JP2004176968A - 気液分離器 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収式冷凍機において冷媒蒸気に含まれる吸収液ミストを効率的に除去する気液分離器を構成する。
【解決手段】円筒状のケース21に対して気液導入管22から接線方向に蒸気R1を送り込んでケース内部で蒸気R1を旋回させ、この蒸気R1をケース21の上壁21Aに沿って蒸気排出管23の側に渦流として送り、更に、導入壁26に沿って下方に送った後、蒸気排出管23の下端から上方に送り出す系を形成した。
【選択図】 図3
【解決手段】円筒状のケース21に対して気液導入管22から接線方向に蒸気R1を送り込んでケース内部で蒸気R1を旋回させ、この蒸気R1をケース21の上壁21Aに沿って蒸気排出管23の側に渦流として送り、更に、導入壁26に沿って下方に送った後、蒸気排出管23の下端から上方に送り出す系を形成した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器に関し、詳しくは、吸収式冷凍機において吸収液から分離した冷媒蒸気に含まれるミストを除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの吸収式冷凍機において蒸気に含まれるミストを除去する気液分離器として、高温再生器で発生させた蒸気を導く揚液管を気液分離室に挿入し、かつこの揚液管の開口を器体内壁部に対向させることにより、気液分離室の内部で旋回渦流を発生させて気液分離を図る(ミストを除去する)ものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10‐246539号公報 (請求項1、段落番号〔0022〕〜〔0031〕、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のように蒸気を旋回させる構造の気液分離器は、例えば、ケース状の気液分離器の内部に蒸気を導入し、ミストを自重で落下させ、かつ、上方に蒸気を抜き出す構造のものと比較して、比較的効率的な除去を可能にすると考えられるものであるが、充分に旋回しないで上昇する蒸気に含まれるミストを除去し難い面があり、より積極的にミストの除去を行い得る気液分離器が求められているのも現状である。
【0005】
又、吸収式冷凍機において、蒸気に含まれるミストの除去を必要とする部位として、低温再生器で発生させた蒸気を凝縮器に導く経路を例に挙げることができる。つまり、吸収式冷凍機においては、低温再生器と凝縮器とは蒸気の流通を許す空間を介在させて隣接配置され、高温再生器で発生させた蒸気を低温再生器の内部に貯留された臭化リチウム水溶液等の液中の伝熱管に導いて沸騰により蒸気を発生させ、この蒸気を凝縮器に導き、冷却により液化させて冷媒として用いるものである。しかしながら、低温再生器で発生させた蒸気を凝縮器に導く空間においても蒸気に含まれるミストを除去するために適当な技術が存在せず、蒸気に含まれるミストを効率良く除去する技術が求められているのである。
【0006】
本発明の目的は、高温再生器で発生させた蒸気に含まれるミスト、及び、低温再生器で発生させた蒸気に含まれるミストを効率的に除去し得る気液分離器を合理的に構成する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器において、ケース側壁に前記蒸気供給部を形成し、ケース上部に前記蒸気排出部を配置すると共に、前記除去手段が、前記蒸気供給部から上昇する蒸気をケースの上部位置から下方に案内した後に上方に送ることにより前記蒸気排出部に導く案内部材と、平面視において前記蒸気排出部を中心として蒸気を旋回させて案内する姿勢で配置された複数の案内片とを備えて構成されている点にある。
【0008】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、ケース側壁の蒸気供給部からケース内部に送り込まれた蒸気はケース内部で上昇した後、案内部材に案内されて下方に送られ、この後に、上昇してケース上部に形成された蒸気排出部に向かうものとなり、このように案内部材で案内される際には、複数の案内片により蒸気排出部を中心として旋回させられる。つまり、案内部材によって長い経路を送ることにより蒸気に含まれるミストと案内部材との接触の機会を増大させて除去の効率を高めると同時に、蒸気を旋回させることで蒸気に含まれるミストを遠心力によって除去できるものにしているのである。その結果、高温再生器で発生させた蒸気であっても効率良くミストを除去できる気液分離器が合理的に構成された。
【0009】
本発明の請求項2に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の気液分離器において、前記ケースが平面視で円形となる内面を備えて構成され、このケースの上壁の中心位置に前記蒸気排出部を配置すると共に、前記蒸気供給部が、平面視においてケースの内面に対して接線方向に蒸気を送り込むよう送り込み方向を設定してある点にある。
【0010】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、蒸気供給部からケース内部に送られた蒸気はケース内面に沿って平面視で旋回する状態で流動するものとなり、このようにケース内面に沿って流動する際に、蒸気に含まれるミストは遠心力により蒸気から分離し、ケース内面との接触により失速して除去される。その結果、一層効率的にミストを除去できるものとなった。
【0011】
本発明の請求項3に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器において、前記蒸気供給部が、ケース底部に貯留した液中に加熱体を配置して構成されると共に、前記除去手段が、前記蒸気供給部の上方位置に配置した複数の遮蔽板で構成され、この複数の遮蔽板が平面視において液面を覆う位置に配置され、かつ、この複数の遮蔽板の隙間に蒸気通過経路を形成してある点にある。
【0012】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、加熱体からの熱で蒸発した蒸気が上昇する際に複数の遮蔽板に接触して蒸気に含まれるミストは除去されると共に、ミストが除去された蒸気は複数の遮蔽板の隙間の蒸気通過経路に送られる。又、平面視において複数の遮蔽板で液面を覆う位置に配置されているので、液面に対して垂直に上昇した蒸気が送り出されることは無く、非直線的な蒸気通過経路でミストを除去した蒸気を送り出すものとなる。その結果、効率良くミストを除去し得る気液分離器が合理的に構成された。
【0013】
本発明の請求項4に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3記載の気液分離器において、前記遮蔽板が、蒸気の上昇を許す傾斜姿勢の案内面を有すると共に、この案内面の上端位置を下方に折り曲げてある点にある。
【0014】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、遮蔽板の下面に沿って上昇する蒸気は、遮蔽板の上端位置の折り曲げ部位において下方に送られるものとなり、蒸気より重いミストを下方に脱落させて除去することが可能となる。その結果、一層良好にミストを除去できるものとなった。
【0015】
本発明の請求項5に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3又は4記載の気液分離器において、前記遮蔽板を介して送り出された蒸気を横方向に送り出す位置に前記蒸気排出部が配置されると共に、この蒸気排出部に対して、複数の開口を有する、あるいは、複数のスリット状の開口を有するエリミネータを備えている点にある。
【0016】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、遮蔽板を介して送り出された蒸気はエリミネータの複数の開口、あるいは、複数のスリット状の開口を通過する際に、蒸気に含まれるミストが開口を形成する部材、あるいは、スリットを形成する部材に接触して除去される。その結果、遮蔽板の隙間で形成される蒸気通過経路で除去されなかったミストも良好に除去できるものとなった。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はガスタービン・コージェネレーションシステムを示し、1はガスタービン、2はガスタービン1の出力軸1aに連結した圧縮機であり、この圧縮機2により吸気路3から燃焼用空気Aを吸入して、その吸入した燃焼用空気Aを送気路4を通じガスタービン1の燃焼器5に加圧供給し、この燃焼器5で燃料路6からの供給燃料Fを燃焼させることによりガスタービン1の運転を継続する。
【0018】
また、7は排ガス路8へ送り出されたガスタービン1の排ガスEと送気路4の燃焼用空気A(A1)とを熱交換させて燃焼用空気Aを予熱する再生熱交換器であり、この再生熱交換器7による空気予熱により、所要のタービン作動温度を得るに要する燃料量を低減してガスタービン1の燃料消費量を節減する。
【0019】
9は圧縮機2とともにガスタービン1の出力軸1aに連結した発電機であり、ガスタービン1の発生動力により発電機9を駆動することでコージェネレーションシステムとしての電力出力を得る。
【0020】
一方、10は二重効用型の吸収式冷凍機であり、この吸収式冷凍機10の高温再生器11において臭化リチウム等の水溶液で成る吸収液Laを加熱する加熱管11aを再生熱交換器7よりも下流側で排ガス路8に介装して、この加熱管11aに対し再生熱交換器7を通過した後のタービン排ガスEを熱源熱媒として供給する構成にし、これにより、再生熱交換器7を通過した後のタービン排ガスEの保有熱を駆動熱源として吸収式冷凍機10を運転することで、コージェネレーションシステムとしての熱出力を得る。
【0021】
12は高温再生器11において加熱管11aによる加熱で冷媒R1を蒸発分離させた後の中濃度吸収液Lbを導入する低温再生器、12aは高温再生器11で発生させた冷媒蒸気R1から後述の除去手段D1によりミストを除去した冷媒蒸気R2を熱源熱媒とする低温再生器用の加熱管であり、この加熱管12aによる低温再生器12での吸収液加熱により低温再生器12において中濃度吸収液Lbから更に冷媒蒸気R3を再生させる。
【0022】
13は低温再生器12で発生した冷媒蒸気R3及び低温再生器12の加熱管12aを通過した冷媒R2を冷却器13aの通過冷却水Cにより冷却して凝縮させる凝縮器、14は凝縮器13から送られる液冷媒R4を低圧雰囲気下で蒸発させて出力熱交換器14aにおける通過水Wをそれからの気化熱奪取により冷却する蒸発器、15は冷却器15aの通過冷却水Cによる冷却下において低温再生器12から送られる濃吸収液Lcに蒸発器14での蒸発冷媒R5を吸収させる吸収器である。
【0023】
また、16aは吸収器15から高温再生器11に戻す希吸収液Laを低温再生器12から吸収器15に送る濃吸収液Lcと熱交換させて予熱する低温熱交換器、16bは低温熱交換器16aで予熱された希吸収液Laを高温再生器11から低温再生器12に送る中濃度吸収液Lbによりさらに予熱する高温熱交換器、p1は冷媒循環ポンプ、p2は吸収液循環ポンプである。
【0024】
なお、吸収式冷凍機10として温水発生運転が可能な吸収式冷温水発生器を用いる場合、その温水発生運転では、高温再生器11において加熱管11aにより加熱した冷媒R1を短絡的に蒸発器14に導いて、その加熱冷媒R1により出力熱交換器14aにおける通過水Wを加熱する。
【0025】
ガスタービン1の燃焼器5に対する燃焼用空気Aの送気路4には、再生熱交換器7に対するバイパス路4aを設けるとともに、再生熱交換器7を通じてガスタービン1の燃焼器5に供給する燃焼用空気A1と、バイパス路4aを通じ再生熱交換器7を迂回させてガスタービン1の燃焼器5に供給する燃焼用空気A2との流量比を調整する調整弁Vを設けてあり、また、ガスタービン1からの排ガス路8において再生熱交換器7と吸収式冷凍機10における高温再生器11の加熱管11aとの間には、通過排ガスEを再加熱する補助バーナ17を介装してある。
【0026】
18はシステムの運転制御を司る制御装置であり、この制御装置18は燃焼器5の燃焼量調節によりガスタービン1の出力G(換言すれば、電力出力)を所要出力に調節するとともに、調整弁Vの調整及び補助バーナ17の燃焼量調整により吸収式冷凍機10の出力Q(すなわち冷熱発生量、吸収式冷温水発生機では冷熱ないし温熱の発生量)を調節する。
【0027】
本発明においては、前記吸収式冷凍機10において、高温再生器11で発生させた蒸気R1に含まれるミストを除去する除去手段D1と、低温再生器12で発生させた蒸気R3に含まれるミストを除去する除去手段D2を備えることにより、ミストに含まれる臭化リチウム等が最終的に凝縮器13から蒸発器14に送られる不都合を回避して高性能を維持している。
【0028】
図2〜図4に示すように、高温再生器11で発生させた蒸気R1からミストを除去する手段D1として、高温再生器11で発生させた蒸気R1を前記低温再生器12に導く蒸気経路に気液分離器を介在させている。この気液分離器は円盤状の上壁21Aと、円盤状の底壁21Bと、平面視で円筒形となる側壁21Cとを備えて全体的に密封された円筒形となるケース21を形成し、このケース21の側壁21Cの内面に対して接線方向に蒸気を案内するよう導入姿勢を設定して、蒸気供給部として気液導入管22を接続し、上壁21Aの中心位置に蒸気排出部としての蒸気排出管23を接続し、底壁21Bに排液管24を接続している。
【0029】
平面視において上壁21Aに接続した蒸気排出管23を中心として、ケース内面側に複数の案内片25を渦流を作り出す姿勢に配置するとともに、この複数の案内片25の下端に対して案内部材としてカップ状の導入壁26を形成し、この導入壁26の底部にドレン管27を接続している。前記蒸気排出管23を上壁21Aより下方に突出させることにより、この突出部分を案内部材として機能させている。
【0030】
この構成により、気液導入管22から導入された蒸気R1は、図2〜4において矢印で示すようにケース21の側壁21Cの内面に沿って旋回する状態で上昇する。このように旋回状態で上昇する際には、旋回時の遠心力によって蒸気R1に含まれるミストが蒸気R1から分離して側壁21Cの内面に付着する形態、あるいは、液滴状となる形態で自重により下方に送られる。また、上壁21Aの内面に沿って移動する蒸気R1は案内片25の部位に達して、図において矢印で示すように更に旋回する状態で導入壁26の内部で下方に移動し、蒸気排出管23の下端から上方に移動して送り出される。このように旋回状態で下方に送られる際にも、遠心力によって蒸気R1に含まれるミストは蒸気R1から分離して導入壁26の内面に付着する形態、あるいは、液滴状となる形態で自重により下方に送られた後、ドレン管27を通過してケース21の底部に回収されるのである。
【0031】
尚、同図においては、気液導入管22でケース内に導入された蒸気R1が旋回する方向と、複数の案内片25で蒸気R1が旋回する方向とを一致させているが、夫々の旋回方向を逆向きに設定することも可能であり、このように旋回方向を逆向きに設定した場合には、旋回方向が切り換わる際に蒸気R1の流れが停止し、失速状態となったミストを自重で落下させて除去回収できる。
【0032】
図5に示すように、前記低温再生器12は、ケースの底部に貯留された中濃度吸収液Lbの液面下に加熱体として前記加熱管12aを配置し、この加熱管12aに対して高温再生器11から前記除去手段D1を通じて送られる蒸気R2の熱による加熱により、該中濃度吸収液Lbを沸騰させて蒸気R3を発生させる構造を有するものであり(この蒸気R3を発生させる構造で蒸気供給部が構成されている)、また、前記凝縮器13はケースの上部に前記冷却器13aを配置し、底部に凝縮した冷媒R4を回収する構造を有するものであり、この低温再生器12から送られる蒸気R3に含まれるミストを除去するよう除去手段D2が構成されている。
【0033】
図5、図6に示すように、この除去手段D2としての気液分離器は、低温再生器12の液面より上方位置に配置された複数の遮蔽板30と、この低温再生器12から凝縮器13に蒸気R3を送る蒸気排出部に配置した複数のスリット状の開口を有するエリミネータ31とを備えて構成されている。
【0034】
前記遮蔽板30は、複数の遮蔽板30を平面視において重複する位置に配置することにより液面の全てを覆う位置に配置され、この複数の遮蔽板30の隙間を蒸気通過経路としている。夫々の遮蔽板30は図5に示す方向視で明らかなように蒸気R3の上昇を許す傾斜姿勢の案内面30Gを有すると共に、この案内面30Gの上端位置を下方に折り曲げて抑制片30Aを形成してある。遮蔽板30の低レベル位置には上下方向に貫通する微小幅のスリット30Sを一定間隔で複数形成してあり、この遮蔽板30の上面で液滴化した液や、エリミネータ31で除去したミストが集合した液をケース底部に戻せるよう構成している。
【0035】
前記エリミネータ31は側面視で逆「V」字状となる板材31Aを上下方向に設定された間隔を隔てて配置することにより板材31A同士の隙間を蒸気R3の流通部として構成している。尚、このエリミネータ31の下方位置に前記遮蔽板30を位置させており、このエリミネータ31で回収した液を前記スリット30Sに送るようになっている。
【0036】
この構成により、低温再生器12で発生した蒸気R3は上昇時に遮蔽板30に接触し、案内面30Gに接触した状態で上昇するものとなり、抑制片30Aの部位で下方に送られた後に、更に上昇する。このように遮蔽板30に沿って上昇する際、及び、抑制片30Aに接触して下方に送られる際には、蒸気R3に含まれるミストは液滴化して自重で落下してケース底部に戻される。特に、液面を覆う位置に複数の遮蔽板30を配置してあるので、沸騰により上方に飛散したミストが直接、凝縮器13の側に送られる不都合を阻止する。次に、低温再生器12の上方空間から凝縮器13の側に送られる蒸気R3はエリミネータ31の板材31Aと接触することにより蒸気R3に含まれるミストが液滴化し、板材31Aの端部から滴下して前記遮蔽板30のスリット30Sから低温再生器12の底部に戻される。これにより低温再生器12と凝縮器13とを隣接配置したものであるに拘わらず、低温再生器12で発生させた蒸気R3に含まれるミストを高能率で除去しているのである。
【0037】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0038】
(a)図7に示すように、高温再生器11で発生させた蒸気R1からミストを除去する除去手段D1としての気液分離器を、そのケース21の内部に上部空間と下部空間とを分離する位置に金属製の網材35を配置し、かつ、上壁21Aの下面に対して、この下面に沿って送られる蒸気R1の流れを下方に案内する抑制板36を配置する。この構成を採用することにより、ケース内で蒸気R1が上昇する際に網材35との接触により蒸気R1に含まれるミストの除去を行え、上壁12Aの下面に沿って蒸気排出管23の側に移動する蒸気R1を抑制板36に接触させ、強制的に下方に送ることでミストの除去を行えるものにしている。
【0039】
(b)図8に示すように、低温再生器12の液面より上方位置に配置された複数の遮蔽板30を側面視で3枚(3枚以上でも良い)備え、比較的小さい開口を形成した金属製の網材をエリミネータ31として配置する。この構成により、低温再生器12で発生した蒸気R3は上昇時に遮蔽板30に接触しやすくなりミストの除去が一層良好に行われるばかりか、沸騰により上方に飛散したミストが直接、凝縮器13の側に送られる不都合を一層良好に阻止するものとなり、しかも、エリミネータ31で蒸気R3が通過する際には、金属製の網材に対してミストを捕らえやすくなり更にミストを除去しやすいものにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】コージェネレーションシステムの構成図
【図2】高温再生器側の除去手段を示す斜視図
【図3】高温再生器側の除去手段の縦断側面図
【図4】高温再生器側の除去手段の横断平面図
【図5】低温再生器側の除去手段の縦断側面図
【図6】遮蔽板の配置を示す斜視図
【図7】別実施の形態(a)の除去手段を示す縦断側面図
【図8】別実施の形態(b)の除去手段を示す縦断側面図
【符号の説明】
12a 加熱体
21 ケース
21A 上壁
25 案内片
26、23 案内部材
30 遮蔽板
30G 案内面
31 エリミネータ
D1、D2 除去手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器に関し、詳しくは、吸収式冷凍機において吸収液から分離した冷媒蒸気に含まれるミストを除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からの吸収式冷凍機において蒸気に含まれるミストを除去する気液分離器として、高温再生器で発生させた蒸気を導く揚液管を気液分離室に挿入し、かつこの揚液管の開口を器体内壁部に対向させることにより、気液分離室の内部で旋回渦流を発生させて気液分離を図る(ミストを除去する)ものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10‐246539号公報 (請求項1、段落番号〔0022〕〜〔0031〕、図1、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のように蒸気を旋回させる構造の気液分離器は、例えば、ケース状の気液分離器の内部に蒸気を導入し、ミストを自重で落下させ、かつ、上方に蒸気を抜き出す構造のものと比較して、比較的効率的な除去を可能にすると考えられるものであるが、充分に旋回しないで上昇する蒸気に含まれるミストを除去し難い面があり、より積極的にミストの除去を行い得る気液分離器が求められているのも現状である。
【0005】
又、吸収式冷凍機において、蒸気に含まれるミストの除去を必要とする部位として、低温再生器で発生させた蒸気を凝縮器に導く経路を例に挙げることができる。つまり、吸収式冷凍機においては、低温再生器と凝縮器とは蒸気の流通を許す空間を介在させて隣接配置され、高温再生器で発生させた蒸気を低温再生器の内部に貯留された臭化リチウム水溶液等の液中の伝熱管に導いて沸騰により蒸気を発生させ、この蒸気を凝縮器に導き、冷却により液化させて冷媒として用いるものである。しかしながら、低温再生器で発生させた蒸気を凝縮器に導く空間においても蒸気に含まれるミストを除去するために適当な技術が存在せず、蒸気に含まれるミストを効率良く除去する技術が求められているのである。
【0006】
本発明の目的は、高温再生器で発生させた蒸気に含まれるミスト、及び、低温再生器で発生させた蒸気に含まれるミストを効率的に除去し得る気液分離器を合理的に構成する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器において、ケース側壁に前記蒸気供給部を形成し、ケース上部に前記蒸気排出部を配置すると共に、前記除去手段が、前記蒸気供給部から上昇する蒸気をケースの上部位置から下方に案内した後に上方に送ることにより前記蒸気排出部に導く案内部材と、平面視において前記蒸気排出部を中心として蒸気を旋回させて案内する姿勢で配置された複数の案内片とを備えて構成されている点にある。
【0008】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、ケース側壁の蒸気供給部からケース内部に送り込まれた蒸気はケース内部で上昇した後、案内部材に案内されて下方に送られ、この後に、上昇してケース上部に形成された蒸気排出部に向かうものとなり、このように案内部材で案内される際には、複数の案内片により蒸気排出部を中心として旋回させられる。つまり、案内部材によって長い経路を送ることにより蒸気に含まれるミストと案内部材との接触の機会を増大させて除去の効率を高めると同時に、蒸気を旋回させることで蒸気に含まれるミストを遠心力によって除去できるものにしているのである。その結果、高温再生器で発生させた蒸気であっても効率良くミストを除去できる気液分離器が合理的に構成された。
【0009】
本発明の請求項2に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の気液分離器において、前記ケースが平面視で円形となる内面を備えて構成され、このケースの上壁の中心位置に前記蒸気排出部を配置すると共に、前記蒸気供給部が、平面視においてケースの内面に対して接線方向に蒸気を送り込むよう送り込み方向を設定してある点にある。
【0010】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、蒸気供給部からケース内部に送られた蒸気はケース内面に沿って平面視で旋回する状態で流動するものとなり、このようにケース内面に沿って流動する際に、蒸気に含まれるミストは遠心力により蒸気から分離し、ケース内面との接触により失速して除去される。その結果、一層効率的にミストを除去できるものとなった。
【0011】
本発明の請求項3に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器において、前記蒸気供給部が、ケース底部に貯留した液中に加熱体を配置して構成されると共に、前記除去手段が、前記蒸気供給部の上方位置に配置した複数の遮蔽板で構成され、この複数の遮蔽板が平面視において液面を覆う位置に配置され、かつ、この複数の遮蔽板の隙間に蒸気通過経路を形成してある点にある。
【0012】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、加熱体からの熱で蒸発した蒸気が上昇する際に複数の遮蔽板に接触して蒸気に含まれるミストは除去されると共に、ミストが除去された蒸気は複数の遮蔽板の隙間の蒸気通過経路に送られる。又、平面視において複数の遮蔽板で液面を覆う位置に配置されているので、液面に対して垂直に上昇した蒸気が送り出されることは無く、非直線的な蒸気通過経路でミストを除去した蒸気を送り出すものとなる。その結果、効率良くミストを除去し得る気液分離器が合理的に構成された。
【0013】
本発明の請求項4に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3記載の気液分離器において、前記遮蔽板が、蒸気の上昇を許す傾斜姿勢の案内面を有すると共に、この案内面の上端位置を下方に折り曲げてある点にある。
【0014】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、遮蔽板の下面に沿って上昇する蒸気は、遮蔽板の上端位置の折り曲げ部位において下方に送られるものとなり、蒸気より重いミストを下方に脱落させて除去することが可能となる。その結果、一層良好にミストを除去できるものとなった。
【0015】
本発明の請求項5に係る気液分離器の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3又は4記載の気液分離器において、前記遮蔽板を介して送り出された蒸気を横方向に送り出す位置に前記蒸気排出部が配置されると共に、この蒸気排出部に対して、複数の開口を有する、あるいは、複数のスリット状の開口を有するエリミネータを備えている点にある。
【0016】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、遮蔽板を介して送り出された蒸気はエリミネータの複数の開口、あるいは、複数のスリット状の開口を通過する際に、蒸気に含まれるミストが開口を形成する部材、あるいは、スリットを形成する部材に接触して除去される。その結果、遮蔽板の隙間で形成される蒸気通過経路で除去されなかったミストも良好に除去できるものとなった。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はガスタービン・コージェネレーションシステムを示し、1はガスタービン、2はガスタービン1の出力軸1aに連結した圧縮機であり、この圧縮機2により吸気路3から燃焼用空気Aを吸入して、その吸入した燃焼用空気Aを送気路4を通じガスタービン1の燃焼器5に加圧供給し、この燃焼器5で燃料路6からの供給燃料Fを燃焼させることによりガスタービン1の運転を継続する。
【0018】
また、7は排ガス路8へ送り出されたガスタービン1の排ガスEと送気路4の燃焼用空気A(A1)とを熱交換させて燃焼用空気Aを予熱する再生熱交換器であり、この再生熱交換器7による空気予熱により、所要のタービン作動温度を得るに要する燃料量を低減してガスタービン1の燃料消費量を節減する。
【0019】
9は圧縮機2とともにガスタービン1の出力軸1aに連結した発電機であり、ガスタービン1の発生動力により発電機9を駆動することでコージェネレーションシステムとしての電力出力を得る。
【0020】
一方、10は二重効用型の吸収式冷凍機であり、この吸収式冷凍機10の高温再生器11において臭化リチウム等の水溶液で成る吸収液Laを加熱する加熱管11aを再生熱交換器7よりも下流側で排ガス路8に介装して、この加熱管11aに対し再生熱交換器7を通過した後のタービン排ガスEを熱源熱媒として供給する構成にし、これにより、再生熱交換器7を通過した後のタービン排ガスEの保有熱を駆動熱源として吸収式冷凍機10を運転することで、コージェネレーションシステムとしての熱出力を得る。
【0021】
12は高温再生器11において加熱管11aによる加熱で冷媒R1を蒸発分離させた後の中濃度吸収液Lbを導入する低温再生器、12aは高温再生器11で発生させた冷媒蒸気R1から後述の除去手段D1によりミストを除去した冷媒蒸気R2を熱源熱媒とする低温再生器用の加熱管であり、この加熱管12aによる低温再生器12での吸収液加熱により低温再生器12において中濃度吸収液Lbから更に冷媒蒸気R3を再生させる。
【0022】
13は低温再生器12で発生した冷媒蒸気R3及び低温再生器12の加熱管12aを通過した冷媒R2を冷却器13aの通過冷却水Cにより冷却して凝縮させる凝縮器、14は凝縮器13から送られる液冷媒R4を低圧雰囲気下で蒸発させて出力熱交換器14aにおける通過水Wをそれからの気化熱奪取により冷却する蒸発器、15は冷却器15aの通過冷却水Cによる冷却下において低温再生器12から送られる濃吸収液Lcに蒸発器14での蒸発冷媒R5を吸収させる吸収器である。
【0023】
また、16aは吸収器15から高温再生器11に戻す希吸収液Laを低温再生器12から吸収器15に送る濃吸収液Lcと熱交換させて予熱する低温熱交換器、16bは低温熱交換器16aで予熱された希吸収液Laを高温再生器11から低温再生器12に送る中濃度吸収液Lbによりさらに予熱する高温熱交換器、p1は冷媒循環ポンプ、p2は吸収液循環ポンプである。
【0024】
なお、吸収式冷凍機10として温水発生運転が可能な吸収式冷温水発生器を用いる場合、その温水発生運転では、高温再生器11において加熱管11aにより加熱した冷媒R1を短絡的に蒸発器14に導いて、その加熱冷媒R1により出力熱交換器14aにおける通過水Wを加熱する。
【0025】
ガスタービン1の燃焼器5に対する燃焼用空気Aの送気路4には、再生熱交換器7に対するバイパス路4aを設けるとともに、再生熱交換器7を通じてガスタービン1の燃焼器5に供給する燃焼用空気A1と、バイパス路4aを通じ再生熱交換器7を迂回させてガスタービン1の燃焼器5に供給する燃焼用空気A2との流量比を調整する調整弁Vを設けてあり、また、ガスタービン1からの排ガス路8において再生熱交換器7と吸収式冷凍機10における高温再生器11の加熱管11aとの間には、通過排ガスEを再加熱する補助バーナ17を介装してある。
【0026】
18はシステムの運転制御を司る制御装置であり、この制御装置18は燃焼器5の燃焼量調節によりガスタービン1の出力G(換言すれば、電力出力)を所要出力に調節するとともに、調整弁Vの調整及び補助バーナ17の燃焼量調整により吸収式冷凍機10の出力Q(すなわち冷熱発生量、吸収式冷温水発生機では冷熱ないし温熱の発生量)を調節する。
【0027】
本発明においては、前記吸収式冷凍機10において、高温再生器11で発生させた蒸気R1に含まれるミストを除去する除去手段D1と、低温再生器12で発生させた蒸気R3に含まれるミストを除去する除去手段D2を備えることにより、ミストに含まれる臭化リチウム等が最終的に凝縮器13から蒸発器14に送られる不都合を回避して高性能を維持している。
【0028】
図2〜図4に示すように、高温再生器11で発生させた蒸気R1からミストを除去する手段D1として、高温再生器11で発生させた蒸気R1を前記低温再生器12に導く蒸気経路に気液分離器を介在させている。この気液分離器は円盤状の上壁21Aと、円盤状の底壁21Bと、平面視で円筒形となる側壁21Cとを備えて全体的に密封された円筒形となるケース21を形成し、このケース21の側壁21Cの内面に対して接線方向に蒸気を案内するよう導入姿勢を設定して、蒸気供給部として気液導入管22を接続し、上壁21Aの中心位置に蒸気排出部としての蒸気排出管23を接続し、底壁21Bに排液管24を接続している。
【0029】
平面視において上壁21Aに接続した蒸気排出管23を中心として、ケース内面側に複数の案内片25を渦流を作り出す姿勢に配置するとともに、この複数の案内片25の下端に対して案内部材としてカップ状の導入壁26を形成し、この導入壁26の底部にドレン管27を接続している。前記蒸気排出管23を上壁21Aより下方に突出させることにより、この突出部分を案内部材として機能させている。
【0030】
この構成により、気液導入管22から導入された蒸気R1は、図2〜4において矢印で示すようにケース21の側壁21Cの内面に沿って旋回する状態で上昇する。このように旋回状態で上昇する際には、旋回時の遠心力によって蒸気R1に含まれるミストが蒸気R1から分離して側壁21Cの内面に付着する形態、あるいは、液滴状となる形態で自重により下方に送られる。また、上壁21Aの内面に沿って移動する蒸気R1は案内片25の部位に達して、図において矢印で示すように更に旋回する状態で導入壁26の内部で下方に移動し、蒸気排出管23の下端から上方に移動して送り出される。このように旋回状態で下方に送られる際にも、遠心力によって蒸気R1に含まれるミストは蒸気R1から分離して導入壁26の内面に付着する形態、あるいは、液滴状となる形態で自重により下方に送られた後、ドレン管27を通過してケース21の底部に回収されるのである。
【0031】
尚、同図においては、気液導入管22でケース内に導入された蒸気R1が旋回する方向と、複数の案内片25で蒸気R1が旋回する方向とを一致させているが、夫々の旋回方向を逆向きに設定することも可能であり、このように旋回方向を逆向きに設定した場合には、旋回方向が切り換わる際に蒸気R1の流れが停止し、失速状態となったミストを自重で落下させて除去回収できる。
【0032】
図5に示すように、前記低温再生器12は、ケースの底部に貯留された中濃度吸収液Lbの液面下に加熱体として前記加熱管12aを配置し、この加熱管12aに対して高温再生器11から前記除去手段D1を通じて送られる蒸気R2の熱による加熱により、該中濃度吸収液Lbを沸騰させて蒸気R3を発生させる構造を有するものであり(この蒸気R3を発生させる構造で蒸気供給部が構成されている)、また、前記凝縮器13はケースの上部に前記冷却器13aを配置し、底部に凝縮した冷媒R4を回収する構造を有するものであり、この低温再生器12から送られる蒸気R3に含まれるミストを除去するよう除去手段D2が構成されている。
【0033】
図5、図6に示すように、この除去手段D2としての気液分離器は、低温再生器12の液面より上方位置に配置された複数の遮蔽板30と、この低温再生器12から凝縮器13に蒸気R3を送る蒸気排出部に配置した複数のスリット状の開口を有するエリミネータ31とを備えて構成されている。
【0034】
前記遮蔽板30は、複数の遮蔽板30を平面視において重複する位置に配置することにより液面の全てを覆う位置に配置され、この複数の遮蔽板30の隙間を蒸気通過経路としている。夫々の遮蔽板30は図5に示す方向視で明らかなように蒸気R3の上昇を許す傾斜姿勢の案内面30Gを有すると共に、この案内面30Gの上端位置を下方に折り曲げて抑制片30Aを形成してある。遮蔽板30の低レベル位置には上下方向に貫通する微小幅のスリット30Sを一定間隔で複数形成してあり、この遮蔽板30の上面で液滴化した液や、エリミネータ31で除去したミストが集合した液をケース底部に戻せるよう構成している。
【0035】
前記エリミネータ31は側面視で逆「V」字状となる板材31Aを上下方向に設定された間隔を隔てて配置することにより板材31A同士の隙間を蒸気R3の流通部として構成している。尚、このエリミネータ31の下方位置に前記遮蔽板30を位置させており、このエリミネータ31で回収した液を前記スリット30Sに送るようになっている。
【0036】
この構成により、低温再生器12で発生した蒸気R3は上昇時に遮蔽板30に接触し、案内面30Gに接触した状態で上昇するものとなり、抑制片30Aの部位で下方に送られた後に、更に上昇する。このように遮蔽板30に沿って上昇する際、及び、抑制片30Aに接触して下方に送られる際には、蒸気R3に含まれるミストは液滴化して自重で落下してケース底部に戻される。特に、液面を覆う位置に複数の遮蔽板30を配置してあるので、沸騰により上方に飛散したミストが直接、凝縮器13の側に送られる不都合を阻止する。次に、低温再生器12の上方空間から凝縮器13の側に送られる蒸気R3はエリミネータ31の板材31Aと接触することにより蒸気R3に含まれるミストが液滴化し、板材31Aの端部から滴下して前記遮蔽板30のスリット30Sから低温再生器12の底部に戻される。これにより低温再生器12と凝縮器13とを隣接配置したものであるに拘わらず、低温再生器12で発生させた蒸気R3に含まれるミストを高能率で除去しているのである。
【0037】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように構成して実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0038】
(a)図7に示すように、高温再生器11で発生させた蒸気R1からミストを除去する除去手段D1としての気液分離器を、そのケース21の内部に上部空間と下部空間とを分離する位置に金属製の網材35を配置し、かつ、上壁21Aの下面に対して、この下面に沿って送られる蒸気R1の流れを下方に案内する抑制板36を配置する。この構成を採用することにより、ケース内で蒸気R1が上昇する際に網材35との接触により蒸気R1に含まれるミストの除去を行え、上壁12Aの下面に沿って蒸気排出管23の側に移動する蒸気R1を抑制板36に接触させ、強制的に下方に送ることでミストの除去を行えるものにしている。
【0039】
(b)図8に示すように、低温再生器12の液面より上方位置に配置された複数の遮蔽板30を側面視で3枚(3枚以上でも良い)備え、比較的小さい開口を形成した金属製の網材をエリミネータ31として配置する。この構成により、低温再生器12で発生した蒸気R3は上昇時に遮蔽板30に接触しやすくなりミストの除去が一層良好に行われるばかりか、沸騰により上方に飛散したミストが直接、凝縮器13の側に送られる不都合を一層良好に阻止するものとなり、しかも、エリミネータ31で蒸気R3が通過する際には、金属製の網材に対してミストを捕らえやすくなり更にミストを除去しやすいものにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】コージェネレーションシステムの構成図
【図2】高温再生器側の除去手段を示す斜視図
【図3】高温再生器側の除去手段の縦断側面図
【図4】高温再生器側の除去手段の横断平面図
【図5】低温再生器側の除去手段の縦断側面図
【図6】遮蔽板の配置を示す斜視図
【図7】別実施の形態(a)の除去手段を示す縦断側面図
【図8】別実施の形態(b)の除去手段を示す縦断側面図
【符号の説明】
12a 加熱体
21 ケース
21A 上壁
25 案内片
26、23 案内部材
30 遮蔽板
30G 案内面
31 エリミネータ
D1、D2 除去手段
Claims (5)
- 蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器であって、
ケース側壁に前記蒸気供給部を形成し、ケース上部に前記蒸気排出部を配置すると共に、
前記除去手段が、前記蒸気供給部から上昇する蒸気をケースの上部位置から下方に案内した後に上方に送ることにより前記蒸気排出部に導く案内部材と、平面視において前記蒸気排出部を中心として蒸気を旋回させて案内する姿勢で配置された複数の案内片とを備えて構成されている気液分離器。 - 前記ケースが平面視で円形となる内面を備えて構成され、このケースの上壁の中心位置に前記蒸気排出部を配置すると共に、前記蒸気供給部が、平面視においてケースの内面に対して接線方向に蒸気を送り込むよう送り込み方向を設定してある請求項1記載の気液分離器。
- 蒸気供給部と、この蒸気供給部からの蒸気に含まれるミストを取り除く除去手段と、この除去手段でミストが取り除かれた蒸気を送り出す蒸気排出部とを備えている気液分離器であって、
前記蒸気供給部が、ケース底部に貯留した液中に加熱体を配置して構成されると共に、
前記除去手段が、前記蒸気供給部の上方位置に配置した複数の遮蔽板で構成され、この複数の遮蔽板が平面視において液面を覆う位置に配置され、かつ、この複数の遮蔽板の隙間に蒸気通過経路を形成してある気液分離器。 - 前記遮蔽板が、蒸気の上昇を許す傾斜姿勢の案内面を有すると共に、この案内面の上端位置を下方に折り曲げてある請求項3記載の気液分離器。
- 前記遮蔽板を介して送り出された蒸気を横方向に送り出す位置に前記蒸気排出部が配置されると共に、この蒸気排出部に対して、複数の開口を有する、あるいは、複数のスリット状の開口を有するエリミネータを備えている請求項3又は4記載の気液分離器。
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