JP2010043959A - 電源保護装置、それを備えた冷凍空調装置、洗濯機及び電気掃除機、並びに、電源保護方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交流電源1は、整流部2に接続されており、その出力端には、平滑部3が、並列に接続されている。整流部2と平滑部3の間には、電流検出部11が設けられている。平滑部3の一方の端から、負荷13、電源検出部14の順で接続されている。制御部9は、コンデンサ3a又は3bのコンデンサ容量を推定するコンデンサ容量推定手段101を有する。
【選択図】図1
Description
従来、直流電圧の脈流を平滑する平滑コンデンサの劣化検出は、簡易な劣化検出回路を付加することで行われていた。例えば、脈流を含む直流電圧が印加された平滑コンデンサに接続された負荷の負荷電流と、平滑コンデンサの両端の直流電圧のリップル(MIN値及びMAX値)を検出し、平滑コンデンサの劣化を検出する回路等がある(例えば、特許文献1参照)。また、充電時間の上限値及び下限値を予め記憶しておき、実際に充電部の充電時間を測定し記憶値と比較することで、駆動電源の故障を検出する故障検出装置がある(例えば、特許文献2参照)。
また、電圧や電流の瞬時値を利用することが多いため、高精度な検出が要求される装置においては、その性能確保が困難であるという問題もあった。
そして、負荷変動や電源変動に対して、検出ばらつきの発生を抑制するのが難しいという問題もあった。
以下、本発明の実施の形態1に係る電源保護装置及び電源保護方法について図面を参照にしながら説明する。
図1は、実施の形態1に係る電源保護装置の構成図の一例である。交流電源1は、その交流電圧を全波整流する整流部2に接続されている。その整流部2は、整流ダイオード2a〜2dで構成されており、その出力端には、直列に接続された2つのコンデンサ3a及び3bで構成される平滑部3が、並列に接続されている。整流部2の一部を構成する整流ダイオード2cと2dの接続点と、コンデンサ3aと3bの接続点の間には、電流検出部11が設けられている。また、電圧検出部12は、電圧検出手段12a及び12bで構成されている。その電圧検出手段12aは、コンデンサ3aと3bの接続点に接続されており、電圧検出手段12bは、コンデンサ3aが接続されている直流母線41aに接続されている。平滑部3の一方の端から、負荷13、電流検出部14の順で接続され、電流検出部14から直流母線41bを介して平滑部3の他端に接続されている。また、交流電源1の両端から、並列にゼロクロス検出手段16が接続されており、そのゼロクロス検出手段16は、制御部9に接続されている。その他、電流検出部11及び14、並びに、電圧検出手段12a及び12bも、制御部9に接続されており、その制御部9は負荷13に接続されている。また、制御部9は、コンデンサ3a又は3bのコンデンサ容量を推定するコンデンサ容量推定手段101、その異常の有無を判定する異常判定手段102、そのコンデンサ容量の時間変化を予測するコンデンサ容量予測手段103、及び、その交換時期を予測するコンデンサ交換時期予測手段104を有する。これらの動作については、図2で示される異常判定の動作フローにおいて後述する。また、記憶部15は、データの送受信を行うため制御部9に接続されている。なお、記憶部15は、制御部9内に内蔵される場合もある。ここで、電流検出部11及び14は、電流検出素子及びその両端電圧出力をCPU等に取り込み電流換算できるようにするA/D変換器及び増幅器等で構成されている。また、電圧検出部12を構成する電圧検出手段12a及び12bは、直流母線41a及びコンデンサ3bの電圧をCPU等に取り込み電圧換算出来るようにする抵抗、コンデンサ等から形成される分圧回路、A/D変換器及び増幅器等で構成される。そして、記憶部15は、EEPROM等の記憶手段で構成される。
制御部9は、電流検出部14によって検出される負荷電流をモニタし、負荷13に定電流が流れるようにフィードバック制御を実施する。この際、制御部9は、電流検出部11によって検出される電流値、及び、電圧検出手段12a及び12bによって検出される電圧値に基づいて、コンデンサ3aまたは3bのコンデンサ容量を推定して、その結果に基づいて電源回路の保護を行う。このコンデンサ容量の推定に関しては後述する。
図3(a)は、交流電源1の電源電圧の波形図であり、図3(b)は、電流検出部11の検出電流Iaの波形図の一例であり、そして、図3(c)は、コンデンサ3a及び3bの推定コンデンサ容量C1及びC2の波形図の一例である。図3(a)で示されるような交流電源1による交流電圧が印加され、負荷13に対して定電流が印加されている状態に、図3(b)で示されるような検出電流Iaが検出される。ここで、区間1で観測される電流方向を正方向としている。
図4(a)は、図3(a)で示される交流電源1の電源電圧の区間1におけるコンデンサ3aへの充電経路を示した図であり、図4(b)は、その電源電圧の区間2におけるコンデンサ3bへの充電経路を示した図である。図4(a)において、交流電源1が正(図4(a)中では電流方向上向き)のとき、交流電源1、整流ダイオード2a、コンデンサ3a、電流検出部11、交流電源1の順で電流が流れ、区間1における電流経路51が形成される。また、図4(b)において、交流電源1が負(図4(b)中では電流方向下向き)のとき、交流電源1、電流検出部11、コンデンサ3b、整流ダイオード2b、交流電源1の順で電流が流れ、区間2における電流経路52が形成される。すなわち、区間1と2において、電流経路が異なるため、電流検出部11によって検出される検出電流Iaも異なる。従って、制御部9は、電流検出部11によって検出される検出電流Iaをモニタすることにより、各区間においての電流経路に含まれるコンデンサを特定することが可能となる。つまり、電流検出部11によって、図4(a)で示される経路における検出電流Iaが検出されれば、コンデンサ3aに電流が流れていると特定できる。また、電流検出部11によって、図4(b)で示される経路における検出電流Iaが検出されれば、コンデンサ3bに電流が流れていると特定できる。
このようにして、ステップS102において、コンデンサ容量を推定する対象となるコンデンサを特定することができる。
なお、上記のように、検出される検出電流Iaの方向又は極性によりコンデンサの特定を行うこともできるが、ゼロクロス検出手段16が交流電源1の電源電圧のゼロクロスを検出(電源電圧の立ち上がり又は立ち下がりを検出)することによって、コンデンサの特定を行っても良い。
また、制御部9が、コンデンサの特定を、上記のゼロクロス検出手段16によって検出される電源電圧のゼロクロスが検出されることによって実施するのではなく、電流検出部11によって検出される検出電流Iaによって実施するのであれば、ゼロクロス検出手段16は設けなくてもよいのは言うまでもない。
また、コンデンサの特定を、上記のような電流検出部11を用いて実施する方法と、ゼロクロス検出手段16を用いて実施する方法とを併用すると、ノイズに強いシステムを構築することが可能である。
なお、コンデンサ3a及び3bの両端電圧V1(t)及びV2(t)は、図1で示されるような構成によって検出されるものに限られるものではなく、他の構成によって検出されるものとしてもよい。
図6は、電流検出部11の検出電流Iaのサンプルホールド回路の一例を示した図である。図6で示されるサンプルホールド回路は、アナログスイッチ61とホールド用コンデンサ62により構成され、アナログスイッチ61がONにされて入力信号をホールド用コンデンサ62に充電した後、アナログスイッチ61がOFFにされて充電電圧が保持される。
図7は、電流検出部11の検出電流Iaの積算値(連続値及び離散値)の一例を示した図である。図7(a)に連続値の場合の例を、図7(b)に離散値の場合の例が示されている。図7(b)において、サンプリング周期をtc[s]としている。
図3(a)における区間1及び区間2について、制御部9は、上記の検出電流Iaの離散値にサンプリング周期tcが乗じられた値を積算することにより、各区間の電流波形で囲まれる面積を算出することにより各コンデンサに充電された電荷を求める。従って、検出電流Iaの離散値が用いられた場合でも、各コンデンサに充電された電荷量の算出が可能となる。
以上のように、交流電源1の電源電圧の半波区間において、ステップS102で特定されたコンデンサに充電される電荷を、電流検出部11によって検出される検出電流Iaの積分によって求めることにより、瞬時値を扱う方法に比べて外乱やノイズに強くなる。
なお、これらの式では上記の差分が判定に用いられているが、各コンデンサ容量C1及びC2と、製品出荷時又はユーザによる使用初期の各コンデンサ容量C1’及びC2’との比率等が判定に用いられるものとしてもよい。
以上のステップS101〜S106及びS111で構成される動作フローを、必要に応じて実施する。
また、制御部9が負荷13に対して定電流が流れるように制御することによって、外乱や負荷変動の影響が少なくなるので、電流検出部11や電圧検出部12による検出の精度が高くなり、さらにはコンデンサ容量の推定の精度も高まる。
また、任意の時間間隔に上記の動作フローが実施されることで、外部からの調査等によらずに、電源保護装置側で、コンデンサのコンデンサ容量の時間変化を予測し、コンデンサの寿命を予測することができ、その交換時期の予測をすることができる。
また、コンデンサ容量の推定は、実施の形態1に係る電源保護装置が組み込まれたシステムへの影響が最小となるような使用時間帯に実施されるようにすれば、ユーザ側にストレスをかけずにコンデンサの容量抜け検出が可能となる。
また、1つの電流検出部11によって、複数のコンデンサに流れる電流を検出して、そのコンデンサ容量の推定及びその異常判定が可能なので、コスト低減が図られる。
また、製品出荷時又は使用初期におけるコンデンサのコンデンサ容量を記憶部15に記憶させておくことにより、使用環境に左右されずに、信頼性高くコンデンサの経年劣化の異常判定が可能となる。
また、複数のコンデンサに対して、個別に容量抜けによる劣化が検出可能であり、その劣化したコンデンサのみ交換を行うことができるので、部品交換を最小限に抑制することができる。
そして、所定のコンデンサの雰囲気温度が高いシステム環境においては、そのシステム内に空冷ファン等が設けられている場合、容量抜けの顕著なコンデンサの周囲を冷却するように空冷ファン等の送風角度を調整することで、その寿命を延ばすことができる。
また、図2で示される動作フローにおいて、特定されたコンデンサに蓄えられる電荷を求めるステップS103と、そのコンデンサの両端電圧を検出するステップS111が同じタイミングで動作するものと記載しているが、これに限られるものではなく、ステップS103の実施後、ステップS111が実施されるものでもよく、あるいは、その逆の順序でもよい。
以下、本発明の実施の形態2に係る電源保護装置及び電源保護方法について図面を参照にしながら説明する。
図9は、実施の形態2に係る電源保護装置の構成図の一例である。図9で示される電源保護装置は、負荷13をインバータ24及びモータ31で置き換えたものである。インバータ装置111は、交流電源1から電源供給される実施の形態1に係る電源保護装置と、インバータ24によって構成されている。それ以外の回路構成は、実施の形態1における図1の回路構成と同様である。
インバータ24は、制御部9から出力される6つのPWM信号を受信し、そのPWM信号に基づいて、モータ31に対して駆動電流を出力し、それを受けたモータ31は回転を行う。図10で示されるインバータ24及びモータ31以外についての動作については、実施の形態1と同様である。
制御部9は、電流検出部14が検出したモータ31に流れる電流情報及び電圧検出手段12bが検出した直流母線41aの電圧情報に基づいて、インバータ24を介してモータ31の制御を行う。インバータ24は、制御部9からの指令によって、通電角を固定して励磁すれば、モータ31の特定相に定電流を印加することが可能である。はじめに電流検出について説明する。インバータ24のスイッチング素子22a〜22fは、上下アームについていずれか一方がONされるものであるので、スイッチング素子22a〜22fによるスイッチング状態は2×2×2=8通り存在する。ここでは、スイッチング素子22a〜22cを上アームと称し、スイッチング素子22d〜22fを下アームと称するものとし、モータ31の各相の上アームを基準としたスイッチング状態の表記として、各スイッチング素子のON状態を1、そして、そのOFF状態を0とし、各スイッチング状態の基本電圧ベクトルを次のように定義する。すなわち、(U相上アーム状態Up、V相上アーム状態Vp、W相上アーム状態Wp)=(0,0,1)の場合をV1、(0,1,0)の場合をV2、(0,1,1)の場合をV3、(1,0,0)の場合をV4、(1,0,1)の場合をV5、(1,1,0)の場合をV6と称することにする。また、ベクトル長を持たないゼロベクトルを次のように称する。(U相上アーム状態Up、V相上アーム状態Vp、W相上アーム状態Wp)=(0,0,0)の場合をV0、(1,1,1)の場合をV7と称する。ここで、V1〜V6の6モードの基本電圧ベクトルについては、モータ31の巻線に流れる電流は直流母線41b経路に挿入された電流検出部14により、直流母線電流Idcとして検出される。V0及びV7のゼロベクトルについては、電流検出部14による直流母線電流Idcの検出は不可である。
インバータ装置111は、交流電源1から交流電圧の供給を受け、モータ31を回転させる。圧縮要素124は、モータ31が回転することによって、冷媒の圧縮動作を実行し、冷媒を冷凍空調装置内で循環させる。
インバータ装置111が、モータ31を回転制御することによって、洗濯槽143及び攪拌翼144が回転し、洗濯動作が実施される。
ユーザが手元ハンドル156に設けられている電源スイッチをONすることによって、インバータ装置111に電源が供給され、そのインバータ装置111はモータ31を回転させる。その回転に伴う吸い込み力によって、吸い込み具154から塵埃が吸い込まれる。吸い込まれた塵埃は、延長管153及びホース152を経由して、電気掃除機本体151に到達し、その内部に設置されている集塵室155に収集される。
Claims (18)
- 交流電源を全波整流する整流部と、
コンデンサを有し、前記整流部によって整流された電圧を平滑する平滑部と、
前記平滑部に接続される負荷と、
前記平滑部に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記コンデンサの電圧を検出する電圧検出部と、
前記検出された電流及び電圧を入力する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電圧検出部で検出される電圧及び前記電流検出部で検出される電流に基づいて、前記コンデンサのコンデンサ容量を推定するコンデンサ容量推定手段を備える
ことを特徴とする電源保護装置。 - 前記制御部は、前記負荷に定電流が流れるように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の電源保護装置。 - 前記平滑部は、複数の前記コンデンサにより構成される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電源保護装置。 - 前記制御部は、前記電流検出部によって検出される電流の方向に基づいて、前記コンデンサ容量推定手段によるコンデンサ容量の推定対象となる前記コンデンサを特定する
ことを特徴とする請求項3記載の電源保護装置。 - 前記交流電源のゼロクロスを検出して電圧の極性を検出するゼロクロス検出手段を備え、
前記制御部は、前記電圧の極性に基づいて、前記コンデンサ容量推定手段によるコンデンサ容量の推定対象となる前記コンデンサを特定する
ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の電源保護装置。 - 前記コンデンサ容量推定手段は、前記電流検出部によって検出される電流の値を積分することによって前記コンデンサ容量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電源保護装置。 - 前記コンデンサの使用初期のコンデンサ容量を記憶する初期コンデンサ容量記憶手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の電源保護装置。 - 前記制御部は、前記推定されたコンデンサ容量と、前記記憶された使用初期のコンデンサ容量に基づいて、前記コンデンサが異常か否かを判定する異常判定手段を備える
ことを特徴とする請求項7記載の電源保護装置。 - 所定期間ごとに、前記推定されたコンデンサ容量及び製品出荷時からの経過時間を記憶するコンデンサ容量・経過時間記憶手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の電源保護装置。 - 前記制御部は、前記記憶されたコンデンサ容量及び経過時間に基づいて、前記コンデンサ容量の時間変化を予測するコンデンサ容量予測手段を備える
ことを特徴とする請求項9記載の電源保護装置。 - 前記制御部は、前記予測されたコンデンサ容量の時間変化に基づいて、前記コンデンサの交換時期を予測するコンデンサ交換時期予測手段を備える
ことを特徴とする請求項10記載の電源保護装置。 - 前記負荷として、モータと、前記モータを駆動するインバータを備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の電源保護装置。 - 請求項12記載の電源保護装置を搭載したことを特徴とする冷凍空調装置。
- 請求項12記載の電源保護装置を搭載したことを特徴とする洗濯機。
- 請求項12記載の電源保護装置を搭載したことを特徴とする電気掃除機。
- 交流電源を全波整流する工程と、
前記整流された電圧を平滑する工程と、
平滑部に流れる電流を検出する工程と、
前記平滑部を構成するコンデンサの電圧を検出する工程と、
前記検出された電圧及び前記検出された電流に基づいて、前記コンデンサのコンデンサ容量を推定する工程と、
を有する
ことを特徴とする電源保護方法。 - 前記検出された電流の方向に基づいて、前記平滑部を構成する複数の前記コンデンサのうち、前記コンデンサ容量を推定する対象となる前記コンデンサを特定する工程を有する
ことを特徴とする請求項16記載の電源保護方法。 - 前記交流電源のゼロクロスを検出して電圧の極性を検出する工程と、
前記検出された電圧の極性に基づいて、前記平滑部を構成する複数の前記コンデンサのうち、前記コンデンサ容量を推定する対象となる前記コンデンサを特定する工程と、
を有する
ことを特徴とする請求項16又は請求項17記載の電源保護方法。
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