置された一対の本体部21と、それぞれの本体部21に連結部4で連結されて互いに指向するように配置された阻止棒1とで構成されている。この遮断機20における阻止棒1は、従来の遮断機と同様に、通常は上下方向Vに90度の範囲で開閉して車両の通行を制御している。そして、車両が阻止棒1に衝突した場合、阻止棒1は、車両に押されて水平方向Hに回転して、衝突エネルギーを軽減するようになっている。
本実施形態の阻止棒1は、図2に示すように、一方の端に連結部4を有する密封袋状体の基体2と、その基体2の連結部4が設けられていない他方側から装着される保護皮膜としてのカバー体3とで構成されている。
この基体2は、平織繊維からなる繊維層8が積層された合成樹脂製シートを、その繊維層8が表面側となるように重合部(図示せず)を溶着する等して、密封袋状に形成したものであり、内面側は合成樹脂層9となっている。この繊維層8により表面側が凹凸面となるので、繊維層8とカバー体3の内面との接触面積が小さくなって、基体2に対するカバー体3の着脱における抵抗が小さくなり、互いの摺動が容易となる。
また、図4(b)に示すように、本実施形態においては、繊維層8を形成する平織繊維の経糸8a又は緯糸8bのいずれかを基体2の軸心に直交する面内に配置している。この配置により、基体2の内部を大気圧よりも高圧の空気で充填しても、基体2の軸方向の中間部等の膨張変形が防止され、基体2の外形を円筒状に維持すると共に、基体2の表面を緊張状態に維持することが可能となっている。この表面の緊張状態により基体2の剛性が高められて、基体2は、阻止棒1が高速開閉される場合であっても、本体部21に連結した連結部4の動きに十分追随できるようになっている。
一方、カバー体3は、繊維層8が積層された合成樹脂製シートを、その繊維層8が内面側となるように重合部(図示せず)を溶着する等して、開口部3bを有する有底袋状に形成されており、底の部分に空気流通用の孔3aが設けられている。この孔3aから空気が基体2とカバー体3との隙間に容易に補充されるので、カバー体3が基体2から高速で離脱する際に、空気が補充されない場合に生じる基体2とカバー体3との間の真空状態が、カバー体3の高速離脱の妨げとなることが防止される。
なお、基体2及びカバー体3の合成樹脂層9を形成するシート状の合成樹脂は、本実施形態の場合、熱可塑性ポリウレタンを好適に用いているが、ガス透過性ではない限りにおいて公知の他の合成樹脂を用いることができる。ただし、カバー体3の合成樹脂層9については、自己潤滑性を有する合成樹脂を用いることは好ましくない。もし、自己潤滑性を有する合成樹脂を用いた場合、カバー体3と車両とが摺動することになり、擦過傷を生じる虞が強いからである。
また、繊維層8を形成する繊維は、本実施形態においては、好適なものとしてポリアミドを用いているが、デニールとの兼ね合いを含む引張強さ、自己潤滑性等の物性の点でポリアミドと同様のものであれば、ポリエチレン等の他の公知の合成樹脂を用いることができる。また、本実施形態では、基体2及びカバー体3のそれぞれに繊維層8を形成したが、必ずしもそれぞれに繊維層8を形成する必要はなく、少なくとも基体2の表面に繊維層8を形成すれば、カバー体3の基体2からの離脱容易性は得られる。
次に、図3〜図6を用いて、基体2の構成の詳細及び加工方法を説明する。
図3に示すように、基体2は、合成樹脂製シートを、重合部(図示せず)を溶着して有底筒状とした基体本体部2aと、同じく合成樹脂製シートを、重合部(図示せず)を溶着して形成した環状連結部2bと、連結部4が結合された合成樹脂製シートの端面形成部2cとで構成され、それぞれが溶着されて密封袋状体となっている。また、それぞれの合成樹脂製シートは繊維で補強されている。
図3に示すように、基体2は、合成樹脂製シートを、重合部(図示せず)を溶着して有底筒状とした基体本体部2aと、同じく合成樹脂製シートを、重合部(図示せず)を溶着して形成した環状連結部2bと、連結部4が結合された合成樹脂製シートの端面形成部2cとで構成され、それぞれが溶着されて密封袋状体となっている。また、それぞれの合成樹脂製シートは繊維で補強されている。
基体本体部2aは、図4に示すように繊維層8を表面側にして合成樹脂層9を内面側に配置して形成されている。同様に、環状連結部2bは、図5に示すように、繊維層8を表面側にして合成樹脂層9を内面側に配置して形成されている。そして、図6(a)に示すように、基体本体部2aの開口側の端部と環状連結部2bの一方の端部とが重合するようにそれぞれを配置して、図示しない冶具及びホーンを用いた超音波溶着により、基体本体部2aの合成樹脂層9と環状連結部2bの繊維層8とを熱溶着している。
次に、図6(b)に示すように、環状連結部2bの溶着されていない他方の端部を、冶具11の端面11aに宛がった状態で引伸ばして、外面11bに被せるように折り返し、端面形成部2cの外端部を環状連結部2bの端面11aに宛がわれた部分に重合する。そして、ホーン10と冶具11とで環状連結部2bと端面形成部2cとの当接面を超音波溶着する。更に、図6(c)に示すように、冶具11を取り除けば、環状連結部2bは折り返し部分で二重に配置されることになる。
なお、環状連結部2bの繊維層8は、図5(b)に示すように綾織繊維で、即ち経糸8c及と緯糸8dとが基体2の延長方向に対して斜めに形成されている。このため、環状連結部2bは、拡径方向に容易に伸ばすことができると共に、引張り力から解放されると元の状態に戻ることができる。従って、環状連結部2bの端部を折り返して、冶具11の外面11bに被せることや、その冶具11を取り除いて伸長状態から復帰させること等を容易に行うことができる。
図3に示すように、端面形成部2cの中央に配置された連結部4は、内部に空気注入のための米式バルブが形成された連結基体部5と、連結基体部5を端面形成部2cに結合するためのナット6及びワッシャ7とから構成されている。この結合は、端面形成部2cの中央部の孔に連結基体部5を挿入し、フランジ部5cが端面形成部2cの内面に当接した状態で、ワッシャ7を介してナット6をナット用雄ねじ5bに螺合することにより行われる。連結基体部5の外周に形成されているもう一つの連結用雄ねじ5aは、遮断機20の本体部21に連結するためのものである。
なお、本実施形態では、連結基体部5の内部を、自動車や自動二輪車等においてタイヤレスチューブ又はチューブに用いられる米式バルブとしたが、空気の注入を許容し、注入された空気の漏出を防止する逆止弁の構造であれば、その他の形式のバルブであっても用い得る。
従って、上記実施形態の阻止棒1によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、保護皮膜であるカバー体3で基体2を離脱自在状態で覆うようにした。このため、阻止棒1と車両とが接触し、互いに擦れ合う状態になった場合、カバー体3は、基体2の表面を容易に摺動して、車両と擦れ合うことなく車両と共に移動するので、カバー体3が車両の塗装面に擦過傷を付けることが防止される。
(1)上記実施形態では、保護皮膜であるカバー体3で基体2を離脱自在状態で覆うようにした。このため、阻止棒1と車両とが接触し、互いに擦れ合う状態になった場合、カバー体3は、基体2の表面を容易に摺動して、車両と擦れ合うことなく車両と共に移動するので、カバー体3が車両の塗装面に擦過傷を付けることが防止される。
(2)上記実施形態では、基体2の表面及びカバー体3の内面に繊維層を設けて、その面を凹凸面に形成することにより低摩擦化を実現した。このため、基体2の表面とカバー体3の内面との接触面積が小さくなって、そこに生じる摩擦力が弱いものとなったため、カバー体3は、基体2の表面を容易に摺動することができる。
(3)上記実施形態では、カバー体3を有底筒状に形成して、その底部に空気流通用の孔3aを設け、その孔3aから空気がカバー体3と基体2との間に容易に補充されるようにした。このため、阻止棒1と車両とが擦れ合って、カバー体3が基体2から高速で離脱する際、カバー体3と基体2との間が真空状態になることが防止され、カバー体3は基体2から容易に離脱することができる。
(4)上記実施形態では、基体2を繊維層8が積層された合成樹脂製シートにより密封袋状に形成した。このため、基体2の内部を大気圧よりも高い圧力の空気で充填すれば、表面が緊張状態となって、軽量でありながら全体として剛性がある基体2を得ることができる。更に、基体2の基体本体部2aの繊維層8を平織繊維で形成し、その経糸又は緯糸が基体2の軸心に直交する面内に配置したので、基体2の長手方向の中間部が内圧により膨張して変形することを防止できる。
(5)上記実施形態では、基体2を密封袋状に形成し、空気圧により表面が緊張状態の円筒筒状体とした。そのため、基体2を軽量に維持したまま、基体2の上下方向の幅を大きくできるので、車両の運転者から視認し易い阻止棒1を提供できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図7を用いて説明する。
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図7を用いて説明する。
本実施形態の阻止棒14は、基体15が、パイプ状芯体17の周囲に合成樹脂発泡体16を配置し、その表面に合成樹脂層9及び繊維層8をこの順に積層した構成となっており、その基体15の保護皮膜としてのカバー体3は、第1の実施形態におけるカバー体3の構成と同一となっている。
ここで、パイプ状芯体17の材質は金属又は合成樹脂の中から適宜選択し得るが、軽量で剛性を有する点から、公知の繊維強化合成樹脂、例えばガラス繊維で補強されたポリアミド又はポリエチレン製のパイプを好適に用い得る。また、合成樹脂発泡体16はポリエチレン発泡体を用いているが、ポリスチレン発泡体やポリウレタン発泡体等を適宜選択して用いることもできる。
なお、基体15とカバー体3との間には構成の理解を容易にするための広い隙間を描いたが、実際には隙間は殆ど形成されない。
従って、本実施形態の基体15の表面及びカバー体3の内面の繊維層8が凹凸面であって、互いが接触する部分の接触面積が小さくなることで低摩擦化が実現している点は、第1の実施形態と同様である。
従って、本実施形態の基体15の表面及びカバー体3の内面の繊維層8が凹凸面であって、互いが接触する部分の接触面積が小さくなることで低摩擦化が実現している点は、第1の実施形態と同様である。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(6)上記実施形態では、基体15を、パイプ状芯体17の周囲に配置した弾性体の合成樹脂発泡体16と、その表面に積層した合成樹脂層9及び繊維層8とから構成した。このため、基体15に対するカバー体3の摺動性は維持されたまま、パイプ状芯体17により剛性が得られると共に、合成樹脂発泡体16により弾性体が形成されているので、軽量且つ剛性がある阻止棒14を提供できる。
(6)上記実施形態では、基体15を、パイプ状芯体17の周囲に配置した弾性体の合成樹脂発泡体16と、その表面に積層した合成樹脂層9及び繊維層8とから構成した。このため、基体15に対するカバー体3の摺動性は維持されたまま、パイプ状芯体17により剛性が得られると共に、合成樹脂発泡体16により弾性体が形成されているので、軽量且つ剛性がある阻止棒14を提供できる。
(変更例)
なお、前記両実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 基体2、15の表面及びカバー体3の内面の少なくとも一方の面に、繊維層8を積層して低摩擦化した凹凸面を設けたが、自己潤滑性を有し且つ平滑面であるシートを前記表面及び内面の少なくとも一方の面に積層すること。
・ 保護皮膜として合成樹脂製シートにより形成された有底筒状のカバー体を用いたが、基体2、15の表面に塗装された塗料の塗膜を保護皮膜とすること。このとき、基体2、15の表面は離型性又は自己潤滑性を有する平滑面であることが望ましい。また、塗膜を形成する材質は、塗膜が車両と擦れ合ったときに、塗膜が前記表面を摺動できると共に、シート状又はフィルム状の塗膜を維持できるほどに形状保持性を有するものであることが望ましい。
・ 基体2及びカバー体3のそれぞれを形成する合成樹脂シートに平織又は綾織の繊維層を積層したが、その他の織り方の織物を繊維層として積層すること。
・ 基体2及びカバー体3のそれぞれを形成する合成樹脂シートに織布を積層することに替えて不織布を積層すること。その不織を形成する繊維は、ポリアミド、ポリエチレン等の自己潤滑性を有する合成樹脂であることが望ましい。
・ カバー体3の底の部分に空気流通用の孔3aを設けたが、他の場所に設けるか、または、空気流通用の孔3aを設けないようにすること。
なお、前記両実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 基体2、15の表面及びカバー体3の内面の少なくとも一方の面に、繊維層8を積層して低摩擦化した凹凸面を設けたが、自己潤滑性を有し且つ平滑面であるシートを前記表面及び内面の少なくとも一方の面に積層すること。
・ 保護皮膜として合成樹脂製シートにより形成された有底筒状のカバー体を用いたが、基体2、15の表面に塗装された塗料の塗膜を保護皮膜とすること。このとき、基体2、15の表面は離型性又は自己潤滑性を有する平滑面であることが望ましい。また、塗膜を形成する材質は、塗膜が車両と擦れ合ったときに、塗膜が前記表面を摺動できると共に、シート状又はフィルム状の塗膜を維持できるほどに形状保持性を有するものであることが望ましい。
・ 基体2及びカバー体3のそれぞれを形成する合成樹脂シートに平織又は綾織の繊維層を積層したが、その他の織り方の織物を繊維層として積層すること。
・ 基体2及びカバー体3のそれぞれを形成する合成樹脂シートに織布を積層することに替えて不織布を積層すること。その不織を形成する繊維は、ポリアミド、ポリエチレン等の自己潤滑性を有する合成樹脂であることが望ましい。
・ カバー体3の底の部分に空気流通用の孔3aを設けたが、他の場所に設けるか、または、空気流通用の孔3aを設けないようにすること。
さらに、上記実施形態より把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
(A) 前記基体の本体部と端面形成部を連結する環状連結部は、綾織繊維が表面側に積層された合成樹脂製シートからなる環状体であることを特徴とする請求項6に記載の阻止棒。このように構成した場合、基体の本体部と端面形成部を連結する加工において、環状連結部を容易に引伸ばすことができるので、加工を速やかに行うことができる。
(B) 前記基体の端面形成部には、遮断機と基体とを連結する連結部が設けられ、その連結部の内部が空気注入を許容し空気の漏出を防止する逆止弁構造となっていることを特徴とする請求項6又は技術的思想(A)項に記載の阻止棒。このように構成した場合、基体の外部に空気注入口が露出しないので、不用意に基体から空気が漏出することが防止されると共に、基体を遮断機に連結したまま基体内に空気を注入することができる。
(A) 前記基体の本体部と端面形成部を連結する環状連結部は、綾織繊維が表面側に積層された合成樹脂製シートからなる環状体であることを特徴とする請求項6に記載の阻止棒。このように構成した場合、基体の本体部と端面形成部を連結する加工において、環状連結部を容易に引伸ばすことができるので、加工を速やかに行うことができる。
(B) 前記基体の端面形成部には、遮断機と基体とを連結する連結部が設けられ、その連結部の内部が空気注入を許容し空気の漏出を防止する逆止弁構造となっていることを特徴とする請求項6又は技術的思想(A)項に記載の阻止棒。このように構成した場合、基体の外部に空気注入口が露出しないので、不用意に基体から空気が漏出することが防止されると共に、基体を遮断機に連結したまま基体内に空気を注入することができる。
1,14…阻止棒、2,15…基体、3…カバー体、3a…孔、3b…開口部、8…繊維層、8a,8c…経糸、8b,8d…緯糸、20…遮断機、21…本体部。
Claims (6)
- 車両の通行を制御する遮断機に用いる阻止棒において、少なくとも表面側が弾性体からなる基体と、その基体の表面を離脱自在に覆う保護皮膜とよりなることを特徴とする阻止棒。
- 前記基体の表面及び前記保護皮膜の基体側の内面の少なくとも一方の面は、低摩擦化された面であることを特徴とする請求項1に記載の阻止棒。
- 前記低摩擦化された面は、前記基体及び保護皮膜の少なくとも一方を補強する繊維層が積層された凹凸面であって、その凹凸面により前記基体と保護皮膜との接触面積が減少していることを特徴とする請求項2に記載の阻止棒。
- 前記保護皮膜は、内面に繊維層が積層された合成樹脂製シートからなり、開口部を有する有底筒状のカバー体であることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載の阻止棒。
- 前記カバー体の底部には空気流通用の孔が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の阻止棒。
- 前記基体は、合成樹脂製シートよりなる密封袋状体であって、前記基体の本体部の合成樹脂製シートの表面側に平織繊維の繊維層が積層され、その平織繊維の経糸又は緯糸が前記基体の軸心に直交する方向に配置され、空気圧により前記基体の表面が緊張状態となっていることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の阻止棒。
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- 2008-08-25 JP JP2008215564A patent/JP2010048052A/ja active Pending
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