JP2005089245A - 合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中間膜の少なくとも一つの表面に、近赤外線を選択的に反射する、シート抵抗値が1kΩ/口〜10GΩ/口の範囲にある赤外線反射膜を形成する。赤外線反射膜は、低屈折率層と高屈折率層とが周期的に積層された膜、あるいは、赤外域に吸収及び反射を有する金属、酸化物、窒化物を単層または交互に積層したものである。
【選択図】 図1
Description
さらに、ガラスとガラス、ガラスと合成樹脂板、バイレヤー等の合わせガラスとして使用可能であり、色調も無色から各種色調を選択することができ、建築、自動車あるいは飛行機などの開口部に用いられる窓ガラスに、電波透過型の高断熱合わせガラスを提供するものである。
機能性超微粒子には、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物あるいはSbやFのドープ物の各単独物、もしくはこれらの中から少なくとも2種以上を選択してなる複合物、さらに当該各単独物もしくは複合物に有機樹脂物を含む混合物または有機樹脂物を被覆した被膜物から選ばれるか、あるいはアンチモンドープ錫酸化物および/または錫ドープインジウム酸化物等、導電性を有する超微粒子を用いることが望ましい。
赤外線反射膜は、透明ガラス板状体に塗膜し、塗膜された熱線反射膜を中間膜側に配置するようにして積層し、合わせガラスとすることが、赤外線反射膜の耐候性の問題を解消できるので好ましい。
赤外線反射膜は、機能性合わせ中間膜に成膜するのが好ましいが、機能性微粒子が分散されていない通常の中間膜に赤外線反射膜を成膜し、機能性合わせ中間膜と重ねて用いてもよい。このとき、赤外線反射膜は、中間膜の間に位置させても、ガラス面に位置させてもよい。
機能性合わせ中間膜をロールに巻取り、スパッタリング設備内に搬入し、その後スパッタリング装置を用いて下記手順で被膜を形成した。先ず、スパッタリング装置に、成膜に必要な金属ターゲットを取り付けたのち、成膜前に真空度が10-3Pa程度となるまでスパッタリング装置内を排気する。
(1)機能性合わせ中間膜の作製
20重量%ITO超微粒子(粒径0.02μm以下)を分散含有させたBBP(ブチルベンジルフタレート)10gと通常のBBP90gをPVB(ポリビニルブチラール)樹脂322gに添加し、他の紫外線吸収剤等とともに3本のロールのミキサーにより約70℃で約15分間練り込み混合した。得られた成膜用原料樹脂を型押出機にて190℃前後で厚み約0.8mmにフィルム化し、ロールに巻き取り機能性合わせ中間膜を作製した。なお、フィルム表面には均一な凹凸のしぼを設けた。
機能性合わせ中間膜をロールに巻取り、スパッタリング設備内に搬入し、その後スパッタリング装置を用いて下記手順で被膜を形成した。先ず、スパッタリング装置に、成膜に必要な金属ターゲットを取り付けたのち、成膜前に真空度が10-3Pa程度となるまでスパッタリング装置内を排気した。
真空チャンバー内のターゲットの下方にドラムロールを設け、該ドラムロール上を一定張力に貼られた機能性合わせ中間膜が巻き付けられて移動する時に、電力が印加されたターゲットより所定の膜を機能性合わせ中間膜上に成膜した。
成膜は、各ターゲットの成膜室のガス雰囲気が独立した状態で行った。最初の成膜室では、成膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O2:Ar=95:5)に保持し、Znターゲットにより第1層目としてZnOを14nm成膜した。次の成膜室では、成膜室の雰囲気をアルゴン雰囲気(Ar=100)に保持し、SSTターゲットにより2層目としてのSSTを8nm成膜した。次の成膜室としては、成膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O2:Ar=95:5)に保持し、Znターゲットにより3層目としてのZnOを14nm成膜した。成膜後の機能性合わせ中間膜は真空中でロールに巻き取った。
(3)合わせガラスの作製
前記(1)、(2)で作製した、赤外線反射膜付きの機能性合わせ中間膜を用い、厚みが2mmのフロート板ガラスを透明ガラス板状体に用いて、合わせ加工して、図1に示すような合わせガラスを作製した。
透明ガラス板状体1、2の間に赤外線反射膜を形成した機能性合わせ中間膜3を挿入して重ね、透明ガラス板状体1,2のエッジからはみ出た機能性合わせ中間膜3をエッジに沿って裁断した。次いで、該重ね合わせた透明ガラス板状体5をゴム製の真空袋に入れ、袋内を脱気減圧し、80〜110℃で20〜30分保持した後一旦常温までし、袋から取り出してオートクレーブ装置に入れ、圧力約10〜14kg/cm2、温度110〜140℃で20分間、加圧加熱して、合わせガラス加工し、本発明の合わせガラスを作製した。
なお、接着性、耐熱性および耐湿性の評価は、JIS R 3212安全ガラスに準処した。
実施例2から実施例11は、透明板状体に形成した赤外線反射膜のみが実施例1と異なるもので、そのほかは全て実施例1と同様にして作製した合わせガラスである。
得られた高断熱合わせガラスを評価した結果、表2に示すように、実施例2から実施例11のいずれの合わせガラスも、比較例1比べて日射透過率が低く、赤外線遮蔽断熱性能の良い合わせガラスが得られた。また、各実施例の赤外線反射膜のシート抵抗値は高抵抗であり、電波透過性のよいものであった。
赤外線反射膜を設けない他は全て実施例1と同じにして合わせガラスを作製した。評価結果は、表1に示すように可視光線透過率は87.9%、可視光線反射率は8.5%、日射透過率は68.1%、日射反射率は5.7%であった。
赤外線反射膜として、Ag膜を用いるいわゆるLOW−Eと呼ばれる膜を用い、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。評価の結果、表1に示すように可視光線透過率は74.9%、可視光線反射率は14.1%、日射透過率は52.0%、日射反射率は27.5%であり、日射透過率は実施例1から実施例11に比較し低く、断熱性能に優れているが、熱線反射膜はシート抵抗値が7Ω/□であり、電波透過性能はほとんどなかった。
3:機能性合わせ中間膜
4:赤外線反射膜
5:合わせガラス
Claims (5)
- 少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間に中間膜層を有する合わせガラスにおいて、該中間膜層の中に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子を分散せしめ、該機能性超微粒子は、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物またはSbやFのドープ物の各単独物、もしくはこれらの中から少なくとも2種以上を選択してなる複合物、あるいは当該各単独物もしくは複合物に有機樹脂物を含む混合物、あるいは当該各単独物もしくは複合物を被覆した被膜物、あるいはアンチモンドープ錫酸化物および/または錫ドープインジウム酸化物でなり、中間膜の少なくとも一つの表面に、近赤外線を選択的に反射する、シート抵抗値が1kΩ/口〜10GΩ/口の範囲にある赤外線反射膜が形成されてなることを特徴とする合わせガラス。
- 赤外線反射膜が、低屈折率層と高屈折率層とが周期的に積層された構成の膜であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
- 赤外線反射膜が、赤外域に吸収及び反射を有する金属、酸化物、窒化物を単層及び交互に積層されたものであることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
- 赤外線反射膜のシート抵抗値が、1kΩ/□以上であり、建物の窓に使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の合わせガラス。
- 赤外線反射膜のシート抵抗値が、20kΩ/□であり、車両の窓に使用することを特徴とする請求項1乃至3に記載の合わせガラス。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009285864A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Bridgestone Corp | 熱線遮蔽膜、及びこれを用いた熱線遮蔽性合わせガラス |
US7760424B2 (en) | 2006-06-22 | 2010-07-20 | Toyoda Gosei Co., Ltd. | Infrared reflecting device |
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2003
- 2003-09-17 JP JP2003325047A patent/JP2005089245A/ja active Pending
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JP2009285864A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Bridgestone Corp | 熱線遮蔽膜、及びこれを用いた熱線遮蔽性合わせガラス |
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