JP2010041821A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流検出手段により検出された各相の電流値を予め設定された時間分だけ各相毎に積算する積算手段を備え、この積算手段により積算された各相の電流値を比較して最も大きな電流積算値を示した相を特定する相特定手段を備え、この相特定手段により特定された最も大きな電流積算値を示した一つの相の電流積算値とその他の二つの相の電流積算値とを夫々比較し、前記一つの相の最も大きな電流積算値が前記その他の二相の電流積算値のどちらかと比べて設定値以上の差がある状態が連続して発生した時に、交流電動機の制御に異常があると判定する判定手段を備えた異常検出装置を設けている。
【選択図】図1
Description
異常検出システムには、駆動回路による制御対象機器を制御する際に、各種情報を検出する検出手段、制御装置等の異常を駆動回路に悪影響を与えないノイズと区別して検出し、その異常を正確に検出するものがある。
モータ制御装置には、二相夫々の電流検出回路に用いられている素子のばらつきに起因する電流検出値の誤差を排除し、三相関係の不平衡の発生をなくし、モータ電流のフィードバック制御を正確に行うものがある。
交流電動機制御用電流センサの異常検出装置には、電流センサ等に関し所定の異常判定条件が成立する頻度が所定値を上回る電気角周期が、所定個数連続発生したときに、電流センサ等に異常が生じたと判定するものがある。
しかし、三相インバータに過電流が発生しないと、異常検出を行わないため、交流電動機の制御が不安定且つ不確実になり、ひいては、三相インバータのスイッチング素子が過電流により破壊されるおそれがあり、改善が望まれていた。
交流電動機と、
この交流電動機に交流電流を必要に応じた量だけ供給するインバータと、
前記交流電動機の各相に夫々設けられてこの各相の電流を検出する電流検出手段とを備えた交流電動機の制御装置において、
前記電流検出手段により検出された前記各相の電流値を予め設定された時間分だけ前記各相毎に積算する積算手段を備え、
この積算手段により積算された前記各相の電流値を比較して最も大きな電流積算値を示した相を特定する相特定手段を備え、
この相特定手段により特定された最も大きな電流積算値を示した一つの相の電流積算値とその他の二つの相の電流積算値とを夫々比較し、
前記一つの相の最も大きな電流積算値が前記その他の二相の電流積算値のどちらかと比べて設定値以上の差がある状態が連続して発生した時に、前記交流電動機の制御に異常があると判定する判定手段を備えた異常検出装置を設けたことを特徴とする。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
図1において、1は交流電動機の制御装置、2電気自動車等の車両に用いられる交流電動機(モータ)、3はこの交流電動機2に三相(U相、V相、W相)の交流電流(Iu、Iv、Iw)を供給する三相のインバータ、4はこのインバータ3に直流電流を供給するバッテリ、5は前記インバータ3に三相(u、v、w)の各制御信号を出力するインバータ制御装置(CPU)、6は交流電動機2への三相の各交流電流を検出する電流検出手段、7は交流電動機2への三相の各交流電流の異常を検出する異常検出装置である。
交流電動機2とインバータ3とは、U相電線8とV相電線9とW相電線10とで接続している。インバータ3は、このU相電線8とV相電線9とW相電線10とから交流電動機2に交流電流を必要に応じた量だけ供給する。
インバータ3とインバータ制御装置5とは、U相制御信号線11とV相制御信号線12とW相制御信号線13とで接続している。
異常検出装置7は、三相電流入力手段17と出力異常検出手段18と故障通知手段19とを備える。
三相電流入力手段17は、U相センサ線20とV相センサ線21とW相センサ線22とを介してU相電流センサ14とV相電流センサ15とW相電流センサ16とに接続し、このU相電流センサ14とV相電流センサ15とW相電流センサ16とで検出した各相の交流電流を入力する。
出力異常検出手段18は、インバータ3に過電流が発生する前に、インバータ制御装置5からの各相の制御信号に異常であることを検出するものである。
故障通知手段19は、出力異常検出手段18で各相の制御信号の異常が検出された場合に、インバータ制御装置5等にその旨を通知するものである。
インバータ3において、制御信号が正常な場合に(図2参照)、三相の電流は、電流の振幅をI、電気角をθとすれば、Iu=Isinθ、Iv=Isin(θ−2π/3)、Iw=Isin(θ+2π/3)で表される。そして、電気角周期(Tsec)における電流瞬時値の絶対値を各相毎に積算した値(相電流波形の面積)は、三相が共に等しく、U=V=Wの関係が成立する。ここで、UはU相電流波形の面積、VはV相電流波形の面積、WはW相電流波形の面積である。
一方、インバータ3において、制御信号が異常の場合には(図3参照)、U=V=Wの関係が成立しないため、後述の第1〜第3の異常検出方法を適用し、その異常を検出する。
図4に示すように、プログラムが開始すると(ステップA01)、先ず、電流検出値の絶対値を各相毎に積算し(ステップA02)、そして、電気角一周期(Tsec)が経過したか否かを判断する(ステップA03)。
このステップA03がYESの場合には、最も大きな電流積算値となる相を特定し(ステップA04)、そして、他の二相のいずれかの積算値≦最も大きな電流積算値/Kか否かを判断する(ステップA05)。
このステップA05がNOの場合には、各相の電流積算値をクリアする(ステップA06)。
一方、このステップA05がYESの場合には、各相の電流積算値をクリアし(ステップA07)、m回電気角周期が発生したかを判断する(ステップA08)。
このステップA08がYESの場合には、インバータ3の停止等の異常処理を実行し(ステップA09)、プログラムを終了する(ステップA10)。
前記ステップA03がNOの場合、前記ステップA06の処理後、前記ステップA08がNOの場合には、直ちにプログラムを終了する(ステップA10)。
即ち、交流電動機2へのトルク指令が、トルク指令≠0の時、交流電動機2の電気角周期(Tsec)において各相の交流電流(Iu、Iv、Iw)毎に瞬時値の絶対値を積算する。そして、電流積算値の最大となる一の相を特定し、この一の相の最大積算値と他の二相の積算値を各々比較する。二相いずれかの電流積算値が、最大積算値の1/k倍以下の場合には、インバータ制御装置5からの制御信号に異常が発生しているとみなし、この状態が、m回電気角周期以上連続して発生したときに、制御信号の異常が発生したと最終判定する。
ここで、上記のk、mは、インバータ3、交流電動機2の仕様及びノイズを考慮し、実験により求められる。
これにより、この第1の異常検出方法によれば、インバータ3に過電流が発生する前に、制御信号が異常であることを検出できるので、交流電動機2の動作が不安定になることはなく、よって、インバータ3内の素子が不具合を起こすのを防ぐことができる。
図5に示すように、プログラムが開始すると(ステップB01)、先ず、電気角一周期(Tsec)におけるU相電流波形の面積(U)を計算し(ステップB02)、電気角一周期(Tsec)におけるV相電流波形の面積(V)を計算し(ステップB03)、そして、電気角一周期(Tsec)におけるW相電流波形の面積(W)を計算する(ステップB04)。
そして、U相電流波形の面積(U)=V相電流波形の面積(V)V=W相電流波形の面積(W)か否かを判断し(ステップB05)、このステップB05がNOの場合には、m回電気角周期が発生したか否かを判断する(ステップB06)。
一方、前記ステップB05がYESの場合には、U相電流(Iu)=0(A)又はV相電流(Iv)=0(A)又はW相電流(Iw)=0(A)か否かを判断する(ステップB07)。
このステップB07がYESの場合には、t回電気角周期が発生したか否かを判断する(ステップB08)。
このステップB08がYESの場合、及び前記ステップB06がYESの場合には、インバータ3の停止等の異常処理を実行(ステップB09)、プログラムを終了する(ステップB10)。
一方、前記ステップB06がNOの場合、前記ステップB07がNOの場合、前記ステップB08がNOの場合には、直ちにプログラムを終了する(ステップB10)。
即ち、交流電動機2へのトルク指令が、トルク指令≠0の時、電気角周期(Tsec)における交流電流の瞬時値の絶対値を各相毎に積算した値(相電流波形の面積)において、U相電流波形の面積(U)=V相電流波形の面積(V)=W相電流波形の面積(W)の不成立時、制御信号の異常が発生しているとみなし、この状態がm回電気角周期以上連続して発生したときに、制御信号の異常が発生したと最終判定する。
これにより、この第2の異常検出方法によれば、インバータ3に過電流が発生する前に、制御信号が異常であることを検出できるので、交流電動機2の動作が不安定になることはなく、よって、インバータ3内の素子が不具合を起こすのを防ぐことができる。
図6に示すように、プログラムが開始すると(ステップC01)、先ず、電気角一周期(Tsec)におけるU相電流のピークトゥピーク値(Iu_pk−pk)を算出し(ステップC02)、電気角一周期(Tsec)におけるV相電流のピークトゥピーク値(Iv_pk−pk)を算出し(ステップC03)、そして、電気角一周期(Tsec)におけるW相電流のピークトゥピーク値(Iw_pk−pk)を算出する(ステップC04)。
そして、Iu_pk−pk=Iv_pk−pk=Iw_pk−pkか否かを判断し(ステップC05)、このステップC05がNOの場合には、m回電気角周期が発生したか否かを判断する(ステップC06)。
前記ステップC05がYESの場合には、Iu=0(A)又はIv=0(A)又はIw=0(A)か否かを判断する(ステップC07)。
このステップC07がYESの場合には、t回電気角周期が発生したか否かを判断する(ステップC08)。
このステップC08がYESの場合、及び前記ステップC06がYESの場合には、インバータ3の停止等の異常処理を実行し(ステップC09)、プログラムを終了する(ステップC10)。
一方、前記ステップC06がNOの場合、前記ステップC07がNOの場合、前記ステップC08がNOの場合には、直ちにプログラムを終了する(ステップC10)。
即ち、交流電動機2へのトルク指令が、トルク指令≠0の時、電気角周期(Tsec)における交流電流の瞬時値のピークトゥピーク値(Iu_pk−pk)において、Iu_pk−pk=Iv_pk−pk=Iw_pk−pkの不成立時、制御信号の異常が発生しているとみなし、この状態がm回電気角周期以上連続して発生したときに、制御信号の異常が発生したと最終判定する。
これにより、この第3の異常検出方法によれば、インバータ3に過電流が発生する前に、制御信号が異常であることを検出できるので、交流電動機2の動作が不安定になることはなく、よって、インバータ3内の素子が不具合を起こすのを防ぐことができる。
2 交流電動機
3 インバータ
4 バッテリ
5 インバータ制御装置
6 電流検出手段
7 異常検出装置
18 出力異常検出手段
23 積算手段
24 相特定手段
25 第1の判定手段
26 第2の判定手段
27 算出手段
28 第3の判定手段
Claims (3)
- 交流電動機と、この交流電動機に交流電流を必要に応じた量だけ供給するインバータと、前記交流電動機の各相に夫々設けられてこの各相の電流を検出する電流検出手段とを備えた交流電動機の制御装置において、前記電流検出手段により検出された前記各相の電流値を予め設定された時間分だけ前記各相毎に積算する積算手段を備え、この積算手段により積算された前記各相の電流値を比較して最も大きな電流積算値を示した相を特定する相特定手段を備え、この相特定手段により特定された最も大きな電流積算値を示した一つの相の電流積算値とその他の二つの相の電流積算値とを夫々比較し、前記一つの相の最も大きな電流積算値が前記その他の二相の電流積算値のどちらかと比べて設定値以上の差がある状態が連続して発生した時に、前記交流電動機の制御に異常があると判定する判定手段を備えた異常検出装置を設けたことを特徴とする交流電動機の制御装置。
- 交流電動機と、この交流電動機に交流電流を必要に応じた量だけ供給するインバータと、前記交流電動機の各相に夫々設けられてこの各相の電流を検出する電流検出手段とを備えた交流電動機の制御装置において、前記電流検出手段により検出された前記各相の電流値を予め設定された時間分だけ前記各相毎に積算する積算手段を備え、この積算手段により積算された前記各相の電流積算値を比較し、前記各相としての三つの相の電流積算値が等しくない状態が連続して発生した時に、前記交流電動機の制御に異常があると判定する判定手段を備えた異常検出装置を設けたことを特徴とする交流電動機の制御装置。
- 交流電動機と、この交流電動機に交流電流を必要に応じた量だけ供給するインバータと、前記交流電動機の各相に夫々設けられてこの各相の電流を検出する電流検出手段とを備えた交流電動機の制御装置において、前記電流検出手段により検出された前記各相の電流値のピークトゥピーク値を算出する算出手段を備え、この算出手段により算出された前記各相のピークトゥピーク値を比較し、前記各相としての三つの相のピークトゥピーク値が等しくない状態が連続して発生した時に、前記交流電動機の制御に異常があると判定する判定手段を備えた異常検出装置を設けたことを特徴とする交流電動機の制御装置。
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