以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る気液分離器20の構成を説明する。図1は気液分離器20の概略構成図であり、(a)は模式的縦断面図、(b)は図1(a)におけるB−B矢視図、(c)は図1(a)におけるC−C矢視図である。気液分離器20は、典型的には高温再生器32A(図2参照)に設けられる。
気液分離器20は、吸収冷凍機30(図3参照)の高温再生器32A(図2参照)で吸収液の希溶液が加熱されて発生した気体としての冷媒蒸気Vaと液体としての濃溶液Saとの混合流体Fmから冷媒蒸気Vaと濃溶液Saとを分離する機器である。吸収冷凍機30(図3参照)で使用される冷媒及び溶液(吸収液)は、典型的には、冷媒として水が、溶液として臭化リチウム(LiBr)が用いられる。濃溶液Saは、希溶液よりも冷媒の含有量が少ない溶液である。気液分離器20は、内部に邪魔板21及び仕切板22を有する本体20Bと、本体20B内の液位を検出する液位検出器26とを備えている。
本体20Bは、典型的には円筒状に形成されているが、軸直角方向断面が円形以外の楕円形や多角形であってもよい。本体20Bは、高温再生器32A(図2参照)に配設される際、円筒の軸が鉛直方向に向くように配設される。以下の説明において、気液分離器20の上下関係について述べるときは、高温再生器32A(図2参照)に配設された状態での関係をいうこととする。本体20Bの内部には、本体20Bの内部を入口室28と出口室29とに仕切る仕切板22が設けられている。仕切板22は、本体20の天板から鉛直下方に延びる板状の部材で形成されている。仕切板22は、円筒状の本体20Bの軸直角方向断面において円の直径を示す位置に配設されている。このように、仕切板22は、円筒状の本体20Bの軸直角方向断面における長さができるだけ長くなるような位置に配設されている。
入口室28側の本体20Bの上部側面には、混合流体Fmを導入する導入口としての混合流体導入口28dが形成されている。混合流体導入口28dが上部側面に形成されているのは、本体20Bに導入した混合流体Fmを邪魔板21に衝突させ、邪魔板21に衝突した混合流体Fmの邪魔板21の面に沿った下方に向かう流れをつくり出すためである。本実施の形態では、邪魔板21は仕切板22と一体に構成されている。すなわち、仕切板22の上部は邪魔板21としての機能を備えている。混合流体導入口28dには混合流体管19Aが接続されている。出口室29側の本体20Bの天板には、冷媒蒸気Vaを導出する気体導出口としての冷媒蒸気導出口29eが形成されている。冷媒蒸気導出口29eは、出口室29側の本体20Bの上部側面に形成されていてもよいが、冷媒蒸気Vaを円滑に導出する観点から本体20Bの天板に形成されていることが好ましい。冷媒蒸気導出口29eには冷媒蒸気管58が接続されている。
本体20Bの底板には、濃溶液導出口20nと戻り溶液導出口20rとが形成されている。濃溶液導出口20nは、混合流体Fmから分離された濃溶液Saを吸収冷凍機30(図3参照)の吸収器31に向けて導出する導出口である。戻り溶液導出口20rは、混合流体Fmから分離された濃溶液Saを戻り溶液Srとして高温再生器32A(図2参照)の下部管寄せ14に向けて導出する導出口である。なお、戻り溶液Srは、説明の便宜上用途(供給先)の違いによって名称を区別したものであり、実質は濃溶液Saと同じ溶液である。濃溶液導出口20nは出口室29側に形成されており、戻り溶液導出口20rは入口室28側に形成されている。濃溶液導出口20nには高温濃溶液管56Aが接続されている。戻り溶液導出口20rには戻り管19Bが接続されている。
本体20Bの下部には、入口室28と出口室29とを連通する連通口27が形成されている。本実施の形態では、本体20Bの天板から下方に向かって延びる仕切板22を本体20Bの底板に接触させずに、仕切板22の下端と本体20Bの底板との間に隙間を設けることにより連通口27を形成している。連通口27が形成されていることにより、濃溶液導出口20nと戻り溶液導出口20rとが形成される位置に自由度を持たせることができる。連通口27は、その開口面積が、濃溶液導出口20nの開口面積と戻り溶液導出口20rの開口面積とを合計した開口面積以上となるように形成されていると、本体20Bの底部に貯留した濃溶液Saの流れが連通口27によって阻害されることがなく、濃溶液導出口20n及び戻り溶液導出口20rからの濃溶液Sa(Sr)の導出を安定させることができて好適である。
仕切板22の下方の部分には、入口室28と出口室29とを連通する開口部23(図1(b)参照)が形成されている。開口部23は、入口室28に導入された混合流体Fmを出口室29に導く開口である。開口部23は、典型的には、鉛直方向及び水平方向に延びる辺を有する矩形(長方形又は正方形)に形成されている。開口部23は、その面積が大きいほど通過する混合流体Fmの流速を低くして気液分離効果を向上させることができる。このため、上述のように、仕切板22が円筒状の本体20Bの軸直角方向断面における長さができるだけ長くなるような位置に(開口部23の幅を大きくとれるような位置に)配設されている。開口部23は、できるだけ大きい方が好ましい反面、仕切板22の上方において邪魔板21としての機能を発揮させるために、開口部23の上端が混合流体導入口28dの下端よりも下位になるように、好ましくは開口部23の上端と混合流体導入口28dの下端との間に混合流体Fmの邪魔板21の面に沿った下方に向かう流れにより濃溶液Saが分離される距離が確保されるように形成されている。例えば、開口部23の上端が仕切板22の鉛直方向の長さの半分の位置よりも下位になるように開口部23が形成されていてもよい。また、開口部23の下端側は、仕切板22の下端まで延長して、開口部23と連通口27とがつながるようになっていてもよい。なお、本実施の形態では連通口27が仕切板22の下端と本体20Bの底板との間に隙間を設けることにより形成されることとしたので開口部23と連通口27とがつながってもその境界が分かるが、連通口27が仕切板22の中に形成されている場合(例えば連通口27が矩形に形成されている場合に、連通口27の上部及び両側面、又は四方が仕切板22になっている状態)は、開口部23と連通口27との境界が分かりにくくなる。この場合は、後述する板状部材の下端の位置までを開口部23とし、それ以下を連通口27と区別することとする。
仕切板22は、板状部材としての折り曲げ板24を含んで構成されている。折り曲げ板24は、開口部23の鉛直方向の長さよりも長い長辺を有する長方形の板が、短辺側から見た側面が「く」の字状になるように(長辺同士が近づくように)折り曲げられて形成されている。この折り曲げ板24は、1つの稜線(長方形の板を折り曲げることによって形成された山の頂上が連なる線)を有している。折り曲げ板24は、その複数が、稜線が鉛直になるように、また、一方の端部に位置する折り曲げ板24Aを除いた折り曲げ板24の山が隣の折り曲げ板24の谷に入るように並べられた状態で、仕切板22の出口室29側の開口部23に取り付けられている。折り曲げ板24がこのように配設されることにより、折り曲げ板24の間にクランク状の流路が形成されている。複数配列された折り曲げ板24のうち両端に位置する折り曲げ板24A、24Bは、開口部23にかからないように、開口部23の横の部分の仕切板22に取り付けられている。両端に位置する折り曲げ板24A、24Bに挟まれた複数の折り曲げ板24は、その上部が開口部23より上の部分の仕切板22に取り付けられており、開口部23より下の部分の仕切板22が存在する場合はそこに折り曲げ板24の下部が取り付けられている。このように折り曲げ板24が配設されることにより、開口部23は複数の折り曲げ板24全体に覆われ(入口室28側から出口室29側を見ると折り曲げ板24により出口室29内が見えない状態)、各折り曲げ板24の間に形成された複数のクランク状の流路により入口室28と出口室29とが連通するようになっている。つまり、入口室28から出口室29に流入する混合流体Fmのすべてが各折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路を通過するように構成されている。
配列された複数の折り曲げ板24の上部には、開口部23を通過した混合流体Fmが折り曲げ板24の間から鉛直方向に抜ける(折り曲げ板24間に形成されたクランク状の流路を通過しきらずにショートカットする)のを防ぐ閉塞板24cが取り付けられている。閉塞板24cは、長方形の板状部材であり、その長手方向の長さが、配設された複数の折り曲げ板24のうち両端に位置する折り曲げ板24A、24Bを覆うことができる長さに形成されている。閉塞板24cは、その面が仕切板22の面に直角になるように仕切板22に取り付けられている。このようにして、折り曲げ板24は仕切板22に包含されている。
液位検出器26は、典型的には、本体20Bとは別の容器である液面制御用容器25内に配設されている。液面制御用容器25は、典型的には円筒状に形成されているが、軸直角方向断面が円形以外の楕円形や多角形であってもよい。液面制御用容器25は、本体20Bに隣接して配設されている。液面制御用容器25と出口室29側の本体20Bとは、開口部23の上端よりも上位で上連通管25uにより接続されており、開口部23の下端よりも下位(あるいは連通口27が形成されている高さ)で下連通管25wにより接続されている。このように構成されていることにより、本体20B内の濃溶液Saの液位が液面制御用容器25内にも現れる。
液位検出器26は、電極棒式の液面スイッチであり、高液位を検出する高液位検出棒26Hと、低液位を検出する低液位検出棒26Lと、コモン電極棒(不図示)とを含んで構成されている。高液位検出棒26H及び低液位検出棒26Lは、液面制御用容器25の天板から鉛直下方に向かって延びている。そして、高液位検出棒26Hの下端が低液位検出棒26Lの下端より上方に位置している。高液位検出棒26Hの下端と低液位検出棒26Lの下端との高さ方向の間隔は、高温再生器32A(図2参照)の特性を勘案して設定するのがよい。また、高液位検出棒26Hと低液位検出棒26Lの各下端は、開口部23の上端から開口部23の高さ方向の約1/2以上の下方、連通口27の上端から所定の高さを加えた位置よりも上方に位置するように構成されるのが好適である。ここで、所定の高さは、常用運転時に低液位検出棒26Lの下端よりも低下する液面変動幅に一定の幅を勘案して加えた高さである。このように構成されていると、混合流体Fmが開口部23を通過できる面積を充分に確保して、本体20Bに貯留される濃溶液Saの最高液位が設定されることとなる。また、本体20Bに貯留される濃溶液Saに連通口27(仕切板22の下部)が没入している状態が維持されることとなって、出口室29側の下部に貯留される濃溶液Saの波立ちを抑制することができ、液面(液位)の検出を安定させることができる。本実施の形態では、高液位検出棒26Hの長さは、その下端が、開口部23の上端から、開口部23の高さ方向の長さの5/10以上、7/10以下の下方(例えば6/10程度下方)に位置するような長さに構成されている。他方、低液位検出棒26Lの長さは、その下端が、開口部23の下端よりも上位に位置し、かつ、開口部23の上端から開口部23の高さ方向の長さの8/10以上の下方(例えば9/10程度下方)に位置するような長さに構成されている。コモン電極棒(不図示)の下端は、低液位検出棒26Lの下端より下方に位置するように構成されている。あるいは、液面制御用容器25と電気的導通のある部材をコモン電極棒として採用してもよい。
液位検出器26は、信号ケーブルを介して吸収冷凍機30(図3参照)の制御装置65(図3参照)に接続される。制御装置65(図3参照)に接続された液位検出器26は、濃溶液Saの液位が上昇して濃溶液Saが高液位検出棒26Hに接すると、高液位検出棒26Hとコモン電極棒(不図示)との間に電流が流れることにより高液位を検出して制御装置65(図3参照)に高液位信号を送信するように構成されている。他方、濃溶液Saの液位が下降して濃溶液Saが低液位検出棒26Lから離れると、低液位検出棒26Lとコモン電極棒(不図示)との間に電流が流れなくなることにより低液位を検出して制御装置65(図3参照)に低液位信号を送信するように構成されている。
次に図2を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る高温再生器32Aの構成を説明する。図2は高温再生器32Aの縦断面図である。本実施の形態の高温再生器32Aは貫流式再生器であり、これまでで説明した気液分離器20と、希溶液Swを導入する液室としての下部管寄せ14と、希溶液Swを上方に向けて流す複数の液管10と、液管10内で発生した濃溶液Saと冷媒蒸気Vaとの混合流体Fmを収集する上部環状部材としての上部管寄せ15と、液管10内の希溶液Swを加熱する燃焼ガスを生成する燃焼装置としてのバーナー16と、これらの部材を収容する外容器13とを備えている。なお、液管10内で加熱濃縮される希溶液Swは、厳密には戻り溶液Sr(濃溶液Sa)が混合している場合があるが、再生(濃縮)が必要な溶液という意味において希溶液Swと表現することとする。
下部管寄せ14は、希溶液Swを複数の液管10に分配する部材である。下部管寄せ14は、典型的には、水平断面が円環状に、鉛直断面が矩形状に形成されている。なお、水平断面は円形以外の多角形状(三角形及び矩形を含む)にひとまわりしているものであってもよく、環状につながれずにC字状に形成されていてもよい。鉛直断面は矩形以外の円形あるいは楕円形であってもよい。また、下部管寄せ14の中心部に形成された空洞部分には、耐火材17が充填されている。下部管寄せ14には、希溶液Swを導入する希溶液管55Aと、気液分離器20から導出された戻り溶液Srを導入する戻り管19Bとが接続されている。
下部管寄せ14には、複数の液管10がほぼ鉛直に配設されている。液管10がほぼ鉛直とは、液管10の軸がほぼ鉛直の状態である。ほぼ鉛直は、液管10内で加熱されて希溶液Swから蒸発して生じた冷媒蒸気Vaが濃溶液Saと共に円滑に排出される程度であればよい。液管10の長さは、高温再生器32Aの高さに制限があるときは、その高さに納まるように決定されると共に、内部を流れる希溶液Swに与える熱量によって希溶液Sw中から冷媒蒸気Vaを発生させて濃溶液Saを生成することができるように、高温再生器32Aに供給される希溶液Swの流量、液管10の本数及び径との関係を総合的に勘案して決定される。また、複数の液管10は、下部管寄せ14と略同心円上にほぼ等間隔に配設されている。下部管寄せ14と同心円上にほぼ等間隔に配設された複数の液管10の内側には、燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼室18が形成されている。
複数の液管10の頂部には、上部管寄せ15が接続されている。上部管寄せ15は、下部管寄せ14と同様に、典型的には、水平断面が円環状に、鉛直断面が矩形状に形成されている。上部管寄せ15には、濃溶液Saと冷媒蒸気Vaとの混合流体Fmを気液分離器20に導く混合流体管19Aが上面に接続されている。混合流体管19Aは、上部管寄せ15の側面に接続されていてもよい。上部管寄せ15の中心部に形成された空洞部分には、バーナー16が配設されている。また、上部管寄せ15と下部管寄せ14とは連通管11で接続され、連通管11には液面センサー(不図示)を有する液位検出部12が配設されており、液管10の液位を制御することができるように構成されている。
外容器13は、燃焼室18で生成された燃焼ガスを外部に漏らさないガスシール構造となっており、典型的には、円筒形状を有している。外容器13は、下部管寄せ14及び上部管寄せ15と略同心円となっており、下部管寄せ14及び上部管寄せ15を嵌め込むことができるような内径を有している。外容器13には、燃焼ガスGbを排出する煙道13eが設けられている。
次に図3を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る吸収冷凍機30の構成を説明する。図3は吸収冷凍機30の系統図である。吸収冷凍機30は、二重効用吸収冷凍機であり、被冷却媒体としての冷水pの熱で冷媒液Vfを蒸発させて冷媒蒸気Veを発生させることにより冷水pを冷却する蒸発器34と、蒸発器34で発生した冷媒蒸気Veを混合濃溶液Scで吸収する吸収器31と、吸収器31で冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swを導入し、希溶液Swを加熱し冷媒を蒸発させて濃度が上昇した濃溶液である高温濃溶液Sa(低温再生器32Bで生成される低温濃溶液Sbと区別するために、高温再生器32Aで生成される濃溶液Saを「高温濃溶液Sa」と呼ぶ場合もある)を生成する高温再生器32Aと、同様に吸収器31で冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swを導入し、希溶液Swを加熱し冷媒を蒸発させて濃度が上昇した低温濃溶液Sbを生成する低温再生器32Bと、低温再生器32Bで希溶液Swから蒸発した低温冷媒蒸気Vbを冷却して凝縮させ、蒸発器34に送る冷媒液Vfを生成する凝縮器33と、吸収冷凍機30の運転を制御する制御装置65とを備えている。吸収冷凍機30で使用される冷媒及び溶液は、典型的には、上述のように冷媒として水が、溶液として臭化リチウム(LiBr)が用いられるが、これに限らず他の冷媒、溶液(吸収剤)の組み合わせで使用してもよい。
蒸発器34には、冷却する対象である冷水pを流す冷水管34aが配設されている。冷水管34aは、エアハンドリングユニット等の冷水利用機器(不図示)と配管52を介して接続されている。また、蒸発器34には、冷媒液Vfを冷水管34aに向けて散布するための冷媒液散布ノズル34bが冷水管34aの上方に配設されている。蒸発器34の下部には、導入した冷媒液Vfを貯留する貯留部34cが形成されている。
吸収器31には、高温濃溶液Saと低温濃溶液Sbとが混合した混合濃溶液Scで冷媒蒸気Veを吸収した際に発生する吸収熱を奪う冷却水qを流す冷却水管31aが内部に配設されている。冷却水管31aは、凝縮器33内の冷却水管33aと配管53を介して、及び冷却塔(不図示)と配管54を介して、それぞれ接続されている。また、吸収器31には、混合濃溶液Scを冷却水管31aに向けて散布する濃溶液散布ノズル31bが冷却水管31aの上方に配設されている。吸収器31は、冷却水管31aの下方に、冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swを貯留する貯留部31cが形成されている。
吸収器31と蒸発器34とは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁31dが設けられている。吸収器31と蒸発器34とは仕切壁31dの上部で連通しており、蒸発器34で発生した冷媒蒸気Veを吸収器31に移動させることができるように構成されている。缶胴外側の蒸発器34側には、貯留部34cに貯留されている冷媒液Vfを上部の冷媒液散布ノズル34bに導く循環冷媒管51が配設されている。循環冷媒管51には、貯留部34cに貯留している冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル34bに圧送する冷媒ポンプ39が配設されている。
吸収器31の底部には、貯留部31cの希溶液Swを高温再生器32A及び低温再生器32Bに導く希溶液管55が接続されている。希溶液管55には、希溶液Swを両再生器32A、32Bに圧送する溶液ポンプ38が配設されている。溶液ポンプ38は、典型的には、インバータ(不図示)により回転速度を調節することが可能なように構成されており、冷凍負荷に応じた流量の希溶液Swを圧送することができるように構成されている。溶液ポンプ38の下流側の希溶液管55には、希溶液Swと混合濃溶液Scとの間で熱交換を行わせる低温溶液熱交換器36が配設されている。低温溶液熱交換器36には、また、混合濃溶液Scを流す濃溶液管56が接続されている。低温溶液熱交換器36は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器であってもよい。
希溶液管55は、低温溶液熱交換器36の下流側で、高温再生器32Aに接続される希溶液管55Aと、低温再生器32Bに接続される希溶液管55Bとに分岐している。希溶液管55Aには、希溶液Swと高温濃溶液Saとの間で熱交換を行わせる高温溶液熱交換器35が配設されている。高温溶液熱交換器35には、また、高温濃溶液Saを流す高温濃溶液管56Aが接続されている。高温溶液熱交換器35は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器であってもよい。
希溶液管55Aは、高温再生器32Aに接続されている。高温再生器32Aには、高温濃溶液管56Aが接続されている。また、高温再生器32Aには、発生した冷媒蒸気である高温冷媒蒸気Va(低温再生器32Bで生成される低温冷媒蒸気Vbと区別するために、高温再生器32Aで生成される冷媒蒸気Vaを「高温冷媒蒸気Va」と呼ぶ場合もある)を流す冷媒蒸気管58が接続されている。
低温再生器32Bには、希溶液Swを加熱するための加熱源となる高温冷媒蒸気Vaを流す加熱蒸気管32Baが配設されている。加熱蒸気管32Baは、一端が冷媒蒸気管58に接続されている。他端は、凝縮冷媒管59に接続されている。凝縮冷媒管59は、加熱蒸気管32Ba内で高温冷媒蒸気Vaが凝縮した冷媒液Vdを凝縮器33へと導く配管である。低温再生器32Bには、導入した希溶液Swを加熱蒸気管32Baに向けて散布する希溶液散布ノズル32Bbが配設されている。希溶液散布ノズル32Bbは、希溶液管55Bに接続されている。
凝縮器33には、低温再生器32Bで発生した低温冷媒蒸気Vbを冷却するための冷却水qを流す冷却水管33aが配設されている。冷却水管33aは、一端が吸収器31内の冷却水管31aと配管53を介して、他端が冷却塔(不図示)と配管54を介して、それぞれ接続されている。
凝縮器33と低温再生器32Bとは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁33dが設けられている。凝縮器33と低温再生器32Bとは仕切壁33dの上部で連通しており、低温再生器32Bで発生した低温冷媒蒸気Vbを凝縮器33に移動させることができるように構成されている。凝縮器33と低温再生器32Bとが形成された缶胴は、吸収器31と蒸発器34とが形成された缶胴よりも上方に配設されており、低温再生器32B内の低温濃溶液Sbを吸収器31に、凝縮器33内の冷媒液Vfを蒸発器34に、それぞれ重力によって送液することができるように構成されている。
低温再生器32Bの底部には、濃度が上昇した低温濃溶液Sbを通す低温濃溶液管56Bが接続されている。低温濃溶液管56Bには高温濃溶液管56Aが接続されて濃溶液管56となっている。濃溶液管56は、低温溶液熱交換器36を経由して濃溶液散布ノズル31bに接続されている。凝縮器33の底部には、冷媒液Vfを蒸発器34に向けて導出する冷媒液管60が接続されている。冷媒液Vfは、低温冷媒蒸気Vbが凝縮した冷媒液Vcと、加熱蒸気管32Ba内で高温冷媒蒸気Vaが凝縮し、凝縮器33で冷却された冷媒液Vdとが混合した冷媒液である。
制御装置65は、蒸発器34で冷却される冷水pが所望の温度となるように、吸収液及び冷媒液の循環流量や冷却水qの温度及び流量を制御するように構成されている。また、制御装置65は、液位検出器26(図1(a)参照)から液位信号を受信して溶液ポンプ38の吐出流量を調節するように構成されている。本実施の形態では、制御装置65は、液位検出器26(図1(a)参照)から高液位信号を受信したときに溶液ポンプ38の回転速度(rpm)を減少させ、低液位信号を受信したときに溶液ポンプ38の回転速度を増加させるように構成されている。
引き続き図1〜図3を参照して、気液分離器20及び高温再生器32Aの作用について、吸収冷凍機30の作用と共に説明する。まず、図3を参照して、吸収冷凍機30の冷媒側のサイクルを説明する。凝縮器33では、低温再生器32Bで蒸発した低温冷媒蒸気Vbを受け入れて、冷却塔(不図示)から供給された、冷却水管33aを流れる冷却水qで冷却して凝縮し、冷媒液Vcとする。凝縮した冷媒液Vcは、冷媒液Vdと混合され冷媒液Vfとなって蒸発器34へと送られ、貯留部34cに冷媒液Vfとして貯留される。貯留部34cに貯留された冷媒液Vfは、冷媒ポンプ39により冷媒液散布ノズル34bに送液される。蒸発器34の冷媒液Vfが冷媒液散布ノズル34bから冷水管34aに散布されると、冷媒液Vfは冷水管34a内の冷水pから熱を受けて蒸発する一方、冷水pは冷やされる。冷やされた冷水pは冷熱を利用する場所(不図示)に送られて使われる。他方、蒸発器34で蒸発した冷媒液Vfは冷媒蒸気Veとなって、連通している吸収器31へと移動する。
次に吸収冷凍機30の溶液側のサイクルを説明する。吸収器31では、高濃度の溶液Scが濃溶液散布ノズル31bから散布され、蒸発器34で発生した冷媒蒸気Veを溶液Scが吸収して希溶液Swとなる。希溶液Swは、貯留部31cに貯留される。溶液Scが冷媒蒸気Veを吸収する際に発生する吸収熱は、冷却水管31aを流れる冷却水qによって除去される。貯留部31cの希溶液Swは、溶液ポンプ38で高温再生器32A及び低温再生器32Bへ、それぞれ圧送される。なお、貯留部31cに溜まった溶液を溶液循環ポンプ(不図示)により循環させて冷却水管31aに散布する構成としてもよい。このようにすると、冷却水管31aを溶液で充分に濡らすことができ、冷却水管31aに接触する溶液の偏りを防止することができる。また、溶液ポンプ38が溶液循環ポンプを兼ねるように構成してもよい。この場合は、溶液ポンプ38と低温溶液熱交換器36との間の希溶液管55から配管を分岐して濃溶液散布ノズル31bに接続するとよい。
希溶液管55を流れる希溶液Swは、まず低温溶液熱交換器36で混合濃溶液Scと熱交換して熱回収した後に分流し、一部は希溶液管55Aを流れて高温溶液熱交換器35へと導かれ、残りは希溶液管55Bを流れて低温再生器32Bへと導かれる。希溶液管55Aを流れて高温溶液熱交換器35へ流入した希溶液Swは、高温再生器32Aから導出された高温濃溶液Saと熱交換して温度が上昇した後に希溶液管55Aを流れて高温再生器32Aへと導入される。
ここで図2及び図1を参照して、高温再生器32A及び気液分離器20の作用を説明する。希溶液管55Aを流れて高温再生器32Aへと導入された希溶液Swは、下部管寄せ14に流入する。下部管寄せ14に流入した希溶液Swは、各液管10の下部に達し、溶液ポンプ38(図3参照)の圧力により複数の液管10を上昇して上部管寄せ15へと向かう。希溶液Swは、各液管10を上昇する過程で燃焼ガスGbにより加熱され、冷媒が蒸発して冷媒蒸気Vaが発生し、溶液自体の濃度は上昇して濃溶液Saとなる。このとき、各液管10の液位は、上部管寄せ15よりも下方かつ所定の最低高さよりも上方になるように、溶液ポンプ48(図3参照)によって調節される。所定の最低高さは、液管10に流体がない状態で加熱することによる液管10の損傷を防ぐための、液管10に溶液を満たしておくべき最低高さである。また、各液管10の液位を上部管寄せ15よりも下方に設定するのは、ある液管10の液位が上部管寄せ15に達すると液管10の上部(上部管寄せ15)を溶液が流動して他の液管10を溶液が下降する現象が発生する場合があり、これを防ぐためである。冷媒蒸気Vaは、希溶液Swから濃度が上昇した濃溶液Saとの混合流体Fmとして各液管10から上部管寄せ15に流入して収集され、混合流体管19Aを介して気液分離器20に流入する。
気液分離器20に流入する混合流体Fmは、混合流体導入口28dから入口室28に流入する。入口室28に流入した混合流体Fmは、流れ方向正面に存在する邪魔板21に衝突してその流れ方向が変わる。本実施の形態では邪魔板21が仕切板22と一体に構成されているため、混合流体Fmが仕切板22の上部に衝突すると見ることもできる。冷媒蒸気Vaと濃溶液Saとの混合流体Fmが邪魔板21に衝突して流れの向きを変える際に、混合流体Fmから比較的大きな濃溶液Saの塊が分離され、分離された濃溶液Saは落下して本体20Bの底部に貯留される。本体20Bの底部に貯留される濃溶液Saは、連通口27を介して出口室29にも流入する。なお、混合流体Fmから分離された濃溶液Saが落下することにより本体20Bの入口室28側の底部に貯留されている濃溶液Saの液面が乱れることがあるが、液位検出器26により濃溶液Saの液面が折り曲げ板24を含む仕切板22によって遮られる(本実施の形態では仕切板22の下端よりも上部にある)状態が維持されるので、折り曲げ板24を含む仕切板22が防波堤の作用をなし、出口室29側の濃溶液Saの液面は乱れずに安定する。
混合流体Fmが邪魔板21に衝突して濃溶液Saが分離されることにより残った冷媒蒸気Vaは、主として下方に向かって流れ、本体20Bの底部に貯留されている濃溶液Saの液面に対面して行く手を阻まれ、開口部23側に向きを変える。開口部23に流入する冷媒蒸気Vaには、邪魔板21への衝突によって分離されなかった濃溶液Saの液滴が随伴している。開口部23に流入した濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaは、複数の折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路に流入する。濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaは、折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路において折り曲げ板24の面に沿って出口室29内に向かって流れる際にくの字の山(谷)の部分で流れの向きを変え、このときに冷媒蒸気Vaから濃溶液Saの液滴が分離される。本実施の形態では、折り曲げ板24の製造コストの抑制の観点から、折り曲げ板24を「く」の字状(稜線が1本)に曲げているので、濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaの流れの向きが、折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路において1回変わることとなる。
濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaが折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路を流れることにより分離された濃溶液Saの液滴は、折り曲げ板24がその稜線が略鉛直になるように配設されているので、重力の作用により折り曲げ板24の面に沿って滑るように落下する。このようにして濃溶液Saの液滴の冷媒蒸気Vaからの分離効果を向上させることができる。落下した濃溶液Saの液滴は、出口室29側の底部に貯留される。底部に貯留される濃溶液Saは、連通口27により入口室28側に貯留されている濃溶液Saと一体となる。なお、開口部23の開口面積が大きいほど開口部23に流入する濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaの流速を低くすることができ、気液分離効果を向上させることができる。
折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路から流出した冷媒蒸気Vaは、出口室29側の本体20Bの側壁に案内されて流れの向きを上方に変える。このとき、未だ冷媒蒸気Vaに濃溶液Saの液滴が含まれている場合は、冷媒蒸気Vaの側壁への衝突により濃溶液Saの液滴が分離されて本体20Bの底部に貯留される。本体20Bの底部に貯留されている濃溶液Saは、主に濃溶液導出口20nから導出されて吸収器31(図3参照)に向かって流れ、余剰分は戻り溶液Srとして戻り溶液導出口20rから導出されて濃溶液戻り管19Bを介して下部管寄せ14に還流する。本実施の形態では、濃溶液導出口20nが出口室29側に形成されているので、液面の安定した出口室29側から安定して濃溶液Saを取り出すことができる。なお、取り出す濃溶液Saの量及び入口室28側の液面状況によっては、濃溶液導出口20nを入口室28側に、戻り溶液導出口20rを出口室29側に形成し、入口室28側から濃溶液Saを取り出すようにしてもよい。また、濃溶液導出口20n及び戻り溶液導出口20rの双方を、仕切板22の下方で入口室28側と出口室29側との間(境界部分)に並べて形成してもよい。このようにすると、濃溶液Sa及び戻り溶液Srの双方とも同一液面状況から取り出すことができる。あるいは、濃溶液導出口20n及び戻り溶液導出口20rの双方を、入口室28側又は出口室29側のいずれか一方に形成してもよい。これらは、高温再生器32Aの容量や気液分離器20の大きさ等を勘案して決定するとよい。他方、冷媒蒸気Vaは冷媒蒸気導出口29eから導出され、冷媒蒸気管58を低温再生器32B(図3参照)に向かって流れる。
再び図3に戻って、溶液側のサイクルの説明を続ける。高温再生器32Aから導出されて高温濃溶液管56Aを流れる高温濃溶液Saは、高温溶液熱交換器35に導かれて高温再生器32Aに向かう希溶液Swと熱交換を行い温度が低下する。他方、高温再生器32Aから導出されて冷媒蒸気管58を流れる高温冷媒蒸気Vaは、低温再生器32Bの加熱蒸気管32Baに流入する。
他方、希溶液管55Bを流れて低温再生器32Bに導かれた希溶液Swは、希溶液散布ノズル32Bbから散布される。希溶液散布ノズル32Bbから散布された希溶液Swは、加熱蒸気管32Baを流れる高温冷媒蒸気Vaによって加熱され、低温再生器32B内の希溶液Sw中の冷媒が蒸発して低温濃溶液Sbとなる。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒は低温冷媒蒸気Vbとして凝縮器33へと送られる。高温冷媒蒸気Vaからの受熱により温度が上昇した低温濃溶液Sbは、重力及び低温再生器32B内の圧力により低温濃溶液管56Bへ導出される。なお、加熱蒸気管32Baを流れる高温冷媒蒸気Vaは、希溶液Swに熱を奪われ凝縮して冷媒液Vdとなり、凝縮冷媒管59を流れて凝縮器33に導入される。
低温再生器32Bから導出されて低温濃溶液管56Bを流れる低温濃溶液Sbは、高温溶液熱交換器35から導出されて高温濃溶液管56Aを流れてきた高温濃溶液管Saと合流して混合濃溶液Scとなって濃溶液管56を流れる。その後混合濃溶液Scは、低温溶液熱交換器36に流入して吸収器31から導出された希溶液Swと熱交換を行い温度が低下する。温度が低下した混合濃溶液Scは、吸収器31に導かれ、濃溶液散布ノズル31bから冷却水管31aに向けて散布される。以降、同様のサイクルを繰り返す。
以上の説明では、液位検出器26が液面制御用容器25内に設けられているとしたが、本体20B内に設置してもよい。この場合、濃溶液Saの液面の乱れが少ない出口室29側に、本体20Bの天板から吊り下げるように、高液位を検出する高液位検出棒26Hと低液位を検出する低液位検出棒26Lとを設けるのが好ましい。このようにすると、液面制御用容器25を不要にして製造コストを抑制することができる。しかしながら、冷媒蒸気Vaが保有する熱による影響を避けるために液面制御用容器25内に設けるのが好ましい。また、液位検出器26が電極棒であるとしたが、例えばフロートスイッチ等の電極棒以外の液位検出器であってもよい。
次に図4を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ130の構成を説明する。図4(a)は吸収ヒートポンプ130の系統図であり、図4(b)は気液分離器120まわりの部分詳細図である。吸収ヒートポンプ130は、典型的には単段の吸収ヒートポンプである。吸収ヒートポンプ130は、蒸発器134で蒸発した冷媒Veを濃溶液Saで吸収する吸収器131と、吸収器131から希溶液Swを導入し加熱して冷媒蒸気Vbを発生させる再生器132と、再生器132で発生した冷媒蒸気Vbを冷却し凝縮させて冷媒液Vfとする凝縮器133と、凝縮器133から冷媒液Vfを導入し蒸発させて冷媒蒸気Veを発生させる蒸発器134と、吸収器131で加熱された被加熱媒体Wを、気体の被加熱媒体としての被加熱媒体蒸気Wvと液体の被加熱媒体としての被加熱媒体液Wqとが混合した流体である混合被加熱媒体Wmとして導入して、被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとに分離する気液分離器120とを備えている。なお、以下の説明において各溶液(希溶液Swや濃溶液Sa等)の濃度を不問とするときは、総称して単に「吸収液S」又は「溶液S」ということとする。本実施の形態における吸収液S(吸収剤と冷媒の混合物)は、LiBr水溶液が用いられている。また、被加熱媒体Wは、被加熱媒体液Wq、被加熱媒体蒸気Wv、混合被加熱媒体Wmの総称である。
吸収器131は、被加熱媒体流路を構成する被加熱媒体管131aと、濃溶液Saを散布する濃溶液散布ノズル131bを内部に有している。吸収器131は、濃溶液散布ノズル131bから濃溶液Saが散布され、濃溶液Saが冷媒蒸気Veを吸収する際に吸収熱を発生させる。この吸収熱を、被加熱媒体管131aを流れる被加熱媒体液Wqが受熱して、少なくともその一部が蒸気になるように構成されている。吸収器131の下部には、散布された濃溶液Saが冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swが貯留される貯留部131cが形成されている。被加熱媒体管131aは、希溶液Swに没入しないように、貯留部131cよりも上方に配設されている。このようにすると、被加熱媒体管131aの表面に濡れ広がった濃溶液Saに冷媒蒸気Veが吸収されるようになるため、濃溶液Saと冷媒蒸気Veとの接触面積を大きくできると共に、発生した吸収熱が被加熱媒体管131aを流れる被加熱媒体液Wqに速やかに伝わり、吸収能力の回復を早めることができる。貯留部131cには、貯留された希溶液Swの液位を検出する希溶液位検出器168が配設されている。
再生器132は、再生熱媒体流路を構成する再生熱源管132aと、希溶液Swを散布する希溶液散布ノズル132bとを有している。再生熱源管132aには、希溶液Swを加熱濃縮するための熱媒体hとして、典型的には温水が流れるが、排ガスや排蒸気等を熱媒体としてもよい。再生器132の下部には、散布された希溶液Swから冷媒が蒸発(この蒸発した冷媒を冷媒蒸気Vbと呼ぶ)して濃度が上昇した濃溶液Saが貯留される貯留部132cが形成されている。再生器132の貯留部132cと吸収器131の濃溶液散布ノズル131bとは濃溶液Saを流す溶液配管155で接続されており、再生器132の希溶液散布ノズル132bと吸収器132の貯留部131cとは希溶液Swを流す溶液配管156で接続されている。溶液配管155には再生器132の濃溶液Saを吸収器131に圧送する溶液ポンプ138が配設されている。溶液ポンプ138は、希溶液位検出器168と信号ケーブルで接続されたインバータ138xを有しており、希溶液位検出器168が検出する液位に応じて回転速度が調節されて吸収器131に圧送する濃溶液Saの流量を調節することができるように構成されている。また、溶液配管155及び溶液配管156には希溶液Swと濃溶液Saとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器136が配設されている。溶液熱交換器136は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器を用いてもよい。再生器132は、吸収器131で冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swを溶液配管156を介して導き入れ、熱媒体hの熱により冷媒を蒸発させて高濃度の濃溶液Saに再生することができるように構成されている。
凝縮器133は、冷却媒体流路としての冷却水管133aを有している。冷却水管133aには、冷却媒体としての冷却水qが流れる。凝縮器133aは、再生器132で発生した冷媒蒸気Vbを導入し、これを冷却水qで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管133aは、冷媒蒸気Vbを直接冷却することができるように、冷媒液Vfに浸らないように配設されている。凝縮器133には凝縮した冷媒液Vfを蒸発器134に送る冷媒配管151が接続されている。冷媒配管151には、冷媒液Vfを蒸発器134に圧送するための冷媒ポンプ139と、蒸発器134に圧送する冷媒液Vfの流量を調節する流量調節弁166とが、冷媒液Vfの流れる方向にこの順で配設されている。
蒸発器134は、蒸発熱媒体流路としての蒸発熱源管134aを有している。蒸発熱源管134aには、冷媒液Vfを蒸発させるための熱媒体pとして、典型的には温水が流れるが、排ガスや排蒸気等を熱媒体としてもよい。蒸発器134は、凝縮器133と冷媒配管151で接続されている。蒸発器134は、凝縮器133から冷媒液Vfを導き入れ、熱媒体pの熱により蒸発させて冷媒蒸気Veを発生させることができるように構成されている。蒸発器134は、下部に、冷媒液Vfを貯留する貯留部134cが形成されている。蒸発熱源管134aは、貯留部134cに溜まった冷媒液Vfを加熱するように、冷媒液Vfに浸っている。このようにすると、蒸発器134内で冷媒液Vfを循環させるための循環ポンプが不要になる。貯留部134cには、貯留された冷媒液Vfの液位を検出する冷媒液位検出器169が配設されている。冷媒液位検出器169と流量調節弁166とは信号ケーブルで接続されており、冷媒液位検出器169で検出された液位に応じて流量調節弁166の開度を調節することができるように構成されている。
図4(b)に示すように、気液分離器120は、以下の点を除き、気液分離器20(図1参照)と同様に構成されている。気液分離器120の、気液分離器20(図1参照)と異なる点は、液面制御用容器25(図1参照)並びに上連通管25u(図1参照)及び下連通管25w(図1参照)が省かれて液位検出器26が出口室29内に設けられている点、混合流体Fm(図1参照)を導入する混合流体管19A(図1参照)に代えて混合被加熱媒体Wmを導入する混合被加熱媒体管119Aが設けられている点、本体20Bの下部に高温濃溶液Sa(図1参照)ではなく被加熱媒体液Wqが貯留される点、戻り溶液Sr(図1参照)を導出する戻り管19B(図1参照)に代えて被加熱媒体液Wqを導出する戻り流路を構成する戻り管119Bが設けられている点、高温濃溶液管56A(図1参照)が省かれている点、高温冷媒蒸気Va(図1参照)を導出する冷媒蒸気管58(図1参照)に代えて被加熱媒体蒸気Wvを導出する被加熱媒体蒸気管158が設けられている点、気液分離器120内に被加熱媒体Wを補充する補充被加熱媒体Wsを導入する補充被加熱媒体管141が気液分離器120の下部に接続されている点である。気液分離器120は、上記以外の点は気液分離器20(図1参照)と同様の構成であるので、ここでは詳細な説明を省略する(必要に応じて気液分離器20(図1参照)の説明を参照されたい)。
混合被加熱媒体管119Aは、吸収器131の被加熱媒体管131aの一端に接続されており、吸収器131から混合被加熱媒体Wmを入口室28に導入することができるように構成されている。戻り管119Bは、吸収器131の被加熱媒体管131aの他端に接続されており、気液分離器120で分離した被加熱媒体液Wqを被加熱媒体管131aに供給することができるように構成されている。戻り管119Bには、気液分離器120で分離した被加熱媒体液Wqを被加熱媒体管131aに圧送する被加熱媒体液ポンプ118が配設されている。補充被加熱媒体管141は、被加熱媒体蒸気Wvの気液分離器120からの導出により減少した、気液分離器120と吸収器131とを循環する被加熱媒体Wを補充するために、系外から補充被加熱媒体Wsを導入する目的で設けられている。補充被加熱媒体管141には、補充被加熱媒体Wsを気液分離器120に供給する補充被加熱媒体ポンプ142と、補充被加熱媒体Wsを温水kで予熱する熱交換器143と、補充被加熱媒体Wsを希溶液Swで予熱する熱交換器144とが、補充被加熱媒体Wsの流れる方向にこの順で配設されている。熱交換器144は、溶液熱交換器136より上流側の溶液配管156が接続されており、希溶液Swを導入することができるようになっている。なお、図では、便宜上、補充被加熱媒体管141を気液分離器120の出口室29に接続した態様で示しているが、補充被加熱媒体管141を、気液分離器120の出口室29に接続する代わりに、気液分離器120の入口室28に接続することが好ましく、あるいは、気液分離器120に接続する代わりに被加熱媒体液ポンプ118の吸込側もしくは吐出側の戻り管119Bに、又は被加熱媒体管131aに接続してもよい。このようにすると、補充被加熱媒体Wsが気液分離器120に流入することに伴う液位検出器26の配設部分(本実施の形態では出口室29)の液位の乱れを抑制することができ、安定した液位制御を実現することができる。補充被加熱媒体管141を気液分離器120の出口室29に接続する場合は、図1(a)に示すように本体20Bとは別に液面制御用容器25を設け、液面制御用容器25に液位検出器26を配設するとよい。また、補充被加熱媒体管141を気液分離器120に接続する場合、低液位検出棒26Lの下端よりも下方の位置で気液分離器120に接続すると、補充被加熱媒体Wsが気液分離器120内に貯留されている被加熱媒体液Wq内に供給されることとなり、気液分離器120内で被加熱媒体液Wqが形成する液面を乱すことが少なくなる。また、気液分離器120内に供給される補充被加熱媒体Wsは、一般的に気液分離器120内に貯留されている被加熱媒体液Wqよりも温度が低いが、補充被加熱媒体管141を低液位検出棒26Lの下端よりも下方の位置で気液分離器120に接続することにより、低い温度の補充被加熱媒体Wsが気液分離器120の構成部材を直撃することがなくなって気液分離器120の構成部材に温度衝撃が発生することがなくなり、気液分離器120の耐用期間を延ばすことができる。
上述のように構成された吸収ヒートポンプ130は、まず冷媒側のサイクルを説明すると、凝縮器133では、再生器132で蒸発した冷媒蒸気Vbを受け入れて、冷却塔(不図示)から供給された、冷却水管133aを流れる冷却水qで冷却して凝縮し、冷媒液Vfとする。凝縮した冷媒液Vfは、冷媒ポンプ139で蒸発器134へと送られ、貯留部134cに貯留される。このとき、流量調節弁166は、冷媒液位検出器169により、蒸発器134の貯留部134cの液位が低いときは開度を大きくし、液位が高い場合は開度を小さくするように調節される。蒸発器134内に貯留された冷媒液Vfは、熱媒体pによって加熱され、冷媒蒸気Veとなる。このとき、蒸発器134内は、温水の熱で冷媒液Vfが蒸発する程度の圧力になっている。蒸発器134で冷媒液Vfが蒸発して発生した冷媒蒸気Veは、連通している吸収器131へと移動する。
次に吸収ヒートポンプ130の溶液側のサイクルを説明する。吸収器131では、濃溶液Saが濃溶液散布ノズル131bから散布され、蒸発器134で発生した冷媒蒸気Veを濃溶液Saが吸収して希溶液Swとなる。吸収器131では、濃溶液Saが冷媒蒸気Veを吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、被加熱媒体管131aを流れる被加熱媒体液Wqが加熱され、少なくともその一部が蒸発して蒸気となる。ここで、被加熱媒体蒸気Wvを取り出すための気液分離器120まわりの作用について説明する。
気液分離器120は、上述のように、下部に被加熱媒体液Wqが貯留されており、被加熱媒体液Wqが所定の液位になるまでは、補充被加熱媒体管141を介して補充被加熱媒体Wsが系外から導入される。補充被加熱媒体Wsは、液位検出器26で検出された本体20B内の被加熱媒体液Wqの液位に応じて回転速度が調節される補充被加熱媒体ポンプ142に圧送され、熱交換器143及び熱交換器144を通過するたびに温度が上昇して、気液分離器120に流入する。本体20Bの底部に貯留されている被加熱媒体液Wqは、導出口20rから導出され、戻り管119Bを介して被加熱媒体管131aに流入する。被加熱媒体液Wqは、被加熱媒体管131aを流れているときに、濃溶液Saが冷媒蒸気Veを吸収する際に発生する吸収熱により加熱され、少なくともその一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなる。被加熱媒体液Wqの一部が蒸発して生成された被加熱媒体蒸気Wvは、被加熱媒体液Wqと共に混合被加熱媒体Wmとして被加熱媒体管131aから導出され、混合被加熱媒体管119Aを介して気液分離器120に流入する。
気液分離器120に流入する混合被加熱媒体Wmは、混合流体導入口28dから入口室28に流入する。入口室28に流入した混合被加熱媒体Wmは、流れ方向正面に存在する邪魔板21に衝突してその流れ方向が変わる。本実施の形態では邪魔板21が仕切板22と一体に構成されているため、混合被加熱媒体Wmが仕切板22の上部に衝突すると見ることもできる。被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとの混合被加熱媒体Wmが邪魔板21に衝突して流れの向きを変える際に、混合被加熱媒体Wmから被加熱媒体液Wqが分離され、分離された被加熱媒体液Wqは落下して本体20Bの底部に貯留される。本体20Bの底部に貯留される被加熱媒体液Wqは、連通口27を介して出口室29にも流入する。なお、混合被加熱媒体Wmから分離された被加熱媒体液Wqが落下することにより本体20Bの入口室28側の底部に貯留されている被加熱媒体液Wqの液面が乱れることがあるが、液位検出器26により被加熱媒体液Wqの液面が折り曲げ板24を含む仕切板22によって遮られる(本実施の形態では仕切板22の下端よりも上部にある)状態が維持されるので、折り曲げ板24を含む仕切板22が防波堤の作用をなし、出口室29側の濃溶液Saの液面は乱れずに安定する。
混合被加熱媒体Wmが邪魔板21に衝突して被加熱媒体液Wqが分離されることにより残った被加熱媒体蒸気Wvは、主として下方に向かって流れ、本体20Bの底部に貯留されている被加熱媒体液Wqの液面に対面して行く手を阻まれ、開口部23側に向きを変える。開口部23に流入する被加熱媒体蒸気Wvには、邪魔板21への衝突によって分離されなかった被加熱媒体液Wqの液滴が随伴している。開口部23に流入した被加熱媒体液Wqの液滴を随伴する被加熱媒体蒸気Wvは、複数の折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路に流入する。被加熱媒体液Wqの液滴を随伴する被加熱媒体蒸気Wvは、折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路において折り曲げ板24の面に沿って出口室29内に向かって流れる際にくの字の山(谷)の部分で流れの向きを変え、このときに被加熱媒体蒸気Wvから被加熱媒体液Wqの液滴が分離される。
被加熱媒体液Wqの液滴を随伴する被加熱媒体蒸気Wvが折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路を流れることにより分離された被加熱媒体液Wqの液滴は、折り曲げ板24がその稜線が略鉛直になるように配設されているので、重力の作用により折り曲げ板24の面に沿って滑るように落下する。このようにして被加熱媒体液Wqの液滴の被加熱媒体蒸気Wvからの分離効果を向上させることができる。落下した被加熱媒体液Wqの液滴は、出口室29側の底部に貯留される。底部に貯留される被加熱媒体液Wqは、連通口27により入口室28側に貯留されている被加熱媒体液Wqと一体となる。なお、開口部23の開口面積が大きいほど開口部23に流入する被加熱媒体液Wqの液滴を随伴する被加熱媒体蒸気Wvの流速を低くすることができ、気液分離効果を向上させることができる。
折り曲げ板24の間に形成されたクランク状の流路から流出した被加熱媒体蒸気Wvは、出口室29側の本体20Bの側壁に案内されて流れの向きを上方に変える。このとき、未だ被加熱媒体蒸気Wvに被加熱媒体液Wqの液滴が含まれている場合は、被加熱媒体蒸気Wvの側壁への衝突により被加熱媒体液Wqの液滴が分離されて本体20Bの底部に貯留される。その後、被加熱媒体蒸気Wvは導出口29eから導出され、被加熱媒体蒸気管158を介して蒸気が利用される場所に供給される。このように、本実施の形態では、液体よりも比エンタルピが大きな蒸気を取り出して蒸気利用場所に供給できるので、供給熱量に対して熱媒体の流量を少なくすることができ、ポンプの動力を小さくすることができる。
再び吸収ヒートポンプ130の溶液側のサイクルの説明に戻る。吸収器131で冷媒蒸気Veを吸収して濃度が低下した希溶液Swは、貯留部131cに貯留される。貯留部131cの希溶液Swは、重力及び内圧の差により再生器132Aへ送られる。希溶液Swは、吸収器131から再生器132に至る途中、熱交換器144で補充被加熱媒体Wsと熱交換して温度が低下し、さらに溶液熱交換器136で濃溶液Saと熱交換して温度が低下する。再生器132に送られた希溶液Swは、希溶液散布ノズル132bから散布される。希溶液散布ノズル132bから散布された希溶液Swは、再生熱源管132aを流れる熱媒体hによって加熱され、再生器132内の希溶液Sw中の冷媒が蒸発して濃溶液Saとなり、貯留部132cに貯留される。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒は冷媒蒸気Vbとして凝縮器33へと送られる。貯留部132cに貯留された濃溶液Saは、溶液ポンプ138により、溶液配管155を介して吸収器131の濃溶液散布ノズル131aに圧送される。なお、溶液ポンプ138は、付属のインバータ138xが吸収器131の希溶液位検出器168から液位信号を随時受信し、吸収器131の貯留部131cの希溶液Swの液位が低いときは回転速度を増大させて吐出流量を増大させ、貯留部131cの希溶液Swの液位が高いときは回転速度を減少させて吐出流量を減少させる。溶液配管155を流れる濃溶液Saは、溶液熱交換器136で希溶液Swと熱交換して温度が上昇した後に吸収器131に流入し、濃溶液散布ノズル131aから散布される。以降、同様のサイクルを繰り返す。
次に図5を参照して、本発明の第4の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプ130Aの構成を説明する。図5(a)は吸収ヒートポンプ130Aの系統図であり、図5(b)は被加熱媒体Wの導入部まわりの気液分離器120の部分詳細図である。吸収ヒートポンプ130Aは、吸収ヒートポンプ130(図4参照)と比較して、被加熱媒体管131a内で被加熱媒体液Wqの一部が蒸気となった混合被加熱媒体Wmを流す混合被加熱媒体管119A(図4参照)が気液分離器120に接続される代わりに、吸収器131で加熱された被加熱媒体Wを、気液分離器120近傍までは被加熱媒体液Wqとして導き、気液分離器120に導入する直前に被加熱媒体液Wqの一部を気化させて混合被加熱媒体Wmとする供給流路としての被加熱媒体供給管119Cが気液分離器120に接続されている。被加熱媒体供給管119Cには、被加熱媒体液Wqの一部を気化させる減圧手段としてのオリフィス119rが気液分離器120の近傍に設けられている。典型的には、被加熱媒体供給管119Cの気液分離器120側の端部が気液分離器120の入口室28に挿入されており、気液分離器120に挿入された部分の被加熱媒体供給管119Cにオリフィス119rが設けられている。気液分離器120に挿入された部分の被加熱媒体供給管119Cの端部の開口は、邪魔板21に対向している。被加熱媒体供給管119Cが気液分離器120の入口室28に挿入されている場合、被加熱媒体供給管119Cの管端と入口室28との境界が導入口となる。なお、被加熱媒体供給管119Cの端部が入口室28に挿入されずに本体20Bの側壁に接続されていてもよい。この場合は減圧手段が本体20Bの側壁と同一面に位置するように設けられていてもよい。また、減圧手段は本体20Bの外部に位置する被加熱媒体供給管119Cの内部に設けられていてもよく、減圧手段はオリフィス119r以外の被加熱媒体液Wqの一部を減圧気化することができる構成(例えばバルブ等)であってもよい。また、減圧手段が被加熱媒体供給管119Cと気液分離器120との境界部分の被加熱媒体供給管119Cに設けられている場合は、被加熱媒体液Wqが被加熱媒体供給管119Cから気液分離器120へ流入する際にその一部が気化することとなるが、このような場合も気液分離器120は混合被加熱媒体Wm(混合流体)を導入することに含まれることとする。吸収ヒートポンプ130Aの上記以外の構成は、吸収ヒートポンプ130(図4参照)と同様である。
吸収ヒートポンプ130Aでは、被加熱媒体液ポンプ118で吸収器131に送られた被加熱媒体液Wqが、被加熱媒体管131a内で加熱されても気化せずに被加熱媒体液Wqの状態で被加熱媒体供給管119Cを流れるような温度及び圧力となっている。このようにするために、典型的には、被加熱媒体管131a内の圧力が被加熱媒体液Wqの温度に相当する飽和圧力よりも高くなるように被加熱媒体液ポンプ118及び/又は補充被加熱媒体ポンプ142の吐出圧力が設定(あるいは調節)される。被加熱媒体供給管119Cを流れる被加熱媒体液Wqは、気液分離器120に導入される直前で、オリフィス119rを通過することにより圧力が低下し、一部が気化して被加熱媒体蒸気Wvとなって、全体としては被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した混合被加熱媒体Wmとなる。オリフィス119rは、気液分離器120の入口室28の圧力が被加熱媒体供給管119Cを流れる被加熱媒体液Wqの温度に相当する飽和圧力よりも低い圧力に維持されるように形状が決定される。オリフィス119rを通過して生成された混合被加熱媒体Wmは、気液分離器120の入口室28に流入し、流れ方向正面に存在する邪魔板21に衝突してその流れ方向が変わる。なお、減圧手段として、被加熱媒体供給管119Cと気液分離器120との境界部分の被加熱媒体供給管119C(被加熱媒体供給管119Cの管端面)にオリフィス119rが設けられている場合や、被加熱媒体供給管119Cの先端部分に被加熱媒体液Wqの噴出孔が複数形成されている等の場合は、被加熱媒体Wが被加熱媒体液Wqのまま気液分離器120に流入し、気液分離器120内で被加熱媒体液Wqの一部が気化して混合被加熱媒体Wmとなり、この混合被加熱媒体Wmが邪魔板21に衝突する場合もある。以降、吸収ヒートポンプ130(図4参照)における場合と同様に、気液分離器120内において被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが分離され、被加熱媒体液Wqは戻り管119Bを介して被加熱媒体管131aに導かれ、被加熱媒体蒸気Wvは導出口29eから導出されて蒸気が利用される場所に供給される。吸収ヒートポンプ130Aの上記以外の作用は、吸収ヒートポンプ130(図4参照)と同様である。
吸収ヒートポンプ130Aは、被加熱媒体Wが、被加熱媒体管131a及びオリフィス119rまでの被加熱媒体供給管119Cを被加熱媒体液Wqの状態で流れるので、被加熱媒体管131a内に被加熱媒体Wの気化に伴うスケールの生成等がなく、被加熱媒体管131aの耐用期間を延ばすことができる。また、被加熱媒体液Wqの気化が気液分離器120近傍あるいは気液分離器120内部で起こるため、気液分離器120に点検孔等を設けることなどにより、気化に伴うスケールの付着状況等の点検が行いやすくなる。
以上の説明では、折り曲げ板24が、長方形の板を短辺側から見た側面がくの字状(稜線が1本)になるように折り曲げられて形成されるとしたが、短辺側から見た側面がN字状(稜線が2本)、あるいは短辺側から見た側面がW(M)字状(稜線が3本)等、稜線が複数本となるように形成されていてもよい。
図6(a)は、変形例に係る気液分離器の本体20B部分の水平断面図であり、折り曲げ板24Xの稜線が2本になるように形成されている。図6(b)は、別の変形例に係る気液分離器の本体20B部分の水平断面図であり、折り曲げ板24Yの稜線が3本になるように形成されている。折り曲げ板24(24X、24Y)の稜線が多くなるほど、すなわち折り曲げ板24(24X、24Y)の間に形成されたクランク状の流路において濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaの流れの向きが変わる回数が多いほど、気液分離効果を向上させることができる。しかしながら、折り曲げ板24(24X、24Y)の製造コストの抑制の観点からは、稜線の数が少ない方がよい。
以上の説明では、板状部材が稜線を1本有する折り曲げ板24(24X、24Y)であるとしたが、折り曲げ板24(24X、24Y)の山の部分が接続されずに離れた「ハ」の字状に形成された板状部材24Zであってもよい。
図6(c)は、さらに別の変形例に係る気液分離器の本体20B部分の水平断面図であり、折り曲げ板の山の頂部が接続されておらず(連続しておらず)離れて「ハ」の字状に形成された板状部材24Zが配設されている。この場合、開口部23に流入して板状部材24Zの間に形成された流路を流れる、濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaは、一旦板状部材24Zの面から離れるが、向き(仕切板22の面に対する角度)を変えた板状部材24Zの面に衝突して再び接触して流れの向きが変わり、濃溶液Saの液滴が分離されることとなる。また、図示は省略するが、板状部材として、多孔板(例えばパンチングプレート)を、濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaの流れ方向に対して穴位置がずれるように、その面が流れに直角になるように、水平方向に間隔をおいて配置したものとして構成してもよい。
以上の説明では、折り曲げ板24が、その稜線が略鉛直になるように仕切板24に取り付けられ、折り曲げ板24の間を流れる濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaが、水平方向に蛇行することとしたが、折り曲げ板24が、その稜線が略水平になるように仕切板24に取り付けられ、折り曲げ板24の間を流れる濃溶液Saの液滴を随伴する冷媒蒸気Vaが、鉛直方向に蛇行するようにしてもよい。この場合、分離された濃溶液Saが折り曲げ板24の谷の部分に溜まらないよう、側面から見て折り曲げ板24が「ヘ」の字になるように、すなわち折り曲げ板24の山の頂部が最も高くなるように配設するとよい。
以上の説明では、邪魔板21が仕切板22と一体に構成されていることとしたが、邪魔板21と仕切板22とが分離して構成されていてもよい。
図7に、邪魔板21と仕切板22とが分離して構成された気液分離器の本体120B部分の一例を示す。本体120Bは、本体20B(図1(a)参照)に比べて鉛直方向に短く、水平方向に長く形成されている。邪魔板21は、仕切板22から分離され、混合流体Fmを衝突させるために混合流体導入口28dから開口部23へと向かう混合流体Fmの流れを遮る位置に、混合流体Fmの流路を確保するために本体120Bの側壁及び天板から離れて配置されている。この変形例の本体120Bを備える気液分離器は、本体20B(図1(a)参照)を備える気液分離器20よりも水平方向に大きくなるが、高さ寸法を抑えることができ、板状部材24を含む仕切板22を備えているため従来の気液分離器に比べて小型にして気液分離性能に優れたものとなる。
以上の説明では、高温再生器32Aが貫流式再生器であるとしたが、自然循環液管式再生器や強制循環液管式再生器、あるいは煙管式再生器としてもよい。貫流式再生器以外の再生器であっても、気液分離器20を備えることで冷媒蒸気Vaと濃溶液Saとの分離効果を向上させることができる。また、本発明に係る気液分離器を、圧縮式冷凍機用に、気液混合冷媒から気体としての冷媒気体と液体としての冷媒液とに分離する用途に適用してもよい。その構成は以下の通りである。すなわち、圧縮式冷凍機において冷媒気体を圧縮した後に発生した気液混合冷媒から、冷媒気体と冷媒液とを分離する気液分離器であって;導入した前記気液混合冷媒を衝突させて前記冷媒液を分離する邪魔板と;前記気液分離器内を、前記気液混合冷媒を導入する導入口が形成された入口室と、前記混合冷媒から分離された前記冷媒気体を導出する冷媒気体導出口が形成された出口室とに仕切る仕切板であって、前記邪魔板で前記冷媒液が分離された前記気液混合冷媒を衝突させてさらに前記冷媒液を分離する板状部材を含んで構成される仕切板とを備える気液分離器である。実施形態としては、図1において、混合流体導入口28dから気液混合冷媒を流入し、冷媒蒸気導出口29eから冷媒気体を流出し、溶液導出口20nから冷媒液を取り出す構成である。戻り溶液導出口20rは設けなくてもよい。また、本発明に係る気液分離器は、蒸気ボイラ、特に貫流ボイラ用に適用してもよい。
以上の説明では、吸収冷凍機30が二重効用吸収冷凍機であるとして説明したが、単効用吸収冷凍機や三重効用吸収冷凍機であってもよい。単効用吸収冷凍機とした場合は、本実施の形態で説明した高温再生器32Aを再生器とすることができ、三重効用吸収冷凍機とした場合は、本実施の形態で説明した高温再生器32Aを最も作動温度が高い再生器とするとよい。
以上の説明では、吸収ヒートポンプ130が単段の吸収ヒートポンプであるとして説明したが、多段の吸収ヒートポンプであってもよい。また、気液分離器120に供給される補充被加熱媒体Wsは、熱交換器143、144で予熱されることとしたが、熱交換器143、144の前に又は熱交換器143、144に代えて、凝縮器133及び/又は蒸発器134を通過させて冷媒蒸気Vb及び/又は冷媒蒸気Veの熱で予熱してもよい。