JP2004056889A - 電流センサ診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来は3相交流電動機の3つの各相に流れる電流を検出し、この電流値を用いて異常を検出するので、電流センサが3個必要となる。本発明は電流センサの異常を検出する機能を維持しつつ、電流センサを2つで済ますことのできる電流センサ診断装置を提供する。
【解決手段】3相交流電動機ヘ流れる3相交流電流のうちの第1相(例えばu相)と第2相(例えばv相)の電流を検出し、第1相電流検出値iu(k)の所定期間の積分値と、第2相電流検出値iv(k)の所定期間の積分値とを求めて両者を比較し、両者の差が所定値を超えた場合に、電流センサが異常であると判断する電流センサ診断装置。
【選択図】 図1
【解決手段】3相交流電動機ヘ流れる3相交流電流のうちの第1相(例えばu相)と第2相(例えばv相)の電流を検出し、第1相電流検出値iu(k)の所定期間の積分値と、第2相電流検出値iv(k)の所定期間の積分値とを求めて両者を比較し、両者の差が所定値を超えた場合に、電流センサが異常であると判断する電流センサ診断装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は3相交流電動機の駆動制御装置における電流センサの異常を診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
3相交流電動機の駆動制御装置(例えばインバータ)における電流センサの異常を検出する従来技術としては、例えば特開平11−332002号公報に開示されたものがある。上記の従来例においては、異常を検出するために、3相交流電動機のu相、v相、w相を流れる電流を各相ごとに設けた電流センサで検出し、この電流センサで検出された実電流値を界磁実電流値および励磁実電流値に変換し、この界磁実電流値および励磁実電流値と、界磁電流指令値および励磁電流指令値との差分を積分し、それぞれの積分値が所定のしきい値を所定時間以上越えた場合に、異常と判断する技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、3相交流電動機の3つの各相に流れる電流を検出し、この電流値を用いて、異常を検出するようにしていたので、電流センサが3個必要となる。本発明は、3相交流電動機において、電流センサの異常を検出する機能を維持しつつ、電流センサを2つで済ますことのできる電流センサの診断装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては、3相交流電動機ヘ流れる3相交流電流のうちの第1相と第2相の電流を検出し、第1相電流検出値の所定期間の積分値と、第2相電流検出値の所定期間の積分値とを求めて両者を比較し、両者の差が所定値を超えた場合に、前記電流センサが異常であると判断するように構成している。
【0005】
【発明の効果】
本発明によれば、電流センサの異常を検出する機能を維持しながら、電流センサを2つで済ますことができる。したがって電動機制御装置を構成する部品のなかでも、比較的高価な部品である電流センサの部品数を減らすことができるので、電動機駆動制御装置の低コスト化が可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図1は本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
図1において、トルク−電流Map102は、外部から与えられるトルク指令値101(例えばアクセルペダル開度等)に応じてd軸電流指令値id*112とq軸電流指令値iq*113を出力する。
電流制御器103は、d軸電流指令値id*112とd軸電流値id114との偏差およびq軸電流指令値iq*113とq軸電流値iq115との偏差に基づきd軸電圧指令値vd*とq軸電圧指令値vq*を演算する。
非干渉制御器104は、d−q軸間の干渉電圧を補償する。なお、非干渉制御器104は必要に応じて挿入する。
2相→3相変換器105は、d軸電圧指令値vd*とq軸電圧指令値vq*をを3相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。
電力変換装置106は、例えばPWM変換部とインバータからなり、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*をPWM出力に変換し、3相のPWM出力によって3相交流電動機108を駆動する。
電流検出器107(u相用とv相用の2個の電流センサよりなる)は、3相交流電動機108のu相、v相の2相を流れる電流を検出する。
3相→2相変換器111は、上記の検出した電流値をd軸変換、q軸変換してd軸電流値id114とq軸電流値iq115を出力する。このd軸電流値id114とq軸電流値iq115が前記の電流制御器103へ送られる。
また、回転角検出器109(例えばレゾルバ等)は、3相交流電動機108の回転角を検出する。
回転角演算器110は、上記の検出した回転角から電気角を演算し、それが上記2相→3相変換器105と3相→2相変換器111における座標変換演算に用いられる。
上記の部分は、3相交流電動機のPWM駆動制御装置における通常の構成である。
【0007】
本実施例においては、上記の構成の他に、電流検出器107の異常を検知するために、相電流演算器120、相電流積分器121および電流センサ異常判定器122を備えている。
相電流演算器120は、電流検出器107で検出した3相のうち任意の2相の電流125と126(この場合はu相電流iuとv相電流iuとする)を入力し、それぞれの絶対値を演算する。なお、絶対値の代わりに2乗値(偶数乗であれば可)を求めてもよい。
相電流積分器121は、それぞれの絶対値を所定期間(所定時間または所定回転角等)のあいだ積分する。
電流センサ異常判定器122は、上記の各絶対値の積分値を比較し、両者の差が所定値を超えた場合に電流センサ異常と判定する。
上記の判定結果124は、電力変換装置106へ送られ、異常時には電力変換動作を停止すると共に、図示しない外部の報知器(インジケータや警報音発生器等)を作動させて異常発生を報知する。
【0008】
図2は、上記図1の動作における各部の波形を示す図である。
図2において、201はu相電流iu、202はv相電流ivであり、図示のように両者は120°位相が異なっている。
【0009】
203はu相電流の絶対値|iu|、204はv相電流の絶対値|iv|である。
上記の|iu|と|iv|を所定時間積分した値は、205、206に示すように、正常時には殆ど同じ値になるはずである。しかし、電流検出器107が異常になると、異常になったセンサで検出した方の相電流値は正常値から外れるので、上記二つの積分値間には差が生じる。したがって両者の差が所定値を超えた場合に電流センサ異常と判定することが出来る。
【0010】
以下、本実施例における異常判定処理について詳細に説明する。
図3は、第1の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフローを示す。
まず、図3(b)に示す初期設定を行なう。ステップ321では、図示しない電源が投入されると、電流異常フラグをクリアする。ステップ322では、ループ変数k、すなわち所定の積分期間に達したかどうかを判断する変数をクリアする。
【0011】
上記の初期設定が行われると、図3(a)に示すメインフローが所定時間ごとに行われる。
図3(a)において、ステップ301では、電流検出器107の2相の電流センサから今回の電流値iu(k)、iv(k)を取り込む。
ステップ302では、取り込んだ2相の電流値のそれぞれについて絶対値|iu(k)|、|iv(k)|を算出する。
ステップ304では、前回まで和の値iux、ivxに今回算出した絶対値を加算する。つまり、これにより積分値を算出する。
ステップ306では、一方の電流センサ(例えばu相電流センサ)の積分値iuxと他方の電流センサ(例えばv相電流センサ)の積分値ivxとの差分ixを演算する。
ステップ307では、ステップ306で演算した差分ixが、リミット値(所定のしきい値)以上である場合には、電流センサが異常であると判断し、ステップ309へ進む。
ステップ309では、電流異常フラグをセットする。
ステップ320では、電流異常フラグがセットされた場合、報知器によって異常を報知する。また、図3には示していないが、電流異常フラグをセットされた場合には、図1の電力変換装置106を停止させる等のFAIL処理を行うように構成してもよい。
【0012】
一方、ステップ307において、異常でないと判断した場合は、ステップ303で、変数kが規定値DETに達したか否かを判断する。
変数kが規定値に達した場合には、ステップ305で、変数kをk=0にクリアすると共に、積分値および積分値の差分を記憶・演算しているバッファをクリアする。すなわち、今回の規定時間中には、電流センサの異常が判断されなかったことになる。
また、ステップ303で、変数kが規定値に達していなかった場合には、ステップ310で、変数kをインクリメントする。
【0013】
なお、上記のフローでは、ステップ302で電流値の絶対値を演算し、ステップ304で絶対値の積分値を求める場合を例示したが、ステップ302で電流値の2乗値を演算し、ステップ304で2乗値の積分値を求めるように構成しても同様の効果が得られる。また、2乗に限らず偶数乗(2乗、4乗、6乗、…)であればよい。
【0014】
第1の実施例においては、電動機制御装置を構成する部品のなかでも、比較的高価な部品である電流検出器の構成部品数を減らすことが可能となるため、電動機制御装置の低コスト化が可能となる。
また、電力変換装置(インバータ)の3相出力のうち、全ての相に電流センサを取りつける必要がなくなるため、部品配置の自由度が増し、インバータの小型化に寄与することができる。
また、瞬時検出値を積分して比較していることにより、電流センサから与えられるノイズ等の外乱要素に対して安定な異常検出が可能となる。
【0015】
なお、これまで説明した第1の実施例においては、検出した瞬時電流値の絶対値または2乗値を積分する構成を示したが、瞬時電流値自体を積分して比較する構成も可能である。その場合には、図3のフローにおいて、ステップ302の絶対値処理を無くせばよい。ただし、図3に示したように、瞬時電流値の絶対値または2乗値の積分を行う構成においては、積分区間の取り方に依らず、異常判定が可能になるという利点がある。
【0016】
(第2の実施例)
図4は本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図であり、図5は図4の動作における各部の波形を示す図である。
図4において、トルク指令値401、トルク−電流Map402、電流制御器403、非干渉制御器404、2相→3相変換器405、電力変換装置406、電流検出器407、3相交流電動機408、回転角検出器409、回転角演算器410、3相→2相変換器411、d軸電流指令値id*412、q軸電流指令値iq*413、d軸電流値id414、q軸電流値iq415、相電流演算器420、相電流積分器421および電流センサ異常判定器422の部分は、前記図1と同様である。
図4において変更になった個所は、基準角演算器431が設けられ、相電流積分器421における積分期間を電気角180°の任意の整数倍の期間に設定していることである。なお、図5においては電気角180°の3倍の540°(3相交流電動機が1.5回転)に相当する期間に設定した場合を例示している。
【0017】
図4において、基準角演算器431は、回転角検出器410で演算した回転角を入力し、回転角が電気角で180°の整数倍だけ進む毎に積分基準値DET432を出力する。相電流積分器421は、積分基準値DET432の期間について積分演算を行う。
上記のように、積分基準値DET432の整数倍の期間について積分値を求めることにより、図5に示すように、電流検出器407が正常な場合には、|iu(k)|と|iv(k)|の積分値が等しくなるので、積分値のsin波の揺らぎに影響されることなく、正確な比較を行うことが可能となる。
【0018】
図6は、第2の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフローを示す。
図6(b)に示した初期設定のフローは前記図3と同じである。また、図6(a)のメインフローにおいても、ステップ601、604、605、606、607、609、610、620の部分は前記図3と同じである。
図6(a)のメインフローにおいて図3と異なっているのは、ステップ612、613および614の部分である。この変更部分について説明する。
まず、ステップ612では、回転角演算器710から回転角を読み込み、ステップ613では、電気角で180°の整数倍になる基準角DETを演算する。
また、ステップ614では、回転角が基準角DETに達したか否かを判断し、達した場合にはステップ605で、変数kをk=0にクリアすると共に、積分値および積分値の差分を記憶・演算しているバッファをクリアする。すなわち、今回の規定期間中には、電流センサの異常が判断されなかったことになる。
また、ステップ614で、変数kが規定値に達していなかった場合には、ステップ610で、変数kをインクリメントする。
上記一連の動作により、2個の電流センサで、電流センサ異常の検出が可能となり、かつ、積分期間を電気角で180°の任意の整数倍の時間とおくことで、積分値のsin波の揺らぎを気にすることなく、正確な比較を行うことが可能となる。
【0019】
第2の実施例においては、積分期間を回転周期の半周期(180°)の任意の整数n倍とすることにより、積分期間の取り方により互いに120°位相差で回転する3相電流のうちの2相を比較ことによって生じる誤差を除外することが可能となる。また、電動機の突極性等に起因する高次高調波等の電流波形歪みを含む電流であっても、互いに比較する2相の各々が時間軸方向にシフトした相似波形であるため、正確な比較を行うことが可能となる。
【0020】
なお、第2の実施例においても、前記第1の実施例と同様に、絶対値の積分値を求める代わりに、2乗値の積分値を求めるように構成しても同様の効果が得られる。また、2乗に限らず偶数乗(2乗、4乗、6乗、…)であればよい。
また、第2の実施例においても、絶対値を求めず瞬時電流値自体を積分して比較する構成も可能である。その場合には、図6のフローにおいて、ステップ602の絶対値処理を無くせばよい。
【0021】
(第3の実施例)
図7は本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図であり、図8は図7の動作における各部の波形を示す図である。
図7において、トルク指令値701、トルク−電流Map702、電流制御器703、非干渉制御器704、2相→3相変換器705、電力変換装置706、電流検出器707、3相交流電動機708、回転角検出器709、回転角演算器710、3相→2相変換器711、d軸電流指令値id*712、q軸電流指令値iq*713、d軸電流値id714、q軸電流値iq715、相電流積分器721および電流センサ異常判定器722の部分は、前記図1と同様である。
【0022】
図7において変更になった個所は、速度演算器731が設け、回転角演算器710で求めた回転角から、回転角速度を算出し、その値が所定値以下の低回転速度時に相電流位相演算器720へ指示を送り、相電流位相演算器720では位相をずらす演算を行うように構成したことである。
つまり、相電流位相演算器720においては、二つの相電流のうちの一方の電流位相を120°ずらせたもの(図8ではv相電流ivをずらしている)をつくり、相電流積分器721では、検出したままのu相電流iuと位相を120°ずらせたv相電流ivとを積分する。そして上記のv相電流ivをずらす演算は、上記のように速度演算器731の演算結果に応じて、3相交流電動機の回転速度が所定値以下の低回転速度時にのみ行う。
【0023】
積分時間を一定値にすると、3相交流電動機の低回転時には、電流波形の積分される区間が短くなるので、低回転になるほど異常検知精度が低下する傾向がある。また、第2の実施例のように、積分期間を電気角180°の任意の整数倍の時間に設定すると、低速回転時でも異常検知精度は低下しないが、低回転になるほど積分時間が長くなってしまう。
しかし、一方の電流位相を120°ずらすと、図8に示すように、二つの電流の位相が同じになるので、瞬時電流値を見かけ上、等しくすることが可能となる。そのため、二つの電流の積分値の比較が正確かつ容易になるので、電流波形の積分区間が短くなっても検知精度を低下させないで保つことが出来る。したがって、図7の実施例のように、回転角速度が所定値以下の低速回転時には、一方の電流位相を120°ずらすことにより、積分時間が長くなるのを抑制しながら低速回転時の検知精度を向上させることが可能になる。
【0024】
図9は、第3の実施例における異常判定処理を示すフローチャートである。なお、初期設定のフローは示していないが、前記図3と同様である。
図9のフローにおいて、ステップ901、902、903、904、905、906、907、909、910、920の部分は前記図3と同じである。
図9のフローにおいて図3と異なっているのは、ステップ931〜934の部分である。
図9において、ステップ901では、電流検出器107の2相の電流センサから今回の電流値iu(k)、iv(k)を取り込む。
次に、ステップ931では、3相交流電動機708の回転角速度αを演算し、ステップ932では、αが所定値以下か否かを判断する。そしてαが所定値以下でない場合(NO)には、ステップ902へ行き、図3のステップ302以下と同様の処理を行う。
αが所定値以下の場合(YES)には、ステップ933で、一方の電流、例えばv相電流iv(k)の位相を120°ずらせる位相変換演算を行う。120°位相変換されたv相電流をiv(k)’とすれば、ステップ934では取り込んだu相電流iu(k)と上記の位相変換したv相電流iv(k)’のそれぞれについて絶対値|iu(k)|、|iv(k)’|を算出する。
ステップ904では、前回まで和の値iux、ivxに今回算出した絶対値を加算する。つまり、これにより積分値を算出する。以下、前記図3と同様の処理を行う。
上記のように、回転角速度が所定値以下の低速回転域においてのみ、一方の電流を120°位相変換して両電流の位相を揃えることにより、積分時間が長くなるのを抑制しながら低速回転時の検知精度を向上させることが可能になる。
【0025】
なお、第3の実施例においても、前記第1の実施例と同様に、絶対値の積分値を求める代わりに、2乗値の積分値を求めるように構成しても同様の効果が得られる。また、2乗に限らず偶数乗(2乗、4乗、6乗、…)であればよい。
また、第3の実施例においても、絶対値を求めず瞬時電流値自体を積分して比較する構成も可能である。その場合には、図9のフローにおいて、ステップ902と934の絶対値処理を無くせばよい。
【0026】
これまで説明した第3の実施例の構成では、検出したままのu相電流と120°位相変換したv相電流とについて、それぞれ絶対値を求め、それぞれを積分した値を相互に比較し、両者の差が所定値以上の場合に電流センサの異常と判断するように構成しているが、v相電流をu相電流と逆相になる方向へ120°位相変換した値と、検出したままのu相電流とを加算し、その加算値を積分し、その値が所定値以上の場合に電流センサの異常と判断するように構成していもよい。また、v相電流をu相電流と逆相になる方向へ120°位相変換した値と、検出したままのu相電流とについて、それぞれを積分した値を加算し、その加算値が所定値以上の場合に電流センサの異常と判断するように構成してもよい。
v相電流をu相電流と逆相になる方向へ120°位相変換した値と検出したままのu相電流とは、逆位相で値がほぼ一致しているので、電流検出器が正常であれば、両者の加算値は非常に小さな値になると予想される。したがって加算値を積分した値もしくはそれぞれを積分した値の加算値を求め、所定値と比較することにより、電流センサの異常を判断することが出来る。
なお、これまでの説明では、u相電流とv相電流を例として説明したが、3相の交流のうちの何れか2相であればよいことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】図1の動作における各部の波形を示す図。
【図3】第1の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフロー。
【図4】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図。
【図5】図4の動作における各部の波形を示す図。
【図6】第2の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフロー。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図。
【図8】図7の動作における各部の波形を示す図。
【図9】第3の実施例における異常判定処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
101、301、701…トルク指令値
102、302、702…トルク電流Map
103、403、703…電流制御器
104、404、704…非干渉制御器
105、405、705…2相→3相変換器
106、406、706…電力変換装置
107、407、707…電流検出器
108、408、708…電動機
109、409、709…回転角検出器
110、410、710…回転角演算器
111、411、711…3相→2相変換器
114、414、714…d軸電流値
115、415、715…q軸電流値
112、412、712…d軸電流指令値
113、413、713…q軸電流指令値
114、414、201、501、801…u相電流値
115、415、202、502、802…v相電流値
120、420…相電流演算器
121、421、721…相電流積分器
122、422、722…電流センサ異常判定器
431…基準角演算器
720…相電流位相演算器
731…速度演算器
【発明の属する技術分野】
本発明は3相交流電動機の駆動制御装置における電流センサの異常を診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
3相交流電動機の駆動制御装置(例えばインバータ)における電流センサの異常を検出する従来技術としては、例えば特開平11−332002号公報に開示されたものがある。上記の従来例においては、異常を検出するために、3相交流電動機のu相、v相、w相を流れる電流を各相ごとに設けた電流センサで検出し、この電流センサで検出された実電流値を界磁実電流値および励磁実電流値に変換し、この界磁実電流値および励磁実電流値と、界磁電流指令値および励磁電流指令値との差分を積分し、それぞれの積分値が所定のしきい値を所定時間以上越えた場合に、異常と判断する技術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、3相交流電動機の3つの各相に流れる電流を検出し、この電流値を用いて、異常を検出するようにしていたので、電流センサが3個必要となる。本発明は、3相交流電動機において、電流センサの異常を検出する機能を維持しつつ、電流センサを2つで済ますことのできる電流センサの診断装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては、3相交流電動機ヘ流れる3相交流電流のうちの第1相と第2相の電流を検出し、第1相電流検出値の所定期間の積分値と、第2相電流検出値の所定期間の積分値とを求めて両者を比較し、両者の差が所定値を超えた場合に、前記電流センサが異常であると判断するように構成している。
【0005】
【発明の効果】
本発明によれば、電流センサの異常を検出する機能を維持しながら、電流センサを2つで済ますことができる。したがって電動機制御装置を構成する部品のなかでも、比較的高価な部品である電流センサの部品数を減らすことができるので、電動機駆動制御装置の低コスト化が可能になる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(第1の実施例)
図1は本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図である。
図1において、トルク−電流Map102は、外部から与えられるトルク指令値101(例えばアクセルペダル開度等)に応じてd軸電流指令値id*112とq軸電流指令値iq*113を出力する。
電流制御器103は、d軸電流指令値id*112とd軸電流値id114との偏差およびq軸電流指令値iq*113とq軸電流値iq115との偏差に基づきd軸電圧指令値vd*とq軸電圧指令値vq*を演算する。
非干渉制御器104は、d−q軸間の干渉電圧を補償する。なお、非干渉制御器104は必要に応じて挿入する。
2相→3相変換器105は、d軸電圧指令値vd*とq軸電圧指令値vq*をを3相電圧指令値vu*、vv*、vw*に変換する。
電力変換装置106は、例えばPWM変換部とインバータからなり、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*をPWM出力に変換し、3相のPWM出力によって3相交流電動機108を駆動する。
電流検出器107(u相用とv相用の2個の電流センサよりなる)は、3相交流電動機108のu相、v相の2相を流れる電流を検出する。
3相→2相変換器111は、上記の検出した電流値をd軸変換、q軸変換してd軸電流値id114とq軸電流値iq115を出力する。このd軸電流値id114とq軸電流値iq115が前記の電流制御器103へ送られる。
また、回転角検出器109(例えばレゾルバ等)は、3相交流電動機108の回転角を検出する。
回転角演算器110は、上記の検出した回転角から電気角を演算し、それが上記2相→3相変換器105と3相→2相変換器111における座標変換演算に用いられる。
上記の部分は、3相交流電動機のPWM駆動制御装置における通常の構成である。
【0007】
本実施例においては、上記の構成の他に、電流検出器107の異常を検知するために、相電流演算器120、相電流積分器121および電流センサ異常判定器122を備えている。
相電流演算器120は、電流検出器107で検出した3相のうち任意の2相の電流125と126(この場合はu相電流iuとv相電流iuとする)を入力し、それぞれの絶対値を演算する。なお、絶対値の代わりに2乗値(偶数乗であれば可)を求めてもよい。
相電流積分器121は、それぞれの絶対値を所定期間(所定時間または所定回転角等)のあいだ積分する。
電流センサ異常判定器122は、上記の各絶対値の積分値を比較し、両者の差が所定値を超えた場合に電流センサ異常と判定する。
上記の判定結果124は、電力変換装置106へ送られ、異常時には電力変換動作を停止すると共に、図示しない外部の報知器(インジケータや警報音発生器等)を作動させて異常発生を報知する。
【0008】
図2は、上記図1の動作における各部の波形を示す図である。
図2において、201はu相電流iu、202はv相電流ivであり、図示のように両者は120°位相が異なっている。
【0009】
203はu相電流の絶対値|iu|、204はv相電流の絶対値|iv|である。
上記の|iu|と|iv|を所定時間積分した値は、205、206に示すように、正常時には殆ど同じ値になるはずである。しかし、電流検出器107が異常になると、異常になったセンサで検出した方の相電流値は正常値から外れるので、上記二つの積分値間には差が生じる。したがって両者の差が所定値を超えた場合に電流センサ異常と判定することが出来る。
【0010】
以下、本実施例における異常判定処理について詳細に説明する。
図3は、第1の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフローを示す。
まず、図3(b)に示す初期設定を行なう。ステップ321では、図示しない電源が投入されると、電流異常フラグをクリアする。ステップ322では、ループ変数k、すなわち所定の積分期間に達したかどうかを判断する変数をクリアする。
【0011】
上記の初期設定が行われると、図3(a)に示すメインフローが所定時間ごとに行われる。
図3(a)において、ステップ301では、電流検出器107の2相の電流センサから今回の電流値iu(k)、iv(k)を取り込む。
ステップ302では、取り込んだ2相の電流値のそれぞれについて絶対値|iu(k)|、|iv(k)|を算出する。
ステップ304では、前回まで和の値iux、ivxに今回算出した絶対値を加算する。つまり、これにより積分値を算出する。
ステップ306では、一方の電流センサ(例えばu相電流センサ)の積分値iuxと他方の電流センサ(例えばv相電流センサ)の積分値ivxとの差分ixを演算する。
ステップ307では、ステップ306で演算した差分ixが、リミット値(所定のしきい値)以上である場合には、電流センサが異常であると判断し、ステップ309へ進む。
ステップ309では、電流異常フラグをセットする。
ステップ320では、電流異常フラグがセットされた場合、報知器によって異常を報知する。また、図3には示していないが、電流異常フラグをセットされた場合には、図1の電力変換装置106を停止させる等のFAIL処理を行うように構成してもよい。
【0012】
一方、ステップ307において、異常でないと判断した場合は、ステップ303で、変数kが規定値DETに達したか否かを判断する。
変数kが規定値に達した場合には、ステップ305で、変数kをk=0にクリアすると共に、積分値および積分値の差分を記憶・演算しているバッファをクリアする。すなわち、今回の規定時間中には、電流センサの異常が判断されなかったことになる。
また、ステップ303で、変数kが規定値に達していなかった場合には、ステップ310で、変数kをインクリメントする。
【0013】
なお、上記のフローでは、ステップ302で電流値の絶対値を演算し、ステップ304で絶対値の積分値を求める場合を例示したが、ステップ302で電流値の2乗値を演算し、ステップ304で2乗値の積分値を求めるように構成しても同様の効果が得られる。また、2乗に限らず偶数乗(2乗、4乗、6乗、…)であればよい。
【0014】
第1の実施例においては、電動機制御装置を構成する部品のなかでも、比較的高価な部品である電流検出器の構成部品数を減らすことが可能となるため、電動機制御装置の低コスト化が可能となる。
また、電力変換装置(インバータ)の3相出力のうち、全ての相に電流センサを取りつける必要がなくなるため、部品配置の自由度が増し、インバータの小型化に寄与することができる。
また、瞬時検出値を積分して比較していることにより、電流センサから与えられるノイズ等の外乱要素に対して安定な異常検出が可能となる。
【0015】
なお、これまで説明した第1の実施例においては、検出した瞬時電流値の絶対値または2乗値を積分する構成を示したが、瞬時電流値自体を積分して比較する構成も可能である。その場合には、図3のフローにおいて、ステップ302の絶対値処理を無くせばよい。ただし、図3に示したように、瞬時電流値の絶対値または2乗値の積分を行う構成においては、積分区間の取り方に依らず、異常判定が可能になるという利点がある。
【0016】
(第2の実施例)
図4は本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図であり、図5は図4の動作における各部の波形を示す図である。
図4において、トルク指令値401、トルク−電流Map402、電流制御器403、非干渉制御器404、2相→3相変換器405、電力変換装置406、電流検出器407、3相交流電動機408、回転角検出器409、回転角演算器410、3相→2相変換器411、d軸電流指令値id*412、q軸電流指令値iq*413、d軸電流値id414、q軸電流値iq415、相電流演算器420、相電流積分器421および電流センサ異常判定器422の部分は、前記図1と同様である。
図4において変更になった個所は、基準角演算器431が設けられ、相電流積分器421における積分期間を電気角180°の任意の整数倍の期間に設定していることである。なお、図5においては電気角180°の3倍の540°(3相交流電動機が1.5回転)に相当する期間に設定した場合を例示している。
【0017】
図4において、基準角演算器431は、回転角検出器410で演算した回転角を入力し、回転角が電気角で180°の整数倍だけ進む毎に積分基準値DET432を出力する。相電流積分器421は、積分基準値DET432の期間について積分演算を行う。
上記のように、積分基準値DET432の整数倍の期間について積分値を求めることにより、図5に示すように、電流検出器407が正常な場合には、|iu(k)|と|iv(k)|の積分値が等しくなるので、積分値のsin波の揺らぎに影響されることなく、正確な比較を行うことが可能となる。
【0018】
図6は、第2の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフローを示す。
図6(b)に示した初期設定のフローは前記図3と同じである。また、図6(a)のメインフローにおいても、ステップ601、604、605、606、607、609、610、620の部分は前記図3と同じである。
図6(a)のメインフローにおいて図3と異なっているのは、ステップ612、613および614の部分である。この変更部分について説明する。
まず、ステップ612では、回転角演算器710から回転角を読み込み、ステップ613では、電気角で180°の整数倍になる基準角DETを演算する。
また、ステップ614では、回転角が基準角DETに達したか否かを判断し、達した場合にはステップ605で、変数kをk=0にクリアすると共に、積分値および積分値の差分を記憶・演算しているバッファをクリアする。すなわち、今回の規定期間中には、電流センサの異常が判断されなかったことになる。
また、ステップ614で、変数kが規定値に達していなかった場合には、ステップ610で、変数kをインクリメントする。
上記一連の動作により、2個の電流センサで、電流センサ異常の検出が可能となり、かつ、積分期間を電気角で180°の任意の整数倍の時間とおくことで、積分値のsin波の揺らぎを気にすることなく、正確な比較を行うことが可能となる。
【0019】
第2の実施例においては、積分期間を回転周期の半周期(180°)の任意の整数n倍とすることにより、積分期間の取り方により互いに120°位相差で回転する3相電流のうちの2相を比較ことによって生じる誤差を除外することが可能となる。また、電動機の突極性等に起因する高次高調波等の電流波形歪みを含む電流であっても、互いに比較する2相の各々が時間軸方向にシフトした相似波形であるため、正確な比較を行うことが可能となる。
【0020】
なお、第2の実施例においても、前記第1の実施例と同様に、絶対値の積分値を求める代わりに、2乗値の積分値を求めるように構成しても同様の効果が得られる。また、2乗に限らず偶数乗(2乗、4乗、6乗、…)であればよい。
また、第2の実施例においても、絶対値を求めず瞬時電流値自体を積分して比較する構成も可能である。その場合には、図6のフローにおいて、ステップ602の絶対値処理を無くせばよい。
【0021】
(第3の実施例)
図7は本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図であり、図8は図7の動作における各部の波形を示す図である。
図7において、トルク指令値701、トルク−電流Map702、電流制御器703、非干渉制御器704、2相→3相変換器705、電力変換装置706、電流検出器707、3相交流電動機708、回転角検出器709、回転角演算器710、3相→2相変換器711、d軸電流指令値id*712、q軸電流指令値iq*713、d軸電流値id714、q軸電流値iq715、相電流積分器721および電流センサ異常判定器722の部分は、前記図1と同様である。
【0022】
図7において変更になった個所は、速度演算器731が設け、回転角演算器710で求めた回転角から、回転角速度を算出し、その値が所定値以下の低回転速度時に相電流位相演算器720へ指示を送り、相電流位相演算器720では位相をずらす演算を行うように構成したことである。
つまり、相電流位相演算器720においては、二つの相電流のうちの一方の電流位相を120°ずらせたもの(図8ではv相電流ivをずらしている)をつくり、相電流積分器721では、検出したままのu相電流iuと位相を120°ずらせたv相電流ivとを積分する。そして上記のv相電流ivをずらす演算は、上記のように速度演算器731の演算結果に応じて、3相交流電動機の回転速度が所定値以下の低回転速度時にのみ行う。
【0023】
積分時間を一定値にすると、3相交流電動機の低回転時には、電流波形の積分される区間が短くなるので、低回転になるほど異常検知精度が低下する傾向がある。また、第2の実施例のように、積分期間を電気角180°の任意の整数倍の時間に設定すると、低速回転時でも異常検知精度は低下しないが、低回転になるほど積分時間が長くなってしまう。
しかし、一方の電流位相を120°ずらすと、図8に示すように、二つの電流の位相が同じになるので、瞬時電流値を見かけ上、等しくすることが可能となる。そのため、二つの電流の積分値の比較が正確かつ容易になるので、電流波形の積分区間が短くなっても検知精度を低下させないで保つことが出来る。したがって、図7の実施例のように、回転角速度が所定値以下の低速回転時には、一方の電流位相を120°ずらすことにより、積分時間が長くなるのを抑制しながら低速回転時の検知精度を向上させることが可能になる。
【0024】
図9は、第3の実施例における異常判定処理を示すフローチャートである。なお、初期設定のフローは示していないが、前記図3と同様である。
図9のフローにおいて、ステップ901、902、903、904、905、906、907、909、910、920の部分は前記図3と同じである。
図9のフローにおいて図3と異なっているのは、ステップ931〜934の部分である。
図9において、ステップ901では、電流検出器107の2相の電流センサから今回の電流値iu(k)、iv(k)を取り込む。
次に、ステップ931では、3相交流電動機708の回転角速度αを演算し、ステップ932では、αが所定値以下か否かを判断する。そしてαが所定値以下でない場合(NO)には、ステップ902へ行き、図3のステップ302以下と同様の処理を行う。
αが所定値以下の場合(YES)には、ステップ933で、一方の電流、例えばv相電流iv(k)の位相を120°ずらせる位相変換演算を行う。120°位相変換されたv相電流をiv(k)’とすれば、ステップ934では取り込んだu相電流iu(k)と上記の位相変換したv相電流iv(k)’のそれぞれについて絶対値|iu(k)|、|iv(k)’|を算出する。
ステップ904では、前回まで和の値iux、ivxに今回算出した絶対値を加算する。つまり、これにより積分値を算出する。以下、前記図3と同様の処理を行う。
上記のように、回転角速度が所定値以下の低速回転域においてのみ、一方の電流を120°位相変換して両電流の位相を揃えることにより、積分時間が長くなるのを抑制しながら低速回転時の検知精度を向上させることが可能になる。
【0025】
なお、第3の実施例においても、前記第1の実施例と同様に、絶対値の積分値を求める代わりに、2乗値の積分値を求めるように構成しても同様の効果が得られる。また、2乗に限らず偶数乗(2乗、4乗、6乗、…)であればよい。
また、第3の実施例においても、絶対値を求めず瞬時電流値自体を積分して比較する構成も可能である。その場合には、図9のフローにおいて、ステップ902と934の絶対値処理を無くせばよい。
【0026】
これまで説明した第3の実施例の構成では、検出したままのu相電流と120°位相変換したv相電流とについて、それぞれ絶対値を求め、それぞれを積分した値を相互に比較し、両者の差が所定値以上の場合に電流センサの異常と判断するように構成しているが、v相電流をu相電流と逆相になる方向へ120°位相変換した値と、検出したままのu相電流とを加算し、その加算値を積分し、その値が所定値以上の場合に電流センサの異常と判断するように構成していもよい。また、v相電流をu相電流と逆相になる方向へ120°位相変換した値と、検出したままのu相電流とについて、それぞれを積分した値を加算し、その加算値が所定値以上の場合に電流センサの異常と判断するように構成してもよい。
v相電流をu相電流と逆相になる方向へ120°位相変換した値と検出したままのu相電流とは、逆位相で値がほぼ一致しているので、電流検出器が正常であれば、両者の加算値は非常に小さな値になると予想される。したがって加算値を積分した値もしくはそれぞれを積分した値の加算値を求め、所定値と比較することにより、電流センサの異常を判断することが出来る。
なお、これまでの説明では、u相電流とv相電流を例として説明したが、3相の交流のうちの何れか2相であればよいことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】図1の動作における各部の波形を示す図。
【図3】第1の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフロー。
【図4】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図。
【図5】図4の動作における各部の波形を示す図。
【図6】第2の実施例における異常判定処理を示すフローチャートであり、(a)は異常判定処理のメインフロー、(b)は初期設定のフロー。
【図7】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図。
【図8】図7の動作における各部の波形を示す図。
【図9】第3の実施例における異常判定処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
101、301、701…トルク指令値
102、302、702…トルク電流Map
103、403、703…電流制御器
104、404、704…非干渉制御器
105、405、705…2相→3相変換器
106、406、706…電力変換装置
107、407、707…電流検出器
108、408、708…電動機
109、409、709…回転角検出器
110、410、710…回転角演算器
111、411、711…3相→2相変換器
114、414、714…d軸電流値
115、415、715…q軸電流値
112、412、712…d軸電流指令値
113、413、713…q軸電流指令値
114、414、201、501、801…u相電流値
115、415、202、502、802…v相電流値
120、420…相電流演算器
121、421、721…相電流積分器
122、422、722…電流センサ異常判定器
431…基準角演算器
720…相電流位相演算器
731…速度演算器
Claims (8)
- 3相交流電動機ヘ流れる3相交流電流のうちの第1相と第2相の電流を検出する2個の電流センサを備え、前記電流センサにより検出された第1相電流検出値と第2相電流検出値とに基づいて、前記3相交流電動機を駆動する駆動制御装置用の電流センサ診断装置であって、
前記第1相電流検出値の所定期間の積分値と、前記第2相電流検出値の所定期間の積分値とを比較し、両者の差が所定値を超えた場合に、前記電流センサが異常であると判断する手段を備えたことを特徴とする電流センサ診断装置。 - 前記所定期間の積分値は、前記第1相電流検出値と前記第2相電流検出値の絶対値を所定期間のあいだ積分した値であることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ診断装置。
- 前記所定期間の積分値は、前記第1相電流検出値と前記第2相電流検出値の偶数乗の値を所定期間のあいだ積分した値であることを特徴とする請求項1に記載の電流センサ診断装置。
- 前記所定期間を、前記3相交流電動機の電気角回転周期の半周期のn倍(nは任意の整数)に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電流センサ診断装置。
- 前記所定期間の積分値は、前記第1相電流検出値の位相を120°ずらした値の所定期間の積分値と、前記第2相電流検出値の所定期間の積分値であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電流センサ診断装置。
- 前記第1相電流検出値の位相を前記第2相電流検出値と逆相になる方向に120°ずらした値の所定期間の積分値と、前記第2相電流検出値の所定期間の積分値とを加算した値が所定のしきい値を超えた場合に、前記電流センサが異常であると判断することを特徴とする請求項5に記載の電流センサ診断装置。
- 前記第1相電流検出値の位相を前記第2相電流検出値と逆相になる方向に120°ずらした値と前記第2相電流検出値とを加算した値を求め、前記加算した値の所定期間の積分値が所定のしきい値を超えた場合に、前記電流センサが異常であると判断することを特徴とする請求項5に記載の電流センサ診断装置。
- 3相交流電動機の回転数が所定値以下の低速度の場合に、前記第1相電流検出値を120°ずらした値を用いるように構成したことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れかに記載の電流センサ診断装置。
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