JP2010046973A - エラー発生防止モードを有する印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷装置の個体差や、設置環境の相違、経時劣化の程度の差等の、その印刷装置固有の状況に応じて適切にエラーの発生を予測し、それに応じた制御を行う。
【解決手段】エラー検知部101によって検知されたエラーの発生時における、印刷装置の部位の状態情報とエラーの内容とを対応づけたエラー履歴情報をエラー履歴ファイル104に記憶しておき、エラー予測制御部107が、状態情報取得部102によって取得された各部位の状態情報が、エラー履歴情報ファイル104から得られる、印刷装置内で過去に発生したエラーの再発生が予測されるエラー予測条件を満たす場合に、その再発生が予測されるエラーの発生を防止するための制御を行う。
【選択図】図3
【解決手段】エラー検知部101によって検知されたエラーの発生時における、印刷装置の部位の状態情報とエラーの内容とを対応づけたエラー履歴情報をエラー履歴ファイル104に記憶しておき、エラー予測制御部107が、状態情報取得部102によって取得された各部位の状態情報が、エラー履歴情報ファイル104から得られる、印刷装置内で過去に発生したエラーの再発生が予測されるエラー予測条件を満たす場合に、その再発生が予測されるエラーの発生を防止するための制御を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、印刷装置におけるエラーの発生を予測し、そのエラーの発生を防止するための制御を行う印刷装置に関するものである。
印刷装置に故障が発生すると、修理やエラーの解除等の作業が終わるまではその印刷装置を使用することができず、ユーザの印刷作業に支障をきたしてしまう。このような問題を解決するため、故障の発生を予測し、故障の未然防止を図ることが提案されている。
例えば、特許文献1では、故障予測装置と複数のプリンタがネットワークを介して接続されたシステムで、故障予測装置が各プリンタをリモート監視するものが提案されている。このシステムにおいて、各プリンタは、自らの動作状態(ステータス情報)を検出し、そのステータス情報を故障予測装置に送信する。ここで、ステータス情報には、プリンタの各部(センサ、ファン、モータ、通信、モジュール等)のステータスを表す数値やエラーコード、その異常に対する修理情報が含まれている。故障予測装置は、各プリンタからのステータス情報を受信し、ステータス情報にエラーコードが含まれる場合には管理情報データベースにエラー情報として格納する。一方、受信したステータス情報にエラーコードが含まれない場合には、そのステータス情報と類似するステータスを有するエラー情報が管理情報データベースに格納されているかどうかチェックし、格納されている場合には、そのステータスが類似するエラー情報が示すエラーが発生する可能性が高いと判断し、そのエラー情報を、そのステータス情報を送信したプリンタに出力させる。これにより、管理情報データベースには、各プリンタでのエラー発生時のステータスの履歴が蓄積されていき、故障予測装置は、その蓄積されたエラー発生時のステータス情報と、各プリンタから送信されてきたエラーの発生に至っていないステータス情報との類似性から、各プリンタでのエラーの発生を予測することが可能になる。
特開2005−309733号公報
印刷装置のユーザやメンテナンス担当者は、例えば、この印刷装置は紙詰まりが起きやすいというように、同じ機種であっても、その印刷装置の個体特有の「クセ」ともいうべき、その印刷装置特有のエラー発生パターンを感じることがある。また、この印刷装置は最近紙詰まりが起きやすくなったというように、その印刷装置におけるエラー発生パターンの変化を感じることもある。これらは、印刷装置の製造段階における各部材の品質や組立て精度のばらつき等による個体差や、設置環境の相違、その印刷装置の使用期間、使用状態等の相違から生じる経時劣化の程度の差等によるものであると考えられる。
しかしながら、従来の印刷装置では、これらの印刷装置の個体レベルでの差異に応じたエラーの予測や制御は行われていなかった。例えば、特許文献1にもこのような着眼点については記載も示唆もされておらず、特許文献1記載のシステムにおいても、故障予測装置は、複数のプリンタのエラー情報をプリンタの個体を区別せずに用いてエラーの可能性を判断しているため、プリンタの個体差や設置環境の相違、経時劣化の程度の違いが考慮された故障の予測は行われていない。
また、プリンタの経時劣化により、同じエラーであってもその発生条件は変動しうるが、特許文献1記載のシステムでは、同じエラーが複数回発生した場合に、管理情報データベースにどのように登録され、どのように故障の予測が行われるかについては明らかではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、印刷装置の個体差や、設置環境の相違、経時劣化の程度の差等の、その印刷装置固有の状況に応じて適切にエラーの発生を予測し、それに応じた制御を行うことを実現する印刷装置を提供することを目的とするものである。
本発明の印刷装置は、原稿情報を出力媒体に印刷出力する印刷手段と、所定の第1のタイミングで、前記印刷装置の各部位の状態を表す状態情報を繰り返し取得する状態情報取得手段と、前記印刷装置内におけるエラーの発生を検知するエラー検知手段と、前記エラー検知手段によって検知されたエラーの発生時における、前記状態情報取得手段によって取得された前記各部位のうちの少なくとも一部の部位の状態情報と、前記エラーの内容とを対応づけたエラー履歴情報を記憶するエラー履歴情報記憶手段と、前記状態情報取得手段によって取得された前記各部位の状態情報が、前記エラー履歴情報から得られる、前記少なくとも一部の部位の、前記印刷装置内で過去に発生したエラーの再発生が予測される状態を表すエラー予測条件を満たす場合に、該再発生が予測されるエラーの発生を防止するための制御を行うエラー予測制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
以下、本発明の詳細について説明する。
「第1のタイミング」の具体例としては、所定の時間間隔、所定の数の印刷ジョブの実行が完了する度、印刷装置の所定の部位の稼働回数が所定の回数に達する度等が挙げられる。また、エラー検知手段がエラーの発生を検知した時にも、状態情報の取得を行うことが好ましい。この場合、エラーの発生を検知した時には、状態情報取得手段によって取得可能なすべての部位の状態を取得するのではなく、エラーの内容に応じて予め定めておいた一部の部位のみの状態を取得するようにしてもよい。
「状態情報」は、例えば孔版印刷装置におけるマスターの残量のように、状態情報取得手段による取得時点でのその部位の状態を表すものであってもよいし、例えばマスターの残量の変化率(減少速度)のように、その部位における状態の経時的変化を表すものであってもよい。
エラー検知手段によって検知されるエラーは、状態情報取得手段によって取得される各部位の状態から直接検知されないエラーとすることができる。例えば、状態情報取得手段が用紙トレイ中の用紙の残量を取得する場合、残量がなくなれば用紙切れエラーが検知されることになるが、これは、状態情報取得手段によって取得された用紙トレイの状態から直接検知されるエラーに該当する。一方、孔版印刷装置における状態情報取得手段が排版ボックスの収容量を取得し、エラー検知手段が排版処理自体の処理時間が所定の閾値よりも長い場合に排版エラーを検知する場合、たとえこの排版エラーのエラー予測条件が「排版ボックスの収容量が80%以上」というものであったとしても、この排版エラーは、排版ボックスの収容量から直接検知されるエラーには該当しない。
「エラー履歴情報」は、エラー発生時におけるエラーの内容と各部位の状態情報とが対応づけられたものである。ここで、エラーはエラー検知手段によって検知されたものであり、状態情報は状態情報取得手段によって取得されたものである。状態情報は、状態情報取得手段によって取得された各部位のすべてであってもよいし、一部であってもよい。また、このエラー履歴情報に格納される状態情報も、エラーが発生した時点のみの状態を表すものであってもよいし、エラー発生前からの状態の変化を表すものであってもよい。
「エラー予測条件」は、印刷装置内で過去に発生したエラーの再発生が予測される状態を表すものである。この状態とは、印刷装置の各部位のうちの少なくとも一部の部位の状態であり、その再発生が予測されるエラーの内容と対応づけられてエラー履歴情報に記憶されているものである。
また、このエラー予測条件は、エラー履歴情報記憶手段によって記憶されたエラー履歴情報に基づいて決定されたものである。例えば、その印刷装置内で過去に複数回発生した同一のエラーのエラー履歴情報に基づいて決定することが考えられる。より具体的には、その印刷装置内で同一のエラーが所定の回数以上発生した際の各回に共通する前記少なくとも一部の部位の状態をエラー予測条件とすることが考えられる。あるいは、過去に複数回発生した同一のエラーの際の、前記少なくとも一部の部位の状態を表す数値から得られる平均値等の統計値をエラー予測条件とすることも考えられる。さらに、エラー履歴情報をエラー発生時におけるエラーの内容と各部位すべての状態情報を対応づけたものとし、過去に複数回発生した同一のエラーの際のエラー履歴情報やエラーが未発生時の状態情報等を用いた機械学習や統計的解析処理により、そのエラーへの寄与が高い部位を決定するとともに、そのエラーの再発生が予測されるその部位の状態を決定するようにしてもよい。
さらにまた、エラー予測条件は、再発生が予測されるエラーの過去の発生時における前記少なくとも一部の部位の状態よりも前の状態を表すものとすることが考えられる。例えば、状態情報取得手段が廃インクタンクの収容量を取得し、エラー検知手段がインク漏れエラーを検知する場合、廃インクタンクの収容量が95%の時点でインク漏れエラーが頻発するのであれば、廃インクタンクの収容量が95%の状態になるより前の90%の状態をエラー予測条件とすることが考えられる。
また、エラー予測制御手段が処理を行う度にエラー履歴情報からエラー予測条件を決定するようにしてもよいし、印刷装置内で過去に発生したエラーとそのエラーについてのエラー予測条件とが関連づけられて格納されたエラー予測テーブルと、所定の第2のタイミングで、エラー履歴情報に基づいてエラー予測テーブルを更新するエラー予測テーブル更新手段とをさらに設け、エラー予測テーブル更新手段がエラー予測条件を決定するようにしてもよい。後者の場合、エラー予測制御手段は、状態情報取得手段によって取得された各部位の状態が、エラー予測テーブルに格納されたエラー予測条件を満たす場合に、そのエラー予測条件と関連づけられたエラーの発生を防止するための制御を行えばよい。ここで、所定の第2のタイミングの具体例としては、エラー検知手段によってエラーの発生が検知された時とすることが好ましいが、所定の時間間隔、所定の数の印刷ジョブの実行が完了する度、印刷装置の所定の部位の稼働回数が所定の回数に達する度等であってもよい。
「エラーの発生を防止するための制御」の具体例としては、エラーの発生が予測されることを警告することや、再発生が予測されるエラーを回避するためにその印刷装置で行うべき作業の内容を出力すること、印刷手段の動作を行わせないようにすること等が挙げられる。
本発明によれば、エラー検知手段によって検知されたエラーの発生時における、印刷装置の部位の状態情報とエラーの内容とを対応づけたエラー履歴情報を記憶しておき、エラー予測制御手段が、状態情報取得手段によって取得された各部位の状態情報が、エラー履歴情報から得られる、印刷装置内で過去に発生したエラーの再発生が予測されるエラー予測条件を満たす場合に、その再発生が予測されるエラーの発生を防止するための制御を行うことができる。ここで、このエラー履歴は、その印刷装置の個体差や設置環境に特有のエラー発生パターンが反映されたものであるとともに、その印刷装置の経時劣化に応じたエラー発生パターンの変動も反映されているので、このエラー履歴に基づいて得られたエラー予測条件を用いることにより、その印刷装置固有の状況に応じて適切にエラーの発生を予測し、それに応じた制御を行うことが実現される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態として、本発明によるエラーの予測制御を孔版印刷機に実装した例について説明し、第2の実施の形態として、同様のエラーの予測制御をインクジェット印刷機に実装した例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態となる孔版印刷装置1の概略構成図である。
この孔版印刷装置1は、印刷手段に相当する構成として、原稿の画像を読み取る読取部10、読取部10で読み取られた画像情報に基づいて孔版マスターMに製版処理を施す製版部20、製版部20において製版された孔版マスターMを用いて印刷用紙に印刷を施す印刷部30、印刷部30に印刷用紙を給紙する給紙部40、印刷済みの印刷用紙を排出する排紙部50、および使用済みの孔版マスターMを廃棄する排版部60を備えている。
読取部10は、イメージスキャナであり、副走査方向に搬送される原稿の画像の読み取りを行うラインイメージセンサ12と原稿送りローラー14とを有している。
製版部20は、マスターロール部21と、複数個の発熱体が一列配列されてなるサーマルヘッドを有する製版ユニット22と、マスター送りローラー23、24と、マスター案内ローラー25,26,27と、マスターカッタ28とを有している。
印刷部30は、多孔金属板、メッシュ構造体などのインク通過性の円筒状の印刷ドラム31、印刷ドラム31の内部に配置されたスキージローラー32とドクターローラー33とインク供給装置34、およびプレスローラー36を有している。印刷ドラム31の外周には製版済孔版マスターMが巻き付けられて装着されるようになっている。
給紙部40は、印刷用紙Pが載置される給紙台41と、給紙台41より印刷用紙Pを一枚ずつ取り出すピックアップローラー42と、印刷用紙Pを印刷ドラム31とプレスローラー36との間に送り出すタイミングローラー43とを有している。
排紙部50は、印刷用紙Pを印刷ドラム31より剥ぎ取る剥取爪51と、排紙送りベルト部52と、印刷済みの印刷用紙Pが積載される排紙台53とを有している。
排版部60は、印刷部30の一方の側に設けられ、印刷ドラム31から引き剥がされた使用済みの孔版マスターMが送り込まれる排版ボックス61と、印刷ドラム31から使用済み孔版マスターMを引き剥がして排版ボックス61内へ送り込む排版ローラー62とを有している。
以上の構成による、この孔版印刷装置1の印刷手段の作用について説明する。
まず、マスターロール部21におけるマスターホルダーに孔版マスターロールが設置され、予め設定された1枚の製版分の長さの孔版マスターMが繰り出される。そして、製版部20において、サーマルヘッド22の複数個の発熱体が各々個別に選択的に発熱することにより感熱穿孔製版され、その製版済孔版マスターMは、マスターカッタ28により切断されて印刷ドラム31に巻着される。
そして、自動的にインク供給装置34により印刷ドラム31の内側に、所定の色のインクが供給される。印刷ドラム31が図1における反時計回りの方向へ回転駆動されると印刷ドラム31の回転に同期して所定のタイミングにて印刷用紙Pがタイミングローラー43により図1における左から右へ移動して印刷ドラム31とプレスローラー36との間に供給される。そして、印刷用紙Pがドラムの外周面に巻き付けられている製版済孔版マスターMに対し、プレスローラー36によって圧接されることにより印刷用紙Pに対して孔版印刷が行われる。印刷済みの印刷用紙Pは、剥取爪51によって印刷ドラム31から剥ぎ取られ、排紙送りベルト部52によって排紙台53まで搬送される。
以上の給紙部40、印刷部30、排紙部50の構成要素による印刷用紙Pへの印刷動作がユーザによって指定された枚数分繰り返された後、使用済みの孔版マスターMは、印刷ドラム31から引き剥がされ、排版ローラー62によって排版ボックス61内に送り込まれる。
また、この孔版印刷装置1の製版部20には、マスターロール部21の側面に、複数の反射シート82がマスターロール部21の回転軸に対して放射状に設けられており、さらに光センサー81が設けられている。印刷部30には、スキージローラー32とドクターローラー33とが接する部分に形成されるインクだまりのインク量を検出するインク量検出センサー83が設けられており、印刷ドラム31の外側には反射型のマスター検出センサー85が設けられている。さらに、排版部60の排版ローラー62付近には反射型の排版検知センサー84が設けられている。
また、孔版印刷装置1は、メッセージを表示とタッチパネル式の入力の受付とを行う液晶パネル71と、上記の印刷や後述のエラー予測等の各種制御を行う制御部90も有している。図2は、制御部90の概略構成を模式的に表したものであり、同図に示すように、CPU91、ROM92、RAM93、入出力インターフェース94、データバス95を有している。ここで、CPU91は、ROM92内に記憶されたプログラムを読み込んで実行し、RAM93に格納されるファイルやテーブルへの読み書き、入出力インターフェース94を通じた孔版印刷装置1の各部とのデータや制御信号の通信を行うことにより、上記各種制御を実現している。データバス95は制御部90内部でのデータや制御信号の送受信経路である。
図3は、図1,2の構成により実現される、本発明の実施形態となるエラー予測制御機能をブロック化して模式的に表したものである。同図に示したように、このエラー予測制御機能は、エラー検知部101、状態情報取得部102、エラー履歴作成部103、エラー履歴ファイル104、エラー予測テーブル更新部105、エラー予測テーブル106、エラー予測制御部107によって実現される。
エラー検知部101は、孔版印刷装置1の各部において動作時に発生したエラーを検知し、エラー情報ERを制御部90のRAM93の所定の記憶領域に出力する。本実施形態では、エラー検知部101のうちの排版エラー検知部111と着版エラー検知部112を具体例として説明する。
排版エラー検知部111では、排版検知センサー84が、排版部60の動作開始から所定の時間内に使用済み孔版マスターMを検知しなかった場合に、排版エラーを検知する(詳細は、特開2003-211811号公報等参照)。
着版エラー検知部112では、マスター検出センサー85が、印刷部30の動作時に、印刷ドラム31の外周面への製版済孔版マスターMの装着の有無による反射光量の違いに基づいて製版済孔版マスターMを検出し、製版済孔版マスターMが検出されなかった場合に着版エラーを検知する(詳細は、特開平07-257003号公報等参照)。
状態情報取得部102は、孔版印刷装置1の各部の状態を取得し、状態情報STを制御部90のRAM93の所定の記憶領域に出力する。状態情報取得部102は、制御部90が、所定の時間間隔、または、印刷ジョブの完了時等の所定の動作の発生時や完了時に各部に状態を問い合わせることによって動作するとともに、エラー検知部101でエラーが検知された場合にも制御部90がエラーの内容毎に予め定められた部位に対して状態を問い合わせることによって動作する。本実施形態では、状態情報取得部102のうちの、排版ボックス収納量検知部121、排版ローラー摩耗量検知部122、マスター残量検知部123、ドラム面インク量検知部124を具体例として説明する。
排版ボックス収納量検知部121は、排版検知センサー84で検知された製版済孔版マスターMの数をカウントし、カウントされたマスター数の、設計時に予め決定しておいた排版ボックスの最大収納量(製版済孔版マスターMの最大収納数)に対する比率を、排版ボックス収納量を表す状態情報STとして出力する(詳細は、特開2003-211811号公報等参照)。
排版ローラー摩耗量検知部122は、制御部90でカウントされる累積製版枚数に基づいて排版ローラー62の摩耗量を推定し、排版ローラー摩耗量を表す状態情報STとして出力する。具体的には、排版ローラー摩耗量検知部122は、カウントされた累積製版枚数の、設計時に予め決定しておいた排版ローラーが寿命に達するまでに製版可能な枚数に対する比率を算出する(詳細は、特開2001-039000号公報等参照)。
マスター残量検知部123では、光センサー81が、マスターロール部21の回転に伴う反射シート82の通過を検出し、検出された通過回数に基づいてマスターロールから繰り出された孔版マスターMの長さを推定し、推定された孔版マスターMの長さを、新品時における孔版マスターMの全長から逐次減算することによってマスターロール部21に残された孔版マスターMの長さを算出する。さらに、この孔版マスターMの残りの長さの新品時における孔版マスターMの全長に対する比率を、マスター残量を表す状態情報STとして出力する(詳細は、特開2003-211811号公報等参照)。
ドラム面インク量検知部124は、インク量検出センサー83で検出された、スキージローラー32とドクターローラー33とが接する部分に形成されるインクだまりのインク量を、ドラム面インク量を表す状態情報STとして出力する(詳細は、特開2003-211811号公報等参照)。
エラー履歴作成部103では、エラー検知部101によってエラーが検知された場合に、制御部90が、RAM93の所定の記憶領域からエラー情報ERを取得し、エラーの内容に応じて、状態情報の確認が必要な部位に対応する状態情報取得部102に対して問合せを行うことによって、RAM93の所定の記憶領域から状態情報STを取得し、エラー検知部101で検知されたエラー情報ERと対応づけて、エラー履歴情報ELとして、RAM93のエラー履歴ファイル104に追加格納する。なお、エラーの内容毎にどの状態情報を取得するかについては、制御部90で実行されるプログラムに予めコーディングされている。
図4は、エラー履歴ファイル104の構成と格納されているデータの一例を表したものであり、エラー発生日時毎に、エラー内容(エラー情報ER)と、そのエラーの内容に応じて取得された状態情報STとが関連づけられて格納されている。なお、同図に示したように、エラー発生時には、複数の部位の状態情報STを取得し、各状態情報STをエラー発生日時およびエラー内容と関連づけて格納しておいてもよい。
エラー予測テーブル更新部105では、エラー検知部101によってエラーが検知された場合に、制御部90が、RAM93の所定の記憶領域からエラー情報ERを取得し、その検知されたエラーと同じエラーの履歴情報をエラー履歴ファイル104から取得し、取得されたエラー履歴中の状態情報STとエラーが検知された時の状態情報STとに基づいて、その状態情報STで表された部位の状態とエラーの内容との関連性を判定し、関連性があると判定された場合には、エラー予測制御部107がその検知されたエラーの再発生を防止する制御を行うための条件となる、その部位の状態を表す状態情報(以下、エラー予測条件という)を決定し、エラー予測テーブル106の更新を行う。具体的な処理内容は図6を用いて後述する。なお、この関連性の判定基準は、エラーの内容毎かつ状態情報毎に、制御部90で実行されるプログラムに予めコーディングされている。また、エラー予測条件は、実際にエラーが発生した際のその部位の状態よりも前の段階の状態を表すものであり、どの程度前の段階の状態を表すものとするかについても、エラーの内容毎かつ状態情報毎に、制御部90で実行されるプログラムに予めコーディングされている。
エラー予測テーブル106は、図5に示したように、エラーの内容毎にエラー予測条件が関連づけられて格納されたテーブルであり、RAM93に記憶されている。同図に示されたテーブルの内容例では、排版ボックスの収納量が75%以上となった場合に排版エラーの発生が予測されること、および、マスター残量が5%以下となった場合に着版エラーの発生が予測されることが示されている。
なお、エラー予測テーブル更新部105は、更新対象となるエラーの内容とそれに関連する部位の状態情報とが関連づけられたエントリがエラー予測テーブル106に存在しない場合には、エントリの追加を行い、存在する場合には、その存在するエントリのエラー予測条件(状態情報)の更新を行う。また、エラー予測テーブル更新部105は、更新の際に、エラー予測条件(状態情報)が、エラーの発生がより頻繁に予測されるようになるように更新されるかどうかを判定し、より頻繁に予測されるようになる場合にのみ、エラー予測条件の更新を行うようにしてもよい。
エラー予測制御部107では、制御部90が、RAM93の所定の記憶領域から状態情報STを取得し、エラー予測テーブル106を参照し、その状態情報がエラー予測テーブル106に格納されたエラー予測条件を満たすかどうか判定し、エラー予測条件を満たす場合に、そのエラー予測条件と関連づけられたエラーの発生を回避するための操作等を表す警告メッセージALを液晶パネル71に表示させる。なお、表示される警告メッセージALの内容は、エラーの内容毎に、制御部90で実行されるプログラムに予めコーディングされている。
図6は、本発明の実施形態となるエラー予測制御機能のうちのエラー予測テーブル106の更新処理の流れを表したフローチャートの一例である。
同図に示したように、エラー検知部101で検知されたエラーの種類が排版エラーの場合(#1;排版エラー)、すなわち、排版エラー検知部111が排版エラーを検知した場合には、エラー履歴作成部103が状態情報取得部102に対して排版ボックスの収納量および排版ローラーの摩耗量の問合せを行い、排版ボックス収納量検知部121と排版ローラー消耗量検知部122の各々が状態情報STを戻り値として返す(#2a,#2b)。ここでは、同図に示したように、状態情報STは、排版ボックスの収納量が80%、排版ローラーの摩耗量が5%という内容であったものとする。さらに、エラー履歴作成部103が、エラー発生日時と、排版エラーを表すエラー情報ER、上記の状態情報STを対応づけたエラー履歴ELをエラー履歴ファイル104に書き込む。
次に、エラー予測テーブル更新部105は、排版エラーのエラー履歴情報をエラー履歴ファイル104から取得し(#3)、上記の状態情報STとの関連性の判定を行う(#4)。
具体的には、まず、排版ボックスの収納量が80%のときに過去に何回の排版エラーが発生しているかを確認する(#3a)。例えば、過去に排版ボックスの収納量が90%で排版エラーが発生したというエラー履歴があった場合、この排版エラーが発生する前に排版ボックスの収納量が80%となった時点があり、その時点ではまだ排版エラーは発生していなかったことになる。したがって、この排版ボックスの収納量が90%のエラー履歴は、排版ボックスの収納量が80%のときに排版エラーが発生したことを示すものではないと判断される。一方、過去に排版ボックスの収納量が75%で排版エラーが発生したというエラー履歴があった場合、排版ボックスの収納量が80%になる前に排版エラーが発生しているので、排版ボックスの収納量がエラー発生時よりも多い80%となる時点では当然に排版エラーが発生すると判断し、この排版ボックスの収納量が75%のエラー履歴は、排版ボックスの収納量が80%のときに排版エラーが発生したことを示すものであると判断される。このように、エラー予測テーブル更新部105は、排版ボックスの収納量が80%以下のときに過去に何回の排版エラーが発生しているかを確認する。同様に、エラー予測テーブル更新部105は、排版ローラーの摩耗量が5%(以下)のときに過去に何回の排版エラーが発生しているかを確認する(#3b)。
その結果、前者の条件下で排版エラーが10回以上発生していた場合には、排版ボックスの収納量が80%以上であることと排版エラーには関連性があると判定し(#4a;YES)、後者の条件下で着版エラーが5回以上発生していた場合には、排版ローラーの摩耗量が5%以上であることと排版エラーには関連性があると判定する(#4b;YES)。そして、関連性があると判定された場合には(#4;YES)、エラー予測テーブル更新部105が、エラーが発生した時の各部位の状態に基づいてエラー予測条件を決定し、エラー予測テーブル106の更新を行う(#5)。関連性がないと判定された場合には(#4;NO)、エラー予測テーブル106の更新は行わない。
一方、エラー検知部101で検知されたエラーの種類が着版エラーの場合(#1;着版エラー)、すなわち、着版エラー検知部112が着版エラーを検知した場合には、エラー履歴作成部103が状態情報取得部102に対してマスター残量およびドラム表面のインク量の問合せを行い、マスター残量検知部123およびドラム面インク量検知部124の各々が状態情報STを戻り値として返すと(#2c,#2d)、エラー履歴作成部103が、上記と同様にして、今回の着版エラーのエラー履歴ELをエラー履歴ファイル104に書き込む。なお、ここでは、図6に示したように、状態情報STは、マスター残量が2%、ドラム表面のインク量が50%という内容であったものとする。次に、エラー予測テーブル更新部105は、上記と同様にして、マスター残量が2%(以上)のときに過去に何回の着版エラーが発生しているか(#3c)、および、ドラム表面のインク量が50%(以上)のときに過去に何回の着版エラーが発生しているかを確認し(#3d)、前者の条件下で着版エラーが15回以上発生していた場合には、マスター残量が2%以下であることと着版エラーには関連性があると判定し(#4c;YES)、後者の条件下で着版エラーが30回以上発生していた場合には、ドラム表面のインク量が50%以下であることと着版エラーには関連性があると判定する(#4d;YES)。そして、関連性があると判定された場合には(#4;YES)、エラー予測テーブル更新部105が、エラーが発生した時の各部位の状態に基づいてエラー予測条件を決定し、エラー予測テーブル106の更新を行う(#5)。
なお、図5のエラー予測テーブル106の内容は、図6のステップ#4a,#4cで関連性あり(YES)と判定された場合のエラー予測テーブル更新部105による更新結果の例を表している。同図に示したように、この例では、排版ボックスの収納量が80%以上のときに排版エラーが発生する可能性が高いことから、その収納量が80%になる前の75%の段階をエラー予測条件としている。同様に、マスター残量が2%以下のときに着版エラーが発生する可能性が高いことから、その残量が2%になる前の5%の段階をエラー予測条件としている。
図7は、本発明の実施形態となるエラー予測制御機能のうちの、エラーの発生を防止するためのエラー予測警告処理の流れを表したフローチャートの一例である。同図に示したように、状態情報取得部102の各検知部121から124が上記の所定のタイミングで各部の状態情報STを繰り返し取得する度に(#11)、エラー予測制御部107が、その取得された状態がエラー予測テーブル106に格納されたエラー予測条件を満たすかどうか判定し(#12)、エラー予測条件を満たす場合に、そのエラー予測条件と関連づけられた警告メッセージALを液晶パネル71に表示させる(#13)。エラー予測条件を満たさない場合には(#12;NO)、上記表示を行うことなく、次回の状態情報取得部102による状態情報の取得待ちとなる。
例えば、エラー予測テーブル106にエントリされている内容が図5に示されたものであったとすると、排版ボックス収納量検知部121が排版ボックスの収納量が78%であることを検知した場合(#11a)、エラー予測制御部107が、エラー予測テーブル106を参照し、現在の排版ボックスの収納量がエラー予測テーブル106のエラー予測条件「排版ボックスの収納量≧75%」を満たしていると判定し(#12;YES)、警告メッセージAL「排版ボックスを空にして下さい。」を液晶パネル71に表示させる(#13a)。一方、マスター残量検知部123がマスターの残量が4%であることを検知した場合(#11b)、エラー予測制御部107が、エラー予測テーブル106を参照し、現在のマスター残量がエラー予測テーブル106のエラー予測条件「マスター残量≦5%」を満たしていると判定し(#12;YES)、警告メッセージAL「マスターを交換して下さい。」を液晶パネル71に表示させる(#13b)。なお、例えば、上記の例で、排版ボックス収納量検知部121が排版ボックスの収納量が70%であることを検知した場合には、エラー予測制御部107は、エラー予測テーブル106の参照の結果、現在の排版ボックスの収納量がエラー予測テーブル106のエラー予測条件「排版ボックスの収納量≧75%」を満たしていないと判定し(#12;NO)、次回の状態情報の取得待ちとなる。
以上のように、本発明の第1の実施形態となる孔版印刷装置1では、エラー履歴作成部103が、エラー検知部101によって検知されたエラーの発生時における、その検知されたエラー情報ERと、状態情報取得部102によって取得された孔版印刷装置1の所定の部位の状態情報STとを対応づけたエラー履歴情報ELをエラー履歴ファイル104に書き込むと同時に、エラー予測テーブル更新部105が、エラー履歴情報ELから得られる、過去に発生した同じエラーの際のその部位の状態情報に基づいて、今回のその部位の状態とそのエラーとの関連性を判定し、関連性がある場合にはエラー予測テーブル106を更新する。そして、エラー予測制御部107が、状態情報取得部によってエラーの発生とは無関係の所定のタイミングで取得された各部位の状態情報STが、エラー予測テーブル106に格納されたエラー予測条件を満たす場合に、そのエラー予測条件と関連づけられたエラーの発生を防止するための操作内容を表す警告メッセージALを表示させる制御を行う。ここで、このエラー履歴情報ELは、孔版印刷装置1の個体差や設置環境に特有のエラー発生パターンが反映されたものであるとともに、孔版印刷装置1の経時劣化に応じたエラー発生パターンの変動も反映されているので、このエラー履歴情報ELに基づいて得られたエラー予測条件を用いることにより、孔版印刷装置1に固有の状況に応じて適切にエラーの発生を予測し、それに応じた制御を行うことが実現される。具体的には、図5のエラー予測テーブルのエラー予測条件を例とすると、孔版印刷装置1の経時劣化により、マスター残量が5%でも着版エラーが頻発するようになったとすると、そのエラー回数が15回以上となった時点で(図6の#4c;YES)、エラー予測テーブル106のエラー予測条件は、エラー予測テーブル更新部105によって、「マスター残量≦8%」に更新される。このように、本実施形態では、装置の経時劣化に応じてエラー予測条件を変動させることが可能になる。
また、エラー予測テーブル更新部105は、過去のエラー発生時のその部位の状態よりも前の状態を表すようにエラー予測条件を決定しているため、エラー予測制御部107は、エラーが発生する前に警告メッセージALを表示させることができ、ユーザは、実際にエラーが発生して孔版印刷装置1が使用できなくなる前に、そのエラーを回避するための消耗品や修理の手配等の準備を開始し、実際にエラーが発生する前に消耗品の交換や修理を終えることができれば、孔版印刷装置1では、実際にそのエラーが発生することなく、使用を継続することが可能になり、連続可用性が向上し、ユーザの作業効率の向上にも資する。特に印刷装置では、エラーにより大量の失敗プリントが発生し、大量の用紙が無駄になってしまうことがありうるので、本実施形態のようにエラーの発生を未然に防止することによる効果はより顕著である。
さらに、エラー予測条件はエラーの発生のタイミングで、そのエラーの時点での各部位の状態によって変動しうることに着目し、エラー予測テーブル更新部105が、エラー検知部101によってエラーが検知されたタイミングでエラー予測条件の決定を行うようにしたので、エラー予測制御部107は、状態情報取得部102によって状態情報STが取得される度にエラー予測条件を決定する必要がなく、処理効率が向上する。
また、状態情報取得部102は、エラー検知部101によってエラーが検知されたタイミングで所定の部位の状態情報STを取得するので、エラー予測テーブル更新部105は、エラー発生時の状態情報STを用いてエラー予測条件を決定することが可能になり、一定時間間隔等のエラーと無関係なタイミングでのみ状態情報を取得する場合と比較すると、予測精度の向上にも資する。
さらに、本実施形態では、排版ボックス収納量検知部121によって検知される排版ボックスの収納量や排版ローラー摩耗量検知部122によって検知される排版ローラーの摩耗量から排版エラーの発生を予測したり、マスター残量検知部123によって検知されるマスターの残量やドラム面インク量検知部124によって検知されるドラム表面のインク量から着版エラーの発生を予測したりというように、排版エラー検知部111や着版エラー検知部112の検知機構とは直接関係のない部位の状態情報からエラーの発生を予測しており、エラーとその原因となる部位の状態の間のより多様な因果関係に基づくエラーの予測が可能になっている。
なお、上記実施形態のエラー予測テーブル更新部105の処理では、例えば、排版ボックスの収納量がα%で排版エラーが発生したら、排版ボックス収納量がα%のときに過去に10回以上排版エラーが発生していた場合には、排版ボックスの収納量がα%になる前の(α-5)%を排版エラーの予測条件に決定するようにしていたが、排版ボックスの収納量がα%で排版エラーが発生したときに、排版ボックスの収納量がα%では過去に排版エラーが10回未満しか起きていないが、排版ボックスの収納量がβ%(α<β)では過去に排版エラーが10回以上起きていることもありうる。例えば、過去に排版ボックスの収納量が90%で5回、85%で4回、排版エラーが発生しており、さらに今回、排版ボックスの収納量が80%で排版エラーが発生したとすれば、その時点では、排版ボックスの収納量が80%では過去に10回未満の排版エラーしか起きていないが、排版ボックスの収納量が90%では過去に10回の排版エラーが発生していることになる。このような場合には、上記実施形態では、排版ボックスの収納量(α-5)%(上記の例ではα=80)がエラー予測条件となりうるかどうかのみを判定しているので、排版ボックスの収納量(β-5)%(上記の例ではβ=90)を排版エラーの予測条件とすることができない。そこで、排版エラーが発生した場合には、その時点での排版ボックスの収納量にかかわらず、過去に10回の排版エラーが発生したことになる排版ボックスの収納量、すなわち、エラー履歴ファイル104に記録されている過去の排版エラー時の排版ボックスの収納量のうち、小さい方から10番目の値を用いて排版エラーの予測条件に決定するようにしてもよい。
また、発生が予測されるエラーと孔版印刷装置1の各部位の状態情報との関連づけは、上記の実施形態のものに限定されない。具体的には、排版エラー発生時に、状態情報取得部102で排版ローラーの形状の歪みを取得してエラー履歴作成部103がエラー履歴ファイル104に書き込むようにし、エラー予測テーブル更新部105が、例えば排版ローラーの形状の歪みの度合いが10%(以下)のときに所定の回数以上排版エラーが発生している場合には、「排版ローラーの形状の歪み≧7%」というエラー予測条件と排版エラーとを関連づけてエラー予測テーブル106の更新を行うようにすることが考えられる。また、着版エラー発生時に、状態情報取得部102でマスター押さえ部材の圧力(マスター交換直後の上記圧力に対する比率)を取得してエラー履歴作成部103がエラー履歴ファイル104に書き込むようにし、エラー予測テーブル更新部105が、例えばマスター押さえ部材の圧力が50%(以上)のときに所定の回数以上着版エラーが発生している場合には、「マスター押さえ部材の圧力≦55%」というエラー予測条件と着版エラーとを関連づけてエラー予測テーブル106の更新を行うようにすることが考えられる。さらに、エラー検知部101で給紙エラーを検知するようにするとともに、給紙エラー発生時に、状態情報取得部102で用紙残量を取得してエラー履歴作成部103がエラー履歴ファイル104に書き込むようにし、エラー予測テーブル更新部105が、例えば用紙が2%(以上)のときに所定の回数以上給紙エラーが発生している場合には、「用紙残量≦5%」というエラー予測条件と給紙エラーとを関連づけてエラー予測テーブル106の更新を行うようにし、エラー予測制御部107は、状態情報取得部102によって取得された用紙残量がこのエラー予測条件を満たす場合に、「用紙を補充して下さい。」という警告メッセージALを表示させるようにすることが考えられる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8は、本発明の第2の実施形態となるインクジェット印刷装置200の概略構成図である。
このインクジェット印刷装置200は、印刷手段に相当する構成として、印刷の施されていない印刷用紙等の記録媒体が装填される記録媒体装填部230と、記録媒体装填部230から取り出された記録媒体を搬送ベルト233まで搬送する搬送ローラー231および搬送路232と、搬送ローラー231および搬送路232により搬送された記録媒体をインクジェットヘッド234まで搬送する搬送ベルト233と、搬送ベルト233により搬送された記録媒体にY(イエロー)成分、M(マゼンダ)成分、C(シアン)成分およびK(ブラック)成分の4つの成分毎に設けられたヘッド部からインクを吐出することにより印刷を施すインクジェットヘッド234と、インクジェットヘッド234により印刷済みの記録媒体を排紙する排紙ローラー240および排紙搬送路241と、排紙ローラー240および排紙搬送路241により排紙された印刷済みの記録媒体を受け付ける排紙トレイ242とを備えている。
また、インクジェット印刷装置200は、メッセージの表示を行う液晶パネル221と、上記の印刷や後述のエラー検知や予測等の各種制御を行う制御部210も有している。なお、制御部210の構成は図2と同様である。また、印刷対象の原稿画像の画像データは、このインクジェット印刷装置200と通信可能に接続されたコンピュータ等の外部機器からこのインクジェット印刷装置200に送信され、通信インターフェース(図示なし)経由で、制御部210のRAMの所定の記憶領域に格納される。
次に、以上の構成を有するインクジェット印刷装置200の印刷手段の作用について説明する。
まず、記録媒体装填部230から印刷の施されていない記録媒体が取り出され、その記録媒体が搬送ローラー231および搬送路232により搬送ベルト233に搬送される。そして、搬送ベルト233により図8の左から右に向かう方向に搬送されるとともに、入力された印刷対象の原稿画像データに応じてインクジェットヘッド234からインクが吐出され、原稿画像が印刷される。そして、排紙ローラー240および排紙搬送路241により、印刷済みの記録媒体が排紙トレイ242に搬送され、排出される。
また、このインクジェット印刷装置200は、インクジェットヘッド234で生じる廃インクが排出される廃インクタンク235と、廃インクタンク235内の廃インク量を検出する廃インクセンサー236を有している。この廃インクセンサー236は、重量検知式、光学式、静電容量式、フロート式等のいずれの方式のものであってもよい(詳細は、特開2004-130701号公報等参照)。
さらに、インクジェット印刷装置200は、インク粘度検知装置237を有している。このインク粘度検知装置237は、インクジェットヘッド234に列設されるインクチェンバー(図示なし)に設けられた圧電素子(ピエゾ素子)に駆動電圧が出力されたときの抵抗Rに流れた電流値を検出する(詳細は、特開2005-319705号公報等参照)。
図9は、図8および図2の構成により実現される、本発明の実施形態となるエラー予測制御機能をブロック化して模式的に表したものである。同図に示したように、このエラー予測制御機能は、第1の実施形態と同様に、エラー検知部251、状態情報取得部252、エラー履歴作成部253、エラー履歴ファイル254、エラー予測テーブル更新部255、エラー予測テーブル256、エラー予測制御部257によって実現される。
エラー検知部251は、第1の実施形態のエラー検知部101と同様に、インクジェット印刷装置200の各部において動作時に発生したエラーを検知し、エラー情報ERを制御部90のRAM93の所定の記憶領域に出力する。本実施形態では、エラー検知部251のうちのインク漏れエラー検知部261とインク不吐出エラー検知部262を具体例として説明する。
インク漏れエラー検知部261は、制御部90でカウントされる累積印刷枚数に基づいて廃インクタンク内に累積されるインク量を推定し、推定されたインク量が廃インクタンクの満杯となるインク量に達した場合にインク漏れエラーを検知する。具体的には、インク漏れエラー検出部261は、カウントされた累積印刷枚数が設計時に予め決定しておいた廃インクタンクの満杯に達するまでに印刷可能な枚数に達した場合に、インク漏れエラーを検知する。
インク不吐出エラー検知部262は、制御部90でカウントされる累積印刷枚数における印字に関わるインク不吐出回数を推定し、推定された不吐出回数が設計時に予め決定しておいた回数に達した場合にインク不吐出エラーを検知する。具体的には、インク不吐出エラー検出部262は、カウントされた累積印刷枚数が設計時に予め決定しておいたインク不吐出回数に到達するまでに印刷可能な枚数に達した場合に、インク不吐出エラーを検知する。
状態情報取得部252は、第1の実施形態の状態情報取得部102と同様に、所定のタイミングでインクジェット印刷装置200の各部の状態を取得し、状態情報STを制御部90のRAM93の所定の記憶領域に出力する。本実施形態では、状態情報取得部252のうちの、廃インクタンク収納量検知部271、連続プリント枚数カウント部272、インク粘度検知部273、プリント間隔計測部274を具体例として説明する。
廃インクタンク収納量検知部271は、廃インクセンサー236で検知された廃インクタンク235内の廃インク量の、設計時に予め決定しておいた廃インクタンク235内の最大容量に対する比率を、廃インクタンク収納量を表す状態情報STとして出力する。
連続プリント枚数カウント部272では、制御部90が現在実行中の印刷ジョブにおける印刷枚数をカウントし、そのカウント結果を連続プリント枚数を表す状態情報STとして出力する。
インク粘度検知部273は、インク粘度検知装置237で検出された電流値の予め設定された基準値に対する比率を、インク粘度を表す状態情報STとして出力する(詳細は、特開2005-319705号公報等参照)。
プリント間隔計測部274では、制御部90が、前回の印刷ジョブ完了からの経過時間を計測し、その計測結果をプリント間隔を表す状態情報STとして出力する。
エラー履歴作成部253、エラー履歴ファイル254、エラー予測テーブル更新部255、エラー予測テーブル256、エラー予測制御部257で行われる処理の内容は、第1の実施形態の同名の処理部と同様である。なお、エラー検知部251で検知されるエラー情報ERの内容や、状態情報取得部252で取得される状態情報STの内容が第1の実施形態とは異なるため、エラー履歴作成部253がエラーの内容に応じて問合せを行う部位は第1の実施形態と異なっており、その結果、図10に示したように、エラー履歴ファイル254には、インク漏れエラーの際の廃インクタンク収納量や連続プリント枚数、インク不吐出エラーの際のインク粘度やプリント間隔が格納されている。また、エラー予測テーブル更新部255における関連性の判定基準やエラー予測条件の具体的な決定方法も第1の実施形態と異なっており、その結果、図11に示したように、エラー予測テーブル256には、インク漏れエラーに対するエラー予測条件として「廃インクタンク収納量≧90%」が関連づけられ、インク不吐出エラーに対するエラー予測条件として「インク粘度≧103%」が関連づけられている。さらに、エラー予測制御部257が表示させる警告メッセージALの内容も第1の実施形態と異なっており、図13に示したように、インク漏れエラーの発生が予測される場合には「廃インクタンクを空にして下さい。」というメッセージ、インク不吐出エラーの発生が予測される場合には「インクを交換してください。」というメッセージとなっている。
図12に示した、本発明の実施形態となるエラー予測制御機能のうちのエラー予測テーブル256の更新処理のフローチャートについても、検知されるエラーの内容や取得される状態情報を除いて、基本的な流れは第1の実施形態と同様である。
すなわち、インク漏れエラー検知部261がインク漏れエラーを検知した場合には(#21;インク漏れエラー)、エラー履歴作成部253が状態情報取得部252に対して廃インクタンク収納量および連続プリント枚数の問合せを行い、廃インクタンク収納量検知部271と連続プリント枚数カウント部272の各々が状態情報STを戻り値として返す(#22a,#22b)。ここでは、同図に示したように、状態情報STは、廃インクタンクの収納量が95%、連続プリント枚数が300枚という内容であったものとする。さらに、エラー履歴作成部253が、エラー発生日時と、インク漏れエラーを表すエラー情報ER、上記の状態情報STを対応づけたエラー履歴ELをエラー履歴ファイル254に書き込む。次に、エラー予測テーブル更新部255は、インク漏れエラーのエラー履歴情報をエラー履歴ファイル254から取得し(#23)、廃インクタンク収納量が95%(以下)のときに過去に何回のインク漏れエラーが発生しているか(#23a)、および、連続プリント枚数が300枚(以下)のときに過去に何回のインク漏れエラーが発生しているかを確認し(#23b)、前者の条件下でインク漏れエラーが10回以上発生していた場合には、廃インクタンク収納量が95%以上であることとインク漏れエラーには関連性があると判定し(#24a;YES)、後者の条件下でインク漏れエラーが5回以上発生していた場合には、連続プリント枚数が300枚以上であることとインク漏れエラーには関連性があると判定する(#24b;YES)。そして、関連性があると判定された場合には(#24;YES)、エラー予測テーブル更新部255が、エラーが発生した時の各部位の状態に基づいてエラー予測条件を決定し、エラー予測テーブル256の更新を行う(#25)。関連性がないと判定された場合には(#24;NO)、エラー予測テーブル256の更新は行わない。
一方、インク不吐出エラー検知部262がインク不吐出エラーを検知した場合には(#21;インク不吐出エラー)、エラー履歴作成部253が状態情報取得部252に対してインク粘度およびプリント間隔の問合せを行い、インク粘度検知部273およびプリント間隔計測部274の各々が状態情報STを戻り値として返すと(#22c,#22d)、エラー履歴作成部253が、上記と同様にして、今回のインク不吐出エラーのエラー履歴ELをエラー履歴ファイル254に書き込む。なお、ここでは、図12に示したように、状態情報STは、インク粘度が105%、前回のプリントからの経過時間(プリント間隔)が24時間という内容であったものとする。次に、エラー予測テーブル更新部255は、上記と同様にして、インク粘度が105%(以下)のときに過去に何回のインク不吐出エラーが発生しているか(#23c)、および、プリント間隔が24時間(以内)のときに過去に何回のインク不吐出エラーが発生しているかを確認し(#23d)、前者の条件下でインク不吐出エラーが15回以上発生していた場合には、インク粘度が105%以上であることとインク不吐出エラーには関連性があると判定し(#24c;YES)、後者の条件下でインク不吐出エラーが30回以上発生していた場合には、プリント間隔が24時間以上であることとインク不吐出エラーには関連性があると判定する(#24d;YES)。そして、関連性があると判定された場合には(#24;YES)、エラー予測テーブル更新部255が、エラーが発生した時の各部位の状態に基づいてエラー予測条件を決定し、エラー予測テーブル256の更新を行う(#25)。なお、エラー予測テーブル256の例は図11に示したとおりである。
図13に示した、本発明の実施形態となるエラー予測制御機能のうちの、エラーの発生を防止するためのエラー予測警告処理のフローチャートについても、予測されるエラーの内容や取得される状態情報を除いて、基本的な流れは第1の実施形態と同様である。
すなわち、エラー予測テーブル256にエントリされている内容が図11に示されたものであったとすると、廃インクタンク収納量検知部271が廃インクタンクの収納量が92%であることを検知した場合(#31a)、エラー予測制御部257が、エラー予測テーブル256を参照し、現在の廃インクタンクの収納量がエラー予測テーブル256のエラー予測条件「廃インクタンク収納量≧90%」を満たしていると判定し(#32;YES)、警告メッセージAL「廃インクタンクを空にして下さい。」を液晶パネル71に表示させる(#33a)。一方、インク粘度検知部273が、インク粘度が104%であることを検知した場合(#31b)、エラー予測制御部257が、エラー予測テーブル256を参照し、現在のインク粘度がエラー予測テーブル256のエラー予測条件「インク粘度≧103%」を満たしていると判定し(#32;YES)、警告メッセージAL「インクを交換して下さい。」を液晶パネル71に表示させる(#33b)。なお、例えば、上記の例で、廃インクタンク収納量検知部271が廃インクタンクの収納量が70%であることを検知した場合には、エラー予測制御部257は、エラー予測テーブル256の参照の結果、現在の廃インクタンクの収納量がエラー予測テーブル256のエラー予測条件「廃インクタンク収納量≧90%」を満たしていないと判定し(#32;NO)、次回の状態情報の取得待ちとなる。
以上のように、本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態と同様のエラーの予測制御をインクジェット印刷装置に実装した場合であっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、発生が予測されるエラーとインクジェット印刷装置200の各部位の状態情報との関連づけは、上記の実施形態のものに限定されない。具体的には、インク漏れエラー発生時に、状態情報取得部252で前回廃インクタンクを空にした以降の累積プリント枚数を取得してエラー履歴作成部253がエラー履歴ファイル254に書き込むようにし、エラー予測テーブル更新部255が、例えばその累積プリント枚数が100,000枚(以下)のときに所定の回数以上インク漏れエラーが発生している場合には、「累積プリント枚数≧95,000枚」というエラー予測条件とインク漏れエラーとを関連づけてエラー予測テーブル256の更新を行うようにすることが考えられる。また、インク不吐出エラー発生時に、状態情報取得部252で前回ヘッドクリーニングを実施してからの経過日数を取得してエラー履歴作成部253がエラー履歴ファイル254に書き込むようにし、エラー予測テーブル更新部255が、例えば経過日数が30日(以下)のときに所定の回数以上インク不吐出エラーが発生している場合には、「経過日数≧25日」というエラー予測条件とインク不吐出エラーとを関連づけてエラー予測テーブル256の更新を行うようにすることが考えられる。さらに、エラー検知部251でインク詰まりエラーを検知するようにするとともに、インク詰まりエラー発生時に、状態情報取得部252でヘッドクリーニング頻度を取得してエラー履歴作成部253がエラー履歴ファイル254に書き込むようにし、エラー予測テーブル更新部255が、例えばヘッドクリーニング頻度が1か月に1回(以上)のときに所定の回数以上インク詰まりエラーが発生している場合には、「ヘッドクリーニング頻度≦1か月に1回」というエラー予測条件とインク詰まりエラーとを関連づけてエラー予測テーブル256の更新を行うようにし、エラー予測制御部257は、状態情報取得部252によって取得されたヘッドクリーニング頻度がこのエラー予測条件を満たす場合に、「ヘッドクリーニングを行ってください。また、ヘッドクリーニングの頻度を上げて下さい。」という警告メッセージALを表示させるようにすることが考えられる。
上記の各実施形態では、状態情報取得部102/252は、エラー発生時には予め定められた部位の状態のみを取得するようにしていたが、取得可能なすべての部位の状態情報を取得するようにしてもよい。この場合、エラー履歴情報ELとして、取得されたすべての部位の状態情報を対応づけておいてもよい。さらに、エラー発生時の状態情報だけでなく、エラー未発生の時点での状態情報も履歴として残しておくようにしてもよい。図14は、これらを第1の実施形態に対する変形例として実現する構成を表すブロック図である。
同図のエラー検知部101´は、検知されたエラー情報ERをエラー情報ファイル108に書き込む。図15はエラー情報ファイル108の構成と内容例を示したものであり、同図のように、エラー発生日時とエラー内容とが対応づけられている。
また、図14の状態情報取得部102´は、取得された状態情報STを状態情報ファイル109に書き込む。図16は、状態情報ファイル109の構成と内容例を示したものであり、同図のように、状態情報取得日時と、取得された各部位の状態情報とが対応づけられている。なお、図中では排版ボックス収納量とマスター残量のみを記載し、他の部位の状態情報の記載は省略している。
この変形例では、エラー予測テーブル更新部105´は、エラー情報ファイル108に格納されたエラー情報ERと状態情報ファイル109に格納された状態情報STとに基づいてエラー予測テーブル106の更新を行う。このとき、エラー情報ファイル108と状態情報ファイル109には、いずれも日時情報が含まれているので、この日時情報を用いてエラー内容と状態情報とを対応づけることができる。図15,16の例では、エラー情報ファイル108から2008年6月1日10時11分20秒に排版エラーが発生したこと、および、状態情報ファイル109からそのエラーの際の排版ボックス収納量等の状態情報を取得することができる。したがって、上記各実施形態と同様の方法でエラー予測テーブルの更新を行うことが可能である。
さらに、状態情報ファイル109は、上記各実施形態のエラー履歴ファイル104よりも多くの部位の状態情報を有しているので、より詳細なエラー予測を行うことが可能になる。
例えば、上記の各実施形態では、1つの部位の状態情報とエラー内容の関連性を判定していたが、すべての部位の状態情報を総合的に評価することによってエラー内容との関連性を判定することも可能である。具体的には、エラー内容毎、部位毎に予め定められた、状態情報に対する重みづけ係数を用いて、状態情報の重みづけ総和を算出し、その総和を用いてエラー予測条件を決定することが考えられる。なお、上記の各実施形態であっても、例えば、「排版ボックスの収納量≧90%かつ排版ローラーの摩耗量≧5%」というように複数の部位の状態情報を組み合わせたエラー予測条件を設定することは可能である。
また、状態情報ファイル109は、上記各実施形態のエラー履歴ファイル104には含まれていない、エラー未発生時の状態情報を有しているので、その観点からもより詳細なエラー予測を行うことが可能になる。
例えば、上記の各実施形態では、エラー発生時点のみの状態情報とエラー内容の関連性を判定していたが、エラー発生前からエラー発生に至るまでの状態情報の変化量や変化速度とエラー内容の関連性を判定するようにすることも可能である。さらに、この変化量や変化速度を用いて、エラー発生時の状態情報とエラー予測条件となる状態情報との間の差を表す余裕値を算出することも可能である。
上記各実施形態では、エラー予測条件の決定の際に、過去において同じ状態で同じエラーが何回発生したかを基準としていたが、回数を基準とするのではなく、過去において同じエラーが発生した際の状態情報の平均値や中央値等の統計値をエラー予測条件として用いてもよい。例えば、過去に発生した排版エラーの際の排版ボックスの収納量の平均値が85%であったとすれば、エラー予測テーブル106にはエラー予測条件として「排版ボックスの収納量≧85%」と設定する。
上記各実施形態では、エラーの内容毎に、そのエラーと関連する部位を予め固定的に定めていたが、エラー毎の関連する部位を定義ファイル等に設定するようにしてもよい。ここで、エラー予測テーブル106/256をこの定義ファイルとして用いることもできる。また、エラー履歴ファイル104/254、または、エラー情報ファイル108に格納されたエラー情報ERと、状態情報ファイル109に格納された状態情報STとを用いた機械学習や統計的解析処理により、エラーの内容と各部位の状態情報との因果関係自体も推測するようにしてもよい。具体的には、あるエラーと関連性の高い部位では、そのエラーが発生した時の状態情報の値のばらつきが小さくなると考えられるので、過去におけるエラー発生時の各部位の状態情報の分散または標準偏差を算出し、その値が小さい部位を、そのエラーと関連性の高い部位と推定するようにしてもよい。
上記各実施形態では、エラー予測制御部107/257は、予測されるエラーの発生を回避するための作業内容を表示させるようにしていたが、予測されるエラーの内容を表示させたり、さらにそのエラーと関連性の高い部位の状態を表示させたりしてもよいし、その印刷装置の動作を行わせないように制御を行うようにしてもよい。
この他、上記の各実施形態におけるシステム構成、処理フロー、モジュール構成、ファイルやテーブルの構造等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
例えば、エラー予測テーブル106/256には、エラー予測制御部107/257が制御を行うべき状態情報をエラー予測条件として設定するようにしていたが、エラーの発生が予測される状態情報をエラー予測条件として設定するようにし、エラー予測制御部107/257が、そのエラーの発生が予測される状態情報から所定の値を差し引いたものと現在の状態情報とを比較して、エラーの予測制御を行うかどうかを決定するようにしてもよい。
101,101´,251 エラー検知部
102,102´,252 状態情報取得部
103,253 エラー履歴作成部
104,254 エラー履歴ファイル
105,105´,255 エラー予測テーブル更新部
106,256 エラー予測テーブル
107,257 エラー予測制御部
102,102´,252 状態情報取得部
103,253 エラー履歴作成部
104,254 エラー履歴ファイル
105,105´,255 エラー予測テーブル更新部
106,256 エラー予測テーブル
107,257 エラー予測制御部
Claims (11)
- 原稿情報を出力媒体に印刷出力する印刷手段を備えた印刷装置であって、
所定の第1のタイミングで、前記印刷装置の各部位の状態を表す状態情報を繰り返し取得する状態情報取得手段と、
前記印刷装置内におけるエラーの発生を検知するエラー検知手段と、
前記エラー検知手段によって検知されたエラーの発生時における、前記状態情報取得手段によって取得された前記各部位のうちの少なくとも一部の部位の状態情報と、前記エラーの内容とを対応づけたエラー履歴情報を記憶するエラー履歴情報記憶手段と、
前記状態情報取得手段によって取得された前記各部位の状態情報が、前記エラー履歴情報から得られる、前記少なくとも一部の部位の、前記印刷装置内で過去に発生したエラーの再発生が予測される状態を表すエラー予測条件を満たす場合に、該再発生が予測されるエラーの発生を防止するための制御を行うエラー予測制御手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。 - 前記印刷装置内で過去に発生したエラーと該エラーについての前記エラー予測条件とが関連づけられて格納されたエラー予測テーブルと、
所定の第2のタイミングで、前記エラー履歴情報に基づいて前記エラー予測テーブルを更新するエラー予測テーブル更新手段とをさらに備え、
前記エラー予測制御手段は、前記状態情報取得手段によって取得された前記各部位の状態が、前記エラー予測テーブルに格納されたエラー予測条件を満たす場合に、該エラー予測条件と関連づけられたエラーの発生を防止するための制御を行うものであることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。 - 前記第2のタイミングが、前記エラー検知手段によって前記エラーの発生が検知された時であることを特徴とする請求項2記載の印刷装置。
- 前記第1のタイミングが、前記エラー検知手段が前記エラーの発生を検知した時を含むものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記エラー予測条件が、前記印刷装置内で過去に複数回発生した同一のエラーの前記エラー履歴情報から得られたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記エラー予測条件が、前記印刷装置内で同一のエラーが所定の回数以上発生した際の各回に共通する前記少なくとも一部の部位の状態に基づいて得られたものであることを特徴とする請求項5記載の印刷装置。
- 前記エラー予測条件が、前記再発生が予測されるエラーの過去の発生時における前記少なくとも一部の部位の状態よりも前の状態を表すものであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記エラー検知手段によって検知される前記エラーは、前記状態情報取得手段によって取得される前記各部位の状態から直接検知されないエラーであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記エラーの発生を防止するための制御が、前記エラーの発生が予測されることを警告するものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記エラーの発生を防止するための制御が、前記再発生が予測されるエラーを回避するために前記印刷装置で行うべき作業の内容を出力するものであることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の印刷装置。
- 前記エラーの発生を防止するための制御が、前記印刷手段の動作を行わせないようにする制御であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008214960A JP2010046973A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | エラー発生防止モードを有する印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008214960A JP2010046973A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | エラー発生防止モードを有する印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010046973A true JP2010046973A (ja) | 2010-03-04 |
Family
ID=42064475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008214960A Withdrawn JP2010046973A (ja) | 2008-08-25 | 2008-08-25 | エラー発生防止モードを有する印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010046973A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017103534A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | コニカミノルタ株式会社 | 画像処理装置、トラブル時の情報表示方法及び情報表示プログラム |
JP2017226170A (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | セイコーインスツル株式会社 | プリンタ装置、及び制御方法 |
-
2008
- 2008-08-25 JP JP2008214960A patent/JP2010046973A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017103534A (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | コニカミノルタ株式会社 | 画像処理装置、トラブル時の情報表示方法及び情報表示プログラム |
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