JP2005089245A - 合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】合わせ中間膜中に熱線遮蔽性を有する導電性超微粒子を分散させてなる断熱合わせガラスは、1000nm以下の近赤外領域の反射率が小さく、断熱性能が十分なものとは言い難い。
【解決手段】中間膜の少なくとも一つの表面に、近赤外線を選択的に反射する、シート抵抗値が1kΩ/口〜10GΩ/口の範囲にある赤外線反射膜を形成する。赤外線反射膜は、低屈折率層と高屈折率層とが周期的に積層された膜、あるいは、赤外域に吸収及び反射を有する金属、酸化物、窒化物を単層または交互に積層したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両用窓ガラス、建築用窓ガラス等に用いられる赤外線(熱線)反射性、電波透過性に優れる合わせガラスに関する。
近年、建築用ガラス又は車輌用ガラスにおいて室内或いは車内に通入する太陽輻射エネルギーを遮蔽し、室内或いは車内の温度上昇、冷房負荷を低減させる目的から熱線(赤外線)遮蔽性を有する断熱ガラスが、さらに車輌用ガラスにおいては人的、物的両面や環境に優しくするため紫外線遮蔽を付加したものが採用されている。
なかでも、最近、導電性超微粒子を合わせガラス用中間膜中に分散した断熱合わせガラスは、前記断熱性、紫外線遮蔽性とともに可視光線透過性、電波透過性等にも優れるために、それらに関する特許出願がなされつつある。
例えば、特許文献1には、2枚の透明ガラス板状体の間に中間層を有する合わせガラスにおいて、該中間膜層中に0.2μm以下の導電性等の機能性を有する微粒子を分散させた合わせガラスが開示されており、特許文献2には、一対のガラスと該ガラスの間に設けた軟質樹脂からなる合わせガラスにおいて、該軟質樹脂層は熱線遮断性金属酸化物を含有してなる合わせガラスが開示されている。
また、特許文献3には、少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間に3層からなる合わせ中間膜を設けた合わせガラスにおいて、該3層中の第2層の中間膜中に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子を分散させてなる合わせガラスが、特許文献4には、粒径0.1μm以下の熱線遮蔽性無機化合物が分散した可塑剤を透明樹脂に添加し、この透明樹脂を成形することを特徴とする透明樹脂成形体の製造方法が開示されている。
太陽光線の中でも、780nm以上の波長をもつ赤外線(特に、波長780nmから2100nmの近赤外線)は、熱的作用が大きく物質に吸収されると熱として放出され温度上昇をもたらすことから熱線(赤外線)と呼ばれ、窓ガラスから入る赤外線を遮断すれば車輌や建築物の温度上昇を抑えることによって断熱性を高めることができる事が知られている。
特開平8−259279号公報 特開平8−217500号公報 特開平10−297945号公報 特許第3040681号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の、合わせ中間膜中に熱線遮蔽性を有する導電性超微粒子を分散させてなる断熱合わせガラスは、合わせ中間膜中に熱線遮蔽性超微粒子を含有しない汎用の合わせ中間膜を用いた通常の合わせガラスと比較して熱線反射性能は格段に向上するが、赤外線でもエネルギーの大きい約1000nm以下の近赤外領域の反射率が小さく、断熱性能が十分なものとは言い難い。
また、一般にLow−Eと呼ばれる銀等の貴金属を積層したコーティングは、熱線を反射することにより吸収エネルギー量を低減でき効果的であるが、大気中の水分により容易に劣化したり、ガラスアンテナやETC等で利用される車輌通信システムの電波を減衰する問題を有していた。
本発明は、従来技術のこのような問題点に鑑みてなしたものであり、導電性超微粒子を合わせ中間膜中に分散させた中間膜(以後機能性合わせ中間膜と呼ぶ)を用いるとともに、近赤外線の特定領域の波長を選択的に反射する赤外線反射膜を機能性合わせ中間膜に設け、電波透過性能を有する、非常に高性能な断熱合わせガラスを提供する。
すなわち、本発明の合わせガラスは、少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間に中間膜層を有する合わせガラスにおいて、該中間膜層の中に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子を分散せしめ、該機能性超微粒子は、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物またはSbやFのドープ物の各単独物、もしくはこれらの中から少なくとも2種以上を選択してなる複合物、あるいは当該各単独物もしくは複合物に有機樹脂物を含む混合物、あるいは当該各単独物もしくは複合物を被覆した被膜物、あるいはアンチモンドープ錫酸化物および/または錫ドープインジウム酸化物でなり、中間膜の少なくとも一つの表面に、近赤外線を選択的に反射する、シート抵抗値が1kΩ/口〜10GΩ/口の範囲にある赤外線反射膜が形成されてなることを特徴とする合わせガラスである。
また、本発明の合わせガラスは、前記赤外線反射膜が、低屈折率層と高屈折率層とが周期的に積層された構成の膜であることを特徴とする合わせガラスである。
また、本発明の合わせガラスは、前記赤外線反射膜が、赤外域に吸収及び反射を有する金属、酸化物、窒化物を単層または積層されたものであることを特徴とする合わせガラスである。
また、本発明の合わせガラスは、赤外線反射膜のシート抵抗値が、1kΩ/□以上であり、建物の窓に使用することを特徴とする合わせガラスである。
また、本発明の合わせガラスは、赤外線反射膜のシート抵抗値が、20kΩ/□であり、車両の窓に使用することを特徴とする合わせガラスである。
本発明の高断熱合わせガラスは、電波を透過し、高い熱線遮蔽性能を有する合わせガラスを提供するものである。
本発明による高断熱合わせガラスは電波塔か性能を有し、AM電波、FM電波、TV電波帯等の放送における受信障害などの低減をすることができ、フロートガラスと同等の電波透過性能を有するので、車輌用のテレビ、ラジオ、携帯電話等のためのガラスアンテナの受信性能を低下させることなく、あるいはゴースト現象等の電波障害を低減することができ、本来のガラスアンテナ性能を発揮させ、車輌内外での快適な環境を確保することができる。
さらに、ガラスとガラス、ガラスと合成樹脂板、バイレヤー等の合わせガラスとして使用可能であり、色調も無色から各種色調を選択することができ、建築、自動車あるいは飛行機などの開口部に用いられる窓ガラスに、電波透過型の高断熱合わせガラスを提供するものである。
本発明は、機能性超微粒子が分散させられている機能性合わせ中間膜を用いて、少なくとも2枚の透明ガラス板状体が積層され合わせガラスであり、しかも、該中間膜の少なくとも1つの面に、電波透過性能を有する赤外線反射膜が形成されたものである。図1は、赤外線反射膜4が形成されている機能性合わせ中間膜3を用いてなる、本発明の合わせガラスの簡単な構成例である。
中間膜に分散させる機能性超微粒子の粒径を0.2μm以下とするのは、可視光域の散乱反射を抑制しながら赤外線(熱線)を遮蔽する等の超微粒子の機能特性を充分発揮しつつ、超低ヘーズ値、電波透過性能、透明性を確保するためと、超微粒子を含有せしめても従来の合わせ中間膜として、例えば、接着性、透明性、耐久性等の物性を維持し、通常の合わせガラス製造ラインの通常作業で合わせガラス化処理ができるようにするためである。
なお、粒径は0.15μm以下が好ましく、より好ましくは約0.10〜0.001μmである。なお粒径分布の範囲については、例えば0.03〜0.01μmと均一化されていることがよい。
また、合わせ中間膜への機能性超微粒子の混合割合は10.0重量%以下であることが好ましい。10.0重量%以下とすることにより、超微粒子の粒径と同様に、可視光域の散乱反射を抑制しながら熱線を遮蔽するという機能特性を充分発揮させ、さらに、超低ヘーズ値、電波透過性能、透明性であるようにし、しかも、超微粒子を含有せしめても従来の合わせ中間膜として、例えば、接着性、透明性、耐久性等の物性を維持し、通常の合わせガラス製造ラインによる通常作業で合わせガラス化処理ができるようにするためである。
機能性超微粒子の混合割合が10.0重量%を超えるようになると、透明性、電波透過性、接着性などを、特に自動車用窓ガラスはもちろん建築用窓ガラスとしても実現し難くなるためである。例えば、建築用の高断熱合わせガラスの場合は、混合割合が10〜0.1重量%必要であり、より好ましくは8.0〜0.05重量%であり、自動車用の場合には、好ましい混合割合としては約2.0〜0.01重量%、より好ましくは1.5〜0.05重量%、さらに好ましくは1.0〜0.1重量%である。いずれにしても、合わせガラスとしての性能保持とめざす機能性能との兼ね合いでその混合割合(含有量)は適宜決定することが望ましい。
機能性合わせ中間膜用の樹脂としては、ポリビニルブチラール系樹脂膜(PVB系)、あるいはエチレンー酢酸ビニル共重合体系樹脂膜(EVA系)を用いることが出来、これらが合わせ中間膜として汎用性のものであるから好ましく、合わせガラスとしての品質をニーズに整合し得るような合わせ中間膜となるものであれば特に限定するものではない。具体的には可塑性PVB[積水化学工業社製、三菱モンサント社製等]、EVA[デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン]、変性EVA[東ソー社製、メルセンG]等である。なお、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調製剤等を適宜添加配合する。特に、紫外線吸収剤を合わせ中間膜用樹脂に添加すると、赤外線とともに紫外線をもカットできるので人的、物的両面や環境に優しくなりより好ましい。
なお、合わせ中間膜として、超微粒子入り機能性合わせ中間膜と従来の合わせ中間膜とを、例えば両者を重ね合わせる、或いは超微粒子入り機能性合わせ中間膜を従来の合わせ中間膜でサンドイッチする等の構成とするものとしてもよい。
機能性超微粒子には、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物あるいはSbやFのドープ物の各単独物、もしくはこれらの中から少なくとも2種以上を選択してなる複合物、さらに当該各単独物もしくは複合物に有機樹脂物を含む混合物または有機樹脂物を被覆した被膜物から選ばれるか、あるいはアンチモンドープ錫酸化物および/または錫ドープインジウム酸化物等、導電性を有する超微粒子を用いることが望ましい。
特に、可視光領域では透明であり、赤外領域の光に対しては高反射性を有する錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)が、建築用や自動車用に求められる種々の機能性および性能を合わせガラスとして発現するので特に好ましい。
PVB(ポリビニルブチラール)系またはEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)系合わせ中間膜の場合には、機能性超微粒子を可塑剤中に分散せしめて超微粒子分散可塑剤とし、次いで該超微粒子分散可塑剤をPVB系またはEVA系樹脂溶液中に添加し、適宜その他の添加剤を加え、混合混練して膜用原料樹脂から得るようにすると、可塑剤溶液中に前記機能性超微粒子を均一に分散せしめることができる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジトリデシルフタレート(DTDP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル、また、トリクレシルホスフェート(TCP)、トリオクチルホスフェート(TOP)などのリン酸エステル、また、トリブチルシトレート、メチルアセチルリシノレート(MAR)などの脂肪酸エステル、また、トリエチレングリコール・ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール・ジヘキサノールなどのポリエーテルエステルなど、また、さらにこれらの混合物が挙げられる。
また、有機系紫外線吸収剤あるいは有機系赤外線吸収剤については、有機系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ・tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系誘導体、また、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系誘導体、また、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系誘導体などが挙げられる。具体的には、例えば、TINUVIN327[チバガイギー社製]等である。
さらに、有機系赤外線吸収剤としては、例えば、NIR−AM1[帝国化学産業社製]、ことに、近赤外線吸収剤としては、SIR−114、SIR−128、SIR−130、SIR−132、SIR−169、SIR−103、PA−1001、PA−1005[三井東圧化学社製]等が挙げられる。特に、建築用や自動車用に求められる合わせガラスの品質を維持しつつ発揮するものであれば、限定することなく使用できることは言うまでもない。
また、PTFEなどのフッ素樹脂、シリコーンレジン、シリコーンゴムなどの有機樹脂の微粒子を用いることもでき、これらはPVB中間膜とガラスなどの透明基板との接着強度を低減するために適宜用いることができる。すなわち、ATO、ITOなどの金属酸化物の超微粒子は、規格以上の接着強度を付与するようなことが起こりうるために、合わせガラスの接着強度の評価規格であるパンメル値を規格値ないに入るよう適宜調製するために、例えば、前記ガラス基板表面へのプライマー塗布、前記フッ素樹脂、シリコーンレジン、シリコーンゴム等の有機樹脂を被覆した被膜物などと同様の目的で用いることができる。
本発明に用いる合わせ用の中間膜には、赤外線反射膜を形成する。赤外線反射膜としては、近赤外線の特定領域の波長を選択的に吸収・反射する単層膜、あるいは、低屈折率層と高屈折率層とが周期的に積層された構成の膜を用いることができる。
吸収・反射をする波長域は、機能性合わせ中間膜が遮蔽する赤外線の波長域と異なるようにすると、熱線の遮蔽性能が向上するので望ましい。
赤外線反射膜は、透明ガラス板状体に塗膜し、塗膜された熱線反射膜を中間膜側に配置するようにして積層し、合わせガラスとすることが、赤外線反射膜の耐候性の問題を解消できるので好ましい。
限定するものではないが、金属としては、屈折率4.00〜5.00のケイ素、屈折率3.00〜4.00のステンレス鋼、屈折率13.00〜14.00のクロム、窒化物としては、屈折率1.50〜2.50の窒化ケイ素、屈折率1.50〜2.50の窒化クロム、屈折率0.50〜1.50の窒化チタン、屈折率2.00〜3.00の窒化ステンレス鋼等、酸化物としては、屈折率1.20〜2.50の酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、ITO、屈折率0.10〜1.00の酸化クロム、酸化ステンレス鋼、酸化ニクロム等を単層、あるいは、交互に積層したものを赤外線反射膜として、好適に用いることができる。
また、金属及び窒化物の膜は、成膜条件や膜厚により、導電性を有し、電波を反射してしまうので、電波を反射しないように、膜厚や膜の成分を決定することが好ましい。
例えば、クロム、ステンレス鋼等の金属膜については、膜厚を10nm以下とするか、10重量%以下の酸素や窒素を膜中に含有させたりすることが好ましい。窒化ケイ素、窒化クロム、窒化チタン、窒化ステンレス等の窒化物については、膜厚を15nm以下とするか、または、5重量%以下の酸素を膜中に含有させることが好ましい。
これらの赤外線反射膜の成膜方法は、特に限定するものではないが、機能性合わせ中間膜用に成膜するので、真空蒸着、スパッタ、プラズマCVD等の真空関係の低温成膜が好適である。
赤外線反射膜は、機能性合わせ中間膜に成膜するのが好ましいが、機能性微粒子が分散されていない通常の中間膜に赤外線反射膜を成膜し、機能性合わせ中間膜と重ねて用いてもよい。このとき、赤外線反射膜は、中間膜の間に位置させても、ガラス面に位置させてもよい。
中間膜に赤外線反射膜を形成する方法としては、例えばスパッタリング法で、次のようにして成膜することができる。
機能性合わせ中間膜をロールに巻取り、スパッタリング設備内に搬入し、その後スパッタリング装置を用いて下記手順で被膜を形成した。先ず、スパッタリング装置に、成膜に必要な金属ターゲットを取り付けたのち、成膜前に真空度が10-3Pa程度となるまでスパッタリング装置内を排気する。
中間膜に成膜するとき、ガラス板などに成膜するのとは異なり、中間膜から発生する水分あるいは残留モノマー等揮発物の管理を厳格に行う必要がある。
成膜時の中間膜は、張力を与えて真空チャンバー内に固定するが、張力を常に一定にすると共に表面の平坦度や膜の伸縮率を十分考慮して固定する。
透明ガラス板状体としては、無機質ガラス、有機ガラスあるいはこれらの複合ガラス、特に、所謂フロート法で製造された無機質で透明なクリアから着色ガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、プライマーや各種機能性膜等被覆膜付きガラスであって、好ましくは、例えば、グリーン系ガラスやブロンズ系ガラスであり、さらに、例えば、グレー系ガラスやブルー系ガラス等も採用可能である。
また、合わせガラスのほか複層ガラス、バイレヤーガラス等、さらに、平板あるいは曲げ板等各種板ガラス製品として使用できることは言うまでもない。
また、透明ガラス板状体の板厚としては、例えば、1.0 mm以上12mm以下であり、建築用としては、2.0mm以上10mm以下が好ましく、自動車用としては、1.5mm以上3.0mm以下が好ましく、より好ましくは2.0mm以上2.5mm以下である。
本発明の合わせガラスは、種々の建築用窓ガラス等として使用できることはもちろん、特に、自動車用窓ガラスとして、例えば、フロントガラス、リアガラス、ことに、シェードバンド付きリアガラス、サイドガラスあるいはサンルーフガラスあるいは他の種々のガラス等に使用できるものである。
本発明の合わせガラスの光学特性は、相対向する2枚のガラス基板としてクリアーガラス(FL2)を用いた場合に換算して、可視光線透過率(波長380〜780nm)が65%以上、日射透過率(波長300〜2100nm)が65%以下であることが好ましい。なお、特に自動車用窓ガラスの場合には、可視光線透過率が70%以上で日射透過率が60%以下であればより好ましい。また、日射反射率は7.0%以上であることが好ましい。また、2枚のガラス基板としてグリーンガラス(MFL2)を用いた場合に換算すると、可視光線透過率が70%以上、日射透過率が60%以下であることが好ましく、日射反射率は7.0%以上であることがより好ましい。
特に、自動車用窓ガラスとしては、電波透過性能を透明ガラス板状体の電波透過性能と同等な程度とし、かつ赤外線(熱線)遮蔽性能を日射透過率が50%以下と格段に高め、居住性をさらに向上したなかで、運転者や搭乗者等が安全上等で必要である可視光透過率を65%以上とした透視性、例えば、可視光透過率が70%以上等を確保し法規上もクリアできるようにでき、しかも、運転者や搭乗者等における透視性低下、誤認あるいは目の疲労などの防止に必要である可視光反射率を従来の値よりさらに低減せしめることができ、最適な電波透過型高断熱合わせガラスが得られる。なお、自動車用としては、好ましくは可視光透過率が68〜70%以上、可視光反射率が14%以下、しかも、日射透過率が60%以下であり、建築用としては、好ましくは可視光透過率が30%以上、可視光反射率が20%以下、しかも、日射透過率が65%以下である。
赤外線反射膜のシート抵抗値は、電波を透過させるため、500Ω/口〜10GΩ/口の範囲にあることが好ましく、電波を十分に透過させるためには1kΩ/口〜10GΩ/口の範囲とすることが好ましい。
また、自動車のフロントガラス、リアーガラスあるいはサイドガラス等、自動車用のガラスとして用いる場合は、20kΩ/□以上とすることが好ましく、ガラスに通信用のアンテナが設けられている場合は、10MΩ/□以上とすることが好ましい。
建物の窓ガラスに用いられる場合は、AM電波、FM電波等の放送における受信障害あるいはTV映像でのゴースト現象等の電波障害などを発現しないようにするために、赤外線反射膜のシート抵抗値は1kΩ/□以上とすることが望ましい。
本発明の合わせガラスは、自動車や建築に通常用いられる合わせガラスと同様の方法、すなわち、減圧下で常温から120℃まで昇温した後、80〜120℃の温度範囲で20〜30分間加熱する、オートクレーブ法による合わせ加工で作製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)機能性合わせ中間膜の作製
20重量%ITO超微粒子(粒径0.02μm以下)を分散含有させたBBP(ブチルベンジルフタレート)10gと通常のBBP90gをPVB(ポリビニルブチラール)樹脂322gに添加し、他の紫外線吸収剤等とともに3本のロールのミキサーにより約70℃で約15分間練り込み混合した。得られた成膜用原料樹脂を型押出機にて190℃前後で厚み約0.8mmにフィルム化し、ロールに巻き取り機能性合わせ中間膜を作製した。なお、フィルム表面には均一な凹凸のしぼを設けた。
(2)赤外線反射膜の成膜
機能性合わせ中間膜をロールに巻取り、スパッタリング設備内に搬入し、その後スパッタリング装置を用いて下記手順で被膜を形成した。先ず、スパッタリング装置に、成膜に必要な金属ターゲットを取り付けたのち、成膜前に真空度が10-3Pa程度となるまでスパッタリング装置内を排気した。
真空チャンバー内のターゲットの下方にドラムロールを設け、該ドラムロール上を一定張力に貼られた機能性合わせ中間膜が巻き付けられて移動する時に、電力が印加されたターゲットより所定の膜を機能性合わせ中間膜上に成膜した。
成膜は、各ターゲットの成膜室のガス雰囲気が独立した状態で行った。最初の成膜室では、成膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O2:Ar=95:5)に保持し、Znターゲットにより第1層目としてZnOを14nm成膜した。次の成膜室では、成膜室の雰囲気をアルゴン雰囲気(Ar=100)に保持し、SSTターゲットにより2層目としてのSSTを8nm成膜した。次の成膜室としては、成膜室の雰囲気を酸化性雰囲気(O2:Ar=95:5)に保持し、Znターゲットにより3層目としてのZnOを14nm成膜した。成膜後の機能性合わせ中間膜は真空中でロールに巻き取った。
(3)合わせガラスの作製
前記(1)、(2)で作製した、赤外線反射膜付きの機能性合わせ中間膜を用い、厚みが2mmのフロート板ガラスを透明ガラス板状体に用いて、合わせ加工して、図1に示すような合わせガラスを作製した。
透明ガラス板状体1、2の間に赤外線反射膜を形成した機能性合わせ中間膜3を挿入して重ね、透明ガラス板状体1,2のエッジからはみ出た機能性合わせ中間膜3をエッジに沿って裁断した。次いで、該重ね合わせた透明ガラス板状体5をゴム製の真空袋に入れ、袋内を脱気減圧し、80〜110℃で20〜30分保持した後一旦常温までし、袋から取り出してオートクレーブ装置に入れ、圧力約10〜14kg/cm2、温度110〜140℃で20分間、加圧加熱して、合わせガラス加工し、本発明の合わせガラスを作製した。
作製した合わせガラスについて、下記の測定および評価を行った。
[光学特性]:分光光度計(340型自記、日立製作所製)で波長300〜2100nmの間の透過率を測定し、JIS Z 8722及びJIS R 3106又はJIS Z 8701によって可視光線透過率、可視光線反射率(380〜780nm、D65光源)、日射透過率、日射反射率(300〜2100nm)を求めた。
[電波透過性]:KEC法測定(電界シールド効果測定器)によって、電波10〜1000 MHzの範囲の反射損失値(dB)を通常の板厚3mmのクリアガラス(FL3)単板品と対比し、その差の絶対値(△dB)が2dB以内を合格とした。
[接着性]:−18±0.6℃の温度で16±4時間放置し調整後、ハンマー打ちでガラスの剥離での合わせ中間膜の露出程度を評価し、露出の少ないものを合格とした。
[耐熱性]:100℃の煮沸水中にて2時間煮沸した後、周辺10mmを除き、残りの部分での泡の発生、くもり、ガラスのひび割れ等の異常がないものを合格とした。
[耐湿性]:50±2℃、相対湿度95±4℃の調製内に2週間静置した後、泡の発生、くもり、ガラスのひび割れ等の異常がないものを合格とした。
[電気的特性]:三菱油化製表面高低抗計(HIRESTA HT−210)によって測定し、シート抵抗値(MΩ/口)が0.02 MΩ/口以上を合格とした。
なお、接着性、耐熱性および耐湿性の評価は、JIS R 3212安全ガラスに準処した。
評価結果は表2に示すように、可視光線透過率が74.8%、可視光線反射率が11.0%、日射透過率が59.1%、日射反射率が8.8%を有する。高可視光線透過率、低日射透過率の赤外線遮蔽断熱合わせガラスが得られた。同じ硝子構成である後述の比較例1と比較すると、実施例1のガラスは、可視光線透過率が65%以上を確保し、日射透過率については約9.0%も向上しており、赤外線反射膜の効果の大きいことが判る。
また、電波透過性については、赤外線反射膜の抵抗値が0.2MΩ/□と非常に高く、通常の単板ガラスと同等の電波透過性を示した。
また、接着性と耐熱性ならびに耐湿性は、通常の合わせガラスと同等であった。
実施例2〜実施例11
実施例2から実施例11は、透明板状体に形成した赤外線反射膜のみが実施例1と異なるもので、そのほかは全て実施例1と同様にして作製した合わせガラスである。
各実施例の赤外線反射膜を構成する各層は、表1に示すターゲット金属、ガス組成、電力および圧力の条件で、実施例1と同様の方法により成膜した。
得られた高断熱合わせガラスを評価した結果、表2に示すように、実施例2から実施例11のいずれの合わせガラスも、比較例1比べて日射透過率が低く、赤外線遮蔽断熱性能の良い合わせガラスが得られた。また、各実施例の赤外線反射膜のシート抵抗値は高抵抗であり、電波透過性のよいものであった。
また接着性、耐熱性、耐湿性等の合わせガラスとしての性能も、実施例1と同様に全て合格であった。
比較例1
赤外線反射膜を設けない他は全て実施例1と同じにして合わせガラスを作製した。評価結果は、表1に示すように可視光線透過率は87.9%、可視光線反射率は8.5%、日射透過率は68.1%、日射反射率は5.7%であった。
比較例2
赤外線反射膜として、Ag膜を用いるいわゆるLOW−Eと呼ばれる膜を用い、実施例1と同様にして合わせガラスを作製した。評価の結果、表1に示すように可視光線透過率は74.9%、可視光線反射率は14.1%、日射透過率は52.0%、日射反射率は27.5%であり、日射透過率は実施例1から実施例11に比較し低く、断熱性能に優れているが、熱線反射膜はシート抵抗値が7Ω/□であり、電波透過性能はほとんどなかった。
Figure 2005089245
Figure 2005089245
実施例1〜5に用いた赤外線反射膜および比較例1の、日射の中で比較的高エネルギーである近赤外域(波長範囲800〜1000nm)の透過率を、表3に示す。比較例1は、赤外線反射膜を形成していない、ITOでなる機能性超微粒子を分散させた中間膜のみによる赤外域の透過率であり、実施例1〜5で用いた赤外線反射膜は、機能性超微粒子を分散させてなる中間膜のみでは達成できない、近赤外域における透過率を低下させるものである。従って、本発明により、機能性超微粒子を分散させてなる中間膜のみでは達成できない、熱線遮蔽性能と、電波透過性能を有する合わせガラスが得られた。
Figure 2005089245
本発明の合わせガラスの断面図である。
符号の説明
1,2:透明ガラス板状体
3:機能性合わせ中間膜
4:赤外線反射膜
5:合わせガラス

Claims (5)

  1. 少なくとも2枚の透明ガラス板状体の間に中間膜層を有する合わせガラスにおいて、該中間膜層の中に粒径が0.2μm以下の機能性超微粒子を分散せしめ、該機能性超微粒子は、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、酸化物、窒化物、硫化物またはSbやFのドープ物の各単独物、もしくはこれらの中から少なくとも2種以上を選択してなる複合物、あるいは当該各単独物もしくは複合物に有機樹脂物を含む混合物、あるいは当該各単独物もしくは複合物を被覆した被膜物、あるいはアンチモンドープ錫酸化物および/または錫ドープインジウム酸化物でなり、中間膜の少なくとも一つの表面に、近赤外線を選択的に反射する、シート抵抗値が1kΩ/口〜10GΩ/口の範囲にある赤外線反射膜が形成されてなることを特徴とする合わせガラス。
  2. 赤外線反射膜が、低屈折率層と高屈折率層とが周期的に積層された構成の膜であることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 赤外線反射膜が、赤外域に吸収及び反射を有する金属、酸化物、窒化物を単層及び交互に積層されたものであることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
  4. 赤外線反射膜のシート抵抗値が、1kΩ/□以上であり、建物の窓に使用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の合わせガラス。
  5. 赤外線反射膜のシート抵抗値が、20kΩ/□であり、車両の窓に使用することを特徴とする請求項1乃至3に記載の合わせガラス。
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