JP2010042993A - 合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】合せガラス用中間膜層に影響を与えることなく、中間膜層に機能性超微粒子を適宜分散し含有せしめることで、断熱性能や紫外線遮断性能や電波透過性能等の機能特性を付与する。
【解決手段】ポリビニルブチラール系樹脂組成物またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂組成物に、粒径が0.2〜0.001μmの導電性アンチモン含有錫酸化物超微粒子、又は導電性錫含有インジウム酸化物超微粒子から選ばれる機能性超微粒子を10.0〜0.01wt%混合混練により分散せしめて、日射透過率が65%以下の熱線遮蔽性能等を有する合せガラス製造用の中間膜用原料樹脂組成物を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリビニルブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂から
なる合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法に関する。
近年、建築用ガラスにおけるクリアや着色、断熱や紫外線遮断および電波透過等の機能付
与はもちろん、車輌用ガラスにおいても車内に通入する太陽輻射エネルギーを遮蔽し、車
内の温度上昇、冷房負荷を低減させる目的から熱線遮蔽ガラス、さらに人的物的両面や環
境に優しくするため紫外線遮蔽を付加したものが車輌用に採用されている。また最近は特
に該車輌用ガラスにおいて、グリーン色調で充分な可視光透過率を有しながら高熱線紫外
線遮蔽性能を持ちかつ各種電波の高透過性能が要求されるようになってきており、なかで
も微粒子あるいは超微粒子を合せガラスの中間層に分散したようなものとしては次のよう
なものが知られている。
例えば特開平2-22152 号公報(特許文献1)には、短波長光線遮断性合せガラス用中間膜
が記載されており、特定された一般式で表されるベンゾトリアゾール誘導体からなる群よ
り運ばれる少なくとも1種の光吸収剤と、少なくとも90重量%が 250〜400nmの粒径範囲
にある粒径分布の微粒子状無機物質とを含有する可塑化ポリビニルブチラール樹脂よりな
り、400nm 以下の波長の光を実質的に遮断し、かつ450nm以上の波長の光を実質的に透過
させるものが開示され、光吸収剤の含有量が0.4〜6 重量%であり、微粒子状無機物質の
含有量が 2〜17重量%であることが開示されている。
また例えば、特開平4-261842号公報(特許文献2)には、合わせガラスが記載されており
、有機ガラスと、透明体と、有機ガラス及び透明体間に配設された中間膜と、を有する合
わせガラスであって、中間膜が、ビニルシランをグラフト変性したエチレン・エチルアク
リレート共重合樹脂を含有する樹脂組成物にて形成されているものが開示され、樹脂組成
物が、ビニルシランをグラフト変性したエチレン・エチルアクリレート共重合樹脂100 重
量部と二酸化ケイ素微粒子3 〜30重量部とを含有することが開示されている。
特開平2-22152 号公報 特開平4-261842号公報
前述したような、例えば特開平2-22152 号公報等に記載された短波長光線遮断性合せガラ
ス用中間膜は、ポリビニルブチラール樹脂に添加される少なくとも90重量%が250 〜400n
m の粒径範囲にある粒径分布の微粒子状無機物質が光散乱剤として400nm 以下の紫外線部
分を散乱させるようにして光吸収剤の選択的吸収を促進し400nm 以下の波長の光を実質的
に遮断するとともに、例えば450 〜700nmの波長範囲で光線透過率が70%以上等、450nm
以上の波長の光を実質的に透過させ透明性を保持し、しかも100Wの白色電球像の縁におけ
る観察で濁りが無く、黄色味を示す波長420nm における光線透過率も50%以上であって、
良好な接着性を示すというものであるが、断熱性微粒子状無機物質の粒径が比較的大きい
ことはもちろんその添加量も例えば2 〜17重量%と多くすることが必要である。
また、例えば特開平4-261842号公報に記載された中間膜は、有機ガラスを使用するための
ものであって、ビニルシランをグラフト変性したエチレン・エチルアクリレート共重合樹
脂100 重量部に対し、粒径が0.1 〜400mμのコロイダルシリカや超微粒子シリカ等の二酸
化ケイ素微粒子3 〜30重量部を含有するようにしたものである。これは、粒径を400mμ以
下とすることで可視光線の波長(400〜780nm)より短いため、中間膜を通過する光の散乱を
防ぎ、その中間膜のくもり改善を効果的にしようとするものであるものの、そのくもり度
(ヘーズ)はJIS K6714 に基づく測定で4%以下程度であり、必ずしも充分な自動車用窓
ガラス、特にフロントガラス用樹脂膜とは言い難いものである。
本発明は、従来のこのような点に鑑みてなしたものであり、従来から使用されている合せ
ガラス用中間膜層に影響を与えることなく、中間膜層に機能性超微粒子を適宜分散し含有
せしめることで、断熱性能や紫外線遮断性能や電波透過性能等の機能特性を付与し、しか
もクリア乃至着色の色調の制御および透視性の確保や反射性とぎらつき感の防止等をバラ
ンスよくもたらしめ、従来の合せガラスと変わらない品質を得るようにでき、特殊成分組
成ガラスや特殊表面加工ガラスを必要とせず、かつ現在使用中の合せガラス製造ラインを
そのままで合せガラス化処理作業で行うことができ、例えばガラスとガラス、ガラスとプ
ラスチック、バイレイヤガラス等を安価にかつ容易にしかもガラスの大きさや形態に自由
自在に対応し得て製造でき、建築用窓材はもちろん自動車用窓材、飛行機用窓材、ことに
風防用ガラスにも充分適用でき、最近のニーズに最適なものとなる有用な機能的な合せガ
ラスを製造することのできる中間膜用樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法により、日射透過率が65%以下の熱線遮蔽性能を有する合せガラス用
中間膜用原料樹脂組成物であり、粒径が0.2〜0.001μmの熱線遮蔽性能をもたら
す機能性超微粒子を10.0〜0.01wt%混合混練により分散せしめてなるポリビニ
ルブチラール系樹脂組成物またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂組成物が得られる
すなわち、本発明は、(1)JIS R 3106による試験方法による可視光透過率が35%以上
で、日射透過率が65%以下で、JIS K6714 に準拠して求めたヘーズ値〔くもり度〕H が
3%以下である合せガラス製造用の中間膜用樹脂組成物の製造方法において、ポリビニル
ブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を溶解する溶剤に粒径が0
.2μm以下0.001μm以上の導電性アンチモン含有錫酸化物超微粒子、又は導電性
錫含有インジウム酸化物超微粒子から選ばれる機能性超微粒子を分散した後、当該溶剤に
可塑剤とともにポリビニルブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂
を溶解させ混合混練することによって機能性超微粒子を10.0〜0.01wt%分散し
た樹脂組成物とすることを特徴とする合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法、であ
る。
また、本発明は、(2)JIS R 3106による試験方法による可視光透過率が35%以上で、
日射透過率が65%以下で、JIS K6714 に準拠して求めたヘーズ値〔くもり度〕H が3%
以下である合せガラス製造用の中間膜用樹脂組成物の製造方法において、ガラス転移点で
ある55〜90℃の温度以上に加熱して軟化したポリビニルブチラール系樹脂またはエチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂に粒径が0.2μm以下0.001μm以上の導電性ア
ンチモン含有錫酸化物超微粒子、又は導電性錫含有インジウム酸化物超微粒子から選ばれ
る機能性超微粒子を直接添加し混合混練することによって機能性超微粒子を10.0〜0
.01wt%分散した樹脂組成物とすることを特徴とする合せガラスの中間膜用樹脂組成
物の製造方法、である。
また、本発明は、(3)混合混練する前に有機系紫外線吸収剤、有機系熱線吸収剤あるい
は顔料の各単独もしくはこれらを組み合わせて添加することを特徴とする上記(1)又は
(2)の合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法、である。
また、本発明は、(4)前記機能性超微粒子が、当該各単独物、または当該単独物に有機
樹脂物を含む混合物または有機樹脂物を被覆した被膜物であることを特徴とする上記1又
は(2)に記載の合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法、である。
また、本発明は、(5)前記中間膜がヘーズ値H が1%以下の自動車用合せガラス用中間
膜であり、前記機能性超微粒子を2.0〜0.01wt%分散した樹脂組成物とすること
を特徴とする上記(1)又は(2)の合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法、であ
る。
以上前述したように、本発明は、粒径0.2μm 以下0.001μm以上の導電性アンチ
モン含有錫酸化物超微粒子、又は導電性錫含有インジウム酸化物超微粒子から選ばれる機
能性超微粒子を合せガラス用中間膜材料として従来から用いられている樹脂に分散含有さ
せる方法を可能にしたことにより中間膜として用いたときに断熱性能や紫外線遮断性能や
電波透過性能等の機能特性を付与し、しかもクリア乃至着色の色調の制御およびヘーズ値
が極めて低く優れた透視性の確保ならびに反射性とぎらつき感の防止等をバランスよくも
たらしめ、従来の合せガラスと変わらない品質を得るようにでき、現在使用中の合せガラ
ス製造ラインをそのままで合せガラス化処理と作業で行うことができる。
本発明は、JIS R 3106による試験方法による可視光透過率が35%以上で、日射透過率が
65%以下で、JIS K6714 に準拠して求めたヘーズ値〔くもり度〕H が3%以下である合
せガラス製造用の中間膜用樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明の製造方法において、中間膜が、ポリビニルブチラール系樹脂膜(PVB系) 、あるい
はエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂膜(EVA系) であるとしたのは、これらが合せガラ
ス用中間膜として汎用性のものであるから好ましく、合せガラスとしての品質をニーズに
整合し得るような中間膜層となるものであれば特に限定するものではない。具体的には可
塑性PVB 〔積水化学工業社製、三菱モンサント社製等〕、EVA 〔デュポン社製、武田薬品
工業社製、デュラミン〕、変性EVA 〔東ソー社製、メルセンG〕等である。なお、紫外線
吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添
加配合する。
なお、中間膜として、本超微粒子入り中間膜と従来の中間膜とを、例えば両者を重ね合わ
せるあるいは本超微粒子入り中間膜を従来の中間膜でサンドイッチする等の構成とするも
のとしてもよい。
ここで、前記したように、中間膜層の中に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子を分散
せしめてなるものとしたのは、可視光域の散乱反射を抑制しながら、例えば日射透過率が
65%以下である等の熱線遮蔽性能等が得られるように超微粒子の機能特性を充分発揮しつ
つ、超低ヘーズ値、電波透過性能、透明性を確保するためと、超微粒子を含有せしめても
従来の合せガラス用中間膜として例えば接着性、透明性、耐久性等の物性を維持し、通常
の合せガラス製造ラインで通常作業で合せガラス化処理ができるようにするためである。
好ましくは粒径が0.15μm 以下程度であり、より好ましくは約0.10〜0.001 μm 程度であ
る。なお粒径分布の範囲については、例えば約0.03〜0.01μm 程度と均一化されているこ
とがよい。
また、中間膜層への機能性超微粒子の混合割合が10.0wt%以下であるとしたのは、可視光
域の散乱反射を抑制しながら、例えば日射透過率が65%以下等熱線遮蔽性能等超微粒子の
機能特性を充分発揮する量を確保し、さらに超低ヘーズ値、電波透過性能、透明性である
ようにし、しかも超微粒子を含有せしめても従来の合せガラス用中間膜として例えば接着
性、透明性、耐久性等の物性を維持し、通常の合せガラス製造ラインによる通常作業で合
せガラス化処理ができるようにするためで、前記粒径とも深い関係にあり、10.0wt%を超
えるようになると次第に上記要件を特に自動車用窓材はもちろん建築用窓材としても実現
し難くなるためである。
ことに例えば建築用合せガラス向けとして可視光透過率Tvが35%以上の場合は無機顔料系
超微粒子の混合割合が約10〜0.1 wt%程度必要であり、建築用としては約9〜0.01wt%程
度、より好ましくは8〜0.05wt%程度であり、自動車用としては好ましい混合割合として
は約2.0 〜0.01wt%程度、より好ましくは1.5 〜0.05wt%程度、さらに好ましくは1.0 〜
0.1wt %程度である。いずれにしても合せガラスとしての性能保持とめざす機能性能との
兼ね合いでその混合割合(含有量)は決定されるものである。
またさらに、導電性アンチモン含有錫酸化物超微粒子、又は導電性錫含有インジウム酸化
物超微粒子から選ばれる機能性超微粒子が、当該各単独物、または当該単独物に有機樹脂
物を含む混合物または有機樹脂物を被覆した被膜物であるものとしたのは、各単独もしく
は、混合物、被膜物として断熱性能、紫外線遮蔽性能、着色性能、遮光性等を適宜発現し
、建築用や自動車用に求められる種々の機能性および性能を合せガラスとして発現せしめ
るためである。
また前記機能性超微粒子の市販品としては、例えば9wt%Sb2O3-SnO2(ATO) 〔住友大阪セメ
ント社製〕、In2O3-5wt%SnO2(ITO) 〔三菱マテリアル社製〕等が挙げられ、またATO やIT
O は自動車用としてその要件を備え特に好ましいものである。
またさらに、有機系紫外線吸収剤あるいは有機系熱線吸収剤については、有機系紫外線吸
収剤としては例えば2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-
ヒドロキシ-3',5'- ジ・tert- ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ
-3'-tert- ブチル-5'-メチルフェニル) -5- クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキ
シ-3',5'- ジ・tert- ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ
-3',5'- ジ・tert- アミルフェニル) ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系誘導
体、また例えば2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェ
ノン、2-ヒドロキシ-4- オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- ドデシルオキシベ
ンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4
,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-5- スルホベンゾフェノン等
のベンゾフェノン系誘導体、また2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレ
ート、エチル-2- シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系誘導体
などが挙げられる。具体的には例えばTINUVIN327〔チバガイギー社製〕等である。
さらに有機系熱線吸収剤としては例えばNIR-AM1 〔帝国化学産業社製〕、ことに近赤外線
吸収剤としてはSIR-114 、SIR-128 、SIR-130 、SIR-132 、SIR-169、SIR-103 、PA-1001
、PA-1005 〔三井東圧化学社製〕等が挙げられる。特に建築用や自動車用に求められる
合せガラスの品質を維持しつつ発揮するものであれば、限定することなく使用できること
は言うまでもない。
さらに、有機樹脂物としてはPTFEなどのフッ素樹脂、シリコ−ンレジン、シリコ−ンゴム
などの有機樹脂の微粒子が挙げられ、これらはPVB 膜とガラスなどの透明板との接着強度
を低減するために用いられる。すなわちATO 、ITO などの金属酸化物は規格以上の接着強
度を付与するようなことが起こりうるために、パンメル値を適宜下げて調整し規格値内に
下げるために、例えば前記ガラス表面へのプライマ−塗布、前記フッ素樹脂、シリコ−ン
レジン、シリコ─ンゴム等の有機樹脂を被覆した被膜物などと同様の目的で用いる。
ポリビニルブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を溶解する溶剤
に粒径が0.2μm以下0.001μm以上の機能性超微粒子を分散した後、当該溶剤に
可塑剤とともにポリビニルブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂
を溶解して混合混練する方法において、前記PVB 系樹脂を溶解する溶剤としては、例えば
エチルアルコ−ル、n-プロピルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n-ブチルアルコ−
ル、メチレンクロライド、メチルエチルケトン等が挙げられる。さらにまた、前記EVA 系
樹脂を溶解する溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、メチレンクロライド等が挙げ
られる。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート(DOP) 、ジイソデシルフタレート(DIDP)、
ジトリデシルフタレート(DTDP)、ブチルベンジルフタレート(BBP) などのフタル酸エステ
ル、またトリクレシルホスフェート(TCP) 、トリオクチルホスフェート(TOP) などのリン
酸エステル、またトリブチルシトレート、メチルアセチルリシノレート(MAR) などの脂肪
酸エステル、またトリエチレングリコール・ジ-2- エチルブチレート(3GH) 、テトラエチ
レングリコール・ジヘキサノールなどのポリエーテルエステルなど、またさらにこれらの
混合物が挙げられる。
さらに、機能性超微粒子を分散する手法として可塑剤や溶剤を使用しない別の方法として
、ガラス転移点である55〜90℃の温度以上に加熱して軟化したポリビニルブチラール
系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂に粒径が0.2μm以下0.001μ
m以上の機能性超微粒子を直接添加し混合混練することによって機能性超微粒子を10.
0〜0.01wt%分散した樹脂組成物を製造する方法でもよい。
さらに、前記中間膜用原料樹脂の膜化方法として用いられる方法は、常法の型押出し法ま
たはカレンダーロール法等である。中間膜の膜厚としては約0.2 〜1.2mm 程度、好ましく
は約0.3 〜0.9mm 程度である。
さらに、前記合せガラス化処理としては、オートクレーブ法、減圧下で常温から120 ℃ま
で昇温する中で80〜120 ℃の温度範囲で20〜30分間の加熱等であり、膜表面に均一な凹凸
のしぼを設ける。なお、場合によって種々の簡易な合せガラス化処理を適宜適用できるこ
とは言うまでもない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明は係る実施例に限定される
ものではない。
合せガラスを製造するために下記の実施例1,2の方法により得られた中間膜用原料樹脂
を型押出機にて190 ℃前後で厚み約0.8mm 程度にフィルム化しロールに巻き取り樹脂膜(
フィルム)を製造した。なお、フィルム表面には均一な凹凸のしぼを設けた。
次に大きさ約300mmx300mm 、厚さ約2.3mm のクリアガラス基板(FL2.3) を2枚用意し、該
基板と同じ大きさに前記フィルムを裁断し、調製した中間膜を該2枚のクリアガラス基板
の間に挟み積層体とした。次いで該積層体をゴム製の真空袋に入れ、袋内を脱気減圧し、
約80〜110 ℃程度で約20〜30分程度保持した後一旦常温までにし、袋から取り出した積層
体をオートクレーブ装置に入れ、圧力約10〜14kg/cm2 、温度約110 〜140 ℃程度で約20
〜40分間程度の加圧加熱をして合せガラス化処理をした。
得られた合せガラスについて下記の測定および評価を行った。
〔光学特性〕:分光光度計(340 型自記、日立製作所製)で波長340 〜1800nmの間の透過
率を測定し、JIS R 3106(「板ガラスの透過率・反射率・日射熱取得熱試験方法」)によ
って可視光透過率Tv(380〜780nm)、日射透過率Ts(340〜1800nm) を求め、JIS Z 8722(「
物体色の測定方法」)又はJIS Z 8701(「XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系による色の表示
方法」)によって、刺激純度(%)、色調等を求めた。
〔くもり度〕:ヘーズ値H をJIS K6714 に準拠して行い求めた。建築用としては3%以下
、自動車用としては1%以下を合格とした。
〔電波透過性〕:KEC 法測定(電界シールド効果測定器)によって、電波10〜1000MHzの
範囲の反射損失値(dB)を通常の板厚3mm のクリアガラス(FL3t)単板品と対比。その差の
絶対値(△dB)が2dB以内を合格とした。
〔接着性〕: −18±0.6 ℃の温度で16±4 時間放置し調整後、ハンマー打でのガラスの
剥離での中間膜露出程度。少ないものを合格とした。
〔耐熱性〕: 100 ℃の煮沸水中にて2 時間程度煮沸した後、周辺10mmを除き、残りの部
分での泡の発生、くもり、ガラスのひび割れ等の異常がないものを合格とした。
〔耐湿性〕: 50±2 ℃、相対湿度95±4 %の調整内に2週間静置した後、泡の発生、く
もり、ガラスのひび割れ等の異常がないものを合格とした。
〔電気的特性〕:三菱油化製表面高抵抗計(HIRESTA HT-210)によって測定。
(シート抵抗値)(M Ω/口)。10M Ω/口以上合格。
〔なお、基本的にはJIS R 3212等安全ガラス、特に合せガラスの項に準拠。〕
20wt%ATO 超微粒子(前記住友大阪セメント社製;粒径0.02μm以下)分散メチルエ
チルケトン溶液10gと3GH(トリエチレングリコール・ジ-2- エチルブチレート)150gをPV
B(ポリビニルブチラール) 樹脂 490gに添加し、接着調整剤、紫外線吸収剤などとともに
3本ロ−ルのミキサーにより約80℃で約20mmHgに減圧しながら約1時間程度加熱練り込み
混合した。これを上記の方法でフィルム化し厚み約0.8mm 程度の中間膜用樹脂膜を得た。
次いで上記の方法で合せガラス化処理をした。
得られた合せガラスは、Tvが76.4%、Tsが51.6%、Hが0.4 %等優れた光学特性ならびに
電波透過性、品質等の各物性をバランスよく示し上記合格基準を満たす所期のものであっ
た。
約100 ℃程度に加熱して水飴状になったPVB(ポリビニルブチラール) 樹脂 490gにATO 超
微粒子(前記住友大阪セメント社製;粒径0.02μm以下)2gを添加し、紫外線吸収
剤などとともに3本ロ−ルのミキサーにより約80℃程度で約1時間程度加熱練り込み混合
した。これを上記の方法でフィルム化し厚み約0.8mm 程度の中間膜用樹脂膜を得た。次い
で上記の方法で合せガラス化処理をした。
得られた合せガラスは、Tvが77.5%、Tsが55.7%、Hが0.2 %等優れた光学特性ならびに
電波透過性、品質等の各物性をバランスよく示し上記合格基準を満たす所期のものであっ
た。なお、パンメル値については、適宜建築用あるいは自動車用として調整して用いるこ
とができることは言うまでもない。
前述したとおり、本発明の製造方法によって、着色、熱線や紫外線遮断膜、電波透過等各
種の機能性能を有する粒径が0.2μm 以下である前記超微粒子を従来から使用されてい
る合せガラス用中間膜用樹脂組成物に分散含有せしめたことにより、得られた樹脂膜は、
従来から使用されている合せガラス用中間膜層に影響を与えることなく、断熱性能や紫外
線遮断性能や電波透過性能等の機能特性を付与し、しかもクリア乃至着色の色調の制御お
よびヘーズ値が極めて低く優れた透視性の確保ならびに反射性とぎらつき感の防止等をバ
ランスよくもたらしめ、例えば自動車用安全ガラスに係わるJIS R 3212の各試験等をクリ
アする等、従来の合せガラスと変わらない品質を得ることができ、特殊成分組成ガラスや
特殊表面加工ガラスを必要とせず、かつ現在使用中の合せガラス製造ラインをそのままで
合せガラス化処理と作業で行うことができ、安価にかつ容易にしかもガラスの大きさや形
態に自由自在に対応し得て合せガラスを得ることができるものである。

Claims (5)

  1. JIS R 3106による試験方法による可視光透過率が35%以上で、日射透過率が65%以下
    で、JIS K6714 に準拠して求めたヘーズ値〔くもり度〕H が3%以下である合せガラス製
    造用の中間膜用樹脂組成物の製造方法において、
    ポリビニルブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を溶解する溶剤
    に粒径が0.2μm以下0.001μm以上の導電性アンチモン含有錫酸化物超微粒子、
    又は導電性錫含有インジウム酸化物超微粒子から選ばれる機能性超微粒子を分散した後、
    当該溶剤に可塑剤とともにポリビニルブチラール系樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重
    合体系樹脂を溶解させ混合混練することによって機能性超微粒子を10.0〜0.01w
    t%分散した樹脂組成物とすることを特徴とする合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造
    方法。
  2. JIS R 3106による試験方法による可視光透過率が35%以上で、日射透過率が65%以下
    で、JIS K6714 に準拠して求めたヘーズ値〔くもり度〕H が3%以下である合せガラス製
    造用の中間膜用樹脂組成物の製造方法において、
    ガラス転移点である55〜90℃の温度以上に加熱して軟化したポリビニルブチラール系
    樹脂またはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂に粒径が0.2μm以下0.001μm
    以上の導電性アンチモン含有錫酸化物超微粒子、又は導電性錫含有インジウム酸化物超微
    粒子から選ばれる機能性超微粒子を直接添加し混合混練することによって機能性超微粒子
    を10.0〜0.01wt%分散した樹脂組成物とすることを特徴とする合せガラスの中
    間膜用樹脂組成物の製造方法。
  3. 混合混練する前に有機系紫外線吸収剤、有機系熱線吸収剤あるいは顔料の各単独もしくは
    これらを組み合わせて添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の合せガラスの中
    間膜用樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記機能性超微粒子が、当該各単独物、または当該単独物に有機樹脂物を含む混合物また
    は有機樹脂物を被覆した被膜物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合せガラ
    スの中間膜用樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記中間膜がヘーズ値H が1%以下の自動車用合せガラス用中間膜であり、前記機能性超
    微粒子を2.0〜0.01wt%分散した樹脂組成物とすることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の合せガラスの中間膜用樹脂組成物の製造方法。
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KR102410094B1 (ko) * 2021-12-01 2022-06-16 한밭대학교 산학협력단 용해 eva 및 진주광택 안료를 포함하는 bipv용 컬러유리의 제조방법

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