JPH11215880A - 電気洗濯機 - Google Patents

電気洗濯機

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Publication number
JPH11215880A
JPH11215880A JP10009373A JP937398A JPH11215880A JP H11215880 A JPH11215880 A JP H11215880A JP 10009373 A JP10009373 A JP 10009373A JP 937398 A JP937398 A JP 937398A JP H11215880 A JPH11215880 A JP H11215880A
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JP
Japan
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output
voltage
voltage detection
power supply
circuit
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Pending
Application number
JP10009373A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Asada
和彦 麻田
Mitsusachi Kiuchi
光幸 木内
Takahiro Matsumoto
孝広 松本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電源の電圧が異常に高い場合にも、速や
かにこれを検知し、構成要素である整流平滑回路やイン
バータなどに過電圧あるいは過電流が発生することを防
ぎ、安全に処理できるようにする。 【解決手段】 交流電源11に接続した整流平滑回路1
2の出力にインバータ14を接続し、インバータ14の
出力に電動機7を接続する。整流平滑回路12の出力電
圧を電圧検知回路15により検知し、電圧検知回路15
の出力が所定値以上である場合に判定手段により異常判
定を行うよう構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家庭用などに使用
される電気洗濯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平5−137875号に示されてい
る従来の技術における電気洗濯機は、電流検出器によっ
て洗濯運転中の直流ブラシレスモータに流れる電流を検
出し、それが所定値よりも多い場合に、直流ブラシレス
モータへの印加電圧を下げ、直流ブラシレスモータおよ
び撹拌翼(アジテータ)の回転数を低下させ、直流ブラ
シレスモータへの通電時間を短くして回転角度を小さく
し、また撹拌翼が右回転から左回転するまでの間の直流
ブラシレスモータの停止時間を長くするなどすることに
より、水流を設定値よりも弱いものに変更し、直流ブラ
シレスモータでの消費電流値を小さくするものであっ
た。
【0003】また、洗濯時間を増加させ、洗濯の性能確
保を行うものであった。これによって、同時に他の電気
製品を使用しても家庭における電気容量がオーバーする
ことを防いでブレーカなどが遮断しないようにしてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
の電気洗濯機は、洗い運転中に負荷量の変動などが原因
で、直流ブラシレスモータに流れる電流が大となった場
合に、装置に過大な電流が流れることを防ぎ、また消費
電流値をオーバーさせないようにするものであるが、装
置に入力される交流電源の電圧が異常に高い場合、例え
ば100V用の電気洗濯機を誤って200Vの系統に接
続されたりする事態については、別段の保護動作が作用
するものではなく、例えば倍電圧回路に使用する電解コ
ンデンサの発熱や、トランジスタモジュールの過電圧も
しくは過電流による故障などが発生し、安全に対応がで
きないという第1の課題を有しているものであった。
【0005】また、トランジスタモジュールに電圧を供
給する倍電圧回路には、多くの場合に、通常脈動が小さ
いほぼ直流の電圧をトランジスタモジュールに供給する
ため、一般に電解コンデンサを用いた平滑回路が使用さ
れるが、電解コンデンサを使用する場合、経年変化によ
り、静電容量の減少や、損失角(tanδ)の増大が発
生するものであり、また場合によっては電解コンデンサ
内部の端子部分で接触不良を起こし、端子間がオープン
となることもあり、これらの条件で使用された場合に
も、従来の技術の構成では通常の洗濯動作を行おうとし
て、洗濯性能の低下につながると同時に、例えば電解コ
ンデンサなどの構成部品の発熱の増大などによる二次的
な故障を引き起こす可能性が高く、また、交流電源との
接続経路に接触不良などがある場合には、その接触不良
部分で発熱し過熱することもあり得るという第2の課題
を有していた。
【0006】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、交流電源の電圧が異常に高い場合にも、速やかにこ
れを検知し、構成要素である整流平滑回路やインバータ
などに過電圧あるいは過電流が発生することを防ぎ、安
全に処理できるようにすることを第1の目的としてい
る。
【0007】また、整流平滑回路の構成要素の経年変化
が大となったり、断線故障などが発生した場合にも、部
品の二次的な破壊を防ぎ、安全性を向上することを第2
の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1の目的
を達成するために、交流電源に接続した整流平滑回路の
出力にインバータを接続し、インバータの出力に電動機
を接続し、整流平滑回路の出力電圧を電圧検知回路によ
り検知し、電圧検知回路の出力が所定値以上である場合
に判定手段により異常判定を行うよう構成したものであ
る。
【0009】これにより、交流電源の電圧が異常に高い
場合、例えば100V用の電気洗濯機が誤って200V
の系統に接続された場合でも、速やかにこれを検知し、
構成要素である整流平滑回路やインバータなどに過電圧
あるいは過電流が発生することを防ぎ、安全に処理する
ことができる。
【0010】また、第2の目的を達成するために、交流
電源に接続した整流平滑回路の出力にインバータを接続
し、インバータの出力に電動機を接続し、整流平滑回路
の出力電圧を電圧検知回路により検知し、電圧検知回路
の出力が所定値以下である場合に判定手段により異常判
定を行うよう構成したものである。
【0011】これにより、整流平滑回路の構成要素の経
年変化が大となったり、断線故障などが発生した場合に
も、部品の二次的な破壊を防ぎ、安全性を向上すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、交流電源と、前記交流電源に接続した整流平滑回路
と、前記整流平滑回路の出力に接続したインバータと、
前記インバータの出力に接続した電動機と、前記整流平
滑回路の出力電圧を検知する電圧検知回路と、前記電圧
検知回路の出力が所定値以上である場合に異常判定を行
う判定手段とを備えたものであり、交流電源の電圧が異
常に高い場合、例えば100V用の電気洗濯機が誤って
200Vの系統に接続された場合でも、速やかにこれを
検知し、構成要素である整流平滑回路やインバータなど
に過電圧あるいは過電流が発生することを防ぎ、安全に
処理することができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、判定手段は、交流電源が接続され
た直後の電圧検知回路の出力が所定値以上である場合に
異常判定を行うようにしたものであり、交流電源の過大
条件に対して、速やかに対応することができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、交流電源と、前
記交流電源に接続した整流平滑回路と、前記整流平滑回
路の出力に接続したインバータと、前記インバータの出
力に接続した電動機と、前記整流平滑回路の出力電圧を
検知する電圧検知回路と、前記電圧検知回路の出力が所
定値以下である場合に異常判定を行う判定手段とを備え
たものであり、整流平滑回路の構成要素の経年変化が大
となったり、断線故障などが発生した場合にも、部品の
二次的な破壊を防ぐことができ、また、交流電源との接
続経路中で接触不良などがあっても対応可能とし、安全
性を向上することができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、上記請求項3に
記載の発明において、判定手段は、電動機の駆動前の交
流電源の零電圧近辺での電圧検知回路の出力が所定値以
下である場合に異常判定を行うようにしたものであり、
はやい時点で、精度よい異常判定を行うことができる。
【0016】請求項5に記載の発明は、上記請求項3に
記載の発明において、判定手段は、電動機の駆動中の交
流電源の零電圧近辺での電圧検知回路の出力が所定値以
下である場合に異常判定を行うようにしたものであり、
より精度の高い異常判定を行うことができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、交流電源と、前
記交流電源に接続した整流平滑回路と、前記整流平滑回
路の出力に接続したインバータと、前記インバータの出
力に接続した電動機と、前記整流平滑回路の出力電圧を
検知する電圧検知回路と、前記電動機の駆動前と駆動中
の前記電圧検知回路の出力を比較して異常判定を行う判
定手段とを備えたものであり、電圧検知回路の特性ばら
つきなどによる影響が小さく、精度の高い異常判定を行
うことができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、上記請求項6に
記載の発明において、判定手段は、電動機の駆動前の電
圧検知回路の出力と駆動中の電圧検知回路の出力の差が
所定値以上である場合に異常判定を行うようにしたもの
であり、比較的簡単な構成で、電圧検知回路の特性ばら
つきなどによる影響が小さく、精度の高い異常判定を行
うことができる。
【0019】請求項8に記載の発明は、上記請求項6に
記載の発明において、判定手段は、電動機の駆動前の電
圧検知回路の出力と駆動中の電圧検知回路の出力の比が
所定値以上である場合に異常判定を行うようにしたもの
であり、電圧検知回路の特性ばらつきなどによる影響が
小さく、精度の高い異常判定を行うことができる。
【0020】請求項9に記載の発明は、上記請求項6〜
8に記載の発明において、判定手段は、交流電源の零電
圧近辺で、電動機の駆動前および駆動中の電圧検知回路
の出力電圧を用いて異常判定を行うようにしたものであ
り、電圧検知回路の特性ばらつきなどによる影響が小さ
く、より精度の高い異常判定を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0022】(実施例1)図1に示すように、水受け槽
1は、内底部にパルセータ2を回転自在に設けた洗濯兼
脱水槽3を回転自在に設け、サスペンション4により洗
濯機本体5に吊り下げている。メカケース6は、水受け
槽1の底部に設け、パルセータ2および洗濯兼脱水槽3
に動力を伝達するもので、このメカケース6の下部に電
動機7を設けている。給水弁8は洗濯兼脱水槽3内に給
水するものであり、排水弁9は洗濯兼脱水槽3内の洗濯
水などを排水するものである。
【0023】メカケース6は、内部に遊星ギアを持ち、
パルセータ2を回転駆動する際には、太陽歯車を電動機
7の軸によって駆動し、遊星ギアの回転をパルセータ2
に伝達する構成により、1/6の減速を機構的に行い、
脱水時においてはメカケース6が機構的に短絡した状態
に切り替わる機構を有していることから、洗濯兼脱水槽
3が直接、すなわち機構的な減速なしに電動機7の出力
軸に接続される。
【0024】電動機7の制御装置10は、100V50
または60Hzの交流電源11に整流平滑回路12を接
続して形成した直流電源13と、整流平滑回路12の出
力に接続したインバータ14と、整流平滑回路12の出
力電圧を検知する電圧検知回路15と、電圧検知回路1
5の出力を入力する制御手段16とで構成している。
【0025】このように交流電源11を平滑して直流と
して使用することにより、日本国内のように、地域によ
って電源の周波数が異なるような場合にあっても、同一
の構成で両方の電源の周波数において、同等の性能が確
保できる電気洗濯機を構成することが可能となるという
サイクルフリーと言う効果も得ている。
【0026】図2は、電動機7の制御装置10の回路図
を示している。図2の構成は、例えば100V60Hz
の商用の交流電源11、その出力に接続され交流電源1
1を全波整流してほぼ脈動がない直流電圧に変換する整
流平滑回路12により、直流電源13を構成し、その出
力に3相6石のインバータ14を接続し、さらにその出
力には電機子巻線17、18、19および回転子20を
備えた3相の電動機7を設けており、またインバータ1
4には制御手段16を接続している。
【0027】整流平滑回路12は、ダイオード21、2
2、23、24の4個からなる整流ブリッジ25と、そ
の出力に接続したチョークコイル26および1000μ
Fの静電容量をもつ電解コンデンサを用いて構成した平
滑コンデンサ27によって構成している。
【0028】また、遮断制御可能なスイッチ28を整流
平滑回路12の入力端子に直列に接続しており、使用者
がボタンを押し込むことにより接点が閉じ、マイクロコ
ンピュータ29からの電気的信号により、内部に電磁力
が作用して押し込まれていたボタンが復帰し、接点が開
となるよう構成している。なお、ボタンが押し込まれて
いる状態において、使用者がボタンを押した場合には、
電磁力によらずとも、押し込まれていたボタンは復帰
し、接点も開とすることができるようになっている。
【0029】このため、通常の電源スイッチとして使用
できる上に、洗濯、脱水の動作が一通り終了した後、マ
イクロコンピュータ29からの電気信号により、接点が
開放され、装置には一切の電力消費が発生しない状態と
することができ、待機電力が完全に0となる構成となっ
ている。
【0030】インバータ14は、3相に対応した3個の
高電位側スイッチング素子30、31、32と3個の低
電位側スイッチング素子33、34、35を備え、制御
手段16は、高電位側スイッチング素子30、31、3
2のそれぞれの制御端子すなわちゲートとエミッタ端子
間に接続した高電位側駆動回路36、37、38と、低
電位側スイッチング素子33、34、35のそれぞれの
制御端子に接続した低電位側駆動回路39、40、41
を有している。
【0031】また、制御手段16は、回転子20の位置
を常にホールIC42、43、44によって構成した位
置検知手段45で検知することにより、回転子20に同
期して、高電位側駆動回路36、37、38と低電位側
駆動回路39、40、41を動作させ、計6個のスイッ
チング素子をオンオフすることにより、電機子巻線1
7、18、19に3相の交流を供給する駆動モードを有
している。
【0032】AND回路46、47、48は、CMOS
のロジックICで構成し、マイクロコンピュータ29に
接続されており、マイクロコンピュータ29には、位置
検知手段45からの信号が入力され、その組み合わせお
よび回転方向によって、出力を行うと同時にPWM信号
も出力する。
【0033】PWM信号は、15.5kHzでハイとロ
ーの論理を交互に出力すると共に、そのハイの期間の比
率を加減するものとなっており、これはマイクロコンピ
ュータ29の内部にハードウエアで構成された、発振回
路やカウンタやマグニチュードコンパレータ等の論理回
路により、CPUからの値に応じて、自動的にPWM信
号が出力される構成となっている。
【0034】PWM信号は、AND回路46、47、4
8に入力させて論理積が高電位側駆動回路36、37、
38に出力されるものとなっており、これによって駆動
モードにおいて、高電位側スイッチング素子30、3
1、32を所定の導通比でオンオフするものとなってい
て、等価的に直流電源13の出力電圧値を低減させた状
態と、ほぼ同様の運転ができるものとなっている。
【0035】制御手段16は、初期充電モードから駆動
モードへ移行する際に、高電位側スイッチング素子3
0、31、32と低電位側スイッチング素子33、3
4、35を、10ミリ秒間にわたり、一旦すべてオフさ
せる構成となっている。
【0036】インバータ14、高電位側駆動回路36、
37、38、低電位側駆動回路39、40、41は、本
実施例においては、トランスファーモールドパッケージ
(DIP)と呼ばれる1つの部品にまとめられたIPM
(インテグレーテッド・パワー・モジュール)を用いて
構成していて、これに放熱用のアルミ板で構成したヒー
トシンクをビス止めしている。
【0037】このIPMは、過電流保護機能を内蔵して
いるため、例えば洗濯物などが洗濯中にパルセータ2と
洗濯兼脱水槽3の間に挟まったりした場合などにも、過
電流を検知して速やかに停止することにより、各スイッ
チング素子の破壊や、電動機7の焼損などを防止するこ
とが簡単に実現しうるものである。
【0038】また、高電位側駆動回路36、37、38
については、ブートストラップと呼ばれる構成としてお
り、3相のそれぞれについて、低電位側スイッチング素
子がオン状態にある期間に、22μFの電解コンデンサ
を充電し、これをそれぞれの相の高電位側駆動回路の電
源として使用する構成をとっていることから、比較的簡
単な回路構成により、制御手段16を構成している。
【0039】ただし、特にこのような部品で構成するこ
とにこだわるものではなく、例えばIGBTが6個入っ
たパワーモジュールを使用してもよく、またディスクリ
ートのIGBT素子を6個用いて構成したものとしても
よく、またIGBT以外のパワーデバイス、例えばパワ
ーMOS形FET、NPN形のバイポーラ式トランジス
タなどを用いたものであってもよく、またブートストラ
ップを使用しないものであってもよい。
【0040】本実施例では、IGBTを内蔵したIPM
を用いていることから、いわゆるMOSゲートの駆動に
必要な電力が小となり、よってブートストラップコンデ
ンサの静電容量が小であっても、十分なスイッチング素
子駆動が可能となっている。
【0041】また、本実施例においては、マイクロコン
ピュータ29に、8ビット並列処理ができるものを使用
し、かつ内部のROM(リード・オンリー・メモリ)に
は、全自動の電気洗濯機として動作するのに必要な洗
濯、脱水等のシーケンスについても、すべてプログラム
されているもので構成している。
【0042】マイクロコンピュータ29には、交流電源
11の零電圧付近の位相でハイ信号を出力する零電圧検
知回路49が接続され、判定手段50としてマイクロコ
ンピュータ29が動作する際のタイミングを設定してい
る。
【0043】また、スタートスイッチ51は、押しボタ
ン式の一般的にタクトスイッチと称されるものを使用し
ており、マイクロコンピュータ29に接続され、使用者
が洗濯の動作を開始したい場合に、押すことにより装置
として反応し、給水から、洗濯、脱水、排水の動作が、
全自動で繰り返され、全自動洗濯機として動作する。
【0044】電圧検知回路15は、整流平滑回路12の
出力電圧、すなわち平滑コンデンサ27の電圧を入力
し、抵抗52、53によって1/50に分圧し、フィル
ム式のコンデンサ54により、ノイズの影響を取り除い
て出力する構成としている。
【0045】なお、本実施例においては、インバータ1
4、制御手段16、整流平滑回路12は、いずれもプリ
ント基板に組み上げられた後、電気洗濯機として使用さ
れる多湿の環境に対応できるよう、ポッティング樹脂で
防湿構成を有する構成としている。
【0046】電動機7は、図3に示すように構成してい
る。図3では、直径173mmの固定子55と直径10
8mmの回転子20によって構成されており、固定子5
5は0.5mmの厚さの珪素鋼板を20mmの厚さにま
で積層して構成した鉄心56の幅12mmのティース
(歯)部分に巻線57a〜57lを設けて構成してお
り、巻線57a〜57lは、各0.9ミリ径のエナメル
線を1本持ちで、135ターン巻いて構成しており、さ
らにホールIC42、43、44を設けている。
【0047】ホールIC42、43、44は、いずれも
対向する永久磁石の表面がS極である場合にはハイを出
力し、N極である場合にはローを出力するように構成し
ている。
【0048】回転子20は、磁路の一部であるバックヨ
ークとして動作する厚さ3.2mmの鉄板をプレスして
製造したカップ状の鉄心58と鉄心58の表面に接着し
たパラレル配向のフェライト磁石を使用した永久磁石5
9a〜59h、出力軸60を有している。
【0049】本実施例においては、永久磁石59a、5
9c、59e、59gについては、外側にN極がくるよ
うに着磁がなされており、永久磁石59b、59d、5
9f、59hについては、外側にS極がくるように着磁
がなされている。
【0050】なお、必要であれば、遠心力により永久磁
石59a〜59hが飛び散ることを防ぐために、例えば
熱収縮性のある樹脂チューブなどを回転子20に付加し
てもよく、また非磁性ステンレスの管を最外部に設け、
堅牢な構成を実現したものであってもよい。
【0051】また、本実施例においては、固定子55を
外側に、回転子20を内側に配したインナーロータ構成
としているが、特にこのような構成にこだわるものでは
なく、反対に回転子を固定子の外側に設けたアウターロ
ータ構成としてもよい。
【0052】また、本実施例においては、固定子55と
回転子20とのギャップは均一になるように、各永久磁
石の表面と裏面はは同心円筒の一部となる形状としてい
るが、これを磁極の端部でギャップが大となるように各
永久磁石の形状を変え、コギングを小とすると、運転中
の騒音が低減できるものとなり、電気洗濯機として例え
ば早朝や深夜などにも洗濯ができるという高品位なもの
が得られる。
【0053】図4は、巻線57a〜57lの結線を示し
たものであり、図4に示されるように、4つずつの巻線
を直列に接続することにより、電機子巻線17、18、
19を構成している。図4において、各巻線の黒丸印は
極性を示すものであり、各巻線の黒丸印がついている方
から電流を流した場合に、各ティースの内側(回転子
側)の面にN極が発生するように巻いている。
【0054】以上のようにして、本実施例の電動機7
は、8極12スロットの構成としているが、特にこの構
成に限定されるものではなく、他の極数・スロット数で
あってもよい。
【0055】図5は、電動機7の制御装置10で、駆動
モードにおいて、正の方向に力行運転を行う場合におけ
る、各部の電圧波形図を示している。
【0056】図5において、(a)〜(c)は、それぞ
れ、位置検知手段100を構成するホールIC42、4
3、44からの出力電圧波形を示したものである。な
お、本実施例では、ホールIC42、44については、
対向する永久磁石の表面がS極である場合にはハイを出
力し、N極である場合にはローを出力するように構成し
ている。また、ホールIC43については、対向する永
久磁石の表面がN極である場合にはハイを出力し、S極
である場合にはローを出力するように構成している。
(d)〜(i)は、マイクロコンピュータ29からの出
力電圧波形V1〜V6を示している。
【0057】なお、本実施例においては、ホールIC4
2、43、44を用いた位置検知手段45によって回転
子20に同期した制御をおこなっているが、特にホール
ICによって磁気的に位置検知を行うものに限定するも
のではなく、例えば各電機子巻線に発生する誘導起電力
を検出して、その出力にローパスフィルタを介して、そ
の出力の零点を検知することにより、ホールICを用い
た位置検知手段と同様の位置検知を行うものを使用して
もよい。
【0058】図3に見られるように、電気角で60度回
転するたびに、ホールIC42、43、44からの出力
論理の組み合わせは、1ビットずつ変化して、それがマ
イクロコンピュータ29へ入力されることにより、正の
方向に駆動するという情報がマイクロコンピュータ29
で処理された結果として、V1〜V6が出力されてい
る。
【0059】同時に、マイクロコンピュータ29から
は、PWM信号も出力されているため、AND回路4
6、47、48によって、ハイの期間に変調がかかった
信号が高電位側駆動回路36、37、38に出力される
ものとなっている点において、請求項6の実施例の構成
となっている。
【0060】なお、本実施例においては、マイクロコン
ピュータ29から出力されるPWM信号は、直流であ
り、その電圧値を加減するものとしているが、特に直流
に限定するものではなく、例えば導通比が正弦波状にな
るように、回転子の回転と同期して変化させるようにし
てもよく、その場合には、電動機7のトルクリプルが低
減され、騒音や振動が小さくすることができ、例えば電
気洗濯機に使用した場合にあっては、早朝や深夜など周
囲の騒音レベルが低い環境下でも使用することができ
る。
【0061】以上のように、本実施例においては等価的
に直流電源13の電圧値に、PWM信号のハイの期間の
比率を乗じた値が印加されたものとして電機子巻線1
7、18、19に3相の電流が供給され、よって、永久
磁石59a〜59hとの間のフレミングの左手の法則に
従った作用、反作用の力が発生し、これにより、回転子
20にトルクを発生され、回転の動力を機械的な負荷に
供給することができる。
【0062】なお、本実施例において、マイクロコンピ
ュータ29は、位置検知手段45からの信号が変化する
と同時に、V1〜V6を切り換えているという簡単な制
御方法により、ほぼ直流電動機に近い特性を実現してい
るものであるが、必要とあらば進角制御を行い、位置検
知手段45からの信号に対して所定の電気角に相当する
期間だけ進相となるようなタイミングで、V1〜V6を
出力するような構成としてもよい。
【0063】その場合には、進相する電気角により電動
機7の負荷角にほぼ等しい電気角の電圧波形の3相電圧
が各電機子巻線に供給されることから、永久磁石による
磁束と電機子電流との位相角がほぼ90度となり、電機
子電流が有効にトルクとなる。
【0064】これによれば、必要なトルクを得るために
流れる電機子電流が低減でき、各スイッチング素子の電
流定格を低減できるほか、電動機7の効率も向上するこ
とが可能となり、また電動機7内部の磁気回路に通る磁
束の値についても、抑えることができるので、小型、軽
量の設計も可能となる。
【0065】なお、本実施例においては、上述のブート
ストラップによる高電位側駆動回路39、40、41へ
の電源供給を行うことから、初期充電モードを駆動直前
に行い、3相それぞれに設けられた電解コンデンサを充
電する動作も行っており、さらに、その後10ミリ秒間
のオールオフ期間、すなわちまず6個のスイッチング素
子がすべてオフとなる「オールオフ」期間を設けた後に
駆動を行うものとしている。
【0066】すなわち、本実施例で使用しているIGB
Tに限らず、一般にスイッチング素子には、ゲート信号
(ベース信号)に対するスイッチング動作の遅れ時間が
存在し、しかも普通のバイポーラトランジスタやIGB
Tなどの場合には、オンからオフに移る時間が、オフか
らオンに移る時間に対して長くなるという特性を有して
いることから、上下に接続された2個のスイッチング素
子の内、例えば低電位側スイッチング素子にオフの信号
を出力し、同時に高電位側スイッチング素子にオンの信
号を出力した場合などには、一時的に両スイッチング素
子が共にオン状態となり、電源を短絡して大きな電流が
流れるという現象が発生し、ひどい場合には、スイッチ
ング素子を破壊させることもあるが、本実施例では、6
個のスイッチング素子に対して10ミリ秒間オフの信号
を与えていることから、このような短絡電流が流れるこ
とはなく、したがって信頼性の高い電動装置を実現する
ことができるものとなる。
【0067】また初期充電モードにおいては、低電位側
駆動回路39、40、41に対して、1ミリ秒間オン、
1ミリ秒間オフというパルスをマイクロコンピュータ2
9のソフトウエアによって作り出して出力している。
【0068】上記構成において動作を説明すると、洗濯
兼脱水槽3内に洗濯したい衣類等と洗剤を使用者が投入
した状態で起動すると、給水弁8が開放され、水道水が
洗濯兼脱水槽3に給水されて水位が上昇し、この状態で
洗濯兼脱水槽3の駆動が行われる。すると、衣類は洗濯
兼脱水槽3の内側に遠心力によって張り付いた状態とな
り、水受け槽1内の水は、トルネード(竜巻)状態とな
って、中心部の水位が低下し、同時に水受け槽1外側の
水位が上昇し、水受け槽1の上部から再び洗濯兼脱水槽
3内に落ちるという循環経路で、衣類と洗濯兼脱水槽3
周囲の穴を通過して流れる水流が発生するという現象が
起こる。
【0069】ここで、衣類を通過する洗浄液は、特に遠
心力により洗濯兼脱水槽3の外側に向いた力が強力に作
用することから、通過洗浄の効果が非常に大きく、また
その効果は洗濯兼脱水槽3の回転速度が大きいほど大と
なり、また洗濯兼脱水槽3周囲の穴の数(開口率)が大
きいとやはり大となる。この状態においては、規定の水
量に達する前であることから、洗剤量に比して水量が少
なく、濃い洗浄液が衣類を通過する状態が実現され、洗
剤の溶解が急速に進むと同時に、既に洗浄動作が開始さ
れ、良好な洗浄が可能となる。
【0070】ただし、このような洗いを行うと、洗剤に
よる泡が大量に発生することから、連続して長時間トル
ネード状態を継続しないように時間を制限し、間欠的に
行うものとし、その後にパルセータ2による洗いを追加
する。
【0071】洗いが終了すると、排水弁9が開かれ、汚
れた洗浄液が排水され、その後洗濯兼脱水槽3がメカケ
ース6を経て電動機7により駆動され、さらに洗浄液を
脱水する。その後、すすぎが行われるが、このときにも
上記の洗いの行程と同様の動作により、パルセータ2お
よび洗濯兼脱水槽3がメカケース6を経て電動機7によ
り回転駆動される。
【0072】本実施例においては、特に遊星ギアという
機械的な減速機構を有するメカケース6を使用し、パル
セータ2を回転させる場合には、電動機7の出力軸を1
/6に減速してパルセータ2を駆動する構成としている
ことから、パルセータ2により撹拌する際には、電動機
7から供給されるトルクの6倍ものトルクが水と衣類に
作用する。したがって、パルセータ2による洗浄が強力
に行われ、そのため例えば布量に対して水量が小という
ような低浴比の洗浄を行っても、衣類に大きなひねり力
が作用し、十分な洗浄性能が得られる。
【0073】また、本実施例では、電動機7をメカケー
ス6の下部に直接取り付ける構成をとっていることか
ら、例えばベルトを介して動力を伝達する構成のものに
比べるとベルトのスリップなどによる機械パワーの損失
がなく、またベルトに大きなテンション(張力)がかか
ることにより、例えばベルト切れなどの故障が発生する
こともなくすることができることから、信頼性の高い電
気洗濯機を実現することが可能となる。
【0074】ただし、必ずしもこのような構成とするこ
とが必要というものではなく、ベルトを介して動力の伝
達を行う構成としてもよく、また機構減速機能を有する
メカケース6についても必ず使用しなければならないと
いうものではなく、例えばパルセータ2を駆動する場合
も洗濯兼脱水槽3を駆動する場合にも、機構的な減速な
しに、直接電動機の出力軸から動力を伝える方法をとっ
てもよい。
【0075】最後の脱水の行程では、洗濯兼脱水槽3が
回転され、遠心脱水動作が行われる。以上のような動作
により、洗濯・脱水が行われる。
【0076】図6は、マイクロコンピュータ29のアル
ゴリズムについて、交流電源11が接続された直後から
のプログラムの動作を示すフローチャートにて示したも
のである。
【0077】交流電源11が接続された時点、すなわち
ステップ201でスタートし、その後、ステップ202
でイニシャライズが行われ、ここではメモリ内の定数の
初期化および出力ポートの状態の初期化を行う。その直
後に、ステップ203で第1の電圧検知を行う。ここで
は、整流平滑回路12の出力電圧を検知する電圧検知回
路15からの出力電圧をアナログ入力ポートADから読
み込んで、この値を変数Vとする。
【0078】ステップ204では、Vの値が所定値VS
1よりも大きい場合には、ステップ205へ進み異常判
定し、ステップ206で遮断制御可能なスイッチ28を
オフとするための信号をR端子より出力し、ステップ2
07で終了する。
【0079】図7は、接続される交流電源11の電圧
が、200V60Hzと、100V60Hzの2つの条
件での動作を示した波形図であり、(a)は交流電源1
1の電圧波形、(b)は電圧検知回路15の出力電圧信
号波形、(c)は判定手段50を構成しているマイクロ
コンピュータ29のR端子の電圧波形図を示しているも
のであり、いずれの波形図についても、破線は100V
の場合、実線は200Vの場合を示している。
【0080】交流電源11が仕様通りの100Vである
場合には、(b)に示しているように電圧検知回路15
の出力は、所定値VS1よりも大となることはなく、よ
ってR端子の論理はローとなったままの状態となり、遮
断制御可能なスイッチ28には接点を開とする信号は出
力されない。これに対し、交流電源11が200Vであ
る場合には、(b)に示しているように電圧検知回路1
5の出力は、所定値VS1よりも大となり、よってR端
子の論理はローからハイとなり、遮断制御可能なスイッ
チ28には接点を開とする信号が出力される。
【0081】したがって、交流電源11から整流平滑回
路12への給電が停止されることから、整流平滑回路1
2、インバータ14、電動機7などを構成する部品に高
電圧あるいは大電流が流れて焼損するということを防ぐ
ことができる。
【0082】つぎに、図6のステップ208で、第2の
電圧検知が行われ、再度電圧検知回路15の出力が読み
込まれる。本実施例においては、この動作を交流電源1
1の零電圧付近となる時点で行っており、ステップ20
9で結果得られた値Vが所定値VS2よりも小となる場
合にはステップ210へ進み、判定手段50を構成して
いるマイクロコンピュータ29により異常判定する。
【0083】この場合には、図6に明示されているよう
に、丸A印にジャンプする。そして、ステップ219で
警音を発するという異常報知を行い、その5秒後にステ
ップ220で遮断制御可能なスイッチオフに移り、ここ
でR端子にハイ出力を出力して、やはり給電を停止する
という動作をし、ステップ221で終了する。
【0084】図8は、この場合の条件、すなわち電動機
7を駆動していない状態における各部の波形を示したも
ので、(a)は交流電源11の出力電圧、(b)は電圧
検知回路15の出力電圧、(c)は零電圧検知回路49
からの出力信号Zを示している。
【0085】電動機7が駆動されていない条件において
は、消費電力は数ワットと小さいことから、正常な場合
には実線カーブで示しているように、整流平滑回路12
の出力電圧の波形は、1000μFの静電容量を有する
平滑コンデンサ27の働きにより、ほとんど脈動がない
ものとなり、よって(b)に見られるような、電圧検知
回路15から出力される電圧信号もリプル(脈動)分が
小さいものとなる。
【0086】これに対して、平滑コンデンサ27が経時
変化によって静電容量が低下している場合、あるいは内
部の接触不良などの要因により、電解コンデンサとして
の効果が不十分となっている場合などにおいては、破線
で示されているように、交流電源11からの充電が行わ
れない期間においての放電により、整流平滑回路12の
出力が次の充電がなされる期間までに低下する。
【0087】本実施例では、零電圧検知回路49からの
出力信号の論理がハイからローに立ち下がる瞬間で、マ
イクロコンピュータ29は、電圧検知回路15からの信
号を入力している。このため、交流電源11の零電圧の
点から、約200マイクロ秒遅れた位相での電圧がアナ
ログ入力ポートADから読み込まれる。図8(b)の実
線でに示すように、平滑コンデンサ27が正常な場合に
は、検知電圧VはVokとなり、破線で示すように、静
電容量の低下などが起こっている場合には、検知電圧V
はVngとなっている。
【0088】このように、実際に読み込まれる電圧は、
交流電源11の零電圧点よりもさらに若干整流平滑回路
12の平滑コンデンサ27の電圧が放電して低下した時
点での値が読み込まれることになるため、平滑コンデン
サ27が正常な場合と劣化などにより、電圧の低下分が
大きい場合との値の違いが大きく検知することができ、
よって精度の高い判定が可能となるという効果を得るこ
とができる。
【0089】本実施例では、Vok2>VS2>Vng
2とすることにより、図6のフローチャートでの電動機
7の駆動前の判定が行われる。
【0090】なお、本実施例においては、零電圧検知回
路49を設け、判定手段50は交流電源11の零電圧点
から約200マイクロ秒後の位相で、電圧検知回路15
からの信号出力を読み込んで判定を行っているが、零電
圧検知回路49を用いずに、例えば最低値を検知する回
路を設け、電圧検知回路15の出力の最低点での値をホ
ールドするようにしてもよく、その場合にはマイクロコ
ンピュータ29以外に、例えばダイオードとコンデンサ
などを用いたボトムホールド回路を設けたり、短時間毎
に電圧検知回路15からの電圧をデジタルに変換して読
み込み、最低電圧に書き換えていくという動作を繰り返
し、最低点での値をホールドし、また定期的に十分大き
な値に書き換えるなどしてボトムホールドをクリアする
方法をハードウエアで構成するか、マイクロコンピュー
タ29内で処理するという方法により実現することがで
き、そのような構成によっても、結果的には交流電源1
1の零電圧付近での電圧検知回路15の信号出力が保持
され、判定手段50に読み込むことができる。
【0091】平滑コンデンサ27が正常の場合は、図6
に示すように、電動機7の駆動前での異常判定は行われ
ず、ステップ211でキー入力が行われる。ここでは、
マイクロコンピュータ29に接続されたスタートスイッ
チ51が押されているかどうかの検知を行う。なお、本
実施例においては、マイクロコンピュータ29に接続さ
れ、使用者が操作するスイッチは、スタートスイッチ5
1のみとなっているが、他のスイッチが接続されている
場合には、必要に応じて、それらの操作にも応じてマイ
クロコンピュータ29を反応させるものとなる。
【0092】ステップ212でスタートキーの判定によ
り、使用者がスタートスイッチ51を押した場合に、ス
テップ213でモータオンとなるが、これは、図5に示
したような信号により、インバータ14が駆動され、電
動機7は回転の運転がなされ、電動機7からメカケース
6を経てパルセータ2が回転駆動され、洗濯動作が行わ
れる。
【0093】電動機7を駆動している状態において、図
6に示すように、ステップ214で第3の電圧検知が行
われ、電動機7の起動から約1.6秒経過した時点で、
かつ第2の電圧検知と同様に、零電圧検知回路49の出
力がハイからローに下がる瞬間において、電圧検知回路
15からの信号が読み込まれる。
【0094】図9は、電動機7を駆動中の状態における
各部波形を図8と同様に示したものであり、(b)のみ
が図8とは異なっている。この場合においては、整流平
滑回路12からインバータ14に電力が取り出されるた
め、交流電源11の谷間において、平滑コンデンサ27
からの放電電流が大きく、したがって、電圧検知回路1
5の出力は、図8(b)の場合に比して低くなる。
【0095】ここでも、Vok3>VS3>Vng3と
することにより、図6のフローチャートでの電動機7の
駆動中の判定が行われる。電動機7を駆動中に、ステッ
プ214での第3の電圧検知を行うことにより、平滑コ
ンデンサ27の静電容量の低下、損失角の増大などの影
響による検知電圧Vの差は、ステップ208での第2の
電圧検知よりも大きく発生するものとなり、より精度の
高い判定が可能となるという効果を得ることができる。
【0096】なお、ステップ214での第3の電圧検知
においても、本実施例では零電圧検知回路49からの出
力信号の立ち下がりタイミングで値を読み込み、精度の
高い検知が行えるものとしているが、ステップ208で
の第2の電圧検知でも述べたように、ボトムホールドな
どの方式によるものを用いてもよい。
【0097】ステップ215において、第3の電圧検知
によって、V<VS3となった場合には、ステップ21
6で異常判定がなされ、ステップ217のモータオフ
で、すべてのスイッチング素子をオフとした後、ステッ
プ208での第2の電圧検知の場合と同様に、ステップ
219で警音による異常報知が行われた後、ステップ2
20にて遮断制御可能なスイッチ38がオフされる。
【0098】また、正常である場合には、所定時間後
に、ステップ218でモータオフがなされ、次行程へ続
く。
【0099】図10は、ステップ208での第2の電圧
検知およびステップ214での第3の電圧検知におい
て、交流電源11からの入力パワーに対する電圧検知回
路15の出力電圧を示したものであり、実線aで示す平
滑コンデンサ27が正常な場合に比べ、破線bで示す静
電容量の低下が起こっている場合には、入力パワーに対
して、いずれも検知電圧値Vが低くなるという傾向があ
り、特に入力パワーが大きいほど、Vの差も大きくなる
という傾向があるものとなっている。
【0100】図11は、洗濯中に電動機7を左右交互に
順次回転方向を変えながら、駆動を繰り返すことによ
り、パルセータ2での撹拌を行っている状態において、
(a)に交流電源11からの入力パワー波形、(b)に
検知電圧Vを示したものである。左右の回転が繰り返し
て10分間行われることにより、パルセータ2と衣類と
の摩擦、あるいは衣類同士の摩擦が強力になされて、良
好な洗浄が可能となる。
【0101】本実施例においては、駆動時間2秒に対し
て、左右の回転方向の切り替え期間中には0.6秒の休
止期間を設けており、かつ起動時にはマイクロコンピュ
ータ29から出力されるPWM(パルス幅変調)の値を
所定値まで絞り、起動後に徐々に増加させていくソフト
スタート動作を行うことにより、電動機7から発生する
トルクを所定値以下に押さえ、メカケース6を構成する
太陽歯車や遊星歯車などへの機械的な負担が過大になら
ないようにするとともに、インバータ14の出力電流を
一定値以下に抑え、各スイッチング素子の発熱や破壊を
抑え、また整流平滑回路12の各構成要素への電気的な
負担についても過大とならないように制限するという作
用があり、これにより信頼性の高い装置を実現してい
る。
【0102】このようなソフトスタート動作を行ってい
ることから、図11(b)に見られるように、電動機7
の駆動中の入力パワーも変動し、第3の電圧検知を行う
タイミングである起動から1.6秒後には、ほぼ最大に
まで増大している。したがって、電動機7の駆動中の特
に入力パワーが大の状態で、第3の電圧検知を行うこと
ができ、電圧V3が読み込まれるものとなる。よって、
特に平滑コンデンサ27の劣化等の判定が精度良く行え
るものとなる。
【0103】本実施例では、マイクロコンピュータ29
のアナログ入力ポートADの1入力端子のみから電圧検
知回路15の信号を入力し、第1の電圧検知、第2の電
圧検知、第3の電圧検知のすべてを行っていることか
ら、非常にハードウエア的に簡単な構成となり、これに
より部品点数が少なく、信頼性の高い電気洗濯機を実現
することができる。
【0104】また、部品点数が少ないことに併せて、プ
リント基板に実装する際に、回路が占める面積も小とす
ることができることから、防湿のためのポッティング樹
脂の必要量も抑えることができ、低コストでの構成が可
能となっている。また、回路が小形・軽量とすることも
でき、デザイン的にも優れた電気洗濯機が実現できる。
【0105】また、本実施例では、第1の電圧検知は一
度だけ行っているが、交流電源11の接続直後に数回行
い、ノイズ等の防止を行った後に異常判定を行ってもよ
く、また、交流電源11の接続直後以外の期間に行って
もよい。
【0106】また、本実施例では、第2の電圧検知は、
スタートスイッチ51が押された直後に1回行い、また
第3の電圧検知についても、一回のみを行うように述べ
たが、特に回数が1回に限定されるものではなく、電動
機7の起動と停止が洗濯および脱水行程を含め、繰り返
して行われる場合、その都度駆動前と駆動中にそれぞれ
第2の電圧検知および第3の電圧検知を行うものとして
もよい。
【0107】したがって、例えば給水中や洗いの電動機
7を駆動中に、入力パワーが大となる条件に行うことも
可能であり、その場合には、上記の原理による平滑コン
デンサの良否の判定がより精度よく行われる。
【0108】また、本実施例では、第2の電圧検知およ
び第3の電圧検知については、予めマイクロコンピュー
タ29のROMに記憶している値である定数であるVS
2およびVS3を用いて比較し、その大小関係により異
常判定をしているが、これらVS2、VS3に関して
も、予め記憶しておく方法の代わりに、例えば第1の電
圧検知によって得られた電圧を基準とする方法や、別途
電圧検知ルーチンを設け、例えば交流電源11がピーク
となる位相付近で、一度電圧検知回路15からの出力を
読み込み、その値から一定値を引いてVS2やVS3を
設定する方法、もしくは交流電源11がピークとなる位
相付近で、一度電圧検知回路15からの出力を読み込
み、その値に例えば0.7などの一定値を乗じて引いて
VS2やVS3を設定する方法とし、その直後に交流電
源11の零電圧付近にて、再び電圧検知回路15の出力
をマイクロコンピュータ29に読み込む手順としてもよ
い。
【0109】その上で、第2の電圧検知を実施した場合
にも本願の請求項4の範囲となり、また第3の電圧検知
を実現したものは、本願の請求項5の範囲となる。それ
らの場合には、整流平滑回路12の出力電圧のリプル電
圧成分、もしくは電圧リプル率により異常判定が行われ
るものとなる。
【0110】なお、本実施例では、メカケース6の下部
に同軸で電動機7が接続されていることから、ベルトを
用いて動力を伝達する方式と比較して、プーリとベルト
のスリップによる機械パワーの損失がなく、また電動機
7の重量が、水受け槽1の中心に来ることから、水受け
槽1をサスペンション4で吊り下げる場合の重量バラン
スが良好となり、特別バランスを取るための手段も必要
ないという効果もあり、またボールベアリングなどの構
成要素についても、メカケース6内の軸受け機構により
共用することが可能となり、よって軽量に実現すること
ができるが、特にこのような電動機の構成に限定するも
のではなく、例えばベルトにより、動力をメカケースに
伝える構成を取るものや、メカケースを設けずに洗濯、
脱水いずれの場合にも、直接動力をパルセータあるいは
脱水槽に伝える構成のものであってもよい。
【0111】また本実施例では、回転子20に永久磁石
を持つ電動機7を使用し、これをインバータ14から駆
動する直流ブラシレスモータと呼ばれる方式としている
ことから、コンデンサランの誘導電動機を使用する場合
に比べて、起動トルクが大きくとることができ、パルセ
ータ2による強力な洗濯動作が可能となる他、約60k
gcmという高トルクが必要となる洗浄も実現すること
ができる。
【0112】しかしながら、電動機の原理的な種類に関
しても、このような直流ブラシレスモータであること
は、制限しているものではなく、例えば3相のインダク
ション(誘導)電動機や、リラクタンス電動機、ヒステ
リシス電動機などであってもよく、また特に3相である
ことにも限定されるものでなく、例えば単相の巻線をも
ったものであってもよく、要はインバータにより駆動さ
れるものであって、整流平滑回路を有するものであるな
らば、いかなる種類の電動機を設けていても、同等の効
果が得られるものとなる。
【0113】なお、本実施例においては、脱水の起動時
においては、特に洗濯兼脱水槽3に水を含んだ布が入っ
ていることから、慣性モーメントが約0.8kg平方メ
ートルという大きな値となっている。したがって、制御
手段16のマイクロコンピュータ29は、PWM信号の
ハイの期間の比率、すなわち高電位側スイッチング素子
30、31、32の導通比を徐々に増加させていくソフ
トスタートを脱水時にも行うものとしている。
【0114】これにより、各スイッチング素子への過電
流を防止し、また電動機7を構成する永久磁石の減磁を
防止しながら速度を上げるものとなっている。
【0115】この場合、負荷の慣性モーメント後は、衣
類の量や質などによって変化するので、必要とあらば、
電動機7の電機子巻線17、18、19の例えば1つの
電流を検知する、電流検知手段を設けたり、あるいは整
流平滑回路12からインバータ14に接続される線に例
えば電流検知用の抵抗設け、そのピーク電圧を検知すれ
ば、その値はほぼ電動機7のトルクと比例するものであ
ることを発明者らは確認している。
【0116】したがって、この電流値がほぼ一定となる
ように、PWM信号のデューティ値をフィードバック制
御するようにしてもよい。そのようなフィードバック制
御を行った場合には、入力パワーの上限も制限される効
果が発生し、よって整流平滑回路12の構成要素の例え
ばチョークコイル、平滑コンデンサ、整流ダイオードブ
リッジ回路などの電流定格、および放熱構成についても
削減できる方向となり、低コストの装置の実現が可能と
なり、また商用電源系統への負担も軽減できる。
【0117】なお、本実施例では交流電源11の零電圧
付近の位相で、電圧検知回路15からの出力を入力し、
第2の電圧検知および第3の電圧検知を行っていること
から、特に平滑コンデンサ27の劣化などが明確に検知
できるものとなっているが、その他の位相で値を読む場
合、例えば交流電源のピーク付近の位相で読み込んで
も、交流電源11との接続経路中に接触不良の部分があ
る場合などには、有効に異常判定が行えるものとなり、
請求項3においては、このような構成についても、その
請求の範囲となる。
【0118】また、インバータ14の各スイッチング素
子を、例えば位置検知手段45からの信号に従って、逆
トルクが発生するように働かせて、電磁的にブレーキを
かけることもできるが、この場合条件によっては、イン
バータ14からの回生電流が整流平滑回路12に逆流
し、例えば平滑コンデンサ27などに過電圧がかかるな
どの可能性もある。
【0119】このような現象に対しても、本実施例の回
路は、電圧検知回路15により過電圧が発生しているこ
とが検知でき、必要に応じて、例えばすべてのスイッチ
ング素子をオフとしたり、あるいは低電位側のスイッチ
ング素子をすべてオンとし、3相短絡による電磁制動を
かけることも可能な構成となる。
【0120】発明者らによる実験によれば、3個の低電
位側スイッチング素子をすべてオンとした場合にも、電
流と磁束の直交性は若干崩れるものの、毎分200回転
の条件において、約20kgのブレーキトルクが得られ
ることを確認している。
【0121】また、必要に応じて、上記回生電流を吸収
するため、例えば抵抗器と開閉器を直列接続したもの
を、整流平滑回路出力に接続し、制動時においては電圧
検知回路15の出力が所定値以下となるように適宜開閉
器を導通状態とする構成とすることも可能となる。
【0122】(実施例2)図2における判定手段50
は、交流電源11の零電圧近辺で、電動機7の駆動前の
電圧検知回路15の出力と駆動中の電圧検知回路15の
出力の差が所定値以上である場合に異常判定を行うよう
にしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0123】上記構成において図12を参照しながら動
作を説明する。図12において、交流電源11が接続さ
れ、ステップ230でスタートしてから、ステップ23
7の第2の電圧検知までは、上記実施例1と全く同様に
動作するものであるが、本実施例では、ステップ237
で第2の電圧検知の読み込んだ値をマイクロコンピュー
タ29は、ステップ240にて内部のメモリV2に電動
機7の駆動前の値として保存しておく。
【0124】ステップ241でのキー入力241と、ス
テップ242でのスタートキーの判定は、上記実施例1
と同等である。そして、上記実施例1と同様に、ステッ
プ243でモータオンの後、ステップ224で第3の電
圧検知を行い、ステップ245でモータオフの後、ステ
ップ246にてこの値をV3として保存する。
【0125】さらに、ステップ247で、V2−V3の
値を計算し、所定値VS4に対して、(V2−V3)>
VS4となる場合、すなわち駆動前と駆動中の検知電圧
の差が所定値よりも大きい場合には、ステップ248で
異常判定を行う。
【0126】したがって、本実施例では、電圧検知回路
15を構成する抵抗52、53などの定数ばらつきがあ
っても、駆動前と駆動中の2回の電圧検知回路15の出
力の差の値については、その影響がある程度キャンセル
され、また交流電源11の電圧条件のばらつきの影響も
ある程度はキャンセルされるので、これらの影響を少な
くして、比較的簡単な構成でありながら、精度よい判定
を行うことができる。
【0127】なお、本実施例では、ステップ237とス
テップ244で、交流電源11の零電圧付近で第2の電
圧検知と第3の電圧検知を行っているが、その他の位
相、例えば交流電源11のピーク付近で値を読み込んで
も、例えば交流電源11との接続経路中の接触不良など
は、検知して対応することができる。
【0128】(実施例3)図2における判定手段50
は、交流電源11の零電圧近辺で、電動機7の駆動前の
電圧検知回路15の出力と駆動中の電圧検知回路15の
出力の比が所定値以上である場合に異常判定を行うよう
にしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0129】上記構成において図13を参照しながら動
作を説明する。図13において、交流電源11が接続さ
れ、ステップ230でスタートしてから、ステップ24
6の第3の電圧検知の値をV3として保存するまでは上
記実施例2の動作と同じである。その後、ステップ26
0において、所定値Xに対して、V2/V3>Xとなる
場合、すなわち駆動前と駆動中の検知電圧の比が所定値
よりも大きい場合には、ステップ248で異常判定が行
われる。他の動作は上記実施例2と同じである。
【0130】したがって、本実施例では、電圧検知回路
15を構成する抵抗52、53などの定数ばらつきがあ
っても、駆動前と駆動中の2回の電圧検知回路15の出
力の比の値については、その影響がほとんどキャンセル
され、また、交流電源11の電圧条件のばらつきの影響
もほぼはキャンセルされるので、これらの影響を少なく
して、比較的簡単な構成でありながら、精度よい判定が
行われ、高精度で判定を行うことが可能となる。
【0131】ただし、ステップ232での第1の電圧検
知の精度を上げることが必要であるならば、その精度が
確保できるだけの抵抗52、53の精度を使用すること
が必要となる。
【0132】なお、本実施例でも、ステップ237とス
テップ244で、交流電源11の零電圧付近で第2の電
圧検知と第3の電圧検知を行っているが、その他の位
相、例えば交流電源11のピーク付近で値を読み込んで
も、例えば交流電源11との接続経路中の接触不良など
は、検知して対応することができる。
【0133】また、ステップ237とステップ244で
の第2の電圧検知と第3の電圧検知よって得られた2つ
の値について、単純な差でも比でもない数値を算出して
もよく、例えば各検知電圧をそれぞれの平方根をとった
上にその差を算出し、その値が所定値に対して大きい場
合に異常判定を行うことにより、特に交流電源11の電
圧が高めである場合の異常判定のしやすさを制限するよ
うな効果を持たせたものであったりしても、請求項6に
ついては、この範囲内となるものである。
【0134】(実施例4)図14は、交流電源11から
整流ブリッジ25までの回路図を示したものであり、こ
れ以外の部分については、上記実施例1と同じである。
【0135】整流ブリッジ31は、ダイオード21、2
2、23、24の4本によって構成している点について
は、上記実施例1と同様であり、本実施例では、第1の
電源スイッチ61と100Ωの抵抗値を持つ抵抗62の
直列回路を交流電源11と整流ブリッジ25の入力の一
端子間に接続し、さらに、この直列回路と並列に第2の
電源スイッチ63を接続しており、第1の電源スイッチ
61は使用者の操作によりオンオフされ、一方第2の電
源スイッチ63はリレー接点とし、マイクロコンピュー
タ29からの信号によってオンオフする構成としてい
る。
【0136】上記構成において動作を説明すると、まず
使用者が第1の電源スイッチ61をオンすると、交流電
源11が抵抗62を通じて整流ブリッジ25が接続さ
れ、図14には記載されていないが、平滑コンデンサ2
7が充電される。
【0137】ここで、第1の電源スイッチ61が投入さ
れる直前の平滑コンデンサ27の電荷が零の場合には、
抵抗62の抵抗値により、約1Aの電流に制限されて、
平滑コンデンサ27が充電され、平滑コンデンサ27の
静電容量が1000μFである場合、その時定数は10
0ミリ秒となる。
【0138】よって、第1の電源スイッチ61の投入か
ら0.5秒も経過すると、平滑コンデンサ27は、ほぼ
完全に交流電源11のピーク値と等しくなるので、その
時点でマイクロコンピュータ29からの信号によって、
第2の電源スイッチ63がオンされると、突入電流(イ
ンラッシュ電流)は、ほとんど流れずに平滑コンデンサ
27の充電がなされる。
【0139】電動機7を駆動する条件においては、第2
の電源スイッチ63がオンとなっている故に、抵抗62
での電力消費はないものとなる。
【0140】このような構成により、整流ブリッジ25
の構成要素およびチョークコイル26などの突入電流が
大幅に低減されるとともに、平滑コンデンサ27そのも
のの対インラッシュ電流耐量についても、問題が発生し
ないものとすることができる。また、第1の電源スイッ
チ61の電流定格についても、最大で実効値1Aの使用
条件となるので、小形、低価格のものでの構成が十分可
能とすることができる。
【0141】ここで、本実施例においても、上記実施例
1と同様に、第3の電圧検知が行われることから、万
一、第2の電源スイッチ63が接触不良となった場合に
おいても、電動機7を駆動した段階で、抵抗62での電
圧降下が大きくなるため、第3の電圧検知の結果で異常
判定がなされて、停止することから、抵抗62の焼損を
防ぐことも可能となる。
【0142】また、交流電源11を接続する際には、一
般に電源コードが使用されるが、その途中で断線しかけ
ているような場合には、抵抗が大となり電動機7を運転
することにより、発熱が大きくなるが、本実施例におい
ては、このような場合にあっても、異常判定がなされて
停止することから、危険を防ぐことも可能となるという
効果もある。
【0143】また、チョークコイル26に使用されてい
る銅線が、水分などにより錆びて銅線径が細くなってき
た場合、もしくは端子が接触不良となった場合などにお
いても、抵抗値の増大により、異常判定がなされ、安全
に停止することができる。
【0144】(実施例5)図15に示すように、整流平
滑回路64は、整流ブリッジ25、チョークコイル2
6、平滑コンデンサ65、66により構成している。整
流ブリッジ25とチョークコイル26は、上記実施例1
と同じものを使用し、平滑コンデンサ65、66は、5
60μFの電解コンデンサを使用している。他の構成は
上記実施例1と同じである。
【0145】このような構成により、平滑コンデンサ6
5と平滑コンデンサ66が、交流電源11の半サイクル
毎に、交互に充電がなされ、その結果、整流平滑回路6
4としての出力a−b間の電圧は、ほぼ実施例1の場合
に対して2倍とすることができる。したがって、本実施
例においては、電圧検知回路15の抵抗52の抵抗値を
約2倍とすることにより、分圧比を1/100としてい
る。
【0146】このような整流平滑方式は、一般に倍電圧
(倍圧)整流回路などと呼ばれるものであるが、整流平
滑回路を倍電圧方式とした場合には、各スイッチング素
子に流れる電流値が約1/2となることから、各スイッ
チング素子での電力損失を低減することが可能となる。
【0147】一方、倍電圧の整流平滑方式を取る場合、
電動機は、各電機子巻線の巻き数をほぼ2倍とする必要
があり、銅量をほぼ一定とした場合には、使用するエナ
メル線の断面積が50%程度となる径のものを使用する
ことになる。
【0148】また、本実施例においても、平滑コンデン
サ65、66それぞれに印加される電圧は、上記実施例
1の平滑コンデンサ27に印加される電圧とほぼ等しい
ことから、各平滑コンデンサに必要な耐電圧値は、上記
実施例1の場合と同じでよく、またトラッキングに対す
る特性についても実施例1の場合と同じ条件でよい。
【0149】このような回路構成で整流平滑回路64を
構成した場合にあっても、第2の電圧検知、第3の電圧
検知により、平滑コンデンサ65、66の劣化等による
静電容量の低下や、損失角の増大に対して、異常判定が
なされ、安全に停止することができる。
【0150】なお、本実施例の整流平滑回路64の構成
においては、必要とあらば、第2の電圧検知、第3の電
圧検知を交流電源11の極性が正負となる2回行えば、
平滑コンデンサ65、66の一方のみが劣化しているよ
うな場合についても、より確実な判定が行える。
【0151】また、チョークコイル26の劣化による抵
抗値上昇などに対しても、第3の電圧検知が有効に作用
して、安全に装置を停止させることについては、前記の
実施例と同様である。
【0152】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、交流電源と、前記交流電源に接続した整
流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力に接続したイン
バータと、前記インバータの出力に接続した電動機と、
前記整流平滑回路の出力電圧を検知する電圧検知回路
と、前記電圧検知回路の出力が所定値以上である場合に
異常判定を行う判定手段とを備えたから、交流電源の電
圧が異常に高い場合、例えば100V用の電気洗濯機が
誤って200Vの系統に接続された場合でも、速やかに
これを検知し、構成要素である整流平滑回路やインバー
タなどに過電圧あるいは過電流が発生することを防ぎ、
安全に処理することができる。
【0153】また、請求項2に記載の発明によれば、判
定手段は、交流電源が接続された直後の電圧検知回路の
出力が所定値以上である場合に異常判定を行うようにし
たから、交流電源の過大条件に対して、速やかに対応す
ることができる。
【0154】また、請求項3に記載の発明によれば、交
流電源と、前記交流電源に接続した整流平滑回路と、前
記整流平滑回路の出力に接続したインバータと、前記イ
ンバータの出力に接続した電動機と、前記整流平滑回路
の出力電圧を検知する電圧検知回路と、前記電圧検知回
路の出力が所定値以下である場合に異常判定を行う判定
手段とを備えたから、整流平滑回路の構成要素の経年変
化が大となったり、断線故障などが発生した場合にも、
部品の二次的な破壊を防ぐことができ、また、交流電源
との接続経路中で接触不良などがあっても対応可能と
し、安全性を向上することができる。
【0155】また、請求項4に記載の発明によれば、判
定手段は、電動機の駆動前の交流電源の零電圧近辺での
電圧検知回路の出力が所定値以下である場合に異常判定
を行うようにしたから、はやい時点で、精度よい異常判
定を行うことができる。
【0156】また、請求項5に記載の発明によれば、判
定手段は、電動機の駆動中の交流電源の零電圧近辺での
電圧検知回路の出力が所定値以下である場合に異常判定
を行うようにしたから、より精度の高い異常判定を行う
ことができる。
【0157】また、請求項6に記載の発明によれば、交
流電源と、前記交流電源に接続した整流平滑回路と、前
記整流平滑回路の出力に接続したインバータと、前記イ
ンバータの出力に接続した電動機と、前記整流平滑回路
の出力電圧を検知する電圧検知回路と、前記電動機の駆
動前と駆動中の前記電圧検知回路の出力を比較して異常
判定を行う判定手段とを備えたから、電圧検知回路の特
性ばらつきなどによる影響が小さく、精度の高い異常判
定を行うことができる。
【0158】また、請求項7に記載の発明によれば、判
定手段は、電動機の駆動前の電圧検知回路の出力と駆動
中の電圧検知回路の出力の差が所定値以上である場合に
異常判定を行うようにしたから、比較的簡単な構成で、
電圧検知回路の特性ばらつきなどによる影響が小さく、
精度の高い異常判定を行うことができる。
【0159】また、請求項8に記載の発明によれば、判
定手段は、電動機の駆動前の電圧検知回路の出力と駆動
中の電圧検知回路の出力の比が所定値以上である場合に
異常判定を行うようにしたから、電圧検知回路の特性ば
らつきなどによる影響が小さく、精度の高い異常判定を
行うことができる。
【0160】また、請求項9に記載の発明によれば、判
定手段は、交流電源の零電圧近辺で、電動機の駆動前お
よび駆動中の電圧検知回路の出力電圧を用いて異常判定
を行うようにしたから、電圧検知回路の特性ばらつきな
どによる影響が小さく、より精度の高い異常判定を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電気洗濯機のシステム
構成図
【図2】同電気洗濯機の回路図
【図3】同電気洗濯機の電動機の一部切欠した平面図
【図4】同電気洗濯機の電動機の電機子巻線の結線図
【図5】同電気洗濯機の要部動作波形図
【図6】同電気洗濯機の要部動作フローチャート
【図7】同電気洗濯機の交流電源接続直後の要部電圧波
形図
【図8】同電気洗濯機の電動機の駆動前の要部電圧波形
【図9】同電気洗濯機の電動機の駆動中の要部電圧波形
【図10】同電気洗濯機の入力パワーと電圧検知回路出
力の特性図
【図11】同電気洗濯機の洗濯動作時の入力パワーと電
圧検知回路の出力波形図
【図12】本発明の第2の実施例の電気洗濯機の要部動
作フローチャート
【図13】本発明の第3の実施例の電気洗濯機の要部動
作フローチャート
【図14】本発明の第4の実施例の電気洗濯機の整流平
滑回路の回路図
【図15】本発明の第5の実施例の電気洗濯機の整流平
滑回路の回路図
【符号の説明】 7 電動機 11 交流電源 12 整流平滑回路 14 インバータ 15 電圧検知回路 50 判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02P 7/63 302 H02P 7/63 302S

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源と、前記交流電源に接続した整
    流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力に接続したイン
    バータと、前記インバータの出力に接続した電動機と、
    前記整流平滑回路の出力電圧を検知する電圧検知回路
    と、前記電圧検知回路の出力が所定値以上である場合に
    異常判定を行う判定手段とを備えた電気洗濯機。
  2. 【請求項2】 判定手段は、交流電源が接続された直後
    の電圧検知回路の出力が所定値以上である場合に異常判
    定を行うようにした請求項1記載の電気洗濯機。
  3. 【請求項3】 交流電源と、前記交流電源に接続した整
    流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力に接続したイン
    バータと、前記インバータの出力に接続した電動機と、
    前記整流平滑回路の出力電圧を検知する電圧検知回路
    と、前記電圧検知回路の出力が所定値以下である場合に
    異常判定を行う判定手段とを備えた電気洗濯機。
  4. 【請求項4】 判定手段は、電動機の駆動前の交流電源
    の零電圧近辺での電圧検知回路の出力が所定値以下であ
    る場合に異常判定を行うようにした請求項3記載の電気
    洗濯機。
  5. 【請求項5】 判定手段は、電動機の駆動中の交流電源
    の零電圧近辺での電圧検知回路の出力が所定値以下であ
    る場合に異常判定を行うようにした請求項3記載の電気
    洗濯機。
  6. 【請求項6】 交流電源と、前記交流電源に接続した整
    流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力に接続したイン
    バータと、前記インバータの出力に接続した電動機と、
    前記整流平滑回路の出力電圧を検知する電圧検知回路
    と、前記電動機の駆動前と駆動中の前記電圧検知回路の
    出力を比較して異常判定を行う判定手段とを備えた電気
    洗濯機。
  7. 【請求項7】 判定手段は、電動機の駆動前の電圧検知
    回路の出力と駆動中の電圧検知回路の出力の差が所定値
    以上である場合に異常判定を行うようにした請求項6記
    載の電気洗濯機。
  8. 【請求項8】 判定手段は、電動機の駆動前の電圧検知
    回路の出力と駆動中の電圧検知回路の出力の比が所定値
    以上である場合に異常判定を行うようにした請求項6記
    載の電気洗濯機。
  9. 【請求項9】 判定手段は、交流電源の零電圧近辺で、
    電動機の駆動前および駆動中の電圧検知回路の出力電圧
    を用いて異常判定を行うようにした請求項6〜8のいず
    れか1項に記載の電気洗濯機。
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